JP2000326457A - 非塩ビ系ストレッチフィルム - Google Patents
非塩ビ系ストレッチフィルムInfo
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Abstract
に優れる非塩ビ系ストレッチフィルムを提供する。 【解決手段】表面層にEVAを使用することで底シール
性を付与し、中間層に結晶性ポリプロピレン系樹脂60
〜80重量%、プロピレン−ブテン共重合体20〜30
重量%、エチレン−プロピレン共重合体10〜30重量
%の組成とすることで透明性、適度な柔軟性、回復性と
突き刺し強度を付与することが出来、自動包装機械械の
フィルム搬送ベルトに対するフィルムの動摩擦係数を
0.1〜0.25とすることで塩ビ系ストレッチフィル
ムと同等の機械包装性に優れる非塩ビ系ストレッチフィ
ルムを提供することが出来る。
Description
フィルムに係わり、詳しくは特定の組成物からなる層を
積層した非塩ビ系ストレッチフィルムであって、透明
性、特に機械包装性に優れる食品包装用に好適な非塩ビ
系ストレッチフィルムに関する。
接またはポリスチレンペーパー(PSP)等の軽量プラ
スチック製トレーに載せてストレッチフィルムをオーバ
ーラップする、いわゆる業務プリパック用のストレッチ
フィルムとしては、主に塩化ビニル(本願において「塩
ビ」という。)系のものが使用されてきた。これは透明
性がよく、更に包装の作業効率がよく、包装仕上がりも
しわが無く綺麗であるなどの包装適性の他、底シール性
も良好であり、輸送および陳列中にストレッチフィルム
底部重なり部の剥がれが発生しにくいなど、商品価値が
低下しないという販売者、消費者の双方に認められた品
質の優位性を持っているためである。
に対し焼却時に発生する塩化水素ガスやダイオキシン、
含有する可塑剤の溶出などが問題視されてきた。このた
め、塩ビにかわるものが種々検討されている。
インに対する滑り摩擦荷重の規定がなされているストレ
ッチ包装用フィルムが記されている。
明記されている中間層組成では、その実施例の評価結果
にあるように、自動包装機械で包装した時にしわが完全
になくなることがないという問題があった。
く、更に自動包装機械による包装の作業効率がよく、包
装仕上がりもしわが無く綺麗であるなどの包装適性を有
する非塩ビ系ストレッチフィルムを得ることを課題とす
る。
を解決するために鋭意検討した結果、上記諸特性に優れ
た非塩ビ系ストレッチフィルムを得ることに成功したも
のであり、その要旨は、自動包装機械のフィルム搬送ベ
ルトに対する、フィルムの動摩擦係数が0.1〜0.2
5である非塩ビ系ストレッチフィルムであり、結晶性ポ
リプロピレン系樹脂60重量%〜80重量%、プロピレ
ン−ブテン共重合体20重量%〜30重量%、エチレン
−プロピレン共重合体10重量%〜30重量%を中間層
とする非塩ビ系ストレッチフイルムであり、更に、中間
層以外にエチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂、直鎖状
低密度ポリエチレン、エチレン−アルキルアクリレート
共重合体、エチレン−アルキルメタアクリレート共重合
体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレンメタクリ
レート共重合体、アイオノマー、プロピレン系エラスト
マー、メタロセン触媒を用いたポリエチレン系樹脂から
選ばれた少なくとも一種の樹脂を表面層として積層した
非塩ビ系ストレッチフィルムである。
発明の自動包装機械とは、カットされたフィルムの中央
部を被包装物で突き上げることによってフィルムをスト
レッチさせ、その状態で被包装物を包み込む突き上げ型
ストレッチ包装機のことをいう。また、フィルム搬送ベ
ルトとはカットされたフィルムを被包装物の上に搬送す
るベルトのことをいう。
動包装機械のフィルム搬送ベルトに対する動摩擦係数
は、0.1〜0.25、好ましくは0.13〜0.2の
範囲である。非塩ビ系ストレッチフィルムの動摩擦係数
が0.1以下である場合、夏場などの高温多湿環境下に
フィルムを保管した場合に、通常の流通形態であるロー
ル状に巻かれたフィルムの、ロール中心部がせり上がり
タケノコ状になる不良現象が発生したり、自動包装機械
にかけた場合、フィルムを両面から掴んで搬送するベル
トから容易に抜けて、包装不良現象を起こすなどの不具
合が起きる。また、非塩ビ系ストレッチフィルムの動摩
擦係数が0.25以上である場合、自動包装機械にかけ
て包装した場合、包装したフィルムが破れる、トレーが
変形する等の不良現象を起こすという不具合がある。
系樹脂は、プロピレンモノマーを主成分として重合した
ポリマーで10重量%程度までエチレン、ブテン、4−
メチルペンテン−1等のα−オレフィンと共重合したも
のでもよい。共重合体はランダム共重合体、ブロック共
重合体のいずれでも良い。なかでも230℃、2.16
kgの荷重でのメルトフローレートが0.1g/10分
〜20g/10分のものが好ましく、更に好ましくは
0.4g/10分〜10g/10分のものである。20
g/10分を越えると、インフレーション法による製膜
の際、溶融張力が低くなり製膜性に劣る。該結晶性ポリ
プロピレン系樹脂は中間層に60重量%〜80重量%で
含有される。60重量%以下であると非塩ビ系ストレッ
チフィルムが柔らかく腰がないために、自動包装機械に
おいてカット性が悪くなる。ここで言うカット性とは自
動包装機械で搬送ベルトにより非塩ビ系ストレッチフィ
ルムが繰り出されたときに搬送ベルトの間に設置された
カット刃が突き出ることによって非塩ビ系ストレッチフ
ィルムにミシン目が入り、その後搬送ベルトにより非塩
ビ系ストレッチフィルムは引っ張られることでミシン目
から引きちぎれることをいう。非塩ビ系ストレッチフィ
ルムが柔らかく腰がないと刃が突き出たときに伸びる為
にミシン目が入りにくくなる。80重量%以上であると
透明性がなくなる。
合体はブテン−1の含有量が30〜50重量%で、数平
均分子量が1、500〜10、000のものが使用でき
る。該プロピレン−ブテン共重合体は中間層に20〜3
0重量%で含有される。この作用としては結晶性ポリプ
ロピレン系樹脂の結晶を微分散させることで透明性と柔
軟性が得られる。自動包装機械で非塩ビ系ストレッチフ
ィルムに柔軟性がないと包装したときトレーを変形させ
てしまう。該プロピレン−ブテン共重合体は20重量%
以下であると透明性が得られにくく、また柔軟性も不足
する。30重量%以上では非塩ビ系ストレッチフィルム
が柔らかすぎて腰が無くなる。
重合体はプロピレンの含有量が20〜30重量%のもの
が使用できる。該エチレン−プロピレン共重合体は中間
層に10〜30重量%で含有される。この作用としては
柔軟性、回復性と突き刺し強度を付与することが出来
る。自動包装機械で回復性がないと包装したときにしわ
が入り、また突き刺し強度がないと非塩ビ系ストレッチ
フィルムが折り畳まれる際に破れてしまう。該エチレン
−プロピレン共重合体は10重量%以下ではこれらの性
質が得られにくく、30重量%以上では非塩ビ系ストレ
ッチフィルムが柔らかすぎて腰が無くなる。
る表面層には、エチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂、
直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−アルキルアクリ
レート共重合体、エチレン−アルキルメタアクリレート
共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレンメ
タクリレート共重合体、アイオノマー、プロピレン系エ
ラストマー、メタロセン触媒を用いたポリエチレン系樹
脂から選ばれた少なくとも一種の樹脂が使用できる。エ
チレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(以下EVA)として
は190℃におけるメルトフローレートが0.3g/1
0分〜5g/10分、酢酸ビニル含有量が5重量%〜2
5重量%であるものが好ましい。
形するためには、溶融押出法、即ち、T−ダイ法、テン
タ延伸法、インフレーション法、チューブラー二軸延伸
法などを採用することが出来る。ここで、製膜方向と幅
方向の応力バランス、また横方向の応力を調整するため
には使用する材料の特性に応じて、溶融押出後の冷却、
引き取り条件、インフレーション法においてはブローア
ップ比を、延伸を伴う場合には、その温度や延伸倍率を
調整することで適正な範囲に制御することが出来る。
さは、通常の非塩ビ系ストレッチフィルムとして使用さ
れる範囲、即ち7〜30μm程度、好ましくは9〜20
μm程度の範囲である。
防曇剤、帯電防止剤、適度の滑り性、自己粘着性などを
付与するため以下のような添加剤を任意の層に添加する
ことが出来る。例えばPL規格(食品添加剤リスト)に
準ずる界面活性剤として、グリセリン脂肪酸(C8〜2
2)エステル、ソルビタン脂肪酸(C8〜22)エステ
ル、プロピレングリコール脂肪酸(C8〜22)エステ
ル、ショ糖脂肪酸(C8〜22)エステル、クエン酸モ
ノ(ジまたはトリ)ステアリン酸エステル、ペンタエリ
ストール脂肪酸(C8〜22)エステル、ポリグリセリ
ン脂肪酸(C8〜22)エステル、ポリオキシエチレン
(20)グリセリン脂肪酸(C8〜22)エステル、ポ
リエチレングリコール脂肪酸(C8〜22)エステル、
ポリプロピレングリコール脂肪酸(C8〜22)エステ
ル、ポリオキシエチレン(9.5)ドデシルエーテル、
ポリオキシエチレン(4〜14.30〜50)アルキル
(C4、9、12)フェニルエーテル、N、N−ビス
(2)−ヒドロキシエチル脂肪酸(C12〜18)とジ
エタノールアミンによる縮合生成物、ポリオキシプロピ
レンポリオキシエチレンブロック共重合体、ポリエチレ
ングリコール(分子量200〜9500)、ポリプロピ
レングリコールなどが挙げられる。
ス、マイクロクリスタリンワックス、流動パラフィン、
ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等のパ
ラフィン、炭化水素樹脂類、ステアリン酸、ヒドロキシ
ステアリン酸等の脂肪酸類、ステアロアミド、オキシシ
テアロアミド、オレイルアミド、エルシルアミド、シリ
ノールアミド、メチレンビスステアロアミド、メチレン
ビスステアロベヘナミド、エチレンビスステアロアミド
等の脂肪酸アミド類、n−ブチルステアレート、メチル
ヒドロキシシステアレート等の脂肪酸エステル類等が挙
げられる。
これらの界面活性剤、滑剤、粘着付与剤などの添加剤を
各々の層を構成する樹脂に、フィルムの動摩擦係数が
0.05〜0.3となるように添加することが出来る。
クラップを中間層に戻すことが出来る。
する。なおストレッチフィルム特性・性質は次の方法に
より測定評価した。
図1に示したように、重量が216gの荷重1に被測定
フィルム2を接触面が平滑になるように固定し、スレッ
ド板3に自動包装機械((株)寺岡精工社製AW−26
00JrPE)に使用されている上側搬送ベルト4を張
り付けたものに載せ、ナイロンひも5により500mm
/minの速度で引っ張り、その荷重を滑り荷重とし、
以下の計算式に従い算出したものを動摩擦係数とする。 動摩擦係数=滑り荷重/加重1の重量 3)自動包装機械適性 幅350mmの非塩ビ系ストレッチフィルムを用い、自
動包装機械((株)寺岡精工社製AW−2600JrP
E)によりPSPトレー(長さ196mm、幅153m
m、高さ25mm)の包装試験を実施した。表3に示
す、カット性、しわ、破れ、トレー変形、底シール性に
ついて評価した。
ム共重合体(エチレン含有4モル%、MFR=0.5g
/10分(230℃、2.16Kg))62.5重量
%、プロピレン/ブテン−1の重量比が65/35で数
平均分子量Mn6500であるプロピレン・ブテン−1
共重合体(商品名REXTAC RT2780)22.
5重量%、エチレン−プロピレンランダム共重合体(プ
ロピレン含有量26モル%、MFR=3.2g/10分
(230℃、2.16Kg))15%と防曇剤としてジ
グリセリンモノオレートを2重量部混合した組成物を中
間層として6μm、EVA(酢酸ビニル含量15重量
%、MFR=1.5g/10分(190℃、2.16K
g))100重量部に防曇剤としてジグリセリンモノオ
レートを3重量部添加した組成物を表面層として各々3
μmとなるように、共押出インフレーション成形にて総
厚み12μm(3μm/6μm/3μm)の非塩ビ系ス
トレッチフィルムを得た。
ップギャップ1.0mm、引取速度30m/分、ブロー
アップ比4.0倍であった。
と同じ樹脂を使用し、その比率を表1のように変更して
非塩ビ系ストレッチフィルムを製膜した。
0重量%、プロピレン・ブテン−1共重合体20重量%
と防曇剤を1重量部混合した樹脂組成物を中間層として
6μm、実施例1と同じ表面層を中間層の表面に3μm
となるように、共押出インフレーション成形にて総厚み
12μm(3μm/6μm/3μm)の非塩ビ系ストレ
ッチフィルムを得た。成形条件は実施例と同じで行っ
た。
5重量%、エチレン−プロピレン共重合体15重量%と
防曇剤を1重量部混合した樹脂組成物を中間層として6
μm、実施例1と同じ表面層を中間層の表面に3μmと
なるように、共押出インフレーション成形にて総厚み1
2μm(3μm/6μm/3μm)の非塩ビ系ストレッ
チフィルムを得た。成形条件は実施例と同じで行った。
ム(厚さ13μm)を使用した。 (比較例4)VLDPE(MI=1.0、融点119
℃。日本ユニカー(株)製「DFDA 1137」)8
0重量部、VLDPE(MI=2.5、融点123℃。
日本ユニカー(株)製「DEFD 9078」)15重
量部、EAA(MI=1.5、軟化点82℃。ダウケミ
カル日本製 PRIMACOR 1410)5重量部、
ジグリセリンオレート(理研ビタミン(株)製 O−7
1−D)0.7重量部、グリセリンモノオレート(理研
ビタミン(株)製 OL−100)0.3重量部よりな
る樹脂組成物を中間層として7μm、EVA(酢酸ビニ
ル含量15重量%、MI=2.2。日本ユニカー(株)
製 「NUC3758」)100重量部、ジグリセリン
オレート(理研ビタミン(株)製 O−71−D)0.
7重量部、グリセリンモノオレート(理研ビタミン
(株)製 OL−100)0.3重量部よりなる樹脂組
成物を両外層としてそれぞれ4μとなるように、共押出
インフレーション成形にて総厚み15μm(4μm/7
μm/4μm)の非塩ビ系ストレッチフィルムを押出温
度190℃、ブロー比4.8の条件で得た。これらの非
塩ビ系ストレッチフィルムについての特性、性能の評価
結果を表2、3に示す。 (比較例5)実施例1に使用したものと同じ樹脂を使用
し、表層に添加する防曇剤としてジグリセリンモノオレ
ートを10重量部添加した。 (比較例6)実施例1に使用したものと同じ樹脂を使用
し、表層に添加する防曇剤としてジグリセリンモノオレ
ートを0.5重量部添加した。
表面層にEVAを使用することで底シール性を付与し、
中間層に結晶性ポリプロピレン系樹脂60〜80重量
%、プロピレン−ブテン共重合体20〜30重量%、エ
チレン−プロピレン共重合体10〜30重量%の組成と
することで透明性、適度な柔軟性、回復性と突き刺し強
度を付与することが出来、自動包装機械のフィルム搬送
ベルトに対するフィルムの動摩擦係数を0.1〜0.2
5とすることで塩ビストレッチフィルムと同等の機械包
装性に優れる非塩ビ系ストレッチフィルムを提供するこ
とが出来る。
ある。
PE)に使用されている上側フィルム搬送ベルト 5 ナイロンひも 6 引っ張り試験機 7 引っ張り試験機測定架台
Claims (3)
- 【請求項1】 自動包装機械のフィルム搬送ベルトに対
する、フィルムの動摩擦係数が0.1〜0.25であ
り、結晶性ポリプロピレン系樹脂60重量%〜80重量
%、プロピレン−ブテン共重合体20重量%〜30重量
%、エチレン−プロピレン共重合体10重量%〜30重
量%よりなる中間層を有する非塩ビ系ストレッチフィル
ム。 - 【請求項2】 中間層以外に表面層を有する請求項1記
載の非塩ビ系ストレッチフィルム。 - 【請求項3】 表面層がエチレン−酢酸ビニル共重合体
系樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−アルキ
ルアクリレート共重合体、エチレン−アルキルメタアク
リレート共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エ
チレンメタクリレート共重合体、アイオノマー、プロピ
レン系エラストマー、メタロセン触媒を用いたポリエチ
レン系樹脂から選ばれた少なくとも一種の樹脂からなる
請求項2記載の非塩ビ系ストレッチフィルム。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP14013899A JP4680336B2 (ja) | 1999-05-20 | 1999-05-20 | 非塩ビ系ストレッチフィルム |
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JP2000326457A5 JP2000326457A5 (ja) | 2006-04-27 |
JP4680336B2 JP4680336B2 (ja) | 2011-05-11 |
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-
1999
- 1999-05-20 JP JP14013899A patent/JP4680336B2/ja not_active Expired - Fee Related
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