JP2007118576A - ポリエチレン系架橋シュリンクフイルム - Google Patents

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Abstract

【課題】高収縮性、低熱収縮力、耐熱性、シール性を十分に保有しながら、延伸安定性と耐破れ性を両立させたフィルムを提供する。
【解決手段】2つの表面層Aが線状低密度ポリエチレン80〜100重量%とエチレン−α−オレフィン共重合体0〜20重量%からなるエチレン系重合体混合物であり、内部層Bが超低密度ポリエチレン60〜100重量%とエチレン−α−オレフィン共重合体0〜40重量%からなるエチレン系重合体混合物であり、内部層Cが線状低密度ポリエチレンを主成分とするエチレン系重合体である積層体に、吸収線量が30〜160kGyの電子線を照射した後、縦方向及び横方向にそれぞれ3倍以上に延伸加工する。
【選択図】なし

Description

本発明は、弁当容器や惣菜容器の蓋付き容器や精肉や生鮮野菜等の蓋なしトレー等の被包装物をフィルムで覆い、3方シールした後に熱収縮によって被包装物にフィルムを密着させ、フィルムが緊張した状態の包装体を得るために用いる包装フィルムに関する。
シュリンク包装は、種々の形状の異なる被包装物にフィルムが密着して、しわも無く美麗に包装出来る等の利点から、例えば弁当、惣菜、精肉、生鮮野菜、カップラーメン等の食品、玩具、日用雑貨、等の幅広い分野の包装に利用されている。シュリンク包装としては、例えば、自動包装機でフィルムを筒状になるようにシールし、その中に被包装物を挿入させ、被包装物の前後でフィルムを溶断シールした後、熱風トンネルを通過させる3方シール式ピローシュリンク包装、などがある。自動包装機にはフィルムに小孔を開ける針などが装着されていて、熱風トンネル内でフィルムに密閉された空気を逃がしながら収縮させることが一般的に行われている。使用されるフィルムとしては、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂やポリ塩化ビニル樹脂を延伸加工したもの、低密度ポリエチレンや直鎖状低密度ポリエチレンに電子線を照射して架橋した後に延伸加工したものが一般的である。
近年、弁当や惣菜の包装においては、コンビニエンスストアの店舗拡大を背景に、目新しさをアピールする目的で、例えば四角型、丸型、丼型、三角おにぎり型、折箱型など様々な形状の容器、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の熱可塑性樹脂や紙など様々な材質の容器が包装されるようになってきた。小さな容器から大きな容器、或いは定形の容器から特殊形状の容器を1台の自動包装機で包装できるように、シュリンク包装する際に大きな余裕率で製袋し、その後トンネルの温度をできるだけ高く設定して、容器にフィルムを密着させている。また、弁当や惣菜は、その包装品を店頭の電子レンジで加熱されることが多く、その際にフィルムの収縮力で容器を変形させないようにしている。そのため、これらの要求を満足させる、高収縮率で低収縮力を有するポリオレフィン系の架橋シュリンクフィルムが多く使用されるようになり、例えば、特許文献1や特許文献2に記載のフィルムなどが提案されている。
特開2001−1468号 特許第3614810号
特許文献1や特許文献2に記載のフィルムは、高収縮率で低熱収縮力を有していて、弁当や惣菜の包装に適するフィルムであった。これらのフィルムは、高収縮性を得るために大きな延伸倍率で延伸し、低熱収縮力を得るために樹脂融点以上の延伸を行わなければならないが、このような延伸は延伸安定性が低下するため、特定の線状低密度ポリエチレンを選定し、更には高圧法ポリエチレンや高密度ポリエチレンを前記線状低密度ポリエチレンに混合する、或いは特定の電子線照射方法を組み合わせるなどの技術を必要とした。
ところが、高圧法ポリエチレンや高密度ポリエチレンの混合比が大きくなると、あるいは架橋度が大きくなるほど、フィルム強度は低下し、特に傷やノッチから伝播しておこる破れや突き刺しによる破れに対して弱くなり、ある程度の延伸安定性を維持させながらフィルム強度を調整する必要があった。最近になって、コンビニエンスストアでは、例えばうなぎ弁当や行楽弁当と称して、木製の弁当容器をイメージした、実際には木目調の発泡ポリスチレンシートで弁当外周を囲んだ容器などの使用が増え、また、駅構内やホームで販売される弁当なども、名産地をアピールする印刷が施された厚紙を折り込んだ紙製の容器に弁当を入れた後にシュリンク包装することが多くなった。上記フィルムでこれらの容器を包装すると、発泡ポリスチレンシートがフィルムに対して垂直になってフィルムを強く擦って破れたり、或いは紙を折り込んだ際に形成される容器の角でフィルムを突き破ったりした。したがって、上記フィルムは、延伸安定性すなわち生産効率が良く、フィルム強度が十分なフィルムとは言い難いものであった。
本発明は、高収縮性、低熱収縮力、耐熱性、シール性を十分に保有しながら、延伸安定性と耐破れ性を両立させたフィルムを提供することを課題とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するために検討した結果、少なくとも4層構成であって、両表面層がシール性に優れ、ひとつの内部層が延伸安定性と耐熱性に優れ、他方の内部層が耐破れ性に優れるように、各層のエチレン系重合体組成物をそれぞれ特定し、これらの積層体に電子線照射した後に二軸延伸加工することにより、延伸安定性と耐破れ性が両立し、しかも、高収縮性、低熱収縮力、耐熱性、シール性が十分である、フィルムが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、
(1)少なくとも4つの層からなるフィルムであって、(a)2つの表面層Aが密度0.900〜0.920g/cmである線状低密度ポリエチレン80〜100重量%と密度0.850〜0.900g/cmであるエチレン−α−オレフィン共重合体0〜20重量%からなるエチレン系重合体混合物であり、(b)少なくとも1つの内部層Bが密度0.880〜0.912g/cmである超低密度ポリエチレン60〜100重量%と密度0.850〜0.900g/cmであるエチレン−α−オレフィン共重合体0〜40重量%からなるエチレン系重合体混合物であり、(c)少なくとも1つの内部層Cが、密度0.910〜0.930g/cmである線状低密度ポリエチレンを主成分とするエチレン系重合体であり、(d)吸収線量が30〜160kGyの電子線を照射した後、縦方向及び横方向にそれぞれ3倍以上に延伸加工する、ことを特徴とするポリエチレン系架橋シュリンクフィルム、
(2)内部層Cが、密度0.910〜0.930g/cmである線状低密度ポリエチレン40〜100重量%と密度0.910〜0.940g/cmである長鎖分岐を有する低密度ポリエチレン0〜60重量%のエチレン系重合体混合物である、上記(1)に記載のポリエチレン系架橋シュリンクフィルム、
(3)内部層Cが、密度0.910〜0.930g/cmである線状低密度ポリエチレン40〜100重量%と密度0.940〜0.970g/cmである高密度ポリエチレン0〜60重量%のエチレン系重合体混合物である、上記(1)に記載のポリエチレン系架橋シュリンクフィルム、
(4)少なくとも4つの層からなるフィルムが、表面層/中間層/芯層/中間層/表面層の5層構成からなるフィルムであり、2つの中間層が内部層Bで且つ芯層が内部層Cである、或いは2つの中間層が内部層Cで且つ芯層が内部層Bであることを特徴とする、上記(1)〜(3)いずれかに記載のポリエチレン系架橋シュリンクフィルム、
(5)(a)表面層に粒径0.5〜5.0μmのアンチブロッキング剤が全添加量の0〜20重量%添加され、 (b)中間層に粒径2.0〜8.0μmのアンチブロッキング剤が全添加量の80〜100重量%添加され、(c) 表面層の厚みと中間層に添加されるアンチブロッキング剤粒子径の比が0.8以下である、ことを特徴とする上記(4)に記載のポリエチレン系架橋シュリンクフィルム、
を提供するものである。
本発明の包装フィルムは、耐熱性及び高収縮性に加えて、良好なシール性と耐破れ性を有し、更に延伸加工性に優れるフィルムである。従って、安定した生産工程でフィルムを得ることができ、得られたフィルムでシュリンク包装する際には折箱等の角から破れることがなく、更に電子レンジ加熱による容器変形が少ないため、特に食品用包装の分野に好適なフィルムを提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、表面層Aは、密度0.900〜0.920g/cmである線状低密度ポリエチレン80〜100重量%と密度0.850〜0.900g/cmであるエチレン−α−オレフィン共重合体0〜20重量%の混合物である。
線状低密度ポリエチレンの密度が0.900g/cm未満では自動包装機との滑りが劣り、更にフィルム同士がブロッキングして好ましくなく、0.920g/cmを超えると低温ヒートシール性が劣る。線状低密度ポリエチレンは、190℃、2.16kgfの条件下で測定されるメルトフローレート(MFR)が0.1〜10g/10分のものが好ましい。10g/10分を超えると延伸安定性が低下して厚み斑を生じ易くなり、収縮後の透明性や光沢性が劣ったフィルムしか得られないことがあり、好ましくない。一方、MFRが0.1g/10分未満であると、得られたフィルムを自動包装機でシールする際に熱風トンネル内でシール部から破袋する。より好ましいMFRは0.5〜5g/10分、更に好ましくは2〜4g/10分である。
また、線状低密度ポリエチレンは、エチレンとプロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、オクテン−1、デセン−1を含む炭素数3〜20個、好ましくは炭素数が4〜8個の1種または2種以上のα−オレフィンとの共重合体が用いられる。線状低密度ポリエチレンは、チーグラー触媒等のマルチサイト触媒を用いて得られた従来型の重合体でも、メタロセン系触媒等のシングルサイト触媒を用いて得られた従来型より分子的(コモノマー分布等)・分子量分布的に均一化された重合体でも、両者を混合したものでもよく、これから少なくとも1種が用いられる。自動包装機において高速包装が行われる場合は、ホットタック性が良好なシングルサイト触媒を用いて得られる線状低密度ポリエチレン重合体を用いるのがより好ましい。
また、線状低密度ポリエチレンにエチレン−α−オレフィン共重合体を混合すると低温シール性が向上するが、エチレン−α−オレフィン共重合体の混合率が20重量%を超える場合、自動包装機との滑りが著しく低下するとともに、フィルム同士がブロッキングして好ましくなく、好ましくは0〜10%であり、更に好ましくは3〜8%である。ここで言うエチレン−α−オレフィン共重合体とは、密度が0.850〜0.900g/cmで、非晶性或いは示差走査熱量計(以下、DSCと記す。)にて測定される溶融ピーク温度(JIS K7121記載の方法に従って測定)が50〜100℃である低結晶性の共重合体、例えば、エチレンとプロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、オクテン−1、デセン−1のα−オレフィン或いはこれらの混合物との共重合体を示し、好ましくはブテン−1との共重合体が用いられる。
内部層Bに用いられるエチレン系重合体混合物は、密度0.880〜0.912g/cmである超低密度ポリエチレン60〜100重量%と密度0.850〜0.900g/cmであるエチレン−α−オレフィン共重合体0〜40重量%からなる混合物である。
超低密度ポリエチレンの密度が、0.880g/cm未満では得られたフィルムの耐熱性が極度に低下するため好ましくなく、0.912g/cmを超えると耐破れ性の向上が望めない。超低密度ポリエチレンとしては、エチレンと炭素数4〜8個の1種または2種以上のα−オレフィンとの共重合体が用いられ、好ましくはオクテン−1との共重合体が用いられる。
超低密度ポリエチレンにエチレン−α−オレフィン共重合体を混合すると耐破れ性がさらに向上するが、エチレン−α−オレフィン共重合体の混合率が40重量%を超えると耐熱性の低下をまねき、或いは低温収縮性が過剰になって室温保管時の寸法安定性に欠けるため好ましくない。ここで言うエチレン−α−オレフィン共重合体とは、上述のとおり、密度が0.850〜0.900g/cmで、非晶性或いはDSCにて測定される溶融ピーク温度が50〜100℃である低結晶性の共重合体であり、表面層Aで用いるエチレン−α−オレフィン共重合体と同一のものを用いてもよい。
内部層Cに用いられるエチレン系重合体は、密度0.910〜0.930g/cmである線状低密度ポリエチレンを主成分とするものである。
当該線状低密度ポリエチレンの密度が0.910〜0.930g/cmの範囲を外れると、チューブラー同時二軸延伸において延伸バブルの安定性に欠ける。また、線状低密度ポリエチレンは、190℃、2.16kgfの条件下で測定されるメルトフローレート(MFR)が0.2〜7g/10分のものが好ましい。7g/10分を越えると延伸安定性が極度に低下して、延伸時にフィルムが破れ、或いは厚み斑を生じ易くなる。MFRが0.2g/10分未満であると押出成形時の押出動力が上昇する問題とそれに派生して押出効率の低下および生産性が低下するといった問題が生ずることがある。より好ましいMFRは0.2〜3g/10分である。
線状低密度ポリエチレンとしては、エチレンとプロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、オクテン−1、デセン−1を含む炭素数3〜20個、好ましくは炭素数が4〜8個の1種または2種以上のα−オレフィンとの共重合体が用いられる。線状低密度ポリエチレンは、マルチサイト触媒を用いて得られた重合体でもシングルサイト触媒を用いて得られた重合体でも、両者を混合したものでもよく、これらから少なくとも1種が用いられるが、押出加工性や延伸加工性が良好となる点でマルチサイト触媒を用いて得られた重合体を用いた方がより好ましい。
内部層Cに用いられる組成物は、密度0.910〜0.930g/cmである線状低密度ポリエチレン40〜100重量%と密度0.910〜0.940g/cmである長鎖分岐を有する低密度ポリエチレン0〜60重量%のエチレン系重合体混合物、あるいは密度0.910〜0.930g/cmである線状低密度ポリエチレン40〜100重量%と密度0.940〜0.970g/cmである高密度ポリエチレン0〜60重量%の混合物、からなる組成物であってもよく、延伸安定性を更に向上させることが容易になる点で好ましい。
本発明のフィルムは、少なくとも4層からなり、表面層A/内部層B/内部層C/表面層Aの層構成であっても良いが、フィルムの一方の表面層から他方の表面層にかけて対称になる層構成にすると、すなわち、表面層/中間層/芯層/中間層/表面層の5層構成にすると、フィルムのカール(フィルムの端部が片面側に巻く現象)等がなくなって自動包装機にフィルムを通紙する際のハンドリングが容易となって好ましい。従って、本発明では、2つの中間層が内部層Cで且つ芯層が内部層Bとなるように、あるいは2つの中間層が内部層Bで且つ芯層が内部層Cとなるようにすることが可能である。内部層Cは、延伸安定化や耐熱性の向上を担う層であることから、2つの中間層が内部層Cで且つ芯層が内部層Bの構成の場合、フィルムの耐熱性が向上し、例えば包装機のシール部に発生するエッジ切れや収縮トンネル内でのヤケドが起こりにくいので、望ましい。ここでエッジ切れとは、包装機のシーラーのシールする面の端部、言い換えればフィルムがシーラーに接触する箇所と接触しない箇所の境で、フィルムが切れてしまう現象である。またヤケドとは、フィルムが収縮トンネルの熱風で溶融気味に白化したり、破れたりする現象を示す。各層の配置構成や比率は、フィルムの強度と延伸安定性や耐熱性のバランスを目的に応じて調整することが可能で、例えば1/1〜5/1〜10/1〜5/1の範囲に調整するのが良い。
本発明のフィルムはアンチブロッキング剤を添加することが望ましく、フィルムのすべり性を向上させて、折箱容器の角による引っ掻きや底面との擦れによる傷をフィルムが受けにくくすることで耐破れ性を更に向上させることが可能となる。アンチブロッキング剤の添加量は、目的に応じて、良好なすべり性が得られ且つ透明性の低下等がない範囲に調整でき、500〜6000ppmの範囲で添加するのが好ましい。
アンチブロッキング剤は、全層に添加しても良いがコストや透明性の低下等を考慮して、例えば5層構成の場合、表面層と中間層に添加するのが望ましい。具体的には、中間層に粒径2.0〜8.0μmのアンチブロッキング剤粒子が全添加量の80〜100%添加され、表面層に粒径0.5〜5.0μmのアンチブロッキング剤粒子が全添加量の0〜20%添加される。中間層と表面層に添加されるそれぞれのアンチブロッキング剤の粒子径が上記範囲よりも小さい場合、フィルム表面に形成される凹凸が不十分となり、すべり性が向上しない。一方、それぞれの層のアンチブロッキング剤の粒子径が上記範囲よりも大きい場合、透明性が低下するため好ましくない。表面層に添加されるアンチブロッキング剤は、添加量が多いほど良好なすべり性が得られるが、全添加量の20%を超える量が添加されると、アンチブロッキング剤粒子がシールを阻害し、或いは、例えば本発明のフィルムが用いられる自動包装機ではフィルムと包装機が強く擦られるため、アンチブロッキング剤粒子が脱落して包装機を汚してしまう等の問題を生じる。フィルムの表面に適当な凹凸を形成させるには、フィルム全体の厚みに対する表面層の厚み比率(すなわち表面層の厚み)と中間層に添加するアンチブロッキング剤の粒子径に応じて調整が必要であり、中間層に添加されるアンチブロッキング剤粒子径に対する表面層の厚みの比が0.8以下になるように調整するのが好ましい。
アンチブロッキング剤は、フィルムの製膜温度にて溶融や分解せず、フィルム表面に突出物を形成可能な粒子であれば、公知のものが使用できる。材質、形状等は如何なるものであっても良いが、使用するポリオレフィンに対して分散性や親和性が良く、可視光の屈折率が近いものが好ましい。例えば、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、シリカ−アルミナ、シリカ−ジルコニア、ゼオライト等の無機粒子;シリコーン樹脂粒子、シリコーンゴム粒子、ポリアミド粒子、架橋ポリメチルメタクリレート粒子、架橋ポリスチレン粒子等の合成樹脂粒子などから選ばれる1種、或いはこれらの混合物が使用される。
本発明では、耐熱性を付与し収縮仕上がり性を向上させる目的で、フィルムに電子線を照射して架橋する。電子線照射の程度、すなわち吸収線量は30〜130kGyで、好ましくは40〜110kGyである。30kGy未満であると、耐熱性が不足し、良好な収縮仕上がりが得られにくく、更には融点以上の温度で行う延伸が困難となる。一方、130kGyを越えると自動包装機で付与される小孔から破れ易くなり、自動包装機でシールする際に溶断できないなどシール不良の原因となるため好ましくない。
本発明のフィルムは、架橋された原反フィルムを二軸延伸加工して得られる。二軸延伸加工は、公知の延伸方法によって行うことが出来る。例えば、チューブラー同時二軸延伸、テンター同時二軸延伸、テンター逐次二軸延伸法等である。ここでは、チューブラー同時二軸延伸法を例にとって本発明の製造方法を述べるが、これに限定されるものではない。
上記の如き原料組成の樹脂を3台或いは5台の押出機に供給し、押出機先端に接合された5層構成の環状ダイスより樹脂を溶融して押し出し、冷媒を用いてチューブ状に冷却固化させて未延伸原反フィルムを作製する。次いで、原反フィルムを電子線照射装置に供給して、両面から照射し架橋させる。その後、原反チューブ内にエアーを供給しながら原反を再加熱し、延伸バブルを形成させ、エアーの圧力で縦横同時に延伸する。延伸倍率は、縦、横それぞれ3〜8倍、好ましくは4〜7倍になるように、縦は延伸前後のロール速度比で、横はエアー供給量で延伸バブルの径を調整する。延伸倍率が3倍未満であると、熱収縮率が小さくなり、8倍を越えるとフィルムが破れ易くなるので好ましくない。その時の延伸温度は、延伸ムラが発生せず、延伸バブルが安定した形状を維持出来、熱収縮性が付与される範囲であれば特に限定しないが、電子レンジ加熱による容器変形の抑制が必要な場合、フィルムを構成する樹脂の融点以上の温度に延伸温度を設定し、低い熱収縮力を得るように調整する。
原料の種類や組み合わせや各層の厚み構成比、或いは架橋度によって、延伸バブルが安定する延伸温度範囲が狭い場合には、二軸延伸後の熱処理によっても熱収縮力の調整を行う事ができる。その際の熱処理方法としては、公知の方法が用いられ、例えば、熱ロール、テンター、バブル熱処理等が用いられる。熱処理温度と熱処理弛緩率は、要求される熱収縮力の程度に応じて選択すればよいが、熱処理温度としては70〜125℃、弛緩率としては0〜15%の範囲で行うのが好ましい。また、得られたフイルムは、必要に応じて、エージング、コーティング等の後処理を行うことができる。
本発明の目的に支障をきたさない範囲であれば、可塑剤、酸化防止剤、界面活性剤、無機フィラー、防曇剤、帯電防止剤、滑剤、結晶核剤、着色剤等の添加剤を、それぞれ有効な作用を具備させる目的で適宜使用することは当然である。
以下、本発明を、実施例を用いて更に詳細に説明する。
実施例及び比較例には以下の原料をそれぞれ用い、表1〜2には略号にて記載した。 LL1:線状低密度ポリエチレン(シングルサイト触媒、密度:0.913g/cm、MFR:2.4g/10分、融解ピーク温度:99℃,128℃、αオレフィン:ヘキセン−1)。 LL2:線状低密度ポリエチレン(マルチサイト触媒、密度:0.920g/cm、MFR:0.5g/10分、融解ピーク温度:122℃、αオレフィン:4−メチルペンテン−1)。 LL3:線状低密度ポリエチレン(マルチサイト触媒、密度:0.920g/cm、MFR:1.0g/10分、融解ピーク温度:123℃、αオレフィン:オクテン−1)。 LL4:線状低密度ポリエチレン(マルチサイト触媒、密度:0.909g/cm、MFR:2.0g/10分、融解ピーク温度:115℃、αオレフィン:4−メチルペンテン−1)。 LL5:線状低密度ポリエチレン(マルチサイト触媒、密度:0.937g/cm、MFR:2.0g/10分、融解ピーク温度:126℃、αオレフィン:4−メチルペンテン−1)。 VL1:超低密度ポリエチレン(密度:0.905g/cm、MFR:0.8g/10分、融解ピーク温度:96℃、αオレフィン:オクテン−1)。 VL2:超低密度ポリエチレン(密度:0.912g/cm、MFR:1.0g/10分、融解ピーク温度:103℃、αオレフィン:オクテン−1)。 LD1:高圧法低密度ポリエチレン(密度:0.930g/cm、MFR:2.1g/10分、融解ピーク温度:115℃)。 HD1:高密度ポリエチレン(密度:0.968g/cm、MFR:5.2g/10分、融解ピーク温度:136℃)。 ECo1:エチレン−ブテン−1共重合体(密度:0.885g/cm、MFR:3.6g/10分、融解ピーク温度:70℃)。 ABA1:シリカ(平均粒径2μm)。 ABA2:ゼオライト(平均粒径6μm)。 ABA3:ゼオライト(平均粒径1μm)。 ABA4:ゼオライト(平均粒径10μm)。
また、実施例及び比較例おける測定及び評価の方法は、以下に示す通りで行った。
(1)ヘーズ:JIS K 7105に準拠して測定した。
(2)グロス:JIS K 7105に準拠して測定した。
(3)熱収縮率:ASTM D 1204に準拠し、120℃で測定した。
(4)熱収縮力:ASTM D 2838に準拠し、100℃で測定した。測定値は、加熱開始から10秒後の値を読んだ。
(5)引裂強度:JIS P 8116に準拠し、東洋精機製軽荷重引裂試験機で測定した。
(6)摩擦係数:ASTM D 1894に準拠して測定した。
(7)表面粗さ:小坂研究所製三次元粗さ測定器(MODEL SE−30K)および三次元粗さ解析装置(MODEL TDA−21)を用いて測定した。詳しくは、フィルム表面の任意の500μm×3000μmの領域に対し、前記の粗さ測定器を用いて、ピッチ幅5μmで測定した。測定後、前記の粗さ解析装置を用いて、下記の数式1から中心面平均粗さ(SRa:単位μm)を求めた。一つのサンプルについて、上記操作を2回実施し、平均値を求めてフィルム表面粗さとした。
Figure 2007118576
ここで粗さ曲面の中心面上に直行座標X軸、Y軸を置き中心面に直行する軸をZ軸とし、粗さ曲面をf(x,y)、基準面の大きさLx、Lyとしたとき、上記式から求められる値が中心面平均粗さである。なお中心面とは、平面と粗さ曲面で囲まれた体積が平面に対し上下で等しく、かつ最小になる平面のことである。
(8)包装評価:市販のピローシュリンク自動包装機を用いて、折箱容器を包装し、包装体の状態を評価した。折箱容器は、蓋つきで、外周が発泡ポリスチレンのシートで覆われ、シートが四隅の一箇所で糊付けされていて、その糊付け箇所が硬く尖っている状態のものを使用した。収縮前に製袋する袋のサイズは、容器の周長に対して、縦方向は30%、横方向は20%大きくなるようにした。ここで、縦方向とは包装機の流れ方向であり、横方向とは流れ方向に直角の方向を意味する。また、包装機に装着されている針で、フィルムに空気抜きの小孔を連続的に付与し、小孔が容器の上面に位置するようにした。収縮トンネルで収縮させた後の状態を、以下の基準で判定した。
A:しわがなく、四隅のツノが小さく、破れ等がなく、被包装物にフィルムが密着して、緊張しているもの。
B:小じわが残っている、或いは角が大きくなっているもの。
C:シールが開いたもの。
D:収縮時に空気抜きの小孔から破れる、或いは底面の角から傷を受け、大きく破れるもの。
実施例1
表1に示すような樹脂を3台の押出機を用いて溶融混練し、環状ダイスより2つの表面層と2つの中間層、1つの芯層からなる5層構成の溶融樹脂をチューブ状に押し出し、水を用いて急冷し、厚み360μmの未延伸フイルムを得た。このとき、各層の厚みの比率は1/1/3/1/1である。なお、全ての層に、非イオン系界面活性剤としてジグリセリンオレイン酸エステル2重量%を含有させている。
得られたチューブ状未延伸フィルムの片面から加速電圧260kV、吸収線量110kGyに設定した電子線照射装置により電子線を照射し、次いで反対側からも同様に電子線を照射して、架橋処理を行った。次いで、チューブ状未延伸フイルムをチューブラー二軸延伸装置に導き、環状赤外線ヒーターでフィルムの表面温度が樹脂融点の温度になるまで加熱し、チューブ内に加圧空気を送り込んでバブルを形成させ、低速ニップロールと高速ニップロールの周速比によって機械の流れ方向(MD)に6.0倍、加圧空気の量でMDと直角方向(TD)に6.0倍に延伸し、エアーリングにより冷風をバブル下部にあてて冷却しながら折りたたみ、85℃の加熱ロールにて4%の弛緩熱処理を行い、10.2μmの延伸フイルムを得た。このときの延伸は、延伸開始点の上下動や延伸バブルの揺動もなく、また、ネッキングなどの不均一延伸状態も観察されず、延伸性は良好であった。
得られたフイルムの特性は、表1に示す通りで、透明性が良好で、熱収縮率が高く、熱収縮力が低いものであった。また、引き裂き強度が大きいものであった。得られたフィルムを用いピローシュリンク包装機にて包装評価を行ったところ、トンネル温度を高くしても空気抜き小孔が大きくならず、十分に収縮させることができ、実用上十分な収縮包装体を得ることができた。但し、折箱の糊付け箇所のフィルムには、破れはしていないが引掻いた傷跡が見られた。更に、弁当の包装体を電子レンジで加熱したが、大きな容器変形は見られなかった。
実施例2
表1に示すような樹脂を用いた以外は実施例1と同様の方法で延伸フィルムを得た。得られたフイルムの特性は、表1の通りであった。ピローシュリンク包装機にて包装評価を行ったところ、収縮仕上がりも綺麗であり実用上十分であった。但し、折箱の糊付け箇所のフィルムには、破れはしていないが引掻いた傷跡が見られた。
実施例3
表1に示すように中間層にエチレン−ブテン−1共重合体を35%にした以外は実施例1と同様の方法で延伸フィルムを得た。得られたフイルムの特性は、表1に示す通りで、実施例1で得られたフィルムよりも熱収縮率は高く、引き裂き強度が大きいものであった。ピローシュリンク包装機にて包装評価を行ったところ、空気抜き小孔が小さくなって、容器上面の見栄えが綺麗であり、実用上十分な収縮包装体を得た。但し、折箱の糊付け箇所のフィルムには、破れはしていないが引掻いた傷跡が見られた。更に、弁当の包装体を電子レンジで加熱したが、大きな容器変形は見られなかった。
実施例4
吸収線量を40kGyにした以外は実施例1と同様の方法で延伸フィルムを得た。得られたフイルムの特性は、表1の通りであった。ピローシュリンク包装機にて包装評価を行ったところ、トンネル適性範囲が実施例1より若干狭いが、収縮仕上がりは綺麗であり実用上十分であった。
実施例5
MDに3.5倍、TDに3.5倍に延伸した以外は実施例1と同様の方法で延伸フィルムを得た。得られたフイルムの特性は、表1の通りで、実施例1で得られたフィルムよりも熱収縮率が若干低いものであった。ピローシュリンク包装機にて包装評価を行ったところ、実施例1よりもツノが若干大きめではあったが、しわなどはなく、収縮仕上がりが綺麗であった。
実施例6
表1に示すような樹脂を用い、各層の厚みの比率を1/3/3/3/1にした以外は実施例1と同様の方法で延伸フィルムを得た。延伸の際、生産速度を高速にしても延伸バブルの揺れがなく、延伸後のフィルムの厚みムラが実施例1よりも小さくなった。得られたフイルムの特性は、表1に示す通りであった。ピローシュリンク包装機にてトンネル温度を高くしても空気抜き小孔が大きくならず、収縮仕上がりも綺麗であり実用上十分であった。但し、折箱の糊付け箇所のフィルムには、破れはしていないが引掻いた傷跡が見られた。
実施例7
表1に示すような樹脂を用いた以外は実施例6と同様の方法で延伸フィルムを得た。延伸の際、生産速度を高速にしても延伸バブルの揺れがなく、特に延伸バブルの上部の未延伸部分の原反の縦伸びがなかった。得られたフイルムの特性は、表1に示す通りであった。ピローシュリンク包装機にてトンネル温度を高くしても空気抜き小孔が大きくならず、収縮仕上がりも綺麗であり実用上十分であった。但し、折箱の糊付け箇所のフィルムには、破れはしていないが引掻いた傷跡が見られた。更に、弁当の包装体を電子レンジで加熱したが、大きな容器変形は見られなかった。
実施例8
表1に示すような樹脂を用い、各層の厚みの比率を1/2/3/2/1にした以外は実施例1と同様の方法で延伸フィルムを得た。得られたフイルムの特性は、表1に示す通りで、実施例1で得られたフィルムよりも熱収縮率は高いものであった。ピローシュリンク包装機にて包装評価を行う際に、包装機のセンターシール温度の適性範囲を確認すると、シール温度を高くしても、シール部にエッジ切れはほとんど見られなかった。更に、良好な収縮包装状態が得られる収縮トンネルの適性温度を確認すると、ヤケドが発生しにくくなって、トンネル温度の適性範囲が高温側に広がっていた。包装状態は、空気抜き小孔が小さくなって、容器上面の見栄えが綺麗であり、実用上十分であった。但し、折箱の糊付け箇所のフィルムには、破れはしていないが引掻いた傷跡が見られた。更に、弁当の包装体を電子レンジで加熱したが、大きな容器変形は見られなかった。
実施例9
表層に平均粒子径が2μmのシリカを300ppm添加し、中間層に平均粒子径が2μmのシリカを2700ppm添加した以外は実施例1と同様の方法で延伸フィルムを得た。得られたフイルムの特性は、表1に示す通りで、実施例1で得られたフィルムよりも摩擦係数が小さいものであり、表面粗さ測定ではフィルムの表面に凹凸を確認することができた。ピローシュリンク包装機にて包装評価を行ったところ、フィルムが包装機を走行する際の走行音が小さく、カットピッチ等も安定した。また、容器とフィルムの滑りが良いため、容器の凹部など局所的に空気が溜まることがなく、収縮仕上がりも綺麗であり実用上十分であった。折箱の糊付け箇所のフィルムには、引掻いた傷跡は全く見られず、底面の仕上がりも綺麗であった。更に、弁当の包装体を電子レンジで加熱したが、大きな容器変形は見られなかった。
実施例10
表層に平均粒子径が2μmのシリカを300ppm添加し、中間層に平均粒子径が6μmのゼオライトを2700ppm添加した以外は実施例1と同様の方法で延伸フィルムを得た。得られたフイルムの特性は、表1に示す通りで、実施例1で得られたフィルムよりも摩擦係数が小さいものであり、表面粗さ測定ではフィルムの表面に凹凸を確認することができた。ピローシュリンク包装機にて包装評価を行ったところ、フィルムが包装機を走行する際の走行音が小さく、カットピッチが一定で安定していた。また、容器とフィルムの滑りが良いため、容器の凹部など局所的に空気が溜まることがなく、収縮仕上がりも綺麗であり実用上十分であった。折箱の糊付け箇所のフィルムには、引掻いた傷跡は全く見られず、底面の仕上がりも綺麗であった。更に、弁当の包装体を電子レンジで加熱したが、大きな容器変形は見られなかった。
Figure 2007118576
比較例1
表2に示すように中間層に密度が0.920g/cmの線状低密度ポリエチレンを用いた以外は実施例1と同様の方法で延伸フィルムを得た。得られたフイルムの特性は、表2に示す通りで、引き裂き強度が小さいものであった。得られたフィルムを用い、ピローシュリンク包装機にて、包装評価を行ったところ、空気抜きの小孔から破れ、或いは折箱の糊付け箇所から大きく破れ、収縮包装体を得ることができなかった。
比較例2
表2に示すように中間層にエチレン-α-オレフィン共重合体を50重量%混合した以外は実施例1と同様の方法で延伸フィルムを得た。得られたフイルムの特性は、表2に示す通りで、熱収縮率が高く、引き裂き強度も大きいものであった。得られたフィルムを用い、ピローシュリンク包装機にて、包装評価を行ったところ、耐熱性が不足し、トンネル温度を高くするとフィルムが溶融して破けてしまった。更に、フィルムをロール状態で35℃の倉庫に2週間保管した後、フィルム幅を測定した結果、元の幅よりも20%小さくなっていた。
比較例3
表2に示すように表面層にエチレン-α-オレフィン共重合体を30重量%混合した以外は実施例1と同様の方法で延伸フィルムを得た。得られたフイルムの特性は、表2に示す通りで、摩擦係数が大きいものであった。ピローシュリンク包装機にて包装評価を行ったところ、フィルムが包装機を走行する際の走行音がギシギシと大きく、カットピッチが不安定になって余裕率が変化するため、仕上がり状態が大きくばらつくものであった。
比較例4
表2に示すように芯層に密度0.908g/cmの線状低密度ポリエチレンを用いた以外は実施例1と同様の方法で延伸を試みたが、延伸バブルが大きく揺れ、延伸温度が融点より高くなるほど延伸バブルの上部の未延伸原反が縦伸びして更に延伸バブルが大きく揺れ、最後はバブルが破裂してしまった。
比較例5
表2に示すように芯層に密度0.937g/cmの線状低密度ポリエチレンを用いた以外は実施例1と同様の方法で延伸を試みたが、延伸バブルが大きく揺れ、得られた延伸フィルムの厚みムラが大きくなって、マスターロールに巻き取る際に巻きずれを生じ、製品として取得することができなかった。
比較例6
吸収線量を170kGyにした以外は実施例1と同様の方法で延伸フィルムを得た。得られたフイルムの特性は、表2に示す通りで、引き裂き強度が小さいものであった。ピローシュリンク包装機にて包装評価を行ったところ、空気抜きの小孔から破れ、或いは折箱の糊付け箇所から大きく破れ、収縮包装体を得ることができなかった。
比較例7
MDに2.5倍、TDに2.5倍に延伸した以外は実施例1と同様の方法で延伸フィルムを得た。得られたフイルムの特性は、表2に示す通りで、熱収縮率が小さいものであった。ピローシュリンク包装機にて、包装評価を行ったところ、収縮が不十分で、四隅の角が大きく残り、フィルムが密着した状態の収縮包装体を得ることができなかった。
Figure 2007118576

本発明の包装フィルムは、生産の安定性に優れ、耐熱性、高収縮性、良好なシール性、耐破れ性を有する。従って、弁当や惣菜のような食品の包装を始め、多様な形状・材質の商品の包装に利用することができる。

Claims (5)

  1. 少なくとも4つの層からなるフィルムであって、(a)2つの表面層Aが密度0.900〜0.920g/cmである線状低密度ポリエチレン80〜100重量%と密度0.850〜0.900g/cmであるエチレン−α−オレフィン共重合体0〜20重量%からなるエチレン系重合体混合物であり、(b)少なくとも1つの内部層Bが密度0.880〜0.912g/cmである超低密度ポリエチレン60〜100重量%と密度0.850〜0.900g/cmであるエチレン−α−オレフィン共重合体0〜40重量%からなるエチレン系重合体混合物であり、(c)少なくとも1つの内部層Cが、密度0.910〜0.930g/cmである線状低密度ポリエチレンを主成分とするエチレン系重合体であり、(d)吸収線量が30〜160kGyの電子線を照射した後、縦方向及び横方向にそれぞれ3倍以上に延伸加工する、ことを特徴とするポリエチレン系架橋シュリンクフィルム。
  2. 内部層Cが、密度0.910〜0.930g/cmである線状低密度ポリエチレン40〜100重量%と密度0.910〜0.940g/cmである長鎖分岐を有する低密度ポリエチレン0〜60重量%のエチレン系重合体混合物である、請求項1記載のポリエチレン系架橋シュリンクフィルム。
  3. 内部層Cが、密度0.910〜0.930g/cmである線状低密度ポリエチレン40〜100重量%と密度0.940〜0.970g/cmである高密度ポリエチレン0〜60重量%のエチレン系重合体混合物である、請求項1記載のポリエチレン系架橋シュリンクフィルム。
  4. 少なくとも4つの層からなるフィルムが、表面層/中間層/芯層/中間層/表面層の5層構成からなるフィルムであり、2つの中間層が内部層Bで且つ芯層が内部層Cである、或いは2つの中間層が内部層Cで且つ芯層が内部層Bであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のポリエチレン系架橋シュリンクフィルム。
  5. (a)表面層に粒径0.5〜5.0μmのアンチブロッキング剤が全添加量の0〜20重量%添加され、 (b)中間層に粒径2.0〜8.0μmのアンチブロッキング剤が全添加量の80〜100重量%添加され、(c) 表面層の厚みと中間層に添加されるアンチブロッキング剤粒子径の比が0.8以下である、ことを特徴とする請求項4に記載のポリエチレン系架橋シュリンクフィルム。
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