JP4919620B2 - 3層架橋フィルム - Google Patents

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本発明は、包装機にて包装され、主にトレーパック等食品包装分野に使用することができる多層フィルムに関する。
従来、エチレン系多層架橋フィルムの製造方法は例えば、特開昭59−158254号公報により公知である。このフィルムは、エチレン−酢酸ビニル共重合体からなる表面層と直鎖状ポリエチレン等からなる芯層の3層の低温収縮性フィルムであり、この方法で得られるフィルムは透明性・衝撃強度等が優れているものの、フィルムの主体となる直鎖状ポリエチレンは単体では延伸性が必ずしも良好とは言えず、特に高温延伸に乏しいため、面積延伸倍率20倍以下の低倍率延伸となる。その結果、フィルムの自由収縮率が劣り、ルーズな包装を行う際に、被包装物の周辺部にドッグイヤーと呼ばれる収縮不足の突起が残る等、外観上劣るというような問題点を有している。
一方、特公平5−64589号公報で示されたフィルムは、高圧法低密度ポリエチレンと線状低密度ポリエチレンからなる混合樹脂の芯層と、エチレン−酢酸ビニル共重合体を主体とする樹脂の2つの表面層からなり、延伸開始温度を130〜160℃とし、且つ面積延伸倍率20〜50倍に延伸を行った3層架橋フィルムであり、熱収縮性を改良しようとしたものである。表面層を、エチレン−酢酸ビニル共重合体を主体とした樹脂とした場合、フィルムの防曇性やヒートシール性が向上するため、主にトレーパック等食品の自動包装機による包装用途に対して有効である。
特開昭59−158254号公報 特公平5−64589号公報
しかし上記特公平5−64589号公報で示されたフィルムは、表面層がメルトテンションの高いエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂であり、且つフィルム延伸前の電離性放射線照射によりメルトテンションは更に増大してしまう。そのため、メルトフローレート(MFR)が1.0以下のメルトテンションが大きいエチレン−酢酸ビニル共重合体を用いた場合、(a)フィルム全体のゲル分率が、「好ましい」とされる10〜40wt%では、表面層のメルトテンションが高すぎるため高温延伸安定性は必ずしも良好ではなく、また(b)フィルム全体のゲル分率が5〜10wt%では、フィルムのメルトテンションが適当となるため高温延伸安定性が向上するが、架橋度が低すぎるため高温延伸時の、特に芯層の結晶化度が大きくなるためフィルムの透明性や光沢性が悪化するというような問題点を有している。そのため本発明は、熱収縮性・防曇性に優れ、且つ高温延伸安定性・透明性・光沢性・ヒートシール性を改良したフィルムの開発を目的とする。
本発明者らは、上記課題を達成する為に鋭意検討した結果、本発明の目的に適合しうることを見出した。
すなわち、下記のとおりである。
1.MFRが2.0〜6.0g/10分であるエチレン−酢酸ビニル共重合体を50wt%以上含む樹脂の2つの表面層と、高圧法低密度ポリエチレン50〜10wt%、線状低密度ポリエチレン50〜90wt%からなる混合樹脂の芯層を有する3層フィルムであって、該フィルムの90℃自由収縮率が15%以下且つ140℃自由収縮率が70%以上の値を有し、芯層のゲル分率が10〜30wt%、各表面層のゲル分率が20〜40wt%であることを特徴とした3層架橋フィルム。
本発明の樹脂構成及びゲル分率によって得られるフィルムは、生産性に優れ、且つ透明性・光沢性・ヒートシール性・防曇性・熱収縮性に優れており、収縮包装に対して極めて高い適性を有するものである。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明の3層フィルムが従来技術と相違するところは、芯層及び表面層のゲル分率を各々規定することにより、フィルムの延伸安定性や、フィルムの透明性・光沢性・ヒートシール性が改良される点である。
まず本発明のフィルムは、エチレン−酢酸ビニル共重合体を50wt%以上含む樹脂の2つの表面層と、高圧法低密度ポリエチレン50〜10wt%と線状低密度ポリエチレン50〜90wt%との混合樹脂からなる芯層から構成される。
本発明の表面層中に使用されるエチレン−酢酸ビニル共重合体は酢酸ビニル含量5〜20wt%のものが好ましい。酢酸ビニル含量が20wt%以下だと押出成形性に優れ、酢酸臭も少ない。一方、酢酸ビニル含量が5wt%以上であると透明性に優れる。より好ましい酢酸ビニル含量は10〜17wt%である。また、190℃、2.16kgfの条件下で測定されるMFRは2.0〜6.0g/10分が好ましく、さらに好ましくは2.2〜3.0g/10分である。6.0g/10分以下だとメルトテンションが低すぎず延伸安定性が向上する他、引裂強度や突刺強度などの機械的強度に優れたものが得られる。一方、MFRが2.0g/10分以上であるとメルトテンションが高くなりすぎず、高倍率延伸時にフィルムが破れてしまうといった問題が生じにくい。
本発明の表面層中のエチレン−酢酸ビニル共重合体の含有量は50wt%以上であり、好ましくは70wt%以上である。エチレン−酢酸ビニル共重合体の含有量が50wt%以上であると、押出機内における防曇剤や帯電防止剤等の添加剤との混練が向上し、延伸後のフィルムの防曇性能や帯電防止性能等の付加性能をより向上することができる。本発明の効果を損なわない範囲で、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体、アイオノマー樹脂、低圧法高密度ポリエチレン、遷移金属触媒によって重合された高分岐度ポリエチレンポリマー、結晶性1、2−ポリブタジエン、その他、水添ポリテルペン等の石油樹脂、プロピレンとエチレンやブテン−1との共重合体等の他の樹脂を混合して用いることも可能である。例えば表面層に50wt%以下の直鎖状低密度ポリエチレンを混入することによりフィルムの透明性・光沢性・ホットタックシール性を向上させたり、或いは50wt%以下の超低密度ポリエチレンを混入して表面層のメルトテンションを低下させて高温延伸安定性を向上することは好ましい例である。
本発明において芯層中の線状低密度ポリエチレンと高圧法低密度ポリエチレンの成分比率を規定するのは、多層ダイより共押出する時に樹脂自身の重さにより予想以上に重力で引き落とされ、フィルム原反の長さ方向に厚さ斑を生ずる現象(いわゆるドローダウン現象)を発生することなしに均一な厚さのフィルム原反を製膜し、融点以上の温度域で安定した延伸を行うためのゲル分を生成し、更に得られたフィルムのヒートシール性を満足させる微妙なゲル分率の生成量を微調整し、かつ得られたフィルムの物性において引裂強度、突刺強度等の強度物性及び包装機械適性に関する腰をフィルムに付与するためである。
本発明の芯層で使用する高圧法低密度ポリエチレンとは、長鎖分岐の多いホモポリマーであり、芯層中における成分比率は50〜10wt%である。高圧法低密度ポリエチレンは線状低密度ポリエチレンに比べ、電離性放射線で比較的架橋しやすい特性を有しており、且つ高いメルトテンションを有している。高圧法低密度ポリエチレンの成分比率が50wt%以下であると、メルトテンションが高くなりすぎず、延伸時にフィルムが破れにくくなり、且つ延伸時の厚み斑を生じにくくなる。一方、10wt%以上の成分比率を芯層中に有することによって、延伸に必要なメルトテンションをフィルムに付与して延伸安定性が向上し、且つドローダウン現象を防ぐ役割を担い、フィルム厚みを均一にすることができる。
本発明の芯層中に使用される高圧法低密度ポリエチレンの密度は特に限定されないが、0.910〜0.928g/cmのものが好ましい。ここで、密度はJIS−K−7112に従って23℃で測定される値である。密度が0.928g/cm以下だと延伸そのものが容易になり、また得られたフィルムの透明性が向上する。一方、密度が0.910g/cm以上であると、樹脂が柔らかすぎることによるフィルムの剛性低下を招かず、いわゆるフィルムの腰不足によるフィルムの滑り特性低下もなく、包装機械適性が優れる。より好ましい密度は0.912〜0.926g/cm、更に好ましくは0.914〜0.926g/cmである。
本発明の芯層中に使用される高圧法低密度ポリエチレンの190℃、2.16kgfの条件下で測定されるMFRは特に限定されないが、0.2〜7g/10分が好ましい。MFRが7g/10分以下であるとドローダウン現象を防ぐ役割を担い、厚み斑を防ぐことができる他、フィルムに適度なメルトテンションを付与することにより延伸安定性が向上する。一方、MFRが0.2g/10分以上であると押出成形時の押出負荷が軽減され、押出効率及び生産性が向上する。より好ましいMFRは0.3〜6g/10分、更に好ましくは0.4〜5g/10分である。
本発明の芯層中における線状低密度ポリエチレンの成分比率は50〜90wt%である。芯層中における成分比率が50wt%以上であると実用的に十分な引裂強度、突刺強度等の強度物性をフィルム全体に付与することができる。一方、芯層中における成分比率が90wt%以下であると、高圧法低密度ポリエチレンの役割を発現できやすくなり延伸安定性が優れる。より好ましくは55〜85wt%、更に好ましくは60〜80wt%である。
本発明の芯層中に使用される線状低密度ポリエチレンの密度は0.900〜0.940g/cmが好ましい。密度が0.940g/cm以下だと延伸そのものが容易になり、得られたフィルムの透明性が向上する他、低温収縮性も得やすくなる。一方、密度が0.900g/cm以上であると、包装機械適性に関して必要なフィルムの腰及び滑り性をフィルムに付与できる。より好ましい密度は0.905〜0.935g/cm、更に好ましくは0.910〜0.930g/cmである。また、190℃、2.16kgfの条件下で測定されるMFRが0.2〜7g/10分のものが好ましい。7g/10分以下だと延伸安定性が向上して、引裂強度や突刺強度等の機械的強度に優れたものが得られる。一方、MFRが0.2g/10分以上であると押出成形の押出動力が安定し、押出効率が向上する。より好ましいMFRは0.5〜5g/10分、更に好ましくは0.6〜4g/10分である。
上記線状低密度ポリエチレンとは、エチレンとα−オレフィン共重合体のことを意味し、α−オレフィンとはプロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、4−メチル−ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1等の炭素数が3〜18のものから選ばれる少なくとも1種類以上のものであるが、耐衝撃性や引裂強度等の機械的強度、及び延伸製膜性の点から、α−オレフィンとしてはペンテン−1、4−メチル−ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1が好ましい。線状低密度ポリエチレンにおけるエチレンの成分比率は80〜95wt%が好ましく、より好ましくは90〜95wt%である。
以上の線状低密度ポリエチレンとしては、チーグラー触媒等の従来のマルチサイト触媒を用いて得られた重合体(MSC)、またはメタロセン系触媒等のシングルサイト触媒を用いて得られた重合体(SSC)であり、両者を混合したものでもよく、これらから少なくとも1種が用いられることが望ましい。
なお、プラスチック加工で通常用いられる添加剤、すなわち防曇剤、熱安定剤、ブロッキング防止剤、スリップ剤、架橋調節剤等を本発明のフィルムに用いてもよい。架橋調節剤を用いて、各層間の架橋度を変えることにより、ヒートシール性等の特性を更に高めることは好ましい例である。
本発明の3層フィルムは熱収縮特性及びシール時の耐熱性の点から、架橋されていることが必須である。そのため、上記の芯層及び表面層を共押出して急冷固化せしめた後、電離性放射線照射により架橋されることが好ましい。この時の照射の吸収線量は、7.0〜10Mradが好ましく、7.5〜9.0Mradが更に好ましい。この後、原反は延伸機に導かれ、加熱ゾーンにより130〜160℃に加熱し、縦方向は4〜7倍に、横方向は4〜7倍に、つまり面積延伸倍率16〜49倍に延伸を行う。上記条件により延伸製膜されたフィルムの自由収縮率は、90℃自由収縮率が15%以下、且つ140℃自由収縮率が70%以上の値となる。
本発明の3層フィルムのゲル分率は、芯層のゲル分率が10〜30wt%で且つ各表面層のゲル分率が20〜40wt%のものである。好ましくは、芯層のゲル分率が16〜23wt%で且つ各表面層のゲル分率が25〜35wt%のものである。ここで、ゲル分率は、沸騰P−キシレン中で試料を12時間抽出し、不溶解部分の割合を次式により表示したものである。
ゲル分率(wt%)=(抽出後の試料重量/抽出前の試料重量)×100
芯層及び表面層のゲル分率が上記要件を満たすことは、架橋フィルムとしての特徴である優れた熱収縮特性とその熱収縮特性を十分に発揮させるための分子配向を生じせしめるに足りる延伸製膜安定性、更には耐熱性や引裂強度、剛性等の機械的特性を確保する上で重要である。芯層のゲル分率が10wt%以上であると、高温における延伸製膜安定性が向上するだけでなく、ドローダウン現象を防ぐ役割を担い、また熱収縮性フィルムとして必要な分子配向の付与も容易となる。一方、表面層としてエチレン−酢酸ビニルを用いた場合は架橋効率が高いため、自ずと高ゲル分率となるが、ゲル分率が20wt%以上とすることによって優れた透明性及び光沢性をフィルムに付与することができる。又、芯層のゲル分率が30wt%以下だと、上記樹脂構成では延伸時のフィルムのメルトテンションが適度となるため、16〜49倍の面積延伸倍率での高温延伸が容易となる。一方、表面層のゲル分率が40wt%以下であると、同様に延伸が容易となるだけでなく、安定したヒートシール性をフィルムに付与することができる。
以下に実施例、比較例に基づき、詳細に説明する。
実施例に使用した樹脂のリストを以下に記す。
EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)−a:(酢酸ビニル含量=15wt%、MFR=2.3g/10分)
EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)−b:(酢酸ビニル含量=15wt%、MFR=2.5g/10分)
EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)−c:(酢酸ビニル含量=15wt%、MFR=1.0g/10分)
LDPE(高圧法低密度ポリエチレン):(密度=0.920g/cm、MFR=0.4g/10分)
LLDPE(線状低密度ポリエチレン):(α−オレフィン:オクテン、密度=0.926g/cm、MFR=2.0g/10分)
以下に本発明に使用される測定方法、評価方法をまとめて記す。
(1)MFR
温度190℃で、キャピラリ−レオメーターにより測定した。
(2)MS
温度190℃で、キャピラリーレオメーターにより測定した。
(3)ゲル分率
沸騰P−キシレン中で試料を12時間抽出し、不溶解部分の割合を次式により表示したもので、フィルムの架橋度の尺度として用いた。
ゲル分率(wt%)=(抽出後の試料重量/抽出前の試料重量)×100
(4)収縮前のヘイズ、グロス
ヘイズはASTM−D−1003、グロスはASTM−D−2457に各々準じて測定を行った。
(5)収縮後のヘイズ、グロス
熱風温度120℃、通過時間3秒の条件で熱風トンネルを通過させたフィルムを面積で20%収縮させたものを用いて、ヘイズはASTM−D−1003、グロスはASTM−D−2457に各々準じて測定を行った。
(6)引張弾性率
ASTM−D−882−81法にて測定した。
(7)ヒートシール温度範囲
フィルムサンプルを30cm×30cmの大きさに切り出す。中央化学社製PSPトレー、商品名CK18−12E(180mm長×120mm幅×25mm高)に200gのアルミ板を載せ、これを切り出したサンプルフィルムで、先ず長辺側から包み、次に短辺側から包み込む。この場合、トレー底面ではフィルムが折り重なっている部分と重ならないで1枚の状態の部分が出来る。±1℃以内でコントロール出来る熱板を90℃から5℃刻みで設定しながら、前述のごとく包んだものをトレー底面側が熱板に接触する様に熱板上に置く。接触時間を2秒とし、直ちにトレー底面側のフィルムのヒートシール状態を観察する。折り重なった部分を剥がそうとすると、フィルムが破れてしまう程度までフィルム同士が融着していて、且つ1枚の状態のフィルムにメルトホールが発生していないものを合格とし、合格となる温度範囲(℃)を求めた。
(8)延伸開始温度
市販の非接触式温度計にて測定した値を用いた。
(9)延伸倍率
縦方向の延伸倍率については、延伸前後の速度比を倍率として用いた。横方向の延伸倍率については、延伸前パリソンの巾と延伸後フィルムの巾との比を倍率として用いた。
(10)自由収縮率
ASTM−D−2732法にて測定した値の縦方向(MD)と横方向(TD)の平均値として示す。
(11)寸法変化量
300mm巾、1000m巻のフイルムロールを、40℃のオーブンで30日間の保管テストを行い、巾寸法の減少分として表したものである。
(12)延伸安定性
4時間の延伸テストを行った結果、以下の基準で定義した。
◎ 平均バブル持続時間24時間以上で、かつバブルのゆれのないもの。
○ 平均バブル持続時間24時間以上だが、バブルのゆれのあるもの。
△ 平均バブル持続時間1時間以上24時間未満のもの。
× 平均バブル持続時間10分以上1時間未満のもの。
×× 平均バブル持続時間10分以上未満のもの。
(13)安定走行性
◎:安定して包装の行えたもの。
○:やや包装の不安定なもの。
△:包装形状にバラツキがあるもの。
×:包装時に破れ、詰りなどが発生するもの。
(14)底シール性
◎:完全な密封シールが行えたもの。
〇:部分的にしっかりシールされているもの。
△:溶融し、穴・破れが発生したもの。
×:シールされていないもの。
(15)透明性
◎:光沢があり、ディスプレイ効果の高いもの。
○:やや光沢に乏しいもの。
△:フィルムが白化気味のもの。
×:フィルムが白化し、内容物がくすんで見えるもの。
(16)収縮性
◎:張りが強く、均一な収縮が行えたもの。
○:やや張りの弱いもの。
△:小ジワが部分的に残るもの。
×:包装物に緩み、ドッグイヤーがあるもの。
(17)総合評価
上記の(12)〜(16)について、◎=3点、○=2点、△=1点、×=0点で採点した結果を示す。
以下、実施例、比較例及びそれらの製造方法を示し、本発明をより具体的に説明する。
フィルムの延伸方法としては、ロール延伸法、テンター法、バブル法等特に制限はないが、同時ニ軸延伸で製膜される方法が延伸性その他合理性より好ましい。
まず、実施例及び比較例が示すような樹脂を用いて、2台の押出機を使用し、2種3層の環状ダイスより両表面層、芯層からなる3層構成のチューブを溶融押出し、水冷リングを用いて急冷却して未延伸チューブ(パリソン)を得た。チューブにはグリセリン脂肪酸エステル系界面活性剤を主体(純度65%以上)とした添加剤を添加したが、押出機のスクリューの圧縮部手前に高圧ポンプにて注入する方法にて添加した。また、各層所定の比率となるように、各押出量を設定し、断面観察にて層構成を確認した。得られた未延伸チューブを電子線によって規定量の吸収線量が照射され、その後延伸部に送り、赤外加熱ヒーターにて加熱し、空冷リングで冷却させながらエアーを注入してバブルを形成する、いわゆるインフレーションバブル法により延伸される。また、この時の延伸温度は130〜160℃である。加熱ゾーンから延伸ゾーンでは縦方向に延伸されており、その延伸倍率は、加熱入りのピンチローラーの速度とバブル巻取機の速度との速度比で調整した。この後、デフレーター部で折りたたみダブルのフィルムとなり、巻取機にて巻き取ってフィルム原反を採取した。この時のフィルムの巾とパリソンの巾にて横方向の延伸倍率として調整した。延伸倍率は表1に記載の通りであり、所定の厚みとなるよう押出量にて調整した。スリッターにて、ダブルのフィルム原反よりシングルに剥ぎながらスリットを行い、実施例1,2及び比較例1,2の多層フィルムを得た。
[実施例1]
EVA−aを表面層樹脂として、またLLDPE:75wt%、LDPE:25wt%の混合物を芯層用樹脂として用意し、本文記載の製法によりフィルムを得た。この際、原反の厚み構成は表面層/芯層/表面層=15/70/15で合計430μmであった。電離性放射線の吸収線量は7.6Mradであり、延伸開始温度140℃で縦方向6.5倍、横方向6.4倍の延伸を行い、約10μmのフィルムを得た。
[実施例2]
EVA−bを表面層樹脂として、またLLDPE:75wt%、LDPE:25wt%の混合物を芯層用樹脂として用意し、本文記載の製法によりフィルムを得た。この際、原反の厚み構成は表面層/芯層/表面層=15/70/15で合計430μmであった。電離性放射線の吸収線量は8.3Mradであり、延伸開始温度140℃で縦方向6.5倍、横方向6.4倍の延伸を行い、約10μmのフィルムを得た。
[比較例1]
EVA−cを表面層樹脂として、またLLDPE:75wt%、LDPE:25wt%の混合物を芯層用樹脂として用意し、本文記載の製法によりフィルムを得た。この際、原反の厚み構成は表面層/芯層/表面層=15/70/15で合計430μmであった。電離性放射線の吸収線量は6.1Mradであり、延伸開始温度140℃で縦方向6.5倍、横方向6.4倍の延伸を行い、約10μmのフィルムを得た。
[比較例2]
EVA−cを表面層樹脂として、またLLDPE:75wt%、LDPE:25wt%の混合物を芯層用樹脂として用意し、本文記載の製法によりフィルムを得た。この際、原反の厚み構成は表面層/芯層/表面層=10/80/10で合計430μmであった。電離性放射線の吸収線量は6.1Mradであり、延伸開始温度140℃で縦方向6.5倍、横方向6.4倍の延伸を行い、約10μmのフィルムを得た。
各フィルムの物性及び延伸安定性を表1に併せて記した。実施例1,2は、通常低下しがちな収縮後の透明性であるヘイズ値が2.0%以下と優れており、包装作業の安定度に寄与する弾性率も200MPa以上と高く、ヒートシール温度範囲も100〜160℃と広く、さらに本条件下での延伸安定性も優れたものであった。
また、実施例1,2及び比較例1,2の各サンプルについて、自動包装機による包装テストを行った結果も表1に併せて記した。包装テストは、市販の底シール型であり、オーバーラップシュリンク型の包装機である直線型ストレッチシュリンク包装機(大森機械社製、商品名STN−N2)にて、中央化学社製PSPトレー、商品名CK25−12E(248mm長×120mm幅×25mm高)を用い、内容物は角がある約200gの直方体の樹脂の塊として行った。
本発明である実施例1,2は、自動包装機械による包装の安定性、底ヒートシールによる完全な密封性に優れ、また、仕上がりの包装物のフィルムの張り、外観、透明性も優れており、総合評価23点という素晴らしいものであった。
一方、比較例1,2は、包装時の底ヒートシール温度範囲が狭く、また、仕上がりの透明性に劣るものであった。
つまり、本発明の樹脂構成は総合的に卓越したものである。
Figure 0004919620
本発明のフィルムは、透明性、底ヒートシール性、寸法安定性及び生産性に優れており、収縮包装に対して極めて高い適性を有するものである。

Claims (1)

  1. MFRが2.0〜6.0g/10分であるエチレン−酢酸ビニル共重合体を50wt%以上含む樹脂の2つの表面層と、高圧法低密度ポリエチレン50〜10wt%、線状低密度ポリエチレン50〜90wt%からなる混合樹脂の芯層を有する3層フィルムであって、該フィルムの90℃自由収縮率が15%以下且つ140℃自由収縮率が70%以上の値を有し、芯層のゲル分率が10〜30wt%、各表面層のゲル分率が20〜40wt%であることを特徴とした3層架橋フィルム。
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