JP6819820B2 - 積層フィルム及び食品包装袋 - Google Patents
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Description
植物由来の樹脂は、環境対応性は高いものの、化石燃料由来の樹脂とは異なる性質を示すことが多い。このため、樹脂フィルムを構成する材料の一部を、単に植物由来の樹脂と置き換えると、樹脂フィルムの目的とする特性が得られない場合がある。
このため、環境対応性を向上させるべく、樹脂由来のエチレン系樹脂を使用する場合にも、その種類を選択することは重要である。
本発明の積層フィルムは、少なくとも表面層(A)、中間層(B)及びシール層(C)を有し、一方の表層が表面層(A)、他方の表層がシール層(C)となっている。
本発明においては、表面層(A)、中間層(B)及びシール層(C)が、それぞれプロピレン系樹脂を含有し、中間層(B)が、さらに植物由来の低密度ポリエチレン(b1)(以下、「バイオ低密度ポリエチレン(b1)」と言う。)を含有する。
[表面層(A)]
表面層(A)は、積層フィルムを食品包装袋に製袋した際に表層を構成する層であり、印刷が施される印刷層等として機能する。
この表面層(A)は、プロピレン系樹脂を含有する。
プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体としては、例えば、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−1−ブテンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−1−ブテンランダム共重合体等が挙げられる。これらは、1種を単独で使用しても、複数種を併用してもよい。中でも、積層フィルムに対して、好適な透明性を付与し易いことから、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体としては、プロピレン−エチレンランダム共重合体を使用することが好ましい。
なお、本明細書中において、特に断りがない限り、MFRは、温度230℃、荷重21.18Nの測定条件で、JIS K 7210:1999の規定に準拠して測定される。
プロピレン−エチレンランダム共重合体の融点は、製袋時の溶断シール刃への付着を防止する観点から、110℃以上であることが好ましく、115℃以上であることがより好ましい。また、製袋時の溶断シールの際に、積層フィルムに溶断シール性を発現させるために、十分な溶断玉形成が必要であるため、融点は、150℃以下であることが好ましく、145℃以下であることがより好ましい。
プロピレン−エチレン−1−ブテンランダム共重合体の融点は、製袋時の溶断シール刃への付着を防止する観点から、105℃以上であることが好ましく、110℃以上であることがより好ましい。また、製袋時の溶断シールの際に、積層フィルムに溶断シール性を発現させるために、十分な溶断玉形成が必要であるため、融点は、145℃以下であることが好ましく、140℃以下であることがより好ましい。
α−オレフィンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン等が挙げられる。中でも、積層フィルムに対して、マット感、耐寒性及び剛性を優れたバランスで付与することができるため、α−オレフィンとしては、エチレンが好ましい。
プロピレン系ブロック共重合体の融点は、積層フィルムに対して、好適な製袋性を付与し易いことから、155〜165℃程度であることが好ましい。
なお、積層フィルムに対して、マット感、溶断シール性及び製袋適性を優れたバランスで付与し易いことから、プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体の市販品として、例えば、BC8、BC7(いずれも日本ポリプロ社製)、E150GK、F704V(いずれもプライムポリマー社製)、PC480A、PC684S、PC380A、VB370A(いずれもサンアロマー社製)等を好適に使用することができる。
具体的な含有量は、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましい。含有量を前記範囲に設定することにより、積層フィルムの意匠性を高めると共に、積層フィルムに対して、均一性のあるマット感を付与し易くなる。中でも、積層フィルムの耐衝撃性を高くする場合には、その含有量を80〜100質量%程度とすることが好ましく、マット感を向上させる場合には、その含有量を70〜90質量%程度とすることが好ましい。
エチレン系単重合体としては、例えば、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)等が挙げられる。
なお、これらのオレフィン系樹脂の表面層(A)に含まれる樹脂成分中の含有量は、20質量%以下であることが好ましい。
積層フィルムに対して、好適な低温シール性を付与し易いことから、表面層(A)に含まれる樹脂成分中のエチレン−1−ブテン共重合体の含有量は、1〜20質量%程度であることが好ましく、5〜15質量%程度であることがより好ましい。
エチレン−1−ブテン共重合体の密度は、0.87〜0.9g/cm3程度であることが好ましく、0.875〜0.895g/cm3程度であることがより好ましい。
一方、積層フィルムのヒートシール性、溶断シール性、耐衝撃性等の各種特性を重視する場合には、表面層(A)に含まれる樹脂成分中の植物由来の樹脂の含有量を、10質量%未満とすることが好ましく、5質量%未満とすることがより好ましく、実質的に0質量%とすることがさらに好ましい。
中間層(B)は、積層フィルムに対して、食品包装袋を製袋する際に要求される特性や、食品包装袋として要求される特性を付与する機能を有する層である。
この中間層(B)は、プロピレン系樹脂を含有し、さらにバイオ低密度ポリエチレン(b1)を含有する。
プロピレン系樹脂を含有することにより、積層フィルムに対して、良好なヒートシール性、広範な温度域での好適な溶断シール性と共に、好適な耐衝撃性や耐破袋性を付与することができる。
後述するように、積層フィルムは好ましくは共押出法により製造される。この際、中間層(B)の成形材料は、押出機で加熱溶融され、溶融状態の成形材料をフィルタに通過させた後、成形ダイに供給される。なお、フィルタでは、溶融状態の成形材料中に存在する異物等が除去される。
これに対して、低密度ポリエチレンに代えて、他のポリエチレン(特に、直鎖状低密度ポリエチレン)を使用すると、溶融状態の形成材料の圧力が上昇し、積層フィルムの製膜性や成型性が低下する。また、フィルタに目詰まりが生じ易くなる結果、フィルタを頻繁に交換せざるを得なくなり、積層フィルムの生産性が低下すると共に、生産コストも上昇する。
また、バイオ低密度ポリエチレン(b1)を使用することにより、積層フィルムのバイオ度を高めることができるので、二酸化炭素排出量の低減に寄与し、環境対応性の向上を図ることもできる。
なお、バイオ低密度ポリエチレン(b1)の市販品としては、例えば、ブラスケム社製のSPB681、SBC818、STN7006等が挙げられる。
バイオ低密度ポリエチレン(b1)のMFRは、1〜7g/10分程度であることが好ましく、2〜6g/10分程度であることがより好ましく、3〜5g/10分程度であることがさらに好ましい。かかるMFRのバイオ低密度ポリエチレン(b1)を使用することにより、溶融状態の形成材料の圧力上昇を抑制する効果が好適に発揮され、積層フィルムの製膜性や成型性の低下をより確実に抑制することができる。
エチレン系単重合体としては、例えば、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、直鎖状中密度ポリエチレン(LMDPE)、直鎖状高密度ポリエチレン(LHDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)が挙げられる。
ポリエチレン(b2)のMFRは、2〜10g/10分程度であることが好ましく、3〜5g/10分程度であることがより好ましい。かかるMFRのポリエチレン(b2)を使用することにより、積層フィルムの成膜性を向上させ易く、ポリエチレン(b2)の中間層(B)中での分散性も良好であるため、積層フィルムに対して、均一な特性を付与し易くなる。
中間層(B)に含まれる樹脂成分中のポリエチレン(b2)の含有量は、積層フィルムの良好な製膜性や成型性を維持しつつ、積層フィルムに対して、好適な剛性や耐衝撃性、製袋加工適性等を適切に付与することを考慮して適宜設定される。具体的には、ポリエチレン(b2)の含有量は、5〜20質量%程度であることが好ましく、5〜15質量%程度であることがより好ましい。
プロピレン系樹脂は、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体を含むことが好ましく、プロピレン−エチレンランダム共重合体を含むことがより好ましい。プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体(特に、プロピレン−エチレンランダム共重合体)を含むプロピレン系樹脂を使用することにより、このプロピレン系樹脂とバイオ低密度ポリエチレン(b1)及び/又はポリエチレン(b2)との親和性(相溶性)を高めることができる。
プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体のMFRは、積層フィルムを形成できる範囲であれば、特に限定されず、0.5g/10分以上であることが好ましく、3g/10分以上であることがより好ましく、5g/10分以上であることがさらに好ましい。また、積層フィルムの良好な成型性を得るため、MFRは、20g/10分以下であることが好ましく、15g/10分以下であることがより好ましく、12g/10分以下であることがさらに好ましい。
プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体の融点は、製袋時の溶断シール刃への付着を防止する観点から、110℃以上であることが好ましく、115℃以上であることがより好ましい。また、製袋時の溶断シールの際に、好適な溶断シール性を発現させるために、十分な溶断玉形成が必要であるため、融点は、150℃以下であることが好ましく、145℃以下であることがより好ましい。
プロピレン単独重合体のMFRは、積層フィルムを形成できる範囲であれば、特に限定されず、0.5g/10分以上であることが好ましく、2g/10分以上であることがより好ましく、3g/10分以上であることがさらに好ましい。また、積層フィルムの良好な成型性を得るためには、MFRは、20g/10分以下であることが好ましく、15g/10分以下であることがより好ましく、10g/10分以下であることがさらに好ましい。
プロピレン単独重合体の融点は、製袋等の積層フィルムの加工適性を十分に保持する観点から、145℃以上であることが好ましく、150℃以上であることがより好ましい。
特に、中間層(B)に含まれる樹脂成分中のプロピレン単独重合体の含有量を50〜80質量%、プロピレン−エチレンランダム共重合体の含有量を5〜25質量%とし、バイオ低密度ポリエチレン(b1)及びポリエチレン(b2)の合計量を5〜45質量%とすることが好ましい。
プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体には、マット性のフィルムとする場合の表面層(A)と同様のプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体を使用することができる。プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体は、1種を単独で使用しても、複数種を併用してもよい。
シール層(C)は、積層フィルムのシール層(C)同士の接着や、積層フィルムと他の容器やフィルム等との接着に使用する層である。
このシール層(C)は、プロピレン系樹脂を含有する。プロピレン系樹脂を含有することにより、シール層(C)と中間層(B)との高い密着性が得られる。
例えば、シール層(C)同士をシールして包装袋として使用する場合には、適度なシール強度が得られる点から、プロピレン系樹脂は、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−1−ブテンランダム共重合体のようなプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体、1−ブテン−プロピレンランダム共重合体のようなα−オレフィン−プロピレンランダム共重合体を含むことが好ましい。
プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体中のα−オレフィン含量は、特に限定されないが、1〜20質量%程度であることが好ましく、1.5〜15質量%程度であることがより好ましい。α−オレフィンとしては、エチレン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン等が挙げられる。
また、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体のMFRは、積層フィルムの良好な成型性を得やすいことから、0.5〜20g/10分程度であることが好ましく、2〜10g/10分程度であることがより好ましい。
一方、積層フィルムの溶断シール性、耐衝撃性等の特性を重視する場合には、植物由来のポリオレフィンの含有量を10質量%未満とすることが好ましく、5質量%未満とすることがより好ましく、実質的に0質量%とすることがさらに好ましい。
本発明の積層フィルムは、上記の表面層(A)、中間層(B)及びシール層(C)が積層されたプロピレン系樹脂を主体とする積層フィルムであり、中間層(B)が植物由来の低密度ポリエチレン(b1)を含有する。当該構成により、本発明の積層フィルムは、プロピレン系樹脂を主体とするフィルム構成においても、押出成型に際して過負荷の生じない好適な成型性を実現できる。また、優れた溶断シール強度やヒートシール強度等の好適なヒートシール性や好適な耐衝撃性を実現できる。
積層フィルムの厚さにおいて各層が占める割合や、各層の具体的な厚さは、特に限定されないが、次のように設定することができる。
中間層(B)の占める割合は、45〜85%程度であることが好ましく、50〜75%程度であることがより好ましい。
シール層(C)の占める割合は、5〜20%程度であることが好ましく、10〜20%程度であることがより好ましい。
中間層(B)の具体的な平均厚さは、5〜35μm程度であることが好ましく、10〜25μm程度であることがより好ましい。
シール層(C)の具体的な平均厚さは、1〜20μm程度であることが好ましく、5〜10μm程度であることがより好ましい。
共押出法によれば、各層の厚さの比率を比較的自由に調整することが可能であり、衛生性に優れ、コストパフォーマンスにも優れた積層フィルムを得ることができる。
なお、以上の製造方法により得られる積層フィルムは、実質的に無延伸の多層フィルムとして得られるため、真空成形による深絞り成形等の二次成形も可能となる。
例えば、積層フィルム2枚を所望とする包装袋の大きさに切り出して、それらを重ねて3辺をヒートシールして袋状に形成した後、1辺のヒートシールしていない開口部から内容物を充填し、ヒートシールして開口部を密封することにより、包装袋として使用することができる。
さらには、自動包装機によりロール状の積層フィルムを引き出し、円筒形状とすることで重なり合った端部同士をヒートシールした後、上端及び下端をそれぞれヒートシールすることにより包装袋を形成することも可能である。
本発明の積層フィルムは、好適な溶断シール性や製袋適性を発揮することから、底ガゼット袋を製袋するのに特に好適に使用することができる。
その後、必要に応じて、袋の上部を、プラスチック板、テープ、ひも等の結束具を使用して結束してもよい。
次いで、ピロー包装袋の上部をヒートシールして易開封性シール部分を形成してもよく、その近傍をプラスチック板、テープ、ひも等の結束具を用いて結束してもよい。易開封性シール部分を形成する場合、そのヒートシール強度は、5N/15mm未満であることが好ましく、0.1N/15mm以上5N/15mm未満であることがより好ましく、0.2N/15mm以上4N/15mm未満であることがさらに好ましい。
この場合、別のフィルムとしては、LDPE、EVA、ポリプロピレン等で構成される比較的機械強度の低いフィルムを使用することができる。また、別のフィルムとしては、LDPE、EVA、ポリプロピレン等で構成されるフィルムと、比較的引き裂き性の良好な延伸フィルム(例えば、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(OPET)、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)等)とを貼り合わせることにより得られるラミネートフィルムを使用することもできる。
例えば、本発明の積層フィルム及び食品包装袋は、その一部の構成を同様の機能を発揮する他の構成と置換してもよく、任意の構成を追加してもよい。
1.積層フィルムの作製
1−1.透明フィルムの作製
(実施例1)
まず、表面層、中間層及びシール層それぞれの形成材料を、下記の樹脂を使用して調製した。
その後、得られた透明積層フィルム(表面層)の表面に、表面エネルギーが33mN/mになるようにコロナ放電処理を施した。
・プロピレン−エチレンランダム共重合体(COPP(1)):55部
エチレン含量:2.0%
密度 :0.90g/cm3
メルトフローレート(MFR):6.0g/10分
融点 :140℃
・プロピレン−エチレン−1−ブテン三元共重合体:35部
密度 :0.90g/cm3
MFR:5.4g/10分(190℃、21.18N)
・結晶性エチレン−1−ブテン共重合体:10部
密度 :0.88g/cm3
MFR:4.0g/10分
・プロピレン単重合体(HOPP):79部
密度 :0.90g/cm3
MFR:7.5g/10分
・プロピレン−エチレンランダム共重合体(COPP(2)):10部
エチレン含量:5.2%
密度 :0.90g/cm3
MFR:5.4g/10分
・直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE):10部
密度 :0.905g/cm3
MFR:4.0g/10分
・サトウキビ由来の低密度ポリエチレン(バイオLDPE):1部
商品名:ブラスケム社製、「SPB681」
密度 :0.922g/cm3
MFR:3.8g/10分
・COPP(2):70部
・プロピレン−1−ブテンランダム共重合体(COPP(3)):30部
密度 :0.90g/cm3
MFR:4.0g/10分
中間層の形成材料の組成を下記に変更した以外は、前記実施例1と同様にして透明積層フィルムを得た。
HOPP:77部、COPP(2):10部、LLDPE:10部、バイオLDPE:3部
中間層の形成材料の組成を下記に変更した以外は、前記実施例1と同様にして積層フィルムを得た。
HOPP:75部、COPP(2):10部、LLDPE:10部、バイオLDPE:5部
中間層の形成材料の組成を下記に変更した以外は、前記実施例1と同様にして積層フィルムを得た。
HOPP:75部、COPP(2):15部、LLDPE:10部
(実施例4)
まず、表面層、中間層及びシール層それぞれの形成材料を、下記の樹脂を使用して調製した。
その後、得られた透明積層フィルム(表面層)の表面に、表面エネルギーが35mN/mになるようにコロナ放電処理を施した。
・プロピレン−エチレンブロック共重合体(COPP(4)):100部
密度 :0.90g/cm3
MFR:8.0g/10分
融点 :160℃
・COPP(2):44部
・COPP(4):38部
・LLDPE:14部
・バイオLDPE:4部
・COPP(2):70部
・COPP(3):30部
中間層の形成材料の組成を下記に変更した以外は、前記実施例1と同様にして透明積層フィルムを得た。
COPP(2):43部、COPP(4):37部、LLDPE:12部、バイオLDPE:8部
中間層の形成材料の組成を下記に変更した以外は、前記実施例1と同様にして積層フィルムを得た。
COPP(2):42部、COPP(4):37部、LLDPE:11部、バイオLDPE:10部
中間層の形成材料の組成を下記に変更した以外は、前記実施例1と同様にして積層フィルムを得た。
COPP(2):41部、COPP(4):36部、LLDPE:8部、バイオLDPE:15部
中間層の形成材料の組成を下記に変更した以外は、前記実施例1と同様にして積層フィルムを得た。
COPP(2):40部、COPP(4):45部、LLDPE:15部
実施例及び比較例にて得られた積層フィルムを用いて、下記の測定及び評価を行った。
[樹脂圧力の測定]
実施例及び比較例にて調製した中間層の形成材料の溶融状態における圧力を、樹脂圧力計(理化工業社製、「CZ−200P−HC」)により測定した。
◎:樹脂圧力が8.0MPa未満である。
○:樹脂圧力が8.0MPa以上、9.0MPa未満である。
×:樹脂圧力が9.0MPa以上である。
実施例及び比較例にて得られた積層フィルムの23℃における1%接線モジュラスを、ASTM D 882−12に基づき、テンシロン引張試験機(株式会社エー・アンド・デー製)を用いて測定した。
なお、測定は、フィルム製造時の押出方向(以下、「MD方向」と言う。)にて実施した。
実施例及び比較例にて得られた積層フィルムの曇り度を、JIS K 7105:1987に基づき、ヘーズメーター(日本電飾工業株式会社製)を用いて測定した。
実施例及び比較例にて得られた積層フィルムのシール層を内側にして、積層フィルムを半折後、底部にガセットを入れて、シール部温度(製袋温度)300℃で溶断シールして製袋(製袋機:トタニ技研工場株式会社製「HK−40V」、製袋速度:120枚/分)した。これにより、底ガゼット袋(縦:345mm(サイド部:245mm、ガゼット部:60mm)、横235mm)を作製し、製袋適性を評価した。また、300枚を1組として、付き揃えて束にしてまとめ、付き揃え性を評価した。
○:120ショットの製袋速度でも、積層フィルムが追随し、付き揃え性も問題ない。
△:120ショットの製袋速度でも、積層フィルムは追随するが、一部付き揃え性が問題となる。
×:120ショットの製袋速度に追随できない積層フィルムがあり、付き揃え性が悪い。
実施例及び比較例にて得られた積層フィルムを用いて、上記製袋適性評価と同様にして底ガゼット袋を作製した。
得られた底ガゼット袋5枚のガゼット部の中央と、ガゼット以外のサイド部の中央とから、それぞれ長さ70mm、幅15mmの試験片を1枚ずつ(1つの袋につき2枚)、溶断シール部が長さ方向の中央部となるように、合計10枚切り出した。そして、各試験片を23℃、引張速度300mm/分の条件で、テンシロン引張試験機(株式会社エー・アンド・デー製)で引き剥がした。このとき測定された最大荷重を、溶断シール強度とした。
◎:ガゼット部及びサイド部の溶断シール強度が、いずれも16N/15mm以上である。
○:ガゼット部及びサイド部の溶断シール強度が、いずれも13N/15mm以上、16N/15mm未満である。
×:ガゼット部及びサイド部の少なくとも一方の溶断シール強度が、13N/15mm未満である。
実施例及び比較例にて得られた積層フィルムを用いて、上記製袋適性の評価と同様にして底ガゼット袋を作製した。得られた底ガゼット袋の開口部上端から下に50mmの部分と開口部と平行に、ヒートシーラー(テスター産業株式会社製、圧力:0.2MPa、時間:1秒間、シール温度:上部シールバー95℃、下部シールバー50℃、シールバー形状:300m×10mmの平面)でヒートシールした。
得られた底ガゼット袋5枚のヒートシール部から、それぞれ長さ70mm、幅15mmの試験片を2枚ずつ(1つの袋につき2枚)、ヒートシール部が幅方向の中央部となるように、合計10枚切り出した。そして、各試験片を23℃、引張速度300mm/分の条件で、テンシロン引張試験機(株式会社エー・アンド・デー製)で引き剥がした。このとき測定された最大荷重を、ヒートシール強度とした。
○:ヒートシール強度が、いずれも5N/15mm未満であり、引き剥がした際にフィルム破れが生じなかった。
×:ヒートシール強度が、いずれも5N/15mm以上であるか、引き剥がした際にフィルム破れが生じた。
実施例及び比較例にて得られた積層フィルムを、0℃に設定した恒温室内で6時間保持した後、直径1.5インチの球状の金属性の衝撃頭を用いてフィルムインパクト法による衝撃強度を測定した。
○:衝撃強度が0.15J以上である。
△:衝撃強度が0.10J以上、0.15J未満である。
×:衝撃強度が0.10J未満である。
これらの測定結果及び評価結果を、以下の表1に示す。
Claims (16)
- 表面層(A)、中間層(B)及びシール層(C)が積層された無延伸の積層フィルムであり、
前記表面層(A)、前記中間層(B)及び前記シール層(C)が、それぞれプロピレン系樹脂を含有し、
前記中間層(B)が、さらに植物由来の低密度ポリエチレン(b1)を含有することを特徴とする積層フィルム。 - 前記低密度ポリエチレン(b1)のメルトフローレートが、1〜7g/10分である請求項1に記載の積層フィルム。
- 前記中間層(B)に含まれる樹脂成分中の前記低密度ポリエチレン(b1)の含有量が、1〜15質量%である請求項1又は2に記載の積層フィルム。
- 前記中間層(B)が、さらに化石燃料由来のポリエチレン(b2)を、前記中間層(B)に含まれる樹脂成分中の5〜20質量%含有する請求項1〜3のいずれかに記載の積層フィルム。
- 前記ポリエチレン(b2)が、直鎖状低密度ポリエチレンである請求項4に記載の積層フィルム。
- 前記ポリエチレン(b2)のメルトフローレートが、2〜10g/10分である請求項4又は5に記載の積層フィルム。
- 前記中間層(B)の前記プロピレン系樹脂が、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体を、前記中間層(B)に含まれる樹脂成分中の10〜50質量%含む請求項1〜6のいずれかに記載の積層フィルム。
- 前記中間層(B)の前記プロピレン系樹脂が、プロピレン単独重合体を、前記中間層(B)に含まれる樹脂成分中の55〜85質量%含む請求項1〜7のいずれかに記載の積層フィルム。
- 前記中間層(B)の前記プロピレン系樹脂が、プロピレン−α−オレフィンブロック共重合体を、前記中間層(B)に含まれる樹脂成分中の20〜50質量%含む請求項1〜7のいずれかに記載の積層フィルム。
- 前記表面層(A)及び前記シール層(C)のそれぞれに含まれる樹脂成分中の前記プロピレン系樹脂の含有量が、50質量%以上である請求項1〜9のいずれかに記載の積層フィルム。
- 前記表面層(A)及び前記シール層(C)のそれぞれの前記プロピレン系樹脂が、プロピレン−α−オレフィン共重合体を含む請求項1〜10のいずれかに記載の積層フィルム。
- 当該積層フィルムの厚さにおいて、前記表面層(A)の占める割合が10〜35%、前記中間層(B)の占める割合が45〜85%、前記シール層(C)の占める割合が5〜20%である請求項1〜11のいずれかに記載の積層フィルム。
- 当該積層フィルムの平均厚さが、25〜50μmである請求項1〜12のいずれかに記載の積層フィルム。
- 請求項1〜13のいずれかに記載の積層フィルムを使用したことを特徴とする食品包装袋。
- ガゼット部を有する請求項14に記載の食品包装袋。
- パン包装に使用する請求項14又は15に記載の食品包装袋。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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