JP3526860B1 - 多層フィルムとその製造方法 - Google Patents

多層フィルムとその製造方法

Info

Publication number
JP3526860B1
JP3526860B1 JP2003354912A JP2003354912A JP3526860B1 JP 3526860 B1 JP3526860 B1 JP 3526860B1 JP 2003354912 A JP2003354912 A JP 2003354912A JP 2003354912 A JP2003354912 A JP 2003354912A JP 3526860 B1 JP3526860 B1 JP 3526860B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
weight
film
ethylene
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2003354912A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005119074A (ja
Inventor
直樹 高木
達夫 田中
Original Assignee
旭化成ライフ&リビング株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 旭化成ライフ&リビング株式会社 filed Critical 旭化成ライフ&リビング株式会社
Priority to JP2003354912A priority Critical patent/JP3526860B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3526860B1 publication Critical patent/JP3526860B1/ja
Priority to PCT/IB2004/003280 priority patent/WO2005037546A1/en
Priority to TW093130885A priority patent/TW200526408A/zh
Publication of JP2005119074A publication Critical patent/JP2005119074A/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B27/00Layered products comprising a layer of synthetic resin
    • B32B27/06Layered products comprising a layer of synthetic resin as the main or only constituent of a layer, which is next to another layer of the same or of a different material
    • B32B27/08Layered products comprising a layer of synthetic resin as the main or only constituent of a layer, which is next to another layer of the same or of a different material of synthetic resin
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B27/00Layered products comprising a layer of synthetic resin
    • B32B27/18Layered products comprising a layer of synthetic resin characterised by the use of special additives
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B27/00Layered products comprising a layer of synthetic resin
    • B32B27/30Layered products comprising a layer of synthetic resin comprising vinyl (co)polymers; comprising acrylic (co)polymers
    • B32B27/306Layered products comprising a layer of synthetic resin comprising vinyl (co)polymers; comprising acrylic (co)polymers comprising vinyl acetate or vinyl alcohol (co)polymers
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B38/00Ancillary operations in connection with laminating processes
    • B32B38/0012Mechanical treatment, e.g. roughening, deforming, stretching
    • B32B2038/0028Stretching, elongating
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B2307/00Properties of the layers or laminate
    • B32B2307/50Properties of the layers or laminate having particular mechanical properties
    • B32B2307/582Tearability
    • B32B2307/5825Tear resistant
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B2439/00Containers; Receptacles
    • B32B2439/70Food packaging

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Wrappers (AREA)

Abstract

【要約】 【課題】特に高速連続包装機での包装において、包装機
械適性が良好であり、更に、防曇性も良好であるフィル
ムを提供する。 【解決手段】特定樹脂の両表面層、芯層、両中間層とか
らなり、特定の温度で延伸することにより特定の引裂強
度の縦横方向のバランスがあり、又、フィルム表面に特
定量のグリセリン脂肪酸エステル系界面活性剤が層状に
分布している多層フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】 【技術分野】
【0001】本発明は、包装機にて包装され、主にトレ
ーパック等食品包装分野に使用することができる多層フ
ィルムに関する。
【背景技術】
【0002】これまで連続包装機に使用するフィルムに
求められる主な特性は、下記のようなものである。 1)タイトに美麗に仕上がること。 2)連続包装機の高速化に伴い、フィルムのカット性が
良いこと。 3)冷蔵の際でも水滴で曇らず視認性が良いこと。 4)硬い鋭利な部分を持つトレー、容器、被包装物の包
装の際に破れないこと。 5)連続包装機の高速化に伴い、シール性が良いこと。 使用する包装フィルムには、従来ポリオレフィン系樹脂
の多層フィルムが知られている。
【0003】例えば、特許文献1には、芯層にポリプロ
ピレン系共重合体樹脂、両表面層にエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体樹脂、中間層に密度が特定された線状低密度
ポリエチレン樹脂からなるストレッチフィルムが開示さ
れている。このフィルムについては、柔軟であり回復性
に優れるが、自己密着が優れるが故に連続包装機の高速
化について満足されておらず、又、柔軟性に優れるが故
に包装機でのカット性が悪化する傾向になってしまい、
好適に使用することが困難である。また、特許文献2に
は、内部層にポリプロピレン系共重合体樹脂、両表面層
にポリエチレン系樹脂からなる3層以上で構成されたス
トレッチシュリンクフィルムが開示されている。このフ
ィルムについては、ストレッチシュリンク包装用フィル
ムとして優れているが、残念ながら引裂強度のバランス
が横方向の方が強くなってしまい、カット性も悪化し連
続包装機で縦裂け伝播のトラブルとなってしまう。又、
引裂強度のバランスを改善しようとするとバブルインフ
レーション法での延伸のコントロールが困難であり、延
伸性が悪くなってしまい好適に使用することが困難であ
る。
【0004】一方、特許文献3には、内部層に軟質ポリ
プロピレン系樹脂層とエチレン系重合体層を2層以上有
し、両表面層にエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂を用
い、更にシュリンク包装に必要な物性を特定したフィル
ムが開示されている。このフィルムについては、シュリ
ンク包装に適した物性を有しており、特に熱収縮応力を
特定することで被包装体を電子レンジ加熱した時の変形
も少ない長所を持つが、残念ながら引裂強度のバランス
が悪く、特に高速化された連続包装機では縦裂け伝播の
トラブルとなってしまう。また、フィルムの透明性は優
れているが、防曇性が悪く、水分を含むトレーパック包
装には向いていないフィルムとなり、好適に使用するこ
とが困難である。
【特許文献1】特開平11−348204号公報
【特許文献2】特開2000−343647号公報
【特許文献3】特開2003−112395号公報
【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】
【0005】本発明の課題は、連続包装機の高速化に好
適に使用可能なフィルムの提供、それに加えて防曇性が
必要なトレーパック包装にも適しているフィルムを提供
することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】本発明者らは、上記課題を達成する為に鋭
意検討した結果、本発明の目的に適合しうることを見出
した。すなわち、下記の通りである。 1.両表面層、芯層、さらに各表面層と芯層との間に存
在する両中間層を有する5層構成で成り、フィルムの厚
みが7〜30μmである多層フィルムであって、以下の
(1)〜(4)を特徴とする多層フィルム。
【0007】(1)両表面層が、エチレン−酢酸ビニル
共重合体樹脂より成り、グリセリン脂肪酸エステル系界
面活性剤を0.5〜5.0重量%含有しており、該界面
活性剤が3.0〜30.0mg/mの量で層状に存在
している。 (2)芯層が、エチレン含量が2〜10%である結晶性
ポリプロピレン系樹脂55〜90重量%を含有してお
り、非晶性ポリプロピレン系共重合体45〜10重量
%、又はシングルサイト系触媒により重合され、密度が
0.865〜0.910g/cmであるエチレン−α
−オレフィン系樹脂45〜10重量%との混合体であ
る。 (3)両中間層が両表面層樹脂と芯層樹脂で使用されて
いる樹脂を10〜80重量%含有し、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体樹脂10〜40重量%、密度が0.900
〜0.920g/cmであるエチレン−α−オレフィ
ン系樹脂10〜80重量%との混合体であり、グリセリ
ン脂肪酸エステル系界面活性剤を0.5〜5.0重量%
含有している。 (4)ASTM−D−1992に準じて測定された引裂
強度が0.05〜2.00Nであり、フィルムの縦方向
の引裂強度が横方向の引裂強度より1.5〜20倍強
い。
【0008】2.両表面層、芯層、さらに各表面層と芯
層との間に存在する両中間層を有する5層構成で成る多
層フィルムを円形ダイスを用いて製造する方法であっ
て、両表面層としてエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂
にグリセリン脂肪酸エステル系界面活性剤を0.5〜
5.0重量%添加し、220〜250℃の温度で、且
つ、押出機の一部で50〜200[1/sec]のせん
断速度で溶融混練すること、円形ダイスにて溶融押出し
たものを水で急冷却して未延伸多層チューブを成形し、
これを40〜70℃の温度で縦横2〜6倍の倍率でバブ
ルインフレーション延伸し、且つ、横方向の延伸温度が
縦方向の延伸温度よりも10〜40℃低い温度で延伸す
ることを特徴とする多層フィルムの製造方法。
【発明の効果】
【0009】本発明の多層フィルムは、高速化された連
続包装機においてもカット性に優れ、縦裂伝播等の問題
も無く好適に使用可能であり、更に防曇性にも優れてい
る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】以下、本発明について、特に好ましい形態
を中心に、具体的に説明する。まず、本発明の多層フィ
ルムを用いて包装体を得るための工程の一例について説
明する。被包装体をフィルムで包装する方法には、スト
レッチ包装、ピローシュリンク包装、ストレッチシュリ
ンク包装、L型包装等様々あり、いずれを選んでも支障
はないが、ここではストレッチシュリンク包装で連続包
装する方法について説明する。被包装体については、精
肉類、魚介類、練製品類、弁当、惣菜等のようにプラス
チック容器に詰められた食品類や、小物や雑貨等の非食
品類のことである。
【0011】近年、食品類の包装において、プラスチッ
ク製の発泡トレー等に精肉類、魚介類、和菓子類、惣菜
等を詰め、上蓋無しの状態で包装される連続包装機の開
発傾向があり、高速化を長所とする包装機メーカーも多
くある。上蓋がない包装の場合にはフィルムに防曇性が
必要となり、また高速化にはカット性、シール性が必要
となってくる。
【0012】これらの連続包装機では、まず、被包装体
を筒状に覆う工程があり、次に回転ローラー式のセンタ
ーシール(熱を加えず圧着の場合も多い)装置にて被包
装体の裏面にシール線(圧着線)がくるように合掌シー
ルし、続いて被包装体を包んでいるフィルム筒の前後を
ノコ刃状のカッターでカットし、フィルム筒の前後を閉
じるように被包装体の底面に折り込む工程がある。被包
装体の底面に折り込まれた状態で底ヒートシールを行
い、コンベアで熱風シュリンクトンネルを通過させ包装
フィルムを熱収縮させて更にタイトに仕上げることがで
きる。連続包装機の包装スピードは1分間に約20〜4
0個包装する速度であったが、近年の高速の連続包装機
になると1分間に約60〜100個包装するものもあ
る。その為使用される包装フィルムには、その包装スピ
ードに対応できる適性、例えば、引裂強度、滑り性、底
シール性、熱収縮特性が強く求められるのである。まず
引裂強度についてであるが、ASTM−D−1992に
準じて測定された引裂強度において、フィルムの縦方向
の引裂強度が横方向の引裂強度よりも高いことが重要と
なる。この際、引裂強度の縦方向、横方向のバランスで
横方向より縦方向の方が弱い場合にはトラブルが発生し
易くなり、好適に使用することが困難である。
【0013】この場合のフィルムの縦方向というのは、
包装機においての走行方向(MD方向)を意味する。横
方向というのは、走行方向に対して直角の方向(TD方
向)を意味する。フィルムに置きかえると連続包装機の
走行方向というのは成膜する際の流れ方向と同じとなる
のが一般的である。フィルムの縦方向の引裂強度が弱い
とノッチが入った場合に縦方向に伝播し続けて、連続包
装は中断されてしまう。また、横方向にカッター刃でカ
ットすることが多く、その際にカット性が悪いと、切れ
ずにつながっていたり、伸びきったフィルム屑が多発し
たりして使用が非常に困難となるので、横方向の引裂強
度は弱い方が好ましいのである。底シール性について
は、一般的にヒートシール法を採用されることが多く、
フィルムの物性としては、高速になるにつれ素早く溶融
することが必須となる。
【0014】上記、多層フィルムの引裂強度のバランス
について説明する。一般にポリオレフィン系樹脂の熱収
縮性フィルムは、バブルインフレーション法、テンター
法等により連続的に成膜されることが多い。これらの中
で特にバブルインフレーション法によりフィルム成膜す
る方法の一連の流れを説明する。まずペレット状の樹脂
を溶融押出により樹脂の融点以上等を目安にして高温で
押出し、ダイスを介してチューブ状に連続押出成形し、
これを水冷により冷却固化する。このチューブ状の段階
のものをパリソンと呼ぶことがある。この際のダイスか
らの吐出方向、即ち流れ方向に分子鎖が並び易く、また
水冷させる際にある程度引張るのでこの時点では流れ方
向に配向しており、引裂強度は縦方向の方が弱い傾向に
ある。
【0015】次に延伸工程について説明する。延伸は上
記フィルムの引裂強度のバランスに大きく影響を及ぼ
す。本発明の多層フィルムの延伸倍率は縦横方向共に2
〜6倍の倍率であり、熱収縮性、引裂強度のバランス、
生産安定性の面から縦横方向共に3〜5倍であるのが好
ましい。延伸方法にはテンター法、バブルインフレーシ
ョン法等様々な延伸方法があるが、バブルインフレーシ
ョン法による延伸の方が透明性が良く好ましい。
【0016】延伸する際の延伸温度について説明する。
延伸温度は表面を接触式温度計で実測した温度を用いて
いる。本発明の多層フィルムは芯層に高結晶性のポリプ
ロピレン系樹脂を使用しており、一般にはその融点より
約30℃低い温度、即ち100〜130℃程度の温度で
延伸することが多く、その温度範囲では樹脂も充分軟化
している為に高倍率に延伸可能であり、バブル内圧も低
くなるのでパンクもし難く生産効率も良くなることから
好適な条件とされている。しかしこの場合、延伸後もパ
リソンの配向をそのまま継承することが多く、縦方向の
引裂強度は弱いままとなり、本発明の使用分野において
は好適に使用できないのである。本発明の多層フィルム
の延伸温度は40〜70℃の温度であり、好ましくは5
0℃〜60℃の範囲の温度で、且つ、横方向の延伸温度
は縦方向の延伸温度よりも10〜40℃低い温度であ
り、好ましくは15〜25℃低い温度で延伸されている
ものである。それによって本発明の引裂強度、配向バラ
ンスを調整することが可能となる。すなわち、本発明の
多層フィルムの引裂強度は、ASTM−D−1992に
準じて測定された値が0.05〜2.00Nであり、且
つ、フィルムの縦方向の引裂強度が横方向の引裂強度よ
り1.5〜20倍強いので、高速化された連続包装機で
も好適に使用が可能である。包装品を容易に開封するこ
とや製造し易さ等考慮すると、引裂強度は0.1〜1.
00Nであり、且つフィルムの縦方向の引裂強度が横方
向の引裂強度より2〜5倍強いフィルムが好ましい。
【0017】通常バブルインフレーション延伸は、加熱
炉や熱風リング等で加熱され縦延伸され、それを出た後
に空冷リング等で冷却しながら横方向にバブル状に膨ら
ませ横延伸する。その際若干縦方向も延伸されるが、大
抵は縦方向は加熱炉内で、横方向は冷却されながら、バ
ブルが持続される条件にて連続的に延伸される工程とな
っている。それらの条件ににより、延伸温度は縦方向よ
り横方向の方が低くなることが好ましいのである。そう
いった延伸法を行うことによって、横方向の低温延伸に
よる配向性の向上効果が発現し、好ましい引裂強度のバ
ランスが確保できるのである。
【0018】上記、延伸温度における配向バランスの調
整において重要な層である芯層に使用される樹脂構成に
ついて説明する。芯層に使用される樹脂構成は、エチレ
ン含量が2〜10%であり、好ましくは4〜7%である
結晶性のポリプロピレン系樹脂が主成分であり、非晶性
ポリプロピレン系樹脂、又は極低密度のエチレン−α−
オレフィン系樹脂との混合体である。該結晶性ポリプロ
ピレン系樹脂の融点は156〜164℃がシールの際の
耐熱性の面で好ましく、158〜163℃であると延伸
し易いのでより好ましい。又、該ポリプロピレン系樹脂
のJIS−K−7210に準じて測定されるメルトフロ
ーレートの値(230℃、2.16kgf(21.18
N):以下結晶性ポリプロピレン系共重合体樹脂、非晶
性ポリプロピレン系共重合体樹脂については同条件)に
ついては、0.5〜7.0のものが好ましく、2.0〜
4.0のものが非常に延伸し易いのでより好ましい。
【0019】芯層の結晶性ポリプロピレンの混合量は5
5〜90%が好ましいが、60〜80%が延伸し易く、
又引裂強度のバランスが調整し易いことからより好まし
い。非晶性のポリプロピレン系樹脂にはプロピレン−α
−オレフィン系共重合体のものが公知であり、一般に立
体規則性を調整することで結晶を抑制しているもので、
市販の樹脂のいずれを使用しても良いが、その中でもプ
ロピレンホモポリマーが主成分であって、且つアタクチ
ックのポリプロピレンで結晶性が10〜30%の樹脂
が、透明性、回復性が良く、又引裂強度、熱収縮特性バ
ランスが調整し易いことからより好ましい。上記非晶性
ポリプロピレンの混合量は10〜45%であり、延伸が
し易いことから20〜40%が好ましい。芯層は上記結
晶性ポリプロピレン系樹脂と非晶性ポリプロピレン系樹
脂との混合体の他に、結晶性ポリプロピレン系樹脂とシ
ングルサイト系触媒により重合された極低密度のエチレ
ン−α−オレフィン系樹脂との混合体でも良い。
【0020】具体的にはエチレンと炭素数が3〜18の
α−オレフィンから選ばれる少なくとも1種類の単量体
とのランダム共重合体が挙げられるが、近年重合触媒と
して公知となったメタロセン系触媒に代表されるシング
ルサイト系触媒により重合されたものは樹脂組成分布を
調整することが可能でありポリプロピレン系樹脂と混合
しても相溶性が向上しているので透明性を損なわない等
のことからポリプロピレン系樹脂の柔軟化剤として好適
に用いられるようになってきており、その密度の範囲と
しては0.865〜0.910g/cmのものであ
り、0.868〜0.905g/cmのものが延伸し
易いことから好ましい。そのJIS−K−7210に準
じて測定されたメルトインデックスの値(190℃、
2.16kgf(21.18N):以下ポリエチレン系
樹脂については同条件)としては、0.1〜15.0の
ものが好ましく、延伸し易いことから0.3〜9.0の
ものがより好ましい。
【0021】又エチレン−α−オレフィン系樹脂にプロ
セス油と呼ばれる石油系炭化水素鉱油を可塑剤として予
備混合したものを使用することも、透明性、回復性、熱
収縮特性が良くなる面でより好ましい。シングルサイト
系触媒によりエチレン−α−オレフィン系樹脂の重合す
る方法には気相法や高圧法等のプロセスがあるが、低密
度領域を重合するには高圧法によって重合されたエチレ
ン−α−オレフィン系樹脂がより好ましい。芯層樹脂に
は、透明性、延伸性を損なわない程度で他の樹脂も混合
できる。例えば、エチレン含量が多いポリプロピレン系
樹脂を混合することができる。又、石油樹脂や水添テル
ペン系樹脂等も混合してもよい。これらを混合する場
合、透明性、延伸性、柔軟性等の物性を付与することも
あるが、引裂強度のバランスの調整が困難になることも
あり、それを損なわない範囲で混合することができる。
【0022】次に両表面層に使用する樹脂について説明
する。表面層に用いられる樹脂はエチレン−酢酸ビニル
共重合体樹脂である。その酢酸ビニル成分は5〜25%
が好ましいが、防曇剤を混練し易く、又層状にブリード
形成し易いので10〜20%がより好ましい。エチレン
−酢酸ビニル共重合体樹脂のJIS−K−7210に準
じて測定されたメルトインデックスの値(190℃、
2.16kgf(21.18N):以下エチレン−酢酸
ビニル共重合体樹脂については同条件)としては0.5
〜15のものが好ましく、透明性、底シール性が良好で
ある為1.0〜5.0のものがより好ましい。表面層樹
脂には底シール性を損なわない範囲でポリエチレン系樹
脂を混合することができる。シングルサイト系のエチレ
ン−α−オレフィン系共重合体樹脂を混合すると透明性
や艶が向上する場合もあるが、防曇剤層の形成が困難に
なる場合があるので、それを損なわない範囲で混合する
ことができる。
【0023】本発明に使用されるグリセリン脂肪酸エス
テル系界面活性剤について説明する。グリセリン脂肪酸
エステルは多価アルコール脂肪酸エステルであり、グリ
セリンの重合度、脂肪酸の種類、或はエステル化度を変
えることにより親水性、新油性を調節することができ、
これをフィルム表面に存在させることによって、フィル
ムに防曇性、滑り性を付与することが可能である。その
中でも、ジグリセリンオレート、ジグリセリンラウレー
ト、グリセリンモノオレートを主成分としたものが好ま
しく、或はそれらの混合物等を主成分としたものが、フ
ィルムの滑り性、光学特性を阻害し難く使い勝手が良い
のでより好ましい。また、表面コートのように塗布した
だけでは防曇性の持続性に乏しく、フィルム表面に存在
する量(以下、フィルム表面量という。)も調整し難い
問題があり、本発明のようにフィルムの表面上に層状に
所定量分布させるには防曇剤を添加してブリードアウト
させる方法が、表面量を調整し易い、層状に分布し易
い、防曇性の持続性がある等の理由により好ましい。
【0024】この場合、防曇剤をマスターバッチ法や押
出機注入法等で添加するのが好ましいが、少なくともそ
の一部に220〜250℃に設定されたミキシングの部
分を設けた押出機を用いて高温で激しく混練させ、樹脂
中に防曇剤を微分散させることが好ましい。押出機は二
軸押出機、一軸押出機のどちらを用いても良いが、一軸
押出機の場合、スクリューはダルメージスクリュー、ク
ロスダルメージスクリュー等の混練性の良いもので、5
0〜200[sec−1]のせん断速度となるような部
分があることが好ましい。押出機によってはスクリュー
とバレルの間のクリアランスによっては樹脂がそこに入
り込み、激しいせん断を受ける事があるが意図的でない
場合の高せん断はこの場合対象としていない。このせん
断速度は混練性の尺度にもなるが、例えば、ANSYS
社のANSYSというシミュレーションソフト(商品
名)等を用いて必要な項目を調査し入力することによ
り、流路のせん断速度分布を試算することもできる。グ
リセリン脂肪酸エステル系界面活性剤とエチレン−酢酸
ビニル共重合体樹脂と混練する際は、高温で熱劣化し易
く、押出機の温度設定は180℃〜210℃の範囲であ
ることが一般的であるが、220〜250℃の高温度設
定で高せん断速度で滞留時間を短くして混練することが
できる部分を設けることが微分散させることに対してよ
り好ましく、本発明のグリセリン脂肪酸エステル系界面
活性剤の表面分布に影響する特徴的な手段である。
【0025】ブリードアウトについては、その量や存在
の仕方によって効果が異なる重要な因子である。存在の
仕方としては、フィルムの表面に界面活性剤が液滴状で
はなく層状で、すなわちほぼ連続した状態で存在してい
る。界面活性剤を含む添加剤層の厚み方向の分布状態
は、デジタルインスツルメンツ社製Nanoscope
IIIA(商品名)や島津製作所製のSPM−9500
−WET−SPM(商品名)シリーズ等の走査型プロー
ブ顕微鏡を用いて観察することができる。層状分布とい
っても必ずしも均等な厚みで分布している必要はなく、
フィルム下地の凹凸に準じて添加剤層の厚みには斑があ
るが、フィルム下地がむき出しになることなく連続して
添加剤が表面に分布している状態であればよい。走査型
プローブ顕微鏡の測定モードにはコンタクトモードとダ
イナミックモードがあるが、本発明ではダイナミックモ
ードで測定する。ダイナミックモードは、振動モード、
或いはタッピングモードとも呼ばれ、コンタクトモード
ではうまく観察できない柔らかい試料の観察をすること
が可能であり、添加剤層と樹脂表面の弾性の違いや吸着
力(凝集力)の違いを利用して、添加剤の層の厚みを測
定することが可能である。原反より表面をまったく傷付
けずに10mm四方にサンプリングし、その表面を全面
観察して分布状態を確認することが好ましい。さらに、
同じフィルムで巻き付け方向や巾方向など別の部分を数
ヶ所観察することがより好ましい。この方法により本発
明のフィルム表面を観察すると、添加剤層厚は3〜70
nm程度であり、好ましくは5〜40nmである。
【0026】なお、界面活性剤が層状に存在するか、液
滴状であるかについては、次の方法により確認できる。
まず、走査型プローブ顕微鏡のダイナミックモードの凹
凸像の観察(倍率100〜3000倍)により、添加剤
の分布の様子が観察画面上でも簡易的に視認できる。ま
た、界面活性剤であるのか或いはその他の添加剤である
のかというような表面に存在するものの確認方法として
は、特にグリセリン脂肪酸エステル系等の多価アルコー
ル脂肪酸エステル系界面活性剤は水酸基を持つものであ
り、飛行時間型2次イオン質量分析(Tof−SIM
S)や、顕微赤外分光分析(ATR)等の分析法を用い
てフィルム表面の化学種や官能基の分布をマッピングし
て確認することが可能である。
【0027】フィルムの表面に存在する添加剤層の量と
しては、3.0〜30.0mg/mである。包装機で
の滑り性の面から5.0〜10.0mg/mがより好
ましい。防曇剤の添加量としては、上記フィルム表面に
3.0〜30.0mg/mの量で層状に存在させるこ
とを考慮すると、エチレン−酢酸ビニル共重合体層に対
して0.5〜5.0重量%添加し、より好ましくは1.
0〜3.0重量%添加する。又、より防曇性の持続性を
持たせるために中間層にも層に対し0.5〜5.0重量
%添加する。又、芯層にも0.5〜5.0重量%添加し
てもよいが、特に物性には大きく影響しないので添加し
なくても問題はない。
【0028】更に上記グリセリン脂肪酸エステル系界面
活性剤以外の界面活性剤、酸化防止剤、帯電防止剤、石
油樹脂、ミネラルオイル等の液体添加剤を防曇性を損な
わない程度に添加しても支障ない。次に両中間層に使用
する樹脂について説明する。フィルムを市販するにおい
て他種の樹脂を使用することは、原料供給系機械の増
強、保管場所の確保等において好適でない点が多くな
る。そこで両中間層には両表面層で使用されている樹脂
と芯層で使用されている樹脂を10〜80重量%含有さ
せる。一般にリサイクル原料と呼ばれる再加工ペレット
を使用すればコストパフォーマンス的により好ましい。
【0029】これに加えて中間層の樹脂組成は、エチレ
ン−酢酸ビニル系共重合体樹脂10〜40重量%、密度
が0.900〜0.920g/cmであるエチレン−
α−オレフィン系樹脂10〜80重量%との混合体であ
る。両表面層、芯層に使用されている樹脂を30〜60
重量%、エチレン−酢酸ビニル系共重合体樹脂10〜3
0重量%、エチレン−α−オレフィン系樹脂30〜50
重量%との混合体であることがコストパフォーマンス、
延伸し易い等の理由で好ましい。両中間層に使用するエ
チレン−酢酸ビニル系共重合体樹脂については、その酢
酸ビニル成分は5〜25%が好ましいが、又層状にブリ
ード形成し易いので10〜20%がより好ましい。エチ
レン−酢酸ビニル樹脂のJIS−K−7210に準じて
測定されたメルトインデックスの値としては0.5〜1
5.0のものが好ましく、透明性が良好である為1.0
〜5.0のものがより好ましい。量表面層で使用されて
いる樹脂を用いることが可能であれば熱収縮後の透明性
が非常に良いので更により好ましい。
【0030】又両中間層に使用するエチレン−α−オレ
フィン系樹脂については、その密度の範囲としては0.
900〜0.920g/cmのものがあり、0.90
4〜0.916g/cmのものが延伸し易いことから
好ましい。そのJIS−K−7210に準じて測定され
たメルトインデックスの値としては、0.1〜15.0
のものが好ましく、延伸し易いことから0.3〜9.0
のものがより好ましい。マルチサイト系触媒、シングル
サイト系触媒のいずれの触媒にて重合されたものでも良
いが、シングルサイト系触媒で重合されたものの方が透
明性が良いのでより好ましい。上記に述べたようにグリ
セリン脂肪酸エステル系界面活性剤を中間層には層に対
し0.5〜5.0重量%添加する。
【0031】次に、本発明の多層フィルムの厚みについ
て説明する。好ましい厚みは7〜30μmであり、連続
包装機等で使用される際の機械的強度面、又は包装され
た後、開封する際の易開封性を考慮すると8〜16μm
がより好ましい。その各層構成について説明する。両表
面層については、防曇性、シール性について問題無い範
囲では両層各10〜20%であることが好ましく、内外
対象でなくても良いが、両表面が防曇性や滑り性が同等
である方が好適に使用される為、ほぼ対象である方がよ
り好ましい。又、芯層については延伸性、引裂強度バラ
ンス、熱収縮特性が問題無い範囲で10〜40%でああ
ることが好ましい。中間層については、上記で述べたよ
うにリサイクル原料を用いる場合に層が厚い方がコスト
パフォーマンス的に優れることから、両層各20〜35
%であることが好ましく、またこれは内外対称でなくて
も良いが、カールしないので対称である方がより好まし
い。
【0032】本発明の多層フィルムの各樹脂層には、そ
れぞれその本来の特性を損なわない範囲で、防曇剤、可
塑剤、酸化防止剤、界面活性剤、着色剤、紫外線吸収
剤、滑剤、無機フィラー、アンチブロッキング剤、難燃
剤、粘着剤、着色剤、艶消し剤、帯電防止剤、酸素や炭
酸ガスの吸収剤、ガス吸着剤、鮮度保持剤、消臭剤、香
料等等を添加しても良い。この他にも本発明の特徴を損
なわない限り、必要に応じて他の成分を添加しても良
い。
【実施例】
【0033】以下に実施例、比較例に基づき、詳細に説
明する。なお、本発明で用いる評価方法は下記の通りで
ある。 《延伸温度》 市販の接触式温度計にて測定した値を用いた。 《延伸倍率》 縦方向の延伸倍率については、延伸前後の速度比を倍率
として用いた。 横方向の延伸倍率については、延伸前パリソンの巾と延
伸後フィルムの巾との比を倍率として用いた。 《エチレン系重合体の密度の測定》 ASTM−D−1505に準拠して測定した。 《グリセリン脂肪酸エステルのフィルム表面量の測定》 1mのフィルムの表面を、予め完全に抽出して無添加
を確認したメガネ拭きで全面拭き取り、これを4〜5回
メガネ拭きを交換して繰り返す。それらのメガネ拭きを
抽出し、抽出液をエバポレーターで乾燥固化させて残留
物の重量を測定した。使用しているグリセリン脂肪酸エ
ステル種や混合比率が予めわかっている場合はガスクロ
マトグラフィー、液体クロマトグラフィーを用いて測定
した。
【0034】《グリセリン脂肪酸エステルのフィルム表
面の存在状態の確認》 走査型プローブ顕微鏡(デジタルインスツルメンツ社製
のNanoscopeIIIA)と赤外分光分析機器
(パーキンエルマー社製スペクトラ2000)を用いて
界面活性剤層の分布を確認する。その分布が液滴状に点
在しているのか、或いは層状に全面に存在しているのか
の確認をした。更に走査型プローブ顕微鏡のダイナミッ
クモードで界面活性剤層の厚み分布の測定も確認の意味
で行った。 《引裂強度縦横バランスの評価》 ASTM−D−1992に準拠して測定した。軽荷重引
き裂き試験器(東洋精機製)を用いて、縦方向と横方向
それぞれについて測定した。更にその比率より縦横方向
のバランスを評価した。例えば縦方向が0.5Nで横方
向が0.1Nの場合、5倍という表現を用いた。
【0035】《防曇性の評価》 防曇性の評価として以下のように行った。500mlの
ビーカーに20℃に調節した水を入れ、ビーカーの口を
フィルムで密閉する。そのビーカーを10℃に調整した
冷蔵ショーケースに保管し、30分後フィルムに結露し
た水滴の状態や視認性にて5点が良好として防曇性の評
価を行った。 [評価基準] ◎:5点:水滴の斑が無くすっきりして視認性が特に良
く、良好な実用レベル ○:4点:大きい水滴が少しあるが、視認性は良く実用
レベル △:2〜3点:水滴がいくつかあり、視認性が悪く使用
が困難なレベル ×:1点:小さい水滴で曇っており、視認性が非常に悪
く使用できないレベル
【0036】《高速連続包装機適性》 市販の底シール型であり、オーバーラップシュリンクタ
イプの包装機である直線型ストレッチシュリンク包装機
(大森機械社製STN−8600等)にて1分間に80
個の速度で100個連続包装を行い、非常に高速で過酷
な評価包装機での不良個数%と包装仕上りを以下のよう
に評価を行った。その時のトレーはPSPトレーを用い
内容物は角がある約200gの直方体の樹脂の塊を用い
た。包装機での不良とは、例えば、破れ、シール不良等
であり、再包装が必要となるものは特に市場では問題に
なる。特に引裂強度のバランスが縦方向の引裂強度の方
が弱い場合には縦裂き伝播が発生し連続的に不良となっ
た。この実験では樹脂の塊の角で破れるものもあった。
又、包装品の仕上り評価とは、白化、艶、容器変形、フ
ィルム弛み等の美麗を損なう要因について評価を行っ
た。これらはシュリンクトンネル等の条件による影響が
大きく、それぞれのフィルムにおいて、一番仕上り状態
の良い最適条件にて評価を行った。 ◎:包装機での不良個数%が0%であり高速包装機適性
良好であるレベル:包装仕上りも高品質レベル ○:包装機での不良個数%が1%以上10%以下であり
高速包装機適性があるレベル:包装仕上りも問題無いレ
ベル △:包装機での不良個数%が11%以上50%以下であ
り、高速包装機にはかかるが、ロスが多く問題が残るレ
ベル:或いは、白化、艶等光学特性を損なっていたり、
容器変形していたり、フィルムが弛んでいたりしてお
り、仕上りが満足され難いレベル。 ×:包装機での不良個数%が50%を越えており、高速
包装機適性が無いレベル。
【0037】《総合評価》 [評価基準] ◎:全てが◎であり、好適に使用できるレベル ○:全てが○か◎の評価であり、実用レベル △:△があり、使用が困難なレベル ×:×があり、実用レベルでない
【0038】[実施例1〜19] 表1、2、3および4(表2、3および4の行タイトル
は、表1と同じなので、省略)の実施例1〜19に示す
ような樹脂及び添加剤を用いて、3台の押出機を使用
し、3種5層の環状ダイスより両表面層、芯層、中間層
からなる5層構成のチューブを溶融押出し、水冷リング
を用いて急冷却して未延伸チューブ(パリソン)を得
た。各層所定の比率となるように、各押出量を設定し、
断面観察にて層構成を確認した。添加剤の添加方法は、
実施例1〜19に示すグリセリン脂肪酸エステル系界面
活性剤を主体(純度70%以上)としたもの添加剤を押
出機のスクリューの圧縮部手前に高圧ポンプにて注入す
る方法を用いた。押出機の温度設定は長手方向で6つの
温度調節ブロックがあり、樹脂供給ホッパーから順に表
面層、中間層の押出機については180℃、200℃、
210℃、220℃、230℃、230℃で行い、芯層
については200℃、200℃、200℃、190℃、
190℃、190℃で行った。
【0039】得られた未延伸チューブを延伸部に送り、
赤外加熱ヒーター、熱風加熱にて加熱し、そのゾーンで
は縦方向に延伸されており、その延伸倍率は、加熱入り
のピンチローラーの速度と巻取機の速度との速比で調整
した。空冷リングで冷却させながらエアーを注入してバ
ブルを形成する。この時の延伸温度は表1の実施例1〜
19のように設定し、デフレーター部で折りたたみダブ
ルのフィルムとなり、若干ヒートセットを50℃で行い
巻取機にて巻き取った。この時のフィルムの巾とパリソ
ン巾にて横方向の延伸倍率として調整した。延伸倍率に
ついてはバブルが一番安定する倍率を用い、所定の厚み
となるよう押出量にて調整した。スリッターにて、ダブ
ルのフィルム原反よりシングルに剥ぎながらスリットを
行い、実施例1〜19の多層フィルムを得た。それぞれ
の多層フィルムの原反を、40℃に温度調節した部屋で
3日間保管した後、《グリセリン脂肪酸エステルのフィ
ルム表面量の測定》《グリセリン脂肪酸エステルのフィ
ルム表面の存在状態の確認》《引裂強度縦横バランスの
評価》《防曇性の評価》《高速連続包装機適性》《総合
評価》を行った。
【0040】その結果、得られた多層フィルムの引裂強
度のバランスが良いと、高速包装機適性も良好であるこ
とがわかる。更に、防曇性能においても、グリセリン脂
肪酸エステル系界面活性剤が所定量フィルム表面に分布
し、層を成していることで非常に良い防曇性を得ること
がわかる。実施例3,4の結果から、縦方向の延伸温度
によって引裂強度のバランスが変化することがわかる。
実施例5の結果より、中間層にリサイクルポリマーを用
いることができることがわかる。実施例1,2,6,
7,8,9,10,11の結果から、コア層のエラスト
マー成分を特定の範囲で変更しても、延伸条件を特定の
条件範囲で調整することにより、高速包装機適性に優れ
るフィルムになることがわかる。又、実施例1,12,
13,14,15,16の結果から、使用するグリセリ
ン脂肪酸エステル系界面活性剤の種類によって防曇性が
変わることがわかる。実施例1,17の結果から、添加
量、表面量によって防曇性が変わることがわかる。これ
らの実施例より、延伸倍率、延伸温度により好適な引裂
強度のバランスとなり、高速包装機適性もあり、又、防
曇剤の添加方法により防曇性を好適に発現させることが
できることがわかる。
【0041】[比較例1〜19] 表5、6、7および8(表6、7および8の行タイトル
は、表5と同じなので、省略)の比較例1〜19に示す
ような樹脂及び添加剤を用い、記載の延伸条件にて実施
例と同様に多層フィルムを作成し評価を行った。比較例
14については、添加剤は一切添加しなかった。又、比
較例16については、防曇剤を添加せず塗布法にてコー
ティングした。比較例17については、押出機温度を1
80℃、200℃、200℃、200℃、200℃、2
00℃と設定を低くくし、せん断速度も低くなるような
デザインのスクリューにて押出混練を少なくした。
【0042】その結果、比較例1〜5からわかるよう
に、縦方向、横方向の延伸温度により引裂バランスが悪
くなることがわかる。又、比較例6〜10からわかるよ
うに、芯層のポリプロピレン種、エラストマー成分、そ
の混合量によって引裂強度のバランスが異なることがわ
かる。比較例11の結果を見ると、中間層にエチレン−
酢酸ビニル共重合体樹脂がないと防曇性が満足されない
ことがわかる。又、比較例12の結果を見ると、中間層
にエチレン−α−オレフィン系共重合体樹脂がないと引
裂強度のバランスが悪くなることがわかる。比較例13
〜17の結果を見ると、防曇剤の添加量や分布の仕方に
よって防曇性が満足されないことがわかる。比較例1
8,19の結果を見ると厚みによっては高速包装機適性
が損なわれることもあることがわかる。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】
【表4】
【0047】
【表5】
【0048】
【表6】
【0049】
【表7】
【0050】
【表8】
【産業上の利用可能性】
【0051】本発明は、通常の包装機に使用が可能であ
ることは勿論、高速連続包装機にも好適に使用が可能で
あり、又、防曇性が必要な用途においても好適に使用が
可能である。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65D 65/40 B65D 71/06 B32B 27/32 B32B 27/28 B29C 61/06

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両表面層、芯層、さらに各表面層と芯層
    との間に存在する両中間層を有する5層構成で成り、フ
    ィルムの厚みが7〜30μmである多層フィルムであっ
    て、以下の(1)〜(4)を特徴とする多層フィルム。 (1)両表面層が、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂
    より成り、グリセリン脂肪酸エステル系界面活性剤を
    0.5〜5.0重量%含有しており、該界面活性剤が
    3.0〜30.0mg/mの量で層状に存在してい
    る。 (2)芯層が、エチレン含量が2〜10%である結晶性
    ポリプロピレン系樹脂55〜90重量%を含有してお
    り、非晶性ポリプロピレン系共重合体45〜10重量
    %、又はシングルサイト系触媒により重合され、密度が
    0.865〜0.910g/cmであるエチレン−α
    −オレフィン系樹脂45〜10重量%との混合体であ
    る。 (3)両中間層が両表面層樹脂と芯層樹脂で使用されて
    いる樹脂を10〜80重量%含有し、エチレン−酢酸ビ
    ニル共重合体樹脂10〜40重量%、密度が0.900
    〜0.920g/cmであるエチレン−α−オレフィ
    ン系樹脂10〜80重量%との混合体であり、グリセリ
    ン脂肪酸エステル系界面活性剤を0.5〜5.0重量%
    含有している。 (4)ASTM−D−1992に準じて測定された引裂
    強度が0.05〜2.00Nであり、フィルムの縦方向
    の引裂強度が横方向の引裂強度より1.5〜20倍強
    い。
  2. 【請求項2】 両表面層、芯層、さらに各表面層と芯層
    との間に存在する両中間層を有する5層構成で成る多層
    フィルムを円形ダイスを用いて製造する方法であって、
    両表面層としてエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂にグ
    リセリン脂肪酸エステル系界面活性剤を0.5〜5.0
    重量%添加し、220〜250℃の温度で、且つ、50
    〜200[1/sec]のせん断速度で溶融混練し、円
    形ダイスにて溶融押出したものを水で急冷却して未延伸
    多層チューブを成形し、これを40〜70℃の温度で縦
    横2〜6倍の倍率でバブルインフレーション延伸し、且
    つ、横方向の延伸温度が縦方向の延伸温度よりも10〜
    40℃低い温度で延伸することを特徴とする多層フィル
    ムの製造方法。
JP2003354912A 2003-10-15 2003-10-15 多層フィルムとその製造方法 Expired - Lifetime JP3526860B1 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003354912A JP3526860B1 (ja) 2003-10-15 2003-10-15 多層フィルムとその製造方法
PCT/IB2004/003280 WO2005037546A1 (en) 2003-10-15 2004-10-08 Multilayered film and method for preparing the same
TW093130885A TW200526408A (en) 2003-10-15 2004-10-12 Multilayered film and method for preparing the same

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003354912A JP3526860B1 (ja) 2003-10-15 2003-10-15 多層フィルムとその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP3526860B1 true JP3526860B1 (ja) 2004-05-17
JP2005119074A JP2005119074A (ja) 2005-05-12

Family

ID=32463784

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003354912A Expired - Lifetime JP3526860B1 (ja) 2003-10-15 2003-10-15 多層フィルムとその製造方法

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP3526860B1 (ja)
TW (1) TW200526408A (ja)
WO (1) WO2005037546A1 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006272802A (ja) * 2005-03-30 2006-10-12 Mitsubishi Plastics Ind Ltd ストレッチシュリンク積層フィルムおよびその製造方法
WO2006106747A1 (ja) * 2005-03-30 2006-10-12 Mitsubishi Plastics, Inc. ストレッチシュリンク積層フィルム及びその製造方法
JP2007030262A (ja) * 2005-07-25 2007-02-08 Mitsubishi Plastics Ind Ltd ストレッチシュリンク積層フィルム及びその製造方法
JP2008302503A (ja) * 2007-06-05 2008-12-18 Asahi Kasei Chemicals Corp 熱収縮性多層フィルム

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015120322A (ja) * 2013-12-25 2015-07-02 三菱樹脂株式会社 熱処理用樹脂フィルム、調理用フィルム包装体用蓋材及び底材、調理用フィルム包装体、調理用フィルム包装食品及びその製造方法、調理済みフィルム包装食品及びその製造方法、並びに加熱調理食品の製造方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10291281A (ja) * 1997-04-18 1998-11-04 Tokuyama Corp ストレッチ包装用フィルム
JPH11348204A (ja) * 1998-06-03 1999-12-21 Okura Ind Co Ltd 食品包装用ストレッチフィルム
ATE263024T1 (de) * 1998-12-18 2004-04-15 Cryovac Inc Verfahren zur herstellung eines hochgradig biaxial verstreckten, wärmeschrumpfbaren, thermoplastischen mehrschichtfilms

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006272802A (ja) * 2005-03-30 2006-10-12 Mitsubishi Plastics Ind Ltd ストレッチシュリンク積層フィルムおよびその製造方法
WO2006106747A1 (ja) * 2005-03-30 2006-10-12 Mitsubishi Plastics, Inc. ストレッチシュリンク積層フィルム及びその製造方法
JP2007030262A (ja) * 2005-07-25 2007-02-08 Mitsubishi Plastics Ind Ltd ストレッチシュリンク積層フィルム及びその製造方法
JP2008302503A (ja) * 2007-06-05 2008-12-18 Asahi Kasei Chemicals Corp 熱収縮性多層フィルム

Also Published As

Publication number Publication date
WO2005037546A1 (en) 2005-04-28
JP2005119074A (ja) 2005-05-12
TW200526408A (en) 2005-08-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3589640B2 (ja) 包装フィルム
AU709247B2 (en) Thermoplastic foam and process for producing it using carbon dioxide
JP7306539B2 (ja) ポリプロピレン系樹脂多層フィルム
JP4115846B2 (ja) ポリオレフィン系樹脂防曇・熱収縮性多層フィルム
JP2007045855A (ja) ポリオレフィン系樹脂組成物
TWI439369B (zh) Packaging Materials
JP3526860B1 (ja) 多層フィルムとその製造方法
EP2666631A1 (en) Stretch packaging film
JP4919620B2 (ja) 3層架橋フィルム
JP2007152570A (ja) 熱収縮性積層フィルム
JP2006289867A (ja) 多層フィルムとその製造方法
JP5084353B2 (ja) 熱収縮性多層フィルム
JP7251153B2 (ja) ストレッチ包装用フィルム
JP4721925B2 (ja) ストレッチシュリンク積層フィルム及びその製造方法
JP2007237458A (ja) ストレッチシュリンク積層フィルム及びその製造方法
JP5158605B2 (ja) 包装材
EP1772260B1 (en) Propylene-based multilayered wrapping film
JP2894120B2 (ja) ストレッチラップ多層フィルム
JP2894121B2 (ja) ストレッチラップ多層フィルム
WO2023176482A1 (ja) ポリオレフィン系樹脂フィルムの製造方法
WO2023176481A1 (ja) マスターバッチペレット
WO2023176480A1 (ja) ポリオレフィン系樹脂フィルムロール
JPH09239927A (ja) 積層ポリオレフィン系ストレッチシュリンクフイルム
JPH01160639A (ja) ポリオレフイン系樹脂包装用フイルム
JP2002338704A (ja) 冷凍食品用ストレッチフィルム

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040217

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040217

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3526860

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080227

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090227

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090227

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100227

Year of fee payment: 6

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100227

Year of fee payment: 6

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110227

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110227

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120227

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120227

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130227

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130227

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140227

Year of fee payment: 10

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term