JPH07371B2 - ポリプロピレン積層フイルム - Google Patents

ポリプロピレン積層フイルム

Info

Publication number
JPH07371B2
JPH07371B2 JP16450586A JP16450586A JPH07371B2 JP H07371 B2 JPH07371 B2 JP H07371B2 JP 16450586 A JP16450586 A JP 16450586A JP 16450586 A JP16450586 A JP 16450586A JP H07371 B2 JPH07371 B2 JP H07371B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
copolymer
laminated film
polypropylene
propylene
composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP16450586A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS6319255A (ja
Inventor
正弘 角五
忠俊 小川
誠一郎 今
輝昭 ▲吉▼田
Original Assignee
住友化学工業株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 住友化学工業株式会社 filed Critical 住友化学工業株式会社
Priority to JP16450586A priority Critical patent/JPH07371B2/ja
Priority to US07/069,223 priority patent/US4786562A/en
Priority to DE8787305999T priority patent/DE3773554D1/de
Priority to EP19870305999 priority patent/EP0252718B1/en
Priority to KR1019870007456A priority patent/KR950010644B1/ko
Priority to HU873164A priority patent/HU209701B/hu
Priority to PH35520A priority patent/PH24095A/en
Publication of JPS6319255A publication Critical patent/JPS6319255A/ja
Priority to SG129492A priority patent/SG129492G/en
Priority to HK29393A priority patent/HK29393A/xx
Publication of JPH07371B2 publication Critical patent/JPH07371B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は,低温ヒートシール性が極めて優れ,透明性と
滑りが良好で,しかもブロッキングが少なく耐スクラッ
チ性とホットタック性が良好で,さらに溶媒抽出量が少
なく例えば食品衛生用途に適したポリプロピレン積層フ
ィルムに関する。
<従来の技術> 結晶性ポリプロピレンの2軸延伸フィルムはその優れた
透明性と剛性を生かして,広く包装用フィルムとして使
用されている。しかし元来,それ自身ヒートシールでき
なくないが,非常に高温にしなければならず,又,収縮
やしわ発生等が生じるので,そのままでは使用されず,
より低い温度でヒートシール可能な樹脂を片面ないしは
両面にコーティングやラミネート,あるいは共押出した
積層フィルムが広く使用されている。このヒートシール
樹脂に要求される特性としては,どこまでヒートシール
温度を下げることができるかが重要な特性である。これ
は,ヒートシール温度が低下すれば,それだけ積層フィ
ルムの製袋速度を上げることができるからである。しか
し単に,ヒートシール温度が低ければよいというのでは
なく,透明性,滑り,耐ブロッキング性,耐スクラッチ
性,ホットタック性などの特性も重要であることは言う
までもなく,又,例えば食品包装用に供する場合は,溶
媒抽出量が少なくなければならない。
従来より,種々のヒートシール樹脂が提案されている
が,上記諸特性を全て満足するヒートシール樹脂は未だ
ないのが実状である。
即ち,ポリエチレンやエチレン−酢酸ビニル共重合体を
積層したポリプロピレンフィルムは,比較的低温ヒート
シール性は良好であるが,未だ満足できるレベルでな
く,しかも透明性と耐スクラッチ性などに劣るという問
題がある。
ポリプロピレン系樹脂として,エチレン5wt%程度共重
合したプロピレン−エチレンランダム共重合体がある
が,透明性,耐スクラッチ性,耐ブロッキング性は優れ
るも,低温ヒートシール性が大巾に劣り,ホットタック
性に劣るという問題がある。
このプロピレン−エチレンランダム共重合体の低温ヒー
トシール性を改良する為に共重合するエチレンの含量を
上げると確かに低温ヒートシール性はいくぶん改良され
るが,透明性が悪くなったり,耐ブロッキング性に劣る
という問題がある。ポリプロピレン系樹脂の中でも,ブ
テン−1を共重合したプロピレン−ブテン−1共重合体
は,古くからヒートシール性樹脂として知られている。
(BP−1018341,特開昭50−128781,特開昭55−17542,特
開昭54−66990,特開昭53−114887,特開昭56−22307,特
開昭60−166455)しかし,これらの共重合体の多くは,
粘着性があったり,耐ブロッキング性,耐スクラッチ
性,滑りが悪かったりするし溶媒抽出量が多い。又,透
明性,耐スクラッチ性,耐ブロッキング性が比較的良好
であるものは,低温ヒートシール性が本発明者が目標と
するレベルから見れば,未だ満足できないものである。
このプロピレン−ブテン−1共重合体の欠点を改良する
目的でアイソタクチックポリプロピレンを,少量あるい
は多量にブレンドする方法(特開昭56−58861,特開昭54
−48846,特開昭54−95684)が示されているが,アイソ
タクチックポリプロピレンのブレンド量が少ない場合
は,耐ブロッキング,耐スクラッチ性の改良が不十分で
ある上に,滑りが悪く,溶媒抽出量が多い。又,ブレン
ド量が多い場合は,低温ヒートシール性の利点がなくな
る上に,本発明者が目標とするレベルから見て,依然と
して,耐ブロッキング性,滑り,ホットタック性が悪
く,溶媒抽出量が多いという問題がある。
<発明が解決しようとする問題点> 本発明者らは,以上のような状況に鑑み,格段に優れた
低温ヒートシール性と,透明性,滑り,耐ブロッキング
性,耐スクラッチ性,ホットタック性,さらに,少ない
溶媒抽出量の全てを合わせ持つ,ポリプロピレン積層フ
ィルムを開発しようとして,鋭意検討した。
<問題点を解決する為の手段> その結果,特定のプロピレン−ランダム共重合体(A)
と,特定のプロピレンと炭素数4以上のα−オレフィ
ン,又はプロピレンと炭素数4以上のα−オレフィンと
エチレンとの共重合体(B)と,高結晶性ポリプロピレ
ン(C)とを特定の割合で配合した三元ブレンド組成物
を,ヒートシール層として積層したポリプロピレン積層
フィルムが,上記諸特性を全て合わせ持つことを見い出
すに到り,本発明を完成した。
即ち,本発明は,結晶性ポリプロピレン層の少なくとも
片面上に,下記三成分(A),(B),(C)を,
(A)10〜90wt%,(B)10〜90wt%,(C)1〜15wt
%なる割合でブレンドした樹脂組成物を積層してなるポ
リプロピレン積層フィルムに関するものである。
(A) プロピレン−ランダム共重合体で下記の条件
〜を満足するもの コモノマー含有量が,4〜15wt% ビカット軟化点が,122℃以下 冷キシレン可溶部が,15wt%以下 (B) プロピレンと炭素数4以上のα−オレフィン,
又はプロピレンと炭素数4以上のα−オレフィンとエチ
レンとの共重合体で下記の条件〜を満足するもの 炭素数4以上のα−オレフィン含有量が,8〜35モル
% エチレン含有量が,3モル%以下 冷キシレン可溶部が,15〜70wt% △Hazeが,5%以下 (C) 高結晶性ポリプロピレンで下記の条件を満足
するもの 融点が,150℃以上 である。
以下,本発明について詳述する。
本発明の組成物で使用するプロピレンランダム共重合体
(A)は,周知のもので,結晶性のエチレン−プロピレ
ンランダム共重合体,あるいはエチレン−ブテン−1−
プロピレンランダムターポリマーなどであり,コモノマ
ー含有量が4〜15wt%のものである。
本発明における,プロピレンランダム共重合体(A)
(以下,共重合体(A)と略す。)のビカット軟化点は
122℃以下であり,好ましくは120℃以下である。ビカッ
ト軟化点が,該上限界を越える共重合体(A)を使用し
たのでは,ホットタック性が悪くなったり,ヒートシー
ル温度を本発明の目標レベルに下げる為には,ブレンド
する共重合体(B)の量が大変多くなり,ひいては,耐
ブロッキング性,耐スクラッチ性,滑りが悪くなり,し
かも溶媒抽出量が多くなり好ましくない。本発明者らが
発見したことには,共重合体(A)のビカット軟化点が
122℃以下であれば,驚くべきことに共重合体(B)で
規定する特定の共重合体との組成物において,双方のヒ
ートシール温度から加成性を仮定してもとめたヒートシ
ール温度よりも,はるかに低いヒートシール温度を示す
ことである。
本発明における共重合体(A)の冷キシレン可溶部(以
下,CXSと略す。)は,15wt%以下であり,13wt%以下であ
ることが好ましく,10wt%以下であることが,より好ま
しい。CXSが該上限界を上廻ると,耐ブロッキング性,
滑りが悪くなるし,溶媒抽出量が多くなり好ましくな
い。
本発明の組成物で使用するプロピレン炭素数4以上のα
−オレフィン,又はプロピレンと炭素数4以上のα−オ
レフィンとエチレンとの共重合体(B)(以下,共重合
体(B)と略す。)は,溶剤中で重合する溶剤重合法,
あるいは気相中で重合する気相重合法により製造するこ
とができるが,特に液状溶剤が実質的に存在しない条件
で重合する気相重合法は,本発明に適した共重合体
(B)(適度な冷キシレン可溶部を有するもの)が得や
すい上に,ポリマーの乾燥工程,あるいは溶剤の精製工
程を省略,あるいは大巾に簡略化することから経済的に
も優れたものであり,好ましい。
気相重合で製造する場合,公知の流動床型反応器,撹拌
機付き流動床型反応品等により,実施することができ
る。又,重合は反応器中でガスが液化することがなく,
かつ重合体粒子が溶融塊化しない温度,圧力の条件下で
実施することが必須であり,好ましい重合条件として
は,40〜100℃の温度範囲及び1〜50kg/cm2(ゲージ圧,
以下Gと略す。)の圧力範囲であり,50〜80℃,2〜20kg/
cm2Gがより好ましい。又,得られる重合体の溶融流動性
を調節する目的で,水素等の分子量調節剤を添加するの
が好ましい。重合は回分式重合,あるいは連続重合,あ
るいは両者の組み合わせの重合のいずれの方法でも実施
することが可能であり,又,重合で消費される単量体及
び分子量調節剤は連続的,あるいは間けつ的に反応器へ
供給することができる。又,共重合はモノマー及びコモ
ノマーを一定組成で同時に供給して重合するランダム共
重合法が好適に採用されるが,段階的及び連続的に,重
合するモノマーの組成を変更して重合することもでき
る。得られた共重合体は,重合後,触媒残渣の除去ある
いは低分子量ポリマーの除去を目的に,アルコール類あ
るいは炭化水素溶媒等で洗浄することも可能である。
本発明の組成物で使用する共重合体(B)の製造に使用
される触媒系は,公知のα−オレフィンの立体規則性重
合用触媒であり,いわゆるチーグラー・ナッタ触媒すな
わち,周期律表第IV〜VIII族遷移金属化合物と周期律表
第I〜III族典型金属の有機化合物と電子供与性化合物
等の第3成分とからなるものであり,該遷移金属化合物
あるいは,これを含有する触媒成分が固体であることが
好ましい。
遷移金属化合物として,TiCl3があるが,α,β,γ,お
よびδ型の結晶型をとることが知られており,炭素数3
以上のα−オレフィンを立体規則性重合するためには,
層状の結晶性を有するα,γ,およびδ型のTiCl3が好
ましい。TiCl3は一般にTiCl4を水素,金属アルミニウ
ム,金属チタン,有機アルミニウム化合物,有機マグネ
シウム化合物などで,還元することによってTiCl3組成
物として得られる。好ましいTiCl3組成物はTiCl4を金属
アルミニウムで還元し,さらに機械粉砕などによって活
性化されたいわゆるTiCl3・AAであり,TiCl4を有機アル
ミニウム化合物で還元し,さらに錯化剤とハロゲン化合
物を用いて活性化したTiCl3組成物はより好ましい。又,
Ti(OR)nX4−n(Rは炭素数1ないし20の炭化水素基
を表わす。nは0ないし4の数を表わす。)を有機アル
ミニウム化合物で還元した後に,エーテル化合物とTiCl
4で処理して得られるアルコキシ基含有の3価チタンハ
ロゲン化物は,さらに好ましく使用することができる。
TiCl3組成物あるいはアルコキシ基含有の3価のチタン
ハロゲン化物は液化プロピレン中,水素の存在下ジエチ
ルアルミニウムクロリドと組み合わせて65℃で4時間重
合した時,1gあたり6,000g以上のポリプロピレンを生成
せしめることができるものが好ましい。かかるTiCl3
成物は特開昭47−34478号公報,特公昭55−27085号,特
願昭57−26508号公報,特願昭58−138471号公報などに
開示された方法で製造することができる。又,アルコキ
シ基含有の3価チタンハロゲン化物は,特願昭57−2216
59号公報などに開示された方法で製造することができ
る。
遷移金属化合物を適当な担体に担持された触媒成分とし
て使用する場合,担体としては各種固体重合体,特にα
−オレフィンの重合体,各種固体有機化合物,特に固体
の炭化水素,各種固体無機化合物,特に酸化物,炭酸
塩,ハロゲン化物などを用いることができる。好ましい
担体はマグネシウム化合物,すなわちマグネシウムのハ
ロゲン化物,酸化物,水酸化物,ヒドロキシハロゲン化
物などである。マグネシウム化合物は他の上記固体物質
との複合体として用いることができる。マグネシウム化
合物は市販のものをそのまま用いることもできるが,機
械的に粉砕して,あるいは溶媒に溶解した後析出させ
て,あるいは電子供与性化合物や活性水素化合物で処理
して,あるいはグリニヤール試薬など有機マグネシウム
化合物を分解して得たマグネシウム化合物であることが
好ましい。これら好ましいマグネシウム化合物を得るた
めの操作は併用することが多くの場合好ましく,又,こ
れら操作をあらかじめ担体を製造する際に行ってもよい
し,触媒成分を製造する際に行ってもよい。特に好まし
いマグネシウム化合物はマグネシウムのハロゲン化合物
であり,特に好ましい遷移金属化合物は前記のチタンの
ハロゲン化合物である。かかるチタン,マグネシウム,
ハロゲンを主成分とする担体付触媒成分は,本発明にお
いてより好ましい触媒成分の1つであるが,特開昭56−
30407号公報,特開昭57−59915号公報などに開示された
方法で製造することができる。本発明においては,これ
らのうち,電子供与性化合物を含有し,チタン,マグネ
シウム,ハロゲンを主成分とする担体付触媒成分は,さ
らに好ましい触媒成分の1つである。
担体担持型でなくて,チタン,マグネシウム,ハロゲ
ン,電子供与性化合物を主成分とする複合触媒も,本発
明において,さらに好ましい触媒成分の1つである。特
願昭60−59792号公報などに開示された方法で製造する
ことができる。
周期律表第I〜III族典型金属の有機化合物として好ま
しいのは,アルミニウムの有機化合物であって,特に一
般式ReAl X3−e(Rは炭素数1ないし20の炭化水素基,
Xは水素,又はハロゲンを表わし,eは1ないし3の数で
ある。)で表わされる有機アルミニウム化合物が好まし
い。かかる化合物を具体的に例示するならばトリエチル
アルミニウム,トリイソブチルアルミニウム,ジエチル
アルミニウムヒドリド,ジエチルアルミニウムクロリ
ド,ジエチルアルミニウムブロミド,エチルアルミニウ
ムセスキクロリド,エチルアルミニウムジクロリドなど
である。
最も好ましい化合物はトリエチルアルミニウム,ジエチ
ルアルミニウムクロリド,およびこれらの混合物であ
る。
本発明における電子供与性化合物としては,酢酸エチ
ル,ε−カプロラクトン,メタクリル酸メチル,安息香
酸エチル,p−アニス酸エチル,p−トルイル酸メチル,無
水フタル酸などのエステル,又は酸無水物,ジ−n−ブ
チルエーテル,ジフェニルエーテル,ダイグラムなどの
エーテル化合物,トリ−n−ブチルホスファイト,トリ
フェニルホスファイト,ヘキサメチレンホスフォリック
トリアミドなどの有機リン化合物などをあげることがで
きる。他にもケトン類,アミン類,アミド類,チオエー
テル類,あるいはSi−O−C結合を有するアルコキシシ
ラン,あるいはアリーロキシシラン等の有機ケイ素化合
物なども使用することができる。又,固体触媒成分は,
例えば気相重合を行う場合,それに先立ち,あらかじめ
有機アルミニウム化合物,あるいは更に電子供与性化合
物の存在下に少量のオレフィンで処理し,予備重合を行
ったものであってもさしつかえない。
本発明の組成物で使用する共重合体(B)は,コモノマ
ーとして炭素数4以上のα−オレフィンあるいはエチレ
ンを極少量併用して使用する。炭素数4以上のα−オレ
フィンとしては,ブテン−1,ペンテン−1,ヘキセン−1,
4−メチルペンテン−1等の単独,あるいは併用系があ
げられるが,例えば気相重合を実施した場合,液化しに
くいことから分圧を高くとれるブテン−1が最も好まし
い。
本発明の組成物で使用する共重合体(B)の炭素数4以
上のα−オレフィン含有量は,8〜35モル%であり,10〜3
0モル%が好ましく,12〜28モル%がより好ましい。炭素
数4以上のα−オレフィン含有量が該下限界を下廻る
と,積層フィルムの低温ヒートシール性の改良効果が不
充分で好ましくなく,該上限界を上廻ると,積層フィル
ムの耐ブロッキング性,耐スクラッチ性,滑りが悪くな
り,しかも溶媒抽出量が多くなり好ましくない。
本発明の組成物で使用する共重合体(B)のエチレン含
有量は,5モル%以下であり,3モル%以下であるのが好ま
しく,2.5モル%以下がより好ましい。エチレン含有量が
該上限界を上廻ると,積層フィルムの透明性が経時的に
悪化したり,耐ブロッキング性や滑りが悪くなり,好ま
しくない。この理由ははっきりしないが,アタクチック
成分のブリードがその原因と思われる。
本発明の組成物で使用する共重合体(B)のCXSは,15〜
70wt%であり,16〜50wt%が好ましく,16〜40wt%がより
好ましい。
CXSが該下限界を下廻ると,積層フィルムの低温ヒート
シール性とホットタック性の改良効果が不充分であり好
ましくなく,該上限界を上廻ると,積層フィルムの耐ブ
ロッキング性,耐スクラッチ性,滑りが悪くなり,しか
も溶媒抽出量が多くなり好ましくない。
本発明の組成物で使用する共重合体(B)の△Hazeは,5
%以下であり,4%以下が好ましく,3%以下がより好まし
い。△Hazeが該上限界を上廻ると積層フィルムの低温ヒ
ートシール性の改良効果が不充分になり又,透明性の経
時的な悪化現象が発生したり,耐ブロッキング性や滑り
が悪くなり好ましくない。
本発明の組成物で使用する共重合体(B)の溶媒抽出量
は,特に規定しなくてもよいが,40wt%以下が好ましく,
20wt%以下がより好ましい。溶媒抽出量が該上限界以下
のものを使用すれば,共重合体(A)などとのブレンド
時,共重合体(B)の配合割合を多くしても,組成物と
しての溶媒抽出量を,それだけに少なくできる利点があ
り,好ましい。
本発明の組成物で使用する高結晶性ポリプロピレン
(C)は,周知のものでポリプロピレンのホモポリマー
やコモノマーを極少量含むプロピレンランダム共重合体
であり,CXSが5wt%以下のものが好ましい。該高結晶性
ポリプロピレン(C)の融点は,150℃以上であり,155℃
以上が好ましい。融点が該下限界を下廻ると,積層フィ
ルムの耐ブロッキング性,滑り,ホットタック性の改良
効果が乏しくなり,好ましくない。本発明者らが発見し
たことは,該高結晶性ポリプロピレン(C)を少量添加
することにより驚くべきことに,透明性やヒートシール
温度には,ほとんど悪影響を及ぼさずに,耐ブロッキン
グ性,滑り,ホットタック性が大巾に改良できるという
ことである。
本発明で使用する組成物は,共重合体(A)を10〜90wt
%,共重合体(B)を10〜90wt%,高結晶性ポリプロピ
レン(C)を1〜15wt%配合して得られるものであり,
共重合体(A)を15〜85wt%,共重合体(B)を10〜85
wt%,高結晶性ポリプロピレン(C)を2〜12wt%配合
するのが好ましく,共重合体(A)を15〜85wt%,共重
合体(B)を10〜85wt%,高結晶性ポリプロピレン
(C)を2〜10wt%配合するのが,より好ましい。
共重合体(A)の配合量が該上限界を上廻ると,共重合
体(B)の配合量を下げざるを得ず,結果として低温ヒ
ートシール性が達成できず,好ましくない。共重合体
(A)の配合量が該下限界を下廻ると,共重合体(B)
の配合量を上げざるを得ず,溶媒抽出量が大きくなり好
ましくない。
共重合体(B)の配合量が該上限界を上廻ると,高結晶
性ポリプロピレン(C)を添加しても,耐ブロッキング
性と滑り性が悪く,又,溶媒抽出量が大きくなり,好ま
しくない。共重合体(B)の配合量が該下限界を下廻る
と,低温ヒートシール性が達成できず,好ましくない。
高結晶性ポリプロピレン(C)の配合量が該上限界を上
廻ると,低温ヒートシール性と透明性が悪くなり好まし
くなく,該下限界を下廻ると,耐ブロッキング性,滑り
性,ホットタック性の改良効果が乏しく,好ましくな
い。
上記のように配合された組成物のメルトインデックス
(g/10min)は,0.5〜50g/10minであるのが好ましい。メ
ルトインデックスが該下限界を下廻ると,加工性が悪く
なり好ましくなく,該上限界を上廻ると,ヒートシール
強度が悪くなり,好ましくない。
上記組成物は,DSCによる融解曲線において,メインピー
クが127〜147℃の間に,サブピークが95〜127℃の間と,
147〜160℃の間に各々存在するのが好ましい。サブピー
クが95〜127℃の間に存在しないと,低温ヒートシール
性が悪く好ましくなく,サブピークが147〜160℃の間に
存在しないと,耐ブロッキング性,滑り性,ホットタッ
ク性が悪く好ましくない。
本発明において,上記組成物を得る方法としては,公知
の任意の方法で均一分散させて得ることができる。例え
ば,押出溶融ブレンド法,バンバリーブレンド法などで
ある。又,重合条件を段階的に変更して重合する,いわ
ゆる多段重合法で,上記組成物を得ることも可能であ
る。
本発明の組成物には,帯電防止剤,耐ブロッキング剤,
滑り剤,安定剤,造核剤などの添加剤を添加することが
できる。
本発明のポリプロピレン積層フィルムは,基材となる結
晶性ポリプロピレンフィルムの片面,あるいは両面に,
上記ヒートシール性樹脂組成物を公知の方法によって積
層することにより得ることができる。即ち,基体層およ
びヒートシール性樹脂層の予め形成したシートを接着剤
を用いて,加圧ローラー間に一緒に通す方法,ヒートシ
ール性樹脂をトルエン等の溶媒の溶液,又は分散体とし
て基体層上に塗布して積層する方法,ヒートシール性樹
脂を基体層に溶融押出コーティングに積層する方法,又
はヒートシール性樹脂および基体ポリマーを別々の押出
機で押出し,共通のダイの中,又は出口で両者がまだ溶
融状態のうちに接合する方法によって,本発明の積層フ
ィルムが得られる。
本発明の積層フィルムは,好ましくはヒートシール性樹
脂層を少なくとも1軸方向に配向させる。かかるポリプ
ロピレン延伸積層フィルムは次のような公知の方法で製
造される。即ち,シートを成形する押出用ダイの中,
又は出口付近で,まだ溶融状態のうちに両者を複合す
る,いわゆる共押しで原反積層シートを作製し,その後
で,2軸延伸する方法。基材のポリプロピレンシート
に,ヒートシール性樹脂を押出ラミネート加工を行い,
その後で,2軸延伸する方法。基材のポリプロピレンシ
ートをあらかじめ金属ロールを含むロール群で,加熱状
態でMD方向に1軸延伸し,このシート上に,ヒートシー
ル性樹脂を押出ラミネート加工を行い,その後で,TD方
向へ延伸する方法等がある。
以上のようにして製造されたポリプロピレン積層フィル
ムは,格段に優れた低温ヒートシール性を有するのにも
かかわらず,透明性と滑りが良好で,ブロッキングが少
なく,耐スクラッチ性とホットタック性が良好で,しか
も溶媒抽出量が少なく,例えば食品衛生用途に適してお
り,さらに安価に製造できるという極めて大きな実用的
価値を有するものである。
なお,実施例及び比較例におけるデータ及び評価は,次
の方法に従って行ったものである。
(1) 共重合体中のα−オレフィン含量 物質収支から求めた。又,ブテン−1の含量については
更に,赤外分光光度計を用いて770cm-1の特性吸収から
常法により定量し,物質収支の結果を確認した。なお,
赤外分光光度計による測定は,プロピレン−ブテン−1
コポリマーについて,13C−NMRによる定量値により検量
線を作成し定量した。
(2) 共重合体中のエチレン含量 物質収支から求めた。さらに赤外分光光度計を用いて,7
32cm-1,720cm-1の特性吸収から常法により定量し物質収
支の結果を確認した。なお,赤外分光光度計による測定
14Cでラベルしたエチレンコポリマーの放射線測定に
よる定量値により検量線を作成し定量した。
(3) メルトインデックス(MI) ASTM−D1238に準拠 (4) ビカット軟化点(VSP) ASTM−D1525に準拠 (5) 冷キシレン可溶部(CXS) ポリマー5gをキシレン500mlに溶解し,ついで室温まで
徐冷する。ついで20℃のバス中に4時間放置した後に
過し,液を濃縮,乾固,乾燥して秤量する。
(6) 極限粘度(〔η〕) テトラリン135℃で常法により濃度を,0.4,0.2,0.133,及
び0.1g/dlと,4点変えて測定した。
(7) △Haze 共重合体の厚み100μのプレスシートを作成し,60℃で9
時間のアニール処理した後のヘイズと処理前のヘイズの
下で表わした。
(8) 溶媒抽出量 FDA §177・1520で規定されている50℃でのn−ヘキサ
ン抽出量である。
(9) 融点(Tm) 示差走査熱量計(DSC)により測定する。条件は,試料
を200℃で5分アニールした後,10℃/分の速度で冷却固
化させ,その後20℃/分の昇温速度で測定する。
融点としては,最大のピークの高さを示す温度(メイン
ピーク温度)以外にも,明確に極大値を示す温度(サブ
ピーク温度)も表わす。
(10) ヘイズ値(Haze) ASTM−D1003に準拠 (11) ヒートシール温度 フィルムのラミネート面どうしをヒートシーラーを用い
て所定の温度で2Kg/cm2 の荷重をかけ,2秒間圧着して
得た巾25mmの試料を,剥離速度200mm/分,剥離角度180
゜で剥離を行って得た剥離抵抗力が,300g/25mmのときの
温度をヒートシール温度とした。
(12) 滑り(μs/μk) ASTM−D1894に準拠 (13) ブロッキング 500g/12cm2の荷重下で,60℃,3時間処理してブロッキン
グさせた試片をせん断剥離する時の最大荷重(Kg)を求
め,Kg/12cm2単位で表示する。
(14) 耐スクラッチ性 積層フィルムのヒートシール性樹脂層を内側にして,手
で5回激しくこする。内面の傷付き度合を三段階(○,
△,×)に評価する。
<実施例> 以下,本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが,
本発明はその要旨を越えない限り,実施例に限定される
ものではない。
実施例1 (1) 固体生成物の合成 撹拌機,滴下ロートを備えた内容積500mlのフラスコを
アルゴンで置換したのち,n−ヘプタン83mlと四塩化チタ
ン16.1ml,及びテトラ−n−ブトキシチタン51.0mlをフ
ラスコに投入し,撹拌しながらフラスコ内の温度を20℃
に保った。n−ヘプタン162.1mlとジエチルアルミニウ
ムクロリド37.8mlよりなる溶液を,フラスコ内の温度を
20℃に保ちながら滴下ロートから3時間かけて徐々に滴
下した。滴下終了後50℃に昇温し,1時間撹拌した。室温
に静置して固液分離し,n−ヘプタン200mlで4回洗浄を
繰り返したのち,減圧乾燥して赤褐色の固体生成物64.7
gを得た。
(2) 予備重合処理固体の合成 撹拌機を備えた容量300mlのフラスコをアルゴン置換し
たのち,n−ヘプタン241ml,トリエチルアルミニウム0.34
g,及び前記(1)で調製した固体生成物19.7gをフラス
コに投入し,温度を50℃に保った。次に,撹拌しなが
ら,エチレンを分圧0.2Kg/cm2に保ちながら,50℃で20分
間徐々に懸濁液中に供給し,予備重合処理を行った。処
理後,固液分離しn−ヘプタン50mlで2回洗浄を繰り返
えしたのち,減圧乾燥した。予備重合量は固体生成物1g
当り,重合体が0.09gであった。
(3) 固体触媒成分の合成 内容積100mlのフラスコをアルゴン置換したのち,前記
(2)で調製した予備重合処理固体12.1gとn−ヘプタ
ン42.3mlをフラスコに投入し,フラスコ内の温度を30℃
に保った。次に,ジ−イソ−アミルエーテル14.4mlを添
加し,30℃で1時間処理したのち,75℃で四塩化チタン1
5.7mlを加え,75℃で1時間反応を行った。固液分離した
のち,n−ヘプタン50mlで4回洗浄を繰り返したのち,減
圧乾燥して固体成分を得た。さらに,内容積100mlのフ
ラスコをアルゴンで置換した後,上記固体成分9.9gとn
−ヘプタン38mlをフラスコに投入し,フラスコ内の温度
を30℃に保った。次に,ジ−イソ−アミルエーテル8.5m
lを添加し,30℃で1時間処理したのち,75℃で四塩化チ
タン11.5mlを加え,75℃で1時間反応を行った。固液分
離後,n−ヘプタン50mlで4回洗浄を繰り返したのち,減
圧乾燥して固体触媒成分を得た。
(4) 共重合(共重合体(B)) 内容積1m3の撹拌機付き流動床型反応器を用いて,プロ
ピレンとブテン−1の共重合を行った。まず,反応器に
触媒分散用のプロピレン−ブテン−1共重合体粒子を60
Kg供給し,ついで反応器を窒素で置換し,ついでプロピ
レンで置換した。プロピレンで5Kg/cm2Gまで昇圧し,80m
3/hrの流量で循環ガスを反応器下部より供給し,重合体
粒子を流動状態に保ち,ついで次に示す触媒を反応器に
供給した。触媒成分(b),(c)はヘプタンで希釈し
た溶液を用いた。
(a) 固体触媒成分 21g (b) ジエチルアルミニウムクロリド 156g (c) トリエチルアルミニウム 22g (d) メチルメタアクリレート 15g ついで水素濃度1.7vol%,ブテン−1 29vol%になるよ
うに水素,プロピレン,ブテン−1を供給し,10Kg/cm2G
まで昇圧し,流動床の温度を70℃に調節して重合を開始
した。重合中は水素,ブテン−1の濃度,及び圧力を一
定に保つように,水素,プロピレン,ブテン−1を供給
した。重合量が75Kgに達したところで,反応器に重合体
粒子を次の重合の触媒分散用に60Kg残留せしめ,残りの
重合体粒子を撹拌混合槽に移送し,プロピレンオキシド
210gとメタノール100gを添加して,80℃で30分処理し
た。ついで乾燥して白色粉末状重合体を得た。同じ重合
を3回繰り返して行い,最後に得た重合体(共重合体
(B))について物性を測定した。ブテン−1含有量は
20.3モル%,CXSは23.9%,△Hazeは0.9%,溶媒抽出量
は7.3%,極限粘度は1.8dl/gであった。
(5) 組成物調製 共重合体(A) 住友ノーブレン RW160(WF816Cのベースパウダー)を
使用した。RW160のエチレン含有量は4.8wt%であり,ビ
カット軟化点は118℃であり,メルトインデックスは8.8
g/10分であり,CXSは4.3%であった。
高結晶性ポリプロピレン(C) 住友ノーブレン HS200A(FS2055Cのベースパウダー)
を使用した。HS200Aの融点は161℃であり,メルトイン
デックスは1.8g/10分であり,CXSは2.8%であった。
上記共重合体(A)65wt%,(4)で得られた共重合体
(B)30wt%,上記高結晶性ポリプロピレン(C)5wt
%とを65φ押出機で,均一溶融ブレンド行った。なお,
酸化防止剤としてBHTを0.2PHR,ブロッキング防止剤とし
てシリカを0.2PHR,滑剤としてステアリン酸アミドを0.2
PHR添加した。
(6) ラミネートと延伸処理 (5)で得られた組成物をプレス成形法により,ホモポ
リプロピレンの500μ厚みのシートに組成物層の厚さが1
00μになるようにラミネートした。(積層シートの厚さ
は600μ) 次に該積層シートから90角の試料を採取して,以下の条
件で2軸延伸フィルムを得た。
延伸機:東洋精機製卓上2軸延伸機 温度:150℃ 予熱時間:3分 延伸倍率:MD5倍,TD5倍 延伸速度:5m/分 上記で得た約24μ厚の積層延伸フィルムの物性を第1表
に示す。この積層延伸フィルムは,極めてヒートシール
温度が低いのにもかかわらず,透明性,滑り,耐ブロッ
キング性,耐スクラッチ性などが優れたものであった。
実施例2,3,4 実施例1で使用した共重合体(A),共重合体(B),
高結晶性ポリプロピレン(C)と同一のものを使用し
て,組成物調製における配合割合を変えた他は実施例1
と同一の条件で積層延伸フィルムを得た。配合割合は,
第1表に示した。
これらの積層延伸フィルムは実施例1と同様にに良好な
特性を有するものであった。
実施例5 (1) 共重合体(B)の重合 実施例1で使用した触媒系を使用して,ブテン−1の仕
込量などを変えた他は,実施例1と同一の重合条件で共
重合体を得た。得られた共重合体(B)のブテン−1含
有量は15.8モル%,CXSは19.5wt%,△Hazeは0.4%,溶
媒抽出量は6.2%,極限粘度数は1.8dl/gであった。
(2) 組成物の調製及び積層フィルムの作製 共重合体(A) 住友ノーブレン FL6711Nを使用した。FL6711Nのエチレ
ン含有量は6.2wt%,ビカット軟化点は109℃,メルトイ
ンデックスは5.5g/10分,CXSは9.5wt%であった。
高結晶性ポリプロピレン(C) 実施例1と同一のものを使用した。
上記共重合体(A)15wt%,(1)で得られた共重合体
(B)75wt%,上記高結晶性ポリプロピレン(C)10wt
%なる配合割合とした他は,実施例1と同一の条件で積
層延伸フィルムを得た。この積層延伸フィルムは実施例
1と同様に良好な特性を有するものであった。
実施例6 実施例5で使用した共重合体(A),共重合体(B),
高結晶性ポリプロピレン(C)と同一のものを使用し
て,組成物調製における配合割合を変えた他は実施例1
と同一の条件で積層延伸フィルムを得た。配合割合は第
1表に示した。
この積層延伸フィルムは,実施例1と同様に良好な特性
を有するものであった。
実施例7 (1) 共重合体(B)の重合 実施例1で使用した触媒系を使用して,ブテン−1の仕
込量変更と,重合圧力を7Kg/cm2Gに変更した他は,実施
例1と同一の重合条件で共重合体を得た。得られた共重
合体(B)のブテン−1含有量は25.1モル%,CXSは35.1
wt%,△Hazeは1.6%,溶媒抽出量は15.5%,極限粘度
数は2.0dl/gであった。
(2) 組成物の調製及び積層フィルムの作製 共重合体(A) 実施例1と同一のものを使用した。
高結晶性ポリプロピレン(C) 実施例1と同一のものを使用した。
上記共重合体(A)81wt%,(1)で得られた共重合体
(B)15wt%,上記高結晶性ポリプロピレン(C)4wt
%なる配合割合とした他は,実施例1と同一の条件で積
層延伸フィルムを得た。この積層延伸フィルムは実施例
1と同様に良好な特性を有するものであった。
実施例8 (1) 共重合体(B)の重合 実施例1で使用した触媒系において,トリエチルアルミ
ニウムを除くのと,メチルメタアクリレートの量を8gに
減少させた他は同一の触媒系を使用して,ブテン−1の
仕込量変更と新たにエチレンを導入した他は,実施例1
と同一の重合条件で共重合体を得た。得られた共重合体
(B)のブテン−1含有量は16.1モル%,エチレン含有
量は2.0モル%,CXSは24.5wt%,△Hazeは1.3%,溶媒抽
出量は12.5%,極限粘度数は2.0dl/gであった。
(2) 組成物の調整及び積層フィルムの作製 共重合体(A) 実施例1と同一のものを使用した。
高結晶性ポリプロピレン(C) 実施例1と同一のものを使用した。
上記共重合体(A)65wt%,(1)で得られた共重合体
(B)30wt%,上記高結晶性ポリプロピレン(C)5wt
%なる配合割合とした他は,実施例1と同一の条件で積
層延伸フィルムを得た。この積層延伸フィルムは実施例
1と同様に良好な特性を有するものであった。
比較例1 実施例1で使用した共重合体(A),共重合体(B)と
同一のものを使用して,組成物調製における配合割合を
変えた他は,実施例1と同一の条件で積層延伸フィルム
を得た。配合割合は第1表に示した。
この組成物は,溶媒抽出量が小さいのに,その積層延伸
フィルムは透明性と低温ヒートシー性と耐スクラッチ性
が良好であり,従来の公知技術にはないものであるが,
滑りと耐ブロッキング性などが悪く,本発明の目的にも
そわないものである。実施例1と比較した場合,高結晶
性ポリプロピレン(C)の微少添加は,透明性と低温ヒ
ートシール性にほとんど悪影響を及ぼさず,極めて顕著
に滑りと耐ブロッキング性などの特性を改良できること
が判る。
比較例2 実施例1で使用した共重合体(A),共重合体(B),
高結晶性ポリプロピレン(C)と同一のものを使用し
て,組成物調製における配合割合を変えた他は,実施例
1と同一の条件で積層延伸フィルムを得た。配合割合は
第1表に示した。この積層フィルムは,低温ヒートシー
ル性に関し,やや不満足である上に,透明性が不良で好
ましくない。
比較例3 (1) 組成物の調製及び積層フィルムの作製 共重合体(A) 住友ノーブレン RW140(FL6411のベースパウダー)を
使用した。RW140のエチレン含有量は3.7wt%であり,ビ
カット軟化点は125℃であり,メルトインデックスは8.3
g/10分であり,CXSは3.8%である。
共重合体(B),高結晶性ポリプロピレン(C)実
施例1と同一のものを使用した。
上記共重合体(A)75wt%,上記共重合体(B)20wt
%,上記高結晶性ポリプロピレン(C)5wt%なる配合
割合とした他は,実施例1と同一の条件で積層延伸フィ
ルムを得た。この積層延伸フィルムは実施例2と比較し
た場合,極めて低温ヒートシール性が悪いことが判る。
このことは共重合体(A)の選択に当り,本発明で規定
した範囲は極めて特異的な効果を発現しうることが判
る。
比較例4 (1) 組成物の調製及び積層フィルムの作製 共重合体(A) 住友ノーブレン RW120(FA8211のベースパウダー)を
使用した。RW120のエチレン含有量は2.3wt%であり,ビ
カット軟化点は137℃であり,メルトインデックスは9.1
g/10分であり,CXSは3.2%である。
共重合体(B) 三井石油化学製タフマー XR110Tなるプロピレン−ブテ
ン−1ランダム共重合体を使用した。タフマー XR110T
のブテン−1含有量は26.5モル%,CXSは62wt%,△Haze
は2.5%,溶媒抽出量は69wt%,極限粘度数は1.8dl/gで
ある。
上記共重合体(A)40wt%,上記共重合体(B)60wt%
なる配合割合とした他は,実施例1と同一の条件で積層
延伸フィルムを得た。この積層延伸フィルムは,低温ヒ
ートシール性こそ満足のいくものではあるが,滑り,耐
ブロッキング性,耐スクラッチ性が悪く,しかも組成物
として,溶媒抽出量が大きく,好ましくないものであ
る。
比較例5 (1) 組成物の調製及び積層フィルムの作製 共重合体(A),共重合体(B) 実施例1と同一のものを使用した。
上記共重合体(A)95wt%,上記共重合体(B)5wt%
なる配合割合とした他は,実施例1と同一の条件で積層
延伸フィルムを得た。この積層延伸フィルムは,滑りと
低温ヒートシール性が悪く,好ましくない。
比較例6 (1) 組成物の調製及び積層フィルムの作製 共重合体(A) 実施例1と同一のものを使用した。
共重合体(B) n−ヘプタンを溶媒とするスラリー重合法で得られたも
ので,n−ヘプタンに溶解する成分が除去されているプロ
ピレン−ブテン−1共重合体であり,ブテン−1含有量
は15.1モル%,CXSは10.1wt%,△Haze0.5%,溶媒抽出
量は3.0wt%,極限粘度数は1.9dl/gである。
上記共重合体(A)70wt%,上記共重合体(B)30wt%
なる配合割合とした他は,実施例1と同一の条件で積層
延伸フィルムを得た。この積層延伸フィルムは,滑り,
耐ブロッキング性,低温ヒートシール性が悪く,好まし
くない。
比較例7 実施例5で使用した共重合体(B)そのものを使用し
て,実施例1と同一の条件で積層延伸フィルムを得た。
この積層フィルムは,滑りと耐ブロッキング性が悪く,
しかも溶媒抽出量が大きく,本発明の目的にそわないも
のである。
比較例8 実施例1で使用した共重合体(A)そのものを使用し
て,実施例1と同一の条件で,積層延伸フィルムを得
た。この積層延伸フィルムは,低温ヒートシール性が極
めて悪いものであった。
<発明の効果> 本発明によって,低温ヒートシール性が格段に優れ,か
つ透明性,滑り性,耐ブロッキング性,耐スクラッチ
性,ホットタック性が優れ,しかも溶媒抽出量の少ない
積層フィルムが得られた。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】結晶性ポリプロピレン層の少なくとも片面
    上に,下記三成分(A),(B),(C)を,(A)10
    〜90wt%,(B)10〜90wt%,(C)1〜15wt%なる割
    合でブレンドした樹脂組成物を積層してなるポリプロピ
    レン積層フィルム。 (A) プロピレン−ランダム共重合体で下記の条件
    〜を満足するもの コモノマー含有量が,4〜15wt% ビカット軟化点が,122℃以下 冷キシレン可溶部が,15wt%以下 (B) プロピレンと炭素数4以上のα−オレフィン,
    又はプロピレンと炭素数4以上のα−オレフィンとエチ
    レンとの共重合体で下記の条件〜を満足するもの 炭素数4以上のα−オレフィン含有量が,8〜35モル
    % エチレン含有量が,3モル%以下 冷キシレン可溶部が,15〜70wt% △Hazeが,5%以下 (C) 高結晶性ポリプロピレンで下記の条件を満足
    するもの 融点が,150℃以上
  2. 【請求項2】成分(B)の溶媒抽出量が40wt%以下であ
    る特許請求の範囲第1項記載のポリプロピレン積層フィ
    ルム。
  3. 【請求項3】DSCによる融解曲線において,メインピー
    クが127〜147℃の間にあり,しかもサブピークが95〜12
    7℃の間と147〜160℃の間に各々存在する樹脂組成物を
    積層してなる特許請求の範囲第1項又は第2項記載のポ
    リプロピレン積層フィルム。
  4. 【請求項4】樹脂組成物が少なくとも一軸方向に延伸さ
    れてなる特許請求の範囲第1項,第2項又は第3項記載
    のポリプロピレン積層フィルム。
JP16450586A 1986-07-11 1986-07-11 ポリプロピレン積層フイルム Expired - Fee Related JPH07371B2 (ja)

Priority Applications (9)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16450586A JPH07371B2 (ja) 1986-07-11 1986-07-11 ポリプロピレン積層フイルム
US07/069,223 US4786562A (en) 1986-07-11 1987-07-02 Polypropylene multi-layer film
DE8787305999T DE3773554D1 (de) 1986-07-11 1987-07-07 Mehrschichtige polypropylenfilme.
EP19870305999 EP0252718B1 (en) 1986-07-11 1987-07-07 Multi-layer polypropylene films
HU873164A HU209701B (en) 1986-07-11 1987-07-10 A polypropilene multilayer film
KR1019870007456A KR950010644B1 (ko) 1986-07-11 1987-07-10 폴리프로필렌 다층 필름
PH35520A PH24095A (en) 1986-07-11 1987-07-10 A polypropylene multi-layer film
SG129492A SG129492G (en) 1986-07-11 1992-12-19 Multi-layer polypropylene films
HK29393A HK29393A (en) 1986-07-11 1993-03-25 Multi-layer polypropylene films

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16450586A JPH07371B2 (ja) 1986-07-11 1986-07-11 ポリプロピレン積層フイルム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6319255A JPS6319255A (ja) 1988-01-27
JPH07371B2 true JPH07371B2 (ja) 1995-01-11

Family

ID=15794434

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16450586A Expired - Fee Related JPH07371B2 (ja) 1986-07-11 1986-07-11 ポリプロピレン積層フイルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07371B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002100738A1 (en) * 2001-06-07 2002-12-19 Mitsubishi Chemical Corporation Duplex container

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TW221700B (ja) * 1990-11-01 1994-03-11 Himont Inc
TW212771B (ja) * 1991-09-20 1993-09-11 Ube Reikisen Kk
JPH07110258B2 (ja) * 1992-11-11 1995-11-29 千葉真知子クッキングスタジオ有限会社 電子レンジ用炊飯器
JPH09156052A (ja) * 1995-12-11 1997-06-17 Tokuyama Corp 積層フィルム
SG107138A1 (en) 2002-03-29 2004-11-29 Sumitomo Chemical Co Polypropylene resin composition and film
JP4453432B2 (ja) * 2004-05-06 2010-04-21 住友化学株式会社 二軸延伸多層ポリプロピレンフィルム
JP4581475B2 (ja) * 2004-05-06 2010-11-17 住友化学株式会社 二軸延伸多層ポリプロピレンフィルムの製造方法
KR20080039962A (ko) * 2005-08-02 2008-05-07 미쓰이 가가쿠 가부시키가이샤 폴리프로필렌 수지 조성물, 필름 또는 시트, 이 필름 또는시트로부터 얻어지는 연신 필름, 적층체 및 이적층체로부터 얻어지는 연신 필름
JP7119709B2 (ja) * 2017-07-26 2022-08-17 凸版印刷株式会社 積層延伸フィルム、化粧シート用基材、化粧シート及び化粧板
JP2022083825A (ja) 2020-11-25 2022-06-06 住友化学株式会社 プロピレン重合体組成物、および、フィルム

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002100738A1 (en) * 2001-06-07 2002-12-19 Mitsubishi Chemical Corporation Duplex container

Also Published As

Publication number Publication date
JPS6319255A (ja) 1988-01-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR950010644B1 (ko) 폴리프로필렌 다층 필름
US7732027B2 (en) Polypropylene film and laminated material thereof
EP0146968B1 (en) A laminated polypropylene film
CA2234093C (en) Propylene/1-butene random copolymer composition and composite film using the same
EP0679686B1 (en) Polypropylene composition for laminated and oriented film and laminated and oriented film thereof
JPH07371B2 (ja) ポリプロピレン積層フイルム
EP0719829B1 (en) Polypropylene composition and laminated and oriented film therefrom
US5773129A (en) Polypropylene laminated film
JP2819996B2 (ja) ポリプロピレン積層フィルム
JP3228106B2 (ja) 積層延伸フィルム用ポリプロピレン組成物及び積層延伸フィルム
JP3175526B2 (ja) 積層延伸フィルム用ポリプロピレン組成物及び積層延伸フィルム
US6106938A (en) Polypropylene composition and laminated and oriented film therefrom
JP2533321B2 (ja) ポリプロピレン積層フィルム
JPS61213244A (ja) 包装フイルム
JP3397095B2 (ja) 高透明性フィルム及びその製造方法
JPS61169246A (ja) ポリプロピレン積層フイルム
JP4759235B2 (ja) ポリプロピレン系積層フィルム
JP3070419B2 (ja) ポリプロピレン積層フィルム
JPS5922946A (ja) フイルム成形用高品質エチレン−αオレフイン共重合体系樹脂組成物およびその製造法
JPS6184242A (ja) ポリプロピレン多層フイルム
EP1366117A1 (en) Compositions based on random propylene copolymers, process for their manufacture, and heat-sealable multilayer sheets comprising them
JPS60123544A (ja) ラミネ−ト用エチレン系重合体組成物
JPS6251287B2 (ja)
JPH0759655B2 (ja) 収縮包装用フイルム

Legal Events

Date Code Title Description
S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R370 Written measure of declining of transfer procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370

R370 Written measure of declining of transfer procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees