JP7119709B2 - 積層延伸フィルム、化粧シート用基材、化粧シート及び化粧板 - Google Patents

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Description

本発明は、積層延伸フィルム、化粧シート用基材、化粧シート及び化粧板に関する。特に建築内装材、建具の表面材、家電製品の表面材などに用いられる化粧シートに好適な技術である。
建築内装材や建具の表面などに用いられる化粧シートにおいて、特に、公共用用途に用いられる化粧シートについては、建築基準法施行令第108条の2第1号および第2号に記載の不燃材料の技術的基準を満たすことが求められている。従来は、このような不燃材料の技術的基準を満たす化粧シートとして、軟質ポリ塩化ビニル系樹脂を用いたものが用いられてきた。しかしながら、軟質ポリ塩化ビニル系樹脂を用いた化粧シートは、廃棄後の焼却処理時に有毒ガス等が発生することなどの問題があった。
このため、ポリ塩化ビニル系樹脂に替わり、ポリオレフィン系樹脂を用いた化粧シートが提案されている。しかし、ポリオレフィン系樹脂を用いた場合には、燃焼時の有毒ガス等の発生は抑制されるものの、ポリオレフィン系樹脂が燃焼性に優れた性質を有しているために、不燃材料の技術的基準を満たすことが困難であった。
上述した法令に記載された不燃材料の技術的基準を満たすポリオレフィン系樹脂を用いたシートとしては、例えば特許文献1、2に記載されているシートがある。その特許文献1、2には、炭酸カルシウムなどの無機フィラーを配合したポリオレフィン系樹脂層を用いた構造体が開示されている。
特開2013-010931号公報 特開2011-122293号公報
ここで、上記のような不燃材料の技術的基準を満たすポリオレフィン系樹脂からなる化粧シートを得る方法として、例えば、化粧シートの基材を薄膜化する方法が挙げられる。また、一般に、化粧シートに意匠性を付与するためには、基材の表面に印刷層を設けることが行われる。このとき、基材を印刷機に投入する際、印刷位置のズレの発生を抑制するために、基材に十分な機械的引っ張り強度が要求される。
このとき、化粧シート用基材として1軸延伸又は2軸延伸を施した延伸フィルムを採用すれば、化粧シート用基材が薄膜化して化粧シートの不燃性を高めると同時に、化粧シート用基材、更には化粧シートの機械強度を高めることが可能となる。
しかしながら、基材に延伸処理を施すと基材を構成する基材層の配向結晶化により、基材を構成する各基材層の凝集力が低下する。すなわち、最表の表面層を構成する基材層の凝集力が低下することとなる。基材表面の凝集力が低下すると、基材上に印刷層を介して形成(積層)した透明樹脂層と当該基材との剥離試験力で表現される剥離強度が大幅に低下してしまう、という問題がある。
このとき、表層の配向結晶化を抑制することで、配向に由来する基材の凝集力が改善し、透明樹脂層と基材との剥離強度を向上させることができる。しかし、表層の配向結晶化を抑制することで、化粧シート用基材としての機械強度が低下してしまうおそれがある。
こうした剥離強度の改善と延伸による強度向上との両立は、基材の機械強度と耐久性を両立した化粧シートを得る上で課題となる。
本発明は、上述のような点に着目してなされたもので、基材の基材強度と耐久性を両立した化粧シートを提供することを目的とする。
ここで、配向が高くなることで基材の凝集力が低くなるとき、配向分子が繊維状となり、繊維同士の凝集力が低下する。このため、剥離試験時に基材表層が壁開し易くなり、透明樹脂層と当該基材との剥離強度が低下してしまうと考えられる。しかし、配向結晶化を抑制するために基材樹脂の結晶化度を抑制し過ぎると、基材表層の結晶化度に由来する凝集力が低下することで、透明樹脂層と基材との剥離試験において基材表層の凝集破壊が発生し、結果として剥離強度が低下してしまう。結晶化度が低くなることで基材の凝集力が低下するとは、基材が軟らかくなり、透明樹脂層と基材との剥離試験に際し、基材表層が基材の厚さ方向に変形し易くなることを指す。そして、基材表層が変形し易いと、弱い剥離試験力で容易に基材表層が引きちぎれてしまう。
一方、基材表層の結晶化度が高くなり過ぎると、基材が脆化するため、剥離試験の際に、結晶粒界から容易に破壊されてしまい、剥離強度が低下してしまうと考えられる。
このような観点から、発明者は、適度な基材強度を確保しつつ、高い剥離強度を得るために、適切な結晶化度及び配向度について検討した。そして、こうした結晶化度由来と配向度由来の凝集力を両立させ、つまり、基材表層における配向に由来する凝集力と結晶化度に由来する凝集力を両立させることで、十分な剥離強度とすると共に、高強度な基材を有する化粧シートとなる、結晶化度及び配向係数の範囲を検討した。そして、発明者は、基材を樹脂材料の主成分がポリプロピレン系樹脂からなる複数の基材層で構成すると共に、各基材層のそれぞれの結晶化度と配向度の範囲を種々調整することで、基材強度と耐久性を両立することが出来るとの知見を得た。
そして、課題を解決するために、本発明の一態様の積層延伸フィルムは、1軸もしくは2軸の積層延伸フィルムであって、樹脂材料の主成分がポリプロピレン系樹脂からなる複数の層を有し、上記複数の層のうち、最表面に位置する第一層を表面層と定義し、上記複数の層のうちの表面層以外の層をコア層と定義したときに、上記表面層は、結晶化度が30%以上65%未満、ラマン分光法での配向係数が6.0未満であり、上記コア層は、結晶化度が43%以上、ラマン分光法での配向係数が2.0以上であることを要旨とする。
また、本発明の一態様に係る化粧シートは、一態様の積層延伸フィルムを化粧シート用基材とし、その化粧シート用基材の第一層側の面に形成されたポリオレフィン系樹脂を含む一層又は複数層の透明樹脂層とを備える。
ここで、結晶化度としては、IR分光法又はラマン分光法で測定した値を採用すればよい。なお、IR分光法又はラマン分光法での測定は、測定原理によって取得する情報が異なるため、測定値にずれが生じる可能性がある。好ましくはIR分光法の測定値を採用する。
本発明の一態様によれば、例えば透明樹脂層と当該基材との剥離試験力で評価できる剥離強度(層間密着力)と、基材強度を両立した化粧シートを得ることができる。すなわち、化粧シート用基材として本発明の延伸フィルムを適用することで、基材の薄膜化と機械強度を同時に備えることができる。
このとき、フィルムに延伸を施すと、基材としてのフィルム表面の配向結晶化が進むことで、基材の凝集力が低下し、インキと基材表面との剥離強度が低下するおそれがある。これに対し、本発明の一態様によれば、延伸フィルムを構成する熱可塑性樹脂の層(ポリプロピレンの層)を複層化し、表面層について配向係数を6.0未満とすると共に結晶化度を30%以上65%未満とし、その下層に位置するコア層は結晶化度43%以上とすると共に配向係数を2.0以上とすることで、基材と透明樹脂層との剥離強度を維持すると共に、基材の機械強度の向上を可能とする。また延伸によって基材を薄膜化できるので、不燃性を高めることも可能となる。
また、表面層を基材の最下層に適用する場合は、基材と、基材の下面に形成するプライマー層との間の剥離強度を改善することができる。
ここで、結晶化度の測定には、X線回折法、IR分光法、ラマン分光法などがある。
本明細書では、結晶化度はIR分光法又はラマン分光法で測定した値とする。好ましくは、結晶化度はIR分光法で測定した値とする。
まず、IR分光法による結晶化度の測定について説明する。
IR分光法によってポリプロピレン系樹脂のフィルム表面の結晶化度を測定するためには、998cm-1 、973cm-1、および938cm-1の各ピークを測定する。そして、P998、P973、P938をそれぞれ、998cm-1、973cm-1、938cm-1のピーク強度としたときに、以下の式で結晶化度を求める。
Figure 0007119709000001
次に、ラマン分光法による結晶化度の測定について説明する。
ラマン分光法によってポリプロピレンフィルム表面の結晶化度を測定するためには、808cm-1 、841cm-1 および、830cm-1 の各ピークを測定する。そして、S808を808cm-1のピーク面積とし、S841を841cm-1 のピーク面積とし、S830を830cm-1のピーク面積としたときに、以下の式で結晶化度を求める。
Figure 0007119709000002
また、本明細書では配向係数はラマン分光法で求めた値とする。
そのラマン分光法による配向係数について説明する。
ラマン分光法によってポリプロピレンフィルム表面の配向係数を測定するためには、偏光フィルタを用いてラマン散乱光を検光する。ここで、配向係数の値は以下の式で表す。
Figure 0007119709000003
ここで、S808平行およびS841平行を、偏光方向と延伸方向が平行なときの808cm-1のピーク面積および841cm-1 のピーク面積とする。また、S808垂直を、偏光方向と延伸方向が垂直なときの808cm-1のピーク面積とする。S841垂直を、偏光方向と延伸方向が垂直なときの841cm-1 のピーク面積とする。
本発明の実施形態に係る化粧シートの一構成例を示す断面図である。
本発明の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。
ここで、図1に示す構成は模式的なものであり、厚さと平面寸法との関係、各層の厚さの比率等は現実のものとは異なる。また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造等が下記のものに限定されるものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
図1は、本実施形態に係る化粧シート1の構成を示す断面図である。化粧シート1は、複数の熱可塑性樹脂の層を含む積層体からなる化粧シート用基材6(以下、基材6とも記載する)を有し、その基材6の一方の面(表面)上に、印刷層5、接着剤層4、透明樹脂層3及び表面保護層2がこの順に形成されている。また、化粧シート1は、基材6の他方の面(裏面)上には、隠蔽層7及びプライマー層8が設けられている。基材6の裏面は最下面とも呼ぶ。
ここで、基材6は、n個(nは、2以上の任意の正の整数)の基材層の積層体からなる。すなわち、基材6は、最表面となる第一の基材層6-1(以下、表面層6-1と記載する)と、表面層6-1とは異なる第二の基材層6-2から第nの基材層6-nのうちの少なくとも一層とを備えている。第二の基材層6-2から第nの基材層6-nを、他の層6-2~6-n,又はコア層6-2~6-nとも記載する。また、基材6が、表面層6-1及び第二の基材層6-2の2層からなる場合には、第二の基材層6-2の裏面が基材6の他方の面となる。
なお、隠蔽層7は、基材6と印刷層5との間に形成しても良いし、省略しても構わない。特に本実施形態では、後述するように基材6に無機顔料を混合するため、隠蔽層7は省略しても意匠上問題はない。基材6に混合する顔料を少なく抑える場合には、必要に応じて隠蔽層7を設けることが好ましい。
化粧シート1の厚さは、例えば49μm以上360μm以下の範囲内とすることが好ましい。化粧シート1の厚さがこの範囲である場合、化粧シート1を製造する際の印刷作業性が向上するとともに、製造コストを抑制することができる。
このような化粧シート1は、プライマー層8側の面(裏面)を、例えば木質基材等からなる基材板9に貼り付けることで、化粧板を構成する。
以下、化粧シート1の各部について、詳細に説明する。
<基材>
本実施形態の基材6は、1軸延伸又は2軸延伸により薄膜化された積層延伸フィルムからなる。
基材6は、延伸することで不燃性が向上している。基材6の厚さは、20μm以上60μm未満であることが好ましく、20μm以上40μm以下であることがより好ましい。基材6の厚さが20μm以上60μm未満の範囲である場合、化粧シート1の不燃性と機械特性(機械強度)とを両立することができる。また、基材6の厚さが20μm以上40μm以下の範囲である場合、不燃性がさらに向上するためより好ましい。
基材6の不燃性は、金属板や無機質材などからなる不燃性基材(不図示)と貼り合わせた状態でISO5660-1に準拠したコーンカロリーメータ試験機による発熱性試験において、建築基準法施行令第108条の2第1号および第2号に記載の要件を満たすだけの不燃性を有することが好ましい。後述の実施例のように、建築基準法施行令第108条の2第1号および第2号に記載の要件を満たすだけの不燃性を付与することは可能である。
上述のように基材6は2以上の基材層の積層体として構成され、各基材層を構成する層は樹脂材料により形成される。その基材層を構成する樹脂材料の主成分として、熱可塑性樹脂であるポリプロピレン系樹脂を含んでいる。本明細書で主成分とは、例えば、層を構成する樹脂材料を100質量部として、そのうちの70質量部以上100質量部以下、好ましくは90質量部以上100質量部以下含まれる樹脂材料をいう。
(基材6の結晶化度)
[表面層]
基材6の表面を形成する表面層6-1は、樹脂のIR分光法で得られる結晶化度が30%以上65%未満、かつラマン分光法によって得られる配向係数が6.0未満となっている基材6の表面を形成する表面層6-1は、樹脂のラマン分光法で得られる結晶化度が30%以上65%未満、かつラマン分光法によって得られる配向係数を6.0未満となっていても良い。
表面層6-1の樹脂の配向係数を6.0未満とすることで、基材6表面と印刷層との剥離強度を実用可能な適切な値に維持できる。また、結晶化度を30%以上とすることによって、剥離試験時の基材凝集破壊を抑制し、十分な剥離強度を得ることができる。
ここで、配向係数が6.0以上の場合、基材6表層の配向由来の凝集力が低下することで、十分な剥離強度を得ることができない可能性がある。特に、表面層6-1の配向係数が低いほど印刷層と表面層6-1との密着性が向上するため、配向係数は3.0以下であることが好ましい。
また、結晶化度が30%未満では、結晶化度に由来する凝集力の低下によって、剥離試験時の基材表面層凝集破壊により、十分な剥離強度を得ることができない可能性がある。また、結晶化度が65%以上では、剥離試験の際にクラックによる凝集破壊が発生し易くなるおそれがあるため、65%未満が好ましい。このように、基材6の表面層6-1の凝集力低下を抑制する目的から、表面層6-1の配向係数を6.0未満、好ましくは3.0以下としている。また、表面層6-1の凝集力を維持する目的から、表面層6-1の結晶化度は30%以上65%未満としている。
ここで、基材6の最下層はプライマー層と接するため、基材6の最下層6-nを表面層6-1と同様な構成とすることによって、基材6とプライマー層との剥離強度も改善することができる。
[コア層]
また、基材層における表面層6-1以外の他の層6-2~6-nは、結晶化度を43%以上、配向係数を2.0以上とする。他の層6-2~6-nをコア層と定義すると、コア層6-2~6-nの結晶化度を43%以上、配向係数を2.0以上とすることによって、基材6は、適切な機械強度を得ることができる。結晶化度はIR分光法で得られる測定値が好ましい。但し、結晶化度はラマン分光法で得られる測定値でもよい。
これによって、延伸による基材の基材強度の向上効果を維持したまま、基材6表面と透明樹脂層3との剥離強度を改善できる。なお、最下層6-nも表面層6-1と同じ構成の層とする場合は、延伸によって基材6の機械強度を向上しつつ、プライマー層と基材6との剥離強度も改善することができる。
ここで、コア層6-2~6-nの結晶化度が高すぎると、配向方向への引裂強度が低下するおそれがある。このため、コア層6-2~6-nの結晶化度は70%以下が好ましい。またコア層6-2~6-nの結晶化度が43%未満の場合は、延伸による機械強度向上の効果を得ることが難しくなるおそれがある。
また、コア層6-2~6-nの配向係数が高すぎる場合も配向方向への引裂強度が低下するおそれがあるため、コア層6-2~6-nの配向係数は12.0以下が好ましい。より好ましくはコア層6-2~6-nの配向係数は10.0以下である。また、コア層6-2~6-nの配向係数が2.0未満の場合は、延伸による機械強度向上の効果を得ることが難しくなるおそれがある。
また、結晶化が進行し難いポリプロピレンとしては、メソペンタッド分率で表現できる立体規則性が比較的低いポリプロピレンやエチレンの共重合によって付与されるポリプロピレン主鎖におけるエチレン含有量の値が高いポリプロピレンが例示できる。すなわち、立体規則性が低かったり、エチレンの共重合によって付与されるポリプロピレン主鎖におけるエチレン含有量の値が高かったりするほど、延伸工程を経ても結晶化が進行し難い。この結晶化が進行し難いポリプロピレンを適宜、基材層に配合することで、結晶化度を目的の範囲に調整した基材層とすることが可能となる。
表面層6-1の結晶化度が30%以上、かつ配向係数が6.0未満であり、コア層6-2~6-nの結晶化度を43%以上、配向係数を2.0以上とするには、例えば、表面層6-1にエチレン含有量が4%以上であるポリプロピレンを80%配合し、コア層6-2~6-nにはホモポリプロピレンを用いて構成することで実現される。また、表面層6-1の結晶化度が30%以上、かつ配向係数が6.0未満であり、コア層6-2~6-nの結晶化度を43%以上、配向係数を2.0以上とするには、例えば、表面層6-1に立体規則性が低く、メソペンタッド分率が55%であるポリプロピレンを配合し、コア層6-2~6-nにはホモポリプロピレンを用いて構成することで実現される。
(樹脂材料)
上述のように、表面層6-1及びコア層6-2~6-nとなる各基材層を構成する樹脂材料の主成分は、ポリプロピレン系樹脂である。
ポリプロピレン系樹脂としては、ポリプロピレンに、αオレフィンを単独、あるいは2種類以上共重合させたものが挙げられる。αオレフィンとしては、例えば、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデセン、トリデセン、1-テトラデセン、1-ペンタデセン、1-ヘキサデセン、1-ヘプタデセン、1-オクタデセン、1-ノナデセン、1-エイコセン、3-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ペンテン、3-エチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ペンテン、4-エチル-1-ヘキセン、3-エチル-1-ヘキセン、9-メチル-1-デセン、11-メチル-1-ドデセン、12-エチル-1-テトラデセンなどが例示出来る。
基材6の引っ張り弾性率の向上を図る場合には、高結晶性のポリプロピレンを用いることが好ましい。
(軟質材)
表面層6-1は、延伸後の結晶化度を低減するために、結晶性の低い樹脂材料を軟質材として含んでいることが望ましい。
軟質材の第1の例としては、ポリプロピレンのαオレフィンコポリマであるプロピレン-αオレフィン共重合体からなるポリプロピレン系樹脂が例示できる。プロピレン-αオレフィン共重合体は、プロピレンに直鎖オレフィンからなるαオレフィンを共重合することによって作製されるポリプロピレン系樹脂である。直鎖オレフィンからなるαオレフィンとしては、エチレン、ブテン、ペンテンなどが例示できる。このプロピレン-αオレフィン共重合体からなるポリプロピレン系樹脂は、ホモポリプロピレンに比べて融点を下げたポリプロピレン系樹脂である。
ここで、プロピレン-αオレフィン共重合体からなるポリプロピレン系樹脂における、αオレフィンの共重合比率としては3%以上16%未満(プロピレン-αオレフィン共重合体であるポリプロピレン系樹脂100質量部に対し、αオレフィンの含有量を3質量部以上16質量部未満含有)であることが好ましい。
共重合比率が16%以上では、結晶化度が低くなり過ぎることで、表面層6-1の凝集力が低下し、必要な剥離強度が得られないおそれがある。また、共重合比率が3%未満の場合、表面層6-1の配向度が高くなり過ぎて、表面層6-1の凝集力が低下し、必要な剥離強度が得られないおそれがある。
また、軟質材の第2の例としては、ポリプロピレン系樹脂の立体規則性を下げることによって、アイソタクティックなホモポリプロピレンに比べて融点を下げたポリプロピレン系樹脂が例示できる。ここで、立体規則性は、メソペンタッド分率で表現できる。この軟質材の立体規則性を表すメソペンタッド分率としては、30%以上75%未満であることが望ましい。メソペンタッド分率が30%未満では、結晶化度が低くなり過ぎることで、表面層6-1の凝集力が低下し、必要な剥離強度が得られないおそれがある。また、メソペンタッド分率が75%以上の場合、表面層6-1の配向度が高くなり過ぎるため、表面層6-1の凝集力が低下し、必要な剥離強度が得られないおそれがある。
以上例示したような軟質材を適宜配合することで、確実に、表面層6-1の延伸後の結晶化度を30%以上65%未満に調整することができる。
表面層6-1が軟質材を含む場合、表面層6-1を構成する主成分の樹脂(ベース樹脂)100質量部に対して軟質材が5質量部以上満混合された混合樹脂により形成されることが好ましい。軟質材の混合量が5質量部未満の場合、軟質材の混合による軟質効果が現れにくい。なお、軟質材の混合量が80質量部以上の場合、軟質材の混合による軟質効果は現れるが、基材6の延伸時における加熱処理により、表面層6-1のベタ付きが問題になる場合がある。
また、表面層6-1を形成する樹脂材料の均一性の観点から、軟質材は表面層6-1を形成する樹脂材料との相溶性が高い材料であることが好ましい。このような観点から、例えば、表面層6-1をポリプロピレン系樹脂から構成する場合、混合する軟質材もポリプロピレン系樹脂であることが望ましい。
表面層6-1は配向度が低いため、配向度に由来する基材の凝集力は期待できるが、結晶化度が低くした場合、機械強度は低下する傾向になる。よって、基材6の総厚に対する表面層6-1の層厚である層比は、機械強度の観点から、30%未満であることが望ましい。表面層6-1の層比が30%以上となると、コア層6-2~6-nの結晶化度にもよるが、機械強度を出すのに十分な強度が得られないおそれがある。
例えば、表面層6-1の結晶化度が低い場合には、相対的に、コア層6-2~6-nの結晶化度を表面層6-1の結晶化度よりも高く設定して、機械強度を確保することが好ましい。例えば、表面層6-1の結晶化度を42%未満とし、コア層6-2~6-nの結晶化度を43%以上とする。この結晶化度は、例えばラマン分光法で測定する。
(無機顔料)
基材6を構成する少なくとも一つの基材層は、無機顔料を含んでいることが好ましい。無機顔料を含有することにより、基材6の光透過率が低下して、化粧シート1を貼り付ける基材板9の模様を透過させないようにすることができる。
無機顔料の混合量は、無機顔料を配合する基材層において、樹脂材料に対してそれぞれ5vol%以上50vol%以下とすることが好ましい。無機顔料の混合量が5vol%以上50vol%以下である場合、無機顔料添加による不燃性向上の効果が発現するとともに、無機顔料の添加量が多すぎることによる基材6の脆化も抑制することができるためである。
含有する無機顔料としては、特に限定されないが、例えば天然無機顔料、合成無機顔料が挙げられる。
天然無機顔料としては、例えば、土系顔料、焼成土、鉱物性顔料などが挙げられる。合成無機顔料としては、酸化物顔料、水酸化物顔料、硫化物顔料、珪酸塩顔料、燐酸塩顔料、炭酸塩顔料、金属粉顔料、炭素顔料などが挙げられる。また、天然無機顔料、合成無機顔料の中から、一種類もしくは二種類以上を混合した混合顔料を用いてもよい。
なお、顔料として有機顔料を用いることは好ましくない。基材6の不燃性が損なわれるためである。
基材6は、化粧シート1の意匠性の観点から要求される隠蔽性を得るために、光透過率が40%以下であることが好ましい。光透過率が40%を超える場合、化粧シート1の意匠性を出すのに十分な隠蔽性が得られない。十分な隠蔽性が得られないとは、例えば、化粧シート1のプライマー層8側の面が木質基材等からなる基材板9に貼り付けられて構成された化粧板において、木質基材等におけるプライマー層8と対向する面の模様が化粧シート1を介して表面保護層2側から視認可能であることをいう。このように視認可能な場合、印刷層5の図柄と木質基材等の基材板の模様とが重なって視認される場合がある。視認される場合には隠蔽層7を設けることが好ましい。
<印刷層>
印刷層5は、意匠性を付与するために絵柄模様が形成された層である。印刷層5は、既知の印刷手法を用いて化粧シート用基材6の表面層6-1上に設けることができる。基材6を巻取りの状態で用意できる場合には、印刷層5の形成のための印刷をロールツーロールの印刷装置で行うことができる。印刷手法は特に限定するものではないが、生産性や絵柄の品位を考慮すれば、例えばグラビア印刷法を用いることができる。
絵柄模様は、床材や壁材などの使用箇所に応じた意匠性を考慮して任意の絵柄模様を採用すればよい。例えば木質系の絵柄模様の化粧シート1を得る場合、絵柄模様には各種木目模様が好んで用いられることが多く、また、木目模様以外にもコルク模様が用いられてもよい。また、大理石などの石材の床をイメージした化粧シート1を得る場合、絵柄模様には大理石の石目などが用いられる。また、天然材料の絵柄模様以外にも、それらをモチーフとした人工的絵柄模様や幾何学模様などの人工的絵柄模様が印刷層5の絵柄模様として用いられる。
印刷層5を形成するために用いられる印刷インキは、特に限定されないが、印刷方式に対応したインキが適宜選択される。特に、基材6に対する密着性や印刷適性、また、化粧シート1の耐候性等を考慮して印刷インキが選択されることが好ましい。
印刷インキには、適宜、通常のインキに含まれている顔料、染料等の着色剤、体質顔料、溶剤、バインダーを添加する。顔料としては、縮合アゾ、不溶性アゾ、キナクリドン、イソインドリン、アンスラキノン、イミダゾロン、コバルト、フタロシアニン、カーボン、酸化チタン、酸化鉄、雲母等のパール顔料等が挙げられる。なお、バインダーは、水性、溶剤系、エマルジョンタイプのいずれでもよく、硬化方法についても1液タイプ、主剤と硬化剤とからなる2液タイプ、もしくは、紫外線や電子線などによって硬化するタイプなど特に限定するものではない。中でも一般的な方法は、2液タイプのもので、ウレタン系の主剤と、イソシアネートからなる硬化剤を用いる方法である。この他にも、各種金属の蒸着やスパッタリングで意匠を施すようにしてもよい。
印刷層5の厚さは、2μm以上20μm以下であることが好ましい。印刷層5の厚さがこの範囲である場合、印刷を明瞭にすることができるとともに、化粧シート1を製造する際の印刷作業性が向上し、かつ製造コストを抑制することができる。
<接着剤層>
接着剤層4は、基材6および印刷層5と、透明樹脂層3との接着を強固にする目的で設けられる。基材6および印刷層5と、透明樹脂層3との接着が強固であることにより、化粧シート1に対して、曲面や直角面に追随する曲げ加工性を付与することができる。接着剤層4は透明であることが好ましい。
接着剤層4は、例えばアクリル系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤などにより形成される。接着剤層4を構成する接着剤としては、通常、その凝集力から2液硬化タイプのものとして、特にイソシアネートを用いたポリオールとの反応で得られるウレタン系の材料を用いることが好ましい。なお、接着剤層4は、透明樹脂層3と印刷層5との接着強度が十分に得られる場合には、省略してもよい。
接着剤層4を介した基材6および印刷層5と、透明樹脂層3との接着方法としては、任意の方法が選定可能であり、例えば熱ラミネート、押出ラミネート、ドライラミネート等による積層方法が挙げられる。
接着剤層4の厚さは、1μm以上20μm以下であることが好ましい。接着剤層4の厚さがこの範囲である場合、基材6および印刷層5と透明樹脂層3との間の接着強度を向上するとともに、化粧シート1製造時の印刷作業性が向上し、かつ製造コストを抑制することができる。
<透明樹脂層>
透明樹脂層3は、例えば透明樹脂シートで構成されており、接着剤層4によって基材6および印刷層5に接着されている。図1に示す化粧シート1では、透明樹脂層3が一層の場合を図示しているが、複数層の透明樹脂層3が積層されて構成されていても良い。本実施形態の透明樹脂層3は、ポリオレフィン系樹脂を主成分として構成されることが好ましい。主成分とは、例えば、透明樹脂層3を構成する樹脂材料を100質量部として、そのうちの70質量部以上100質量部以下、好ましくは90質量部以上100質量部以下含まれる樹脂材料をいう。
透明樹脂層3を構成するポリオレフィン系樹脂としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテンなどの他に、αオレフィン(例えば、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデセン、トリデセン、1-テトラデセン、1-ペンタデセン、1-ヘキサデセン、1-ヘプタデセン、1-オクタデセン、1-ノナデセン、1-エイコセン、3-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ペンテン、3-エチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ペンテン、4-エチル-1-ヘキセン、3-エチル-1-ヘキセン、9-メチル-1-デセン、11-メチル-1-ドデセン、12-エチル-1-テトラデセンなど)を単独重合あるいは2種類以上共重合させたものや、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体、エチレン・メチルメタクリレート共重合体、エチレン・エチルメタクリレート共重合体、エチレン・ブチルメタクリレート共重合体、エチレン・メチルアクリレート共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体、エチレン・ブチルアクリレート共重合体などのように、エチレンまたはαオレフィンとそれ以外のモノマーとを共重合させたものが挙げられる。また、化粧シート1の表面強度の向上を図る場合には、高結晶性のポリプロピレンを用いることが好ましい。
透明樹脂層3の厚さは、20μm以上200μm以下であることが好ましい。透明樹脂層3の厚さがこの範囲である場合、化粧シート1の強度が向上するとともに、化粧シート1を製造する際の印刷作業性が向上して、かつ製造コストを抑制することができる。
<表面保護層>
表面保護層2は、化粧シート1の最表面に設けられており、表面の保護や艶の調整としての機能を有している。表面保護層2を構成する材料としては、ポリウレタン系樹脂、アクリルシリコン系樹脂、フッ素系樹脂、エポキシ系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、メラミン系樹脂、アミノアルキッド系樹脂、尿素系樹脂などが挙げられる。樹脂材料の形態は、水性、エマルジョン、溶剤系など特に限定されるものではない。硬化法についても一液タイプ、二液タイプ、紫外線硬化法など適宜選択して行うことができる。
特に、表面保護層2の主成分となる樹脂材料としては、作業性、価格、樹脂自体の凝集力などの観点から、イソシアネートを用いたウレタン系樹脂が好適である。イソシアネートには、トリレンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、リジンジイソシアネート(LDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、メチルヘキサンジイソシアネート(HTDI)、メチルシクロヘキサノンジイソシアネート(HXDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)などから適宜選択することができる。なかでも、イソシアネートとしては、耐候性の観点から直鎖状の分子構造を有するヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)が好適である。この他にも、表面硬度の向上を図る場合には、紫外線や電子線などの活性エネルギー線で硬化する樹脂を用いることが好ましい。なお、これらの樹脂は相互に組み合わせて用いることが可能であり、例えば、熱硬化型と光硬化型とのハイブリッド型とすることにより、表面硬度の向上、硬化収縮の抑制および密着性の向上を図ることができる。
表面保護層2の厚さは、3μm以上20μm以下であることが好ましい。表面保護層2の厚さがこの範囲である場合、化粧シート1の表面保護を行うと共に十分な艶を持たせることができ、また化粧シート1製造時の印刷作業性が向上し、かつ製造コストを抑制することができる。
<隠蔽層>
隠蔽層7は、化粧シート1のプライマー層8側の面が木質基材等の基材板9に貼り付けられた化粧板において、基材板に対する隠蔽性を保たせることを目的として形成される。隠蔽層7は、例えば、印刷層5と同様にインキの印刷によって形成される。インキに含ませる顔料としては、不透明な顔料、酸化チタン、酸化鉄等を使用することが好ましい。また、隠蔽層7における化粧シート1が貼り付けられる木質基材等からなる基材板9の模様の隠蔽性を向上させるために、金、銀、銅、アルミ等の金属をインキに添加することも可能であり、一般的にはフレーク状のアルミを添加することが好ましい。なお、隠蔽層7は、上述のように、基材6のいずれかの基材層が不透明で隠蔽性を有している場合には、省略することができる。
隠蔽層7の厚さは、2μm以上20μm以下であることが好ましい。隠蔽層7の厚さがこの範囲である場合、基材板に対する隠蔽性を保つとともに、化粧シート1製造時の印刷作業性が向上し、かつ製造コストを抑制することができる。
<プライマー層>
プライマー層8は、化粧シート1のプライマー層8側の面が基材板に貼り付けられた化粧板において、化粧シート1と基材板との密着性を向上させるために設けられる。
プライマー層8は、基本的には印刷層5と同様の材料(印刷インキ)を用いることができる。なかでも、化粧シート1の裏面に施されるためにウエブ状で巻取りを行うことを考慮すると、印刷インキに対してシリカ、アルミナ、マグネシア、酸化チタン、硫酸バリウム等の無機充填剤を添加させることが好ましい。これにより、化粧シート1を巻取る際におけるブロッキングの発生を避け、且つ接着剤との密着を高めることができる。
プライマー層8は、基材板が木質基材の場合には、例えば、エステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール系樹脂、ニトロセルロース系樹脂等の樹脂材料により形成されることが好ましい。これらの樹脂材料は、単独ないし混合して接着組成物とし、ロールコート法やグラビア印刷法等の適宜の塗布手段を用いて形成することができる。この場合、プライマー層8を構成する樹脂材料としては、ウレタン-アクリレート系樹脂を用いることが好ましい。すなわち、アクリル系樹脂とウレタン系樹脂との共重合体とイソシアネートとからなる樹脂で形成するのが特に好ましい。
プライマー層8の厚さは、0.1μm以上20μm以下であることが好ましい。プライマー層8の厚さがこの範囲である場合、化粧シート1と基材板9との間の密着性を向上させるとともに、化粧シート1を製造する際の印刷作業性が向上して、かつ製造コストを抑制することができる。さらに、基材6の最下層6-nが表面層6-1と同じ材料及び構造である場合、基材6とプライマー層の層間密着力を改善することができるため、化粧シート1と基材板9との間の密着性を向上させることができる。
本実施形態に係る基材6を使用した化粧シート1は、熱可塑性樹脂であるポリプロピレン系樹脂を主成分とする樹脂膜を延伸して薄膜化して形成した基材を用いることにより、不燃性及び基材強度を向上させている。
また、本実施形態に係る化粧シート1は、延伸フィルムを構成するポリプロピレン系樹脂の層を複層化し、表面層6-1の配向係数を6.0未満とすると共に結晶化度を30%以上65未満とし、コア層6-2~6-nの結晶化度を43%以上とすると共に配向係数を2.0以上とする。
この構成によれば、本実施形態では、少なくとも第一層を表面層6-1として基材上層での配向結晶化を抑制することで、基材とインキ層との剥離強度を維持しつつ、基材としての機械強度を向上させることができる。
すなわち、本実施形態によれば、剥離強度と基材強度とを両立した化粧シート1を得ることが出来る。
更に、延伸によって基材6を薄膜化できるので、不燃性を高めることも可能となる。
ここで、基材6が3層以上の基材層からなる場合、つまり、コア層6-2~6-nが2層以上である場合には、最下層(第n層)のコア層6-2~6-nを、表面層6-1と同じ構成の材料で構成することが好ましい。すなわち、最下層(第n層)のコア層6-2~6-nを、IR分光での測定による結晶化度が30%以上65%未満、ラマン分光法での配向係数が6.0未満とすることが好ましい。
この構成によれば、プライマー層と最下層の基材層との密着性を改善することができる。
以下、本発明の化粧シートについて、実施例により具体的に説明する。
なお、下記の実施例-1及び実施例-2は、結晶化度の値をIR分光法で測定し、実施例-3は結晶化度の値をラマン分光法で測定した。
「実施例-1」
まず実施例-1について説明する。
<サンプル1-1>
サンプル1-1の化粧シートを、以下に示す工程で形成した。
(透明樹脂層用樹脂シートの形成工程)
まず、ホモポリプロピレン樹脂に、ヒンダードフェノール系酸化防止剤と、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤と、ヒンダードアミン系光安定化剤とを添加した樹脂材料を準備する。ここで、ホモポリプロピレン樹脂としては、メソペンタッド分率が97.8%、MFR(メルトフローレート)が15g/10min(230℃)、分子量分布MWD(Mw/Mn)が2.3である材料を使用した。また、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(イルガノックス1010:BASF社製)は、ホモポリプロピレン樹脂に対して500PPM添加した。ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(チヌビン328:BASF社製)は、ホモポリプロピレン樹脂に対して2000PPM添加した。ヒンダードアミン系光安定化剤(キマソーブ944:BASF社製)は、ホモポリプロピレン樹脂に対して2000PPM添加した。このような樹脂材料を、溶融押出機を用いて押し出し、透明樹脂層として使用する厚さ80μmのポリプロピレン製の透明樹脂シートを製膜した。
続いて、得られた透明樹脂シートの両面にコロナ処理を施し、透明樹脂シート表面の濡れ張力を40dyn/cm以上とした。
(基材形成工程)
基材を3層の基材層から構成し、第3層目である最下層に、表面層を構成する第1層と同じ材料及び構造を採用した。第2層がコア層となる。
そして、第1~第3層の3層が積層された基材を、押出法によって製膜し延伸することにより形成した。すなわち化粧シート用基材を、ポリプロピレン系樹脂からなる3層で構成した。
すなわち、1層目と3層目の前駆体となる層を、それぞれ、下記の樹脂Aを材料に用いて厚さ12μmで形成した。続いて、1層目の表面層の前駆体となる層上に、2層目の第二の基材層の前駆体となる層を、無機顔料を添加した樹脂Bを材料として用いて厚さ108μmで形成した。その上に、上記3層目の前駆体となる層を積層した。
これにより、3層の合計厚さが132μmの積層樹脂前駆体を形成した。
続いて、積層樹脂前駆体を1軸延伸法によって4倍に延伸することで、厚さ33μmの基材(表面層の膜厚3μm、第二の基材層の膜厚27μm、第三の基材層の膜厚3μm)を形成した。
[樹脂A]
樹脂材料:エチレン含有量が4%のポリプロピレン系樹脂が80質量部、ランダムポリプロピレンが20質量部
[樹脂B]
樹脂材料:ホモポリプロピレン
(印刷層及びプライマー層形成工程)
基材の表面層上に、グラビア印刷方式にて絵柄印刷を施して印刷層を形成した。印刷層は、2液型ウレタンインキ(V180;東洋インキ製造株式会社製)に、当該インキのバインダー樹脂分に対してヒンダードアミン系光安定化剤(キマソーブ944;BASF社製)を0.5質量%添加したインキを用いて形成した。
また、基材の第三の基材層の裏面にプライマー層を形成した。プライマー層は、グラビア印刷方式にて印刷層と同様の2液型ウレタンインキを印刷することにより形成した。
(透明樹脂層形成工程)
続いて、印刷層を形成した基材の表面層側に、接着剤層としてドライラミネート用接着剤(タケラックA540;三井化学株式会社製;塗布量2g/m)を塗布した。この後、印刷層を形成した基材のおもて面に接着剤層を介して透明樹脂シートをドライラミネート法にて貼り合わせることにより、透明樹脂層を形成した。透明樹脂層の表面には、エンボス模様を施した。
(表面保護層形成工程)
エンボス模様を施した透明樹脂層の表面に、2液硬化型ウレタントップコート(W184;DICグラフィックス株式会社製)を塗布厚6g/mにて塗布し、乾燥させて表面保護層を形成した。
これにより、サンプル1-1を構成する総厚132μmの化粧シートを得た。
サンプル1-1では、基材の表面層は結晶化度が42%、配向係数が2.8であり、第二の基材層(コア層)は結晶化度が51%、配向係数が5.1であった。
<サンプル1-2>
表面層の材料として、下記の樹脂Cの材料を用いた以外はサンプル1-1と同様にして、サンプル1-2を構成する化粧シートを形成した。
[樹脂C]
樹脂材料:エチレン含有率4%の低結晶性ポリプロピレン系樹脂を80質量部、ランダムポリプロピレンを20質量部
サンプル1-2では、表面層は結晶化度が36%、配向係数が2.3であり、第二の基材層は結晶化度が52%、配向係数が5.5であった。
<サンプル1-3>
表面層の材料を、上記の樹脂Bの材料で形成した以外は、サンプル1-1と同様にして、サンプル1-3を構成する化粧シートを形成した。
サンプル1-3では、表面層は結晶化度が54%、配向係数が5.5であり、第二の基材層は結晶化度が49%、配向係数が5.2であった。
<サンプル1-4>
表面層を下記の樹脂Dを用いて形成した以外は、サンプル1-1と同様にして、サンプル1-4を構成する化粧シートを形成した。
[樹脂D]
樹脂材料:エチレン含有率16%の低結晶性ポリプロピレン系樹脂を80質量部、ランダムポリプロピレンを20質量部
サンプル1-4では、表面層は結晶化度が27%、配向係数が2.2であり、第二の基材層は結晶化度が53%、配向係数が5.3であった。
<サンプル1-5>
表面層、第二の基材層及び第三の基材層を樹脂Bを用いて形成した点、および、延伸前の総膜厚を198μmとし、その内訳として表面層は18μm、他の層は162μm、第三の基材層18μmとした上で延伸倍率を6倍とした点以外は、サンプル1-1と同様にして、サンプル1-5を構成する化粧シートを形成した。
サンプル1-5では、表面層は結晶化度が60%、配向係数が7.0であり、第二の基材層は結晶化度が61%、配向係数が7.5であった。
<サンプル1-6>
表面層を樹脂Bの材料を用いて形成し、延伸を行わず、押出後の総膜厚を33μmとし、その内訳として表面層は3μm、第2の層は27μm、第三の基材層は3μmとした以外は、サンプル1-1と同様にして、サンプル1-6を構成する化粧シートを形成した。
サンプル1-6では、表面層は結晶化度が52%、配向係数が1.1であり、第二の基材層は結晶化度が51%、配向係数が1.1であった。
<サンプル1-7>
表面層を樹脂Bの材料を用いて形成し、延伸を行わず、押出後の総膜厚を66μmとし、その内訳として表面層は6μm、第2の層は54μm、第三の基材層は6μmとした以外は、サンプル1-1と同様にして、サンプル1-7を構成する化粧シートを形成した。
サンプル1-7では、表面層は結晶化度が51%、配向係数が1.2であり、第二の基材層は結晶化度が54%、配向係数が1.0であった。
<サンプル1-8>
表面層、第二の基材層および第三の基材層を樹脂Cを用いて形成した以外は、サンプル1-1と同様にして、サンプル1-8を構成する化粧シートを形成した。
サンプル1-8では、表面層は結晶化度が37%、配向係数が2.5、第二の基材層は結晶化度が36%、配向係数が2.4であった。
各サンプルの構成を表1に示す。表1には、評価についても併せて記載した。
Figure 0007119709000004
<化粧シートの性能評価>
各サンプルの化粧シートに対して、性能の評価を実施した。
[引っ張り弾性率]
各サンプルの化粧シートを、テンシロン万能材料試験機によって50mm/minで引っ張って、弾性率を測定した。
弾性率の評価については、次の通りである。
◎:非常に良好(弾性率800MPa以上)
○:良好(弾性率500MPa以上800MPa未満)
×:不良(弾性率500MPa未満)
[不燃性試験]
各サンプルの化粧シートを用いて、ISO5660-1に準拠したコーンカロリーメータ試験機による発熱性試験を実施した。不燃性は、建築基準法施行令第108条の2第1号および第2号の規定を満足したか否かで判定した。
評価は次の通りである。
○:良好(規格内)
×:不良(規格外)
[剥離試験]
剥離試験は、剥離強度として、透明樹脂層と基材との剥離試験力を評価する試験である。剥離試験は、各サンプルの化粧シートを用いて、JIS K 6854-2に従って実施した。
評価は次の通りである。
○:良好(規格内)
△:可(規格内)
×:不良(規格外)
[引裂強度試験]
引裂強度は基材の長手方向の引裂強度である。引裂強度を評価する試験は、各サンプルの基材を用いて、エルメンドルフ引裂強さ試験(JIS K7128-2)に従って実施した。
評価は次の通りである。
◎:非常に良好(引裂強度 12.0gf以上)
○:良好(引裂強度 4.0gf以上12.0gf未満)
×:不良(引裂強度 4.0gf未満)
表1から分かるように、本発明に基づくサンプル1-1、1-2では、弾性率、不燃性剥離試験力(剥離強度)及び引裂強度ともに良好であった。
サンプル1-3では、弾性率、不燃性及び引裂強度は合格であったが、基材の凝集力が低下したと考えられるため、剥離試験力は不合格であった。サンプル1-3から、結晶化度について、コア層を表面層よりも高くすることが好ましいことが分かる。
サンプル1-4では、弾性率、不燃性及び引裂強度は合格であったが、基材の凝集力が低下したため、剥離試験力は不合格であった。
サンプル1-5では、弾性率は特に優れていて、不燃性も合格であったが、延伸倍率と共に配向度が高くなったため、剥離試験力、引裂強度が共に不合格であった。
サンプル1-6では、不燃性と共に剥離試験力、引裂強度も良好であったが、延伸を行わなかったため、弾性率が不合格となった。延伸倍率が1倍であり、配向係数が低いため、引裂強度は特に良好となった。
サンプル1-7では、剥離試験力、引裂強度が合格であり、膜厚も60μmであったため、弾性率も合格であったが、膜厚が厚くなったため、不燃性は不合格となった。延伸倍率が1倍であり、配向係数が低いため、引裂強度は特に良好となった。
サンプル1-8では、不燃性、剥離試験力、引裂強度が合格であったが、第二の基材層の結晶化度が低くなったため、弾性率は不合格であった。
「実施例-2」
次に、本発明の化粧シートに係る実施例-2を説明する。
<サンプル2-1>
サンプル2-1の化粧シートを、以下に示す工程で形成した。
(透明樹脂層用樹脂シートの形成工程)
上述のサンプル1-1と同じ形成工程で透明樹脂層用樹脂シートを作製した。
(基材形成工程)
基材を3層の基材層から構成し、第三の基材層である最下層に、表面層を構成する第1層と同じ材料及び構造を採用した。第2層がコア層となる。
そして、第1~第三の基材層の3層が積層された基材を、押出法によって製膜し延伸することにより形成した。すなわち化粧シート用基材を、ポリプロピレン系樹脂からなる3層で構成した。
すなわち、1層目と3層目の前駆体となる層を、下記の樹脂A-2を材料に用いて厚さ12μmで形成した。続いて、1層目の表面層の前駆体となる層上に、2層目の第二の基材層の前駆体となる層を、無機顔料を添加した樹脂B-2を材料に用いて厚さ108μmで形成した。その上に、3層目の前駆体となる層を積層した。
これにより、3層の合計厚さが132μmの積層樹脂前駆体を形成した。
[樹脂A-2]
樹脂材料:メソペンタッド分率が65%のホモポリプロピレン系樹脂が100質量部
[樹脂B-2]
樹脂材料:メソペンタッド分率が85%のホモポリプロピレン
続いて、積層樹脂前駆体を1軸延伸法によって4倍に延伸することで、厚さ33μmの基材(表面層の膜厚3μm、第二の基材層の膜厚27μm、第三の基材層の膜厚3μm)を形成した。
(印刷層及びプライマー層形成工程)
基材の表面層上に、グラビア印刷方式にて絵柄印刷を施して印刷層を形成した。印刷層は、2液型ウレタンインキ(V180;東洋インキ製造株式会社製)に、当該インキのバインダー樹脂分に対してヒンダードアミン系光安定化剤(キマソーブ944;BASF社製)を0.5質量%添加したインキを用いて形成した。
また、基材の第三の基材層の裏面にプライマー層を形成した。プライマー層は、グラビア印刷方式にて印刷層と同様の2液型ウレタンインキを印刷することにより形成した。
(透明樹脂層形成工程)
続いて、印刷層を形成した基材の第一層側に、接着剤層としてドライラミネート用接着剤(タケラックA540;三井化学株式会社製;塗布量2g/m)を塗布した。この後、印刷層を形成した基材のおもて面に接着剤層を介して透明樹脂シートをドライラミネート法にて貼り合わせることにより、透明樹脂層を形成した。透明樹脂層の表面には、エンボス模様を施した。
(表面保護層形成工程)
エンボス模様を施した透明樹脂層の表面に、2液硬化型ウレタントップコート(W184;DICグラフィックス株式会社製)を塗布厚6g/mにて塗布し、乾燥させて表面保護層を形成した。
これにより、サンプル2-1を構成する総厚132μmの化粧シートを得た。
サンプル2-1では、基材の表面層は結晶化度が37%、配向係数が1.8であり、第二の基材層は結晶化度が52%、配向係数が5.0であった。
<サンプル2-2>
表面層を、樹脂C-2を材料として形成した以外はサンプル2-1と同様にして、サンプル2-2を構成する化粧シートを形成した。
[樹脂C-2]
樹脂材料:メソペンタッド分率が65%であるランダムポリプロピレン
サンプル2-2では、表面層は結晶化度が38%、配向係数が1.9であり、第二の基材層は結晶化度が53%、配向係数が5.4であった。
<サンプル2-3>
表面層を、樹脂B-2の材料を用いて形成した以外は、サンプル2-1と同様にして、サンプル2-3を構成する化粧シートを形成した。
サンプル2-3では、表面層は結晶化度が52%、配向係数が5.1であり、第二の基材層は結晶化度が50%、配向係数が5.4であった。
<サンプル2-4>
表面層を下記の樹脂D-2を材料として用いて形成した以外は、サンプル2-1と同様にして、サンプル2-4を構成する化粧シートを形成した。
[樹脂D-2]
樹脂材料:メソペンタッド分率が29%であるホモポリプロプレン
サンプル2-4では、表面層は結晶化度が29%、配向係数が2.4であり、第二の基材層は結晶化度が54%、配向係数が5.5であった。
<サンプル2-5>
表面層を樹脂B-2の材料を用いて形成した点、および、延伸前の総膜厚を198μmとし、その内訳として表面層は18μm、第2の層は162μm、第三の基材層は18μm、とした上で延伸倍率を6倍とした点以外は、サンプル2-1と同様にして、サンプル2-5を構成する化粧シートを形成した。
サンプル2-5では、表面層は結晶化度が59%、配向係数が6.8であり、第二の基材層は結晶化度が60%、配向係数が7.7であった。
<サンプル2-6>
表面層を樹脂B-2を用いて形成し、延伸を行わず、押出後の総膜厚を33μmとし、その内訳として表面層は3μm、第2の層は27μm、第三の基材層は3μmとした以外は、サンプル2-1と同様にして、サンプル2-6を構成する化粧シートを形成した。
サンプル2-6では、表面層は結晶化度が53%、配向係数が1.2であり、第二の基材層は結晶化度が52%、配向係数が1.2であった。
<サンプル2-7>
表面層を、樹脂B-2を材料として形成し、延伸を行わず、押出後の総膜厚を60μmとし、その内訳として表面層は6μm、他の層は54μmとした以外は、サンプル2-1と同様にして、サンプル2-7を構成する化粧シートを形成した。
サンプル2-7では、表面層は結晶化度が52%、配向係数が1.4であり、第二の基材層は結晶化度が53%、配向係数が1.1であった。
<サンプル2-8>
表面層、第二の基材層、第三の基材層を樹脂C-2を材料として形成した以外は、サンプル2-1と同様にして、サンプル2-8を構成する化粧シートを形成した。
サンプル2-8では、表面層は結晶化度が38%、配向係数が2.3、第二の基材層は結晶化度が37%、配向係数が2.2であった。
各サンプルの構成を表2に示す。表2には、評価についても併せて記載した。
Figure 0007119709000005
<化粧シートの性能評価>
各サンプルの化粧シートに対して、性能の評価を実施した。
[引っ張り弾性率]
各サンプルの化粧シートを、テンシロン万能材料試験機によって50mm/minで引っ張って、弾性率を測定した。
弾性率の評価については、次の通りである。
◎:非常に良好(弾性率800MPa以上)
○:良好(弾性率500MPa以上800MPa未満)
×:不良(弾性率500MPa未満)
[不燃性試験]
各サンプルの化粧シートを用いて、ISO5660-1に準拠したコーンカロリーメータ試験機による発熱性試験を実施した。不燃性は、建築基準法施行令第108条の2第1号および第2号の規定を満足したか否かで判定した。
評価は次の通りである。
○:良好(規格内)
×:不良(規格外)
[剥離試験]
剥離試験は、剥離強度として、透明樹脂層と基材との剥離試験力を評価する試験である。剥離試験は、各サンプルの化粧シートを用いて、JIS K 6854-2に従って実施した。
評価は次の通りである。
○:良好(規格内)
△:可(規格内)
×:不良(規格外)
[引裂強度試験]
引裂強度は基材の長手方向の引裂強度である。引裂強度を評価する試験は、各サンプルの基材を用いて、エルメンドルフ引裂強さ試験(JIS K7128-2)に従って実施した。
評価は次の通りである。
◎:非常に良好(引裂強度 12.0gf以上)
○:良好(引裂強度 4.0gf以上12.0gf未満)
×:不良(引裂強度 4.0gf未満)
表2から分かるように、本発明に基づくサンプル2-1、2-2では、弾性率、不燃性、剥離試験力(剥離強度)及び引裂強度ともに良好であった。
サンプル2-3では、弾性率、不燃性及び引裂強度は合格であったが、基材の凝集力が低下したと考えられるため、剥離試験力は良好とは言えない結果となった。またサンプル2-3から、結晶化度について、コア層を表面層よりも高くすることが好ましいことが分かる。
サンプル2-4では、弾性率、不燃性及び引裂強度は合格であったが、基材の凝集力が低下したため、剥離試験力は不合格であった。
サンプル2-5では、弾性率は特に優れていて、不燃性も合格であったが、延伸倍率と共に配向度が高くなったため、剥離試験力、引裂強度が共に不合格であった。
サンプル2-6では、不燃性と共に剥離試験力、引裂強度も良好であったが、延伸を行わなかったため、弾性率が不合格となった。基材の第二層の配向度が低いため、引裂強度は特に良好となった。
サンプル2-7では、剥離試験力、引裂強度が合格であり、膜厚も60μmであったため、弾性率も合格であったが、膜厚が厚くなったため、不燃性は不合格となった。基材の第二層の配向度が低いため、引裂強度は特に良好となった。
サンプル2-8では、不燃性、剥離試験力、引裂強度が合格であった。しかし、第二の基材層の結晶化度が低くなったため、弾性率は不合格であった。
「実施例-3」
以下、本発明の化粧シートについて、実施例により具体的に説明する。
<サンプル3-1>
サンプル3-1の化粧シートを、以下に示す工程で形成した。
(透明樹脂層用樹脂シートの形成工程)
上述のサンプル1-1と同じ形成工程で透明樹脂層用樹脂シートを作製した。
(基材形成工程)
表面層及び第二の基材層の2層が積層された基材を、押出法によって製膜し延伸することにより形成した。すなわち化粧シート用基材を、ポリプロピレン系樹脂からなる2層で構成した。
1層目の表面層の前駆体となる層を、無機顔料を添加した樹脂A-3を材料として用いて厚さ12μmで形成した。続いて、1層目の表面層の前駆体となる層上に、2層目の第二の基材層の前駆体となる層を、無機顔料を添加した樹脂E-3を用いて厚さ108μmで形成した。これにより、2層の合計厚さが120μmの積層樹脂前駆体を形成した。
続いて、積層樹脂前駆体を1軸延伸法によって4倍に延伸することで、厚さ30μmの基材(表面層の膜厚3μm、第二の基材層の膜厚27μm)を形成した。
[樹脂A-3]
樹脂材料:ランダムポリプロピレン(エチレン含有量3%)
[樹脂E-3]
樹脂材料:ホモポリプロピレン
(印刷層及びプライマー層形成工程)
基材の表面層上に、グラビア印刷方式にて絵柄印刷を施して印刷層を形成した。印刷層は、2液型ウレタンインキ(V180;東洋インキ製造株式会社製)に、当該インキのバインダー樹脂分に対してヒンダードアミン系光安定化剤(キマソーブ944;BASF社製)を0.5質量%添加したインキを用いて形成した。
また、基材の第二の基材層の裏面にプライマー層を形成した。プライマー層は、グラビア印刷方式にて印刷層と同様の2液型ウレタンインキを印刷することにより形成した。
(透明樹脂層形成工程)
続いて、印刷層を形成した基材のおもて面(印刷層形成面)に、接着剤層としてドライラミネート用接着剤(タケラックA540;三井化学株式会社製;塗布量2g/m)を塗布した。この後、印刷層を形成した基材のおもて面に接着剤層を介して透明樹脂シートをドライラミネート法にて貼り合わせることにより、透明樹脂層を形成した。透明樹脂層の表面には、エンボス模様を施した。
(表面保護層形成工程)
エンボス模様を施した透明樹脂層の表面に、2液硬化型ウレタントップコート(W184;DICグラフィックス株式会社製)を塗布厚6g/mにて塗布し、乾燥させて表面保護層を形成した。
これにより、サンプル3-1を構成する総厚120μmの化粧シートを得た。
サンプル3-1では、表面層は結晶化度が40%、配向係数が5.0であり、第二の基材層は結晶化度が47%、配向係数が8.3であった。
<サンプル3-2>
表面層を、樹脂C-3を材料として形成した以外はサンプル3-1と同様にして、サンプル3-2を構成する化粧シートを形成した。
[樹脂C-3]
樹脂材料:ランダムポリプロピレンに低結晶性ポリプロピレンであるメソペンタッド分率が50%の樹脂を50%配合の樹脂
サンプル3-2では、表面層は結晶化度が38%、配向係数が1.7であり、第二の基材層は結晶化度が47%、配向係数が8.4であった。
<サンプル3-3>
表面層を、樹脂D-3を材料として形成した以外は、サンプル3-1と同様にして、サンプル3-3を構成する化粧シートを形成した。
[樹脂D-3]
樹脂材料:ランダムプロピレンにエチレン含有量10%である低結晶性ポリプロピレンを30質量部配合の樹脂
サンプル3-3では、表面層は結晶化度が39%、配向係数が2.6であり、第二の基材層は結晶化度が47%、配向係数が8.5であった。
<サンプル3-4>
表面層及び第二の基材層を樹脂B-3を材料として形成した以外は、サンプル3-1と同様にして、サンプル3-4を構成する化粧シートを形成した。
[樹脂B-3]
樹脂材料:ホモポリプロピレン
サンプル3-4では、表面層は結晶化度が47%、配向係数が9.3であり、第二の基材層は結晶化度が47%、配向係数が9.5であった。
<サンプル3-5>
表面層及び第二の基材層を樹脂C-3を材料として形成した以外は、サンプル3-1と同様にして、サンプル3-5を構成する化粧シートを形成した。
サンプル3-5では、表面層は結晶化度が38%、配向係数が1.9であり、第二の基材層は結晶化度が38%、配向係数が1.8であった。
<サンプル3-6>
表面層を樹脂B-3を材料として形成し、第二の基材層を樹脂C-3を材料として形成した以外は、サンプル3-1と同様にして、サンプル3-6を構成する化粧シートを形成した。
サンプル3-6では、表面層は結晶化度が47%、配向係数が9.7であり、第二の基材層は結晶化度が38%、配向係数が2.3であった。
<サンプル3-7>
表面層、および第二の基材層を、延伸を行うことなく厚さ30μmで形成した以外は、サンプル1と同様にして、サンプル3-7を構成する化粧シートを形成した。
サンプル3-7では、表面層は結晶化度が40%、配向係数が1.1であり、第二の基材層は結晶化度が48%、配向係数が1.1であった。
<サンプル3-8>
表面層、および第二の基材層を、延伸を行うことなく厚さ80μmで形成した以外は、サンプル3-1と同様にして、サンプル3-8を構成する化粧シートを形成した。
サンプル3-8では、表面層は結晶化度が41%、配向係数が1.0、第二の基材層は結晶化度が48%、配向係数が1.0であった。
<サンプル3-9>
延伸条件を変更して、表面層の結晶化度を44%とし、且つ配向係数を7.1とすると共に、第二の基材層の結晶化度を48%とし、且つ配向係数を10.2とした以外は、サンプル3-1と同様にして、サンプル3-9を構成する化粧シートを形成した。
<サンプル3-10>
延伸条件を変更して、表面層の結晶化度を39%とし、且つ配向係数を2.5とすると共に、第二の基材層の結晶化度を48%とし、且つ配向係数を9.5とした以外は、サンプル3-2と同様にして、サンプル3-10を構成する化粧シートを形成した。
各サンプルの構成を表3に示す。表3には、評価についても併せて記載した。
Figure 0007119709000006
<化粧シートの性能評価>
各サンプルの化粧シートに対して、性能の評価を実施した。
[引っ張り弾性率]
各サンプルの化粧シートを、テンシロン万能材料試験機によって50mm/minで引っ張って、弾性率を測定した。
弾性率の評価については、次の通りである。
◎:非常に良好(弾性率800MPa以上)
○:良好(弾性率500MPa以上800MPa未満)
×:不良(弾性率500MPa未満)
[不燃性試験]
各サンプルの化粧シートを用いて、ISO5660-1に準拠したコーンカロリーメータ試験機による発熱性試験を実施した。不燃性は、建築基準法施行令第108条の2第1号および第2号の規定を満足したか否かで判定した。
評価は次の通りである。
○:良好(規格内)
×:不良(規格外)
[剥離試験]
剥離試験は、剥離強度として、透明樹脂層と基材との剥離試験力を評価する試験である。剥離試験は、各サンプルの化粧シートを用いて、JIS K 6854-2に従って実施した。
評価は次の通りである。
○:良好(規格内)
×:不良(規格外)
[引裂強度試験]
引裂強度は基材の長手方向の引裂強度である。引裂強度を評価する試験は、各サンプルの基材を用いて、エルメンドルフ引裂強さ試験(JIS K7128-2)に従って実施した。
評価は次の通りである。
◎:非常に良好(引裂強度 12.0gf以上)
○:良好(引裂強度 8.0gf以上12.0gf未満)
△:やや悪化(引裂強度 4.0gf以上8.0gf未満)
×:不良(引裂強度 4.0gf未満)
表3から分かるように、本発明に基づくサンプル3-1~3-3では、弾性率、不燃性、剥離試験力、及び引裂強度ともに良好であった。
一方、サンプル3-4では、弾性率、不燃性及び引裂強度は合格であったが、剥離試験力が不合格であった。
サンプル3-5では、不燃性、剥離試験力及び引裂強度は合格であったが、弾性率が不合格であった。
サンプル3-6では、不燃性及び引裂強度は合格であったが、弾性率及び剥離試験力が不合格であった。
サンプル3-7では、不燃性、剥離試験力、及び引裂強度は合格であったが、弾性率が不合格であった。このサンプル3-7では、延伸を行わないことで、配向係数の大きさが不足したと考えられる。
また、サンプル3-8では、弾性率、剥離試験力、及び引裂強度は合格したが、不燃性が不合格であった。このサンプル3-8では、厚膜であるため弾性率は良好であったが、薄膜でないため不燃性が悪化したと考えられる。更に、サンプル3-9では、弾性率及び不燃性は良好であったが、表面層及び第二の基材層の配向係数がともに高いために剥離試験力と引裂強度が不合格であった。
また、サンプル3-10では、表面層は本発明の構成要件を満足するものの、第二の基材層の配向係数が高いことから引裂強度がやや悪化した。但し、サンプル3-10ではその他の評価は良好であった。
1 化粧シート
2 表面保護層
3 透明樹脂層
4 接着剤層
5 印刷層
6 基材
6-1 表面層(表面の基材層)
6-2~6-n コア層
7 隠蔽層
8 プライマー層
9 基材板

Claims (11)

  1. 4倍に延伸された、1軸積層延伸フィルムであって、樹脂材料の主成分がポリプロピレン系樹脂からなる複数の層を有し、
    上記複数の層のうち、最表面に位置する第一層を表面層と定義し、上記複数の層のうちの表面層以外の層をコア層と定義したときに、
    上記表面層は、IR分光法またはラマン分光法での結晶化度が30%以上65%未満、ラマン分光法での配向係数が6.0未満であり、
    上記コア層は、IR分光法またはラマン分光法での結晶化度が43%以上、ラマン分光法での配向係数が2.0以上であり、
    上記表面層は、プロピレン-αオレフィン共重合体であるポリプロピレン系樹脂100質量部に対し、αオレフィンの含有量を3質量部以上16質量部未満含有するプロピレン-αオレフィン共重合体を含有する層、又は、メソペンタッド分率が30%以上75%以下のホモポリプロピレンを含有する層であり、
    上記コア層は、ホモポリプロピレンを含有する層であることを特徴とする積層延伸フィルム。
  2. 上記コア層の下層に、樹脂材料の主成分がポリプロピレン系樹脂からなる最下層を有し、上記最下層は、IR分光法またはラマン分光法での結晶化度が30%以上65%未満、ラマン分光法での配向係数が6.0未満であることを特徴とする請求項1に記載した積層延伸フィルム。
  3. 上記コア層の結晶化度は、上記表面層の結晶化度より高いことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載した積層延伸フィルム。
  4. 上記表面層は、上記結晶化度が42%未満であり、
    上記コア層は、上記結晶化度が43%以上であることを特徴とする請求項3に記載した積層延伸フィルム。
  5. 上記最下層は、上記表面層と同じ構成であって、プロピレン-αオレフィン共重合体であるポリプロピレン系樹脂100質量部に対し、αオレフィンの含有量を3質量部以上16質量部未満含有するプロピレン-αオレフィン共重合体を含有する層、又は、メソペンタッド分率が30%以上75%以下のホモポリプロピレンを含有する層であることを特徴とする請求項2に記載した積層延伸フィルム。
  6. 上記表面層は、メソペンタッド分率が30%以上65%以下のホモポリプロピレンを含有する層であることを特徴とする請求項1~請求項4のいずれか1項に記載した積層延伸フィルム。
  7. 上記表面層は、エチレン含有量が4%以上であるポリプロピレン系樹脂を含むことを特徴とする請求項1~請求項6のいずれか1項に記載した積層延伸フィルム。
  8. 請求項1~請求項7のいずれか1項に記載した積層延伸フィルムからなる化粧シート用基材。
  9. 不燃性基材と貼り合わせた状態でISO5660-1に準拠したコーンカロリーメータ試験機による発熱性試験において、建築基準法施行令第108条の2第1号および第2号に記載の要件を満たす不燃材料であることを特徴とする請求項8に記載した化粧シート用基材。
  10. 上記請求項8又は請求項9に記載の化粧シート用基材と、上記化粧シート用基材の表面層側の面に形成されたポリオレフィン系樹脂を含む一層又は複数層の透明樹脂層と、を備える化粧シート。
  11. 請求項10に記載の化粧シートを木質材料からなる基材板に貼り合わせた化粧板。
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