JPH07304882A - ポリオレフィン系延伸フィルム及びその用途 - Google Patents

ポリオレフィン系延伸フィルム及びその用途

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JPH07304882A
JPH07304882A JP6291098A JP29109894A JPH07304882A JP H07304882 A JPH07304882 A JP H07304882A JP 6291098 A JP6291098 A JP 6291098A JP 29109894 A JP29109894 A JP 29109894A JP H07304882 A JPH07304882 A JP H07304882A
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JP
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film
propylene
weight
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polyolefin
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JP6291098A
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Shinichiro Kunimoto
伸一郎 国本
Hiroshi Tabuse
豁 田伏
Yuzo Sugita
裕三 杉田
Takeshi Nakagawa
毅 中川
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Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】柔軟性、弾性、透明性に優れ、ストレッチフィ
ルム、ラップフィルム、シュリンクフィルム、保護フィ
ルム、テープ等、特にシュリンクフィルムに好適に使用
することができるポリオレフィン系延伸フィルムを提供
する。 【構成】ポリブテン成分、ポリプロピレン成分、及びプ
ロピレン−エチレンランダム共重合体成分を含むブロッ
ク共重合体であって、ポリブテン成分が0.01〜5重
量%、ポリプロピレン成分が1〜70重量%、プロピレ
ン−エチレンランダム共重合体成分が25〜98.99
重量%であり、該プロピレン−エチレンランダム共重合
体成分はエチレンに基づく単量体単位を10〜40モル
%、プロピレンに基づく単量体単位を90〜60モル%
含むランダム共重合体で構成されてなり、メルトインデ
ックスが0.5〜15g/10分であるプロピレン系ブ
ロック共重合体よりなり、少なくとも一方向の引張弾性
率が5〜100kg/mm2、好ましくは10〜50k
g/mm2 であり、少なくとも一方向に降伏点をもたな
いポリオレフィン系延伸フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、柔軟性、弾性、透明性
に優れ、ポリ塩化ビニルフィルム代替としてストレッチ
フィルム、ラップフィルム、シュリンクフィルム、保護
フィルム、テープ等に好適に使用できるポリオレフィン
系延伸フィルムを提供するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ストレッチフィルム、ラップフィ
ルム、シュリンクフィルム、保護フィルム、テープ等の
軟質フィルム用としては、軟質ポリ塩化ビニルが好適に
使用されてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ポリ塩化ビニ
ルは焼却時に塩化水素ガスを発生する等の公害問題のた
め、近年ポリオレフィンへの代替が行われている。
【0004】軟質ポリオレフィンフィルムとして代表的
なものに、ポリエチレンフィルム、無延伸ポリプロピレ
ンフィルム等があるが、これらのフィルムは降伏点を有
しているため、弾性を必要とする上記用途には必ずしも
適していない。すなわち、上記用途においては、フィル
ムを引き伸ばした状態で使用することが多いため、降伏
点付近で応力の低下が起こったり、ネッキングが生じて
外観が不良となる。
【0005】本発明の目的は、少なくとも一方向に降伏
点をもたず、上記用途に好適に使用できる軟質ポリオレ
フィンフィルムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解決するため鋭意研究を重ねた結果、特定の組成の
ブロック共重合体を使用することにより満足できる性能
が得られることを見い出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0007】即ち、本発明は、ポリブテン成分、ポリプ
ロピレン成分、及びプロピレン−エチレンランダム共重
合体成分を含むブロック共重合体であって、ポリブテン
成分が0.01〜5重量%、ポリプロピレン成分が1〜
70重量%、プロピレン−エチレンランダム共重合体成
分が25〜98.99重量%であり、該プロピレン−エ
チレンランダム共重合体成分はエチレンに基づく単量体
単位を10〜40モル%、プロピレンに基づく単量体単
位を90〜60モル%含むランダム共重合体で構成され
てなり、メルトインデックスが0.5〜15g/10分
であるブロック共重合体よりなり、少なくとも一方向の
引張弾性率が5〜100kg/mm2であり、少なくと
も一方向に降伏点をもたないことを特徴とするポリオレ
フィン系延伸フィルムである。
【0008】本発明におけるポリオレフィン系延伸フィ
ルムの素材樹脂は、ポリブテン成分、ポリプロピレン成
分、及びプロピレン−エチレンランダム共重合体成分を
含むブロック共重合体であって、ポリブテン成分が0.
01〜5重量%、ポリプロピレン成分が1〜70重量
%、プロピレン−エチレンランダム共重合体成分が25
〜98.99重量%であり、該プロピレン−エチレンラ
ンダム共重合体成分はエチレンに基づく単量体単位を1
0〜40モル%、プロピレンに基づく単量体単位を90
〜60モル%含むランダム共重合体で構成されてなり、
メルトインデックスが0.5〜15g/10分であるブ
ロック共重合体(以下、ブロック共重合体と略する)で
ある。
【0009】上記のポリブテン成分は、本発明のポリオ
レフィン系延伸フィルムの粘着を防止するため及び透明
性を良好にするために必須である。ポリブテン成分が
0.01重量%未満である場合、本発明のポリオレフィ
ン系延伸フィルムの透明性が低下し好ましくない。一
方、ポリブテン成分が5重量%を越える場合、本発明の
ポリオレフィン系延伸フィルムは粘着性が強くなり、取
扱いが困難になる。ポリブテン成分の割合は、フィルム
としての粘着防止および透明性を勘案すると0.04〜
3重量%の範囲が好ましい。
【0010】上記のポリブテン成分は、ポリオレフィン
系延伸フィルムの粘着を軽減するためには、アイソタク
ティシティが0.90以上であることが好ましい。ポリ
1−ブテンのアイソタクティシティは13C−NMRによ
り測定を行い、ポリマー・ジャーナル(Polymer
J.)第16巻(1984年)716〜726頁に基
づいて帰属を行ったときのmmの値である。
【0011】また、プロピレン成分が1重量%よりも少
ないと本発明のポリオレフィン系延伸フィルムの強度が
低下する。ポリプロピレン成分の割合が70重量%を越
えると、フィルムの柔軟性が低下し、所期の目的のポリ
オレフィン系延伸フィルムを得ることができない。ポリ
プロピレン成分は、柔軟性、機械的強度を勘案すると、
3〜60重量%の範囲であることが好ましく、特に30
重量%以下のときには柔軟性および透明性が良好とな
る。
【0012】さらに、エチレン−プロピレンランダム共
重合体成分は25〜98.99重量%である。上記成分
が25重量%未満のときは柔軟性に劣り、98.99重
量%を越えると、フィルムの強度及び耐熱性などが劣り
好ましくない。エチレン−プロピレンランダム共重合体
成分は柔軟性や機械的強度、耐熱性を勘案すると、40
〜97重量%の範囲であることが好ましい。
【0013】プロピレン−エチレンランダム共重合体成
分中におけるエチレンに基づく単量体単位及びプロピレ
ンに基づく単量体単位のそれぞれの含有割合は、エチレ
ンに基づく単量体単位10〜40モル%、好ましくは1
5〜35モル%である。プロピレンに基づく単量体単位
は90〜60モル%、好ましくは85〜65モル%であ
る。エチレンに基づく単量体単位の含有割合が10モル
%未満であり、プロピレンに基づく単量体単位の含有割
合が90モル%を越える場合、得られるフィルムの柔軟
性が十分でなくなり好ましくない。一方、エチレンに基
づく単量体単位の含有割合が40モル%を越え、プロピ
レンに基づく単量体単位の含有割合が60モル%未満で
ある場合、得られるフィルムの強度及び耐熱性が十分で
なくなり好ましくない。
【0014】本発明で使用するブロック共重合体には、
ポリブテン成分、ポリプロピレン成分、プロピレン−エ
チレンランダム共重合体成分のいづれかひとつ以上に、
プロピレン系樹脂組成物の物性を阻害しない限り、他の
α−オレフィンが少量、例えば5モル%以下の範囲で共
重合されて含まれていてもよい。
【0015】本発明で使用するブロック共重合体は、ポ
リブテン成分、ポリプロピレン成分及びプロピレン−エ
チレンランダム共重合体成分の少なくとも2種以上が一
分子鎖中に配列したいわゆるブロック共重合体の分子鎖
と、ポリブテン成分、ポリプロピレン成分及びプロピレ
ン−エチレンランダム共重合体成分のそれぞれ単独より
なる分子鎖とが機械的な混合では達成できない程度にミ
クロに混合しているものと考えられる。
【0016】本発明で使用するブロック共重合体は、い
かなる方法によって得てもよい。特に好適に採用される
方法を例示すれば次の方法である。
【0017】即ち、下記成分A及びB、または、さらに
Cおよび/またはD A.チタン化合物 B.有機アルミニウム化合物 C.電子供与体 D.一般式(i) R−I (i) (但し、Rはヨウ素原子又は炭素原子数1〜7のアルキ
ル基又はフェニル基である。)で示されるヨウ素化合物
の存在下にプロピレンを0.1〜500gポリマー/g
・Ti化合物の範囲となるように予備重合を行って触媒
含有予備重合体を得て、次いで該触媒含有予備重合体の
存在下に1−ブテンの重合及びプロピレンの重合を経て
プロピレンとエチレンとの混合物のランダム共重合を順
次行い、高分子量の粉状物を得、さらに、有機過酸化物
で分解する方法が好適である。
【0018】上記の重合で得られた共重合体粒子は、通
常、重量平均分子量が60万以上、より一般的には80
万以上である。また、この共重合体粒子は、ゲルパーミ
エーションクロマトグラフィー(以下「GPC」と略
す)で測定した溶出曲線において、分子量1万以下の成
分の割合が1.0重量%以下、好ましくは0.6重量%
以下が好適である。
【0019】このようにして得られた共重合体粒子のメ
ルトインデックス(以下MIと略す)は、大きくてもせ
いぜい0.1g/10分程度であるため、本発明のポリ
オレフィン系延伸フィルムに用いるためには、さらに有
機過酸化物で分解し、所望のMI値に調整して使用する
のが一般的である。MIの範囲は、0.5〜15g/1
0分、好ましくは1.0〜11g/10分が好適であ
る。MIが0.5g/10分より小さい場合には成形時
のメルトフラクチャーが激しい上、サージングがひど
く、フィルムの成膜が困難になる。また、MIが15g
/10分より大きい場合には成形時のロールへの貼り付
きが強くなり、やはりフィルムの成膜が困難になる。
【0020】なお、本発明においてはのブロック共重合
体は、分子量分布が特定の値に狭くなっているものを用
いるのが好ましい。このような分子量分布の狭いブロッ
ク共重合体は、上記有機過酸化物による分解等の処理を
行うことにより達成できる。具体的には、GPCで測定
した重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が
1.5〜4、好適には1.7〜3.5の範囲にあるもの
を用いるのが好ましい。この範囲において得られるフィ
ルムは、フィルムのべたつき等がなく最も性状の好まし
いものとなる。
【0021】共重合体粒子を分解する際に使用する有機
過酸化物としては、公知の化合物を何等制限なく用いう
る。上記したブロック共重合体と有機過酸化物の混練時
に、公知の添加剤、例えば、酸化防止剤、光安定剤、結
晶核剤等を配合することは適宜行うことができる。
【0022】本発明のブロック共重合体は単独で使用す
ることができ、また、ポリプロピレンと混合して使用す
ることができる。混合するポリプロピレンとしては、プ
ロピレンの単独重合体、プロピレンの90モル%以上と
プロピレン以外のα−オレフィン、例えば、エチレン、
1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテ
ン、4−メチル−1−ペンテン等の1種以上の10モル
%以下とのランダム共重合体、またはブロック共重合体
を一般に使用することができる。ポリプロピレンはMI
が0.5〜15g/10分の範囲であることが上記した
ブロック共重合体と混合した場合の製膜性が良好であ
り、より優れた物性のポリオレフィン延伸フィルムを得
ることができるために好適である。
【0023】ブロック共重合体とポリプロピレンとを混
合して使用する場合、これらの配合割合はポリオレフィ
ン延伸フィルムに要求される物性に応じて決定すればよ
いが、降伏点を持たない柔軟なフィルムを得るために
は、ブロック共重合体を20重量%以上、ポリプロピレ
ンを80重量%以下で使用するのが良好である。特に柔
軟性、透明性、弾性を良好にするためには、ブロック共
重合体を40重量%以上、ポリプロピレンを60重量%
以下とすることが好ましい。
【0024】本発明のポリオレフィン系延伸フィルム
は、少なくとも一方向の、例えば、製膜加工時のフィル
ムの流れ方向(以下、MDともいう。)または、流れ方
向と直角な方向(以下、TDともいう)の引張弾性率が
5〜100kg/mm2でなければならず、10〜50
kg/mm2であることが好ましい。少なくとも一方向
の引張弾性率が5kg/mm2未満のときは柔軟すぎて
応力が不足し、また100kg/mm2を越えるときは
柔軟性、弾性が不足し、何れも上記の用途に使用する場
合には好ましくない。TD方向及びMD方向の引張弾性
率が共に5〜100kg/mm2、さらには10〜50
kg/mm2であることが本発明の効果を達成するため
により好ましい。
【0025】また、さらに、本発明のポリオレフィン系
延伸フィルムは、少なくとも一方向に降伏点を持たな
い。降伏点を有する場合は、降伏点付近で応力の低下が
起こったり、ネッキングが生じて外観が不良となり、引
き伸ばした状態で使用することが多い上記用途には使用
できない。TD方向及びMD方向の両方向において降伏
点を持たないことがより好ましい。
【0026】本発明のポリオレフィン系延伸フィルム
は、降伏点を有しないために上記の用途、特に、ストレ
ッチフィルム、ラップフィルム、シュリンクフィルム、
保護フィルム、テープ等に好適に使用することができ
る。
【0027】特に、シュリンクフィルムに使用するのが
好ましい。その場合、熱収縮包装における適性温度範囲
を勘案すると、少なくとも一方向の90℃における収縮
率が10%以上、好ましくは15〜40%であるのが好
適である。
【0028】本発明のポリオレフィン系延伸フィルムは
単層フィルムであってよい。また、性質の異なる2種類
以上の樹脂を積層した積層ポリオレフィン系延伸フィル
ムであってもよい。積層ポリオレフィン系延伸フィルム
の場合は、少なくとも1層は上記したポリオレフィン系
延伸フィルム層であり、該ポリオレフィン系延伸フィル
ム層の全フィルム構成樹脂中の構成比が50容量%以上
でなければならない。50容量%より小さい場合は、十
分な弾性及び透明性が得られないために好ましくない。
【0029】積層ポリオレフィン系延伸フィルムの場
合、各層を形成する樹脂は、要求性能に応じて種々の組
合せが用いられる。例を挙げると、少なくとも片側の表
層にヒートシール性を付与したフィルムを得る場合、基
材層には、ブロック共重合体とポリプロピレンとして上
記した樹脂の中でも機械的性能の優れたプロピレンの単
独重合体との混合物を用い、表層にはブロック共重合体
単独、または、ヒートシール性の優れたポリエチレン、
プロピレン−エチレン共重合体、エチレン−1−ブテン
共重合体、エチレン−プロピレン−1−ブテン共重合
体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、及びこれらのポリ
オレフィンを主成分とするブレンド物等を用いることが
できる。
【0030】また、積層ポリオレフィン系延伸フィルム
からなるシュリンクフィルムを得る場合では、上記した
ブロック共重合体単独、またはこれとポリプロピレンと
の混合物からなる層と、融点が135〜150℃の範囲
で、MIが1〜10g/10分のポリプロピレンからな
る層を用いるのが好ましい。ここで、ポリプロピレン層
を構成するポリプロピレンの融点が上記範囲にある場合
には、低温で延伸加工でき低温での熱収縮性に優れたフ
ィルムが得られ、また、耐熱性が良好で、最も収縮トン
ネル中で溶融白化等が生じ難いフィルムが得られるた
め、好適である。一方、ポリプロピレンのMIが上記範
囲にある場合には、良好な延伸応力を有し、また、延伸
時に局部延伸等も生じ難くなり、最も延伸性が良くな
る。
【0031】上記ポリプロピレン層の素材となるポリプ
ロピレンを具体的に例示すると、プロピレンの単独重合
体はもちろん、プロピレン−α−オレフィン共重合体、
或は、これらの混合物を挙げることができる。なお、プ
ロピレンと共重合させるα−オレフィンとしては、一般
にはエチレン、或は、ブテン等の1種または2種以上を
用いることができる。これらのα−オレフィンの共重合
させる割合は、15モル%以下であるのが好ましい。さ
らに、これらのポリプロピレンには、ポリエチレン、ポ
リブテン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−
ブテン共重合体等のポリオレフィン樹脂、または石油樹
脂、水添石油樹脂、テルペン樹脂、水添テルペン樹脂等
の石油樹脂系炭化水素をそれぞれ1種または2種以上を
混合しても良い。これらの他の樹脂の混合割合は、ポリ
プロピレンが有している、透明性、表面光沢、耐熱性等
の良好さを勘案すれば、30重量%以下であるのが好適
である。
【0032】積層ポリオレフィン系延伸フィルムからな
るシュリンクフィルムの場合、その両最外層を上記ポリ
プロピレン層とすることは、表面が高弾性、高硬度とな
り、耐傷付性および機械走行性等に優れるためにさらに
好ましい。
【0033】積層ポリプロピレン系延伸フィルムは、前
記した単層のポリプロピレン系延伸フィルムと同様に少
なくとも一方向の引張弾性率が5〜100kg/mm2
でなければならず、10〜50kg/mm2 であること
が好ましい。また少なくとも一方向に降伏点を持たな
い。さらに、該積層ポリプロピレン系延伸フィルムがシ
ュリンクフィルムの場合、少なくとも一方向の90℃に
おける収縮率が10%以上、好ましくは15〜40%で
あるのが好適である。
【0034】本発明のポリオレフィン系延伸フィルムの
厚みは特に制限されるものではないが、一般には10〜
100μmの範囲である。
【0035】本発明のポリオレフィン系延伸フィルム
は、前記ブロック共重合体の粉体またはペレットを、場
合によってはポリプロピレンの粉体またはペレットと十
分に混合した後、溶融押出し、さらに一軸または二軸に
延伸することによって製造できる。また、積層ポリオレ
フィン系延伸フィルムの場合には、各層を構成する樹脂
を共押出してその後一軸または二軸に延伸するか、また
は一層の樹脂を溶融押出して一軸延伸し、その上に他層
の樹脂を溶融押出して上記一軸延伸の方向とほぼ直角方
向に延伸する方法等が採用される。延伸操作は降伏点を
なくすために必要であり、倍率は用途によって異なる
が、一般には一軸延伸のときは線延伸倍率で2〜10
倍、二軸延伸のときはMD方向に2〜7倍、TD方向に
2〜12倍の範囲で任意に選択される。延伸温度は通常
60〜160℃から採択される。これらの延伸は、ロー
ル延伸、テンター方式、インフレ方式等の如何なる方式
で実施しても良い。また、二軸に延伸する場合、縦横に
同時に延伸しても良い。
【0036】また、本発明のポリオレフィン系延伸フィ
ルムをシュリンクフィルムとする場合、その延伸温度
は、60〜130℃であるのが好適である。特に、縦一
軸延伸の一例として、ロール延伸を行う際には、延伸温
度は60℃〜110℃、延伸倍率は2〜10倍、さらに
は3〜7倍程度が好ましい。一方横一軸延伸の一例とし
て、好ましくはテンター方式で行うと良い。この際延伸
温度は70〜130℃、延伸倍率は2〜10倍、さらに
は3〜8倍程度が好ましい。 また、以上に示した条件
で縦横逐次二軸延伸、同時二軸延伸等も可能である。
【0037】以上はフラット状の場合であるが、これ以
外にもチューブ状原反をインフレ方式により縦一軸、横
一軸、同時二軸延伸等してシュリンクフィルムを得るこ
とも可能である。この場合、原反を例えば60〜120
℃に加熱し、チューブ状フィルム内に加圧空気を送り込
み、縦もしくは横方向に一軸延伸、または縦横方向に同
時二軸延伸するのが好ましく、例えば縦方向に1〜6
倍、横方向に1〜6倍程度が好ましい。
【0038】以上の延伸工程において、延伸温度が低す
ぎると延伸ムラが発生したり、延伸時に破断の危険を伴
うために好ましくない。また延伸温度が高すぎると、低
温収縮性に劣るために好ましくない。
【0039】また、本発明のポリオレフィン系延伸フィ
ルムには必要に応じて帯電防止剤、防曇剤、アンチブロ
ッキング剤、酸化防止剤等を添加することができる。
【0040】
【作用及び効果】本発明のポリオレフィン系延伸フィル
ムは上記の説明のように、特定の組成をもつ樹脂を延伸
加工したものであり、優れた透明性、弾性、柔軟性を有
する。また、本発明で用いるブロック共重合体は、ポリ
プロピレン系であるためポリプロピレンとの相溶性に優
れ、該ポリプロピレンと混合して用いてもブロック共重
合体が本来有する優れた透明性が阻害されることがな
い。また延伸操作も透明性の向上に寄与していると考え
られる。
【0041】一般的にポリエチレン、無延伸ポリプロピ
レン等のフィルムは柔軟性を有しているが、ある程度引
っ張ると弾性変形の限界を越え、ポリマー間にずれが生
じるいわゆる降伏点を有している。降伏点があると、フ
ィルムを引き伸ばした状態で使用する用途においては、
降伏点付近で応力の低下が起こったり、ネッキングが生
じて外観が不良となるため適していない。
【0042】以上から、本発明のポリオレフィン系延伸
フィルムは、ストレッチフィルム、ラップフィルム、シ
ュリンクフィルム、保護フィルム、テープ等に好適に使
用することができる。
【0043】特に、少なくとも一方向の90℃における
収縮率が10%以上のものはシュリンクフィルムとして
好適である。このシュリンクフィルムは、透明性、表面
光沢、耐熱性、さらに無公害性等の特性に優れ、且つ熱
収縮包装における適用温度範囲が広く、低温での熱収縮
性に優れ、柔軟性に優れるために溶断シール部において
良好なる包装仕上がりが得られるものとなる。
【0044】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例を掲げて説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
【0045】以下の実施例において用いた測定方法につ
いて説明する。
【0046】(1)数平均分子量(Mn)、重量平均分
子量(Mw) 分子量1万以下の割合は、GPC(ゲルパーミェーショ
ンクロマトグラフィー)法により測定した。ウォーター
ズ社製GPC−150CによりO−ジクロルベンゼンを
溶媒とし、135℃で行った。用いたカラムは、東ソー
製TSK gel GMH6−HT、ゲルサイズ10〜
15μである。較正曲線は標準試料として重量平均分子
量が950、2900、1万、5万、49.8万、27
0万、675万のポリスチレンを用いて作成した。
【0047】(2)プロピレン−エチレンランダム共重
合体成分におけるエチレンに基づく単量体単位及びプロ
ピレンに基づく単量体単位のそれぞれ割合の測定及びポ
リブテン成分の割合の測定13 C−NMRスペクトルのチャートを用いて算出した。
即ち、プロピレン−エチレンランダム共重合体成分にお
けるエチレンに基づく単量体単位及びプロピレンに基づ
く単量体単位のそれぞれの割合は、まず、ポリマー(P
olymer)第29巻(1988年)1848頁に記
載された方法により、ピークの帰属を決定し、次にマク
ロモレキュールズ(Macromolecules)第
10巻(1977年)773頁に記載された方法によ
り、エチレンに基づく単量体単位及びプロピレンに基づ
く単量体単位のそれぞれの割合を算出した。
【0048】次いで,プロピレンに基づいて単量体単位
中のメチル炭素に起因するピークと、ポリブテン成分中
のメチル炭素に起因するピークとの積分強度比からポリ
ブテン成分の重量と割合を算出した。
【0049】(3)ポリ1−ブテンのアイソタクティシ
ィティー(mm分率) ポリマー・ジャーナル(Polymer J.)第16
巻(1984年)716〜726頁に基づき、13C−N
MRにより測定を行った。
【0050】(4)メルトインデックス(MI) JIS K7210に準じて測定した。
【0051】(5)透明性 JIS−K6714に準じ、フィルムのヘイズ値を測定
した。
【0052】(6)引張弾性率 JIS−K7113に準じ、以下の方法で測定した。
【0053】フィルムから幅10mm、長さ100mm
のサンプルを切り出し、サンプルの両端を引張強度測定
機(オートグラフ;島津社製)のチャックで固定した。
この場合、サンプルの長さ方向のチャック間隙が20m
mになるように調整した。引張速度20mm/分で引張
試験を行い、引張応力−歪み曲線を作成した。
【0054】引張弾性率は引張応力−歪み曲線の初めの
直線部分を用いて、次の式によって計算した。
【0055】Em=Δδ/Δε Em:引張弾性率 Δδ:直線上の2点間の、サンプルの元の平均断面積に
よる応力の差 Δε:同じ2点間の歪みの差 なおサンプルは、MD方向及びTD方向について測定し
た。
【0056】(7)降伏点 JIS−Z1521に準じてフィルムの引張応力−歪み
曲線を作成し、弾性変形を過ぎた付近での引張応力の変
化より、降伏点の有無を確認した。
【0057】(8)ネッキング フィルムから幅20mm、長さ100mmのサンプルを
切り出し、サンプルの両端を引張強度測定機(オートグ
ラフ;島津社製)のチャックで固定した。この場合、サ
ンプルの長さ方向のチャック間隙が40mmになるよう
に調整した。引張速度20mm/分で引張試験を行い、
伸びが100%(チャック間隙80mm)となるところ
で停止した。この状態でフィルムの表面状態を観察し、
ネッキングの有無を確認した。
【0058】(9)熱収縮率 フィルムのMD方向またはTD方向を長さ方向とし、長
さ20cm、幅15mmに切り取ったフィルムを90℃
のグリセリン浴中に10秒間浸漬した後、取り出し、水
中で急冷後長さを測定し、熱収縮率を算出した。
【0059】製造例1,2 (予備重合)攪拌機を備えた内容積1リットルのガラス
製オートクレーブ反応器を窒素ガスで十分に置換した
後、ヘプタン400mlを装入した。反応器内温度を2
0℃に保ち、ジエチレングリコールジメチルエーテル
0.18mmol、ヨウ化エチル22.7mmol、ジ
エチルアルミニウムクロライド18.5mmol、及び
三塩化チタン(丸紅ソルベイ化学社製「TOS−1
7」)22.7mmolを加えた後、プロピレンを三塩
化チタン1g当たり3gとなるように30分間連続的に
反応器に導入した。なお、この間の温度は20℃に保持
した。プロピレンの供給を停止した後、反応器内を窒素
ガスで十分に置換し、得られたチタン含有ポリプロピレ
ンを精製ヘプタンで4回洗浄した。分析の結果、三塩化
チタン1g当たり2.9gのプロピレンが重合されてい
た。
【0060】(本重合) 工程1:1−ブテンの重合 攪拌機を備えた内容量1リットルのステンレス製オート
クレーブ反応器を窒素ガスで十分に置換した後、ヘプタ
ン400mlを装入した。反応器内温度を20℃に保
ち、ジエチルアルミニウムクロライド18.15mmo
l、ジエチレングリコールジメチルエーテル0.18m
mol、ヨウ化エチル22.7mmol、予備重合で得
られたチタン含有ポリプロピレンを三塩化チタンとして
22.7mmolを加えた後、1−ブテンを三塩化チタ
ン1g当たり15gとなるように2時間連続的に反応器
に導入した。なお、この間の温度は20℃に保持した。
1−ブテンの供給を停止した後、反応器内を窒素ガスで
置換し、チタン含有ポリ1−ブテン重合体を得た。分析
の結果、三塩化チタン1g当たり14gの1−ブテンが
重合されていた。
【0061】工程2:プロピレンの重合及びプロピレン
エチレンの共重合 N置換を施した2リットルのオートクレーブに、液体プ
ロピレンを1リットル、ジエチルアルミニウムクロライ
ド0.70mmolを加え、オートクレーブの内温を7
0℃に昇温した。チタン含有ポリ1−ブテン重合体を三
塩化チタンとして0.087mmol加え、70℃で6
0分間のプロピレンの重合を行った。この間水素は用い
なかった。次いでオートクレーブの内温を急激に55℃
に降温すると同時にエチルアルミニウムセスキエトキシ
ド0.50mmol及びメタクリル酸メチル0.014
mmolの混合溶液を加え、エチレンを供給し、気相中
のエチレンガス濃度が、7.0mol%となるように
し、55℃で120分間のプロピレンとエチレンの共重
合を行った。この間のエチレンガス濃度はガスクロマト
グラフで確認しながら7.0mol%を保持した。この
間水素は用いなかった。重合終了後、未反応モノマーを
パージし、粒子性の重合体を得た。重合槽内及び攪拌羽
根への付着は全く認められなかった。収量は140gで
あり、全重合体の重合倍率は7370g−ポリマー/g
−三塩化チタンであった。
【0062】また、別に上記のプロピレンだけの重合を
行った結果、上記70℃、60分間で、三塩化チタン1
g当たり、1030gのプロピレンが重合されていた。
この結果、ブロック共重合体中のポリブテン成分は0.
19重量%、及びポリプロピレン成分は14重量%であ
ることがわかった。結果を表1に示した。
【0063】次に、得られた重合体30kgに、有機過
酸化物として1,3−ビス−(t−ブチルパーオキシイ
ソプロピル)ベンゼンを表2に示す割合で添加し、ま
た、酸化防止剤を0.1phr添加し、ヘンシェルミキ
サーで1分間混合した後、φ65mm単軸押出機で23
0℃の条件で溶融混練し、ペレットを得た。
【0064】製造例3 製造例1の1−ブテンの重合に於いて、1−ブテンの重
合量を三塩化チタン1g当たり、50gとした以外は、
製造例1と同様の操作を行った。結果を表1に示した。
さらに、製造例1と同様にして表2に示した量の有機過
酸化物と溶融混練した。
【0065】製造例4,5 製造例1のプロピレンの重合に於いて、プロピレンの重
合を60℃で10分間、及び60℃で30分間とした以
外は製造例1と同様の操作を行った。別途の重合実験で
この時のプロピレンの重合倍率はそれぞれ240g−P
P/g−Ti化合物及び540g−PP/g−Ti化合
物であった。結果を表1に示した。さらに、製造例1と
同様にして表2に示した量の有機過酸化物と溶融混練し
た。
【0066】比較製造例1 製造例1の本重合において1−ブテンの重合を行わなか
った以外は製造例1と同様の操作を行った。結果を表1
に示した。さらに製造例1と同様にして表2に示した量
の有機過酸化物と溶融混練した。
【0067】比較製造例2 製造例1の本重合において1−ブテンの重合を三塩化チ
タン1g当たり、600gとした以外は製造例1と同様
の操作を行った。結果を表1に示した。さらに製造例1
と同様にして表2に示した量の有機過酸化物と溶融混練
した。
【0068】
【表1】
【0069】
【表2】
【0070】実施例1〜6 製造例1〜3で得られたブロック共重合体とメルトイン
デックス2.0g/10分、結晶化度98.4%のプロ
ピレン単独重合体を表3に示した配合割合で混合した。
さらに、エルカ酸アミド0.03重量部、ステアリン酸
カルシウム0.04重量部、粒径1.5μの球状シリカ
0.1重量部を加えて溶融混練した。上記樹脂をT−ダ
イより押出し、テンター法二軸延伸機により表3に示し
た、延伸温度、延伸倍率で延伸し、厚さ40μmの延伸
フィルムを得た。
【0071】これらのフィルムについて、透明性、引張
弾性率、降伏点、ネッキングの有無を測定し、結果を表
3に示した。
【0072】比較例1 メルトインデックス2.0g/10分、結晶化度98.
4%のプロピレン単独重合体(融点159℃)100重
量部にエルカ酸アミド0.03重量部、ステアリン酸カ
ルシウム0.04重量部、粒径1.5μの球状シリカ
0.1重量部を加えて溶融混練した。上記樹脂をT−ダ
イより押出し、テンター法二軸延伸機によりMD140
℃、TD155℃の延伸温度で、MD4倍、TD8倍に
延伸し、厚さ40μmの延伸フィルムを得た。このフィ
ルムについて、透明性、引張弾性率、降伏点の有無を測
定し、結果を表3に示した。
【0073】比較例2 メルトインデックス2.0g/10分、結晶化度98.
4%のプロピレン単独重合体(融点159℃)100重
量部にエルカ酸アミド0.03重量部、ステアリン酸カ
ルシウム0.04重量部、粒径1.5μの球状シリカ
0.1重量部を加えて溶融混練した。上記の樹脂組成物
を用い、キャストフィルム製膜機により厚さ40μmの
単層フィルムを得た。このフィルムについて、透明性、
引張弾性率、降伏点の有無を測定し、結果を表3に示し
た。
【0074】比較例3 樹脂として、メルトインデックス6g/10分、密度
0.92g/cm3の線状低密度ポリエチレンを用いた
他は比較例2と同様に行った。結果を表3に示した。
【0075】比較例4 製造例1の樹脂を用いた他は比較例2と同様に行った。
結果を表3に示した。
【0076】
【表3】
【0077】実施例7〜9 製造例4のブロック共重合体と、メルトインデックス
2.0g/10分、結晶化度98.4%のプロピレン単
独重合体を表4に示した配合割合で混合した。さらに、
エルカ酸アミド0.03重量部、ステアリン酸カルシウ
ム0.04重量部、粒径1.5μの球状シリカ0.1重
量部を加えて溶融混練した。上記樹脂をT−ダイより押
出し、テンター法二軸延伸機により表4に示した延伸温
度、延伸倍率で延伸し、厚さ40μmの延伸フィルムを
得た。これらのフィルムについて、透明性、引張弾性
率、降伏点、ネッキングの有無を測定し、結果を表4に
示した。
【0078】比較例5〜6 ブロック共重合体として、比較製造例1及び2の樹脂を
用いた他は、実施例9と同様に行った。結果を表4に示
した。
【0079】
【表4】
【0080】実施例10,11 製造例5で得られたブロック共重合体と、メルトインデ
ックス2.0g/10分、結晶化度98.4%のプロピ
レン単独重合体を表5に示した配合割合で混合した。さ
らに、エルカ酸アミド0.03重量部、ステアリン酸カ
ルシウム0.04重量部を加えて溶融混練し、これを基
材層用の樹脂として用いた。一方、酢酸ビニルを5重量
%含有したエチレン−酢酸ビニル共重合体を表層用の樹
脂として用い、3層ダイにより共押出し、テンター法二
軸延伸機により表5に示す延伸温度、延伸倍率で延伸
し、基材層の両面に表面層が積層されてなる3層の積層
フィルムを得た。各層の厚みは2/26/2μmであっ
た。
【0081】これらのフィルムについて、透明性、引張
弾性率、降伏点の有無を測定し、結果を表5に示した。
【0082】比較例7 基材層用の樹脂として、メルトインデックス2.0g/
10分、結晶化度98.4%のプロピレン単独重合体1
00重量部に、エルカ酸アミド0.03重量部、ステア
リン酸カルシウム0.04重量部を加えて溶融混練した
ものを用い、延伸温度をMD140℃、TD155℃と
した他は、実施例7と全く同様に行った。結果を表5に
示した。
【0083】
【表5】
【0084】実施例12〜22 製造例1〜5で得られたブロック共重合体とメルトイン
デックス2.0g/10min、結晶化度98.4%の
ポリプロピレンを表6に示した配合割合で混合した。さ
らに、エルカ酸アミド0.03重量部、ステアリン酸カ
ルシウム0.04重量部、粒径1.5μの球状シリカ
0.1重量部を加えて溶融混練した。上記樹脂をT−ダ
イより押出し、テンター法逐次二軸延伸機により表6に
示した延伸温度、延伸倍率で延伸し、厚さ20μmの延
伸フィルムを得た。
【0085】これらのフィルムについて、透明性、引張
弾性率、降伏点の有無、90℃における熱収縮率を測定
し、結果を表6に示した。
【0086】また、得られた各延伸フィルムを用いて、
除湿剤の樹脂性容器(商品名:水とりぞうさん、(株)
トクヤマ製)の熱収縮包装を行った。その結果、160
℃に設定した収縮トンネル温度を上下に20℃変化させ
ても、いずれも緊迫性に劣ったり、コーナー部にシワが
発生したりすることもなく、透明性、表面光沢に優れた
良好な仕上がりが得られた。
【0087】比較例8 メルトインデックス2.0g/10分、結晶化度98.
4%のポリプロピレン(融点159℃)100重量部に
エルカ酸アミド0.03重量部、ステアリン酸カルシウ
ム0.04重量部、粒径1.5μの球状シリカ0.1重
量部を加えて溶融混練した。上記樹脂をT−ダイより押
出し、テンター法逐次二軸延伸機により表6に示した延
伸温度、延伸倍率で延伸し、厚さ20μmの延伸フィル
ムを得た。
【0088】このフィルムについて、透明性、引張弾性
率、降伏点の有無、90℃における熱収縮率を測定し、
結果を表6に示した。
【0089】また、得られた延伸フィルムを用いて、実
施例12と同様にして、除湿剤の樹脂性容器の熱収縮包
装性を観察した。その結果160℃に設定した収縮トン
ネル温度を10程度低下させると、熱収縮量が低下し
て、緊迫性にすぐれた仕上がりが得られなかった。
【0090】
【表6】
【0091】実施例23〜25 製造例1で得られたブロック共重合体とメルトインデッ
クス2.0g/10min、結晶化度98.4%のポリ
プロピレンを70/30(wt/wt)の配合割合で混
合し、芯層樹脂とした。エルカ酸アミド0.03重量
部、ステアリン酸カルシウム0.04重量部、粒径1.
5μの球状シリカ0.1重量部と表7に示した外層樹脂
とを溶融混練し、外層樹脂とした。これらの樹脂を用
い、T−ダイより共押出し、テンター法逐次二軸延伸機
により表7に示した延伸温度、延伸倍率で延伸し、厚さ
20μm(外層各2μm、芯層16μm)の延伸フィル
ムを得た。
【0092】これらのフィルムについて、透明性、引張
弾性率、降伏点の有無、90℃における熱収縮率を測定
し、結果を表7に示した。
【0093】また、得られた各延伸フィルムを用いて、
実施例12と同様にして、除湿剤の樹脂性容器の熱収縮
包装性を観察した。その結果、160℃に設定した収縮
トンネル温度を上下に20℃変化させても、いずれも緊
迫性に劣ったり、コーナー部にシワが発生したりするこ
ともなく、透明性、表面光沢に優れた良好な仕上がりが
得られた。
【0094】
【表7】
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 27/32 103 8115−4F C08L 53/00 LMA // B29K 23:00 B29L 9:00 (72)発明者 中川 毅 山口県徳山市御影町1番1号 株式会社ト クヤマ内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリブテン成分、ポリプロピレン成分、及
    びプロピレン−エチレンランダム共重合体成分を含むブ
    ロック共重合体であって、ポリブテン成分が0.01〜
    5重量%、ポリプロピレン成分が1〜70重量%、プロ
    ピレン−エチレンランダム共重合体成分が25〜98.
    99重量%であり、該プロピレン−エチレンランダム共
    重合体成分はエチレンに基づく単量体単位を10〜40
    モル%、プロピレンに基づく単量体単位を90〜60モ
    ル%含むランダム共重合体で構成されてなり、メルトイ
    ンデックスが0.5〜15g/10分であるブロック共
    重合体よりなり、少なくとも一方向の引張弾性率が5〜
    100kg/mm2であり、少なくとも一方向に降伏点
    をもたないことを特徴とするポリオレフィン系延伸フィ
    ルム。
  2. 【請求項2】請求項1記載のポリオレフィン系延伸フィ
    ルムからなるシュリンクフィルム。
  3. 【請求項3】2層以上の積層フィルムであって、少なく
    とも1層は請求項1記載のポリオレフィン系延伸フィル
    ムよりなり、該ポリオレフィン系延伸フィルム層の全フ
    ィルム中の構成比が50容量%以上であって、少なくと
    も一方向の引張弾性率が5〜100kg/mm2であ
    り、少なくとも一方向に降伏点をもたないことを特徴と
    する積層ポリオレフィン系延伸フィルム。
  4. 【請求項4】請求項3記載の積層ポリオレフィン系延伸
    フィルムからなるシュリンクフィルム。
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