JP2017087467A - ストレッチ包装用フィルム - Google Patents

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亮 最川
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Abstract

【課題】 自動包装機における包装適性が良く、且つ食品の鮮度保持や乾燥防止に有効なガスバリア性を有する非塩素系ストレッチ包装用フィルムを提供する。【解決手段】 少なくとも3層から構成されるポリオレフィン系フィルムにおいて、両表面層を構成する主成分がエチレン系樹脂(A)であり、中間層を構成する主成分がエチレン系樹脂(B)であり、フィルムの総厚が5μm以上30μm以下であり、フィルムの正接損失tanδ(動的粘弾性測定法、振動周波数10Hz、歪み0.1%)が20℃で0.15以上、かつ0℃で0.10以上であり、フィルムの水蒸気透過率(40℃90RH%)が1g/m2/day以上25g/m2/day以下であることを特徴とするストレッチ包装用フィルム。【選択図】 なし

Description

本発明は、食品包装用に好適に用いられるストレッチ包装用フィルム、特に塩素やポリ塩化ビニル用可塑剤を含まないストレッチ包装用フィルムに関する。
従来から青果物、精肉、惣菜等を発泡ポリスチレン製等の軽量トレーに載せてオーバーラップするフィルム、いわゆるプリパッケージ用のストレッチ包装用フィルムとして、主にポリ塩化ビニル系フィルムが使用されてきた。その理由は、ポリ塩化ビニル系フィルムは、包装効率が良く、包装仕上りが綺麗である等の包装適性が好ましいという理由のほか、包装後のフィルムを指で押して変形を加えた際に元に戻る弾性回復性に優れており、また、底折り込み安定性も良好であり、しかも輸送陳列中にフィルム剥がれが発生し難いなど、商品価値が低下しないという販売者、消費者の双方に認められた品質の優位性を持っていたためである。
しかし、近年、ポリ塩化ビニル系フィルムについては、焼却時に発生する塩化水素ガスや、多量に含有する可塑剤の溶出等が問題視されてきている。このため、ポリ塩化ビニル系フィルムに代わる材料が種々検討されており、特にポリオレフィン系樹脂を用いたストレッチ包装用フィルムが各種提案されている。
中でも、ストレッチフィルムとして良好な表面特性や、透明性、適度な耐熱性、材料設計の自由度、経済性等の理由から、表裏層にエチレン−酢酸ビニル共重合体を主成分として用い、中間層に各種ポリプロピレン系樹脂を主成分として用いてなる2種3層構成のストレッチ包装用フィルムの検討が活発に行われている。
例えば、特許文献1、特許文献2では、中間層のポリプロピレン樹脂に、石油樹脂、テルペン樹脂、クマロン−インデン樹脂、ロジン樹脂又はこれらの水素添加誘導体を混合しポリプロピレン樹脂の結晶性を低下させ、ゴム弾性を有するビニル芳香族系化合物とイソブチレンとのブロック共重合体を混合し、包装に必要な伸展性や弾性をフィルムに付与する技術が開示されている。
また、特許文献3では、ポリオレフィン系ストレッチフィルムとして、中間層に特定の物性のエチレン−α−オレフィン共重合体を用い、表裏層のエチレン−酢酸ビニル共重合体を用い、弾性の優れたフィルムを得る技術が開示されている。
しかしながら、これらの技術の自動包装機用のポリオレフィン系ストレッチ包装用フィルムでは、包装適性は優れているものの、40℃90RH%における水蒸気透過率が25g/m/dayより大きく、ガスバリア性は食品の鮮度保持や乾燥防止には不十分なものである。
一方、家庭などで多用される、調理した食品を陶器やプラスチック容器などに載せて包装する小巻のラップフィルムでは、包装した食品の鮮度保持のために、ガスバリア性樹脂のポリ塩化ビニリデンやナイロンを用いたものが市販されている。
しかしながら、この様なガスバリア性樹脂を用いて、伸縮性、フィルム張り、弾性回復力等の包装適性を有するストレッチ包装用フィルムを製造することはできない。
特開平9−154479号公報 特開2014−111367号公報 特開平7−112513号公報
上記実情を鑑み、本発明は、自動包装機における包装適性が良く、且つ食品の鮮度保持や乾燥防止に有効なガスバリア性を有する非塩素系ストレッチ包装用フィルムを提供することを目的とする。
本発明は、少なくとも3層から構成されるポリオレフィン系フィルムにおいて、両表面層を構成する主成分がエチレン系樹脂(A)であり、中間層を構成する主成分がエチレン系樹脂(B)であり、フィルムの総厚が5μm以上30μm以下であり、フィルムの正接損失tanδ(動的粘弾性測定法、振動周波数10Hz、歪み0.1%)が20℃で0.15以上、かつ0℃で0.10以上であり、フィルムの水蒸気透過率(40℃90RH%)が1g/m/day以上25g/m/day以下であることを特徴とするストレッチ包装用フィルムに存する。
本発明によれば、自動包装機において、カット性、包装シワ、底折り込み安定性、ちぎれ性などの各種包装機適性が良好で、かつ防湿性に優れた非塩素系ストレッチ包装用フィルムを提供することができる。それにより、プリパッケージとして食品価値の長期化ができ、廃棄量の低減化も進む。
以下、本発明の実施形態の一例としてのストレッチ包装用フィルム(以下「本フィルム」と称する)について説明する。但し、本発明の範囲が以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
「ストレッチ包装用フィルム」とは、伸び性と自己粘着性を有する包装フィルムを広く包含する意味である。典型的には、青果物、精肉、惣菜等を軽量トレーに載せてオーバーラップするプリパッケージ用の包装フィルムや、荷物運搬時に荷物を固定するためにオーバーラップする包装用フィルムなどを挙げることができる。
本発明において「主成分」とは、特に記載しない限り、当該主成分の機能を妨げない範囲で他の成分を含有することを許容する意を包含する。この際、当該主成分の含有割合を特定するものではないが、主成分が組成物中の50質量%以上、特に70質量%以上、中でも特に90質量%以上、100質量%以下を占めるのが好ましい。
本フィルムは、中間層と両表面層との少なくとも3層で構成され、以下に、各層および各層を構成する成分について説明する。
<表面層>
本フィルムの表面層は、エチレン系樹脂(A)を主成分として50質量%以上含有する層であり、低温でのヒートシール性、底シール性や、自己粘着性、インフレーションした際の成形性などを担う。
(エチレン系樹脂(A))
本フィルムのエチレン系樹脂(A)としては、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、線状超低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、及び、エチレンを主成分とする共重合体、例えばエチレンと、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、ヘプテン−1、オクテン−1などの炭素数3〜10のα−オレフィン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルなどの不飽和カルボン酸エステルおよびそのアイオノマー、共役ジエンや非共役ジエンのような不飽和化合物の中から選ばれる一種又は二種以上のコモノマーとの共重合体又は多元共重合体、或いは、それらの混合組成物などを挙げることができる。
エチレン系樹脂(A)中のエチレンモノマー比率は50質量%を超えるものである。
これらのエチレン系樹脂(A)の中では、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、線状超低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸エステル共重合体及びエチレン−メタクリル酸エステル共重合体の中から選ばれる少なくとも一種のエチレン系重合体が好ましい。
なお、上記のエチレン−アクリル酸エステル共重合体のアクリル酸エステルとしては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチルなどが挙げられ、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体のメタクリル酸エステルとしては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等が挙げられる。
中でも、エチレン系樹脂(A)として、酢酸ビニル単位含有量が5質量%以上25質量%以下で、且つメルトフローレート(JIS K 7210、温度190℃、荷重21.18N)が0.2g/10分以上10g/10分以下のエチレン−酢酸ビニル共重合体が好ましい。
酢酸ビニル単位含有量の下限は8質量%以上がより好ましく、上限は20質量%以下がより好ましい。酢酸ビニル単位含有量が5質量%以上であれば、フィルムの柔軟性や弾性回復性が良好な上、表面粘着性を付与することができる。25質量%以下であれば、フィルムの巻き出し性や外観を良好にすることができる。
メルトフローレートの下限は0.5g/10分以上がより好ましく、1g/10分以上が更に好ましい。上限は8g/10分以下がより好ましく、6g/10分以下が更に好ましい。メルトフローレートが0.2g/10分以上であれば、押出加工性を良好にできる。10g/10分以下であれば、フィルム製膜安定性が良好で、厚みむらや力学強度のバラツキ等を抑制できる。
<中間層>
中間層は、エチレン系樹脂(B)を主成分として50質量%以上含有する層であり、特に本フィルムのガスバリア性を担い、ストレッチフィルムとしての物性を兼備する層である。
(エチレン系樹脂(B))
本フィルムに用いるエチレン系樹脂(B)として、エチレン単独重合体、エチレンとエチレン以外のモノマー成分、特にα―オレフィンとの共重合体が挙げられる。また、これらの混合物を用いることもできる。
エチレン単独共重合体としては、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、線状超低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンが挙げられる。中でも、フィルムの柔軟性の点から、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレンが好ましい。
エチレンと共重合するα−オレフィンとしては、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、へキセン−1、へプテン−1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1、3−メチル−ブテン−1、4−メチル−ペンテン−1等を例示することができる。中でも、工業的な入手し易さや諸特性、経済性などの観点から、プロピレン、ブテン−1、へキセン−1、オクテン−1が好適である。
エチレンと共重合するα−オレフィンは1種のみを単独で、または2種以上を組み合わせて用いてもかまわない。
また、エチレン−α−オレフィン共重合体を用いる場合、共重合体中のα−オレフィンモノマー比率の下限は0.1質量%以上が好ましく、0.3質量%以上がより好ましく、0.5質量以上が更に好ましい。上限は15.0質量%以下が好ましく、10.0質量%以下がより好ましく、3.0質量%以下が更に好ましい。
共重合体中のα−オレフィンモノマー比率がかかる範囲内であることにより、フィルムの包装適性と防湿性と透明性との兼備を良好することができる。
また、エチレン系樹脂(B)は、特にシングルサイト触媒を用いて重合される樹脂を少なくとも1種類以上用いることが好ましい。シングルサイト触媒を用いて重合されるエチレン系重合体は、分子鎖の長さが比較的均一であり、分子量分布が狭く、分子量分布指数Mw/Mnが小さい特徴を持つことから、結晶核剤を添加した場合に微細な結晶を形成することが可能となり、フィルムの透明性、防湿性を特に向上することができる。
このような点から、エチレン系樹脂(B)の分子量分布指数Mw/Mnの下限は2.5以上が好ましく、2.6以上がより好ましく、3.0以上が更に好ましい。また上限は、5.0以下が好ましく、4.5以下がより好ましく、4.0以下が更に好ましい。
また、シングルサイト触媒を用いて重合されるエチレン系樹脂は、チーグラー触媒を用いて重合されるエチレン系樹脂と比べ、同等密度であっても結晶融解熱量ΔHmが低く、後述のフィルムの透明性と防湿性との両立に有効である。
上記シングルサイト触媒としては、例えばメタロセン化合物とメチルアルミノオキサンとを組み合わせたメタロセン触媒などを挙げることができる。
エチレン系樹脂(B)に用いる少なくとも1種類は、結晶融解ピーク温度Tmが100℃以上145℃以下であり、かつ結晶融解熱量ΔHmが120J/g以上190J/g以下であることが好ましい。このような結晶性を示すエチレン系樹脂(B)を用いることで、フィルムの透明性と防湿性との両立が為しやすい。
上記結晶融解ピーク温度Tmの下限は、115℃以上がより好ましく、130℃以上が更に好ましい。上限は140℃以下がより好ましい。
また、上記結晶融解熱量ΔHmの下限は135J/g以上がより好ましく、150J/g以上が更に好ましい。上限は、185J/g以下がより好ましく、180J/g以下が更に好ましい。
エチレン系樹脂(B)の結晶融解ピーク温度Tm、結晶融解熱量ΔHmは、示差走査熱量計DSCを用いて、JIS K 7121、JIS K 7122に準じて測定することができる。
エチレン系樹脂(B)のメルトフローレート(JIS K 7210、温度190℃、荷重21.18N)は、特に制限されるものではないが、下限は0.2g/10分以上が好ましく、0.5g/10分以上がより好ましく、1g/10分以上が更に好ましい。上限は20g/10分以下が好ましく、18g/10分以下がより好ましく、15g/10分が更に好ましい。
メルトフローレートが、0.2g/10分以上であれば押出加工性は安定し、20g/10分以下であればフィルムの厚みムラや、力学強度の低下やバラツキ等が低減し好ましい。
本フィルムの透明性、防湿性、フィルム製膜性を兼備する観点から、エチレン系重合体(B)として、エチレン単独重合体とエチレン−α−オレフィン共重合体の両者をそれぞれ用いることが望ましい。エチレン系樹脂(B)におけるエチレン単独重合体とエチレン−α−オレフィン共重合体の質量組成比は、50:50〜90:10が好ましく、55:45〜85:15がより好ましく、60:40〜80:20が更に好ましい。
(ビニル芳香族系エラストマー(C))
本フィルムの中間層は、ビニル芳香族系エラストマー(C)を含有することが好ましい。ビニル芳香族系エラストマー(C)は、そのゴム弾性、柔軟性により、フィルムに弾性回復性を付与するとともに、中間層のエチレン系樹脂(B)の引張弾性率の低減に有効に作用する。
ビニル芳香族系エラストマー(C)は、ビニル芳香族系化合物と共役ジエンとのブロック共重合体やその水素添加物である。
ビニル芳香族系化合物としては、スチレンが代表的なものであるが、α−メチルスチレン等のスチレン同族体も用い得る。
共役ジエンとしては、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン等が挙げられ、これらは1種のみを単独で、又は2種以上を混合して使用することができる。
また、二元ブロック共重合体、三元ブロック共重合体など、何れのブロック共重合体を用いても良い。
例えば、スチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−エチレン−ブテン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン−イソブチレンブロック共重合体(SIB)、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体(SIBS)、等が挙げられ、これらの混合物でもよい。
中でも、ビニル芳香族系エラストマーのゴム弾性とガスバリア性の観点から、スチレン−イソブチレンブロック共重合体(SIB)、スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体(SIBS)が好ましい。
また、ビニル芳香族系エラストマー(C)におけるビニル芳香族系化合物の組成比率は、3質量%以上40質量%以下が好ましい。ビニル芳香族系化合物組成比3%以上によって、共重合体に適度な剛性が付与され、ペレット重合生産性が良好となる。また40質量%以下により、フィルムの弾性回復性やエチレン系樹脂(B)に対する引張弾性率の低減等の効果が十分となる。
中間層全体に対するビニル芳香族系エラストマー(C)の含有量の下限は、1質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、10質量%以上が更に好ましい。上限は50質量%未満が好ましく、40質量%以下がより好ましく、35質量%以下が更に好ましい。
1質量%以上であれば、ストレッチ包装フィルムに必要なフィルムの弾性回復性を付与させることができる。50質量%未満であればエチレン系樹脂(B)との相溶性が良くフィルムの透明性を向上できる。
(石油樹脂、テルペン樹脂、クロマン−インデン樹脂、ロジン系樹脂、それらの水素添加誘導体(D))
中間層を構成する樹脂組成物は、石油樹脂、テルペン樹脂、クロマン−インデン樹脂、ロジン系樹脂、及びそれらの水素添加誘導体の群(以下、「石油樹脂等(D)」と称する)のうち少なくとも1種類以上を含有することが好ましい。
石油樹脂等(D)は、ガラス転移温度の高さにより、ストレッチ包装用フィルムの腰、カット性、底折り込み安定性等の包装適性や、透明性の更なる向上などに有効に作用する。
石油樹脂としては、シクロペンタジエン又はその二量体から得られた脂環式石油樹脂やC9成分から得られた芳香族石油樹脂、または、脂環式と芳香族石油樹脂の共重合系石油樹脂等を挙げることができる。
テルペン樹脂としては、β−ピネンから得られたテルペン樹脂やテルペン−フェノール樹脂等を挙げることができる。
クマロン−インデン樹脂としては、タールの160〜180℃留分を精製し、炭素数8のクマロン及び炭素数9のインデンを主要なモノマーとして重合した熱可塑性合成樹脂等を挙げることができる。
ロジン系樹脂としては、ガムロジン、ウッドロジン等のロジン樹脂、グリセリンやペンタエリスリトール等で変性したエステル化ロジン樹脂等を挙げることができる。
石油樹脂等(D)は、色調や熱安定性、相溶性といった面から水素添加誘導体を用いることが好ましい。
また、石油樹脂等(D)の軟化温度は、フィルムの強度や包装適性を向上させる点で、下限は100℃以上が好ましく、110℃以上がより好ましく、上限は150以下が好ましく、140℃以下がより好ましい。
石油樹脂等(D)としては、例えば、三井化学(株)「ハイレッツ」、「ペトロジン」、荒川化学工業(株)「アルコン」、ヤスハラケミカル(株)クリアロン」、出光石油化学(株)「アイマーブ」、イーストマンケミカル(株)「エスコレッツ」、「リガライト」等が挙げられる。
中間層全体に対する石油樹脂等(D)の含有比率の下限は、1質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、10質量%以上が更に好ましい。上限は40質量%以下が好ましく、35質量%以下がより好ましく、30質量%以下が更に好ましい。
石油樹脂等(D)が1質量%以上であれば、ストレッチ包装用フィルムに必要なカット性、折り込み安定性、低温適性を付与できる。また、40質量%以下であれば低分子物のブリードによるフィルムのブロッキングが発生し難くなる。
中間層のエチレン系樹脂(B)と、ビニル芳香族系エラストマー(C)と石油樹脂等(D)の合計量((C)+(D))との質量配合比は、ストレッチ包装用フィルムとしてのフィルム特性とガスバリア性とを兼備する観点から、95:5〜40:60が好ましく、80:20〜50:50がより好ましく、75:25〜55:45が更に好ましい。
また、低温から常温におけるフィルムの柔軟性、弾性のバランスの観点から、ビニル芳香族系エラストマー(C)と石油樹脂等(D)との質量配合比は、80:20〜20:80が好ましく、70:30〜30:70がより好ましく、60:40〜40:60が更に好ましい。
(結晶核剤(E))
本フィルムの中間層には結晶核剤(E)を含有することが好ましい。
結晶核剤(E)は、エチレン系樹脂(B)に対して作用し、結晶化温度の高温化、結晶サイズの均等微細化により、フィルムの防湿性、透明性を向上させる効果を及ぼす。
結晶核剤(E)としては、例えば、次の化合物を挙げることができる。
・ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩。
・その他の脂肪族、脂環族、および芳香族のカルボン酸、ジカルボン酸または多塩基性ポリカルボン酸、相当する無水物および金属塩などの有機酸の金属塩。
・環式ビス−フェノールホスフェート、2ナトリウムビシクロ[2.2.1]ヘプテンジカルボン酸などの二環式ジカルボン酸、及びその金属塩。
・ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−ジカルボキシレートなどの二環式ジカルボキシレート、及びその金属塩。
・1・3,2・4−ジベンジリデンソルビトール、1・3,2・4−ジ(4−メチルベンジリデン)ソルビトール、1・3,2・4−ジ(4−エチルベンジリデン)ソルビトール、1・3,2・4−ジ(ジメチルベンジリデン)ソルビトール、1,3−(4−メチルベンジリデン)−2,4−ベンジリデンソルビトール、1・3−(ジメチルベンジリデン)−2・4−ベンジリデンソルビトール、1・3−(4−クロルベンジリデン)−2・4−(4−メチルベンジリデン)ソルビトール等のジベンジリデンソルビトール系化合物。
・グリセロール、グリセリンモノエステルなどの高級脂肪酸エステル。
・ナトリウム2,2’−メチレン−ビス−(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフェート、アルミニウムビス[2,2’−メチレン−ビス−(4−6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフェート]、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ナトリウムホスフェートなどのリン酸エステル化合物。
・カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、マーガリン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘニン酸、モンタン酸等の脂肪酸、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ステアリン酸アミド、ヘベニン酸アミドなどの脂肪酸アミド。
・シリカ、タルク、カオリン、炭化カルシウム等の無機粒子。
中でも、脂肪酸金属塩、脂肪酸アミドが特に好ましい。
これらの結晶核剤(E)は、一種を単独で用いても、二種類以上を選択して組み合わせて用いても良い。
また、結晶核剤(E)は、エチレン樹脂をバインダーとしたマスターバッチで用いても良く、その場合のエチレン樹脂は単独重合体が好ましい。
中間層全体に対する結晶核剤(E)の含有比率は、エチレン系樹脂(B)に対する作用に効果がある範囲で適宜選択できる。例えば、下限は0.01質量%以上が好ましく、0.03質量%以上がより好ましく、0.05質量%以上が更に好ましい。上限は2.0質量%以下が好ましく、1.0質量%以下がより好ましい。
結晶核剤(E)の含有比率が0.01質量%以上により、フィルムの透明性と防湿性を効果的に向上でき、2.0質量%以下によりフィルムの透明性低下を抑制できる。
(エチレン系樹脂(F))
本フィルムの中間層は、エチレン系樹脂(B)と異なる組成のエチレン系樹脂(F)を含有してもよい。
エチレン系樹脂(F)は、表面層を構成するエチレン系樹脂(A)の具体例の群から選択できる。使用においては、表面層に用いるエチレン系樹脂(A)と同じ樹脂でも異なる樹脂でもよいが、表面層と中間層の層間親和性、密着性の観点から、同じ樹脂の使用が好ましい。層間親和性、密着性によって、フィルム全体の力学特性を高めることができ、また、フィルム両端のトリミングをリサイクル使用できる利点がある。
中間層全体に対するエチレン系樹脂(F)の含有比率の下限は、1質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、10質量%以上が更に好ましい。上限は、40質量%以下が好ましく、35質量%以下がより好ましく、30質量%以下が更に好ましい。
エチレン系樹脂(F)が1質量%以上であれば、ストレッチフィルムに必要な低温適性を付与することができる。また、40質量%以下であれば底折り込み安定性や耐熱性が良好となる。
(その他の添加剤)
本フィルムの表面層及び/または中間層には、防曇性、帯電防止性、滑り性、粘着性などの性能を付与するために、次のような各種添加剤を適宜配合することができる。
添加剤としては、例えば、以下の化合物を挙げることができ、これらのうち1種類を単独で使用しても2種類以上を併用してもよい。
・モノグリセリオレート、ポリグリセリンオレート、グリセリントリリシノレート、グリセリンアセチルリシノレート、ポリグリセリンステアレート、グリセリンラウレート、ポリグリセリンラウレート、メチルアセチルリシノレート、エチルアセチルリシノレート、ブチルアセチルリシノレート、プロピレングリコールオレート、プロピレングリコールラウレート、ペンタエリスリトールオレート、ポリエチレングリコールオレート、ポリプロピレングリコールオレート、ソルビタンオレート、ソルビタンラウレート、ポリエチレングリコールソルビタンオレート、ポリエチレングリコールソルビタンラウレート等の、炭素数が1〜12好ましくは1〜6の脂肪酸アルコールと、炭素数が10〜22好ましくは12〜18の脂肪酸とを化合した脂肪族アルコール系脂肪酸エステル。
・ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキルエーテルポリオール。
・パラフィン系オイル等。
これらの添加剤の含有比率は、含有させる層全体に対して下限は0.1質量%以上が好ましく1質量%以上がより好ましい。上限は12質量%以下が好ましく、8質量%以下がより好ましい。
(中間層の熱物性)
本フィルムの中間層の結晶化ピーク温度Tcは、70℃以上が好ましく、90℃以上がより好ましく、100℃以上が更に好ましい。
結晶化ピークが複数存在する場合は、高温側のピーク温度が上記範囲であることが望ましい。
中間層の結晶化ピーク温度が70℃以上によって、フィルム製膜中の結晶化が促進され防湿性が良好となる。
本フィルムの中間層の結晶化熱量ΔHcは、10J/g以上110J/g以下が好ましい。下限は30J/g以上がより好ましく、50J/g以上が更に好ましく、上限は100J/g以下がより好ましい。
結晶化熱量ΔHcが10J/g以上により、フィルム製膜性が良好となり、また、常温において十分なフィルム柔軟性と強度を得ることができる。結晶化熱量ΔHcが110J/g以下により、フィルム伸展を適度な力で均等に行うことが出来る。
中間層の結晶化ピーク温度Tcは、エチレン系樹脂(B)の結晶性に起因し、エチレン系樹脂(B)の組成の選定や、結晶核剤の混合によって調整される。
中間層の結晶化熱量ΔHcを所定の範囲に調整する手法は、特に制限されるものではなく、フィルム製膜時の冷却条件等の製造方法や中間層の樹脂構成等で調整できる。中でも、エチレン系樹脂(B)に異なる樹脂を混合する手法が好適である。混合する樹脂としては、カット性、包装シワ、底折り込み安定性、ちぎれ性、パック後の透明性などの各種包装機適性を付与させる観点から、ビニル芳香族系エラストマー(C)、及び/または石油樹脂等(D)が好ましく、その混合によりエチレン系樹脂(B)の結晶化熱量が低減する。
中間層の結晶化温度Tc、結晶化熱量ΔHcは、JIS K 7121、JIS K 7122に準じて、示差走査熱量計DSCを用い、中間層を構成する樹脂組成物を混練したものを試料として測定しても良いし、フィルムの断面切片を用いてその中間層をマイクロ熱分析して求めることもできる。
結晶化ピークが重なって複数存在する(ショルダーピーク)の場合は、主ピークのベースラインに基づいてΔHcを算出する。結晶化ピークが別個にベースラインを有して複数存在する場合は、各ピークのΔHcを加算する。
<フィルム構成>
(層構成)
本フィルムは、エチレン系樹脂(A)を主成分として用いた両表面層と、エチレン系樹脂(B)を主成分として用いた中層との、少なくとも3層を配するフィルムであればよく、本発明の趣旨を超えない範囲で、力学特性や層間接着性の改良などの観点で、必要に応じて他の層を適宜配設してもよい。
ここで、表面層をS層、中間層をM層、他の層をP層と略記すると、例えば、次の層構成を例示できる。
・(S層1)/(M層1)/(S層2)
・(S層1)/(P層1)/(M層1)/(S層2)
・(S層1)/(P層1)/(M層1)/(P層2)/(S層2)
・(S層1)/(M層1)/(P層1)/(M層2)/(S層2)
これらにおいて、各層の樹脂組成や厚み比は、同一であっても異なっていてもよい。
また、フィルム中に複数のS層、M層、P層を配する場合、例えば上記の例示構成においてS層1と2、M層1と2、P層1と2を配する場合、各層1と2の樹脂組成や厚み比は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。
(フィルム総厚)
本フィルムの総厚は、一般的なストレッチ包装用フィルムとして用いられる範囲として5μm以上30μm以下であり、更に代表的な範囲として8μm以上20μmである。
総厚が5μm以上であれば使用に堪えるフィルム強度が得られ、30μm以下であれば自動包装機で良好な包装ができる。
(層の厚み比率)
本フィルムにおいて、両表面層と中間層の厚み比率は、両表面層:中間層=10〜65:90〜35が好ましく、20〜60:80〜40がより好ましい。尚、各表面層のそれぞれの厚みは異なってもよいが、同等厚みであるとフィルム製膜性が安定し易い。
厚み比率がかかる範囲内であれば、フィルム製膜安定性が得られ、ストレッチ包装用フィルムに好適な表面粘着性、包装適性を付与することができる。
<フィルム物性>
(貯蔵弾性率E’)
本フィルムの20℃における貯蔵弾性率E’は、500MPaより大であり1000MPa以下が好ましい。上限は、800MPa以下がより好ましく、600MPa以下が更に好ましい。
20℃における貯蔵弾性率E’が500MPaより大であれば、室温において、フィルム同士の密着による作業性の悪化が起こりにくい。また、1000MPa以下であればフィルムが硬すぎることがなく、ポリ塩化ビニル系フィルムと同等の低張力、柔軟性によって自動包装機で包装できる。
(正接損失tanδ)
本フィルムの正接損失tanδは、20℃において0.15以上であり、かつ0℃において0.10以上である。
20℃の正接損失tanδの下限は、0.18以上がより好ましく、0.20以上が更に好ましい。上限は0.50以下が好ましく、0.40以下がより好ましい。
0℃の正接損失tanδの下限は、0.11以上がより好ましく、0.12以上が更に好ましい。上限は0.30以下が好ましく、0.20以下がより好ましい。
20℃と0℃の正接損失tanδを所定範囲にすることにより、常温から低温の環境下においてストレッチ包装用フィルムとして良好な包装適性が得られる。特に、20℃の正接損失tanδが0.15以上により、常温におけるフィルムの応力緩和性が大きく、底折り込み性が安定する。また、0℃における正接損失tanδが0.10以上により、低温下においてもフィルム応力緩和性を発揮でき、底折り込み性が安定する。
フィルムの正接損失tanδは、表面層と中間層を構成する樹脂種類や層の厚比により調整される。中間層のエチレン系樹脂(B)と、ビニル芳香族系エラストマー(C)と石油樹脂等(D)の合計量((C);(D))との質量配合比は、80:20〜50:50が好ましく、75:25〜55:45がより好ましい。
貯蔵弾性率E’、および正接損失tanδは、JIS K 7244に基づき、動的粘弾性測定法により、振動周波数10Hz、歪み0.1%の条件で測定できる。
(引張応力)
本フィルムの横方向(TD)の100%伸び引張応力は、ストレッチ包装用フィルムとして、3.9PMa以上13.7MPa以下が好ましく、4.9MPa以上12.7MPa以下がより好ましい。
引張応力は、JIS K 7161に準じて、温度20℃、引張速度200mm/分の条件で引張試験を行って測定できる。
(水蒸気透過率)
本フィルムの40℃における水蒸気透過率は、25g/m/day以下が好ましく、20g/m/day以下がより好ましい。25g/m/day以下で包装された食品の鮮度保持と乾燥抑制が可能となる。
水蒸気透過率は、エチレン系樹脂(B)の組成の選定や、複数のエチレン系樹脂(B)の配合比、結晶核剤(E)の配合によって、中間層の結晶化ピーク温度の高温化によって低減できる。
水蒸気透過率は、JIS K7129Bに準じて、40℃90%RHの雰囲気下で測定できる。
<フィルム製造方法>
本フィルムは、公知の製法により製造できる。
例えば、押出機から原材料を溶融押出し、インフレーション成形又はTダイ成形により、フィルム状に成形して製造でき、複数の押出機を用いて多層ダイにより共押出するのが好ましい。
実用的には、環状ダイから材料樹脂を溶融押出してインフレーション成形する方法が用いられ、その際のブローアップ比(チューブ径/ダイ径)は3以上が好ましく、特に4以上10以下の範囲が好適である。その際の冷却方法としては、チューブの外面から冷却する方法、チューブの内外両面から冷却する方法のどちらでもよい。
さらに、得られたフィルムを結晶化温度以下に加熱し、ニップロール間の速度差を利用してフィルムの縦方向に1.2倍以上5倍以下程度に延伸、又はフィルムの縦横方向に1.2倍以上5倍以下程度に二軸延伸してもよい。これにより、カット性の改良や熱収縮性の付与などを行うことができる。
以下に、本発明を実施例でさらに詳しく説明するが、これらにより本発明は何ら制限を受けるものではない。フィルムの押出機からの流れ方向を縦方向(MD)、その直角方向を横方向(TD)と呼ぶ。
<測定・評価方法>
原材料、フィルムの測定および評価は次のようにして行い、結果を表1に記した。
(1)結晶化ピーク温度Tc(単位℃)、結晶化熱量ΔHc(単位J/g)
JIS K 7121、JIS K 7122に基づき、パーキンエルマー社製DSC−7を用いて測定した。
(2)メルトフローレートMFR(単位g/10分)
JIS K 7210に基づき、エチレン系樹脂は、温度190℃、荷重21.18Nの条件で測定した。また、ビニル芳香族系エラストマー、プロピレン系樹脂は、温度230℃、荷重21.18Nの条件で測定した。
(3)貯蔵弾性率E'、正接損失tanδ
JIS K 7244に基づき、アイティー計測制御(株)製動的粘弾性測定装置DVA−200を用い、フィルム横方向について、振動周波数10Hz、歪み0.1%、昇温速度1℃/分で−100℃から200℃まで測定し、得られたデータから、20℃での貯蔵弾性率E’と、0℃および20℃での正接損失tanδを得た。
(4)引張応力(単位MPa)
JIS K 7161に準じて、温度20℃、引張速度200mm/分の条件で引張試験を行い、フィルム横方向の100%伸び引張応力(MPa)を測定し、下記の基準でフィルムの柔軟性を評価した。
◎; 4.9以上7.8未満
○; 3.9以上4.9未満、または7.8以上8.8未満
△; 2.0以上3.9未満、または8.8以上13.7未満
×; 2.0未満、または13.7以上
(5)水蒸気透過率(単位g/m/day)
JIS K 7129Bに基づき、MOCON社製PERMATRAN W 3/31を用いて、40℃90%RH条件下で測定した。
(6)包装機適性
各実施例で得られたフィルム(幅350mm)を用い、自動包装機((株)イシダ製ISHIDA・Wmini−UNI)により、発泡ポリスチレン樹脂トレー(長さ330mm、幅230mm、高さ38mm)を連続500パック包装し、次の基準で評価した。
(6)−1 カット
◎; 美麗にカットできる。
○; カット面が一直線にならないものがあるが、カットできる。
△; カットし難く、自動包装機内でフィルム搬送が不安定となる。
×; カットが出来ない。
(6)−2 包装皺(包装したトレー上面の皺)
◎; 皴が発生しない。
○; 皺の面積がフィルム面積の30%未満。
△; 皺の面積がフィルム面積の30%以上。
×; 皺がフィルムのほぼ全面に発生する。
(6)−3 底折り込み安定
◎; 綺麗に折り畳め、ごわつきや剥がれがない。
○; ほぼ良好に折り込めるが、一部ごわつきがある。
△; 少し剥がれが発生する。
×; フィルムが折り畳まらず、団子状になる。
(6)−4 ちぎれ
◎; フィルムちぎれ片が発生しない。
○; フィルムちぎれ片の発生数が4個以下。
△; フィルムちぎれ片の発生数が5個以上29個以下。
×; フィルムちぎれ片の発生数が30個以上。
<原材料>
実施例に用いた原材料は、次の通りである。
・エチレン系樹脂(A1); エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル含有量15質量%、MFR2.0g/10分
・防曇剤(1); ジグリセリンオレート
・エチレン系樹脂(B1); 低密度ポリエチレン、Tc=95.0℃、ΔHc=121.1J/g、MFR=1.5g/10分、Mw/Mn=4.1
・エチレン系樹脂(B2); エチレン−ヘキセン−オクテン共重合体、質量組成比エチレン:ヘキセン−1:オクテン−1=96:3:1、Tc=110.4℃、ΔHc=156.9J/g、MFR=3.5g/10分、Mw/Mn=3.4
・エチレン系樹脂(B3); エチレン−ヘキセン−オクテン共重合体、質量組成比エチレン:ヘキセン−1:オクテン−1=97:1:2、Tc=110.6℃、ΔHc=166.1J/g、MFR=4.0g/10分、Mw/Mn=3.1
・プロピレン系樹脂(P1); ブロックポリプロピレン、ΔHc=67.0J/g、Tc=121.0℃、MFR=2.0g/10分
・ビニル芳香族系エラストマー(C1); スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体、MFR6.0g/10分
・石油樹脂等(D1); 荒川化学工業(株)製水素添加石油樹脂「アルコンP125」、軟化温度125℃
・結晶核剤(E1); ステアリン酸亜鉛と1,2−シクロヘキサンジカルボン酸カルシウム塩、質量混合比34:66
(実施例1)
両表面層の原材料構成は、エチレン系樹脂(A1)と防曇剤(1)とを質量比97:3とした。
中間層の原材料構成は、エチレン系樹脂(B)として、エチレン系樹脂(B1)とエチレン系樹脂(B2)を質量比65:35で混合し、ビニル芳香族系エラストマー(C1)と、粘着付与樹脂(D1)と、結晶核剤(E1)とを質量比(B):(C1):(D1):(E1)=59.9:20.0:20.0:0.1とした。
表面層と中間層を構成する原材料は、それぞれ混合、溶融混練し、環状三層ダイを用い、190℃、ブローアップ比5.0で共押出インフレーション成形して、総厚12μm、各層厚2μm/8μm/2μmの3層共押出フィルムを得た。
(実施例2)
実施例1において、中間層のエチレン系樹脂(B2)を(B3)に変更した以外は、同様にしてフィルムを得た。
(比較例1)
実施例1において、中間層の原材料構成を、エチレン系樹脂(B1)と(B2)の質量混合比を58:42に変更し、樹脂(D)を用いず、質量混合比(B):(C1):(E1)=79.9:20.0:0.1に変更した他は、同様にしてフィルムを得た。
(比較例2)
実施例2において、中間層の原材料構成を、エチレン系樹脂(B1)と(B3)の質量混合比を46:54に変更し、ビニル芳香族系エラストマー(C)と樹脂(D)とを用いず、質量混合比(B):(E1)=99.9:0.1に変更した他は、同様にしてフィルムを得た。
(比較例3)
実施例1において、中間層の原材料構成を、エチレン系樹脂(B)の代わりにプロピレン系樹脂(P1)を用い、結晶核剤(E)を用いず、(P1):(C1):(D1)=51.4:32.4:16.2とした他は、同様にしてフィルムを得た。





























Figure 2017087467
実施例1では、動的粘弾性、防湿性とも望ましいストレッチ包装用フィルムが得られ、低張力で包装を実施するポリ塩化ビニルフィルムに対応した自動包装機に対しても高い適応性を示した。
実施例2は、20℃の正接損失tanδが実施例1に比べ低めのため、自動包装機での底折り込みで剥がれ気味が見られたが、良好な防湿性であった。
比較例1は、20℃および0℃n正接損失tanδが低く、ストレッチ包装用フィルムとしての包装機適性が不十分であった。
比較例2は、20℃および0℃の正接損失tanδが低く、かつ20℃の貯蔵弾性率E‘が高く、フィルムが硬く張りが強いため、高い防湿性を示したが、ストレッチ包装用フィルムとして扱いが困難であった。
比較例3は、柔軟性が高く包装美観性が良好であるが、防湿性は不十分であった。
本発明によれば、非塩素系のストレッチ包装用フィルムでありながら、従来のポリ塩化ビニル系ストレッチ包装用フィルム向け仕様の自動包装機に適応できるとともに、防湿性の優れたフィルムを提供できる。これにより、食品製造業や販売業において、生鮮食品、惣菜等をオーバーラップした食品陳列や販売購入前後の保管を長期化でき、食品及び包材の廃棄量低減を可能とする。

Claims (3)

  1. 少なくとも3層から構成されるポリオレフィン系フィルムにおいて、両表面層を構成する主成分がエチレン系樹脂(A)であり、中間層を構成する主成分がエチレン系樹脂(B)であり、フィルムの総厚が5μm以上30μm以下であり、フィルムの正接損失tanδ(動的粘弾性測定法、振動周波数10Hz、歪み0.1%)が20℃で0.15以上、かつ0℃で0.10以上であり、フィルムの水蒸気透過率(40℃90RH%)が1g/m/day以上25g/m/day以下であることを特徴とするストレッチ包装用フィルム。
  2. 前記エチレン系樹脂(B)が少なくとも2種類以上からなり、中間層の高温側の結晶化ピーク温度Tc(JIS K 7121)が70℃以上、かつ中間層の全結晶化熱量ΔHc(JIS K 7122)が10J/g以上110J/g以下である請求項1に記載のストレッチ包装用フィルム。
  3. 前記中間層にビニル芳香族系エラストマー(C)を含む請求項1または2に記載のストレッチ包装用フィルム。
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