JP4815755B2 - フィルム成形用樹脂組成物およびそれからなるフィルム - Google Patents

フィルム成形用樹脂組成物およびそれからなるフィルム Download PDF

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Description

本発明は、フィルム成形用樹脂組成物およびそれからなるフィルムに関するものである。さらに詳しくは、透明性、剛性および耐熱性に優れたフィルム成形用樹脂組成物およびそれからなるフィルムに関するものである。
ポリプロピレン系フィルムは光学的性質、機械的性質および耐熱性が優れていることから包装分野で広く使用されている。
例えば、特開2002−80657号公報には、透明性、外観およびMD方向の引裂強度のバランスに優れるフィルムが得られる高速Tダイフィルム製膜用ポリプロピレン系樹脂として、ダイスウェル比が1.28以上であるポリプロピレン系樹脂組成物が記載されており、その具体的な実施例としては、プロピレン単独重合体とプロピレン単独重合体とからなるフィルムが記載されている。
特開2002−80657号公報
上記の特開2002−80657号公報に記載のポリプロピレン系樹脂組成物、および、それからなるフィルムおいても、透明性、剛性および耐熱性についてはさらなる改良が望まれていた。
かかる状況において、本発明の目的は、透明性、剛性および耐熱性に優れたフィルム成形用樹脂組成物およびそれからなるフィルムを提供することにある。
本発明者らは、かかる事情に鑑み、鋭意検討の結果、本発明が上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、
ダイスウェル比が1.7未満であるポリプロピレン系樹脂(A)70〜99重量部、およびダイスウェル比が1.8以上であるポリプロピレン系樹脂(B)1〜30重量部からなるポリプロピレン系樹脂組成物(I)と、前記樹脂組成物(I)100重量部に対して、密度が0.94g/cm3以上で、メルトフローレートが5〜30g/10分であるポリエチレン(C)0.01〜1重量部とを含有してなるフィルム成形用樹脂組成物およびそれからなるフィルムに係るものである。
本発明によれば、透明性、剛性および耐熱性に優れたフィルム成形用脂組成物およびそれからなるフィルムを得ることができる。
本発明のポリプロピレン系樹脂組成物(I)は、ダイスウェル比が1.7未満であるポリプロピレン系樹脂(A)70〜99重量部、およびダイスウェル比が1.8以上であるポリプロピレン系樹脂(B)1〜30重量部からなる樹脂組成物である。
ここでいうダイスウェル比は、JIS K7210の条件14の方法に従うメルトフローレート(MFR)測定時の押出物の断面の直径を測定し、次式から算出した値である。
ダイスウェル比 = 押出物の断面の直径/オリフィスの直径
但し、押出物の断面とは押出物の押出方向に垂直な断面をいい、該断面が真円形でない場合には、該断面の直径の最大値と最小値との平均値を該押出物の断面の直径とする。
本発明で用いられるポリプロピレン系樹脂(A)のダイスウェル比として好ましくは1.0〜1.6であり、より好ましくは1.05〜1.5であり、さらに好ましくは1.1〜1.35である。
本発明に用いられるポリプロピレン系樹脂(B)のダイスウェル比としてより好ましくは1.8〜3.0であり、さらに好ましくは2.0〜3.0である。
本発明で用いられるポリプロピレン系樹脂(A)として、好ましくは、プロピレン単独重合体、プロピレンと炭素原子数2〜12のα−オレフィン(但し、プロピレンを除く)との結晶性を有する共重合体、または、前記単独重合体および結晶性を有する共重合体からなる群から選ばれる少なくとも2種の重合体である。
炭素原子数2〜12のα−オレフィン(但し、プロピレンを除く)としては、例えば、エチレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等が挙げられる。
結晶性を有する共重合体とは、エチレンの含有量が3重量%以下であり、炭素原子数4〜12のα−オレフィンの含有量が10重量%以下の共重合体である(ただし、共重合体の全重量を100重量%とする)。
ポリプロピレン系樹脂(A)として、より好ましくは、耐熱性の観点から、プロピレン単独重合体、エチレンの含有量が3重量%以下であるプロピレンとエチレンとのランダム共重合体、炭素原子数4〜12のα−オレフィンの含有量が10重量%以下であるプロピレンと炭素原子数4〜12のα−オレフィンとのランダム共重合体、または、エチレンの含有量が3重量%以下であり、炭素原子数4〜12のα−オレフィンの含有量が10重量%以下であるプロピレンとエチレンと炭素原子数4〜12のα−オレフィンとのランダム共重合体である(ただし、ランダム共重合体の全重量を100重量%とする)。さらに好ましくはプロピレン単独重合体である。
ポリプロピレン系樹脂(A)の製造方法としては、一般に公知の重合触媒と公知の重合方法を用いる製造方法が挙げられる。公知の重合触媒としては、例えば、公知のプロピレンの立体規則性重合用触媒が挙げられる。
プロピレンの立体規則性重合用触媒としては、例えば、マグネシウム化合物にTi化合物を複合化させた固体触媒成分等からなるTi−Mg系触媒、このマグネシウム化合物にTi化合物を複合化させた固体触媒成分に有機アルミニウム化合物および必要に応じて電子供与性化合物等の第3成分を組み合わせた触媒等が挙げられる。好ましくは、例えば、特開昭61−218606号公報、特開昭61−287904号公報、特開平7−216017号公報等に記載されたマグネシウム、チタンおよびハロゲンを必須成分とする固体触媒成分、有機アルミニウム化合物および電子供与性化合物からなる触媒である。
ポリプロピレン系樹脂(A)の重合方法としては、不活性溶媒の存在下で行われる溶媒重合法、液状のモノマーの存在下で行われる塊状重合法、実質上液状の媒体の不存在下で行われる気相重合法等が挙げられ、好ましくは気相重合法である。また、1段の重合方法や少なくとも2段の多段重合の方法が挙げられ、好ましくは、多段重合の方法である。
本発明で用いられるポリプロピレン系樹脂(B)としては、公知の種々のポリプロピレン系樹脂を用いることができ、例えば、歪み硬化性伸長粘度を有する非線状のプロピレン重合体や、多段重合により製造された広い分子量分布を有するプロピレン重合体等が挙げられる。
ポリプロピレン系樹脂(B)としては、下記のプロピレン重合体(D)が好適に用いられる。
プロピレン重合体(D)は、極限粘度が5dl/g以上の結晶性プロピレン重合体部分(a)0.05〜35重量%と、極限粘度が3dl/g未満の結晶性プロピレン重合体部分(b)99.95〜65重量%とを含有するプロピレン重合体であって、該重合体の極限粘度が3dl/g未満であるプロピレン重合体である(ただし、プロピレン重合体(D)の全重量を100重量%とする)。
プロピレン重合体(D)は、極限粘度が5dl/g以上の結晶性プロピレン重合体部分(a)を製造する工程および極限粘度が3dl/g未満の結晶性プロピレン重合体部分(b)を製造する工程を含む重合方法により得られる。
プロピレン重合体(D)の具体的な製造方法としては、例えば、第一段階で重合体部分(a)を重合した後、引き続いて第二段階で重合体部分(a)を重合したと同一の重合槽で重合体部分(b)を重合する回分式重合法や、2槽以上の重合槽を直列に配置し、第一段階として重合体部分(a)を重合後生成物を次の重合槽へ移送し、その重合槽で第二段階として重合体部分(b)を重合する連続式重合法等が挙げられる。なお、連続式重合法の場合は、第一段階および第二段階それぞれの重合槽は1槽でもよく、少なくとも2槽でもよい。
プロピレン重合体(D)に含有される結晶性プロピレン重合体部分(a)の極限粘度は5dl/g以上であり、好ましくは6dl/g以上である。重合体部分(a)の極限粘度が5dl/g以上の場合、本発明のフィルム成形用樹脂組成物からなるフィルムの透明性を改良する効果が高くなる。重合体部分(a)の極限粘度は高いほど好ましく特に上限に制限はないが、通常は15dl/g未満である。該(a)の極限粘度としてより好ましくは6〜13dl/gであり、さらに好ましくは7〜11dl/gである。
プロピレン重合体(D)に含有される結晶性プロピレン重合体部分(a)の含有量は0.05〜35重量%であり、好ましくは0.1〜25重量%であり、さらに好ましくは0.3〜18重量%である(ただし、プロピレン重合体(D)の全重量を100重量%とする)。
プロピレン重合体(D)に含有される結晶性プロピレン重合体部分(b)の含有量は99.95〜65重量%であり、好ましくは99.9〜75重量%であり、さらに好ましくは99.7〜82重量%である。
プロピレン重合体(D)に含有される結晶性プロピレン重合体部分(b)の極限粘度は3dl/g未満であり、好ましくは2dl/g以下である。重合体部分(b)の極限粘度が3dl/g未満の場合、本発明のフィルム成形用樹脂組成物は流動性や加工性に優れる。重合体部分(b)の極限粘度は低いほど好ましく特に下限に制限はないが、通常は0.5dl/g以上である。重合体部分(b)の極限粘度としてより好ましくは0.8〜2dl/gであり、さらに好ましくは1〜1.8dl/gである。
重合体部分(b)の極限粘度は、重合体部分(b)の製造条件を適宜設定することにより上記の範囲内とすることができる。
そして、重合体部分(b)の極限粘度は、次のとおりに求めることができる。通常は極限粘度の加成性が成り立つとして、重合体部分(a)と重合体部分(b)とからなるプロピレン重合体(D)の場合は、最終的に得られたプロピレン重合体(D)の極限粘度[η]Dと重合体部分(a)の極限粘度[η]aおよび重合体部分(a)、重合体部分(b)それぞれのプロピレン重合体(D)中の含有割合(重量%)から下記の数式1により重合体部分(b)の極限粘度[η]bを求める。
[η]b = ([η]D×100−[η]a×Wa)÷Wb [数式1]
[η]D:プロピレン重合体(D)の極限粘度(dl/g)
[η]a:結晶性プロピレン重合体部分(a)の極限粘度(dl/g)
a :結晶性プロピレン重合体部分(a)の含有割合(重量%)
b :結晶性プロピレン重合体部分(b)の含有割合(重量%)
プロピレン重合体(D)の極限粘度は3dl/g未満である。重合体(D)の極限粘度は3dl/g未満の場合、本発明のフィルム成形用樹脂組成物は流動性や加工性に優れる。重合体(D)の極限粘度は低いほど好ましく特に下限に制限はないが、通常は1dl/g以上である。重合体該(D)の極限粘度としてより好ましくは1dl/g以上3dl/g未満であり、さらに好ましくは1.2dl/g以上2.8dl/g以下である。
さらに、プロピレン重合体(D)のダイスウェル比を好適な範囲とするためには、重合体部分(a)の極限粘度[η]a(dl/g)および含有割合Wa(重量%)が、下記の数式2を満たすことがさらに好ましい。
a≧400×EXP(−0.6×[η]a) [数式2]
重合体部分(a)および重合体部分(b)は、それぞれアイソタクチックポリプロピレン結晶構造を有する結晶性プロピレン重合体部分であり、好ましくは、プロピレン単独重合体、または、プロピレンと炭素原子数2〜12のα−オレフィン(但し、プロピレンを除く)との結晶性を有する共重合体である。
炭素原子数2〜12のα−オレフィン(但し、プロピレンを除く)としては、例えば、エチレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等が挙げられる。
結晶性を有する共重合体とは、エチレンの含有量が3重量%以下であり、炭素原子数4〜12のα−オレフィンの含有量が10重量%以下の共重合体である(ただし、共重合体の全重量を100重量%とする)。
ポリプロピレン系樹脂(A)として、より好ましくは、耐熱性の観点から、プロピレン単独重合体、エチレンの含有量が3重量%以下であるプロピレンとエチレンとのランダム共重合体、炭素原子数4〜12のα−オレフィンの含有量が10重量%以下であるプロピレンと炭素原子数4〜12のα−オレフィンとのランダム共重合体、または、エチレンの含有量が3重量%以下であり、炭素原子数4〜12のα−オレフィンの含有量が10重量%以下であるプロピレンとエチレンと炭素原子数4〜12のα−オレフィンとのランダム共重合体である(ただし、ランダム共重合体の全重量を100重量%とする)。さらに好ましくはプロピレン単独重合体である。
重合体部分(a)と重合体部分(b)とは同一組成であってもよく、異なっていてもよい。また重合体部分(a)と重合体部分(b)はブロック的に結合していてもよい。さらに、重合体部分(a)と重合体部分(b)とがブロック的に結合したものと、ブロック的に結合していない重合体部分(a)および重合体部分(b)とが共存していてもよい。
ポリプロピレン系樹脂組成物(I)はポリプロピレン系樹脂(A)70〜99重量部およびポリプロピレン系樹脂(B)1〜30重量部からなる樹脂組成物であり、好ましくはポリプロピレン系樹脂(A)80〜97重量部およびポリプロピレン系樹脂(B)3〜20重量部からなる樹脂組成物である。
ポリプロピレン系樹脂(A)が99重量部を超えた場合(すなわち、ポリプロピレン系樹脂(B)が1重量部未満の場合)、フィルムの透明性が劣ることがあり、
ポリプロピレン系樹脂(A)が70重量部未満の場合(すなわち、ポリプロピレン系樹脂(B)が30重量部を超えた場合)、樹脂組成物からフィルムを成形するときの加工性が劣ることがある。
本発明で用いられるポリエチレン(C)の密度は0.94g/cm3以上であり、通常は0.97g/cm3以下である。好ましくは0.95g/cm3以上であり、密度が0.95g/cm3以上であるポリエチレンは、通常、高密度ポリエチレンと呼ばれている。密度が0.94g/cm3未満の場合、透明性の製膜条件依存性が大きくなることがある。
本発明で用いられるポリエチレン(C)のメルトフローレートは5〜30g/10分であり、好ましくは10〜25g/分である。メルトフローレートが5g/10分未満の場合、透明性が悪化することがあり、30g/10分を超えた場合、耐熱性が悪化することがある。
ポリエチレン(C)の製造方法としては、一般に公知の重合触媒と公知の重合方法を用いる製造方法が挙げられる。
公知の重合触媒としては、例えば、チーグラー・ナッタ系触媒やメタロセン系触媒等が挙げられ、公知の重合方法としては、例えば、溶液重合法、スラリー重合法、高圧イオン重合法、気相重合法等が挙げられる。
ポリエチレン(C)の含有量は、ポリプロピレン系樹脂組成物100重量部に対して、0.01〜1重量部であり、ポリエチレン(C)が0.01重量部未満の場合、耐熱性が劣ることがあり、1重量部を超えた場合、透明性が悪化することがある。
本発明のフィルム成形用樹脂組成物の製造において、ポリプロピレン系樹脂(A)とポリプロピレン系樹脂(B)とポリエチレン(C)をブレンドする方法としては、例えば、ポリプロピレン系樹脂(A)とポリプロピレン系樹脂(B)とポリエチレン(C)を溶融ブレンドする方法、ポリプロピレン系樹脂(A)、ポリプロピレン系樹脂(B)およびポリエチレン(C)のそれぞれのペレットを製膜時にペレットブレンドする方法等が挙げられる。
本発明のフィルム成形用樹脂組成物の製造において、ポリプロピレン系樹脂(A)とポリプロピレン系樹脂(B)とポリエチレン(C)を混練する方法としては、公知の混練機を使用する方法が挙げられ、例えば、単軸混練押出機、多軸混練押出機やバンバリーミキサーを使用する方法等が挙げられる。
本発明のフィルム成形用樹脂組成物には、必要に応じて、添加剤やその他の樹脂を添加しても良い。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、造核剤、粘着剤、防曇剤、アンチブロッキング剤等が挙げられる。
その他の樹脂としては、本発明で用いられるポリプロピレン系樹脂(A)、ポリプロピレン系樹脂(B)およびポリエチレン(C)以外のオレフィン系樹脂、エチレンとα−オレフィンの共重合体であるエラストマー等が挙げられ、これらは不均一系触媒で製造されたものであっても、均一系触媒(例えば、メタロセン触媒等)で製造されたものであっても良い。さらに、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体やスチレン−イソプレン−スチレン共重合体を水添したスチレン系共重合体ゴムやその他のエラストマーが挙げられる。
本発明のフィルムは、本発明のフィルム成形用樹脂組成物からなるフィルムであり、単層フィルムでもあってもよく、本発明の樹脂組成物からなる層を少なくとも1層含む多層フィルムであってもよい。また、未延伸フィルムであってもよく、延伸フィルムであってもよく、好ましくは、未延伸フィルムである。
本発明のフィルムの製造方法としては、例えば、通常用いられるインフレーション法、Tダイ法、カレンダー法等を用いて単独で製膜する方法や多層フィルムの少なくとも1層として製膜する方法が挙げられる。多層フィルムの製造方法としては、例えば、共押し出し加工法、押出ラミネート法、熱ラミネート法、ドライラミネート法等が挙げられる。
本発明のポリプロピレン系フィルムの延伸方法としては、例えば、ロール延伸法、テンター延伸法、チューブラー延伸法等を用いて一軸または二軸に延伸する方法が挙げられる。
本発明のポリプロピレン系フィルムの用途としては、例えば、包装用途等が挙げられ、より具体的には、食品、繊維、雑貨等の包装用途が挙げられる。
以下、実施例および比較例により、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例および比較例に用いたポリプロピレン、ポリエチレン、ポリプロピレン系樹脂組成物およびフィルムの物性は以下の方法に従って測定した。
(1)重合体の極限粘度([η]、単位:dl/g)
ウベローデ型粘度計を用いて135℃テトラリン中で測定を行った。なお、下記参考例1における結晶性プロピレン重合体部分(b)の極限粘度は結晶性プロピレン重合体部分(a)および重合体全体の極限粘度等より明細書中に記載の計算式[数式1]を用いて求めた。
(2)メルトフローレート(MFR、単位:g/10分)
ポリプロピレンのメルトフローレートはJIS K7210に従って、温度230℃、荷重21.18N(条件 M)で測定した。
ポリエチレンのメルトフローレートはJIS K7210に従って、温度190℃、荷重21.18N(条件 D)で測定した。
(3)ダイスウェル比(SR)
JIS K7210の条件 Mの方法に従うメルトフローレート(MFR)測定時の押出物の断面の直径を測定し、次式から算出した。
ダイスウェル比 = 押出物の断面の直径/オリフィスの直径
但し、押出物の断面とは押出物の押出方向に垂直な断面をいい、該断面が真円形でない場合には、該断面の直径の最大値と最小値の平均値を該押出物の断面の直径とした。
(4)密度(単位:g/cm3
ポリエチレンの密度はJIS K7112に従って測定した。
(5)ヘイズ(単位:%)
JIS K7105に従って測定した。
(6)ヤング率(単位:MPa)
幅20mmの試験片を縦方向(MD)および横方向(TD)に採取し、引張試験機によりチャック間隔60mm、引張速度5mm/分でS−S曲線をとり、初期弾性率を測定した。
(7)耐熱性(単位:g/15mm幅)
東洋精機製の熱傾斜試験機を用い、2℃の間隔で、15mm幅、シール圧1Kg/cm2、1秒間の条件でヒートシールを実施した。得られたフィルムを23℃で24時間以上放置し、その後引張試験機を用い23℃で200mm/minの速度でT型剥離を実施して剥離強度を求めた。耐熱性は、ヒートシール温度164℃の剥離強度で、強度が低いほど良好と判断した。
[参考例1](PP−1:ポリプロピレン系樹脂の製造)
特開平11−228629号公報の実施例1に記載されている重合触媒を用いて、同実施例1に記載されている重合方法および重合条件に準拠して、第1工程で第一の成分を重合した後、触媒を失活させずに、触媒と第一の成分を第2工程へ移し、第2工程で第一の成分と分子量が異なる成分を重合する方法によって得られた、極限粘度が7.6dL/gである成分9重量%と、極限粘度が1.2dL/gである成分91重量%からなるプロピレン単独重合体を得た。
得られたプロピレン単独重合体を二軸押出機TEM75(東芝機械製)に逆ねじ部の存在しないスクリューを用いて、プロピレン単独重合体 100重量部に対して、ステアリン酸カルシウム 0.05重量部、イルガノックス1010(チバ・スペシャリティ−ケミカルズ社製)0.20重量部、イルガフォス168(チバ・スペシャリティ−ケミカルズ社製)0.25重量部を供給し、吐出量300Kg/時、スクリュー回転数250rpmで、200℃で加熱溶融混合を行い、ペレットを得た。
得られたペレットのMFRは14g/10分であり、SRは2.27であった。
[実施例1]
住友ノーブレンFLX80E3(ポリプロピレン単独重合体、MFR=7.8、SR=1.22) 95重量%とPP−1 5重量%の100重量部に対して京葉ポリエチレンG1900(高密度ポリエチレン、メルトフローレート:15.0g/10分、密度:0.956g/cm3)をペレットブレンドした組成物を幅400mmのコートハンガー式Tダイを備えたφ50mm押出機を用いて、樹脂温度250℃、吐出量12Kg/hrで押出し、チルロール温度40℃、ライン速度20m/min、エアーチャンバー冷却方式で冷却し厚み30μmのフィルムを作成した。
得られたフィルムの物性を表1に示した。
[実施例2]
FLX80E3 90重量%とPP−1 10重量%に変更した以外は実施例1と同様に実施した。
得られたフィルムの物性を表1に示した。
[実施例3]
FLX80E3 85重量%とPP−1 15重量%に変更した以外は実施例1と同様に実施した。
得られたフィルムの物性を表1に示した。
[比較例1]
PP−1を用いずにFLX80E3 100重量%に変更した以外は実施例1と同様に実施した。
得られたフィルムの物性を表1に示した。
[比較例2]
G1900を添加しなかった以外は実施例1と同様に実施した。
得られたフィルムの物性を表1に示した。
Figure 0004815755
本発明の要件を満足する実施例1〜3のフィルムは、透明性、剛性および耐熱性に優れることが分かる。
これに対して、本発明の要件であるダイスウェル比が1.8以上であるポリプロピレン系樹脂(B)を用いなかった比較例1のフィルムは、透明性、剛性および耐熱性に劣り、ポリエチレン(C)を用いなかった比較例2のフィルムは透明性、剛性および耐熱性に劣ることが分かる。

Claims (5)

  1. ダイスウェル比が1.7未満であるプロピレン単独重合体(A)70〜99重量部、およびダイスウェル比が1.8以上であるポリプロピレン系樹脂(B)1〜30重量部からなるポリプロピレン系樹脂組成物(I)と、前記樹脂組成物(I)100重量部に対して、密度が0.94g/cm3以上で、メルトフローレートが5〜30g/10分であるポリエチレン(C)0.01〜1重量部とを含有してなるフィルム成形用樹脂組成物。
  2. ポリプロピレン系樹脂(A)のダイスウェル比が、1.0〜1.6である請求項1記載のフィルム成形用樹脂組成物。
  3. ポリプロピレン系樹脂(B)が、極限粘度が5dl/g以上の結晶性プロピレン重合体部分(a)0.05〜35重量%と、極限粘度が3dl/g未満の結晶性プロピレン重合体部分(b)99.95〜65重量%とを含有するプロピレン重合体(D)であって、該重合体(D)の極限粘度が3dl/g未満である請求項1または2記載のフィルム成形用樹脂組成物(ただし、プロピレン重合体(D)の全重量を100重量%とする)。
  4. 結晶性プロピレン重合体部分(a)および結晶性プロピレン重合体部分(b)のそれぞれが、プロピレンの単独重合体、エチレンから誘導される繰り返し単位の含有量が3重量%以下であるプロピレンとエチレンとのランダム共重合体、炭素原子数4〜12のα−オレフィンから誘導される繰り返し単位の含有量が10重量%以下であるプロピレンと炭素原子数4〜12のα−オレフィンとのランダム共重合体、またはエチレンから誘導される繰り返し単位の含有量が3重量%以下で炭素原子数4〜12のα−オレフィンから誘導される繰り返し単位の含有量が10重量%以下であるプロピレンとエチレンと炭素原子数4〜12のα−オレフィンとのランダム共重合体である請求項3記載のフィルム成形用樹脂組成物(ただし、ランダム共重合体に含有される全重量を100重量%とする)。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のフィルム成形用樹脂組成物からなるフィルム。
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