JP7380189B2 - 積層フィルム及び包装袋 - Google Patents
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Description
表面層(A)は、積層フィルムを食品包装袋に製袋した際に表層を構成する層であり、積層フィルムに印刷を施す場合には、当該表面層(A)を印刷層として各種印刷を施すことができる。本発明の積層フィルムの表面層(A)は、プロピレン系樹脂を主たる樹脂成分とする層であり、当該プロピレン系樹脂を主たる樹脂成分として含有することで好適な剛性を実現でき、また、良好な外観や耐熱性等を得やすくなる。当該プロピレン系樹脂としては、プロピレンの単独重合体、プロピレン-α-オレフィンランダム共重合体、プロピレン-α-オレフィンブロック共重合体等を使用できる。α-オレフィンとしては、エチレン、1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル・1-ペンテン、1-オクテン等が例示できる。これらはそれぞれ単独で使用してもよいし、併用してもよい。これらの中でも、高い剛性や透明性を得やすいことから、プロピレンの単独重合体を好ましく使用出来る。
本発明の積層フィルムの中間層(B)は、植物由来の直鎖状低密度ポリエチレン(b1)と、化石燃料由来の直鎖状低密度ポリエチレン(b2)とを含有する層であり、中間層(B)に含まれる樹脂成分中の前記中間層(B)に含まれる樹脂成分中の植物由来の直鎖状低密度ポリエチレン(b1)の含有量が40~60質量%、化石燃料由来の直鎖状低密度ポリエチレン(b2)の含有量が40~60質量%である。当該中間層(B)を使用することで、高いバイオマス度を有しつつ、好適な耐衝撃性や包装適性を実現できる。
メタロセン系触媒は、必要に応じて有機アルミニウム化合物を併用して、溶媒存在下での均一系重合の他、スラリー重合法、気相重合法等のプロセスで使用することもできる。
本発明に使用するヒートシール層(C)は、積層フィルムのシール層同士の接着や、積層フィルムと他の容器やフィルム等との接着に使用する層である。ヒートシール層(C)は、プロピレン系樹脂を主たる樹脂成分とする層であり、当該プロピレン系樹脂としては、プロピレンの単独重合体、プロピレン-α-オレフィンランダム共重合体、プロピレン-α-オレフィンブロック共重合体等を使用できる。α-オレフィンとしては、エチレン、1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル・1-ペンテン、1-オクテン等が例示できる。これらはそれぞれ単独で使用してもよいし、併用してもよい。これらの中でも、好適なシール性を得やすいことから、プロピレン-α-オレフィンランダム共重合体を好ましく使用できる。
プロピレン-α-オレフィンランダム共重合体としては、例えば、プロピレン-エチレンランダム共重合体、プロピレン-1-ブテンランダム共重合体、プロピレン-エチレン-1-ブテンランダム共重合体等が挙げられる。これらは、1種を単独で使用しても、複数種を併用してもよい。なかでも、好適なシール性を付与し易いことから、プロピレン-α-オレフィンランダム共重合体としては、プロピレン-エチレンランダム共重合体を使用することが好ましい。
本発明の積層フィルムは、上記の表面層(A)、中間層(B)及びヒートシール層(C)を有する積層フィルムである。本発明の積層フィルムは、表面層とヒートシール層間の中間層に、植物由来の直鎖状低密度ポリエチレンと化石燃料由来の直鎖状低密度ポリエチレンとを併用することにより、好ましくはバイオマス度10%以上の高いバイオマス度でありながら、好適なヒートシール性や耐衝撃性、好適な透明性を実現できる。
表面層(A)、中間層(B)及びヒートシール層(C)の各層を形成する樹脂成分として、各々下記の樹脂を使用して、各層を形成する樹脂配合物を調整した。これら樹脂配合物を3台の押出機に各々供給して250℃で溶融した。溶融した樹脂をフィードブロックを有するTダイ・チルロール法の共押出多層フィルム製造装置(フィードブロック及びTダイ温度:250℃)にそれぞれ供給して共溶融押出を行って、フィルムの層構成が、表面層(A)/中間層(B)/ヒートシール層(C)の3層構成で、各層の平均厚みが10.5μm/15μm/4.5μm(合計30μm)の積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの表面層(A)には、表面層(A)の表面エネルギーが36mN/mになるようにコロナ放電処理を施した。
中間層(B):サトウキビ由来直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂のBraskem社SLH218(d=0.916、MFR=2.3g/10分)40質量部、化石燃料由来の直鎖状低密度ポリエチレン〔密度:0.905g/cm3、MFRI:4.0g/10分間〕60質量部
ヒートシール層(C):プロピレン・エチレン共重合体〔エチレン含量:5.2%、密度:0.90g/cm3、MFR:7.0g/10分間〕60質量部、プロピレン・エチレン・ブテン三元共重合体(密度:0.90g/cm3、MFR:4g/10分間)30質量部、エチレン・ブテン共重合体(密度:0.90g/cm3)10質量部
中間層に使用する樹脂混合物の樹脂成分を下記とした以外は実施例1と同様にして積層フィルムを得た。
サトウキビ由来直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂のBraskem社SLH218(d=0.916、MFR=2.3g/10分)50質量部、化石燃料由来の直鎖状低密度ポリエチレン〔密度:0.905g/cm3、MFR:4.0g/10分間〕50質量部
中間層に使用する樹脂混合物の樹脂成分を下記とした以外は実施例1と同様にして積層フィルムを得た。
サトウキビ由来直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂のBraskem社SLH218(d=0.916、MFR=2.3g/10分)60質量部、化石燃料由来の直鎖状低密度ポリエチレン〔密度:0.905g/cm3、MFR:4.0g/10分間〕40質量部
中間層に使用する樹脂混合物の樹脂成分を下記とした以外は実施例1と同様にして積層フィルムを得た。
サトウキビ由来直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂のBraskem社SLH218(d=0.916、MFR=2.3g/10分)100質量部
中間層に使用する樹脂混合物の樹脂成分を下記とした以外は実施例1と同様にして積層フィルムを得た。
サトウキビ由来直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂のBraskem社SLH218(d=0.916、MFR=2.3g/10分)30質量部、化石燃料由来の直鎖状低密度ポリエチレン〔密度:0.905g/cm3、MFR:4.0g/10分間〕70質量部
中間層に使用する樹脂混合物の樹脂成分を下記とした以外は実施例1と同様にして積層フィルムを得た。
化石燃料由来の直鎖状低密度ポリエチレン〔密度:0.905g/cm3、MFR:4.0g/10分間〕100質量部
ASTM D-882に基づき、23℃における1%接線モジュラス(単位:MPa)を、フィルム製造時の押出方向(以下、「MD」という。)について、テンシロン引張試験機〔株式会社エー・アンド・デー製〕を用いて測定した。
得られたフィルムを用い、シール層が内側になるようにして横ピロー包装機〔フジキカイ株式会社製「FW-3400/B αV」〕にセットし、底部の上シールバー温度130℃、下シールバー温度130℃、センター(背貼り部)シール温度を130℃、製袋速度60個/分の条件で、ピロー包装袋(縦180mm、横150mm)を作製した。得られた包装品5袋のシール部の前後から15mm幅の試験片を2枚ずつ(計4枚)、センター部から1枚、合計25枚を切り出し、23℃、引張速度300mm/分の条件でテンシロン引張試験機〔株式会社エー・アンド・デー製〕で引き剥がす時の最大荷重を測定し、包装品シール強度とした。評価基準は以下のとおり。
○:シール強度が10N/15mm以上
△:シール強度が6N/15mm以上、10N/15mm未満
×:シール強度が6N/15mm未満
得られたフィルムの2枚をシール層同士が接するように重ね合わせ、上部シールバーを温度130℃、下部シールバーは50℃に固定、圧力0.2MPaで幅10mmのシールバーにより、1.0秒間ヒートシールした後、放冷し、次いでヒートシールしたフィルムから15mm幅の試験片を切り取り、23℃、引張速度300mm/分の条件で、テンシロン引張試験機〔株式会社エー・アンド・デー製〕で引き剥がす時の最大荷重を測定し、その最大荷重をシール強度とした。評価基準は以下のとおり。
○:シール強度が10N/15mm以上
△:シール強度が6N/15mm以上、10N/15mm未満
×:シール強度が6N/15mm未満
得られたフィルムを用い、0℃に状態調整された恒温室内で、サンプルを6時間保持した後、直径25.4mmの球状の衝撃頭を用いてフィルムインパクト法で測定した。評価基準は以下のとおり。
○:衝撃強度が1J以上
△:衝撃強度が0.6J以上、1J未満
×:衝撃強度が0.6J未満
Claims (6)
- 表面層(A)、中間層(B)及びヒートシール層(C)が積層された積層フィルムであって、
前記表面層(A)及び前記ヒートシール層(C)が、それぞれプロピレン系樹脂を含有し、
前記中間層(B)が、植物由来の直鎖状低密度ポリエチレン(b1)及び化石燃料由来の直鎖状低密度ポリエチレン(b2)を含有し、
前記中間層(B)に含まれる樹脂成分中の植物由来の直鎖状低密度ポリエチレン(b1)の含有量が40~60質量%、化石燃料由来の直鎖状低密度ポリエチレン(b2)の含有量が40~60質量%であることを特徴とする積層フィルム。 - 前記ヒートシール層(C)に含まれるプロピレン系樹脂として、プロピレン-エチレン共重合体を含有する請求項1に記載の積層フィルム。
- 前記ヒートシール層(C)が、プロピレン-エチレン-1-ブテンランダム共重合体を含有する請求項1又は2に記載の積層フィルム。
- 前記ヒートシール層(C)がプロピレン-エチレンランダム共重合体及びプロピレン-エチレン-1-ブテンランダム共重合体を含有し、前記ヒートシール層(C)に含まれる樹脂成分中のプロピレン-エチレンランダム共重合体の含有量が35質量%以上75質量%以下、プロピレン-エチレン-1-ブテンランダム共重合体の含有量が15質量%以上55質量%以下である請求項3に記載の積層フィルム。
- 前記植物由来の直鎖状低密度ポリエチレン(b1)のメルトフローレート(230℃、21.18N)が3.0/10分以下であり、前記化石燃料由来の直鎖状低密度ポリエチレン(b2)のメルトフローレート(230℃、21.18N)が2~10g/10分である請求項1~4のいずれかに記載の積層フィルム。
- 請求項1~5のいずれかに記載の積層フィルムを使用した包装袋。
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