JP4491938B2 - 収縮包装用フィルムおよびラベル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シュリンク包装用フィルムおよびそれからなるシュリンク包装用ラベルに関するものである。さらに詳しくは、高い加熱収縮率を有し、経時自然収縮率が小さく、腰のあるシュリンク包装用フィルムおよびそれからなるシュリンク包装用ラベルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、PETボトルや瓶などのシュリンク包装用フィルムの素材としては、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、PET、ポリプロピレン等が知られている。
ポリ塩化ビニルからなるシュリンク包装フィルムは、優れた特性を有するが、廃棄物処理の観点から他の材料への代替が進められている。ポリスチレンからなるシュリンク包装フィルムは、耐候性が悪く、経時自然収縮率が大きいものである。PETからなるシュリンク包装フィルムは、原料が高価で、安価な材料が望まれている。
最近、PETボトルのリサイクルが本格化してきており、ポリ塩化ビニル、ポリスチレンまたはPETからなるシュリンク包装用ラベルは、PETボトル本体と密度が近く、これらのラベルとPETボトル本体を水を用いて浮遊分離することは難しいものである。
【0003】
また、ポリプロピレンからなるシュリンク包装用フィルムについては、例えば、特開平2−251549号公報には、特定のプロピレン−α−オレフィン共重合体と特定の炭化水素樹脂を含有する樹脂組成物からなる加熱収縮率が高く、腰も高いシュリンク包装フィルムが記載されているが、経時自然収縮率については改良が望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、高い加熱収縮率を有し、経時自然収縮率が小さく、腰のあるシュリンク包装用フィルムおよびそれからなるシュリンク包装用ラベルを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本願発明者らは、以上の実状に鑑み、鋭意検討した結果、特定のプロピレンとエチレンおよび/または炭素数4以上のα−オレフィンの共重合体成分を特定量、第一工程で重合し、次いで特定のプロピレンとエチレンおよび/または炭素数4以上のα−オレフィンの共重合体成分を特定量、第二工程以降で重合して得られるプロピレン系共重合体を含有するポリプロピレン組成物に特定量の炭化水素樹脂が配合された樹脂組成物を製膜し、少なくとも一軸方向に延伸して得られるシュリンク包装用フィルムおよびそれからなるシュリンク包装用ラベルが、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、炭素数4以上のα−オレフィン含量が1〜15モル%未満であり、エチレン含量が5モル%以下であるプロピレンとエチレンおよび/または炭素数4以上のα−オレフィンの共重合体成分(A)1〜30重量%を第一工程で重合し、次いで、炭素数4以上のα−オレフィン含量が15以上〜30モル%以下であり、エチレン含量が5モル%以下であるプロピレンとエチレンおよび/または炭素数4以上のα−オレフィンとの共重合体成分(B)70〜99重量%を第二工程以降で重合して得られるプロピレン系共重合体20〜75重量%と、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体およびプロピレン−エチレン−α−オレフィンランダム共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種の重合体25〜80重量%とを含有するポリプロピレン組成物100重量部に対して、炭化水素樹脂5〜60重量部が配合された樹脂組成物を製膜し、少なくとも一軸方向に延伸して得られるシュリンク包装用フィルムおよびそれからなるシュリンク包装用ラベルに係るものである。以下、本発明を詳細に説明する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明で用いられるプロピレン系共重合体とは、プロピレンとエチレンおよび/または炭素数4以上のα−オレフィンの共重合体成分(A)を第一工程で重合し、次いでプロピレンとエチレンおよび/または炭素数4以上のα−オレフィンの共重合体成分(B)を第二工程以降で重合して得られる共重合体である。プロピレンとエチレンおよび/または炭素数4以上のα−オレフィンの共重合体成分(A)として、好ましくはプロピレンと炭素数4以上のα−オレフィンの共重合体成分であり、プロピレンとエチレンおよび/または炭素数4以上のα−オレフィンの共重合体成分(B)として、好ましくはプロピレンと炭素数4以上のα−オレフィンの共重合体成分である。
【0008】
プロピレンとエチレンおよび/または炭素数4以上のα−オレフィンの共重合体成分(A)の含量は1〜30重量%であり、好ましくは5〜30重量%であり、さらに好ましくは5〜20重量である。プロピレンとエチレンおよび/または炭素数4以上のα−オレフィンの共重合体成分(B)の含量は70〜99重量%であり、好ましくは70〜95重量%であり、さらに好ましくは80〜95重量%である。
【0009】
成分(A)の含量が1重量%未満の場合(即ち、成分(B)の含量が99重量%を超えた場合)、シュリンク包装用フィルムの腰が低くなることがあり、成分(A)の含量が30重量%を超えた場合(即ち、成分(B)の含量が70重量%未満である場合)、加工性が不充分であることがある。
【0010】
プロピレンとエチレンおよび/または炭素数4以上のα−オレフィンの共重合体成分(A)に含まれる炭素数4以上のα―オレフィン含量は1〜15モル%未満であり、好ましくは5〜15モル%未満であり、さらに好ましくは5〜10モル%である。成分(A)に含まれる炭素数4以上のα−オレフィン含量が1モル%未満の場合、加工性が不充分であることがあり、15モル%以上の場合、成分(A)の重合を安定に行うことが困難になることがある。
【0011】
プロピレンとエチレンおよび/または炭素数4以上のα−オレフィンの共重合体成分(B)に含まれる炭素数4以上のα―オレフィン含量は15以上〜30モル%以下であり、好ましくは15以上〜25モル%以下である。成分(B)に含まれる炭素数4以上のα−オレフィン含量が15モル%未満の場合、加工性が不充分なことがあり、30モル%を超えた場合、シュリンク包装用フィルムの腰が低くなることがある。
【0012】
プロピレンとエチレンおよび/または炭素数4以上のα−オレフィンの共重合体成分(A)に含まれるエチレン含量は5モル%以下であり、好ましくは3モル%以下である。プロピレンとエチレンおよび/または炭素数4以上のα−オレフィンの共重合体成分(B)に含まれるエチレン含量は5モル%以下であり、好ましくは3モル%以下である。成分(A)または成分(B)に含まれるエチレンが5モル%を超えた場合、経時でフィルムが白化したり、腰が低くなることがある。
【0013】
プロピレンとエチレンおよび/または炭素数4以上のα−オレフィンの共重合体成分(A)または成分(B)に含まれる炭素数4以上のα−オレフィンとしては、例えば、1−ブテン、2−メチル−1−プロペン、1−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、2−エチル−1−ブテン、2,3−ジメチル−1−ブテン、2−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、3,3−ジメチル−1−ブテン、1−ヘプテン、メチル−1−ヘキセン、ジメチル−1−ペンテン、エチル−1−ペンテン、トリメチル−1−ブテン、メチルエチル−1−ブテン、1−オクテン、メチル−1−ペンテン、エチル−1−ヘキセン、ジメチル−1−ヘキセン、プロピル−1−ヘプテン、メチルエチル−1−ヘプテン、トリメチル−1−ペンテン、、プロピル−1−ペンテン、ジエチル−1−ブテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン等が挙げられ、好ましくは、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテンであり、さらに好ましくは、共重合特性、経済性等の観点から、1−ブテン、1−ヘキセンである。
【0014】
プロピレンとエチレンおよび/または炭素数4以上のα−オレフィンの共重合体成分(A)または成分(B)としては、例えば、プロピレン−1−ブテン共重合体成分、プロピレン−1−ヘキセン共重合体成分、プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体成分、プロピレン−エチレン−1−ヘキセン共重合体成分等が挙げられ、好ましくはプロピレン−1−ブテン共重合体成分、プロピレン−1−ヘキセン共重合体成分である。共重合体成分(A)および成分(B)は、同じであってもよく、異なっていてもよい。
【0015】
本発明で用いられるプロピレン系共重合体としては、例えば、(プロピレン−1−ブテン)−(プロピレン−1−ブテン)共重合体、(プロピレン−1−ブテン)−(プロピレン−エチレン−1−ブテン)共重合体、(プロピレン−エチレン−1−ブテン)−(プロピレン−1−ブテン)共重合体、(プロピレン−エチレン−1−ブテン)−(プロピレン−エチレン−1−ブテン)共重合体、(プロピレン−1−ヘキセン)−(プロピレン−1−ヘキセン)共重合体等が挙げられ、好ましくは(プロピレン−1−ブテン)−(プロピレン−1−ブテン)共重合体および(プロピレン−1−ヘキセン)−(プロピレン−1−ヘキセン)共重合体であり、さらに好ましくは(プロピレン−1−ブテン)−(プロピレン−1−ブテン)共重合体である。
【0016】
本発明で用いられるプロピレン系共重合体の製造は、公知の重合用触媒を用いて、公知の重合方法において第一工程と第二工程以降の工程からなる多段階の重合により行うことができる。
重合用触媒としては、チーグラー・ナッタ型触媒、メタロセン系触媒等が挙げられ、好ましくはTi、Mg、ハロゲンを必須成分として含有する触媒である。例えば、マグネシウム化合物にTi化合物を複合化させた固体触媒成分等からなるTi−Mg系触媒、この固体触媒成分と有機アルミニウム化合物および必要に応じて電子供与性化合物等の第3成分からなる触媒系であり、例えば、特開昭61−218606号公報、特開昭61−287904号公報、特開平7−216017号公報等に記載された触媒系が挙げられる。
【0017】
重合方法としては、バルク重合法、溶液重合法、スラリー重合法、気相重合法等が挙げられ、好ましくはスラリー重合法、気相重合法である。これらの重合法は、バッチ式であってもよく、連続式であってもよい。
本発明の製造方法は、前記の重合方法において、第一工程とそれ以降の工程からなる多段階で重合を行うものである。第一工程の重合方法と第二工程以降の工程の重合方法は、同じであってもよく、異なっていてもよい。例えば、溶液−溶液重合法、スラリー−スラリー重合法、気相−気相重合法、溶液−気相重合法、スラリー−気相重合法、溶液−気相−気相重合法、スラリー−気相−気相重合法、バルク−気相−気相重合法等が挙げられ、好ましくは、気相−気相重合法、バルク−気相重合法、バルク−気相−気相重合法である。
【0018】
本発明で用いられるプロピレン組成物とは、上記のプロピレン系共重合体を含有するものであり、他の樹脂を配合しても良い。プロピレン系共重合体の含量は、加熱収縮率の観点から、好ましくは20重量%以上であり、さらに好ましくは50重量%以上である。
【0019】
ポリプロピレン組成物に配合しても良い樹脂としては、例えば、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−α−オレフィンランダム共重合体等が挙げられ、加工性の観点から、好ましくは融点が低いものであり。さらに好ましくは融点が140℃以下のものである。また、これらの樹脂を2種類以上配合しても良い。
【0020】
本発明で用いられる炭化水素樹脂としては、石油樹脂、テルペン樹脂、シクロペンジエン樹脂、クマロンインデン樹脂等が挙げられ、好ましくはこれら樹脂の中で極性基を有しないもの、水素を付加して水添率が95%以上のものである。また、これらの樹脂を単独で用いても、併用しても良い。
【0021】
また、加熱収縮率および経時自然収縮率の観点から、炭化水素樹脂の軟化点(環球法により求められる軟化点)は、好ましくは120℃以上であり、さらに好ましくは130℃以上である。
【0022】
本発明で用いられる樹脂組成物(製膜に供する樹脂組成物)は、ポリプロピレン組成物100重量部に対して、炭化水素樹脂5〜60重量部が配合されたものである。炭化水素樹脂の配合量は、好ましくは10〜50重量部である。炭化水素樹脂の配合量が5重量部未満の場合、加熱収縮率が低くなることがあり、60重量部を超えた場合、シュリンク包装用フィルムの腰が低くなることがある。
【0023】
本発明で用いられる樹脂組成物(製膜に供する樹脂組成物)には、本発明の目的及び効果を損なわない範囲で、必要に応じて、添加剤やその他の樹脂を添加しても良い。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、耐ブロッキング剤、滑剤、帯電防止剤、防曇剤および造核剤等が挙げられる。その他の樹脂としては、例えば、エチレン−プロピレンエラストマーやエチレン−1−ブテンエラストマー等のエラストマー、エチレン−α−オレフィン共重合体、ポリ1−ブテン、1−ブテン−α−オレフィン共重合体、ポリエチレン、エチレン−極性モノマー共重合体等が挙げられる。これらのその他の樹脂は単独で用いても良く、2種類以上を併用しても良い。
【0024】
本発明で用いられる樹脂組成物(製膜に供する樹脂組成物)の製造方法としては、公知の方法で均一に分散させる方法が挙げられる。例えば、押出し溶融ブレンドを用いる方法、バンバリーブレンドを用いる方法等が挙げられる。
【0025】
本発明で用いられる樹脂組成物(製膜に供する樹脂組成物)を製膜する方法としては、特に制限はなく、公知の製膜法が挙げられる。例えば、Tダイ法、チューブラー法等が挙げられ、好ましくはTダイ法である。
【0026】
また、樹脂組成物を製膜して得られたフィルムを、少なくとも一軸方向に延伸する方法としては、特に制限はなく、公知の延伸方法が挙げられる。例えば、ロール延伸、ロール圧延、テンター横一軸延伸などの1軸延伸方法やテンター2軸延伸方法が挙げられる。
【0027】
延伸温度は、通常、常温から樹脂組成物の融点以下であり、加熱収縮率の観点から、好ましくは均一な延伸ができる範囲で、できるだけ低温である。
面延伸倍率は、通常、2倍から100倍であり、好ましくは2倍から50倍である。そして、MD、TDの延伸倍率は必ずしもバランスさせる必要はなく、それぞれの用途に応じて任意に選択できる。例えば、PETボトル等のラベルの場合、主に一軸方向に配向されていることが好ましい。
【0028】
延伸後の熱固定は、実施しても良く、実施しなくても良い。経時自然収縮率の観点から、実施する方が好ましい。熱固定の方法や条件としては、特に制限はないが、好ましくは熱固定の温度が延伸温度以上であること、経時自然収縮率の観点から熱固定時に緩和させることが挙げられ、さらに好ましくは5%以上収縮させることが挙げられる。
【0029】
本発明のシュリンク包装用フィルムの厚みは、特に限定されないが、好ましくは10〜250μmであり、さらに好ましくは30〜150μmである。
【0030】
本発明のシュリンク包装用フィルムは、単層フィルムでも良く、多層フィルムでも良い。加工性およびフィルムのべたつきを抑えるという観点から、好ましくは多層フィルムである。多層フィルムとしては、本発明のシュリンク包装用フィルムの片外層または両外層に任意の樹脂を積層して得られるものが挙げられる。片外層または両外層に用いる樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられ、好ましくはポリプロピレンである。積層する方法としては、共押出し法、ラミネーション法、接着剤による貼り合わせ法等が挙げられ、好ましくは多層ダイを用いた共押出し法である。
本発明のシュリンク包装用フィルムは、加熱収縮率が高く、経時自然収縮率が低く、腰があることから各種包装用途で好適に使用され、特にPETボトルや瓶のシュリンク包装用ラベルに使用できる。
【0031】
【実施例】
以下、実施例及び比較例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例のみに何ら限定されるものではない。なお、発明の詳細な説明および実施例及び比較例中の各項目の物性値は、下記の方法で測定した。
【0032】
(1)プロピレン系共重合体に含まれる共重合体成分(A)および成分(B)の含量(単位:重量%)
物質収支から求めた。
【0033】
(2)共重合体成分(A)および成分(B)に含まれる1−ブテン含量(単位:モル%)
高分子ハンドブック(1995年、紀伊国屋書店発行)の619ページに記載されているIRスペクトル測定を行い、成分(A)およびプロピレン系共重合体に含まれる1−ブテン含量を求めた。成分(B)に含まれる1−ブテン含量は、成分(A)、成分(B)の含量および成分(A)およびプロピレン系共重合体に含まれる1−ブテン含量を用いて下式より算出した。
(成分(B)中の1-ブテン含量) =[ (プロピレン系共重合体中の1-ブテン含量)×100
- (成分(A)中の1-ブテン含量)×(成分(A)の含量)]/(成分(B)の含量)
【0034】
(3)共重合体成分(A)および成分(B)に含まれるエチレン含量(単位:モル%)
高分子ハンドブック(1995年、紀伊国屋書店発行)の616ページに記載されているIRスペクトル測定を行い、成分(A)およびプロピレン系共重合体に含まれるエチレン含量を求めた。成分(B)に含まれるエチレン含量は、成分(A)、成分(B)の含量および成分(A)およびプロピレン系共重合体に含まれるエチレン含量を用いて下式より算出した。
(成分(B)中のエチレン含量) =[ (プロピレン系共重合体中のエチレン含量)×100
- (成分(A)中のエチレン含量)×(成分(A)の含量)]/(成分(B)の含量)
【0035】
(4)ヤング率(単位:kgf/cm2
加工して得られたフィルムから縦方向(MD)に幅20mmの試験片を採取し、引張試験機によりチャック間隔60mm、引張速度5mm/分でS−S曲線をとり、初期弾性率を測定した。
【0036】
(5)加熱収縮率(単位:%)
加工して得られたフィルムから120mm(TD方向)×10mm(MD方向)の短冊上の試験片を採取し、試験片を80℃のグリセリン浴に30秒間浸漬したときの加熱前後のTD方向の長さ(単位:mm)を測定し、下式より算出した。
加熱収縮率 =((120−加熱後の寸法))/120)×100
【0037】
(6)経時自然収縮率(単位:%)
加工直後のフィルムの中央付近にTD方向に幅1000mmのマークを付け、室温23℃、湿度50%で30日経過後のマーク間の寸法(単位:mm)を測定し、下式より算出した。
経時自然収縮率 =((1000−経時後の寸法))/1000)×100
【0038】
実施例1
Ti、Mg、ハロゲンを必須成分として含有する触媒を用いて第一工程で1−ブテン含量9.2モル%のプロピレン−1−ブテン共重合体成分を総量の9重量%重合し、次いで第二工程で1−ブテン含量20.7モル%のプロピレン−1−ブテン共重合体成分を総量の91重量%重合することによりプロピレン系共重合体(1−ブテン含量:19.7モル%)を得た。
上記で得られたプロピレン系共重合体75重量%とプロピレン−エチレンランダム共重合体(エチレン含量:8.0モル%)25重量%からなるポリプロピレン組成物100重量部に対して荒川化学製アルコンP−140(軟化点:140℃)を25重量部配合してなる樹脂組成物を中間層として、両外層に富士シリシア化学製サイリシア550を3000ppm含むプロピレン−エチレン−1−ブテンランダム共重合体(エチレン含量:6.2モル%、1−ブテン含量:2.9モル%)を用いた3層構成フィルム(厚み構成比:1/10/1)を製膜し、予熱60℃−延伸55℃−熱固定60℃の条件で横一軸方向に6.4倍(熱固定で10%緩和した。)に延伸して厚み50μmのフィルムを得た。得られたフィルムの物性を表1に示した。
【0039】
実施例2
延伸条件の熱固定を70℃に変更した以外は実施例1と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの物性を表1に示した。
【0040】
実施例3
実施例1で得られたプロピレン系共重合体50重量%とプロピレン−エチレンランダム共重合体(エチレン含量:8.0モル%)50重量%かなるポリプロピレン組成物100重量部に対して荒川化学製アルコンP−140(軟化点:140℃)を25重量部配合してなる樹脂組成物を中間層として、両外層に富士シリシア化学製サイリシア550を3000ppm含むプロピレン−エチレン−1−ブテンランダム共重合体(エチレン含量:6.2モル%、1−ブテン含量:2.9モル%)を用いた3層構成フィルム(厚み構成比:1/10/1)を製膜し、予熱60℃−延伸55℃−熱固定70℃の条件で横一軸方向に6.4倍(熱固定で10%緩和した。)に延伸して厚み50μのフィルムを得た。得られたフィルムの物性を表1に示した。
【0041】
比較例1
Ti、Mg、ハロゲンを必須成分として含有する触媒を用いて一段で1−ブテン含量17.5モル%のプロピレン−1−ブテン共重合体を得た。
上記で得られたプロピレン−1−ブテン共重合体を用いた以外は実施例1と同様の方法でフィルムを得た。得られたフィルムの物性を表1に示した。
【0042】
【表1】
Figure 0004491938
【0043】
本発明の要件を満足する実施例1〜3は、加熱収縮率が高く、経時自然収縮率が小さいものであり、また、フィルムの腰(ヤング率)も実用レベルにあるものであることが分かる。
これに対して、本発明の要件である第一工程とそれ以降の工程で重合して得られるプロピレン系共重合体を用いなかった比較例1は加熱収縮率が低く、経時自然収縮率も大きいものであった。
【0044】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したとおり、本発明により、高い加熱収縮率を有し、経時自然収縮率が小さく、腰のあるシュリンク包装用フィルムおよびそれからなるシュリンク包装用ラベルが提供される。

Claims (6)

  1. 炭素数4以上のα−オレフィン含量が1〜15モル%未満であり、エチレン含量が5モル%以下であるプロピレンとエチレンおよび/または炭素数4以上のα−オレフィンの共重合体成分(A)1〜30重量%を第一工程で重合し、次いで、炭素数4以上のα−オレフィン含量が15以上〜30モル%以下であり、エチレン含量が5モル%以下であるプロピレンとエチレンおよび/または炭素数4以上のα−オレフィンとの共重合体成分(B)70〜99重量%を第二工程以降で重合して得られるプロピレン系共重合体20〜75重量%と、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体およびプロピレン−エチレン−α−オレフィンランダム共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種の重合体25〜80重量%とを含有するポリプロピレン組成物100重量部に対して、炭化水素樹脂5〜60重量部が配合された樹脂組成物を製膜し、少なくとも一軸方向に延伸して得られることを特徴とするシュリンク包装用フィルム。
  2. 共重合体成分(A)がプロピレンと炭素数4以上のα−オレフィンの共重合体であり、共重合体成分(B)がプロピレンと炭素数4以上のα−オレフィンの共重合体であることを特徴とする請求項1記載のシュリンク包装用フィルム。
  3. 炭化水素樹脂の配合量が10〜60重量部であることを特徴とする請求項1記載のシュリンク包装用フィルム。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載のシュリンク包装用フィルムからなる少なくとも1つの層を有することを特徴とする多層シュリンク包装用フィルム。
  5. 多層シュリンク包装用フィルムの中間層が、請求項1〜のいずれかに記載のシュリンク包装用フィルムからなり、3層以上であることを特徴とする請求項記載の多層シュリンク包装用フィルム。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載のシュリンク包装用フィルム、または、請求項又はに記載の多層シュリンク包装用フィルムからなることを特徴とするシュリンク包装用ラベル。
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