JP4906019B2 - ストレッチフィルム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、食品包装に用いられるストレッチフィルムに関する。尚、本発明で用いる樹脂組成の単位(%及び部)は、特に断らない限り質量基準で表す。
【0002】
【従来の技術】
従来、青果物、鮮魚、精肉等の食品を直接又はポリスチレンペーパー(PSP)トレーに載せてフィルムをオーバーラップする、いわゆる業務用プリパック用のストレッチフィルムとしては、主にポリ塩化ビニル(以下「塩ビ」と略す。)系のものが使用されてきた。これはフィルムの繰り出しがスムーズで伸ばしやすく、伸ばしたときに破れないこと、フィルムを重ね合わせたときに密着し、トレー底部でのフィルムの収まりが良いことや、包装の仕上がりも、しわがなく綺麗であるといったような包装適性が優れていることに加えて、パック後のフィルムを指で押すなどの変形を加えても元に戻る回復性や、輸送及び陳列中にもトレー底部のフィルム重なり部が密着したまま、剥がれにくいなど優れたフィルム特性が販売者、消費者の双方に認められているためである。
【0003】
しかし、最近では、塩ビ系ストレッチフィルムに対し焼却時に発生する塩化水素ガスや含有する可塑剤の溶出などが問題視されている。そこで、塩ビに替わるものとして、オレフィン系ストレッチフィルムが検討されている。
【0004】
オレフィン系ストレッチフィルムとしては、変形回復性に優れた熱可塑性エラストマーを主成分とする層に、粘着性を付与するためエチレン−酢酸ビニル共重合体を積層した多層フィルムが多く提供されている。
【0005】
これらのフィルムは、製膜時に余分となるフィルムの両端部を、いわゆる「耳」としてカットして取り除き作製されるのが一般的である。このフィルム製膜時に発生した「耳」等の非製品物は、原料樹脂の製品収率向上の目的で、破砕され、場合によっては何らかの造粒処理を行い、該フィルムの少なくとも一つの層の原料系に戻される。しかし、多層フィルムの「耳」は、中間層と表層の異なる樹脂が混在しているため、それを該フィルム中の一層に戻した場合、フィルムの透明性や強度が低下する傾向が有る。そのため、「耳」を戻すことができないか、又は「耳」を戻す量が制限され、フィルムの製品収率が上がらない等の問題が有る。
【0006】
一方、単一層構成からなるフィルムは上記の問題が無く、高圧法ポリエチレンとエチレン・α−オレフィン共重合体樹脂を使用したオレフィン系ストレッチフィルムが、特開昭52−84096号、特開昭59−49248号、特開平4−91148号、特開平8−3384号、特開平11−228758号等に提案されている。しかし、それらの単層のオレフィン系ストレッチフィルムはフィルムが均一に伸びにくい傾向が有る。一般にストレッチフィルムには、自動包装機による包装に適したオートラップ用(以下「オート用」という。)フィルムとハンドラッパーを使用し包装作業者が手で包装するのに適したハンドラップ用(以下「ハンド用」という。)フィルムが有る。それらの包装方法の詳細については後述するが、ハンドラップ包装では、横延伸時に指でフィルムが破れやすく、又、一方、オートラップ包装では、フィルム中央部をトレーで突き上げて延伸させた時にトレーの角部でフィルムが破れやすいといった問題が有った。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、単一層からなる非塩ビ系ストレッチフィルムであって、オーバーラップ包装のフィルム延伸時にフィルムの破れが発生せず、その他の包装適性も良好なフィルムを提供するもので有る。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、鋭意検討を重ねた結果、上記課題を克服した非塩ビ系のストレッチフィルムを得ることができたものであり、その要旨は、実質的に塩素を含まない樹脂からなり、
横方向と縦方向の50%伸長時の引張り応力の比(以下TD/MD比と略す)が0.3以上のストレッチフィルムであり、好ましくは、密度が910kg/m3を越える直鎖状低密度ポリエチレン(A)、密度が910kg/m3以下の直鎖状低密度ポリエチレン(B)及び高圧法ポリエチレン(C)を含有してなり、(A)、(B)及び(C)の合計を100%としたとき、(A)90〜20%、(B)5〜40%及び(C)5〜40%の組成物からなり、横方向と縦方向の50%伸長時のTD/MDが0.3以上のストレッチフィルムで有る。又、好ましくは樹脂(A)、(B)及び(C)の合計100に対して、(D)成分として0.5〜5部の石油樹脂、テルペン、テルペン誘導体、ロジン、ロジン誘導体及びそれらの水添物、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリイソブチレンの内、少なくとも1種を添加したストレッチフィルムである。又、上記フィルムは、Tダイ法で製造したフィルムが好ましい。更に、上記フィルムは、ハンドラップ用ストレッチフィルムとして好適に用いられる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。本発明のストレッチフィルムは、実質的に塩素を含まない樹脂からなる。そして本発明者等は、本発明のフィルムの横方向と縦方向の50%伸長時のTD/MD比を0.3以上、好ましくは0.4以上とすることにより、フィルムの強度バランスが良くなり、オートラップ包装の延伸時にトレーの角部でフィルムが破れたり、ハンドラップの際に指でフィルムが破れたりすることがなくなるか、もしくは極めて少なくなることを見出し本発明に至った。
【0010】
フィルムのTD/MD比が0.3未満であると、フィルムの強度バランスが悪くなり、延伸時に、横方向と縦方向にフィルムが均一に伸びないために、フィルムに穴を開けたり、フィルムが破けてしまうことが多くなる。TD/MD比としては、前記のように0.3以上で有れば良いが、原料に用いる樹脂の特性及び該フィルムの製膜方法に起因して、一般的には0.8以下である。
【0011】
TD/MD比はフィルムの生産速度が上がると一般的に小さくなる。これはフィルムの縦方向の分子配向が強くなるためである。分子配向は溶融樹脂の温度や冷却状態をコントロールすることで、分子配向の度合いを調整することができる。フィルムの引取り速度の増加に対応して、例えば、押出機やダイスの設定温度を高くすることや、キャストロールの設定温度を高めに設定することで、TD/MD比を0.3以上に保つことができる。又、ダイリップとキャストロールの間隔(エアーギャップ)を、大きくすることも効果的である。しかしながら、単に上記の設定温度を高くするのでは、溶融樹脂の流動が不均一になり、膜厚精度が低下したり、樹脂の熱劣化等により、長期の安定した製膜性が損なわれる。これらの条件設定は、用いる設備によっても異なるので、個々の設定値を一義的に規定することは困難であるが、前記のような問題の起こらない範囲で、前記の種々の条件を調整することにより、TD/MD比が0.3以上、好ましくは0.4以上となるようにすることが極めて重要である。
【0012】
前記のようにストレッチフィルムには、オート用とハンド用とが有り、オート用フィルムは、自動包装機を使用し、例えば搬送ベルトでフィルムを繰り出し、搬送ベルトの間に設置された鋸状のカット刃を突き出しミシン目を入れ、フィルムを搬送しながらカットする。その後、カットされたフィルムの中央部を食品を載せたトレーで突き上げ延伸させ、折り込み板でフィルムを折り畳み重ね合わせる。このためカット搬送性、延伸性、フィルムが延伸時、折り畳む時に破れないこと、フィルムを重ねた後に容易に剥がれない粘着性等が要求される。この自動包装において、前記のようにTD/MD比を0.3以上、好ましくは0.4以上としたフィルムは、フィルム中央部をトレーで突き上げて延伸したときに、トレーの角部でフィルムが破れにくい。
【0013】
一方、ハンド用フィルムは、ハンドラッパーを用い手動で行うもので、例えば、繰り出しロール上に載せたフィルムの両端を手で掴み、食品を載せたトレーを覆うのに必要な長さのフィルムを繰り出し、フィルムを熱線でカットする。次に、覆ったフィルムを横方向に伸ばし、トレー底部でフィルム同士を重ね合わせるというように包装される。このため、フィルムの繰り出しがスムーズにでき、作業者が伸ばしやすく、伸ばしたときに指でフィルムが突き破れないこと、フィルムが剥がれにくいこと等、オート用フィルムとは異なる特性が要求される。このハンドラップ包装においても、前記のようにTD/MD比を0.3以上、好ましくは0.4以上としたフィルムは、手で伸ばしたときに伸ばしやすく、穴が開きにくい。
【0014】
本発明のフィルムは、自動包装の延伸時に破れにくいことは、これまでに述べてきた通りであるが、先に述べたようにそれに加えて粘着性、カット性、フィルム繰り出し性等の包装適性にも優れたフィルムであり、本発明に用いるそのような特性を有した組成物としては、密度が910kg/m3を超える直鎖状低密度ポリエチレン(A)、密度が910kg/m3以下の直鎖状低密度ポリエチレン(B)及び高圧法ポリエチレン(C)を含有してなり、(A)、(B)及び(C)の合計を100%にしたとき、(A)90〜20%、(B)5〜40%及び(C)5〜40%からなる組成物が挙げられる。
【0015】
本発明で使用される直鎖状低密度ポリエチレン(A)は、フィルムに十分な引張り応力を与える上で必須の成分で、密度が910kg/m3、好ましくは915kg/m3を超えるものであり、一般的にはLLDPEと称されるものである。中でもエチレンとα−オレフィンの共重合体が好ましい。α−オレフィンとしては、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1、ドデセン−1等があり、好ましくは、α−オレフィンの炭素数は6〜8である。この範囲を外れた炭素数のエチレン・α−オレフィン共重合体を使用すると、引張り強度が十分でないことがあり、フィルム延伸時に破れを生じる場合がある。
【0016】
直鎖状低密度ポリエチレン(A)の組成は、(A)、(B)及び(C)の合計100%に対して90〜20%が好ましい。90%を越えるとフィルムの透明性が悪くなる。又、フィルムの引張り応力が高くなり、適度な力でフィルムを伸ばすことができず、作業者が疲れやすいフィルムとなる。一方、20%未満ではフィルムの引張り応力が低く、フィルム延伸時に破れやすくなる。
【0017】
本発明で使用される直鎖状低密度ポリエチレン(B)は密度が910kg/m3以下、好ましくは910kg/m3以下で880kg/m3以上の、一般的にはVLDPEと称されるものである。中でもエチレンとα−オレフィンの炭素数が3〜12の共重合体が好ましい。α−オレフィンの具体例としては、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1、ドデセン−1等が挙げられる。(B)成分を入れることで、包装時にフィルムが伸び易くなると共に、フィルムの粘着性は向上する。密度が910kg/m3を越えると、上記の効果は小さくなる。一方、880kg/m3未満ではフィルムの腰が弱くなり、フィルムが繰り出しにくくなると共に、包装後の内容物の保持性が悪くなる。
【0018】
直鎖状低密度ポリエチレン(B)の組成は、5〜40%が好ましい。5%よりも小さいとフィルムが硬くなり伸ばしづらいフィルムになる。又、フィルムの粘着性が弱くなりフィルムの繰り出しが軽くなりすぎるため、必要以上のフィルムが繰り出され作業効率が落ちる。又、トレー底部でフィルム同士を重ね合わせた部分をヒートシールする前に、延伸されたフィルムが剥がれ、元に戻るためにヒートシールすることができない。一方、40%を越えるとフィルムの粘着性が強くなりすぎて、巻物とした際にフィルムが粘着して剥がれなくなるいわゆる「ブロッキング」を起こし、フィルムを使用する際に繰り出しが困難となるか、場合によっては繰り出しができなくなる。なお、本発明においては(A)の量を(B)よりも多くすることがフィルムに腰を持たせる上で好ましい。
【0019】
本発明の高圧法ポリエチレン(C)は、高圧ラジカル重合法により製造されるものである。(C)の組成は、5〜40%が好ましい。5%よりも小さいと、溶融張力が低くなりフィルム幅が変動するため、耳カットが安定してできなくなる。一方、40%を越えると、フィルム強度が低下しフィルム延伸時に破れやすくなる。
【0020】
本発明は(D)成分として、市販のC5(脂肪族)系、C9(芳香族)系、C5C9の共重合系又はシクロペンタジエン系の石油樹脂及びそれらの水添物、又はテルペン、テルペン誘導体、及びそれらの水添物、ロジン、ロジン誘導体及びそれらの水素添加誘導体、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリイソブチレンの内、少なくとも1種を添加することが好ましい。又、上記の中より選択した複数の成分を添加する事もできる。これらの添加により、フィルム延伸時の破れを改善でき、フィルムの粘着性を高めることができる。(D)成分の添加量は、(A)、(B)及び(C)の合計100に対して0.5〜5部が好ましい。0.5部よりも少ないとフィルム延伸時の破れ改善効果がほとんど見られない。一方で5部を越えると経時変化でフィルムの透明性が低下し、更にはブロッキングを生じることもある。
【0021】
尚、本発明の(A)、(B)、(C)及び(D)の各樹脂は、いずれも市販の樹脂を用いることができる。
【0022】
本発明のストレッチフィルムには防曇剤を添加することが好ましい。添加量は1〜5部、好ましくは1.5〜4部である。防曇剤としては例えばPL規格(食品添加剤リスト)に準ずる界面活性剤として、グリセリン脂肪酸(C8〜22)エステル、ソルビタン脂肪酸(C8〜22)エステル、プロピレングリコール脂肪酸(C8〜22)エステル、ショ糖脂肪酸(C8〜22)エステル、クエン酸モノ(ジまたはトリ)ステアリン酸エステル、ペンタエリストール脂肪酸(C8〜22)エステル、ポリグリセリン脂肪酸(C8〜22)エステル、ポリオキシエチレン(20)グリセリン脂肪酸(C8〜22)エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸(C8〜22)エステル、ポリプロピレングリコール脂肪酸(C8〜22)エステル、ポリオキシエチレン(9.5)ドデシルエーテル、ポリオキシエチレン(4〜14.30〜50)アルキル(C4、9、12)フェニルエーテル、N、N−ビス(2)−ヒドロキシエチル脂肪酸(C12〜18)とジエタノールアミンによる縮合生成物、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンブロック共重合体、ポリエチレングリコール(分子量200〜9500)、ポリプロピレングリコールなどを添加することができる。
【0023】
本発明のストレッチフィルムには、必要に応じて安定剤、帯電防止剤、加工性改良剤を添加することができる。例えば2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−tブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3,5’−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネートで代表されるフェノール系安定剤、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト及びトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトなどで代表されるホスファイト系安定剤、炭素数8〜22の脂肪酸のグリセリンエステルやソルビタン酸エステル、ポリエチレングリコールエステルなどの帯電防止剤、ステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩で代表される加工性改良剤を添加することができる。
【0024】
本発明のストレッチフィルムの厚さは、通常のストレッチフィルムとして使用される範囲、即ち5〜20μmであり、好ましくは8〜15μmである。5μmよりも薄くなるとフィルム延伸時に破けやすくなる。一方、20μmよりも厚くなると伸ばしにくいフィルムになる。
【0025】
本発明のストレッチフィルムの製造方法は、公知の方法を用いることができるが、好ましくはTダイ法である。Tダイ法は、インフレーション法に比べ、溶融樹脂を冷却ロールで急冷できるためフィルムの結晶性を抑えることができ、透明性を向上することができる。又、膜厚精度が高く、更に生産速度もインフレーション法に比べ上げることができる。
【0026】
本発明のストレッチフィルムには、製膜の際に発生する耳等の非製品物は、使用している成分以外のものが含まれないので、ゲルなどの発生や、フィルムの透明性や強度の低下等の問題がなく、製膜ラインの原料系に支障なく戻すことができる。
【0027】
本発明のストレッチフィルムは、ハンドラッパーを用いた手動包装に使用できる。本発明のフィルムは繰り出しがスムーズにでき、作業者が伸ばしやすく、伸ばしたときに破れないこと、フィルムが剥がれにくいことから効率良く包装をすることができる。
【0028】
【実施例】
以下実施例により、本発明を更に詳細に説明する。尚、使用原料樹脂及びストレッチフィルムの特性、性質は次の方法により測定評価した。
【0029】
1)密度
JIS K6760に準拠して、原料樹脂の密度を測定した。
2)メルトフローレート(MFR)
JIS K6760に準拠して、190℃、荷重21.18Nの条件で、原料樹脂のMFRを測定した。
3)引張り応力
JIS K7127に準拠して、引張り速度500mm/minの条件で、フィルムの縦方向と横方向についての引張り応力を測定した。
4)透明性(Haze%)
ASTM−D1003に準拠して、フィルムの透明性を測定した。
5)自動包装適性
幅350mmのフィルムを用い、自動包装機((株)寺岡精工社製AW−2600JrPE)によりPSPトレー(長さ200×幅150×高さ25mm)を常温にて包装し、表3に示す判断基準に基づいてフィルムのカット搬送性、包装条件幅、カットしたフィルムの中央部をトレーで突き上げて延伸させた際に、トレーエッジ角部でフィルムが破れるか否か、及び粘着性について評価した。
6)ハンドラップ適性
幅300mmのフィルムを用い、ハンドラッパー(ARC(株)POLYWRAPPER40)によりPSPトレー(長さ200×幅150×高さ25mm)を常温にて包装し、表3に示す判断基準に基づいて、フィルムの繰り出し性、伸び、伸ばした際に指でフィルムが破れるか否か、粘着性及び包装仕上がり時のしわについて評価した。
【0030】
(実施例1)
直鎖状低密度ポリエチレン(A)として密度が913kg/m3でα−オレフィンの炭素数が6からなるエチレン・α−オレフィン共重合体(MFR=2.0)50%、直鎖状低密度ポリエチレン(B)として密度が900kg/m3であり、α−オレフィンの炭素数が4からなるエチレン・α−オレフィン共重合体(MFR=2.0)25%及び密度が924kg/m3の高圧法ポリエチレン(C)(MFR=2.0)25%に防曇剤としてジグリセリンラウレートを1.5部添加した組成物をTダイ法により、厚み11μmのフィルムを作製した。
【0031】
フィルムの作製は、(A)、(B)及び(C)をドライブレンドし、東芝機械製65mm単軸押出機でL/D=28のフルフライトスクリューを使用し、ダイ幅550mm、ダイリップ0.7mmのTダイを用い、押出機及びダイの設定温度180℃〜230℃、冷却ロールの設定温度20℃、引取り速度60m/分で行った。
【0032】
(実施例2)
(D)成分として水添石油樹脂(軟化点125℃)2.5部添加した以外は、実施例1と同様の方法でストレッチフィルムを作製した。
【0033】
(実施例3)
引取り速度を80m/分とした以外は実施例2と同様の方法でストレッチフィルムを作製した。
【0034】
(実施例4)
冷却ロールの設定温度を40℃にした以外は実施例2と同様の方法でストレッチフィルムを作製した。
【0035】
(実施例5、6)
(A)、(B)、(C)及び(D)成分の組成を、表1の組成とした以外は、実施例2と同様にストレッチフィルムを作製した。
【0036】
(実施例7)
直鎖状低密度ポリエチレン(A)として密度が921kg/m3でα−オレフィンの炭素数が6からなるエチレン・α−オレフィン共重合体(MFR=2.0)50%、直鎖状低密度ポリエチレン(B)として密度が890kg/m3であり、α−オレフィンの炭素数が4からなるエチレン・α−オレフィン共重合体(MFR=4.0)25%とした以外は実施例2と同様にストレッチフィルムを作製した。
【0037】
これら実施例のフィルム作製時の製膜性と前記の各種フィルムの特性評価結果を表1に示した。
【0038】
【表1】
【0039】
(比較例1)
押出機及びダイの設定温度を180℃〜200℃とした以外は、実施例1と同様の方法でストレッチフィルムを作製した。
【0040】
(比較例2,3)
押出機及びダイの設定温度を180℃〜200℃とし、表2に記載した引取り速度とした以外は、実施例2と同様の方法で、それぞれのストレッチフィルムを作製した。
【0041】
これら比較例のフィルム作製時の製膜性と前記の各種フィルムの特性評価結果を表2に示した。
【0042】
【表2】
【0043】
実施例の各フィルムは、横方向と縦方向の50%伸長時のTD/MD比と樹脂組成が本発明で規定する範囲内にあり、良好な包装適性を有し、且つ、延伸時の破れの発生が認められなかった。これに対し、比較例のTD/MD比が本発明で規定する範囲外の各フィルムは、包装適性に問題があるか、又は、包装適性が良好でも、延伸時に破れが発生しやすかった。
【0044】
【表3】
【0045】
【発明の効果】
本発明により、非塩ビ系単一層のストレッチフィルムであり、自動包装及びハンドラップ包装のいずれにおいても、オーバーラップ包装でフィルムが伸ばされたときに、フィルムの破れが発生せず、その他の包装適性も良好なストレッチフィルムが得られる。
Claims (4)
- 密度が910kg/m 3 を越える直鎖状低密度ポリエチレン(A)、密度が910kg/m 3 以下の直鎖状低密度ポリエチレン(B)及び高圧法ポリエチレン(C)を含有してなり、(A)、(B)及び(C)の合計を100%としたとき、(A)90〜20%、(B)5〜40%及び(C)5〜40%の組成物からなり、JIS K 7127に準拠して、引張り速度500mm/minの条件で測定された、横方向(TD)と縦方向(MD)の50%伸長時の引張り応力比(TD/MD比)が0.3以上の食品包装用のストレッチフィルム。
- 樹脂(A)、(B)及び(C)の合計100に対して、(D)成分として0.5〜5部の石油樹脂、テルペン、テルペン誘導体、ロジン、ロジン誘導体及びそれらの水添物、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリイソブチレンの内、少なくとも1種を添加した請求項1のストレッチフィルム。
- Tダイ法で製造した請求項1又は2のストレッチフィルム。
- 請求項1〜3のいずれか1項のハンドラップ用ストレッチフィルム。
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