JP5328464B2 - 熱収縮多層フィルム - Google Patents

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本発明は、熱収縮多層フィルムに関する。
従来、飲食料品、医薬品、化粧品、産業部材、化成品、その他の物品を充填包装するために、様々な形態のプラスチック製包装容器が開発され提案されている。プラスチック製包装容器を充填包装するために、プラスチック製包装容器の開口部をフィルムによりシールする必要がある。そして、飲食料品など内容物の品質の保護及び保存期間の延長などの要望により、開口部をシールするフィルムがヒートシール性に優れることが要求されている。また、充填包装に用いるフィルムが内容物を完全に密封することも要求されている。さらに、包装体全体の見栄えをよくして製品全体の価値を高めるために、タイトな仕上りで視認性の高いフィルムが要求されている。
また、食料品を覆う包装方法として、例えば、家庭用ラップ包装、オーバーラップ包装、ひねり包装、袋詰め包装、スキン包装、シュリンク包装、ストレッチ包装、ピロー包装などが挙げられる。特に、シュリンク包装やピロー包装、トップシール包装の連続包装機は近年高速化の開発傾向にある。それに伴って連続包装で使用されるフィルムへの要求特性に対し、種々の層構成、樹脂組成からなるフィルムが開発され提案されている。
例えば、特許文献1には、直鎖状中密度ポリエチレン及び高密度ポリエチレンからなるコア層を有する高モジュラスフィルムが開示されている。
また、特許文献2には、超低密度ポリエチレンを含むエチレン系重合体混合物である内部層Bと線状低密度ポリエチレンを主成分とする内部層Cを有する包装フィルムが開示されている。
さらに、特許文献3には、中間層として高密度ポリエチレンを用いた架橋積層ラップフィルムが開示されている。
特開2004−1384公報 特開2007−118576公報 国際公開第02/072349号パンフレット
しかしながら、特許文献1〜3に開示された従来のフィルムを汎用の包装機でヒートシールする際、熱によりシール線上にシワが発生し安定したシール強度が発現しづらく、かつ、シワ由来により夾雑物シールが不良となり、液体物が漏れる恐れがある。また、長時間の段積輸送の振動や段積での長期保管、陳列時に包装体の荷重により包装体の天面のフィルムが弛むなど商品価値を損ねる恐れがある。一方、未延伸フィルムを使用した場合には盛り上がった包装体を包装した場合、包装体のフィルムの収縮不足などで仕上り性が不良となり商品価値を損ねる恐れがある。
本発明が解決しようとする課題は、上述したような従来技術における問題点を解決し得る、剛性を有し、かつ熱収縮特性のバランスに優れる熱収縮多層フィルムを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決する為鋭意検討した結果、特定の組合せの樹脂からなる基材層と、前記基材層上に積層され、特定の樹脂からなり、かつ特定の熱収縮率、最大熱収縮応力、及びゲル分率を有する熱収縮多層フィルムとすることによって、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の熱収縮多層フィルムを提供する。
1.
基材層(I)と、前記基材層(I)に積層されるヒートシール層(II)と、を有する熱収縮多層フィルムであって、前記基材層(I)が、中高密度ポリエチレンと、高圧法低密度ポリエチレンと、からなる層であり、前記ヒートシール層(II)が、1種又は2種以上のエチレン系重合体からなる層であり、以下(A)、(B)、及び(C)の特性を有するポリオレフィン系熱収縮多層フィルム:
(A)測定法ASTM D2732に準拠し、120℃での熱収縮率が20%以下、かつ140℃における熱収縮率が60%以上であり、
(B)測定法ASTM D2838に準拠し、140℃での最大熱収縮応力が3.0MPa以下であり、及び
(C)前記基材層(I)のゲル分率が20質量%以上、かつ前記ヒートシール層(II)のゲル分率が20質量%以下である。
2.
前記中高密度ポリエチレンの密度が0.930〜0.970g/cm3である、前記1.に記載の熱収縮多層フィルム。
3.
前記高圧法低密度ポリエチレンの密度が0.915〜0.929g/cm3である、前記1.又は2.に記載の熱収縮多層フィルム。
4.
前記基材層(I)が、前記中高密度ポリエチレン55〜95質量%と、前記高圧法低密度ポリエチレン5〜45質量%と、からなる層である、前記1.〜3.のいずれか一項に記載の熱収縮多層フィルム。
5.
前記エチレン系重合体が、高圧法低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体、及びエチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体から選ばれる少なくとも1種又は2種以上からなる、前記1.〜4.のいずれか一項に記載の熱収縮多層フィルム。
6.
前記基材層(I)が、グリセリン系脂肪酸エステル0.1〜5.0質量%をさらに含有する、前記1.〜5.のいずれか一項に記載の熱収縮多層フィルム。
7.
前記ヒートシール層(II)が、グリセリン系脂肪酸エステル0.1〜5.0質量%をさらに含有する、前記1.〜6.のいずれか一項に記載の熱収縮多層フィルム。
8.
前記ヒートシール層(II)が、前記基材層(I)の両面に積層される、前記1.〜7.のいずれか一項に記載の熱収縮多層フィルム。
9.
熱収縮多層フィルムの厚みが5〜40μmである、前記1.〜8.のいずれか一項に記載の熱収縮多層フィルム。
10.
前記熱収縮多層フィルムが硬質トレー包装用又は発泡トレー包装用である、前記1.〜9.のいずれか一項に記載の熱収縮多層フィルム。
11.
前記熱収縮多層フィルムが蓋材用である、前記1.〜10.のいずれか一項に記載の熱収縮多層フィルム。
本発明によれば、収縮特性のバランスに優れる熱収縮多層フィルムを提供することができる。また、本発明によれば、シュリンク温度域で、高収縮率及び低収縮応力であることによりタイトな包装仕上り性を持ち、かつシール温度域で、低収縮であることにより収縮シワを抑制し安定したヒートシール性を併せ持つ熱収縮多層フィルムを提供することができる。さらに、段積輸送の振動や段積での長期保管や陳列時の荷重で包装体が弛むことのないフィルム剛性を有し、防曇性、曇り度、及び光沢度に優れ耐熱性をも併せ持つ熱収縮多層フィルムを提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、本実施の形態という。)について、詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本実施の形態の熱収縮多層フィルム(以下、単に「フィルム」と略記する場合がある。)は、基材層(I)と、前記基材層に積層されるヒートシール層(II)と、を有する熱収縮多層フィルムであって、前記基材層(I)が、中高密度ポリエチレンと、高圧法低密度ポリエチレンと、からなる層であり、前記ヒートシール層(II)が、1種又は2種以上のエチレン系重合体からなる層であり、以下(A)、(B)、及び(C)の特性を有する:
(A)測定法ASTM D2732に準拠し、120℃での熱収縮率が20%以下、かつ140℃における熱収縮率が60%以上であり、
(B)測定法ASTM D2838に準拠し、140℃での最大熱収縮応力が3.0MPa以下であり、及び
(C)基材層(I)のゲル分率が20質量%以上、かつヒートシール層(II)のゲル分率が20質量%以下である、熱収縮多層フィルムである。
[基材層(I)]
本実施の形態において、基材層(I)は、中高密度ポリエチレンと、高圧法低密度ポリエチレンと、からなる層である。
基材層(I)が中高密度ポリエチレンと、高圧法低密度ポリエチレンと、からなる層であることにより、剛性を持つフィルムにおいても安定して生産することができる。
本実施の形態において、基材層(I)が中高密度ポリエチレンを含有することにより、フィルムに剛性を付与し、輸送適性評価においてフィルムの弛みを抑制するフィルムとすることができる。
ポリエチレンはJIS K 6922で密度により分類され、密度が0.942g/cm3以上が高密度ポリエチレン(HDPE)、0.930〜0.941g/cm3の範囲のものが中密度ポリエチレン(MDPE)、0.910〜0.929g/cm3の範囲のものが、低密度ポリエチレン(LDPE)とされる。
中高密度ポリエチレンは、高密度ポリエチレンと中密度ポリエチレンであり、密度が0.930以上である、エチレン単独の重合体又はエチレン及びC4〜6のα−オレフィンの共重合体である。α−オレフィンとしては、1−ブテン、1−ヘキセンなどが挙げられる。中高密度ポリエチレンは、フィリップス法、スタンダード法、チーグラー法などの一般に公知の方法で製造することができる。
本実施の形態においては、フィルムの剛性や透明性が求められ、段積輸送適性においてもフィルムの弛みを抑制し、かつ曇り度が良好で製造時の延伸が容易に行えることが必要である。剛性を有するフィルムを提供する観点からは、中高密度ポリエチレンの密度としては0.930〜0.970g/cm3であることが好ましく、より好ましくは0.942〜0.970g/cm3であり、さらに好ましくは0.942〜0.966g/cm3であり、さらにより好ましくは0.950〜0.960g/cm3であり、中高密度ポリエチレンとして、高密度ポリエチレンを用いることが好ましい。
用途によって、フィルムの剛性よりも透明性や、より高い引裂強度を有するフィルムを提供する観点からは、中高密度ポリエチレンの密度としては0.930〜0.970g/cm3であることが好ましく、より好ましくは0.930〜0.941g/cm3であり、さらに好ましくは0.935〜0.941g/cm3であり、中高密度ポリエチレンとして、中密度ポリエチレンを用いることが好ましい。透明性に優れ、実用的な剛性も兼ね備えたフィルムを得ることができる。
本実施の形態において、「密度」とは、JIS K 6922に準じて測定される値を意味する。
密度の測定方法として、具体的には、JIS K 6922に準じて、密度勾配管により密度を測定することができる。
本実施の形態において、中高密度ポリエチレンのメルトフローレート(以下、単に「MFR」と略記する場合がある。)は、0.2〜7.0g/10分であることが好ましく、より好ましくは0.5〜6.0g/10分である。メルトフローレートが0.2g/10分以上ではフィルムの強度が得られる点で好ましく、7.0g/10分以下では生産工程での安定性が得られる点で好ましい。
本実施の形態において、メルトフローレート(MFR)は、溶融時の流動性を示す指標であり、JIS K 7210に準じて測定される値を意味する。
MFRの測定方法として、具体的には、JIS K 7210に準じて、メルトインデクサーによりMFRを測定することができる。
本実施の形態において、基材層(I)が高圧法低密度ポリエチレンを含有することにより、生産工程で安定なフィルムとすることができる。
高圧法低密度ポリエチレンは、繰り返し単位のエチレンがランダムに分岐を持って結合し、長鎖分岐を有するポリエチレン共重合体である。
本実施の形態において、高圧法低密度ポリエチレンの密度は0.910〜0.929g/cm3であることが好ましく、より好ましくは0.915〜0.929g/cm3である。高圧法低密度ポリエチレンの密度が0.910g/cm3以上であることにより、フィルムに剛性を付与しフィルムの弛みを抑制することができる。高圧法低密度ポリエチレンの密度が0.929g/cm3以下であることにより、フィルムの曇り度の実用レベルを維持することができる。
高圧法低密度ポリエチレンの製造方法は、一般に公知の方法が使用できる。一般に100〜300℃、100〜350MPaの高温高圧下でパーオキサイドなどの遊離基発生剤の存在下でエチレン及びα−オレフィンをオートクレーブ又はチューブリアクターなどで重合することにより、高圧法低密度ポリエチレンを製造することができる。
本実施の形態において、高圧法低密度ポリエチレンのメルトフローレートは、0.1〜5.0g/10分であることが好ましく、より好ましくは0.2〜4.0g/10分である。メルトフローレートが0.1g/10分以上ではフィルム強度が得られる点で好ましく、5.0g/10分以下では生産工程での安定性が得られる点で好ましい。
本実施の形態における基材層(I)の中高密度ポリエチレン及び高圧法低密度ポリエチレンの混合比は、フィルムの剛性が適度に高く容器の変形を抑制し、かつ曇り度が良好で製造時の延伸が容易に行えるように中高密度ポリエチレンが55〜95質量%であり、かつ高圧法低密度ポリエチレンが45〜5質量%であることが好ましく、より好ましくは中高密度ポリエチレン樹脂が60〜80質量%であり、かつ高圧法低密度ポリエチレン樹脂が40〜20質量%である。
本実施の形態において、基材層(I)のゲル分率は20質量%以上である。基材層(I)のゲル分率が20質量%以上であることにより、優れた生産性を発現するとともにフィルム強度、耐熱性に優れたフィルムとなる。
本実施の形態において、ゲル分率は、下記実施例に記載の方法により測定することができる。
[ヒートシール層(II)]
本実施の形態において、ヒートシール層(II)は、1種又は2種以上のエチレン系重合体からなる層である。
ヒートシール層(II)が1種又は2種以上のエチレン系重合体からなる層であることにより、幅広いヒートシール温度領域を有し、安定したヒートシール性を発現することができる。
本実施の形態において、エチレン系重合体としては、高圧法低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体、及びエチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体などが挙げられる。
本実施の形態において、ヒートシール層(II)を構成する高圧法低密度ポリエチレンは、基材層(I)を構成する高圧法低密度ポリエチレンとして上述したような性質を有するものであれば特に限定されるものではなく、双方が同一であっても、異なっていてもよい。
本実施の形態において、直鎖状低密度ポリエチレンは、エチレンとC1及びC3〜C18のα−オレフィンの共重合体である。
α−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどから選ばれるものが好ましい。
直鎖状低密度ポリエチレンの密度としては、包装フィルムとしてのフィルム剛性が適度に高く、かつフィルム表面荒れを抑制し光沢度を発現させる点で、0.900〜0.920g/cm3のものが好ましく、0.904〜0.915g/cm3のものがより好ましい。さらに、約1万以下の低分子量成分が多いとフィルムの滑り性が悪くなるので、分子量分布のベタツキに関与する低分子量成分が少ないものの方が好ましく、その観点ではシングルサイト系のエチレン系共重合体の方が分子量の分布をコントロールしやすく、比較的低分子量成分を少なくすることができ、滑り性が良いエチレン系重合体ができるので更に好ましい。
直鎖状低密度ポリエチレンのメルトフローレートが、0.1〜10g/10分であることが好ましく、より好ましくは1.0〜8.0g/10分である。メルトフローレートが0.1g/10分以上ではフィルム強度が得られる点で好ましく、10g/10分以下では生産工程での安定性が得られる点で好ましい。
直鎖状低密度ポリエチレンを製造する際に用いる重合触媒は特に限定はされないが、マルチサイト触媒やシングルサイト触媒等のいずれでもよく、直鎖状低密度ポリエチレンにおいては、押出成形時に目やにの発生が少なく滑り性も良好で低温ヒートシール性や耐引き裂き強度が得られやすいシングルサイト触媒で製造されたエチレン系樹脂が好ましい。
エチレン−酢酸ビニル共重合体としては、幅広いヒートシール温度領域を有し、安定したヒートシール性を発現させる点で、酢酸ビニル含量は5〜26重量%が好ましく、ヒートシール層の流動性の観点で、メルトフローレートは0.2〜10g/10分が好ましい。
エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体としては、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル(アクリル酸とC1〜C8のアルコール成分とのエステル)共重合体、エチレン‐メタクリル酸エステル(メタクリル酸とC1〜C8のアルコール成分とのエステル)共重合体などが挙げられる。
本実施の形態において、ヒートシール層(II)のゲル分率は20質量%以下である。
ゲル分率が20質量%以下であることにより、ヒートシールの安定性に優れるフィルムとすることができる。
本実施の形態においては、ヒートシール層(II)のゲル分率が20質量%以下であるように、後述する架橋処理により延伸性を損なわず、上記エチレン系重合体の少なくとも1種又は2種以上からなるヒートシール層(II)とすることも好ましい。
本実施の形態において、滑り性や防曇性の観点で、添加剤としてグリセリン系脂肪酸エステルを前記基材層(I)及び/又は前記ヒートシール層(II)にさらに含有させることができる。本実施の形態において、グリセリン系脂肪酸エステルとは、グリセリンと脂肪酸とのエステルである。グリセリン系脂肪酸エステルをフィルム表面に存在させることにより、フィルムに防曇性を付与することができる。
グリセリンの重合度、脂肪酸の種類、及び/又はエステル化度を変えることにより親水性と親油性を調節することができる。グリセリン系脂肪酸エステルとしては、グリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、トリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル等が挙げられ、例えば、ジグリセリンオレート、ジグリセリンラウレート、グリセリンモノオレート、又はそれらの混合物等など主成分としたものが、フィルムの滑り性、光沢度の観点で、また、使い勝手がよいので好ましい。
上記した以外のグリセリン系脂肪酸エステルとしては、グリセリンのモノ脂肪酸エステル、ジ脂肪酸エステル、トリ脂肪酸エステル、ポリ脂肪酸エステルなどが挙げられ、炭素原子数が8〜18の飽和または不飽和脂肪酸のモノグリセリンエステル、ジグリセリンエステル、トリグリセリンエステル、テトラグリセリンエステルなどが挙げられる。
具体的には、グリセリンモノラウレート、グリセリンモノミリステート、グリセリンモノパルミテート、グリセリンジパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンジステアレート、グリセリントリステアレート、グリセリンジオレート、グリセリントリオレート、グリセリンモノリノレート、ジグリセリンミリステート、ジグリセリンパルミテート、ジグリセリンステアレート、ジグリセリンリノレート、トリグリセリンラウレート、トリグリセリンオレート、トリグリセリンステアレート、テトラグリセリンラウレート、テトラグリセリンオレート、テトラグリセリンステアレートなどが挙げられる。
本実施の形態において、グリセリン系脂肪酸エステルをフィルム表面に存在させるには、押出機の温度設定を250℃以上とし、高せん断速度で、基材層(I)又はヒートシール層(II)を構成する樹脂と混練することが好ましく、混練する際にグリセリン系脂肪酸エステルを微分散させることが好適である。ブリードアウトについては、その量や存在の仕方によって効果が異なる重要な因子である。存在の仕方としては、フィルムの表面にグリセリン系脂肪酸エステルが液滴状ではなく層状で、すなわちほぼ連続した状態で存在することが好ましい。
一般的に基材層(芯層)に含まれるグリセリン系脂肪酸エステルは隣接する層(外層)へ移行し、外層のブリードアウトを促進させるとともに、グリセリン系脂肪酸エステル自体も表面へブリードアウトすると考えられている。また、グリセリン系脂肪酸エステルが、フィルム表面に移行(ブリードアウト)することにより良好な防曇性をフィルムに付与することができると考えられている。
グリセリン系脂肪酸エステルの親水性と親油性を調整することによりフィルムの防曇性を高めることができるので、親水性の高いグリセリン系脂肪酸エステルを用いることが好ましく、また、グリセリン系脂肪酸エステルの添加量を増やすことによってもフィルムの防曇性を高めることができる。
本実施の形態において、基材層(I)が、防曇性の観点で、基材層(I)を構成する樹脂組成物中、樹脂組成物全体として100質量%となる範囲で、グリセリン系脂肪酸エステル0.1〜5.0質量%を含有することが好ましい。
本実施の形態において、ヒートシール層(II)が、防曇性、包装機械とフィルムの滑り性の観点で、ヒートシール層(II)を構成する樹脂組成物中、樹脂組成物全体として100質量%となる範囲で、グリセリン系脂肪酸エステル0.1〜5.0質量%を含有することが好ましい。
[熱収縮多層フィルム]
本実施の形態の熱収縮多層フィルムは、基材層(I)と、前記基材層に積層されるヒートシール層(II)と、を有する熱収縮多層フィルムであって、前記基材層(I)が、中高密度ポリエチレンと、高圧法低密度ポリエチレンと、からなる層であり、前記ヒートシール層(II)が、1種又は2種以上のエチレン系重合体からなる層であり、
(A)測定法ASTM D2732に準拠し、120℃での熱収縮率が20%以下、かつ140℃における熱収縮率が60%以上であり、
(B)測定法ASTM D2838に準拠し、140℃での最大熱収縮応力が3.0MPa以下であり、及び
(C)基材層(I)のゲル分率が20質量%以上、かつヒートシール層(II)のゲル分率が20質量%以下である、熱収縮多層フィルムである。
本実施の形態の熱収縮多層フィルムは、安定したヒートシール強度を発現させる点で、120℃での熱収縮率が20%以下であり、また容器変形を起こさずタイトな包装体を得る観点から、140℃での熱収縮率が60%以上、かつ、140℃での最大熱収縮応力が3.0MPa以下である。
本実施の形態の熱収縮多層フィルムは、基材層(I)のゲル分率が20質量%以上であることにより、優れた生産性を発現するとともにフィルム強度、耐熱性に優れたフィルムとすることができ、ヒートシール層(II)のゲル分率が20質量%以下であることにより、ヒートシールの安定性に優れるフィルムとすることができる。
熱収縮多層フィルムには、良好な防曇性と滑り性を付与するために基材層とヒートシール層に下記の添加剤を含んでもよい。添加剤としては多価アルコールの脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステルなどが挙げられる。
多価アルコールの脂肪酸エステルとしては、多価アルコールのモノ脂肪酸エステル、ジ脂肪酸エステル、トリ脂肪酸エステル、ポリ脂肪酸エステルなどが挙げられ、炭素原子数が8〜18の飽和または不飽和脂肪酸の多価アルコールエステルが挙げられる。多価アルコールとしては、ソルビタンなどが挙げられ、ソルビタンエステルとして具体的には、ソルビタンラウレート、ソルビタンミリステート、ソルビタンパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンジステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノオレート、ソルビタンジオレート、ソルビタントリオレート、ソルビタンリノレートなどが挙げられる。
熱収縮性フィルムには、基材層とヒートシール層に流動パラフィンを含んでもよい。流動パラフィンとしては、JIS K2283に準拠して測定される40℃におけるに動粘度が、通常10〜10,000(mm2/s)であるものが挙げられる。
動粘度が50〜3,000(mm2/s)であり、かつ基材層またはヒートシール層を構成する樹脂組成物と相溶性のよい流動パラフィンであることが好ましい。
流動パラフィンは、一種単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。ヒートシール層、基材層を構成する樹脂組成物中に流動パラフィンを含有すると、フィルム成形性及び防曇性付与に有効である。
本実施の形態において、基材層(I)及び/又はヒートシール層(II)が、フィルム成形性及び防曇性の観点で、基材層(I)又はヒートシール層(II)を構成する樹脂組成物中、流動パラフィン0.1〜5.0質量%を含有することが好ましい。
本実施の形態の熱収縮多層フィルムは、その特性を損なわない範囲で、基材層(I)とヒートシール層(II)との間に、中間層を用いてもよい。中間層は、(i)防曇性を持続させるための防曇剤の保持層として、(ii)ヒートシール層と基材層との接着性を向上させ、層間剥離を抑制するため、(iii)回収した樹脂を押出機で再ペレット化したものを入れる、フィルムの回収層といった理由から設けると好ましく、上記(i)、(ii)、(iii)の理由からその本来の特性を損なわない範囲で、基材層(I)、ヒートシール層(II)に使用される樹脂以外の他の樹脂や添加剤などを60質量%以下で配合してもよい。
回収した樹脂としては、フィルムを製造する際に回収される樹脂であれば特に限定されないが、本実施の形態のフィルムを再度溶融させて得られる樹脂などが挙げられる。
中間層の熱収縮多層フィルム全層に対する厚み比率は、特性を損なわない範囲で特に限定されるものではないが、40%以下であることが好ましく、より好ましくは30%以下であり、さらに好ましくは25%以下である。中間層の厚み比率が40%以下である場合、延伸安定性の観点で好ましい。
本実施の形態において、基材層(I)とヒートシール層(II)の配置としては、基材層(I)にヒートシール層(II)が積層されている配置であれば、特に限定されるものではないが、例えば、基材層(I)と、ヒートシール層(II)からなる2層の場合:(II)/(I)、両表面層が、ヒートシール層(II)からなる3層の場合:(II)/(I)/(II)、中間層(以下、単に(B)と記載する場合がある。)を1層用いる全3層からなる場合:(II)/(B)/(I)、(II)/(I)/(B)、両表面層がヒートシール層(II)からなり、中間層を1層用いる全4層からなる場合:(II)/(B)/(I)/(II)、中間層を2層用いる全4層である場合:(II)/(B)/(I)/(B)、両表面層がヒートシール層(II)からなり、中間層を2層用いる全5層からなる場合(II)/(B)/(I)/(B)/(II)などが挙げられる。また、中間層(B)と異なる中間層(以下、単に(D)と記載する場合がある。)を併用することも可能であり、(II)/(B)/(I)/(D)、(II)/(D)/(I)/(B)、(II)/(D)/(B)/(I)、(II)/(B)/(D)/(I)からなる4層、(II)/(D)/(B)/(I)/(II)、(II)/(B)/(I)/(D)/(II)、(II)/(B)/(D)/(I)/(II)からなる5層や、(II)/(B)/(D)/(I)/(B)/(II)からなる6層、(II)/(B)/(D)/(I)/(B)/(D)/(II)からなる7層など、他に8層、及びそれ以上の層からも構成することができる。
本実施の形態における熱収縮多層フィルムの厚みは、好ましくは5〜40μm、より好ましくは8〜30μmである。熱収縮多層フィルムの厚みが5〜40μmの範囲であれば重量物や突起物を有する被包装物に対しても破れが生じにくく、かつ安定して生産することが可能である。熱収縮多層フィルムの厚みは、製造時の各層押出機の吐出量又は延伸倍率などによって所望の値に調整することができる。
熱収縮多層フィルムにおいて、基材層(I)の厚み比率は、フィルムの強度の観点で、50〜90%であること好ましく、より好ましくは60〜85%である。
熱収縮多層フィルムにおいて、ヒートシール層(II)の厚み比率は、安定したヒートシール強度を発現させる点で、50〜10%であることが好ましく、より好ましくは40〜15%である。
本実施の形態の多層フィルムは、熱収縮特性のバランスに優れるので、硬質トレー包装用フィルム、発泡トレー包装用フィルム、蓋材用フィルムとして用いることができる。
[熱収縮多層フィルムの製造方法]
本実施の形態の熱収縮多層フィルムの製造方法としてはダイレクトインフレーション法、ダブルバブルインフレーション法、トリプルバブルインフレーション法、テンター法が挙げられる。
本実施の形態において、異方性のない熱収縮多層フィルムは、例えばインフレーション方式による2軸延伸方法を用いて得ることができる。
インフレーション法においては、所定の樹脂を加熱した押出機を用い溶融混練して環状ダイスで押出す。冷却水にて急冷して無延伸状態の原反を採取する。押出は特に制限されるものではなく、多層のTダイや多層のサーキュラーダイを用いた方法で得ることができるが、多層のサーキュラーダイを用いた方法が好ましい。
次に、この原反に架橋処理を施し、続いて熱風による伝熱加熱あるいはインフラヒーター等の輻射過熱により原反を融点以上に加熱した後、原反を2組のニップロール間で速度比をつけ流れ方向(MD)に延伸しつつチューブ内にエアーを注入して垂直方向(TD)にも延伸する。
本実施の形態の熱収縮多層フィルムは、電子レンジでの高温条件下で使用できるように耐熱性が必要であり、架橋されていることが必須である。
本実施の形態における熱収縮多層フィルムの製造方法において、架橋方法には、一般に公知の方法が使用できる。例えば、架橋剤を添加して架橋剤の分解温度以上に加熱して架橋を施す方法やα線、β線、γ線、中性子線、電子線等の電離性放射線を照射する方法が挙げられる。
架橋処理を施すことにより、フィルムの収縮後の曇り度、光沢度を改良することができる。また、フィルムを構成する樹脂の融点以上に加熱して収縮させる場合に、フィルムの溶融による破れ等を防ぐ狙いもある。
本実施の形態の熱収縮多層フィルムは適度に架橋されているので、フィルムを構成している樹脂の融点以上の温度でも安定した延伸を行うことができ、熱収縮率の高いフィルムとすることができる。すなわち、架橋することによって延伸温度と延伸倍率の調節が容易になり、高熱収縮性を持ちながら熱収縮応力が低いフィルムを製造することができる。また、ヒートシールの温度域で、フィルムの大部分が収縮せず安定したヒートシール性を発現させることができ、かつ熱風シュリンクトンネルの温度域ではシュリンク包装に最適な熱収縮率、熱収縮応力を持たせることが可能になる。
本実施の形態において、電離性放射線の照射の程度は、フィルム全体でゲル分率が20〜80質量%になるように照射することが好ましく、機械的なムラも考慮すると照射線量は40〜120kGyが好ましい。フィルムの熱収縮後の曇り度、光沢度の点より照射線量40kGy以上が好ましく、また熱収縮応力の点より照射線量120kGy以下が好ましい。樹脂の種類によって照射の程度と架橋の程度の関係が異なる。
本実施の形態において、基材層(I)及びヒートシール層(II)のゲル分率を規定することで安定したヒートシール性と良好な包装体の仕上り性を発現する。ヒートシール層(II)は、ヒートシール樹脂の流動性やフィルムの収縮応力の観点よりゲル分率20質量%以下である。基材層(I)ではフィルムの剛性、生産性の点でゲル分率20質量%以上であることが好ましい。
[包装体]
本実施の形態の熱収縮多層フィルムを包装フィルムとして用いてシュリンク包装体を得るための工程の一例について説明する。被包装物をフィルムで覆う方式には、ピロー包装又はストレッチ包装等様々あり、いずれを選んでも支障はないがここではトップシール包装で連続包装する方法について説明する。
被包装物としては、弁当や惣菜等のようにプラスチック容器に詰められた食品類や、小物や雑貨等の非食品類が挙げられる。食品類については近年、プラスチック製の硬質トレーや発泡トレー等に精肉、鮮魚、和菓子、惣菜等を詰め、上蓋無しの状態で包装される包装機の開発傾向があり、上蓋が無い場合は包装フィルムに防曇性が必要となる。
トップシール包装としては、例えば、以下の方法が挙げられる。被包装物を詰めたプラスチック容器の天面にヒートシールを行い、それと同時にカッター刃でフィルムのカットを行い一つ一つの包装体を得る。次にこれらを予め120℃〜160℃に温度調節されている熱風シュリンクトンネルでフィルムを熱収縮させることでタイトに仕上がった包装体を得る。
連続包装機の包装スピードは、1分間に約20個包装する速度であったが、近年の高速の連続包装機になると1分間に約30〜80個包装するものである。そのため包装フィルムには、その包装スピードに対応できる適性、例えば、滑り性、ホットタックシール性、熱収縮特性が強く求められる。
本実施の形態の熱収縮多層フィルムは、包装フィルムとして、滑り性、ホットタックシール性、熱収縮特性に優れるフィルムである。
シールの方法は、インパルスシール、ヒートシール、溶断シール等の方法があり、一般に使用されている方法ならば、フィルムに合わせていずれを選択してもよい。また、これらのシール方法を適時組み合わせて用いても良いが、高速連続包装機については、短時間のヒートシールでシールされている方法を採用することが多い。
包装フィルムに予め空気抜きの小孔を、針や熱針あるいはレーザー等のいずれかを用いて開けておき、熱収縮時に包装フィルム袋内の空気を抜くことによってタイトに仕上がったシュリンク包装体を得ることができる。包装フィルムの熱収縮には、熱風、蒸気、熱水等を使用できるが熱風を用いることが好ましい。
以下に本実施の形態を実施例及び比較例によってさらに具体的に説明するが、本実施の形態はこれら実施例のみに限定されるものではない。なお、本実施の形態に用いられる評価方法は以下のとおりである。
[ゲル分率]
沸騰p−キシレン中で試料を12時間抽出し、不溶解部分の割合を次式により計算により求めた。フィルムの架橋度の尺度として用いた。
ゲル分率(質量%)=(抽出後の試料の質量/抽出前の試料の質量)×100
[120℃又は140℃の熱収縮率]
ASTM D2732に準拠して、120℃と140℃の温度にて収縮させて測定した。縦120mm×120mmの大きさのフィルムに縦方向50mm間隔で3点の印を付けた。次いでこれらの各点を始点に横方向に50mm間隔で2点の印を付けた。このフィルムを上記温度に保たれた熱風乾燥機中に1分間熱処理後、各点間の長さから熱収縮率を計算した。
《評価基準》
○:120℃の熱収縮率がMD、TD方向共に20%以下であり、かつ140℃の熱収縮率がMD方向、TD方向共に60%以上である。
×:120℃の熱収縮率がMD、TD方向の一方が20%より大きいか、又は140℃の熱収縮率がMD、TD方向の一方が60%未満である。
[140℃の最大熱収縮応力]
ASTM D2838に準拠して140℃の最大熱収縮応力を測定した。
《評価基準》
○:140℃の最大熱収縮応力が3.0MPa以下である。容器変形を起こさずタイトな包装体を得ることができる。
×:140℃の最大熱収縮応力が3.0MPaより大きい。容器変形が発生し実用が困難な包装体が得られる。
[曇り度]
ASTM D1003に準拠して測定した。
フィルムを弛ませず緊張させながらアルミ製枠に貼り付けて、160℃の温度に設定した熱風シュリンクトンネル内を5.8秒間通過させ、得られたフィルムの曇り度を日本電色株式会社製 へイズメーター(NDH2000)を用いて測定し、評価を行った。
《評価基準》
○:曇り度が5.0%未満である。曇りが感じられず美麗に仕上がる包装体を得ることができるレベルである。
×:曇り度が5.0%以上である。商品性が落ちるレベルである。
[光沢度]
ASTM D2457に準拠して測定した。
フィルムを弛ませず緊張させながらアルミ製枠に貼り付けて、160℃の温度に設定した熱風シュリンクトンネル内を5.8秒間通過させ、得られたフィルムの光沢度を日本電色株式会社製 グロスメーター(VG2000)を用いて測定し、評価を行った。
《評価基準》
○:光沢度が110%以上である。光沢性があり美麗に仕上がるレベルである。
×:光沢度が110%未満である。実用レベルではない。
[防曇性]
防曇性の評価方法として以下のように行った。500mLのビーカーに20℃に調節した水を入れ、ビーカーの口をフィルムで密閉する。そのビーカーを5℃の温調した冷蔵ショーケースに保管し、30分後フィルムについた水滴の状態や視認性について評価を行った。
《評価基準》
○:水滴がフィルム表面積の20%未満である。視認性はよく実用に適するフィルムを得ることができるレベルである。
×:水滴がフィルム表面積の20%以上である。視認性が悪く非実用なフィルムとなるレベルである。
[ホットタックシール強度]
ASTM F1921−98に基づき、Theller社HotTack測定器を用いて測定した。V字型ヒートシールダイを使用し、温度を150℃で行い、試験片の幅は25mmとした。剥離させて時間とともに変化していくホットタックシール強度を1/1000秒のオーダーでプロットし、剥離開始後0.25秒のシール強度にて評価を行った。
《評価基準》
○:ホットタックシール強度が2.0N/15mm幅以上5.0N/15mm幅未満である。
×:ホットタックシール強度が2.0N/15mm幅未満、もしくは5.0N/15mm幅以上である。
[ヒートシール部の収縮シワの有無]
得られたフィルムを所定の幅にスリットし、茨木精機(株)製TL−3000Sを用いて、内部に200gの粘土を入れたポリプロピレン製トップシール用の楕円型容器を用い包装速度30パック/分で包装を行った。シュリンクトンネルに入る前の包装体を目視にて外観評価を行った。
《評価基準》
○:ヒートシール部に収縮シワ、折れシワがない状態。
×:ヒートシール部に収縮シワ、折れシワがある状態。
[包装体の仕上り性]
得られたフィルムを所定の幅にスリットし、茨木精機(株)製TL−3000Sを用いて、内部に200gの粘土を入れたポリプロピレン製トップシール用の楕円型容器を用い包装速度30パック/分で包装を行った。K&Uシステム(株)製BBT−600Sを用いシュリンクトンネル設定温度は140〜160℃に設定し目視にて外観評価を行った。
《評価基準》
○:トレー、容器に変形(歪みや反り)が認められず、かつ角残りがない。
×:トレー、容器に変形(歪みや反り)が認められる。もしくは収縮不足により角残りが認められる。
[段積輸送適性]
上記包装体の仕上り性の評価で得た包装品について、それぞれ1段あたり4個を3段に段積して計12個の包装品をダンボールに箱詰し、JIS Z0232の包装貨物−振動試験方法に準拠して振動を与えたあと、包装体を取出して以下の外観評価を行った。振動試験条件は、ダンボール箱は固定し、加速度0.75G、振動数5〜50Hzで垂直方向に40分、水平横方向に20分、水平縦方向に20分の合計80分で行い、目視にて外観評価を行った。包装品の弛みの判断は試験前の状態と比較し、振動試験後の包装体天面の凹凸(波打ち)の有無を判断した。
《評価基準》
○:全ての包装品に弛みが認められない。
×:12個中1〜12個の包装品に弛みが認められる。
[総合判断]
上記評価の全てが○であったものを○と総合判断した。また、上記評価において×が1つ以上あったものを×と総合判断した。
実施例及び比較例で用いた樹脂、添加剤、フィルム製造方法は以下の通りである。
[基材層(I)]
中高密度ポリエチレン
・HD1 高密度ポリエチレン(密度=0.952g/cm3、MFR=0.8g/10分)(旭化成ケミカルズ社製 サンテック(登録商標)HD S362)
・HD2 高密度ポリエチレン(密度=0.966g/cm3、MFR=5.5g/10分)(旭化成ケミカルズ社製 サンテック(登録商標)HD J240)
・HD3 高密度ポリエチレン(密度=0.944g/cm3、MFR=0.45g/10分)(旭化成ケミカルズ社製 サンテック(登録商標)HD F371)
・MD1 中密度ポリエチレン(密度=0.939g/cm3、MFR=2.1g/10分)(プライムポリマー株式会社製 モアテック(登録商標)0278G)
・MD2 中密度ポリエチレン(密度=0.937g/cm3、MFR=1.8g/10分)(プライムポリマー株式会社製 エボリュー(登録商標)SP4020)
・MD3 中密度ポリエチレン(密度=0.941g/cm3、MFR=2.5g/10分)(旭化成ケミカルズ株式会社製 クレオレックス(登録商標)K4125)
高圧法低密度ポリエチレン
・LD1 高圧法低密度ポリエチレン(密度=0.920g/cm3、MFR=0.4g/10分)(旭化成ケミカルズ社製 サンテック(登録商標)LD M2004)
・LD2 高圧法低密度ポリエチレン(密度=0.929g/cm3、MFR=1.3g/10分)(旭化成ケミカルズ社製 サンテック(登録商標)LD M2713)
・LD3 高圧法低密度ポリエチレン(密度=0.922g/cm3、MFR=0.2g/10分)(旭化成ケミカルズ社製 サンテック(登録商標)LD M2102)
・LL3 マルチサイト系直鎖状低密度ポリエチレン(α−オレフィンコモノマー=1−ヘキセン、密度=0.926g/cm3、MFR=2.0g/10分)(ダウケミカル社製 DOWLEX(登録商標)2032)
[ヒートシール層(II)]
直鎖状低密度ポリエチレン
・LL1 シングルサイト系直鎖状低密度ポリエチレン(α−オレフィンコモノマー=1−ヘキセン、密度=0.904g/cm3、MFR=2.0g/10分)(宇部丸善社製 ユメリット(登録商標)0520F)
・LL2 シングルサイト系直鎖状低密度ポリエチレン(α−オレフィンコモノマー=1−ヘキセン、密度=0.913g/cm3、MFR=2.0g/10分)(宇部丸善社製 ユメリット(登録商標)1520F)
・EVA エチレン−酢酸ビニル共重合体(日本ユニカー社製 NUC(登録商標)3758)
・EMA エチレン−アクリル酸メチル共重合体(日本ポリエチレン社製 レクスパール(登録商標)EB140F)
・EEA エチレン−アクリル酸共重合体(三井・デュポンポリケミカル社製 EVAFLEX(登録商標)703A)
[添加剤]
・Ad1 グリセリンモノオレート(理研ビタミン社製 リケマール(登録商標)OL−100)
・Ad2 ジグリセリンオレート(理研ビタミン社製 リケマール(登録商標)O−71D)
・Ad3 流動パラフィン(松村石油社製 スモイル(登録商標)P70)
[フィルムの製造方法]
実施例及び比較例における熱収縮多層フィルムは、下記の方法により製造した。基材層(I)の押出機には、所定の中高密度ポリエチレンと高圧法低密度ポリエチレンの混合物を供給し、ヒートシール層(II)の押出機には所定量のエチレン系重合体などを供給し、各押出機に所定の添加剤を注入ポンプで所定量注入しながら混合溶融を行った。これら混合溶融された樹脂を環状ダイに供給し、このダイで積層化し共押出しした。環状ダイ直下で、ダイから吐出された溶融樹脂は第1バブルを形成しながら、冷却水で急冷したあとピンチロールでピンチし、無延伸状の原反を採取した。この原反は所望の厚み、層比率になるように調整した。この原反に加速電圧750kVの電子線照射装置を用いて架橋処理を施した。この時、各層のゲル分率が、所望の値内に入るように調整を行った。この処理が施された原反は170℃の雰囲気温度に保たれた加熱炉で加熱し、2組のニップロール間の速度比により流れ方向に5〜7倍、チューブ内にエアーを注入することにより機械の流れ方向と垂直方向に5〜7倍延伸し、バブルの最大径の部分にエアーリングより冷風をあて冷却を行った。その後、折りたたんで5〜40μmの厚みの熱収縮多層フィルムを得た。また必要に応じて延伸後のフィルムに熱処理を施した。
[実施例1]
中高密度ポリエチレンHD1を63.7質量%と高圧法低密度ポリエチレンLD1を34.3質量%の樹脂混合物に添加剤としてグリセリンモノオレートAd1とジグリセリンオレートAd2と流動パラフィンAd3を1:1:1の割合で混合したものを2.0質量%添加したものを基材層(I)とし、シングルサイト系直鎖状低密度ポリエチレンLL1に添加剤としてグリセリンモノオレートAd1とジグリセリンオレートAd2と流動パラフィンAd3を1:1:1の割合で混合したものを2.0質量%添加したものをヒートシール層(II)とし、各層厚み比率が15/70/15%となるように環状ダイを用いて押出した。なお、表中、Ad1:Ad2:Ad3は、便宜上、0.67:0.67:0.66と記載した(以下、同様である。)。
その後冷却水にて冷却固化して幅130mm、厚み750μmの均一な厚み精度のチューブ状延伸原反を採取した。ついでこの延伸原反を750kVの電子線照射装置へ誘導し100kGyの吸収線量で架橋処理を行い、これを2組のニップロール間の速度比により6.0倍、チューブ内にエアーを注入することにより機械の流れ方向(MD)と垂直方向(TD)に6.25倍延伸を行い厚み20μmのフィルムを得た。
得られたフィルムの評価結果を表6に示す。収縮バランスに優れ、シールした際のシール線のかぶりも無く透明性に優れた包装体を得られた。この包装体は振動試験後の弛みやピンホールも無く実用性の高いフィルムであった。
[実施例2〜7]
表1に示すヒートシール層(II)の樹脂を用いた以外は実施例1の条件と同様に行って、厚み20μmのフィルムを得た。
得られたフィルムの評価結果を表6に示す。得られたフィルムはいずれも透明性に優れ、包装体の仕上りも良好であり、振動試験においてもフィルムの緩みや弛みがなく美麗性に優れ実用性の高いフィルムであった。
[実施例8、9]
表2に示すヒートシール層(II)の樹脂を用いた以外は実施例1の条件と同様に行って20μmのフィルムを得た。
得られたフィルムの評価結果を表7に示す。得られたフィルムはいずれも透明性に優れ、包装体の仕上りも良好であり、振動試験においてもフィルムの緩みや弛みがなく美麗性に優れ実用性の高いフィルムであった。
[比較例1]
表5に示すように基材層(I)の樹脂組成を中高密度ポリエチレンHD1からマルチサイト系直鎖状低密度ポリエチレンLL3に変更した以外は実施例7の条件と同様に行って、20μmのフィルムを得た。
得られたフィルムの評価結果を表10に示す。120℃における熱収縮率が高いため、透明性は優れているものの、シールした際にシール線が縮み美麗性が劣り、更に振動試験の結果いずれの包装体にも緩みや弛みが認められた。
[比較例2]
表5に示すように基材層(I)の樹脂組成比とヒートシール層(II)の樹脂組成比を変更した以外は比較例1の条件と同様に行って、20μmのフィルムを得た。
得られたフィルムの評価結果を表10に示す。120℃における熱収縮率が高いため、ヒートシールした際にシール線が縮み美麗性が劣りかつ包装体にした際に容器変形が起こり包装フィルムとして非実用的であった。
[実施例10〜14]
表2に示すように基材層(I)の樹脂を用いた以外は実施例7と同様に行って、20μmのフィルムを得た。
得られたフィルムの評価結果を表7に示す。得られたフィルムは、包装体の仕上りも良好であり、振動試験においてもフィルムの緩みや弛みがなく美麗性に優れ実用性の高いフィルムであった。
[実施例15]
表3に示すように基材層(I)の樹脂を用いた以外は実施例7と同様に行って、20μmのフィルムを得た。
得られたフィルムの評価結果を表8に示す。得られたフィルムは、包装体の仕上りも良好であり、振動試験においてもフィルムの緩みや弛みがなく美麗性に優れ実用性の高いフィルムであった。
[実施例16]
表3に示すように基材層(I)及びヒートシール層(II)の添加剤の含有量を変更した以外は実施例7と同様に行って、20μmのフィルムを得た。
得られたフィルムの評価結果を表8に示す。得られたフィルムは、包装体の仕上りも良好であり、振動試験においてもフィルムの緩みや弛みがなく美麗性に優れ実用性の高いフィルムであった。
[比較例3、4]
表5に示すように基材層(I)の樹脂組成比をHD1:LD1=0:100(比較例3)、HD1:LD1=100:0(比較例4)に変更した以外は実施例7と同様に行って、20μmのフィルムを得た。
得られたフィルムの評価結果を表10に示す。比較例3で得たフィルムは、120℃における熱収縮率が高いため、ヒートシールした際にシール線が縮み美麗性が劣り包装フィルムとして非実用的であった。比較例4は剛性が高すぎて延伸が不安定となり生産し難く、かつ断片的に得たフィルムを評価した結果、透明性が悪く実用性に劣るフィルムであった。
[比較例5]
表5に示すように基材層(I)及びヒートシール層(II)の添加剤を無添加に変更した以外は実施例7と同様に行って、20μmのフィルムを得た。
得られたフィルムの評価結果を表10に示す。得られたフィルムは収縮バランスに優れる一方、防曇性が劣りかつフィルムを包装機械にかけた際の滑り性が著しく悪く、実用性に劣るフィルムであった。
[実施例17]
実施例17は中高密度ポリエチレンHD1を63.7質量%と高圧法低密度ポリエチレンLD1を34.3質量%の樹脂混合物に添加剤としてグリセリンモノオレートAd1とジグリセリンオレートAd2と流動パラフィンAd3を1:1:1の割合で混合したものを2.0質量%添加したものを基材層(I)とし、シングルサイト系直鎖状ポリエチレンLL1に添加剤としてグリセリンモノオレートAd1とジグリセリンオレートAd2と流動パラフィンAd3を1:1:1の割合で混合したものを2.0質量%添加したものをヒートシール層(II)とし各層厚み比率30/70%となるように環状ダイを用いて押出した。その以外は実施例1に基づき20μmのフィルムを得た。
得られたフィルムの評価結果を表8に示す。得られたフィルムは包装用フィルムとしての種々の性能を満たし優れたフィルムであることがわかった。
[実施例18]
表3に示すようにヒートシール層(II)の樹脂をLL1からLL2へ変更した以外は実施例17と同様に行って、20μmのフィルムを得た。
得られたフィルムの評価結果を表8に示す。得られたフィルムは、包装体の仕上りも良好であり、振動試験においてもフィルムの緩みや弛みがなく美麗性に優れ実用性の高いフィルムであった。
[実施例19、20]
表3に示すように基材層(I)の樹脂構成をHD2:LD1=65:35(実施例19)、HD3:LD1=65:35(実施例20)に変更した以外は実施例18と同様に行って、20μmのフィルムを得た。
得られたフィルムの評価結果を表8に示す。得られたフィルムはいずれも透明性に優れ、振動試験後フィルムの緩みや弛みがなくタイトな包装体であった。
[比較例6、7]
比較例6及び7はヒートシール層(II)の樹脂組成比をLL2:LD1=50:50に変更した以外は実施例7と同様に行って、20μmのフィルムを得た。
得られたフィルムの評価結果を表10に示す。得られたフィルムは延伸生産が安定しているものの、ヒートシール層(II)のゲル分率が高くシール性と仕上り性が悪い結果であった。特に包装体の仕上り性においてはシール部におけるシワが多数発生し美麗性に劣るフィルムとなった。
[実施例21]
実施例7と同様に行って、20μmのフィルムを得た。得られたフィルムを(株)フジキカイ製直線型ピローシュリンク包装機FW3451A−αVにて包装体を作製し評価した。
得られたフィルムの評価結果を表8に示す。得られたフィルムはいずれも透明性に優れ、振動試験後フィルムの緩みや弛みがなくタイトな包装体であった。
[実施例22〜27]
基材層(I)及びヒートシール層(II)の樹脂組成を表4に示すように用いた以外は実施例7と同様に行って、20μmのフィルムを得た。
得られたフィルムの評価結果を表9に示す。得られたフィルムはいずれも透明性に優れ、振動試験後フィルムの緩みや弛みがなくタイトな包装体であった。
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表6〜9に示すように、実施例1−27のフィルムはいずれも、タイトな包装仕上りと収縮シワを抑制し安定したヒートシール性を併せ持つ熱収縮多層フィルムである。また、実施例1−27のフィルムは、剛性、透明性に優れ、防曇性、曇り度、及び光沢度に優れ耐熱性をも併せ持つ熱収縮多層フィルムである。
一方、表10に示すように基材層(I)として中高密度ポリエチレンを含有せず、120℃における熱収縮率が20%を超える比較例1及び3のフィルムは、包装フィルムとして十分なヒートシール性とタイトな包装仕上がり性を併せもつものではなかった。
また、基材層(I)として中高密度ポリエチレンを含有せず、120℃における熱収縮率が20%を超え、140℃における最大熱収縮応力が3.0MPaを超え、さらに、ヒートシール層(II)のゲル分率が20質量%を超える比較例2のフィルムは、包装フィルムとして十分なヒートシール性とタイトな包装仕上がり性を併せもつものではなかった。特に、比較例2のフィルムは、包装体とした際に容器変形が生じ非実用的なフィルムであった。
基材層(I)として中高圧法低密度ポリエチレンを含有しない比較例4のフィルムは、透明性に劣るフィルムであった。
120℃における熱収縮率が20%を超える比較例5のフィルムは防曇性に劣るフィルムであった。
さらに、120℃における熱収縮率が20%を超え、ヒートシール層(II)のゲル分率が20質量%を超える比較例6及び7のフィルムは、包装フィルムとして十分なヒートシール性とタイトな包装仕上り性を併せもつものではなかった。
本発明の熱収縮多層フィルムは、熱収縮特性のバランスに優れるため、硬質トレー包装用フィルム、発泡トレー包装用フィルム、蓋材用フィルムなどの包装材料として用いることができる。

Claims (11)

  1. 基材層(I)と、前記基材層(I)に積層されるヒートシール層(II)と、を有する熱収縮多層フィルムであって、前記基材層(I)が、中高密度ポリエチレンと、高圧法低密度ポリエチレンと、からなる層であり、前記ヒートシール層(II)が、1種又は2種以上のエチレン系重合体からなる層であり、以下(A)、(B)、及び(C)の特性を有するポリオレフィン系熱収縮多層フィルム:
    (A)測定法ASTM D2732に準拠し、120℃での熱収縮率が20%以下、かつ140℃における熱収縮率が60%以上であり、
    (B)測定法ASTM D2838に準拠し、140℃での最大熱収縮応力が3.0MPa以下であり、及び
    (C)前記基材層(I)のゲル分率が20質量%以上、かつ前記ヒートシール層(II)のゲル分率が20質量%以下である。
  2. 前記中高密度ポリエチレンの密度が0.930〜0.970g/cm3である、請求項1に記載の熱収縮多層フィルム。
  3. 前記高圧法低密度ポリエチレンの密度が0.915〜0.929g/cm3である、請求項1又は2に記載の熱収縮多層フィルム。
  4. 前記基材層(I)が、前記中高密度ポリエチレン55〜95質量%と、前記高圧法低密度ポリエチレン5〜45質量%と、からなる層である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱収縮多層フィルム。
  5. 前記エチレン系重合体が、高圧法低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−脂肪族不飽和カルボン酸共重合体、及びエチレン−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体から選ばれる少なくとも1種又は2種以上からなる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱収縮多層フィルム。
  6. 前記基材層(I)が、グリセリン系脂肪酸エステル0.1〜5.0質量%をさらに含有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の熱収縮多層フィルム。
  7. 前記ヒートシール層(II)が、グリセリン系脂肪酸エステル0.1〜5.0質量%をさらに含有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の熱収縮多層フィルム。
  8. 前記ヒートシール層(II)が、前記基材層(I)の両面に積層される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の熱収縮多層フィルム。
  9. 熱収縮多層フィルムの厚みが5〜40μmである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の熱収縮多層フィルム。
  10. 前記熱収縮多層フィルムが硬質トレー包装用又は発泡トレー包装用である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の熱収縮多層フィルム。
  11. 前記熱収縮多層フィルムが蓋材用である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の熱収縮多層フィルム。
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