JP2012012032A - カバーテープ - Google Patents

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正行 吉野
Yutaka Matsuki
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Abstract

【課題】剛性が実用上十分に高く、かつエンボスキャリアテープに熱シールした後も弛みなくタイトなテーピングが可能であるカバーテープを提供する。
【解決手段】ポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂を含む第1の層と、高圧法低密度ポリエチレンを含む、第2の層と、を備え、加熱収縮性を有する、カバーテープ。
【選択図】図1

Description

本発明は、カバーテープに関する。
一般に、電子部品の搬送用途にエンボスキャリアテープが用いられている。ここで、エンボスキャリアテープは、電子部品の形状に合わせて成型された凹部が、複数個並んだ形状を有するシートである。当該、エンボスキャリアテープは、その凹部一個一個に半導体等の電子部品を埋め込んで組立工場に持って行った後、マウンターと呼ばれる部品組立機械(実装機)にセットして搬送できるように設計されている。ところで、携帯電話、携帯ゲーム機等の電子機器の小型化に伴い、使用される電子部品についても小型化が進んでいる。また、機器の組立工程においては組立の自動化、高速化が進んでいる。このような状況により、エンボスキャリアテープ等のパッケージングにも精度が求められている。
現在、エンボスキャリアテープのカバーテープとして、基材であるポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムにポリエチレンを押出ラミネート、又はPETフィルムにポリエチレンフィルムをドライラミネートして作製されるカバーテープが主に用いられている。
例えば、特許文献1には、基材層として、ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン等の二軸延伸フィルムを用いた電子部品包装用カバーテープが開示されている。
特開2005−178870号公報
しかしながら、特許文献1に開示されたカバーテープをエンボスキャリアテープに熱シールした場合、カバーテープ自体の反りや熱シール(ヒートシール)時の膨張等によって弛みが生じるという問題があった。カバーテープに弛みが生じると、電子部品の固定が十分にできず、搬送中や輸送中の振動によって、電子部品がエンボスキャリアテープ内で大きく揺られ破損する恐れがある。また、カバーテープが弛んでいると、そのカバーテープをエンボスキャリアテープにテーピングした後の外観検査において、基材であるPETフィルムに光が反射して、画像処理や目視による内容物の視認性が低下する。そして、その結果、外観検査において、電子部品の欠け等の欠陥を見落とす可能性が高くなる。
ところで、カバーテープには剛性が高いことも要求される。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、剛性が実用上十分に高く、かつエンボスキャリアテープに熱シールした後も弛みなくタイトなテーピングが可能であるカバーテープを提供することを目的とする。
本発明は、ポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂を含む第1の層と、高圧法低密度ポリエチレンを含む、第2の層と、を備え、加熱収縮性を有する、カバーテープを提供する。
本発明のカバーテープは、上記構成を有することにより、剛性が実用上十分に高く、かつエンボスキャリアテープに熱シールした後も弛みなくタイトなテーピングが可能である。本発明者らは当該理由を下記のように推測する。本発明のカバーテープは、ポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂を含む第1の層と、高圧法低密度ポリエチレンを含む、第2の層とを含有する。これにより、剛性が実用上十分に高いものとなる。さらに、本発明のカバーテープは加熱収縮性を有するため、熱シール(ヒートシール)時の熱により収縮する。また、ポリプロピレン系樹脂は結晶性が高く、ポリオレフィン系樹脂の中で最も融点が高いため、フィルムに耐熱性を与え、熱シール時に収縮しすぎることなく、適度な収縮性を付与できる。これにより、エンボスキャリアテープに熱シールした後も弛みなくタイトなテーピングが可能となる。なお、本発明の効果が奏される理由は、上記理由に限定されるものではない。本発明のカバーテープはまた、適度な曇り度、すなわち十分な透明性を有し、かつ、製造時の延伸も容易である。
本発明のカバーテープにおいて、上記第2の層は、ポリプロピレン系樹脂を更に含むことが好ましい。
上記第2の層が、このような樹脂を含むことにより、カバーテープの耐熱性が向上する。
本発明のカバーテープにおいては、上記高圧法低密度ポリエチレンのメルトフローレートが0.01〜2.0g/10分であることが好ましい。
上記高圧法低密度ポリエチレンが、このようなものであると、カバーテープを作る際の製膜安定性が向上する。
本発明のカバーテープにおいて、上記第1の層のポリプロピレン系樹脂は、融解ピーク温度が140℃以上であることが好ましい。
上記第1の層のポリプロピレン系樹脂がこのようなものであると、カバーテープの耐熱性が向上し、シール温度範囲を広げることができる。
本発明のカバーテープにおいて、上記第1の層は、高分子型帯電防止剤を0.1〜40質量%含むことが好ましい。
上記第1の層が、このようなものであると、カバーテープの透明性を向上させることができ、さらに、カバーテープに帯電防止性能を付与することができる。
本発明のカバーテープは、二軸延伸フィルムであることが好ましい。
カバーテープがこのようなものであると、熱シール時のカバーテープの加熱収縮力を抑制でき、ヒートシール時のシール部の剥離を抑制できる。
本発明のカバーテープにおいて、上記第1の層及び上記第2の層のうち少なくとも一方の層は、その層を構成する樹脂が架橋されていることが好ましい。
上記第1の層及び上記第2の層のうち少なくとも一方の層が、このようなものであると、カバーテープの耐熱性が増し、製膜安定性が向上する。
本発明のカバーテープは、上記第1の層及び上記第2の層を備える積層体の主面上に、ポリエチレン系樹脂を含む第3の層を更に備えることが好ましい。
カバーテープがこのようなものであると、クッション性が増し、シール後の剥離強度の安定性が向上する。
本発明によれば、剛性が実用上十分に高く、かつエンボスキャリアテープに熱シールした後も弛みなくタイトなテーピングが可能であるカバーテープを提供することができる。
本発明のカバーテープの好適な一実施形態を示す模式断面図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。また、本明細書において、2種以上の樹脂を混合した混合物の密度及びメルトフローレートは、それぞれの樹脂の密度及びメルトフローレート、並びにそれらの樹脂の混合比率から算出することができる。
図1は、本発明のカバーテープ(以下、場合により「フィルム」という)の好適な一実施形態を示す模式断面図である。図1に示すカバーテープ10は、ポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂を含む第1の層1と、高圧法低密度ポリエチレンを含む第2の層2と、ポリエチレン系樹脂を含む第3の層3と、がこの順に積層された構造を有する。また、カバーテープ10は、加熱収縮性を有するものである。なお、第3の層3はあってもなくてもよい。このようなカバーテープ10は、剛性が実用上十分に高く、かつエンボスキャリアテープに熱シールした後も弛みなくタイトなテーピングが可能である。
ここで、本明細書において、加熱収縮性を有するとは、カバーテープを130℃以上に加熱した場合に、常温時と比較して流れ方向(以下、場合により「MD」という)及び流れ方向と垂直な幅方向(以下、場合により「TD」という)の少なくとも一方向に収縮することをいう。タイトなテーピングをするために、カバーテープの収縮温度を適宜調整することもできるが、本実施の形態のカバーテープにおいては、130℃における加熱収縮率(MD及びTDの平均値)が3〜70%であることが好ましい。130℃における加熱収縮率(MD及びTDの平均値)が70%を超えると、シール時にフィルムが収縮してシールが不安定になり、剥離強度のばらつきが生じやすい傾向にある。また、130℃における加熱収縮率(MD及びTDの平均値)が3%以上の場合、テーピング時のフィルムの収縮が適度となり、カバーテープに弛みがより生じにくい。同様の観点からは、当該加熱収縮率は、10%以上であることがより好ましく、15%以上であることが更に好ましい。また、当該加熱収縮率が70%以下であると、シール用コテでカバーテープの端部を抑えやすくなり、シール性が安定化する傾向にある。同様の観点からは、当該加熱収縮率は50%以下であることが好ましい。
ここで、所定温度における加熱収縮率は以下の方法により決定される。まず、カバーテープ10を100mm角に切断したフィルム試料を所定温度に設定したエアーオーブン式恒温槽に入れ、自由に収縮する状態で10分間加熱処理した後、MD及びTDに関してそれぞれ向き合う辺の中心点間距離を測定してフィルムの収縮量を求め、元の寸法(加熱処理の前のそれぞれ向き合う辺の中心点間距離)で割った値の百分率を算出する。そして、これを2回繰り返し、MD及びTDそれぞれについて、その2回の測定結果の相加平均値を算出し、この相加平均値を、MD及びTDそれぞれの所定温度における加熱収縮率とする。そして、MD及びTDの130℃における加熱収縮率の相加平均値を加熱収縮率(MD及びTDの平均値)とする。
また、カバーテープ10においては、流れ方向(MD)及び流れ方向と垂直な幅方向(TD)の少なくとも一方向の120℃における加熱収縮力が0.1〜1N/9.5mm幅の範囲であることが好ましい。その加熱収縮力が0.1N/9.5mm幅以上であると、テーピングの収縮がより十分となり、よりタイトな仕上がりが得られる傾向にある。また、加熱収縮力が1N/9.5mm幅以下であると、ヒートシール時に発生する熱収縮力によるシール部の剥離が生じ難い傾向にある。同様の観点から、この加熱収縮力は、0.2〜0.8N/9.5mm幅であることがより好ましい。
ここで、所定温度における加熱収縮力は以下の方法により決定される。まず、フィルムをMD、TDの各方向に幅9.5mmの短冊状にサンプリングする。なお、MDの加熱収縮力を測定する場合にはMDのサンプルを、TDの加熱収縮力を測定する場合にはTDのサンプルを用いる。そして、チャック間距離50mmとしたストレインゲージ付のチャックに、上記サンプルを緩めることなくセットした後、各サンプルを所定温度に加熱したシリコーンオイル中に浸漬し、1分後の収縮力を測定する。そして、これを5回繰り返し、その5回の測定結果の相加平均値を、所定温度における加熱収縮力とする。
第1の層1の厚みは、剛性をより高める観点から、5〜60μmであることが好ましく、10〜55μmであることがより好ましい。
第2の層2の厚みは、5〜40μmであることが好ましく、10〜35μmであることがより好ましい。この厚みが5μm以上であると、フィルムのクッション性が向上し、シール性が安定する傾向にあり、この厚みが40μm以下であると、フィルムの剛性が向上する傾向にある。
第3の層3の厚みは、クッション性付与の観点から、5〜50μmであることが好ましく、10〜45μmであることがより好ましく、15〜40μmであることが更に好ましい。
カバーテープ10の厚みは、10〜100μmであることが好ましく、15〜90μmであることがより好ましく、20〜80μmであることが更に好ましい。カバーテープ10の厚みが10〜100μmの範囲であると、エンボスキャリアテープにテーピングした後にもよりフィルムが弛み難く、以降の工程でカバーテープを剥離する際にもフィルム切れを生じ難い傾向にある。
以下、各層及びその構成成分について更に詳細に説明する。
[第1の層1]
第1の層1は、上述のとおり、ポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂を含有する。
第1の層1が含有するポリエチレン系樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンが挙げられる。
ここで、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン及び高密度ポリエチレンは、JIS K 6922に基づいて分類されるものである。具体的には、密度が0.910g/cm以上、0.930g/cm未満のものを低密度ポリエチレン、0.930g/cm以上、0.942g/cm未満のものを中密度ポリエチレン、0.942g/cm以上のものを高密度ポリエチレンという。
低密度ポリエチレンとしては、例えば、線状低密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレンが挙げられ、中密度ポリエチレンとしては、例えば、線状中密度ポリエチレンが挙げられる。
ここで、高圧法低密度ポリエチレンは、いわゆる高圧法(塊状重合法)により製造されるポリエチレンである。
また、線状低中密度ポリエチレン(線状低密度ポリエチレン及び/又は線状中密度ポリエチレン)としては、例えば、エチレンと炭素数4〜10のα−オレフィンとの共重合体が挙げられる。このような共重合体は、常法により製造することができる。ここで、α−オレフィンとしては、例えば、1−ブテン、1−ヘキセン等が挙げられる。
第1の層1は、フィルムの剛性を向上させる観点からは高密度ポリエチレンを含むことが好ましく、成形性を向上させる観点からは高圧法低密度ポリエチレンを含有することが好ましく、フィルム強度を向上させる観点からは、線状低中密度ポリエチレンを含有することが好ましい。また、これらのポリエチレン系樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよいが、2種以上を組み合わせてカバーテープの剛性と透明性とを所望のとおりに調整することが好ましい。
ポリエチレン系樹脂のメルトフローレート(以下、単に「MFR」と略記する場合がある)は0.1〜10.0g/10分の範囲であることが好ましい。ポリエチレン系樹脂のMFRがこの範囲であると、押出時の負荷が軽減し、フィルムを延伸する際の製膜安定性が向上する。また、フィルムを成形する際の押出機への負荷を軽減させる観点からは、このMFRは、0.5g/10分以上であることがより好ましく、1.0g/10分以上であることが更に好ましく、2.0g/10分以上であることが特に好ましい。フィルム製造時の延伸安定性を付与する観点からは、このMFRは、8.0g/10分以下であることがより好ましく、6.0g/10分以下であることが更に好ましく、5.0g/10分以下であることが特に好ましい。ここで、本実施の形態における「ポリエチレン系樹脂のメルトフローレート(MFR)」は、温度190℃、荷重2.16kgfの条件下、JIS K 6922に記載の方法により測定されるものである。
上記ポリエチレン系樹脂のMFRは、例えば、ポリエチレン系樹脂を製造する際の製造条件を調整することにより制御できる。ポリエチレン系樹脂のMFRはまた、既知の異なる物性を有する2種以上のポリエチレン系樹脂を混合し、その混合比率を調整することによっても制御できる。
第1の層1におけるポリエチレン系樹脂の含有量は、層全体の質量を基準として、95〜30質量%の範囲であることが好ましい。この含有量は、耐熱性の観点からは、90質量%以下であることがより好ましく、85質量%以下であることが更に好ましい。また、この含有量は、フィルムの成形性と透明性の観点からは、35質量%以上であることがより好ましく、40質量%以上であることが更に好ましい。
ポリプロピレン系樹脂としては、例えば、プロピレンの単独重合体であるホモポリマーや、エチレンやブテン等のオレフィンとの共重合によって得られるランダムコポリマー、エチレン−プロピレンゴムとプロピレンによるブロックコポリマー、さらには分岐を持たせて溶融張力を向上させたハイメルトストレングスPP、リアクターTPOが挙げられる。
上記ポリプロピレン系樹脂のメルトフローレート(MFR)は0.01〜10.0g/10分の範囲であることが好ましい。ポリプロピレン系樹脂のMFRがこの範囲であると、押出性とフィルムを延伸する際の製膜安定性が向上する。また、フィルムを成形する際の押出機への負荷を軽減させる観点からは、このMFRは、0.05g/10分以上であることがより好ましく、0.1g/10分以上であることが更に好ましい。さらに、フィルム製造時の延伸安定性を付与する観点からは、このMFRは、8.0g/10分以下であることがより好ましく、7.0g/10分以下であることが更に好ましく、6.0g/10分以下であることが特に好ましい。ここで、本実施の形態における「ポリプロピレン系樹脂のメルトフローレート(MFR)」は、温度210℃、荷重2.16kgfの条件下、JIS K 6922に記載の方法により測定されるものである。
上記ポリプロピレン系樹脂の融解ピーク温度は、フィルムの耐熱性が向上し、シール温度範囲を広げることができるという観点からは、130℃以上であることが好ましく、140℃以上であることがより好ましい。当該温度は、フィルムの透明性の観点からは、175℃以下であることが好ましい。これらの観点から、上記ポリプロピレン系樹脂の融解ピーク温度は、130〜175℃であることが好ましく、135〜173℃であることがより好ましく、140〜170℃であることが更に好ましい。なお、本明細書において、「融解ピーク温度」は、示差走査熱量測定(DSC)により得られる融解曲線で現れる吸熱反応のピークの頂点における温度である。また、融解ピークが複数存在する場合や複数のポリプロピレン系樹脂を用いる場合、最も高温側の融解ピーク温度が上記数値範囲内であればよい。
ここで、上記ポリプロピレン系樹脂の密度、MFR及び融解ピーク温度は、例えば、ポリプロピレン系樹脂を製造する際の製造条件を調整することにより制御できる。ポリプロピレン系樹脂の密度、MFR及び融解ピーク温度はまた、既知の異なる物性を有する2種以上のポリプロピレン系樹脂を混合し、その混合比率を調整することによっても制御できる。
第1の層1におけるポリプロピレン系樹脂の含有量は、層全体の質量を基準として、5〜70質量%の範囲であることが好ましい。ポリプロピレン系樹脂の含有量がこの範囲であると、耐熱性と透明性が向上する。また、耐熱性の観点からは、この含有量は、10質量%以上であることがより好ましく、15質量%以上であることが更に好ましい。さらに、フィルムの成形性と透明性の観点からは、この含有量は、65質量%以下であることがより好ましく、60質量%以下であることが更に好ましい。
また、第1の層1は、より良好な透明性と帯電防止性能発現との観点から、高分子型の帯電防止剤(以下、場合により「高分子型帯電防止剤」という)を含むことが好ましい。
高分子型帯電防止剤としては、例えば、ポリエーテル−ポリオレフィンブロックポリマー及びポリチオフェン系ポリマー、4級アンモニウム塩タイプ帯電防止剤等が挙げられる。
第1の層1における高分子型帯電防止剤の含有量は、透明性及び帯電防止性能の観点からは、層全体の質量を基準として、0.1〜40質量%であることが好ましく、0.5〜20質量%であることがより好ましく、1.0〜10質量%であることが好ましい。
第1の層1は表面処理を施されていてもよい。表面処理の方法としては、例えば、第1の層1の表面に上記高分子型帯電防止剤や界面活性剤、酸化錫等の導電性微粉末等を付与する方法が挙げられる。このような方法により第1の層1に表面処理を施すことにより、フィルムをカバーテープとして用いた場合の製品に対する埃等の付着を防止することができる。また、表面処理としては、第1の層1の表面固有抵抗値がn×1012Ω以下(nは1〜9)になるような表面処理が好ましい。
ここで、上記界面活性剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル等が挙げられ、上記導電性微粉末を構成する材料としては、酸化錫の他、例えば、酸化インジウム等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、カバーテープ10を後述のシール層と積層する場合には、そのシール層に対するブロッキングを防止するために、第1の層1にシリカ、アルミナ等の無機粒子や環状オレフィンを更に含有させてもよい。中でも環状オレフィンはテーピング時に脱落が起こらず、内容物(電子部品)に付着することを防止できるので好ましい。環状オレフィンとしては、例えば三井化学株式会社製のアペル(商品名)、Topas Advanced Polymers社製のTOPAS(商品名)等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
[第2の層2]
第2の層2は、上述のとおり、高圧法低密度ポリエチレンを含有する層である。カバーテープ(フィルム)が第2の層2を備えることにより、製造時の延伸安定性が向上し、テーピングの際のシール性が向上する。また、第2の層2は、カバーテープ(フィルム)に対してクッション性を付与するクッション層として機能させることもできる。
第2の層2の構成成分である高圧法低密度ポリエチレンの密度は0.910以上0.930g/cm未満である。テーピングの際のシール性を高めるクッション性を付与する観点から、この密度は、0.917〜0.929g/cmであることが好ましく、0.918〜0.928g/cmであることがより好ましい。
上記高圧法低密度ポリエチレンのメルトフローレート(MFR)は、押出性とフィルムを延伸する際の製膜安定性の観点からは、0.01〜2.0g/10分の範囲であることが好ましい。フィルムを成形する際の押出性の観点からは、このMFRは0.05〜1.0g/10分であることが好ましく、0.1〜0.5g/10分であることが更に好ましい。
上記高圧法低密度ポリエチレンの融解ピーク温度は110〜130℃であることが好ましく115〜125℃であることがより好ましい。融解ピーク温度が110℃以上であると、フィルムの剛性が向上する傾向にあり、当該温度が130℃以下であると、フィルムのクッション性が向上する傾向にある。また、融解ピークが複数存在する場合や複数の高圧法低密度ポリエチレンを用いる場合、最も高温側の融解ピーク温度が上記数値範囲内であればよい。
上記高圧法低密度ポリエチレンの密度、MFR及び融解ピーク温度は、例えば、高圧法低密度ポリエチレンを製造する際の製造条件を調整することにより制御できる。高圧法低密度ポリエチレンの密度、MFR及び融解ピーク温度は、既知の異なる物性を有する2種以上の高圧法低密度ポリエチレンを混合し、その混合比率を調整することによっても制御できる。
第2の層2は、ポリプロピレン系樹脂を更に含むことが好ましい。第2の層2がポリプロピレン系樹脂を更に含むと、カバーテープの耐熱性が向上する。なお、第2の層2に含有させるポリプロピレン系樹脂としては、例えば、第1の層1の構成成分として例示したものと同様のものを用いることができる。
第2の層2がポリプロピレン系樹脂を含有する場合、第2の層2に含有されるポリプロピレン系樹脂の融解ピーク温度は、130℃以上であることが好ましい。当該融解ピーク温度が130℃以上であると、カバーテープ(フィルム)の耐熱性が向上することに加え、カバーテープの収縮を適度に抑制し、シール温度範囲を広げることができる傾向にある。同様の観点から、当該温度は140℃以上であることがより好ましい。また、フィルムの透明性の観点からは、この融解ピーク温度は、175℃以下であることが好ましい。これらの観点から、第2の層2に含有されるポリプロピレン系樹脂の融解ピーク温度は、130〜175℃であることが好ましく、135〜173℃であることがより好ましく、140〜170℃であることが更に好ましい。なお、上述のとおり、「融解ピーク温度」は、示差走査熱量測定(DSC)により得られる融解曲線で現れる吸熱反応のピークの頂点における温度であり、融解ピークが複数存在する場合や複数のポリプロピレン系樹脂を用いる場合、最も高温側の融解ピーク温度が上記数値範囲内であればよい。また、ポリプロピレン系樹脂の密度、MFR及び融解ピーク温度は、例えば、ポリプロピレン系樹脂を製造する際の製造条件を調整することにより制御できる。さらに、ポリプロピレン系樹脂の密度、MFR及び融解ピーク温度はまた、既知の異なる物性を有する2種以上のポリプロピレン系樹脂を混合し、その混合比率を調整することによっても制御できる。
第2の層2がポリプロピレン系樹脂を含有する場合、第2の層2におけるポリプロピレン系樹脂の含有量は、第2の層2全体の質量を基準として、5〜70質量%の範囲であることが好ましい。耐熱性の観点からは、この含有量は、10質量%以上であることがより好ましく、15質量%以上であることが更に好ましい。また、フィルムの成形性と透明性の観点からは、この含有量は、65質量%以下であることが好ましく、60質量%以下であることがより好ましい。
第2の層2は、必要に応じて、上記以外の樹脂を更に含んでもよい。より具体的には、例えば、第2の層2は、高密度ポリエチレンや線状低中密度ポリエチレンを含んでもよい。
第2の層2に高密度ポリエチレンを含有させると、更にフィルムの腰が向上する傾向にある。第2の層2に含有させる高密度ポリエチレンの密度は0.942〜0.970g/cmであることが好ましい。高密度ポリエチレンの密度がこのような範囲であると、フィルムの曲げ弾性及び透明性が向上する傾向にある。フィルムの曲げ剛性を向上させる観点からは、当該高密度ポリエチレンの密度は、0.944g/cm以上であることが好ましく、0.946g/cm以上であることがより好ましく、0.948g/cm以上であることが更に好ましい。また、更に良好な透明性を付与する観点からは、当該高密度ポリエチレンの密度は0.968g/cm以下であることがより好ましく、0.967g/cm以下であることが更に好ましく、0.966g/cm以下であることが特に好ましい。
第2の層2が高密度ポリエチレンを含有する場合、第2の層2が含有する高密度ポリエチレンのメルトフローレート(MFR)は0.01〜2.0g/10分の範囲であることが好ましい。このMFRは、フィルムを成形する際の押出機への負荷を軽減させるためには、0.05g/10分以上であることがより好ましく、0.1g/10分以上であることが更に好ましい。また、このMFRは、フィルム製造時の延伸安定性を付与する観点からは、2.0g/10分以下であることがより好ましく、1.5g/10分以下であることが更に好ましく、1.0g/10分であることが特に好ましい。
第2の層2が高密度ポリエチレンを含有する場合、第2の層2が含有する高密度ポリエチレンの融解ピーク温度は、125〜140℃であることが好ましく、128〜139℃であることがより好ましく、130〜138℃であることが更に好ましい。融解ピーク温度が125℃以上であると、フィルムの腰が強く、剛性が高い傾向にある。当該温度が140℃以下であると、フィルムの透明性が高い傾向にある。また、融解ピークが複数存在する場合や複数の高密度ポリエチレンを用いる場合、最も高温側の融解ピーク温度が上記範囲内にあればよい。
高密度ポリエチレンの密度、MFR及び融解ピーク温度は、例えば、高密度ポリエチレンを製造する際の製造条件を調整することにより制御できる。高密度ポリエチレンの密度、MFR及び融解ピーク温度はまた、既知の異なる物性を有する2種以上の高密度ポリエチレンを混合し、その混合比率を調整することによっても制御できる。
第2の層2に線状低中密度ポリエチレンを含有させると、フィルムの強度が向上し、フィルム破断等が生じ難くなる傾向にある。
第2の層2が線状低中密度ポリエチレンを含有する場合、第2の層2が含有する線状低中密度ポリエチレンの融解ピーク温度は、100〜140℃であることが好ましく、105〜135℃であることがより好ましく、110〜130℃であることが更に好ましい。この融解ピーク温度が100℃以上であると、フィルムの腰が強く、剛性が高い傾向にある。また、当該温度が140℃以下であると、透明性及び強度が向上する傾向にある。なお、融解ピークが複数存在する場合や複数の線状低中密度ポリエチレンを用いる場合、より高温側にあるものが上記数値範囲内であればよい。
第2の層2が線状低中密度ポリエチレンを含有する場合、第2の層2が含有する線状低中密度ポリエチレンの密度は、カバーテープの剛性の維持及びフィルム強度の向上の観点からは、0.910〜0.941g/cmであることが好ましく、0.912〜0.939g/cmあることがより好ましく、0.914〜0.937g/cmであることが更に好ましい。
第2の層2が線状低中密度ポリエチレンを含有する場合、第2の層2が含有する線状低中密度ポリエチレンのMFRは、カバーテープを成形する際の押出機への負荷を軽減させる観点、及びフィルム製造時の延伸安定性を付与する観点から、0.1〜10.0g/10分の範囲であることが好ましい。同様の観点から、当該MFRは、0.5〜5.0g/10分であることがより好ましく、0.8〜3.0g/10分であることが更に好ましい。
後述のシール層と第2の層2との層間接着強度を高めたい場合においては、第2の層2は、酸変性線状低密度ポリエチレン、酸変性ポリプロピレン、EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)等の接着性樹脂を含むことが好ましい。
第2の層2が、高圧法低密度ポリエチレン及びポリプロピレン系樹脂以外の樹脂を含有する場合、高圧法低密度ポリエチレン及びポリプロピレン系樹脂以外の樹脂の合計量は、第2の層2全体の質量を基準として、50質量%を超えない範囲であることが好ましい。
[第3の層3]
上述のとおり、第3の層3はあってもなくてもよいが、シール時のクッション性付与の観点からは、第1の層1及び第2の層2を備える積層体の主面上に第3の層3が備えられることが好ましい。
また、上述のとおり、第3の層3は、ポリエチレン系樹脂を含むものである。当該ポリエチレン系樹脂としては、例えば、第1の層1の構成成分として例示した当該ポリエチレン系樹脂と同様のものや、密度が0.910g/cm未満の超低密度ポリエチレン等が挙げられる。
カバーテープ10が、第3の層3及び後述のシール層を有する場合においては、第3の層3は、第1の層1と第2の層2を備える積層体とシール層との間に配置されることが好ましい。第3の層3をこのような配置とすることにより、第3の層3がクッション層として機能し、カバーテープ10のシール性が向上する。クッション層としての機能の観点からは、第3の層3は、超低密度ポリエチレン及び高圧法低密度ポリエチレンのいずれか一方を含むことが好ましい。
第3の層3は、カバーテープ10の性能を損なわない範囲において、当該ポリエチレン系樹脂以外の成分を含有することもできる。このような成分としては、例えば、ポリプロピレン系エラストマー、スチレン−エチレンブチレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−ブテンゴム等が挙げられる。
ここで、カバーテープ10においては、第1の層1及び第2の層2のうち少なくとも一方の層を構成する樹脂が架橋されていることが好ましい。上記第1の層1及び上記第2の層2のうち少なくとも一方の層が、このようなものであると、カバーテープの耐熱性が向上する。また、中でも、第1の層1を構成する樹脂が架橋されていることがより好ましい。
架橋方法としては、例えば、電子線などの電離性放射線を照射する方法が挙げられる。それらの層を構成する樹脂が架橋されていることにより、フィルムの耐熱性が向上すると共に、テーピングマシンによるヒートシールの際に、シール用のコテへのフィルムの粘着を防ぐことも可能である。なお、樹脂が架橋される場合のMFRは架橋前のものである。
また、カバーテープ10においては、第1の層1及び第2の層2の少なくとも一方にポリエチレン用の結晶核剤やポリプロピレン用の結晶核剤を含有させることもできる。結晶核剤を含有させることにより、それを含む層に配向性を持たせやすくなり、その結果、フィルムの延伸安定性が向上する。さらには、フィルムの透明性や剛性が向上する傾向にある。結晶核剤としては、例えば、アルキル脂肪酸カルシウム塩、アルキル脂肪酸ナトリウム塩、リン脂質等の公知のものが挙げられる。結晶核剤を含有させる場合において、結晶核剤の含有量は、それを含む層の全体量に対して100〜3000ppmであることが好ましく、500〜2500ppmであることがより好ましい。
カバーテープ10の材料として例示した各材料は、上述したような条件を満足する限りにおいて、市販のものを用いてもよい。
本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、本発明のカバーテープは、第1の層1及び第2の層2をそれぞれ複数層備えることもできる。この場合、第1の層1及び第2の層2を交互に積層して備えてもよい。また、第1の層1、第2の層2、第3の層3以外のその他の層を備えることもできる。
[その他の層]
第1の層1、第2の層2、第3の層3以外の層としては、例えば、シール層が挙げられる。なお、カバーテープがシール層を備える場合には、当該シール層は最外層として配置する。
シール層は、ヒートシール剤及び導電剤の少なくとも一種を含むことが好ましい。
カバーテープが、第1の層1/第2の層2から構成される2層フィルムの場合、上記シール層は、第2の層2の表面上に形成されることが好ましい。また、カバーテープが、第1の層1/第2の層2/第1の層1の対称3層構成の場合、上記シール層は、どちらか一方の第1の層1の表面上に形成されることが好ましい。さらに、カバーテープが、第1の層1/第2の層2/第3の層3から構成される3層フィルムの場合には、上述のとおり、上記シール層は、第3の層3の表面上に形成されることが好ましい。
また、シール層は単層であってもよく、複数の層からなるものであってもよい。例えば、シール層は、ヒートシール剤を含む層と導電剤を含む層とを積層した複数の層であってもよく、ヒートシール剤を含む層と導電剤を含む層とを交互に複数層積層された層であってもよい。
上記ヒートシール剤は、カバーテープのヒートシールを容易にするためのものである。このような、ヒートシール剤としては、例えば、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂、スチレン−ブタジエンブロックポリマー等のスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂及びポリウレタン系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。但し、目的に応じて、それ以外のエチレン−グリシジルメタクリレート共重合体やエチレン−メチルメタクリレート等のエチレン系共重合体等の接着性樹脂からなるヒートシール剤を用いてもよい。なお、これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記導電剤は、特にカバーテープを剥離する際の静電気の発生を防止するためのものである。導電剤としては、例えば、酸化錫、ポリエーテル−ポリオレフィンブロックポリマー、ポリチオフェン系ポリマーが挙げられる。なお、これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
カバーテープがシール層を備える場合、当該シール層の厚みは、0.1〜25μmであることが好ましく、0.2〜20μmであることがより好ましく、0.3〜15μmであることが更に好ましい。なお、シール層の厚みは、要求されるシール強度によって適宜選択することができる。
次に、カバーテープ全体としての好ましい実施形態を更に詳細に説明する。
[カバーテープ]
上記カバーテープの全光線透過率は80%以上であることが好ましい。80%以上の全光線透過率を有するフィルムであれば、内容物(電子部品)に対する視認性を低下させずにテーピングすることができるため、テーピング後の目視検査や画像処理による検査にも有効である。全光線透過率は、82%以上であることがより好ましく、84%以上であることが更に好ましい。なお、全光線透過率は、下記実施例に記載の方法に準拠して測定される。
上記カバーテープの引張弾性率は900〜2000N/mmの範囲であることが好ましい。引張弾性率が900N/mm以上であると、カバーテープの取扱い性やテーピング時の機械適性が向上する傾向にある。なお、引張弾性率は、下記実施例に記載の方法に準拠して測定される。
上記カバーテープのゲル分率は、より高倍率での延伸も可能となり、より薄肉でより高収縮性のフィルムが得られやすくなることから、20%以上であることが好ましく、30%以上であることがより好ましく、40%以上であることが更に好ましい。なお、ゲル分率は、下記実施例に記載の方法に準拠して測定される。
上記カバーテープのテーピング後の剥離強度は10〜130gであることが好ましい。剥離強度が10g以上であると、輸送時や保管時の振動などによりカバーテープがエンボスキャリアテープから剥離し難くなり、内容物(電子部品)が飛び出す恐れが低減する。同様の観点から、この剥離強度は、30g以上であることがより好ましい。また、剥離強度が130g以下であると、剥離時にカバーテープが破れる等の不具合が低減される。さらに、剥離強度のばらつきは、小さいことが好ましい。剥離強度のばらつきが大きいと、実装時にテープを剥離する際に、エンボスキャリアテープが振動しやすくなり、電子部品が飛び出す等のトラブルが起こりやすくなる。なお、ここで、剥離強度のばらつきとは、剥離強度を3回測定した際の、最大値と最小値との差のことをいう。剥離強度のばらつきは、10g以下であることが好ましい。剥離強度のばらつきが10g以下であると、上述したようなトラブルが発生し難くなる傾向にある。なお、剥離強度は、下記実施例に記載の方法に準拠して測定される。
また、熱シール時のカバーテープ(フィルム)の収縮力を抑制する観点から、カバーテープは、カバーテープを構成する樹脂の融点以上の温度で、二軸延伸されてなる二軸延伸フィルムであることが好ましい。二軸延伸フィルムである場合の延伸倍率は、フィルムの厚みむらの抑制の観点などから、流れ方向(MD)に1.5倍以上、流れ方向と垂直な幅方向(TD)に3倍以上が好ましく、流れ方向に1.8倍以上、流れ方向と垂直な幅方向に4倍以上であることがより好ましく、流れ方向に2倍以上、流れ方向と垂直な幅方向に5倍以上であることが更に好ましい。
[カバーテープの製造方法]
本実施形態のカバーテープは、例えば、第1の層1、第2の層2及び必要に応じてその他の層を構成する樹脂を、それぞれ単独の押出機より溶融押出しして、多層ダイ中で積層し、溶融共押出して急冷し、未延伸原反を得る第1工程と、未延伸原反を、各樹脂の融解ピーク温度以上まで加熱して、少なくとも一軸方向に延伸する第2工程と、を備える製造方法により製造することができる。未延伸原反を延伸することで、延伸後の原反へ、延伸された方向に対する加熱収縮性を付与することができる。
以下、各工程についてより具体的に説明する。
[第1工程]
第1工程においては、まず、第1の層1、第2の層2及び必要に応じその他の層を構成する樹脂を、それぞれ単独の押出機より溶融押出しして、多層ダイ中で積層し、溶融共押出しする。
ここで、溶融共押出しの方法は特に制限されるものではなく、例えば、多層のTダイや多層のサーキュラーダイ(環状ダイ)を用いる方法等が挙げられる。中でも、多層のサーキュラーダイを用いた方法が好ましい。多層のサーキュラーダイを用いると、設備に関しての必要スペースや投資金額の点で有利であり、多品種少量生産に向き、加熱収縮性がより得られやすい。
次に、溶融共押出しした樹脂を急冷する。急冷に使用する冷媒としては、通常60℃以下の水が好適に用いられる。当該冷媒は、溶融樹脂に直接接触させるか、又は金属ロールの内部冷媒として間接的に使用することができる。内部冷媒として用いる場合は水以外にもオイル他、公知のものが使用可能であり、場合によっては冷風の吹き付けと併用することも可能である。
[第2工程]
第2工程においては、まず、第1工程において得られた未延伸原反を、カバーテープを構成する樹脂の融解ピーク温度以上に加熱し、例えば、流れ方向に1.5倍以上、流れ方向と垂直な幅方向に3倍以上延伸する。延伸倍率は目的に応じて適宜選択することができる。また、例えば、テーピング時にフィルムに発生する収縮応力が大きいためエンボスキャリアテープから剥離してしまう場合や、エンボスキャリアテープに反りが発生するような場合などには、必要に応じて、延伸後に熱処理(熱弛緩処理)を行ってフィルムの加熱収縮率や加熱収縮力を調整してもよい。
延伸方法としては、溶融押出直後のチューブに空気や窒素を吹き込んで、延伸を行うダイレクトインフレーション法も挙げられ、この方法によっても加熱収縮性を有するフィルムが得られることもある。但し、高い加熱収縮性を発現させるためには、二軸に延伸する方法が好ましく、前述のサーキュラーダイで得られた未延伸原反を加熱二軸延伸するチューブラー法(ダブルバブル法ともいう)がより好ましい。すなわち、本実施形態のカバーテープは、二軸延伸するチューブラー法により製造される二軸延伸多層フィルムであることが好ましい。
本実施形態におけるカバーテープの製造方法は、延伸前、又は延伸後に、樹脂の架橋処理する架橋工程を含んでもよい。架橋処理を行う場合、樹脂を加熱して延伸する前にエネルギー線照射によって架橋処理を行うことがより好ましい。これにより延伸工程におけるフィルムの溶融張力が増し、より延伸の安定化が可能となる。
なお、上述のとおり、延伸した後のフィルムにエネルギー線を照射して樹脂を架橋処理してもよい。用いるエネルギー線としては紫外線、電子線、X線、γ線等の電離性放射線が挙げられる。中でも、電子線が好ましい。ここで、当該電子線は、10〜300KGyの照射量範囲で使用されることが好ましい。フィルムへの延伸安定性付与やシール時の耐熱性付与等の観点からは、その照射量は、50kGy以上であることがより好ましく、80kGy以上であることが更に好ましい。また低温シール性付与の観点からは、その照射量は、280kGy以下であることがより好ましく、250kGy以下であることが更に好ましい。
架橋処理を施す層は目的に応じて任意に選択することが可能である。また、例えば、各層の表面付近を主に架橋してもよい。この場合、延伸原反の厚さに応じて加速電圧を調整することにより厚み方向での線量分布を調整して照射する方法、アルミ等の遮蔽板使用によって同様に線量分布を調整するマスク照射法、電子線を延伸原反面に対して斜め方向より照射する方法等を用いることができる。
架橋処理を行う場合、架橋対象となる樹脂を含む各層に任意の架橋阻害剤や架橋助剤(架橋促進剤)を添加してもよい。架橋助剤としては、例えば、トリアリルイソシアヌレート、トリメタアリルイソシアヌレート、トリメチルプロパントリアクリレート、トリメチルプロパントリメタクリレート、トリアリルシアヌレート、トリメタアリルシアヌレート等が挙げられる。
このような製造方法によれば、適度な加熱収縮特性を有し、テーピング後にフィルムにシワ、緩み、弛み等を発生することなくエンボスキャリアテープに密着して固定保持を持続することができ、かつ、剛性の高いカバーテープを容易に製造することができる。
以上、本実施形態のカバーテープの好適な製造方法について説明したが、本実施形態のカバーテープの製造方法はこれに限定されるものではない。例えば、第1の層1、第2の層2及びシール層が積層されたカバーテープを製造する場合において、シール層は、第1の層1及び第2の層2と共に共押出しして一度に形成させてもよいし、シール層を単独でフィルム状に延伸した後に、第1の層1及び第2の層2からなる積層体の一方の主面上にコーティングや押出ラミネートすることにより形成させてもよい。
なお、コーティングや押出ラミネートによりシール層を形成する場合には、コーティングや押出ラミネートを行うより前に、シール層を形成する下地となる表面にコロナ処理やプラズマ処理を行って、その表面を活性化すると好ましい。
また、ヒートシール剤及び導電剤による処理を行う場合には、これらを別々にコーティングや押出ラミネートしてもよいし、ヒートシール剤中に導電剤を分散または混合して、一度にコーティングや押出ラミネートしてもよい。
さらに、例えば、クッション層として機能してもよい第3の層3とシール層との2層を、第1の層1及び第2の層2からなる積層体上に押出ラミネートする場合には、タンデム型押出ラミネート機を用いて、第3の層3をラミネートした直後にシール層をラミネートすると、1回の工程で第3の層3とシール層との両方をラミネートできるため好ましい。
以下、本実施の形態を実施例及び比較例により更に具体的に説明するが、本実施の形態はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、本実施の形態に用いられる評価方法及び測定方法は以下のとおりである。
(1)ゲル分率
沸騰パラキシレン中で試料を12時間抽出し、不溶解分の割合を次式により表示したものをゲル分率とし、フィルムにおける樹脂の架橋度の尺度として用いた。
ゲル分率(質量%)=(抽出後の試料質量/抽出前の試料質量)×100
(2)引張弾性率
(株)島津製作所製のオートグラフを用いて、幅が9.5mm、長さが100mmのサイズに切り出した試料について、JIS K 7113に準拠して、引張弾性率の測定を行った。
(3)全光線透過率
JIS K7361−1に準拠して、全光線透過率の測定を行った。
(4)加熱収縮力
フィルムを流れ方向(MD)に幅9.5mmの短冊状にサンプリングし、それをチャック間距離50mmとしたストレインゲージ付のチャックに緩めることなくセットし、120℃の測定温度で測定した。具体的には、チャックにセットしたサンプルを120℃に加熱したシリコーンオイル中に浸漬し、1分後の収縮力を測定した。そして、これを5回繰り返し、5回の測定結果の相加平均値を加熱収縮力とした。
(5)加熱収縮率
100mm角のフィルム試料を130℃の温度に設定したエアーオーブン式恒温槽に入れ、自由に収縮する状態で10分間加熱処理した後、それぞれ向き合う辺の中心点間距離を測定してフィルムの収縮量を求め、元の寸法(加熱処理の前のそれぞれ向き合う辺の中心点間距離)で割った値の百分率で、MD及びTDそれぞれの収縮率を2回の測定結果の相加平均値として求めた。さらに、MD及びTDの各方向における加熱収縮率の相加平均値より、加熱収縮率(MD及びTDの平均値)を求めた。
(6)剥離強度試験
(株)パルメック製 半自動テーピングマシン PTS−180を用いて、シールコテ幅=0.8mm、シールコテ長=24mm、シール時間=0.3sec、送りピッチ=8mm、シール圧力=0.4MPaの条件で、12mm幅のポリスチレン製エンボスキャリアテープ((株)住友ベークライト製 スミキャリア(商品名、12mm幅))に対し、9.5mm幅にスリットした各フィルムを130℃でテーピングし、それぞれ3回分の剥離試験用サンプルを得た。次に、(株)パルメック製 剥離強度テスター PFT−50Sを用いて、剥離速度=300mm/分、剥離角度=170°の条件で、テーピングした剥離試験用サンプルから、テーピングの1時間経過後に、フィルムを引き剥がして剥離強度を測定し、それを計3回行い、その相加平均値より剥離強度を求めた。また、測定値の最大値から最小値を引いたものを剥離強度のばらつきとして評価した。
(7)表面抵抗
超絶縁計SM−8220(日置電機株式会社製)を用いて、JIS K6911に記載の抵抗率測定法に従い、各フィルムのシール剤側の表面抵抗値を測定した。測定温度は23℃、湿度は45%であった。
(8)テーピング後の外観検査
(6)で得られた剥離試験用サンプル(パッケージングサンプル)のカバーテープの弛みを目視にて評価した。ここで、弛みがなく、タイトにパッケージングされているものを「良好」、カバーテープに弛みが生じているものを「不良」として評価した。
実施例及び比較例において、第1の層及び/又は第2の層の構成成分として用いた成分は以下のとおりである。
HD1:高密度ポリエチレン(旭化成ケミカルズ株式会社製 サンテックHD(登録商標) J240)、MFR(190℃、2.16kgf)=5.5g/10分、密度=0.966g/cm、融解ピーク温度=134℃)
HD2:高密度ポリエチレン(旭化成ケミカルズ株式会社製 サンテックHD(登録商標) B871)、MFR(190℃、2.16kgf)=0.35g/10分、密度=0.956g/cm、融解ピーク温度=130℃)
LD1:高圧法低密度ポリエチレン(旭化成ケミカルズ株式会社製 サンテックLD(登録商標) M2102)、MFR(190℃、2.16kgf)=0.2g/10分、密度=0.922g/cm、融解ピーク温度=121℃)
LD2:高圧法低密度ポリエチレン(旭化成ケミカルズ株式会社製 サンテックLD(登録商標) L1850K)、MFR(190℃、2.16kgf)=6.8g/10分、密度=0.918g/cm
PP1:ハイメルトストレングスPP(ダウケミカル社製 インスパイア(登録商標) 114))、MFR(210℃、2.16kg)=0.5g/10分、融解ピーク温度=164℃
PP2:ハイメルトストレングスPP(日本ポリプロ株式会社製 ニューストレン(登録商標) SH9000)、MFR(210℃、2.16kg)=0.5g/10分、融解ピーク温度=165℃
PP3:ホモPP(日本ポリプロ株式会社製 ノバテック(登録商標) EA9)、MFR(210℃、2.16kg)=0.5g/10分、融解ピーク温度=161℃
PP4:ランダムPP(日本ポリプロ株式会社製 ノバテック(登録商標) FL6H)、MFR(210℃、2.16kg)=3.0g/10分、融解ピーク温度=159℃
PP5:ランダムPP(サンアロマー株式会社製 PS522M),MFR(210℃、2.16kg)=4.9g/10分、融解ピーク温度=153℃
PP6:ランダムPP(日本ポリプロ株式会社製 ノバテック(登録商標) EG8B),MFR(210℃、2.16kg)=0.8g/10分、融解ピーク温度=146℃
EVA1:エチレン−酢酸ビニル共重合体(東ソー株式会社製 ウルトラセン(登録商標) 626),MFR=3.0g/10分、酢酸ビニル含量=15質量%、密度=0.936g/cm3)
TBX−25:高分子型帯電防止剤 サンコノール(登録商標)(三光化学株式会社製)
[実施例1]
第1の層(A)として、HD1を30質量%、LD1を35質量PP1を30質量%、高分子型帯電防止剤 サンコノール(登録商標) TBX−25(三光化学株式会社製)を5質量%、第2の層(B)として、HD1を35量%、LD1を35質量%、PP1を30質量%を用いて、層配置が第1の層/第2の層で、各層の厚さ比率が、1/2の2層構造になるように環状多層ダイを用いて押出した後、冷水にて急冷固化して折り幅130mm、厚さが約650μmの各層とも均一な厚み精度のチューブ状未延伸原反を得た。
これに対して、電子線照射(加速電圧=1MV、照射線量=120kGy)を行い、得られた架橋未延伸原反を2対の差動ニップロール間に通し、延伸開始点の加熱温度が約140℃になるようにしてエアー注入してバブルを形成させ、MDに3.0倍、TDに4.8倍延伸(面積延伸倍率で14.4倍)を行い、厚さが45μmのフィルムを得た。
得られたフィルムの第2の層(B)の主面上に、導電性シール剤としてオレフィン共重合エマルジョン(中央理化工業株式会社製)をグラビュアコーティング法により、5.0μmの厚さで塗工してシール層(C)を形成し、厚さが50μmの導電性カバーテープを得た。
得られたカバーテープの評価結果を表1に示す。得られたカバーテープは透明性に優れ、適度な収縮性を持ち、導電剤側の表面固有抵抗値(気温20℃、湿度30%RH)を測定した結果は2.5×10Ωであり、十分な帯電防止性能が確認できた。
[実施例2〜14]
各層の組成及び厚さを表1〜3に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして、厚さが50μmのカバーテープ用フィルムを得た。また、得られたフィルムの評価結果を表1〜3に示す。
[実施例15]
第1の層(A)として、HD1を45質量%、HD2を20質量%、PP1を30%、高分子型帯電防止剤 サンコノール(登録商標) TBX−25(三光化学株式会社製)を5質量%、第2の層(B)として、HD1を35質量%、LD1を35質量%、PP1を30質量%、シール層(C)として、EVA1を80質量%と、高分子型帯電防止剤TB−X25を20質量%用いて、第1の層(A)/第2の層(B)/シール層(C)の3層構成になるように共押出した。なお、この時、層配置が第1の層/第2の層/第3の層の厚さ比率が30/60/10の3層構造になるように環状多層ダイを用いて押出した。
次に、冷水にて急冷固化して折り幅130mm、厚さが約720μmの各層とも均一な厚み精度のチューブ状未延伸原反を得た。
これに対して、電子線照射(加速電圧=1MV、照射線量=120kGy)を行い、得られた架橋未延伸原反を2対の差動ニップロール間に通し、延伸開始点の加熱温度が約140℃になるようにしてエアー注入してバブルを形成させ、MDに3.0倍、TDに4.8倍延伸(面積延伸倍率で14.4倍)を行い、厚さが50μmのカバーテープを得た。得られたフィルムの評価結果を表3に示す。
[実施例16]
第1の層(A)として、HD1を30質量%、LD1を35質量%、PP3を30質量%、高分子型帯電防止剤 サンコノール(登録商標) TBX−25(三光化学株式会社製)を5質量%、第2の層(B)として、HD1を35質量%、LD1を35質量%、PP3を30質量%用いて、層配置が第1の層/第2の層で、各層の厚さ比率(%)が10/25の2層構造になるように環状多層ダイを用いて押出した後、冷水にて急冷固化して折り幅130mm、厚さが約500μmの各層とも均一な厚み精度のチューブ状未延伸原反を得た。これに対して、電子線照射(加速電圧=1MV、照射線量=120kGy)を行い、得られた架橋未延伸原反を2対の差動ニップロール間に通し、延伸開始点の加熱温度が約140℃になるようにしてエアー注入してバブルを形成させ、MDに3.0倍、TDに4.8倍延伸(面積延伸倍率で14.4倍)を行い、厚さが35μmのフィルムを得た。得られたフィルムの第2の層側の表面にポリエチレン(旭化成ケミカルズ株式会社製 サンテックLD(登録商標) L1850K)、MFR(190℃、2.16kgf)=6.8g/10分、密度=0.918g/cm)を押出ラミネートして、上記フィルムにポリエチレン系樹脂を含む層を更に備えるカバーテープ用フィルムを得た。そのポリエチレン系樹脂を含む層(第3の層(D))の表面上にヒートシール剤を実施例1と同じ組成、方法により、塗工して、カバーテープを得た。得られたカバーテープの評価結果を表4に示す。
[実施例17]
シール剤を、アンチモンドープ酸化スズ含有アクリル系コーティング剤に代え、1μmの厚さで塗工してシール層を形成したこと以外は、実施例1と同様にして、カバーテープを得た。得られたカバーテープの評価結果を表4に示す。
[比較例1]
第1の層(A)としての市販のPETフィルム(フィルム厚み=12μm)に、第2の層としての高圧法低密度ポリエチレン(LD2)を押出ラミし、厚みが45μmのフィルム原反を得た。得られたフィルムのポリエチレン層の主面上に、導電性シール剤としてオレフィン共重合エマルジョン(中央理化工業株式会社製)をグラビュアコーティング法により、5.0μmの厚さで塗工してシール層を形成し、厚さが50μmの導電性カバーテープを得た。得られたカバーテープの評価結果を表4に示す。
Figure 2012012032
Figure 2012012032
Figure 2012012032
Figure 2012012032
表1〜4に示す結果から、実施例1〜17のカバーテープ(カバーテープ用シュリンクフィルム)は適度な収縮性を有し、ヒートシール時にかかる熱によって、適度に収縮が起こり、緩みのないタイトなテーピングを行うことが可能であることを確認した。また、実施例1〜17のカバーテープは、弾性率が実用上十分であること、すなわち、剛性が実用上十分であること確認した。
一方、表4に示す結果から、比較例1のカバーテープ(フィルム)は、130℃での収縮が小さく、シール後もテープ表面が波うって、弛んだ状態となり、視認性が悪く、タイトなテーピングサンプルが得られないことを確認した。
本発明のカバーテープは、電子部品包装用のエンボスキャリアテープに熱シールが可能なカバーテープ用の基材フィルムとして好適に用いることができる。
1…第1の層、2…第2の層、3…第3の層、10…カバーテープ。

Claims (8)

  1. ポリエチレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂を含む第1の層と、
    高圧法低密度ポリエチレンを含む第2の層と、を備え、加熱収縮性を有する、カバーテープ。
  2. 前記第2の層が、ポリプロピレン系樹脂を更に含む、請求項1に記載のカバーテープ。
  3. 前記高圧法低密度ポリエチレンのメルトフローレートが0.01〜2.0g/10分である、請求項1又は2に記載のカバーテープ。
  4. 前記第1の層のポリプロピレン系樹脂は、融解ピーク温度が140℃以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のカバーテープ。
  5. 前記第1の層が、高分子型帯電防止剤を0.1〜40質量%含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のカバーテープ。
  6. 二軸延伸フィルムである、請求項1〜5のいずれか一項に記載のカバーテープ。
  7. 前記第1の層及び前記第2の層のうち少なくとも一方の層は、その層を構成する樹脂が架橋されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載のカバーテープ。
  8. 前記第1の層及び前記第2の層を備える積層体の主面上に、ポリエチレン系樹脂を含む第3の層を更に備える、請求項1〜7のいずれか一項に記載のカバーテープ。
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