JP2021050294A - ヒートシール用フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】耐柚子肌性や耐ブロッキング性などの特性を損なうことなく、低温での耐衝撃性が改善されたヒートシール用フィルムを提供する。【解決手段】ポリプロピレンと、エチレン・プロピレン共重合体と、直鎖低密度ポリエチレンとを含むポリプロピレン系樹脂組成物から成形されたヒートシール用フィルムであって、該フィルムについての動的粘弾性試験で測定されたtanδ(5℃、10Hz)が0.070以上の範囲にあり、フィルム中に含まれるキシレン可溶分率が10質量%未満であり、且つ前記動的粘弾性試験で得られるtanδ温度曲線から算出される該エチレン・プロピレン共重合体由来のガラス転移温度が−35℃よりも高いことを特徴とする。【選択図】 なし

Description

本発明は、ヒートシール用フィルムに関するものであり、より詳細には、低温域での耐衝撃性に優れたパウチの作製に適したヒートシール用フィルムに関する。
ポリプロピレンからなり、ヒートシール性を有するCPPフィルム(無延伸ポリプロピレンフィルム或いはキャストPPフィルムとも呼ばれる)は、耐熱性に優れており、各種食品等を収容するためのパウチの作製に利用されている。ところで、近年では、レトルト殺菌(加熱水蒸気殺菌)等のために、より耐熱性や耐衝撃性が求められることから、インパクトポリプロピレン(以下、インパクトPPと呼ぶことがある)がCPPフィルムの作製に使用されるようになってきた。
インパクトPPは、ブロックPP、インパクトコポリマー、ハイインパクトポリプロピレンとも称され、ホモポリプロピレンやランダムポリプロピレンのマトリックス中に、エチレン・プロピレン共重合体(EPR)やスチレン−ブタジエン共重合体(SBR)等のゴム成分が分散しているものであり、このようなゴム成分が分散していることにより、耐衝撃強度が著しく向上している。
ところで、レトルト殺菌等に供給されるパウチの作製に使用されるCPPフィルムには、ヒートシール強度や耐衝撃性などの特性に加え、耐ブロッキング性や耐柚子肌性も要求される。即ち、フィルム同士が重ね合わされたときのブロッキングが生じ難い耐ブロッキング性が必要なことは当然であるが、レトルト殺菌のような加熱水蒸気殺菌に供される場合、内容物が有する油分がフィルム中に浸み込み、パウチの外観が柚子肌のように変形してしまうことがあるため、このような柚子肌のような変形を防止することも求められるわけである。上述したインパクトPPから形成されたフィルムは、耐ブロッキング性や耐柚子肌性が乏しいことから、その改質が必要である。
上記のような特性を改善するための手段が種々提案されており、例えば、特許文献1及び2には、プロピレン系インパクト共重合体(インパクトPPに相当)に直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)が配合されたプロピレン系樹脂組成物が提案されており、かかる樹脂組成物により、各種特性に優れたヒートシール用フィルムが得られることが開示されている。
特許文献1,2では、インパクトPPに直鎖低密度ポリエチレンを配合することにより、インパクトPPからなりヒートシール用フィルムの物性改善を図るというものであるが、低温での耐衝撃性という点で、さらなる改善が必要である。即ち、各種の食品類が充填されているパウチでは、通常、低温での耐衝撃性が必要であるが、この特性は未だ不十分であり、例えば、このフィルムを用いてパウチを作成し、内容物を充填した状態で5℃の温度に保管しておき、その後、120cmの高さから落下試験を行うと、かなりの確率で破袋が生じているのが実情である。特許文献2では、0℃での落下試験により耐衝撃性を評価しているが、その落下高さが55cmと低く、低温での耐衝撃性が十分とは言えない。
特許第4844091号 WO2017/038349号
従って、本発明の目的は、低温での耐衝撃性が改善されたヒートシール用フィルムを提供することにある。
本発明者等は、市販されている種々のインパクトPPと直鎖低密度ポリエチレンとを組み合わせてプロピレン系樹脂組成物を調製し、この組成物から得られるヒートシール用フィルムの低温での耐衝撃性を試験したところ、このフィルムの5℃、10Hzでのtanδ(損失正接)が一定の値となり且つこのフィルムの動的粘弾性試験から算出されるインパクトPP中のエチレン共重合体に由来するガラス転移温度が一定の範囲となるように、インパクトPP及び直鎖低密度ポリエチレンの種類や量比を調整することにより、低温での耐衝撃性が大幅に向上するという知見を見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明によれば、ポリプロピレンにエチレン・プロピレン共重合体が分散されているインパクトポリプロピレンからなるインパクトPP成分(A)と直鎖低密度ポリエチレンからなる改質成分(B)とを含むポリプロピレン系樹脂組成物から成形されたヒートシール用フィルムであって、該フィルムについての動的粘弾性試験で測定されたtanδ(5℃、10Hz)が0.070以上の範囲にあり、前記フィルム中のエチレン・プロピレン共重合体に由来するキシレン可溶分率が10質量%未満であり、且つ前記動的粘弾性試験で得られるtanδ温度曲線から算出される該エチレン・プロピレン共重合体由来のガラス転移温度が−35℃よりも高いことを特徴とするヒートシール用フィルムが提供される。
本発明のヒートシール用フィルムにおいては、以下の態様が好適に採用される。
(1)前記キシレン可溶分率が7.5質量%以上の範囲にあること。
(2)前記エチレン・プロピレン共重合体由来のガラス転移温度が−35〜−15℃の範囲にあること。
(3)前記直鎖低密度ポリエチレンが、ヘキセン−1または4−メチルペンテン−1をコモノマーとするものであること。
(4)前記コモノマーが4−メチルペンテン−1であること。
(5)前記直鎖低密度ポリエチレンを10〜20質量%の量で含有していること。
(6)前記エチレン・プロピレン共重合体含量及び該エチレン・プロピレン共重合体のエチレン/プロピレン比の少なくとも何れかが異なる複数種のインパクトポリプロピレンが使用されていること。
上記のヒートシール用フィルムは、ヒートシール層として、他の樹脂や金属箔と積層されて多層フィルム、特にパウチ用多層フィルムとして使用される。
尚、本発明において、インパクトPP成分(A)中のエチレン・プロピレン共重合体に由来するキシレン可溶分率は、後述する実施例に示されているように、フィルムを沸騰キシレンに溶解させ、冷却して固液分離し、この可溶分をメタノールで再沈殿させ、沈殿物をろ過、乾燥し、乾燥物について秤量することにより測定される。即ち、このキシレン可溶分が、インパクトポリプロピレン中のエチレン・プロピレン共重合体量に相当し、キシレン不溶分が、残りの成分(ポリプロピレン及び改質成分として使用されている直鎖低密度ポリエチレン)の量に相当する。
この場合、インパクトPPを、そのまま沸騰キシレンに溶解させて、エチレン・プロピレン共重合体量を測定することもできる。
また、インパクトPP成分(A)中のエチレン・プロピレン共重合体に由来するガラス転移温度は、動的粘弾性測定(DMA)において、10Hzでの温度に対するtanδの変化曲線(tanδ温度曲線)を作成し、この変化曲線の低温側極大点として求められる。
上述した本発明のヒートシール性フィルムは、エチレン・プロピレン共重合の配合量が少ないにも関わらず低温での耐衝撃性が大幅に改善され、このヒートシール用フィルムを用いて製袋されたパウチは、低温での耐落下衝撃性が極めて高く、このパウチに内容物を充填し、5℃に保持されたものを120cmの高さから落下させた場合において、その破袋を有効に回避することができる。
また、本発明のヒートシール用フィルムは、インパクトポリプロピレン(インパクトPP)と直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)とのブレンド物を溶融押出することにより得られるが、該フィルムの動的粘弾性試験により測定される5℃、10Hzでのtanδ(損失正接)が0.070以上であることを条件として、該インパクトPP中に含まれるエチレン・プロピレン共重合体の量が一定の範囲となるように(即ち、該フィルムのキシレン可溶分率が10質量%未満)、インパクトPPとLLDPEの量比を調製し、併せて、前記フィルムの動的粘弾性試験で得られるtanδ温度曲線から算出されるエチレン・プロピレン共重合体のガラス転移温度が−35℃よりも高くなるように、用いるインパクトPPやLLDPEの種類を選択することにより、ヒートシール用フィルムの低温衝撃性を大きく向上させることができる。即ち、本発明の大きな利点は、特定の物性を有するインパクトPPをわざわざ製造することなく、また、インパクトPP中のエチレン・プロピレン共重合体のエチレン/プロピレン比を測定することなく、既に市販されているインパクトPPの組み合わせに、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)を組み合わせての物性調整により、フィルムの低温での耐衝撃性を大きく向上することができるという点にある。換言すると、本発明は、ポリマーメーカーでなくとも容易に実施することができ、工業的に極めて有用である。
実施例1で得られた本発明のヒートシール用フィルムの動的粘弾性測定で得られるtanδ温度曲線を示す図。
本発明のヒートシール用フィルム(以下、CPPフィルムと呼ぶことがある)は、インパクトPP成分(A)と改質成分(B)(即ち、直鎖低密度ポリエチレン)とのブレンド物を用いての溶融押出しにより得られるものであるが、このフィルムは、以下の物性を有していることが必要である。
(i)動的粘弾性試験で測定されるtanδ(5℃、10Hz)が0.070以上、特に0.074以上であること。
(ii)キシレン可溶分率が10質量%未満、好ましくは、7.5質量%以上の範囲にあること。
(iii)前記動的粘弾性試験で得られるtanδ温度曲線から算出されるインパクトPP中のエチレン・プロピレン共重合体由来のガラス転移温度が−35℃よりも高く、特に−30℃以上であること。
先ず、上記(i)の特性に関して説明すると、tanδ(損失正接)は、損失弾性率/貯蔵弾性率比で表される温度依存性のパラメータであり、この値が大きい程、粘性体としての特性が大きく、小さい程、弾性体としての特性が大きい。本発明では、動的粘弾性測定装置を用い、10Hzでフィルムに応力を加えた条件下で粘弾性測定を行い、tanδの温度変化曲線を作成し、5℃でのtanδが上記範囲、即ち、0.070以上、特に0.074以上であることが、良好な低温耐衝撃性を得るために必要である。本発明のCPPフィルムは、5℃でのtanδが比較的大きな値を示すため、このフィルムを低温で変形させるには大きな力が必要となり、これにより、低温での耐衝撃性を向上させることが可能となる。
この5℃でのtanδの値は、主として、インパクトPPとLLDPEとの量比に依存し、CPPフィルム中のLLDPE量が多い程、このtanδが高い値を示す傾向があるが、その傾向は、用いたインパクトPPの種類によって異なっている。
また、上記(ii)のキシレン可溶分率は、先にも述べたように、沸騰キシレンにCPPフィルムを溶解させることにより測定されるものであり、CPPフィルム中のエチレン・プロピレン共重合体(以下、EPRと呼ぶことがある)の量に相当する。即ち、このEPRは、フィルムの成形に用いたインパクトPPに含まれているものである。かかるキシレン可溶分率は、耐衝撃性の向上に大きく寄与するものであるが、本発明では、この量が上記範囲よりも多いと、フィルムの耐ブロッキング性や耐柚子肌性が損なわれてしまう。また、ヒートシール強度が低下するおそれもある。一方、この量が少な過ぎると、目的とする耐衝撃性が低下してしまう。従って、本発明のCPPでは、このキシレン可溶分率は、10質量%未満であり、特に7.5質量%以上の範囲にあることが好適である。
さらに上記(iii)のガラス転移温度は、インパクトPP中のEPRに由来するものであり、上記の動的粘弾性試験で測定されたtanδ温度曲線から算出される。
図1は、後述する実施例1で作製された本発明のCPPフィルムのtanδ温度曲線であるが、これをモデル図として説明すると、ガラス転移温度は、この曲線の極大点を示す温度である。図1から理解されるように、本発明のCPPフィルムでは、極大点が2つ存在しており、0℃以上での極大点は、インパクトPP中のポリプロピレンに由来するものであり、この極大点の位置は、用いたインパクトPPの種類によらず、ほぼ一定である。一方、マイナスの温度側に生じている極大点は、インパクトPP中のEPRに由来する。即ち、本発明では、低温での耐衝撃性を向上させるためには、前述した(i)及び(ii)の特性と共に、このEPRに由来するガラス転移温度が、ガラス転移温度が−50℃よりも高く、好ましくは−35℃よりも高く、特に好ましくは−30℃以上の範囲となっていることにより、低温での耐衝撃性が大きく向上する。
本発明において、上記のようにインパクトPP中のEPRのガラス転移温度が高い値を示すということは、図1から理解されるように、EPRのガラス転移温度が、インパクトPP中のポリプロピレンのガラス転移温度に接近していることを意味する。原理的に正確に解明されたわけではないが、EPRのガラス転移温度がポリプロピレンのガラス転移温度に接近するということは、改質剤(B)として使用されているLLDPEの相溶化作用が有効に作用し、ポリプロピレン中でEPRがより微分散化する。この結果として、低温での耐衝撃性が大きく向上するのではないかと、本発明者等は推定している。
本発明において、上記のようなEPRに由来するガラス転移点は、このEPRのエチレン/プロピレン比に大きく依存しており、本発明者等は、このエチレン/プロピレン比が大きい程、このガラス転移温度が低く、エチレン/プロピレン比が小さい程、このガラス転移温度が大きくなることを確認している。
このように、本発明のCPPフィルムは、用いるインパクトPP及びLLDPEの種類や量比等を選択してブレンド物を調製して溶融押出によりフィルム成形することにより、上記(i)〜(iii)の特性を満足し、低温での耐衝撃性に優れたCPPフィルムを得ることができる。
尚、本発明のCPPフィルムは、各成分をドライブレンドし、押出機に投入して溶融混練し、Tダイからフィルム状にブレンド物を溶融押出し、押し出されたフィルム状の溶融物を、冷却ロールに接触させて固化させて巻き取ることにより製造されるが、この時の冷却条件や巻き取り速度によっては、動的粘弾性試験により測定される各種の値が不安定になるおそれがある。即ち、本発明では、予めラボ試験により、用いるインパクトPPやLLDPEの種類や量比を決定するため、この測定値が不安定となること避けるべきである。このため、本発明では、冷却ロールの温度を60℃以下とする。
また、本発明のCPPフィルムの厚みは特に制限されないが、剛性や開封性等を考慮すれば、通常、20〜100μm、特に50〜80μmの範囲であることが好適である。
以下、本発明のCPPフィルムの成形に使用する各成分について説明する。
<インパクトPP成分(A)>
インパクトPP成分(A)は、インパクトポリプロピレン(インパクトPP)からなるものであり、本発明で使用するインパクトPPは、特にホモ或いはランダムポリプロピレン中に、エチレン・プロピレン共重合体(EPR)が分散された構造を有している。即ち、ポリプロピレン中にEPRが分散されていることにより、ポリプロピレンに耐衝撃性が付与されている。ポリプロピレン中に分散されるゴム成分としては、EPR以外にもスチレン・ブタジエン共重合体(SBR)、エチレン・プロピレン・ブテン共重合体(EPBR)などが知られており、EPR以外のものでも、本発明の目的とする低温での耐衝撃性を向上させることができる。
本発明において、上記のようなインパクトPPは、フィルム成形性(押出成形性)等の観点から、MFR(メルトフローレート、230℃)が0.5〜10g/10min程度の範囲にある。
ところで、本発明のCPPフィルムにおいては、先に述べた通りCPPフィルム中のEPRに由来するキシレン可溶分率が10質量%未満、特に7.5質量%以上の範囲にあり、もっとも好ましくは7.5〜9.9質量%の範囲内にある。即ち、EPR含量を過度に多く含んでいるインパクトPPは、EPR量が少ないインパクトPPと混合して使用することにより、CPPフィルム中のEPR含量を上記範囲内に調整することができる。
尚、このインパクトPP中のEPR含量は、フィルムと同様、インパクトPPを沸騰キシレンに溶解させることにより測定することができる。
また、上記のCPPフィルム中のEPRは、フィルムでの動的粘弾性試験で測定されるガラス転移温度(Tg)が−35℃よりも高く、特に−30℃以上であることが必要である。先に述べたように、インパクトPP中のEPRのガラス転移温度は、エチレンとプロピレンとの組成に大きく依存し、EPR中のエチレン含量が多い程(プロピレン含量が少ない程)、ガラス転移温度が低く、エチレン含量が少ない程(プロピレン含量が多い程)、ガラス転移温度が高くなる。例えば、このEPRのエチレン/プロピレンモル比が45/55以下の場合に、ガラス転移温度が−35℃以下となる傾向がある。従って、本発明では、エチレン/プロピレンモル比が小さなEPRを含むインパクトPPを使用する必要があるが、かかるガラス転移温度は、動的粘弾性測定(DMA)において、10Hzでの温度に対するtanδの変化曲線の極大点に相当し、容易に測定することができる。したがって、用いるインパクトPPに含まれるEPRのエチレン・プロピレン比などの組成を測定せず、簡単な測定により算出されるガラス転移温度とキシレン可溶分とに基づいて配合調整することができ、これが本発明の大きな利点となっている。
即ち、本発明において、上記のようなEPR含量(キシレン可溶分)とガラス転移温度とを満足するインパクトPPがあるならば、そのままインパクトPP成分として使用することができるが、これらを満足しないインパクトPPであっても、複数種のインパクトPPをブレンドすることにより、EPR含量やガラス転移温度を満足させることができる。例えば、該EPRに由来するガラス転移温度が−35℃以下のインパクトPPであっても、該ガラス転移温度が−35℃よりも高いインパクトPPをブレンドすることにより、ガラス転移温度が前述した範囲内となるように調整することができる。
<改質成分(B)>
本発明においては、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)を改質成分(B)として使用する。即ち、このLLDPEは、上述したインパクトPPと混合したとき、ポリプロピレン(PP)とエチレン・プロピレン共重合体(EPR)との相溶化剤として機能し、PP中のEPRの分散性を大きく向上させることにより、EPRによる衝撃性改善効果を十分に発揮させ、これにより低温での耐衝撃性を向上させることができる。
このようなLLDPEは、密度が0.910〜0.925g/cmの範囲にある直鎖低密度ポリエチレンであり、例えば、ブテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1等のα−オレフィンを微量(数%程度)、エチレンに共重合させたものであり、長鎖のエチレン鎖に短鎖のα−オレイン鎖を分岐として導入して低密度化されたものであり、分子の線形性が極めて高い。
本発明において、改質成分(B)として使用されるLLDPEは、フィルム成形性の観点からMFR(190℃)が1.0〜15g/10minのものが好適に使用され、また、コモノマー成分としては、ヘキセン−1及び4−メチルペンテン−1が好ましく、特に耐低温衝撃性の点で、4−メチルペンテン−1が最適である。
また、本発明においては、LLDPEは、コモノマーであるα−オレフィンの含量が10モル%以下であり、且つGPCで測定されるポリスチレン換算での数平均分子量が10000以上であることが好適である。即ち、コモノマーであるα−オレフィンの含量が多い場合或いは数平均分子量が小さく、低分子量成分が多く含まれている場合には、耐油性や内容物へのフレーバー性に劣ってしまう。また、LLDPEの一部がキシレンに溶解してしまうことがあり、成形されたフィルム中のキシレン可溶分率がインパクトPP中に由来するEPRに対応しなくなってしまう。
上述したLLDPEは、前述した(i)〜(iii)のフィルム特性を満足させ得る量で使用されるが、一般的には、フィルム中のLLDPE量が20質量%以下、特に10質量%以下となるように、フィルムの組成設計がされていることが好ましい。即ち、LLDPEが過度に含まれていると、フィルムの耐ブロッキング性や耐熱性が損なわれるおそれがあるからである。
尚、上述したフィルム特性(i)〜(iii)の測定に影響を与えない限りにおいて、それ自体公知の添加剤、例えば酸化防止剤などを上記のインパクトPP成分(A)や改質成分(B)に加えて、フィルムを成形することもできる。
<ヒートシール用フィルムの使用形態>
上述した本発明のヒートシール用フィルムは、通常、他のフィルムと積層し、多層フィルムとして包装袋の製造に使用される。
このような多層フィルムにおいては、このヒートシール用フィルムは、ヒートシール層として、多層フィルムの一方の表面側に設けられる。また、積層される他のフィルムとしては、延伸ポリプロピレンフィルム、延伸ナイロンフィルム、延伸ポリエステルフィルム、アルミ箔等の金属箔などを例示することができる。積層に際しては、適宜、ウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤などのドライラミネート接着剤を使用することもできるし、間に印刷層を介在させることもできる。さらに、コロナ処理、火炎処理、プラズマ処理等の表面処理を行ってフィルムの接着性を向上させることもできる。
このようにして得られる多層フィルムは、耐熱性、耐柚子肌性、耐ブロッキング性などが優れているばかりでなく、低温での耐衝撃性にも優れているため、レトルト殺菌などの殺菌処理がなされ、しかも寒冷地等で低温保管される食品用の包装袋(パウチ)の製造に好適に適用される。
本発明の優れた効果を、次の実施例で説明する。
尚、以下の実験では、以下の材料を使用した。
<インパクトPP成分(a)>
ブロックPP(a1);
サンアロマー社製PC480A
MFR(230℃):2.0g/10min
EPR含有率:17.5mass%
EPRの極限粘度:2.19dl/g
ブロックPP(a2);
ロッテケミカル社製FC330R
MFR(230℃):3.0g/10min
EPR含有率:7.5mass%
EPRの極限粘度:1.78dl/g
ホモPP(a3);
住友化学社製FH3011
MFR(230℃):2.3g/10min
EPR含有率:6.4mass%
EPRの極限粘度:0.56dl/g
<改質成分(b)>
LLDPE(b1);
住友化学(株)社製(スミカセン)FV205
MFR(190℃):2.2g/10min
密度:921kg/m
αオレフィン種:ヘキセン−1
LLDPE(b2);
(株)プライムポリマー社製ウルトゼックス2022L
MFR(190℃):2.0g/10min
密度:919kg/m
αオレフィン種:4−メチルペンテン−1
各種測定及びCPPフィルムの成膜は、以下の方法により行った。
<EPR含有率(キシレン可溶分率)>
インパクトPPまたはCPPフィルムをキシレンに還流溶解させ、放冷後、固液分離を行った。
キシレン可溶分をメタノールで再沈殿し、沈殿物を濾過で取り出し乾燥させて重量測定し、可溶分のEPR含有率を算出した。
<EPRの極限粘度>
ウベローデ粘度計を用い、135℃のテトラリン溶媒で測定した。
<CPPフィルムの製膜>
各組成でドライブレンドし、Tダイ付きの単軸押出機のホッパーに投入した。押出機内で溶融混練し、Tダイからフィルム状に吐出し、冷却ロールに接触させて固化させて巻き取ることで、厚み70μmのフィルムを製膜した。
押出機のシリンダーの温度設定は以下のとおりである。
C1:150℃
C2:200℃
C3:210℃
C4:220℃
Tダイ温度:220℃
また、冷却ロールは45℃に設定し、巻き取り速度は2.0〜3.0m/minとした。
得られたCPPフィルムをコロナ放電処理し、表面親水化した。
<動的粘弾性測定>
セイコーインスツル(株)社製の動的粘弾性測定装置を用いた。試験条件は、以下の通りである。
試験片フィルム:長さ20mm、幅10mm
チャック間距離:5mm
温度範囲:−60℃〜60℃
昇温速度:3℃/min
周波数:10Hz
tanδ(損失正接):5℃の損失弾性率/貯蔵弾性率で求めた。
<EPRのガラス転移温度>
作製されたCPPフィルムについて動的粘弾性測定し、観測されたマイナス領域のtanδの極大点で求めた。
<ラミネート>
延伸PET(厚み12μm)/延伸ナイロン(厚み15μm)/アルミ箔(厚み7μm)/CPP(厚み70μm)の層構成を、ウレタン系接着剤を用いてドライラミネート法でラミネートした。
<パウチ製袋>
CPPフィルムがラミネートされたフィルムを140mm×180mmに2枚切り出し、200gの水を充填し製袋した。製袋は富士インパルス(株)社製インパルスシーラーを用いた。
シール条件:220℃、1.4(s)、冷却3.0(s)
シール幅:5mm
<レトルト条件>
121℃、30分シャワー式
<パウチ落袋試験>
5℃で一晩冷却したパウチを、120cmの高さから水平2袋重ねで落下させて測定した。下のパウチを試験パウチとした。試験は3度行い、それぞれ20回落下させ、3度の試験の未破袋回数の平均値を測定した。
<耐柚子肌性>
上記手順で作成されたラミネートパウチに、内容品として味の素社製Cook Do 干焼蝦仁用 中華合わせ調味料を130g充填し、レトルト殺菌後のパウチの表面を目視観察し、耐柚子肌性を次の基準で評価した。
〇:パウチ表面に外観変化は、全く認められない。
×:パウチ表面が、柚子肌のように大きく変化していた。
<実施例1>
ブロックPP(a2)/ブロックPP(a1)/LLDPE(b1)=65/15/20の重量比でCPPフィルムを製膜した。
このCPPフィルムについて、キシレン可溶分(EPR含量)を測定すると共に、動的粘弾性測定を行い、5℃でのtanδを求め、また、観測されたマイナス領域のtanδの極大点からインパクトPP中のEPRのガラス転移温度を算出した。尚、この測定により得られたtanδの温度曲線を図1に示した。
上記のCPPフィルムをラミネート後に、パウチへ製袋した。パウチをレトルト処理し、落袋試験を行った。
各測定結果等を表1に示した。
また、このパウチの耐柚子肌性の評価は〇であった。
<実施例2>
改質成分(b)をLLDPE(b2)に変更した以外は、実施例1と同様にしてCPPフィルムを作製し、且つ実施例1と同様にして各種測定及び落袋試験を行い、その結果を表1に示した。
<実施例3>
ブロックPP(a2)/ブロックPP(a1)/LLDPE(b1)=70/20/10の重量比でCPPフィルムを製膜した。
上記のCPPフィルムを用いた以外は、実施例1と同様にして各種測定及び落袋試験を行い、その結果を表1に示した。
<比較例1>
ブロックPP(a2)のみを使用してCPPフィルムを製膜した。
上記のCPPフィルムを用いた以外は、実施例1と同様にして各種測定及び落袋試験を行い、その結果を表1に示した。
<比較例2>
ブロックPP(a2)/LLDPE(b1)=80/20の重量比でCPPフィルムを製膜した。
上記のCPPフィルムを用いた以外は、実施例1と同様にして各種測定及び落袋試験を行い、その結果を表1に示した。
<比較例3>
ブロックPP(a2)/ブロックPP(a1)/LLDPE(b1)=70/10/20の重量比でCPPフィルムを製膜した。
上記のCPPフィルムを用いた以外は、実施例1と同様にして各種測定及び落袋試験を行い、その結果を表1に示した。
<比較例4>
ホモPP(a3)/LLDPE(b1)=80/20の重量比で且つ製膜温度を45℃に変更して、実施例1と同様にしてCPPフィルムを製膜した。
上記のCPPフィルムを用いた以外は、実施例1と同様にして各種測定及び落袋試験を行い、その結果を表1に示した。
<比較例5>
ブロックPP(a2)/ブロックPP(a1)/LLDPE(b1)=75/20/5の重量比でCPPフィルムを製膜した。
上記のCPPフィルムを用いた以外は、実施例1と同様にして各種測定及び落袋試験を行い、その結果を表1に示した。
<比較例6>
ブロックPP(a1)/ブロックPP(a2)=80/20の重量比でCPPフィルムを製膜した。
上記のCPPフィルムを用いた以外は、実施例1と同様にして各種測定、落袋試験を行い、その結果を表1に示した。
<比較例7>
ブロックPP(a1)でCPPフィルムを製膜した。冷却ロールは60℃で製膜した。
上記のCPPフィルムを用いた以外は、実施例1と同様にして各種測定及び落袋試験を行い、その結果を表1に示した。このパウチの耐柚子肌性の評価は×であった。
Figure 2021050294

Claims (8)

  1. ポリプロピレンと、エチレン・プロピレン共重合体と、直鎖低密度ポリエチレンとを含むポリプロピレン系樹脂組成物から成形されたヒートシール用フィルムであって、該フィルムについての動的粘弾性試験で測定されたtanδ(5℃、10Hz)が0.070以上の範囲にあり、フィルム中に含まれるキシレン可溶分率が10質量%未満であり、且つ前記動的粘弾性試験で得られるtanδ温度曲線から算出される該エチレン・プロピレン共重合体由来のガラス転移温度が−35℃よりも高いことを特徴とするヒートシール用フィルム。
  2. 前記キシレン可溶分率が7.5質量%以上の範囲にある請求項1に記載のヒートシール用フィルム。
  3. 前記エチレン・プロピレン共重合体由来のガラス転移温度が−35〜−15℃の範囲にある請求項1または2に記載のヒートシール用フィルム。
  4. 前記直鎖低密度ポリエチレンが、ヘキセン−1または4−メチルペンテン−1をコモノマーとするものである請求項1〜3の何れかに記載のヒートシール用フィルム。
  5. 前記コモノマーが4−メチルペンテン−1である請求項4に記載のヒートシール用フィルム。
  6. 前記直鎖低密度ポリエチレンを10〜20質量%の量で含有している請求項1〜5の何れかに記載のヒートシール用フィルム。
  7. 前記エチレン・プロピレン共重合体含量及び該エチレン・プロピレン共重合体のエチレン/プロピレン比の少なくとも何れかが異なる複数種のインパクトポリプロピレンが使用されている請求項1〜6の何れかに記載のヒートシール用フィルム。
  8. 請求項1〜7の何れかに記載のヒートシール用フィルムをヒートシール層として有している多層フィルム。
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