JP3961194B2 - 食品包装用ストレッチフィルム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、食品包装用に好適に用いられるストレッチフィルム、特に塩素を含まない材料からなるストレッチ包装用フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から青果物、精肉、惣菜等を軽量トレイに載せてフィルムでオーバーラップする、いわゆるプリパッケージ用のストレッチ包装用フィルムとしては、主にポリ塩化ビニル系のものが使用されてきた。これらは包装効率がよく、包装仕上がりも綺麗である等の包装適性の他、パック後のフィルムを指で押す等の変形を加えても元に戻る弾性回復性に優れ、また底シール性も良好であり、輸送陳列中にフィルム剥がれが発生しにくい等、商品価値が低下しないという販売者、消費者の双方に認められた品質の優位性を持っているためである。
【0003】
しかし、近年、ポリ塩化ビニル系フィルムに対し焼却時に発生する塩化水素ガスや、多量に含有する可塑剤の溶出等が問題視されてきた。このためポリ塩化ビニル系フィルムに代わる材料が種々検討されており、特にポリオレフィン系樹脂組成物を用いた構成のストレッチ包装用フィルムが各種提案されている。例えば特開平6−155678号公報では、中間層をポリプロピレン系樹脂とスチレン−ブタジエンブロック共重合体の水素添加物からなる混合樹脂組成物で形成し、この中間層の両側に表裏層としてエチレン−酢酸ビニル共重合体からなる層を積層したストレッチフィルム、また、特開平7−178876号公報では、プロピレン系重合体と水添ジエン系ランダム共重合体からなる混合樹脂組成物で形成し、この中間層の両側に表裏層としてエチレン−酢酸ビニル共重合体からなる層を積層したストレッチフィルムが提案されている。
【0004】
しかしながら、特開平6−155678号公報で提案されているストレッチフィルムの構成では、スチレン−ブタジエンブロック共重合体の水素添加物が製膜過程で成形方向(縦方向)に配向しやすい為に特に引裂強度が劣りやすく、実際の自動包装機で使用した場合、トレイ及び商品の鋭利な角および突起物により穴が開き易く、また、ちぎれカスが発生してしまう等の不具合があった。また、特開平7−178876号公報で提案されているストレッチフィルム構成では、結晶化速度が遅い等の理由でインフレーション成形における製膜安定性が悪く、安定した生産ができず、さらに得られたフィルムの包装適性も不充分という不具合があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、適度な滑り性、自己粘着性、防曇性を有することは勿論のこと、製膜性、透明性、引裂強度等の力学強度、カット性等の包装作業性、包装仕上がり性および変形回復性に優れたバランスの取れた性能を有するストレッチ包装用フィルムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、例えばポリプロピレン系樹脂とスチレン−ブタジエンブロック共重合体の水素添加物との2成分構成、あるいはポリプロピレン系樹脂とスチレン−ブタジエンランダム共重合体の水素添加物との2成分構成での各々の不具合点をバランスよく解決できることを見出し本発明を完成するに至った。
本発明の要旨とするところは、下記(A)成分が30〜60重量%、(B)成分が15〜30重量%、(C)成分が5〜20重量%および(D)成分が0〜30重量%を主成分とする混合樹脂層を少なくとも一層有することを特徴とする食品包装用ストレッチフィルムに関する。
(A)ポリプロピレン系樹脂
(B)ビニル芳香族系化合物と共役ジエンとのブロック共重合体又はその水素添加誘導体
(C)ビニル芳香族系化合物と共役ジエンとのランダム共重合体又はその水素添加誘導体
(D)石油樹脂類
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明ストレッチフィルムは、下記(A)成分が30〜60重量%、(B)成分が15〜30重量%、(C)成分が5〜20重量%および(D)成分が0〜30重量%を主成分とする混合樹脂層を少なくとも一層有することを特徴とする食品包装用ストレッチフィルムである。
(A)ポリプロピレン系樹脂
(B)ビニル芳香族系化合物と共役ジエンとのブロック共重合体又はその水素添加誘導体
(C)ビニル芳香族系化合物と共役ジエンとのランダム共重合体又はその水素添加誘導体
(D)石油樹脂類
【0008】
(A)成分であるポリプロピレン系樹脂とは、プロピレンの単独重合体あるいはプロピレンと共重合可能な他の単量体とのランダム共重合体又はブロック共重合体である。また、これらの立体構造には特に制限がなく、イソタクチック、アタクチック、シンジオタクチックあるいはこれらの混在した構造の重合体でもよい。
ここで共重合可能な他の単量体としては、エチレンやブテン−1、ヘキセン−1、4−メチル−ペンテン−1、オクテン−1等の炭素数4〜12のα−オレフィンおよびジビニルベンゼン、1,4−シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、シクロオクタジエン、エチリデンノルボルネン等のジエン類等が挙げられるが、これらのうちエチレンが好ましい。またポリプロピレン系樹脂が、プロピレンと共重合可能な他の単量体との共重合体である場合の、他の単量体の含有量は、通常40重量%以下、好ましくは30重量%以下である。
【0009】
上記ランダム共重合体としては、プロピレン−エチレンランダム共重合体やプロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体、立体規則性を制御したHuntsman Polymer Corporationの商品名「REXflex」等が挙げられ、またブロック共重合体としては、プロピレン−エチレンブロック共重合体やリアクタータイプのポリプロピレン系エラストマー等が挙げられ、具体的な商品としては、(株)トクヤマの商品名「P.E.R.」、チッソ(株)の商品名「NEWCON」、モンテル・エスディーケイ・サンライズ(株)の商品名「Catalloy」、住友化学工業(株)の商品名「EXCELLEN EPX」等が市販されている。
【0010】
なおこれらのポリプロピレン系樹脂は1種のみを単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、そのメルトフローレート(MFR)(JISK7210、230℃、21.18N荷重)は通常0.4〜20g/10分、好ましくは0.5〜10g/10分のものが用いられる。
【0011】
次に(B)成分は、ビニル芳香族系化合物と共役ジエンとのブロック共重合体又はその水素添加誘導体である。このような共重合体は、一般的にゴム弾性を有し柔軟であるため、フィルムに弾性回復性を付与するとともに(A)成分であるポリプロピレン系樹脂の引張弾性率の低減に有効に作用する。
ここで、ビニル芳香族系化合物としては、スチレンが代表的なものであるが、α−メチルスチレン等のスチレン同族体も用い得る。また、共役ジエンとしては、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン等が挙げられ、これらは1種のみを単独で、又は2種以上を混合して使用することができる。また、第3成分として、ビニル芳香族系化合物および共役ジエン以外の成分を少量含んでいてもよい。但し、この共役ジエン部分のビニル結合を主とした二重結合が残った場合の熱安定性や耐候性は極めて悪いので、これを改良するため、二重結合の80%以上、好ましくは95%以上に水素を添加したものを用いることが好ましい。
【0012】
また、このような共重合体のビニル芳香族系化合物と共役ジエンの割合は重量比で3/97〜40/60であることが好ましい。ここで共重合組成中のビニル芳香族系化合物が3重量%未満では、共重合体自体の剛性が低下しすぎ、ペレット化が困難になる等の重合生産性が低下し易く、一方40重量%を越えると共重合体自体の剛性が高くなり、(B)成分添加の目的であるフィルムに弾性回復性を付与したり、引張弾性率の低減等の効果が不十分となり易い。
(B)成分の具体例としては、スチレン−ブタジエンブロック共重合体エラストマー(旭化成工業(株)商品名「タフプレン」)、スチレン−ブタジエンブロック共重合体の水素添加誘導体(旭化成工業(株)商品名「タフテック」、シェルジャパン(株)商品名「クレイトンG」)、スチレン−イソプレンブロック共重合体の水素添加誘導体((株)クラレ商品名「セプトン」)、スチレン−ビニルイソプレンブロック共重合体エラストマー((株)クラレ商品名「ハイブラー」)等として市販されている。
【0013】
しかしながら、(A)成分と(B)成分の2成分系では、製膜時に(B)成分がフィルムの成形方向(縦方向)に配向し易いためフィルムの成形方向と直交する方向(横方向)の引裂強度が低下し易く、自動包装機で使用した場合、トレイ及び商品の鋭利な角および突起物により穴が開き易く、また、ちぎれカスが発生してしまう等実用上問題となり易い。そこで本発明においては(A)、(B)成分に加えて(C)成分を併用する。
【0014】
(C)成分は、ビニル芳香族系化合物と共役ジエンとのランダム共重合体又はその水素添加誘導体である。
ここでビニル芳香族系化合物および共役ジエン成分並びにその重量割合等は、前述した(B)成分と同様のものを用いることができるが、特にスチレン含有量が5〜25重量%で共役ジエン部分のビニル結合量が50%を越える、好ましくは60〜90%のスチレン・共役ジエン系ランダム共重合体の水素添加誘導体が(A)成分への微分散性(相溶性)や透明性向上等の点から好適に使用することができる。
このような(C)成分を(A)、(B)成分に混合すると、(C)成分が微細に分散することにより(A)成分中で配向しやすい(B)成分の配向性を緩和し引裂強度の低下を弱めることができる。
【0015】
このような(C)成分の具体例としては、スチレン−ブタジエンランダム共重合体の水素添加誘導体(JSR(株)商品名「ダイナロン」)等として市販されている。
なお、本発明に好適に用いることができるスチレン・共役ジエン系ランダム共重合体の水素添加誘導体の詳細な内容およびその製造方法については、特開平2−158643号、特開平2−305814号及び特開平3−72512号の各公報に開示されている。また、このような共重合体の具体例としては水素添加スチレンブタジエンラバーの構造をとり、HSBRの略称で呼ばれる材料でJSR(株)商品名「ダイナロン1320P」として市販されている。
【0016】
これらの(B)成分および(C)成分の共重合体は、各々単独に、又は2種以上を混合して使用することができる。
(D)成分は、石油樹脂類である。このような石油樹脂類は、フィルムの腰やカット性等の包装適性並びに透明性の更なる向上を目的として有効に作用する。
ここで、石油樹脂類としては、石油樹脂、テルペン樹脂、クマロン−インデン樹脂、ロジン系樹脂、又はそれらの水素添加誘導体が挙げられる。上記の石油樹脂としては、シクロペンタジエン又はその二量体からの脂環式石油樹脂やC9成分からの芳香族石油樹脂があり、テルペン樹脂としてはβ−ピネンからのテルペン樹脂やテルペン−フェノール樹脂が、また、ロジン系樹脂としては、ガムロジン、ウッドロジン等のロジン樹脂、グリセリンやペンタエリスリトロール等で変性したエステル化ロジン樹脂等が例示できる。上記石油樹脂類は色調や熱安定性、相溶性といった面から水素添加誘導体を用いることが好ましい。また、石油樹脂類は、主に分子量により種々の軟化温度を有するものが得られるが、軟化温度が100から150℃、好ましくは110から140℃にあるものが好適に使用される。具体的には、三井化学(株)の商品名「ハイレッツ」、「ペトロジン」、荒川化学工業(株)の商品名「アルコン」、ヤスハラケミカル(株)の商品名「クリアロン」、出光石油化学(株)の商品名「アイマーブ」、トーネックス(株)の商品名「エスコレッツ」等の市販品を用いることができる。
【0017】
次に混合樹脂層は、(A)成分が30〜60重量%、(B)成分が15〜30重量%、(C)成分が5〜20重量%及び(D)成分が0〜30重量%を主成分とする層である。ただし、各成分の合計を100重量%とする。
ここで(A)成分の含有量が30重量%未満、あるいは〔(B)+(C)〕成分の含有量が50重量%を越えると、得られるフィルムが柔軟になりすぎ腰がなく、カット性が低下したり、耐熱性が不充分となり実用的なヒートシール特性が得られにくい。一方(A)成分の含有量が60重量%を越えたり、〔(B)+(C)〕成分の含有量が20重量%未満であると、得られるフィルムの柔軟性が低下し、弾性回復性も低下し包装適性が劣る。さらに(C)成分の含有量が5重量%未満では、(B)成分の配向性を緩和する効果が不充分であり、一方20重量%を越えると、製膜安定性が悪化し易く好ましくない。さらに、(D)石油樹脂類の含有量が30重量%を越えると、機械的強度や低温特性が低下しフィルムが破れやすくなったり、経時的に石油樹脂類が表面にブリードし、巻物とした場合にフィルム同士がブロッキングしてしまう等の問題が生じ易い。なお、本発明においては(D)成分は必須成分ではなく混合樹脂層に添加しなくてもかまわないが、フィルムの腰やカット性等の包装適性並びに透明性の更なる向上を目的として10〜25重量%添加することが好ましい。
【0018】
本発明によれば、以上説明した混合樹脂層からなるストレッチフィルムが得られるが、混合樹脂層の少なくとも片面、好適には両面に他の非塩素系材料層を表面層として積層することが好ましい。他の樹脂層としてはポリオレフィン系樹脂や柔軟なスチレン−ブタジエン系エラストマー等の非塩素系材料層が挙げられ、これらを積層することにより、フィルムの粘弾性特性を調整するとともに、フィルムの成形加工性、外観、柔軟性や引張特性が改良されて適度の強度と伸びを示すようになり、また低温における伸びが改良される。
ここで表面層としては、特にポリオレフィン系樹脂が、表面特性や経済性の面から好適であり、低密度ポリエチレン、直鎖状エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アルキルアクリレート共重合体、エチレン−アルキルメタクリレート共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体等の使用が推奨される。
【0019】
実用上はEVA及び/又は直鎖状エチレン−α−オレフィン共重合体を好適に使用することができ、混合する場合の割合は適宜決めることができる。
このEVAとしては、酢酸ビニル含量が5〜25重量%、好ましくは10〜20重量%、メルトフローレート(MFR)(JISK7210、190℃、21.18N荷重)が0.2〜5g/10分のものが好適である。ここで酢酸ビニル含量が5重量%未満では、得られるフィルムが硬く、柔軟性や弾性回復性が低下し、また表面粘着性も発現しにくい。一方、25重量%を越えると表面粘着性が強過ぎて巻き出し性や外観が低下し易い。
【0020】
また、直鎖状エチレン−α−オレフィン共重合体としては、α−オレフィン含量が5〜25重量%、好ましくは10〜15重量%、MFR(JISK7210、190℃、21.18N荷重)が0.2〜5g/10分のものが好適である。ここでα−オレフィン含有量が5重量%未満では、得られるフィルムが硬く、ストレッチ包装時に均一伸展性が得られにくいので、包装物にシワが発生したり、包装物を潰し易く、25重量%を越えると、フィルム成形が困難になったり、巻き出し性が低下し易い。またα−オレフィンとしては、炭素数4〜8のブテン−1、ヘキセン−1、4−メチル−ペンテン−1、オクテン−1が好ましく、これらは1種のみを単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0021】
上記のEVA、直鎖状エチレン−α−オレフィン共重合体ともにMFRが0.2g/10分未満では、押出加工性が低下し、一方5g/10分を越えると製膜安定性が低下し、厚み斑や力学強度の低下やバラツキ等が生じ易くなるため好ましくない。
なお、一般に本発明のフィルムの厚さは、通常のストレッチ包装用として用いられる範囲、すなわち8〜30μm程度、代表的には10〜20μm程度の範囲にある。また積層フィルムとする場合には、前述した混合樹脂層の厚みは全体の厚みに対する比が0.2〜0.9、好ましくは0.3〜0.8であり、具体的には5〜20μmであるのがストレッチフィルムとしての諸特性および経済性の面から好ましい。
【0022】
本発明のフィルムは、押出機から材料を溶融押出し、インフレーション成形又はTダイ成形によりフィルム状に成形することにより得られる。積層フィルムとする場合には複数の押出機を用いて多層ダイにより共押出するのが有利である。実用的には、環状ダイから材料樹脂を溶融押出してインフレーション成形するのが好ましく、その際のブローアップ比(バブル径/ダイ径)は4以上が好ましく、特に5〜7の範囲が好適である。その際の冷却方法としては、チューブの外面から冷却する方法、チューブの外、内面の両面から冷却する方法のどちらでも良い。さらに、ここで得られたフィルムを樹脂の結晶化温度以下に加熱し、ニップロール間の速度差を利用してフィルムの縦方向に1.2〜5倍延伸、又はフィルムの縦横両方向に1.2〜5倍に二軸延伸してもよい。
【0023】
本発明フィルムには、本発明の主旨を超えない範囲で例えば、トリミングロス等から発生するリサイクル樹脂や防曇性、帯電防止性、滑り性、自己粘着性等の性能を付与するために次のような各種添加剤を表面層及び/又は混合樹脂層に適宜配合することができる。
ここで、各種添加剤としては例えば、炭素数が1〜12、好ましくは1〜6の脂肪族アルコールと、炭素数が10〜22、好ましくは12〜18の脂肪酸との化合物である脂肪族アルコール系脂肪酸エステル、具体的には、モノグリセリンオレート、ポリグリセリンオレート、グリセリントリリシノレート、グリセリンアセチルリシノレート、ポリグリセリンステアレート、ポリグリセリンラウレート、メチルアセチルリシノレート、エチルアセチルリシノレート、ブチルアセチルリシノレート、プロピレングリコールオレート、プロピレングリコールラウレート、ペンタエリスリトールオレート、ポリエチレングリコールオレート、ポリプロピレングリコールオレート、ソルビタンオレート、ソルビタンラウレート、ポリエチレングリコールソルビタンオレート、ポリエチレングリコールソルビタンラウレート等、ならびに、ポリアルキレンエーテルポリオール、具体的には、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等、更に、パラフィン系オイル等から選ばれた化合物の少なくとも1種を、各層を構成する樹脂成分100重量部に対して、0.1〜12重量部、好適には1〜8重量部配合させるのが好ましい。
【0024】
【実施例】
以下に実施例でさらに詳しく説明するが、これらにより本発明は何ら制限を受けるものではない。なお、本明細書中に表示されるフィルムについての種々の測定値および評価は次のようにして行った。ここで、フィルムの押出機からの流れ方向を縦方向、その直交方向を横方向とよぶ。
【0025】
1) 透明性(Haze)
ASTM D1003に準拠して、得られたフィルムをヘイズメーターにて測定した。
【0026】
2) 引裂強度 JIS K7128のB法に準拠して測定した。
【0027】
3) ストレッチ包装適性
幅350mmのストレッチフィルムを用い、自動包装機((株)イシダ社製ISIDA・Wmini MK−II)により発泡ポリスチレントレイ(長さ200mm、幅130mm、高さ30mm)を包装し、表3に示す項目について評価した。
【0028】
(実施例1)
(A)成分
プロピレン−エチレンランダム共重合体(エチレン含量:4モル%、結晶融解ピーク温度:147℃、230℃、荷重21.18NにおけるMFR:2.3g/10分) :55重量%
(B)成分
水素添加スチレン−ブタジエンブロック共重合体(スチレン含量:13%、比重:0.90、MFR:8g/10分、クレイトンポリマー(株)製、クレイトンG1657) :30重量%
(C)成分
水素添加スチレン−ブタジエンラバー(スチレン含量:10%、共役ジエン部分のビニル結合量:78%、比重:0.89、MFR:3.5g/10分、Tg:−50℃、JSR(株)製、DYNARON1320P) :15重量%
【0029】
以上の3成分からなる混合樹脂組成物を中間層とし、EVA(酢酸ビニル含量:15重量%、190℃、荷重21.18NでのMFR:2.0g/10分)100重量部に防曇剤としてジグリセリンモノオレート2.0重量部を混練した組成物を表裏層として各々2.5μmとなるように、環状三層ダイ温度190℃、ブローアップ比5.5で共押出インフレーション成形により総厚み15μm(2.5μm/10μm/2.5μm)のフィルムを得た。得られたフィルムを使用し、上記に示した製膜性、透明性、力学特性、ストレッチ包装機適性等を評価した結果を表2に示した。
【0030】
(実施例2)
表1に示すように実施例1で用いた3種の樹脂の配合量を
(A)成分 40重量%
(B)成分 30重量%
(C)成分 10重量%
に変更し、(D)成分としてシクロペンタジエン系石油樹脂の水素添加誘導体(軟化温度125℃)を20重量%混合した4種の混合樹脂組成物とした以外は実施例1と同様にして厚み15μmのフィルムを得た。得られたフィルムを使用し、上記と同様の評価を行いその結果を表2に示した。
【0031】
(実施例3)
表1に示すように実施例2で用いた4種の混合樹脂組成物を中間層として用い、総厚み15μm(4.5μm/6μm/4.5μm)とした以外は実施例2と同様にしてフィルムを得た。得られたフィルムを使用し、上記と同様の評価を行いその結果を表2に示した。
【0032】
(比較例1)
表1に示すように実施例1で用いた(A)成分:プロピレン−エチレンランダム共重合体55重量%と(B)成分:水素添加スチレン−ブタジエンブロック共重合体45重量%との2種の混合樹脂組成物を中間層とした以外は実施例1と同様にして厚み15μmのフィルムを得た。得られたフィルムを使用し、上記と同様の評価を行いその結果を表2に示した。
【0033】
(比較例2)
表1に示すように実施例1で用いた(A)成分:プロピレン−エチレンランダム共重合体55重量%と(C)成分:水素添加スチレン−ブタジエンラバー45重量%との2種の混合樹脂組成物を中間層とした以外は実施例1と同様にして厚み15μmのフィルムを得ようとしたが、インフレーション成形の際バブルが不安定であり厚み精度が良好なフィルムが得られなかった。
【0034】
(比較例3)
表1に示すように実施例2で用いた4種の樹脂の混合比率を
(A)成分 65重量%
(B)成分 15重量%
(C)成分 5重量%
(D)成分 15重量%
に変更した以外は実施例1と同様にして厚み15μmのフィルムを得た。得られたフィルムを使用し、上記と同様の評価を行いその結果を表2に示した。
【0035】
(比較例4)
表1に示すように実施例2で用いた4種の樹脂の混合比率を
(A)成分 60重量%
(B)成分 10重量%
(C)成分 5重量%
(D)成分 25重量%
に変更した以外は実施例1と同様にして厚み15μmのフィルムを得た。得られたフィルムを使用し、上記と同様の評価を行いその結果を表2に示した。
【0036】
(比較例5)
表1に示すように実施例2で用いた4種の樹脂の混合比率を
(A)成分 30重量%
(B)成分 25重量%
(C)成分 10重量%
(D)成分 35重量%
に変更した以外は実施例1と同様にして厚み15μmのフィルムを得た。しかしこのフィルムはブロッキングが激しく評価不可能であった。
【0037】
【表1】
Figure 0003961194
【0038】
【表2】
Figure 0003961194
【0039】
【表3】
Figure 0003961194
【0040】
表1乃至3より、本発明で規定する成分を有し、かつ規定する範囲にある実施例1乃至3のフィルムは、いずれも製膜安定性およびストレッチフィルムとしての諸特性に総合的に優れていることが分かる。これに対して、成分が異なるか(比較例1、2)、本発明で規定する範囲外(比較例3乃至5)のフィルムは、製膜安定性やストレッチフィルムとしての総合的な特性に劣ることが分かる。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、製膜性、透明性、引裂強度等の力学強度、カット性等の包装作業性、包装仕上がり性および変形回復性に優れたバランスの取れた性能を有する非塩素系の食品包装用積層ストレッチフィルムが提供できる。

Claims (4)

  1. 下記(A)成分が30〜60重量%、(B)成分が15〜30重量%、(C)成分が5〜20重量%および(D)成分が0〜30重量%を主成分とする混合樹脂層を少なくとも一層有することを特徴とする食品包装用ストレッチフィルム。
    (A)ポリプロピレン系樹脂
    (B)ビニル芳香族系化合物と共役ジエンとのブロック共重合体又はその水素添加誘導体
    (C)ビニル芳香族系化合物と共役ジエンとのランダム共重合体又はその水素添加誘導体
    (D)石油樹脂類
  2. (A)ポリプロピレン系樹脂がプロピレン単独重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体およびリアクタータイプのポリプロピレン系エラストマーの中から選ばれる少なくとも一種のポリプロピレン系樹脂であることを特徴とする請求項1記載の食品包装用ストレッチフィルム。
  3. (D)石油樹脂類が、軟化温度が100〜150℃の石油樹脂又はその水素添加誘導体であり、混合樹脂層に10〜25重量%混合されていることを特徴とする請求項1記載の食品包装用ストレッチフィルム。
  4. 混合樹脂層の少なくとも片面に、メルトフローレート(MFR)(JISK7210、190℃、21.18N荷重)が0.2〜5g/10分であり、酢酸ビニル含量が5〜25重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体及び/又は炭素数4〜8のα−オレフィン含量が5〜25重量%の直鎖状エチレン−α−オレフィン共重合体を主成分とする表面層が積層されてなることを特徴とする請求項1及至3記載の食品包装用ストレッチフィルム。
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