JP4721933B2 - ストレッチシュリンク積層フィルム及びその製造方法 - Google Patents
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すなわち、本発明は、
(1)少なくとも3層から構成され、両表面層がエチレン系重合体である(A)成分を主成分とし、また、中間層が、下記に示す(C)成分60〜30質量%と、(D)成分40〜70質量%とを含む混合樹脂組成物であるアイオノマー系樹脂組成物(B)成分を主成分とする積層フィルムであって、縦方向の引張伸びが100%以上であり、かつ、80℃オイルバス中10秒浸漬したときの縦方向および横方向の熱収縮率の合計値が25%以上であることを特徴とするストレッチシュリンク積層フィルム。
(C)不飽和カルボン酸含量が10〜30質量%、金属イオンによる中和度が30〜80%のエチレン・不飽和カルボン酸共重合体
(D)不飽和カルボン酸含量が5〜15質量%でメルトフローレート(JIS K7210、190℃、荷重:21.18N)が0.2〜5g/10分のエチレン・不飽和カルボン酸共重合体
(2)引張弾性率が200MPa〜400MPaの範囲であって、かつ、縦方向および横方向の50%引張伸び応力がいずれも40MPa以下であることを特徴とする(1)記載のストレッチシュリンク積層フィルム。
(3)エチレン系重合体である(A)成分が、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、線状超低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体およびエチレン−メタクリル酸エステル共重合体の中から選ばれる少なくとも1種のエチレン系重合体であることを特徴とする(1)または(2)に記載のストレッチシュリンク積層フィルム。
(4)エチレン系重合体である(A)成分が、酢酸ビニル含量が8〜30質量%で、メルトフローレート(JIS K7210、190℃、荷重:21.18N)が0.2〜10g/10分のエチレン−酢酸ビニル共重合体であることを特徴とする(1)または(2)に記載のストレッチシュリンク積層フィルム。
(5)エチレン系重合体である(A)成分の融点が、65〜100℃であることを特徴とする(1)または(2)に記載のストレッチシュリンク積層フィルム。
(6)溶融押出された樹脂を一旦冷却固化することなく、環状ダイから円筒状に押出し、この円筒の中にエアを吹き込み、溶融円筒を膨らませる方式であるインフレーション法で製造されたことを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載のストレッチシュリンク積層フィルム。
なお、本発明における数値範囲の上限値及び下限値は、本発明が特性する数値範囲内から僅かに外れる場合であっても、当該数値範囲内と同様の作用効果を備えている限り本発明の均等範囲に包含するものである。また、本発明における主成分とは、最も多量に含有されている成分のことであり、通常50質量%以上、好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上含有する成分のことである。
(C)不飽和カルボン酸含量が10〜30質量%、金属イオンによる中和度が30〜80%のエチレン・不飽和カルボン酸共重合体
(D)不飽和カルボン酸含量が5〜15質量%でメルトフローレート(JIS K7210、190℃、荷重:21.18N)が0.2〜5g/10分のエチレン・不飽和カルボン酸共重合体
本発明のストレッチシュリンク積層フィルムは、引張弾性率が200MPa〜400MPaの範囲にあることが好ましい。引張弾性率が200MPa〜400MPa、好ましくは250MPa〜350MPaの範囲であれば、本発明のストレッチシュリンク積層フィルムを突き上げ包装機を用いてストレッチ包装した場合、突き上げ時に過度な力がかからずにフィルムが伸びるため、フィルムがクランプから外れるといったトラブルや、トレーを変形させるといった問題を生じることがないため好ましい。
本発明のストレッチシュリンク積層フィルムは、縦方向の引張伸びが100%以上となることが必要である。縦方向の引張伸びが100%以上、好ましくは110〜200%であれば、突き上げ包装機を用いてのストレッチ包装時に生じるフィルムの変形によってフィルムが破断することがないため好ましい。
本発明のストレッチシュリンク積層フィルムは、縦方向および横方向の50%引張伸び応力がいずれも40MPa以下であることが好ましい。50%引張伸び応力が40MPa以下、好ましくは20〜35MPaであれば、突き上げ包装機を用いてストレッチ包装した場合、突き上げ時にフィルムが伸びた際にトレーに過度な負荷がかならないため、トレーに変形を生じさせたり、トレーを破損させたりといった問題を生じることがないため好ましい。
縦方向及び横方向からそれぞれ長さ400mm×幅5mmの短冊状のフィルム試験片を切り出し、引張試験機((株)島津製作所製、型番:AGS−H500N)を用いて、チャック間300mm、引張速度5mm/分で測定を行い、チャートの始めの直線部分を用いて、次式にて計算した。
E=σ/ε
E:引張弾性率、
σ:直線上の2点間の単位面積(引張試験前のサンプルの平均断面積)あたりの応力の差
ε:同じ2点間の歪の差
縦方向及び横方向からそれぞれ長さ100mm×幅10mmの短冊状のフィルム試験片を切り出し、引張試験機((株)島津製作所製、型番:AGS−H500N)を用いて、チャック間40mm、引張速度200mm/分で測定した。また、50%引張伸び応力は上記測定にて得られたチャートから50%引っ張り伸び荷重を読み取り、50%引張伸び応力(MPa)に換算した。測定は各3回行い、その平均値を算出し、少数第一位を四捨五入した値を記載した。
得られたフィルムから縦方向及び横方向からそれぞれ長さ140mm×幅10mmの短冊状にフィルムを切り出し、その中間に長さ100mm間隔の標線を記入した試験片を、80℃のオイルバスに10秒間浸漬し、取り出した後の標線間の長さを測定し、オイルバス浸漬前後の標線間の長さから収縮率を%値で求めた。なお、測定は各10回行い、その平均値を算出し、少数第一位を四捨五入した値を記載した。
(突き上げ包装適性)
幅400mmのフィルムを用い、突き上げ型包装機(フジ機械(株)製:FP−65A)+シュリンクトンネル(大森機械(株)製:C−300型、熱風設定温度:105℃、通過時間:3秒)により、200gの粘度(厚み10mm)を入れた通常の発泡ポリスチレントレー(長さ100mm、幅50mm、高さ50mm)を70パック/分のスピードで1000個包装した場合の自動包装機適性を下記の基準で評価した。
(◎):破断トラブルが全く起こらなかったもの(0回/1000個中)
(○):1〜3回の裂けや破断トラブルが生じたが、実用上問題のないもの
(×):4回以上の裂けや破断トラブルが生じ、実用上問題となるもの
上記した(4)と同様に、通常の発泡ポリスチレントレー(長さ200mm、幅150mm、高さ15mm)を包装し、得られたパックサンプルを下記の基準で評価した。
(◎):トレー上面にシワやたるみがほとんどなく、フィルムの張りも十分あるもの
(○):トレー上面にシワやたるみがほとんどなく、フィルムの張りがあるもの
(×):トレー上面にシワやたるみが発生したり、フィルムの張りがないもの
エチレン系重合体である(A)成分として、エチレン−酢酸ビニル共重合体(日本ポリエチレン製:LV−440、酢酸ビニル含量:15質量%、MFR:2.2g/10分、融点:95℃)、(以下A−1と略する)100質量部に、防曇剤としてジグリセリンモノオレート5.0質量部を押出設定温度180〜200℃で溶融混練した樹脂組成物を両表面層とし、また、アイオノマー系樹脂組成物である(B)成分として、(C)成分となるアイオノマー(三井・デュポンポリケミカル製:ハイミラン1706、ベースポリマー:エチレン・メタクリル酸共重合体、メタクリル酸含量:15質量%、中和金属イオン種:亜鉛、中和度:59%、MFR:0.7g/10分、融点:88℃)(以下C−1と略する)50質量%と、(D)成分となるエチレン・不飽和カルボン酸共重合体としてエチレン・アクリル酸共重合体(日本ポリエチレン製:レクスパールA−210K、アクリル酸含量:7質量%、MFR:3.0g/10分、融点:98℃)(以下D−1と略する)50質量%を押出設定温度180〜200℃で溶融混練した樹脂組成物を中間層とし、それぞれ別々の押出機から合流させ、環状三層ダイ温度185℃、リップギャップ1.2mm、ブローアップ比10.0で共押出インフレーション成形して、総厚み13μm(厚み比:1/6/1)のストレッチシュリンク積層フィルムを得た。得られたフィルムを評価した結果を表1に示す。なお、アイオノマー系樹脂組成物である(B)成分の示差走査熱量測定により冷却した時の結晶化ピーク温度(Tc)は、C−1由来の結晶化ピーク温度が69.5℃に、D−1由来の結晶化ピーク温度が80.4℃に観察された。
実施例1において、厚み比を1/3/1とした以外は、実施例1と同様にしてストレッチシュリンク積層フィルムを得た。得られたフィルムを評価した結果を表1に示す。
実施例1において、アイオノマー系樹脂組成物である(B)成分として、C−1とD−1の割合を質量比でC−1/D−1=60質量%/40質量%とし、総厚み13μm(厚み比:1/2/1)とした以外は、実施例1と同様にしてストレッチシュリンク積層フィルムを得た。得られたフィルムを評価した結果を表1に示す。
実施例1において、アイオノマー系樹脂組成物である(B)成分として、C−1とD−1の割合を質量比でC−1/D−1=40質量%/60質量%とした以外は、実施例1と同様にしてストレッチシュリンク積層フィルムを得た。得られたフィルムを評価した結果を表1に示す。
実施例1において、アイオノマー系樹脂組成物である(B)成分として、(C)成分となるC−1を100質量%とした以外は、実施例1と同様にしてストレッチシュリンク積層フィルムを得た。得られたフィルムを評価した結果を表1に示す。
実施例1において、アイオノマー系樹脂組成物である(B)成分として、(D)成分となるD−1を100質量%とした以外は実施例1と同様にしてストレッチシュリンク積層フィルムを得た。得られたフィルムを評価した結果を表1に示す。
Claims (8)
- 少なくとも3層から構成され、両表面層がエチレン系重合体である(A)成分を主成分とし、また、中間層が、下記に示す(C)成分60〜30質量%と、(D)成分40〜70質量%とを含む混合樹脂組成物であるアイオノマー系樹脂組成物(B)成分を主成分とする積層フィルムであって、縦方向の引張伸びが100%以上であり、かつ、80℃オイルバス中10秒浸漬したときの縦方向および横方向の熱収縮率の合計値が25%以上であることを特徴とするストレッチシュリンク積層フィルム。
(C)不飽和カルボン酸含量が10〜30質量%、金属イオンによる中和度が30〜80%のエチレン・不飽和カルボン酸共重合体
(D)不飽和カルボン酸含量が5〜15質量%でメルトフローレート(JIS K7210、190℃、荷重:21.18N)が0.2〜5g/10分のエチレン・不飽和カルボン酸共重合体 - 少なくとも3層から構成され、両表面層がエチレン系重合体である(A)成分を主成分とし、また、中間層がアイオノマー系樹脂組成物である(B)成分を主成分とする積層フィルムであって、縦方向の引張伸びが100%以上であり、かつ、80℃オイルバス中10秒浸漬したときの縦方向および横方向の熱収縮率の合計値が25%以上であることを特徴とするストレッチシュリンク積層フィルム。
- 引張弾性率が200MPa〜400MPaの範囲であって、かつ、縦方向および横方向の50%引張伸び応力がいずれも40MPa以下であることを特徴とする請求項1記載のストレッチシュリンク積層フィルム。
- エチレン系重合体である(A)成分が、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、線状超低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体およびエチレン−メタクリル酸エステル共重合体の中から選ばれる少なくとも1種のエチレン系重合体であることを特徴とする請求項1または2に記載のストレッチシュリンク積層フィルム。
- エチレン系重合体である(A)成分が、酢酸ビニル含量が8〜30質量%で、メルトフローレート(JIS K7210、190℃、荷重:21.18N)が0.2〜10g/10分のエチレン−酢酸ビニル共重合体であることを特徴とする請求項1または2に記載のストレッチシュリンク積層フィルム。
- エチレン系重合体である(A)成分の融点が、65〜100℃であることを特徴とする請求項1または2に記載のストレッチシュリンク積層フィルム。
- 溶融押出された樹脂を一旦冷却固化することなく、環状ダイから円筒状に押出し、この円筒の中にエアを吹き込み、溶融円筒を膨らませる方式であるインフレーション法で製造されたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のストレッチシュリンク積層フィルム。
- インフレーション成形機により製造することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のストレッチシュリンク積層フィルムの製造方法。
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