JP3070419B2 - ポリプロピレン積層フィルム - Google Patents

ポリプロピレン積層フィルム

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JP3070419B2
JP3070419B2 JP31669394A JP31669394A JP3070419B2 JP 3070419 B2 JP3070419 B2 JP 3070419B2 JP 31669394 A JP31669394 A JP 31669394A JP 31669394 A JP31669394 A JP 31669394A JP 3070419 B2 JP3070419 B2 JP 3070419B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透明性、耐ブロッキン
グ性を損なうことなく、低温ヒートシール性とホットタ
ック性に優れたポリプロピレン積層フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】結晶性ポリプロピレン二軸延伸フィルム
(BOPPと称す。)はその優れた剛性、透明性および
防湿性等を生かして広く包装用フィルムとして使用され
ている。しかしながらBOPPはヒートシール性に難点
があり、従来からヒートシール性に優れた樹脂をその片
面ないしは両面に、ラミネートあるいは共押出した積層
フィルムとして広く使用されてきた。このヒートシール
樹脂に要求される特性として従来はどこまでヒートシー
ル温度を下げることができるか、すなわち低温ヒートシ
ール性が最も重要とされてきた。これはヒートシール温
度が低下すれば、それだけ積層フィルムの製袋速度を上
げることができ生産性が高くなるからである。もちろん
透明性、耐ブロッキング性等の特性も重要であることは
言うまでもない。しかしながら、近年包装形態の多様
化、つまり被包装物の多様化、それに伴なう包装機の多
様化が急速に進んでおり従来BOPPではそれ程重要視
されていなかったホットタック性についても低温ヒート
シール性と同様、重要視されるようになってきた。
【0003】従来よりBOPP用ヒートシール樹脂とし
て種々の提案がなされてきた。すなわちプロピレン系ヒ
ートシール樹脂としてはエチレンを5重量%程度共重合
したプロピレン−エチレン共重合体が良く知られてお
り、透明性、耐ブロッキング性等に優れるが、低温ヒー
トシール性は極めて不充分なものであった。このプロピ
レン−エチレン共重合体の低温ヒートシール性を改良す
べく共重合体のエチレン含有量を高くした場合、低温ヒ
ートシール性はある程度改良されるが、透明性、耐ブロ
ッキング性の悪化が極めて大きくなるという問題があっ
た。又、プロピレンにブテン−1を共重合したプロピレ
ン−ブテン−1共重合体も良く知られており、たとえ
ば、特開昭50−128781号公報、特開昭55−1
7542号公報には、不活性溶媒中で重合され(いわゆ
るスラリー重合)しかも不活性溶媒中に溶解する成分が
除去されているプロピレン−ブテン−1共重合体が示さ
れており、透明性、耐ブロッキング性は良好であり、低
温ヒートシール性もかなり良好な結果を示している。さ
らに特開昭56−22307号公報には三塩化チタニウ
ムに基づく固体化合物と有機金属化合物とを触媒系とし
て液体稀釈剤の不存在下で重合され、特定のシーケンス
分布を有するプロピレン−ブテン−1共重合体が示され
ているが、低温ヒートシール性が不充分であり、さらに
耐ブロッキング性が悪く透明性が経時的に悪化する問題
もあった。さらに特開昭60−16645号公報には実
質的に液状媒体の非存在下に気相中で得られるプロピレ
ン−ブテン−1共重合体が示されており低温ヒートシー
ル性、透明性、および耐ブロッキング性いずれも良好な
結果を示しているが、我々の追試ではホットタック性が
不充分であった。さらに、プロピレンにエチレンおよび
ブテン−1を共重合したプロピレン−エチレン−ブテン
−1三元共重合体もヒートシール樹脂として良く知られ
ている。例えば特開昭54−26891号公報にはプロ
ピレンにエチレンを0.1〜4重量%炭素数4〜8のα
−オレフィンを1〜30重量%の比率で重合系へ供給す
るオレフィン共重合体の製造方法が記載されている。又
特開昭53−26882号公報にはエチレンが0.5〜
1.9重量%、ブテン−1が0.5〜4.9重量%で実
質的に統計的なコモノマー分布を有することを特徴とす
るプロピレンターポリマーおよびその製造方法が記載さ
れている。さらに特開昭55−115416号公報には
プロピレンに対してエチレンを0.2〜9mol %、炭素
数4以上の直鎖状α−オレフィンを0.2〜9mol %共
重合することにより低結晶性の軟質又は半硬質の共重合
体を得ることができる旨記載されている。しかしなが
ら、いずれも低温ヒートシール性とホットタック性を同
時に満足し、かつ優れた透明性および耐ブロッキング性
を示すものではない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、良好
な透明性、耐ブロッキング性を損なうことなく、優れた
低温ヒートシール性とホットタック性を併わせ持つポリ
プロピレン積層フィルムを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に鑑み鋭意検討した結果、特定の触媒系および重合法で
得られる特定のコモノマー組成、分子量分布および特定
の冷キシレン可溶部および冷キシレン可溶部組成を持つ
プロピレンと炭素数4以上のα−オレフィンとのランダ
ム共重合体をヒートシール樹脂として積層したポリプロ
ピレン積層フィルムが前述の諸特性を併せ持つことを見
い出すに到り本発明を完成した。
【0006】すなわち本発明は、結晶性ポリプロピレン
層の少なくとも片面上に、マグネシウム、チタンおよび
ハロゲンを必須成分とする固体触媒成分、有機アルミニ
ウム化合物および電子供与性化合物からなる触媒系を用
い、実質的に液状媒体の非存在下に気相重合で得られる
プロピレンと炭素数4以上のα−オレフィンとのランダ
ム共重合体で、かつ下記条件(1)〜(5)を満足する
共重合体を積層してなるポリプロピレン積層フィルムに
係るものである。 (1)共重合体の炭素数4以上のα−オレフィン含有量
が15〜30重量% (2)共重合体のメルトフローレートが20g/10分
以下 (3)共重合体の重量平均分子量/数平均分子量が4.
5以下 (4)共重合体の炭素数4以上のα−オレフィン含有量
(A重量%)と共重合体の冷キシレン可溶部(B重量
%)の関係式が B≦1.05A−10 (5)共重合体の冷キシレン可溶部の炭素数4以上のα
−オレフィン含有量が共重合体の炭素数4以上のα−オ
レフィン含有量の1.7倍未満
【0007】本発明で得られる積層フィルムの第1の特
徴は低温ヒートシール性とホットタック性がいずれも優
れている点にある。第2の特徴は低温ヒートシール性、
ホットタック性が優れていることに加え、透明性、耐ブ
ロッキング性も良好なことにある。
【0008】本発明のヒートシール樹脂に供するプロピ
レンと炭素数4以上のα−オレフィンとのランダム共重
合体はいわゆる気相重合法で製造する。一般に広く用い
られ不活性炭化水素中で重合を行なうスラリー重合法で
は、多量のポリマーが該不活性炭化水素溶媒に溶解する
為重合が著しく困難になり、本発明の目的にかなったポ
リマーが得られがたいばかりでなく、ポリマー収率が著
しく低下し、経済的に不利になる。重合は、公知の流動
床型反応器、撹拌機付き流動床型反応器等により、実施
することができる。また重合は反応器中でガスが液化す
ることがなく、かつ重合体粒子が溶融塊化しない温度、
圧力の条件下で実施することが必須であり、特に好まし
い重合条件としては、50〜95℃の温度範囲及び、2
〜30kg/cm2 (ゲージ圧、以下Gと略す)の圧力範
囲である。また得られる重合体の溶融流動性を調節する
目的で、水素等の分子量調節剤を添加するのが好まし
い。重合は、回分式重合あるいは連続重合あるいは両者
の組み合わせの重合のいずれかの方法でも実施すること
が可能であり、また重合で消費される単量体及び分子量
調節剤は連続的あるいは間けつ的に反応器へ供給するこ
とができる。本発明で使用する共重合体は、気相重合の
後に触媒残渣の除去あるいは低分子量ポリマーの除去を
目的に、アルコール類あるいは炭化水素溶媒等で洗浄す
ることも可能である。
【0009】本発明においてヒートシール樹脂に供する
共重合体の製造に使用される触媒系は公知のα−オレフ
ィンの立体規則性重合用触媒であり、マグネシウム、チ
タンおよびハロゲンを必須成分とする固体触媒成分
(A)、有機アルミニウム化合物(B)および電子供与
性化合物(C)からなる触媒系である。
【0010】固体触媒成分(A)は、チタン、マグネシ
ウムおよびハロゲンを必須成分として含有し、一般には
チタン化合物を有機マグネシウム化合物で還元して得ら
れる固体生成物を、エステル化合物で処理した後、四塩
化チタンで処理して得られる。
【0011】チタン化合物は、一般式Ti(OR)b
4-b (Rは炭素数が1〜20の炭化水素基、Xはハロゲ
ン原子、bは0<b≦4の数字を表す。)で表される。
Rの具体例としては、メチル、エチル、プロピル、is
o−プロピル、ブチル、iso−ブチル、アミル、is
o−アミル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、デシル、
ドデシル等のアルキル基、フェニル、クレジル、キシリ
ル、ナフチル等のアリール基、シクロヘキシル、シクロ
ペンチル等のシクロアルキル基、プロペニル等のアリル
基、ベンジル基等のアラルキル基等が例示される。
【0012】マグネシウム成分としては、マグネシウム
−炭素の結合を含有する任意の型の有機マグネシウム化
合物を使用することができる。特に一般式RMgX(式
中、Rは炭素数1〜20の炭化水素基を、Xはハロゲン
を表す。)で表されるグリニャール化合物および一般式
RR’Mg(式中、RおよびR’は炭素数1〜20の炭
化水素基を表す。ここでR、R’は同一でも異なってい
てもよい。)で表されるマグネシウム化合物が好適に使
用される。
【0013】グリニャール化合物として、メチルマグネ
シウムクロリド、エチルマグネシウムクロリド、エチル
マグネシウムブロミド、エチルマグネシウムアイオダイ
ド、プロピルマグネシウムクロリド、プロピルマグネシ
ウムブロミド、ブチルマグネシウムクロリド、ブチルマ
グネシウムブロミド、sec−ブチルマグネシウムクロ
リド、sec−ブチルマグネシウムブロミド、tert
−ブチルマグネシウムクロリド、tert−ブチルマグ
ネシウムブロミド、アミルマグネシウムクロリド、is
o−アミルマグネシウムクロリド、フェニルマグネシウ
ムクロリド、フェニルマグネシウムブロミド等が、R
R’Mgで表されるマグネシウム化合物としてジエチル
マグネシウム、ジプロピルマグネシウム、ジ−iso−
プロピルマグネシウム、ジブチルマグネシウム、ジ−s
ec−ブチルマグネシウム、ジ−tert−ブチルマグ
ネシウム、ブチル−sec−ブチルマグネシウム、ジア
ミルマグネシウム、ジフェニルマグネシウム等が挙げら
れる。
【0014】固体触媒成分(A)と組合せて使用する有
機アルミニウム化合物(B)は、少なくとも分子内に1
個のA1−炭素結合を有するものである。かかる有機ア
ルミニウム化合物の具体例としては、トリエチルアルミ
ニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルア
ルミニウム等のトリアルキルアルミニウム、ジエチルア
ルミニウムハライド、ジイソブチルアルミニウムハライ
ド等のジアルキルアルミニウムハライド、トリアルキル
アルミニウムとジアルキルアルミニウムハライドの混合
物、テトラエチルジアルモキサン、テトラブチルジアル
モキサン等のアルキルアルモキサンが例示できる。これ
らの有機アルミニウム化合物のうち、トリアルキルアル
ミニウム、トリアルキルアルミニウムとジアルキルアル
ミニウムハライドの混合物、アルキルアルモキサンが好
ましく、とりわけトリエチルアルミニウム、トリイソブ
チルアルミニウム、トリエチルアルミニウムとジエチル
アルミニウムクロリドの混合物およびテトラエチルジア
ルモキサンが好ましい。有機アルミニウム化合物の使用
量は、固体触媒中のチタン原子1モル当り1〜1000
モルのごとく広範囲に選ぶことができるが、特に5〜6
00モルの範囲が好ましい。
【0015】電子供与性化合物としては、一般式R1
2 Si(OR32 で示されるケイ素化合物(C)が好
ましく使用され、次に示すものが例示される。
【0016】各触媒は、(B)成分中のA1原子/
(A)成分中のTi原子のモル比を1〜1000、好ま
しくは5〜600、(C)成分/(B)成分中のA1原
子のモル比を0.02〜500、好ましくは0.05〜
10となるように使用し、重合温度20〜150℃、好
ましくは50〜95℃、重合圧力は大気圧〜40kg/cm
2G、好ましくは2〜30kg/cm2 Gの実質的に溶剤の
不存在下にプロピレン、α−オレフィン及び共重合体の
分子量調節のため水素を供給して重合を行なう。
【0017】本発明のヒートシール樹脂に供するプロピ
レンと炭素数4以上のα−オレフィンとのランダム共重
合体は特定量の炭素数4以上のα−オレフィンを含む。
該共重合体の炭素数4以上のα−オレフィン含有量は1
5〜30重量%であり、好ましくは18〜25重量%で
ある。該共重合体の炭素数4以上のα−オレフィン含有
量が15重量%を下まわると該積層フィルムの低温ヒー
トシール性およびホットタック性の改良効果が不充分と
なり、該共重合体の炭素数4以上のα−オレフィン含有
量が30重量%を上まわると該共重合体を気相重合する
時、パウダー性状が悪化し、安定な製造が困難となる。
【0018】本発明のヒートシール樹脂に供するプロピ
レンと炭素数4以上のα−オレフィンとのランダム共重
合体の230℃におけるメルトフローレイト(MFR)
は20g/10分以下が好ましく、3〜15g/10分
がより好ましい。MFRは重合体の平均分子量を示すパ
ラメーターであり、その値が大きいことは平均分子量が
小さいことを意味している。該共重合体のMFRが該上
限を上まわると該積層フィルムのホットタック性の改良
効果が不充分となる場合があり、又該共重合体のMFR
が極端に小さいと該積層フィルムの低温ヒートシール性
の改良効果が不充分となったり、製膜時に流動性不良等
の問題をおこすことがあり好ましくない。
【0019】本発明のヒートシール樹脂に供するプロピ
レンと炭素数4以上のα−オレフィンとのランダム共重
合体のゲルパ−ミエッションクロマトグラフィー(GP
C)による重量平均分子量/数平均分子量(Mw/M
n)の値は4.5以下であり、4.0以下がより好まし
い。Mw/Mnは重合体の分子量分布を示す値であり、
その値が小さいことは分子量分布が狭いことを意味して
いる。重合体の分子量分布が低温ヒートシール性、ホッ
トタック性等のヒートシール性能に与える影響について
は定かでないが、広分子量分布品に多量に含まれる低分
子量成分が何らかの形でヒートシール性能に影響を与え
ているのではないかと予想できる。
【0020】本発明のヒートシール樹脂に供するプロピ
レンと炭素数4以上のα−オレフィンとのランダム共重
合体の冷キシレン可溶部(CXS)は該共重合体の炭素
数4以上のα−オレフィン含有量と以下の関係式を持
つ。 B≦1.05A−10 (A:ランダム共重合体中のα−オレフィン含有量(重
量%)、B:冷キシレン可溶部(CXS)(重量%)) 該共重合体の冷キシレン可溶部と炭素数4以上のα−オ
レフィン含有量が上式を満足しない場合、該積層フィル
ムのホットタック性改良効果が不充分となり、また耐ブ
ロッキング性、更には用途によっては印刷性に問題がで
る場合があり、好ましくない。
【0021】本発明のヒートシール樹脂に供するプロピ
レンと炭素数4以上のα−オレフィンとのランダム共重
合体の冷キシレン可溶部の炭素数4以上のα−オレフィ
ン含有量は該共重合体の炭素数4以上のα−オレフィン
含有量の1.7倍未満である。該共重合体の冷キシレン
可溶部の炭素数4以上のα−オレフィン含有量が該共重
合体の炭素数4以上のα−オレフィン含有量の1.7倍
以上になると該積層フィルムのホットタック性改良効果
が不充分となる場合があり好ましくない。
【0022】本発明においてヒートシール樹脂に供する
共重合体は気相重合で得られるが、洗浄工程等の後処理
を行なわなくとも、あるいは適度の洗浄工程を行なって
もよい。
【0023】本発明においてヒートシール樹脂に供する
共重合体には、約20重量%を限度としてゴム状のエチ
レン−α−オレフィン共重合体、共重合タイプを含むポ
リブテン−1等をブレンドすることができるし、少量の
他の高分子物質をブレンドすることもできる。又、帯電
防止剤、耐ブロッキング剤、滑剤、安定剤等の添加剤を
添加することができる。
【0024】本発明のポリプロピレン積層フィルムは、
基材となる結晶性ポリプロピレンフィルムの片面、ある
いは両面に、上記ヒートシール性樹脂を公知の方法によ
って積層することにより得ることができる。即ち、基体
層およびヒートシール樹脂層の予め形成したシートを接
着剤を用いて加圧ローラー間に一緒に通す方法、ヒート
シール樹脂をトルエン等の溶媒の溶液または分散体とし
て基体層上に塗布して積層する方法、ヒートシール樹脂
を基体層に溶融押出コーティングして積層する方法、又
はヒートシール樹脂および基体ポリマーを別々の押出機
で押出し共通のダイの中または出口で両者がまだ溶融状
態のうち接合する方法等によって本発明の積層フィルム
が得られる。
【0025】本発明の積層フィルムは、好ましくはヒー
トシール樹脂を積層後、一軸あるいは二軸延伸させる。
かかるポリプロピレン延伸積層フィルムは次のような公
知の方法で製造される。即ち、シートを成形する押出
用ダイの中、又は出口付近で、まだ溶融状態のうちに両
者を複合する所謂共押しで原反積層シートを作製し、そ
の後で、二軸延伸する方法。基材のポリプロピレンシ
ートに、ヒートシール樹脂を押出ラミネート加工を行な
い、その後で二軸延伸する方法。基材のポリプロピレ
ンシートをあらかじめ金属ロールを含むロール群で加熱
状態でMDに一軸延伸し、このシート上に、ヒートシー
ル樹脂を押出ラミネート加工を行ない、その後でTDへ
延伸する方法等が有る。積層フィルムのMD延伸温度
は、120〜160℃、MDの延伸倍率は3〜8倍で通
常行われる。またTDの延伸温度は145〜165℃、
TDの延伸倍率は4〜10倍で通常行われる。また、積
層フィルムの厚みについて、共重合体層(ヒートシール
樹脂層)の厚みは0.1〜10μm、基材層(ポリプロ
ピレン層)の厚みは10〜100μmの範囲で通常行わ
れる。以上のようにして製造されたポリプロピレン積層
フィルムは優れた低温ヒートシール性とホットタック性
を併せ持ち、かつ透明性および耐ブロッキング性が良好
であり、さらに印刷性も良好で安価に製造できるという
極めて大きな実用的価値を有するものである。
【0026】以下本発明を実施例によりさらに詳しく説
明するが、本発明はその要旨を越えないかぎり、実施例
に限定されるものではない。なお実施例および比較例に
おける各項目の測定は以下の方法に従って行なったもの
である。 (1)α−オレフィン(ブテン−1)含有量(重量%) IRスペクトル法により次式から決定した。 ブテン1含有量(重量%)=1.208K′ K′=767cm-1の吸光度 (2)重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn) ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)に
より、下記の条件で測定した。また、検量線は標準ポリ
スチレンを用いて作成した。 機種 ミリポアウォーターズ社製 150CV型 カラム Shodex M/S 80 測定温度 145℃、溶媒 オルトジクロルベンゼン、
サンプル濃度 5mg/8ml なお、本条件でNBS(National Bureau of Standard
s) のStandard Reference Meterial 706(Mw/M
n=2.1のポリスチレン)を測定したところ、分子量
分布(Mw/Mn)2.1が得られた。 (3)メルトフローレイト(MFR)(g/10分) JIS K 7210に従い、条件−14の方法で測定
した。 (4)低温ヒートシール性(ヒートシール温度) ℃ フィルム同志を重ね合わせ、所定の温度に加熱されたヒ
ートシーラー(東洋精機製)で2kg/cm2 Gの荷重で2
秒間圧着してヒートシールする。一夜放置後、23℃で
剥離速度200mm/分、剥離角度180°で剥離した時
の剥離抵抗力が300g/25mmになるシール温度を求
め、ヒートシール温度とした。 (5)ホットタック性( g/3インチ(76.2mm)) 二枚の積層フィルムの共重合体層の面同士を重ね合わ
せ、幅3インチ(76.2mm)、長さ150mmにカット
する。次いで、荷重バネを手で折り曲げ、サンプルの共
重合体層面の両端を荷重バネの外側に貼りつける。次い
で、予め所定の温度に加熱されたヒートシーラー(テス
ター産業製)で2kg/cm2G の荷重で2秒間圧着しヒート
シールする。ヒートシールバーが上がる直前に荷重バネ
を押さえていた手をはなすことにより、ヒートシール部
分に剥離力を加える。サンプルを荷重バネから取外し剥
離部分の長さを測定する。荷重バネの荷重を53gから
295gまで変化させ、シール部分の剥離長さが1/8
インチ(3.2mm)を示すバネ荷重をホットタック温度
とした。
【0027】
【実施例】
参考例 (a)有機マグネシウム化合物の合成 撹拌機、還流冷却器、滴下ロート、温度計を備えた1L
のフラスコをアルゴンで置換した後、グリニヤール用削
状マグネシウム32.0gを投入した。滴下ロートにブ
チルクロリド120gとジブチルエーテル500mlを仕
込み、フラスコ中のマグネシウムに約30ml滴下し、反
応を開始させた。反応開始後、50℃で4時間かけて滴
下を続け、滴下終了後、60℃で更に1時間反応を続け
た。その後、反応溶液を室温に冷却し、固形分をろ別し
た。ジブチルエーテル中のブチルマグネシウムクロリド
を1規定硫酸で加水分解し、指示薬としてフェノールフ
タレインを使用して1規定水酸化ナトリウム水溶液で逆
滴定して濃度を決定したところ、濃度は2.1mol /L
であった。
【0028】(b)固体生成物の合成 撹拌機、滴下ロートを備えた500mlのフラスコをアル
ゴンで置換したのち、ヘキサン240ml、テトラブトキ
シチタン5.4g(15.8mmol) およびテトラエトキ
シシラン61.4g(295mmol)を投入し、均一溶液
とした。次に、(a)で合成した有機マグネシウム化合
物150mlを、フラスコ内の温度を5℃に保ちながら、
滴下ロートから4時間かけて徐々に滴下した。滴下終了
後、室温で更に1時間撹拌したのち室温で固液分離し、
ヘキサン240mlで3回洗浄を繰り返したのち減圧乾燥
して、茶褐色の固体生成物45.0gを得た。 固体生
成物中にはチタン原子が1.7重量%、エトキシ基が3
3.8重量%、ブトキシ基が2.9重量%含有されてい
た。又、この固体生成物のCu−Kα線による広角X線
回折図には、明瞭な回折ピークは全く認められず、非晶
構造であった。
【0029】(c)エステル処理固体の合成 100mlのフラスコをアルゴンで置換した後、(b)で
合成した固体生成物6.5g、トルエン16.2mlおよ
びフタル酸ジイソブチル4.3ml(16mmol)を加え、
95℃で1時間反応を行った。 (d)固体触媒の合成(活性化処理) 上記(c)での洗浄終了後、フラスコにトルエン16.
2ml、フタル酸ジイソブチル0.36ml(1.3mmo
l)、ブチルエーテル2.2ml(13mmol)および四塩
化チタン38.0ml(346mmol)を加え、95℃で3
時間反応を行った。反応終了後、95℃で固液分離した
後、同温度でトルエン33mlで2回洗浄を行った。上述
したフタル酸ジイソブチルとブチルエーテル及び四塩化
チタンとの混合物による処理を同一条件で更にもう一度
繰り返し、ヘキサン33mlで3回洗浄して、黄土色の固
体触媒5.0gを得た。固体触媒中には、チタン原子が
2.1重量%、マグネシウム原子が19.9重量%、フ
タル酸エステルが12.7重量%含まれていた。
【0030】実施例1 (a)触媒成分 十分に精製したヘキサン150Lを250Lの撹拌機付
反応器に添加し、系内を十分チッソ置換したのち、トリ
エチルアルミニウム(以下TEAと略す)3.2mol 、
シクロヘキシルエチルジメトキシシラン(以下CHED
MSと略す)0.32mol および前記参考例で得た固体
触媒をTi原子に換算して51.8g添加する。25℃を
維持しながらプロピレン2.8kgを2時間にわたって連
続的に添加した。
【0031】(b)重合 内容積1000Lの重合槽を用いて重合温度65℃、重
合圧力12.5kg/cm 2 平均滞留時間6時間となるよう
に(a)で調整した触媒成分を供給し、同時にTEA3
9mmol/hr 、CHEDMS2.8mmol/hrを供給しなが
ら、重合槽内のH2 濃度を0.21vol.%とし、ブテン
−1濃度が22vol.%になるようにプロピレンとブテン
−1を連続的に供給し気相重合を行なった。得られた共
重合体のブテン−1含有量は21.7重量%であった
(表1)。この共重合体100重量部にステアリン酸カ
ルシウム0.15重量部、スミライザーBHT0.1重
量部、イルガノックス1010 0.05重量部を加え
ヘンシェルミキサーで混合した後、溶融押出を行ないペ
レット化した。
【0032】(c)積層加工と延伸処理 次いで得られた共重合体ペレットをプレス法にて100
μのシートに成形し、あらかじめプレス法にて成形され
た500μのホモポリプロピレンシート(MFR=2.
5)とプレス法にて溶融圧着し積層シートとした。次に
得られた積層シートから90mm×90mmの試料を採取し
以下の条件で二軸延伸フィルムを得た。 延伸機:東洋精機製卓上二軸延伸機 温度:150℃ 予熱時間:3分間 延伸倍率:5×5倍 延伸速度:5m/分 上記で得られた24μの積層延伸フィルムの物性を表2
に示す。この積層延伸フィルムは低温ヒートシール性、
ホットタック性ともに優れたものであった。
【0033】実施例2 重合槽内のH2 濃度を1.1vol.%に変えた以外は実施
例1と同様の重合条件で共重合体を得た。得られた共重
合体のMFRが14g/10分、ブテン−1含有量は2
1.8重量%であった。(表1) それぞれ実施例1と同様の条件でペレット化し、積層加
工、延伸処理を行なった積層延伸フィルムの物性を表2
に示す。いずれも優れた低温ヒートシール性およびホッ
トタック性を示した。
【0034】実施例3、4 重合槽内のH2 濃度を0.36vol.%、ブテン−1濃度
を23vol.%(実施例3)、重合層内のH2 濃度を0.
25vol.%、ブテン−1濃度を25vol.%(実施例4)
に変えた以外は、実施例1と同様の重合条件で共重合体
を得た。得られた共重合体のブテン−1含有量はそれぞ
れ22.7重量%および24.9重量%であった。(表
1) それぞれ実施例1と同様の条件でペレット化し、積層加
工、延伸処理を行なった積層延伸フィルムの物性を表2
に示す。いずれも優れた低温ヒートシール性およびホッ
トタック性を示した。
【0035】比較例1、2 重合槽内のH2 濃度を1.5vol.%、ブテン−1濃度を
25vol.%(比較例1)、重合層内のH2 濃度を1.6
vol.%、ブテン−1濃度を28vol.%(比較例2)に変
えた以外は特公平2−57770号公報の実施例1に従
い、プロピレン−ブテン−1共重合体を得た。(表1) 本願実施例1と同様の条件でペレット化し、積層加工、
延伸処理を行なった積層延伸フィルムの物性を表2に示
す。この積層延伸フィルムは優れた低温ヒートシール性
を示したが、ホットタック性は不充分であった。
【0036】比較例3 重合槽内のH2 濃度を3.2vol.%、ブテン−1濃度を
21.5vol.%に変えた以外は実施例1と同様の重合条
件で共重合体を得た。得られた共重合体のMFRは28
g/10分、ブテン−1含有量は20.6重量%であっ
た。(表1) 実施例1と同様の条件でペレット化し、積層加工、延伸
処理を行なった積層延伸フィルムの物性を表2に示す。
この積層延伸フィルムは良好な低温ヒートシール性を示
したが、ホットタック性は不十分であった。
【0037】比較例4 重合槽内のH2 濃度を0.25vol.%、ブテン−1濃度
を12vol.%に変えた以外は実施例1と同様の重合条件
で共重合体を得た。(表1) 得られた共重合体のブテン−1含有量は12.0重量%
であった。実施例1と同様の条件でペレット化し、積層
加工、延伸処理を行なった積層延伸フィルムの物性を表
2に示す。この積層延伸フィルムは、低温ヒートシール
性、ホットタック性ともに不十分なものであった。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【発明の効果】本発明により低温ヒートシール性とホッ
トタック性に優れたポリプロピレン積層フィルムを提供
することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小畑 洋一 千葉県市原市姉崎海岸5の1 住友化学 工業株式会社内 (72)発明者 高根 実 千葉県市原市姉崎海岸5の1 住友化学 工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−276541(JP,A) 特開 昭55−17542(JP,A) 特開 昭54−162785(JP,A) 特公 平2−57770(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 C08F 210/06

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】結晶性ポリプロピレン層の少なくとも片面
    上に、マグネシウム、チタンおよびハロゲンを必須成分
    とする固体触媒成分、有機アルミニウム化合物および電
    子供与性化合物からなる触媒系を用い実質的に液状媒体
    の非存在下に気相重合で得られるプロピレンと炭素数4
    以上のα−オレフィンとのランダム共重合体で、かつ下
    記条件(1)〜(5)を満足する共重合体を積層してな
    るポリプロピレン積層フィルム。 (1)共重合体の炭素数4以上のα−オレフィン含有量
    が15〜30重量% (2)共重合体のメルトフローレイトが20g/10分
    以下 (3)共重合体の重量平均分子量/数平均分子量が4.
    5以下 (4)共重合体の炭素数4以上のα−オレフィン含有量
    (A重量%)と共重合体の冷キシレン可溶部(B重量
    %)の関係式が B≦1.05A−10 (5)共重合体の冷キシレン可溶部の炭素数4以上のα
    −オレフィン含有量が共重合体の炭素数4以上のα−オ
    レフィン含有量の1.7倍未満
  2. 【請求項2】炭素数4以上のα−オレフィンがブテン−
    1である請求項1記載のポリプロピレン積層フィルム。
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