JP4896421B2 - ストレッチシュリンク積層フィルムおよびその製造方法 - Google Patents
ストレッチシュリンク積層フィルムおよびその製造方法Info
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Description
すなわち、本発明は、
(1)少なくとも3層から構成される積層フィルムであって、両表面層がエチレン系重合体である(A)成分を主成分とし、また中間層がアイオノマー樹脂である(B)成分を主成分とし、かつ、中間層のフィルム全体の厚みに対する厚み比が35〜90%であるとともに、80℃オイルバス中10秒浸積したときの縦方向及び横方向の熱収縮率の合計値が30%以上であるストレッチシュリンク積層フィルムの製造方法であり、溶融押出された樹脂を一旦急冷固化することなく、環状ダイから円筒状に押出し、この円筒の中にエアを吹き込み、溶融円筒を膨らませる方式であるインフレーション法で製造することを特徴とするストレッチシュリンク積層フィルムの製造方法。
(2)エチレン系重合体である(A)成分が、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、線状超低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体およびエチレン−メタクリル酸エステル共重合体の中から選ばれる少なくとも1種のエチレン系重合体であることを特徴とする(1)に記載のストレッチシュリンク積層フィルムの製造方法。
(3)エチレン系重合体である(A)成分が、酢酸ビニル含量が8〜30質量%で、メルトフローレート(JIS K7210、190℃、荷重21.18N)が0.2〜10g/10分のエチレン−酢酸ビニル共重合体であることを特徴とする(1)に記載のストレッチシュリンク積層フィルムの製造方法。
(4)エチレン系重合体である(A)成分の融点が、65〜100℃であることを特徴とする(1)に記載のストレッチシュリンク積層フィルムの製造方法。
(5)アイオノマー樹脂である(B)成分が、不飽和カルボン酸含量が10〜30質量%、金属イオンによる中和度が15〜80%のエチレン・不飽和カルボン酸共重合体であることを特徴とする(1)に記載のストレッチシュリンク積層フィルムの製造方法。
(6)中間層が上記(A)成分と(B)成分との混合組成物であり、(A)成分と(B)成分の混合質量比が、(A)/(B)=1〜50/99〜50であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載のストレッチシュリンク積層フィルムの製造方法。
(7)フィルムの縦方向及び横方向の30%引っ張り伸び応力がそれぞれ10〜60MPaであることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載のストレッチシュリンク積層フィルムの製造方法。
(8)80℃オイルバス中10秒浸積したときの縦方向及び横方向の熱収縮率の合計値が40〜120%であることを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載のストレッチシュリンク積層フィルムの製造方法。
なお、本発明における数値範囲の上限値及び下限値は、本発明が特定する数値範囲内から僅かに外れる場合であっても、当該数値範囲内と同様の作用効果を備えている限り本発明の均等範囲に包含するものである。また、本発明における主成分とは、最も多量に含有されている成分のことであり、通常50質量%以上、好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上含有する成分のことである。
得られたフィルムから縦方向および横方向からそれぞれ長さ140mm×幅10mmの短冊状にフィルムを切り出し、その中間に長さ100mm間隔の標線を記入した試験片を、80℃のオイルバスに10秒間浸漬し、取り出した後の標線間の長さを測定し、オイルバス浸漬前後の標線間の長さから収縮率を%値で求めた。なお、測定は各10回行い、その平均値を算出し、少数第一位を四捨五入した値を記載した。
縦方向および横方向からそれぞれ長さ100mm×幅10mmの短冊状のフィルム試験片を切り出し、引張試験機((株)島津製作所製、型番:AGS−H500N)を用いて、チャック間40mm、引張速度200mm/分で引張試験を行い、得られたチャートから30%引っ張り伸び荷重を読み取り、30%引っ張り伸び応力(MPa)に換算した。なお、測定は各3回行い、その平均値を算出し、少数第一位を四捨五入した値を記載した。
幅400mmのフィルムを用い、横ピロー型包装機(大森機械(株)製STN7500)+シュリンクトンネル(大森機械(株)製ピロー包装機付属のC−300型、熱風設定温度:90℃、通過時間:3秒)により、200gの粘土(厚み10mm)を入れた通常の発泡ポリスチレントレー(長さ200mm、幅150mm、高さ15mm)を包装し、得られたパックサンプルを下記の基準で評価した。
(◎):トレー上面にシワやたるみがほとんどなく、フィルムの張りも十分あるもの
(○):トレー上面にシワやたるみがほとんどなく、フィルムの張りがあるもの
(×):トレー上面にシワやたるみが発生していたり、フィルムの張りがないもの
上記した(3)で得られたパックサンプルを3段に積み重ねた状態で、5℃の恒温槽内に10時間放置後、最下段のパックサンプルの上面の状態を下記の基準で評価した。
(○):トレー上面にたるみがほとんどなく、フィルムの張りも十分あるもの
(×):トレー上面にたるみが発生し、フィルムの張りがないもの
エチレン系重合体である(A)成分として、エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含量:15質量%、MFR:2.2g/10分、融点:95℃)(以下、A−1と略する)100質量部に、防曇剤としてジグリセリンモノオレート2.7質量部を押出設定温度180〜200℃で溶融混練した樹脂組成物からなる両表面層を厚みが各々2.5μmとなるように、また、アイオノマー樹脂である(B)成分として、アイオノマー(1)(ベースポリマー:エチレン・メタクリル酸共重合体、メタクリル酸含量:15質量%、中和金属イオン種:亜鉛、中和度:59%、MFR:0.7g/10分、融点:88℃)(以下、B−1と略する)からなる中間層を厚みが5.0μmとなるように、それぞれ別々の押出機から合流させ、環状三層ダイ温度200℃、リップギャップ1.2mm、ブローアップ比5.5で共押出インフレーション成形して、総厚み12μm(3.0μm/6.0μm/3.0μm)のストレッチシュリンク積層フィルムを得た。得られたフィルムを評価した結果を表1に示す。
実施例1において、各層の厚み構成比を表層/中間層/表層=1.5μm/9.0μm/1.5μmに変更した以外は、実施例1と同様にして総厚み12μmのストレッチシュリンク積層フィルムを得た。得られたフィルムを評価した結果を表1に示す。
実施例1において、両表面層に添加する防曇剤の量を2.7質量部から4.0質量部とし、(B)成分として用いたB−1からアイオノマー(2)(ベースポリマー:エチレン・メタクリル酸共重合体、メタクリル酸含量:15質量%、中和金属イオン種:ナトリウム、中和度:54%、MFR:0.9g/10分、融点:89℃)(以下、B−2と略する)に変更した以外は、実施例1と同様にして総厚み12μm(3.0μm/6.0μm/3.0μm)のストレッチシュリンク積層フィルムを得た。得られたフィルムを評価した結果を表1に示す。
実施例1において、(B)成分として用いたB−1からアイオノマー(3)(ベースポリマー:エチレン・メタクリル酸共重合体、メタクリル酸含量:15質量%、中和金属イオン種:亜鉛、中和度:20%、MFR:16g/10分、融点:90℃)(以下、B−3と略する)に変更した以外は、実施例1と同様にして総厚み12μm(3.0μm/6.0μm/3.0μm)のストレッチシュリンク積層フィルムを得た。得られたフィルムを評価した結果を表1に示す。
実施例1において、(B)成分として用いたB−1から上記したA−1/B−2=20質量%/80質量%の混合樹脂組成物に変更した以外は、実施例1と同様にして総厚み12μm(3.0μm/6.0μm/3.0μm)のストレッチシュリンク積層フィルムを得た。得られたフィルムを評価した結果を表1に示す。
実施例1において、(B)成分として用いたA−1からエチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含量:20質量%、MFR:2.5g/10分、融点:91℃)(以下、A−2と略する)に変更した以外は、実施例1と同様にして総厚み12μm(3.0μm/6.0μm/3.0μm)のストレッチシュリンク積層フィルムを得た。得られたフィルムを評価した結果を表1に示す。
実施例1において、中間層に(B)成分として用いたB−1から両表面層に用いた樹脂組成物に変更し、実質的に単層フィルムとした以外は、実施例1と同様にして総厚み12μm(3.0μm/6.0μm/3.0μm)のストレッチシュリンク積層フィルムを得た。得られたフィルムを評価した結果を表1に示す。
実施例1において、(B)成分として用いたB−1からアイオノマー(4)(ベースポリマー:エチレン・メタクリル酸共重合体、メタクリル酸含量:9質量%、中和金属イオン種:亜鉛、中和度:8%、MFR:5g/10分、融点:98℃)(以下、B−4と略する)に変更した以外は、実施例1と同様にして総厚み12μm(3.0μm/6.0μm/3.0μm)のストレッチシュリンク積層フィルムを得た。得られたフィルムを評価した結果を表1に示す。
実施例1において、各層の厚み構成比を表層/中間層/表層=4.8μm/2.4μm/4.8μmに変更した以外は、実施例1と同様にして総厚み12μmのストレッチシュリンク積層フィルムを得た。得られたフィルムを評価した結果を表1に示す。
Claims (8)
- 少なくとも3層から構成される積層フィルムであって、両表面層がエチレン系重合体である(A)成分を主成分とし、また中間層がアイオノマー樹脂である(B)成分を主成分とし、かつ、中間層のフィルム全体の厚みに対する厚み比が35〜90%であるとともに、80℃オイルバス中10秒浸積したときの縦方向及び横方向の熱収縮率の合計値が30%以上であるストレッチシュリンク積層フィルムの製造方法であり、溶融押出された樹脂を一旦急冷固化することなく、環状ダイから円筒状に押出し、この円筒の中にエアを吹き込み、溶融円筒を膨らませる方式であるインフレーション法で製造することを特徴とするストレッチシュリンク積層フィルムの製造方法。
- エチレン系重合体である(A)成分が、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、線状超低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体およびエチレン−メタクリル酸エステル共重合体の中から選ばれる少なくとも1種のエチレン系重合体であることを特徴とする請求項1記載のストレッチシュリンク積層フィルムの製造方法。
- エチレン系重合体である(A)成分が、酢酸ビニル含量が8〜30質量%で、メルトフローレート(JIS K7210、190℃、荷重21.18N)が0.2〜10g/10分のエチレン−酢酸ビニル共重合体であることを特徴とする請求項1記載のストレッチシュリンク積層フィルムの製造方法。
- エチレン系重合体である(A)成分の融点が、65〜100℃であることを特徴とする請求項1記載のストレッチシュリンク積層フィルムの製造方法。
- アイオノマー樹脂である(B)成分が、不飽和カルボン酸含量が10〜30質量%、金属イオンによる中和度が15〜80%のエチレン・不飽和カルボン酸共重合体であることを特徴とする請求項1記載のストレッチシュリンク積層フィルムの製造方法。
- 中間層が上記(A)成分と(B)成分との混合組成物であり、(A)成分と(B)成分の混合質量比が、(A)/(B)=1〜50/99〜50であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のストレッチシュリンク積層フィルムの製造方法。
- フィルムの縦方向及び横方向の30%引っ張り伸び応力がそれぞれ10〜60MPaであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のストレッチシュリンク積層フィルムの製造方法。
- 80℃オイルバス中10秒浸積したときの縦方向及び横方向の熱収縮率の合計値が40〜120%であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のストレッチシュリンク積層フィルムの製造方法。
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