JP2003251761A - ストレッチラベル用フィルム - Google Patents

ストレッチラベル用フィルム

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JP2003251761A
JP2003251761A JP2002053307A JP2002053307A JP2003251761A JP 2003251761 A JP2003251761 A JP 2003251761A JP 2002053307 A JP2002053307 A JP 2002053307A JP 2002053307 A JP2002053307 A JP 2002053307A JP 2003251761 A JP2003251761 A JP 2003251761A
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Japan
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ethylene
film
vinyl acetate
copolymer
stretch label
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JP2002053307A
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English (en)
Inventor
Akihiro Ichige
昭弘 市毛
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ストレッチラベルとして求められる剛性、耐
熱性、自己伸縮性および力学的強度に優れたストレッチ
ラベル用フィルムを提供すること。 【解決手段】 エチレン−酢酸ビニル共重合体(A1)
とプロピレン重合体(B)とからなる樹脂層の少なくと
も一方の面に、エチレン−酢酸ビニル共重合体(A2)
とエチレン−α−オレフィン共重合体(C)とからなる
樹脂層が積層されてなるストレッチラベル用フィルム。
前記プロピレン重合体(B)が、アイソタクチックシ−
クエンス構造を有するランダムタイプのプロピレンと少
なくとも1種の炭素原子数2〜10のα−オレフィン
(但し、プロピレンを除く)との共重合体である前記ス
トレッチラベル用フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば缶、瓶、プ
ラスチックボトル等の容器に装着するストレッチラベル
用フィルムに関する。更に詳しくはストレッチラベルと
して求められる剛性、耐熱性、自己伸縮性および力学的
強度に優れたストレッチラベル用フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の容器に装着するラベルは、フィル
ムの表面または透明フィルムの裏面に絵柄層を設けたポ
リスチレン、ポリ塩化ビニルなどの延伸フィルムからな
る筒状のラベルを装着し、加熱収縮させて密着させるシ
ュリンクラベル、絵柄層を設けた紙またはフィルムやア
ルミニウム箔と紙とを積層したラベルの紙面に糊付けし
て添付する糊貼りラベル(粘着剤で上記のラベルを貼着
する方法もある)や、絵柄層を設けた自己伸縮性に優れ
たプラスチックフィルムよりなる筒状のラベルを延伸し
容器に被せて密着するストレッチラベルなどがあった。
【0003】上記の中でもストレッチラベルは、容器に
装着したあとにおいても、容器の微妙な変形に密着して
追随できる可撓性に富むという特徴があるばかりでな
く、耐水性に優れ、容器とは単に密着(本明細書におい
て密着とは、均一に付いてはいるが、剥離したとき、容
器、ラベルのいずれにも破壊した付着物がなく界面で剥
離できる状態をいう。)しているだけである。したがっ
て、PETやポリ塩化ビニルなどの飲料水容器に用い
て、回収容器を破砕したあと砕片とラベルとを比重差に
より分離できることや、装着時に熱や格別の接着剤を必
要としないためリサイクル容器のラベルに多用されてい
る。
【0004】従来のストレッチラベルとしては、酢酸ビ
ニルから誘導される繰り返し単位の含有量が3〜10%
であるエチレン−酢酸ビニル共重合体からなるフィルム
が主として使用されていた。しかしながら、このフィル
ムは、引張強度や引裂強度等の力学的強度に劣る上、剛
性に乏しいため、ラベル装着装置において使用すると座
屈しやすく、容器への装着不良が高い頻度で発生すると
いう問題があった。また、耐熱性に乏しいため、炭酸入
り果汁等の充填後の熱水シャワーによる殺菌処理におい
て膨張し、ラベルが脱落したり、しわが発生するという
問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】特開平9−29753
9号公報には、シングルサイト系メタロセン触媒を用い
て重合された直鎖状低密度ポリエチレンからなるフィル
ムが提案されている。しかしながら、剛性や耐熱性をさ
らに向上させようとして直鎖状低密度ポリエチレンの密
度を高くすると、自己伸縮性が低下するため、筒状のラ
ベルを延伸して容器に被せる際に永久歪が生じ、しわが
発生するという問題があり、剛性、耐熱性、自己伸縮性
および力学的性質に優れたストレッチラベル用フィルム
を得ることは困難であった。かかる状況下、本発明が解
決しようとする課題、即ち本発明の目的は、ストレッチ
ラベルとして求められる剛性、耐熱性、自己伸縮性およ
び力学的強度に優れたストレッチラベル用フィルムを提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、エチレン−酢
酸ビニル共重合体(A1)とプロピレン重合体(B)と
からなる樹脂層の少なくとも一方の面に、エチレン−酢
酸ビニル共重合体(A2)とエチレン−α−オレフィン
共重合体(C)とからなる樹脂層が積層されてなるスト
レッチラベル用フィルムにより、前記課題を解決するも
のである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明で用いられるエチレン−酢
酸ビニル共重合体(A1)は、エチレンと酢酸ビニルと
を共重合して得られる重合体であり、例えばエチレンと
酢酸ビニルとを圧力1000〜3500kg/cm2
温度160〜350℃の条件下でラジカル重合開始剤の
存在下、必要があればさらに連鎖移動剤の存在下で重合
せしめることにより得られる。
【0008】エチレン−酢酸ビニル共重合体(A1)と
しては、酢酸ビニルから誘導される繰り返し単位の含有
量が1〜30重量%のものが通常用いられ、好ましくは
該含有量は3〜25重量%である。該含有量が少なすぎ
ると、得られるストレッチラベル用フィルムの自己伸縮
性が劣り、逆に該含有量が多すぎると、得られるストレ
ッチラベル用フィルムの剛性が悪化する。なお、酢酸ビ
ニルから誘導される繰り返し単位の含有量はJIS K
6730に従い測定する。
【0009】本発明で用いられるプロピレン重合体
(B)とは、プロピレンを重合して得られる熱可塑性樹
脂を意味し、プロピレンから誘導される繰り返し単位を
80モル%以上含有する熱可塑性のプロピレン重合体が
好ましく、プロピレンの単独重合体、プロピレンと少な
くとも1種の炭素原子数2〜10のα−オレフィン(但
し、プロピレンを除く)との共重合体、またはプロピレ
ンと少なくとも1種の他のモノマーとの共重合体がより
好ましい。該α−オレフィンとしてエチレン、1−ブテ
ン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オ
クテン、1−デセンを例示することができる。他のモノ
マーとして共役ジエン(例えばブタジエンやイソプレ
ン)を例示することができる。また、前記共重合体とし
ては、ランダムタイプや多段重合によるブロックタイプ
が例示される。
【0010】本発明で用いられるプロピレン重合体
(B)としては、アイソタクチックまたはシンジオタク
チックシ−クエンス構造を有する結晶性のプロピレン重
合体がさらに好ましく、中でも、高い自己伸縮性を得る
ためには、アイソタクチックシ−クエンス構造を有する
ランダムタイプのプロピレンと少なくとも1種の炭素原
子数2〜10のα−オレフィン(但し、プロピレンを除
く)との共重合体が好ましい。
【0011】また、本発明で用いられるプロピレン重合
体(B)のメルトフローレート(MFR)についても特
に制限はないが、230℃で測定したMFRとして好ま
しくは0.1〜20g/10分の範囲である。本発明で
用いられるプロピレン重合体(B)としては、その結晶
融解熱量が30J/g〜120J/gの範囲にあること
が好ましく、50J/g〜120J/gの範囲にあるこ
とがさらに好ましい。該結晶融解熱量が低すぎると、得
られるストレッチラベル用フィルムの耐熱性が低下する
場合がある。
【0012】上記プロピレン重合体(B)は、公知のオ
レフィン重合用触媒を用いた公知の重合方法、例えばチ
ーグラー・ナッタ型触媒を用いた、スラリー重合法、溶
液重合法、隗状重合法、気相重合法等により製造され
る。
【0013】本発明のエチレン−酢酸ビニル共重合体
(A1)とプロピレン重合体(B)とからなる樹脂層に
おけるそれらの重量比は(A1):(B)=99:1〜
1:99のごとく広範囲をとり得るが、エチレン−酢酸
ビニル共重合体(A1)が多すぎると、得られるストレ
ッチラベル用フィルムの耐熱性や剛性が劣るため好まし
くなく、逆にプロピレン重合体(B)が多すぎると、得
られるストレッチラベル用フィルムの自己伸縮性が劣る
ため好ましくない。好ましくは該重量比は、95:5〜
5:95であり、さらに好ましくは90:10〜50:
50である。
【0014】上記エチレン−酢酸ビニル共重合体(A
1)とプロピレン重合体(B)とからなる樹脂層には、
必要に応じて各種添加剤や充填剤、例えば酸化防止剤、
造核剤、紫外線吸収剤、滑剤、アンチブロッキング剤、
帯電防止剤、防曇剤などを含ませることができる。さら
にまた、本発明の妨げにならない範囲で他の樹脂をブレ
ンドして使用してもよい。例えば、トリミングロス等か
ら発生するリサイクル樹脂や、自己伸縮性を向上させる
目的で石油樹脂またはその水素添加物をブレンドでき
る。
【0015】上記エチレン−酢酸ビニル共重合体(A
1)とプロピレン重合体(B)とからなる樹脂層には、
ストレッチラベル用フィルムとして求められる易滑り性
や耐ブロッキング性を付与するため、滑剤またはアンチ
ブロッキング剤を配合することが好ましい。
【0016】上記エチレン−酢酸ビニル共重合体(A
1)とプロピレン重合体(B)とを、必要に応じて各種
添加剤、充填剤、他の樹脂とともに配合する方法は特に
制限されるものでなく、公知の方法、例えば、ニーダ
ー、バンバリーミキサー、ロール等の混練機、一軸また
は二軸押出機等を用いて加熱溶融混練して行うことがで
きる。また、各種樹脂ペレットをドライブレンドしても
よい。
【0017】本発明のエチレン−酢酸ビニル共重合体
(A2)とエチレン−α−オレフィン共重合体(C)と
からなる樹脂層に用いられるエチレン−酢酸ビニル共重
合体(A2)としては、前述のエチレン−酢酸ビニル共
重合体(A1)と同様のものが用いられる。
【0018】本発明で用いられるエチレン−α−オレフ
ィン共重合体(C)とは、エチレンから誘導される繰り
返し単位を80モル%以上含有するエチレンと炭素原子
数3〜18のα−オレフィンとの共重合体である。該α
−オレフィンとしては、例えばプロピレン、1−ブテ
ン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペ
ンテン、1−オクテン等の単独あるいは併用系が挙げら
れる。これらのα−オレフィンのうち、炭素原子数4以
上のα−オレフィンが好ましく、特に、1−ブテン、1
−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、または1−オ
クテンがモノマーの入手が容易であり、得られる共重合
体の品質の点からも好ましい。
【0019】本発明で用いられるエチレン−α−オレフ
ィン共重合体(C)の密度は通常860〜940kg/
3であり、好ましくは870〜920kg/cm2であ
り、さらに好ましくは880〜915kg/cm2であ
る。該密度が低すぎると得られるストレッチラベル用フ
ィルムの剛性が低下するので好ましくなく、密度が高す
ぎると得られるストレッチラベル用フィルムの自己伸縮
性や透明性が低下するため好ましくない。
【0020】本発明で用いられるエチレン−α−オレフ
ィン共重合体(C)のメルトフローレート(MFR)と
して好ましくは、190℃で測定したMFRとして0.
1〜20g/10分であり、より好ましくは0.5〜1
0g/10分であり、さらに好ましくは1〜5g/10
分である。該MFRが低すぎるとエチレン−酢酸ビニル
共重合体(A2)との相容性が悪化してブツ等の外観不
良が発生することがあるので好ましくなく、該MFRが
高すぎると得られるストレッチラベル用フィルムの力学
的強度が低下するため好ましくない。
【0021】本発明で用いられるエチレン−α−オレフ
ィン共重合体(C)としては、下記(c1)および(c
2)の性状を有するならば、よりさらに力学的強度に優
れ、好ましい。 (c1)下記式1に示す組成分布変動係数(Cx)が
0.5以下であること。 (c2)エチレンから誘導される繰り返し単位の含有量
が80モル%以上であること。 Cx=σ/SCBave (式1) σ:組成分布の標準偏差(1/1000C) SCBave:1000C当たりの短鎖分岐の平均値
(1/1000C)
【0022】上記(c1)および(c2)の性状を有す
るエチレン−α−オレフィン共重合体は、メタロセン系
触媒などのシングルサイト触媒を用いて、エチレンとα
−オレフィンとを共重合して得られる。シングルサイト
触媒は、活性種が単一(シングルサイト)であると想定
される触媒であり、そのような触媒を用いて得られる共
重合体は、組成分布の変動が小さいと考えられる。
【0023】上記(c1)における組成分布変動係数
(Cx)は0.5以下であり、好ましくは0.4以下、
さらに好ましくは0.3以下である。組成分布変動係数
(Cx)が過大であると、得られるストレッチラベル用
フィルムがブロッキングし易くなるので好ましくない。
【0024】上記(c2)におけるエチレンから誘導さ
れる繰り返し単位の含有量は80モル%以上、好ましく
は90モル%以上である。エチレンから誘導される繰り
返し単位の含有量が過少であると得られるストレッチラ
ベル用フィルムの力学的強度が低下しがちであるので好
ましくない。
【0025】本発明のエチレン−酢酸ビニル共重合体
(A2)とエチレン−α−オレフィン共重合体(C)と
からなる樹脂層におけるそれらの重量比は、(A2):
(C)=99:1〜1:99のごとく広範囲をとり得る
が、エチレン−酢酸ビニル共重合体(A2)が多すぎる
と、得られるストレッチラベル用フィルムの力学的強度
が劣るため好ましくなく、逆にエチレン−α−オレフィ
ン共重合体(C)が多すぎると、得られるストレッチラ
ベル用フィルムの自己伸縮性が劣るため好ましくない。
該重量比として好ましくは、95:5〜5:95であ
り、より好ましくは85:15〜30:70であり、さ
らに好ましくは80:20〜40:60である。
【0026】上記エチレン−酢酸ビニル共重合体(A
2)とエチレン−α−オレフィン共重合体(C)とから
なる樹脂層には、必要に応じて各種添加剤や充填剤、例
えば酸化防止剤、造核剤、紫外線吸収剤、滑剤、アンチ
ブロッキング剤、帯電防止剤、防曇剤などを含ませるこ
とができる。さらにまた、本発明の妨げにならない範囲
で他の樹脂をブレンドして使用してもよい。例えば、ト
リミングロス等から発生するリサイクル樹脂や、自己伸
縮性を向上させる目的で石油樹脂またはその水素添加物
をブレンドできる。
【0027】上記エチレン−酢酸ビニル共重合体(A
2)とエチレン−α−オレフィン共重合体(C)とから
なる樹脂層には、ストレッチラベル用フィルムとして求
められる易滑り性や耐ブロッキング性を付与するため、
滑剤またはアンチブロッキング剤を配合することが好ま
しい。
【0028】上記エチレン−酢酸ビニル共重合体(A
2)とエチレン−α−オレフィン共重合体(C)とを、
必要に応じて各種添加剤、充填剤、他の樹脂とともに配
合する方法は、特に制限されるものでなく、公知の方
法、例えば、ニーダー、バンバリーミキサー、ロール等
の混練機、一軸または二軸押出機等を用いて加熱溶融混
練して行うことができる。また、各種樹脂ペレットをド
ライブレンドしてもよい。
【0029】本発明のストレッチラベル用フィルムは、
エチレン−酢酸ビニル共重合体(A1)とプロピレン重
合体(B)とからなる樹脂層の少なくとも一方の面に、
エチレン−酢酸ビニル共重合体(A2)とエチレン−α
−オレフィン共重合体(C)とからなる樹脂層を積層す
ることによって得られるが、ストレッチラベル用フィル
ムとしてすっきりとした透視感を得るためには、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体(A1)とプロピレン重合体
(B)とからなる樹脂層の両面に、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体(A2)とエチレン−α−オレフィン共重合
体(C)とからなる樹脂層を積層することが好ましい。
【0030】本発明のストレッチラベル用フィルムの総
厚みは特に限定されるものではなく、任意に選択するこ
とができる。通常は、1〜200μmであり、好ましく
は10〜150μm、更に好ましくは20〜120μ
m、特に好ましくは30〜100μmである。また、本
発明のエチレン−酢酸ビニル共重合体(A1)とプロピ
レン重合体(B)とからなる樹脂層の厚み比率は1〜9
9%のごとく広範囲をとり得るが、好ましくは5〜90
%、更に好ましくは20〜70%、特に好ましくは30
〜50%である。
【0031】本発明のストレッチラベル用フィルムは、
例えばインフレーション法、Tダイ法などの通常の方法
でフィルム製膜した後熱貼合する方法や、例えば2種2
層あるいは2種3層の共押出タイプのインフレーション
フィルム成形機やTダイフィルム成形機で製膜すること
が可能である。また、製膜したいずれかの樹脂層に押出
ラミネート等の公知の方法でもう一方の樹脂層を積層し
て成形することも可能である。
【0032】本発明のストレッチラベル用フィルムに熱
収縮性が必要である場合は、製膜後に少なくとも一軸方
向に延伸することが好ましい。延伸は一軸でも二軸でも
可能である。一軸延伸の場合は、例えば通常用いられる
ロール延伸法が好ましい。また、二軸延伸の場合は、例
えば一軸に延伸した後に二軸延伸を行う逐次延伸方式で
もよく、チューブラ延伸のような同時二軸延伸する方法
でも可能である。
【0033】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき説明するが、
本発明はその要旨を越えない限り、これらの例に何ら制
約されるものではない。はじめに、以下の実施例および
比較例における物性値の測定方法を説明する。
【0034】(1)酢酸ビニルから誘導される繰り返し
単位の含有量(単位:重量%):JIS K6730に
従い測定を行った。
【0035】(2)組成分布変動係数(Cx):東ソー
社製昇温溶出分別装置(TREF)を用いて測定した。
エチレン−α−オレフィン共重合体を145℃に加熱し
たオルトジクロルベンゼン(ODCB)溶媒に溶解、濃
度0.01g/mlに調整し測定試料とした。145℃
に加熱したカラムオーブンの中に設置したカラム(長さ
150mm、内径21mm、50〜80メッシュの海砂
を充填)内に測定試料10mlを注入した。オーブンの
温度を40℃/45分の速度で105℃まで下げ、さら
に105℃から−15℃まで8時間をかけて下げ、−1
5℃で4時間保持した。続いて、カラムにODCBを
2.5ml/分の速度で流しながら、10℃/60分の
速度で昇温し、125℃まで上昇させて、その間にカラ
ムから溶出した測定試料の相対濃度をカラムに接続した
FT−IRで測定した。FT−IR測定は−14〜11
0℃の間を2℃ごとに行い、測定には2985〜278
0cm-1の吸収ピークの面積を用いた。各温度に溶出し
たエチレン−α−オレフィン共重合体の炭素1000個
あたりの短鎖分岐度(SCB)を、下記(式5)により
求めた。ただし、計算上SCBがマイナスになる温度で
は、溶出無しとした。 SCB=−0.7322×溶出温度(℃)+70.68 (式5) 得られた短鎖分岐度とその相対濃度とより組成分布曲線
を求め、この曲線より炭素1000個あたりの平均短鎖
分岐度(SCBave)と組成分布の標準偏差(σ)を
得て分布の広さを表す組成分布変動係数Cxを下記(式
1)から算出した。 Cx=σ/SCBave (式1) 平均短鎖分岐度(SCBave)=ΣN(i)×W
(i) N(i):i番目のデータサンプリング点の短鎖分岐度 W(i):i番目のデータサンプリング点の相対濃度 即ち、ΣW(i)=1 組成分布の標準偏差(σ)={Σ(N(i)−SCBav
e.)2×W(i)}0.5
【0036】(3)エチレン−α−オレフィン共重合体
中のエチレンから誘導される繰り返し単位の含有量(単
位:モル%):高分子分析ハンドブック(1995年、
紀伊国屋書店発行)の593〜594ページに記載され
ている方法に従い、その引用文献(9)(化学同人発
行、化学増刊43、高分子のcharacterizationと物性)
に記載の式を用いて、約1378cm-1付近と1303
cm-1の赤外吸収強度を測定して求めた。
【0037】(4)エチレン−α−オレフィン共重合体
の密度(単位:kg/m3):JIS K6760に従
い測定を行った。
【0038】(5)MFR(単位:g/10分):JI
S K7210に従い、プロピレン重合体(B)は表1
の条件14に、エチレン−α−オレフィン共重合体
(C)は表1の条件4に従い測定を行った。
【0039】(6)プロピレン重合体の結晶融解熱量
(単位:J/g):装置としてセイコー電子工業(株)
社製RDC220を用い、試料約5mgをアルミパンに
詰め、100℃/分で230℃まで昇温し、230℃で
5分間保持したのち10℃/分で−50℃まで降温し、
−50℃で5分間保持したのち10℃/分で230℃ま
で昇温して融解曲線を測定した。融解曲線が高温側のベ
ースラインに戻る点と、融解曲線の0℃の点を直線で結
び、この直線と融解曲線で囲まれる部分の総面積から結
晶融解熱量を求めた。
【0040】(7)1%SM(単位:MPa):ストレ
ッチラベル用フィルムの製膜方向(MD方向)に長さ1
2cm、巾2cmの試験片を切り出し、引張試験機にチ
ャック間距離6cmで取り付け、5mm/分の速度で引
っ張り、1%伸びたときの応力を求め、下記式により1
%SMを求めた。この値が大きいほど剛性に優れる。 1%SM=100×(応力)÷(断面積)
【0041】(8)熱膨張率(単位:%):試験片の縦
と横がそれぞれフィルムのMD方向とTD方向に平行に
なるよう、縦10cm×横10cmからなる試験片を切
り出し、70℃に調節した温水中に投入し、1分間経過
後、試験片の横方向の長さL(cm)を温水中で測定
し、下記式により熱膨張率を求めた。この値が小さいほ
ど耐熱性に優れる。 熱膨張率=(L−10)÷10×100
【0042】(9)瞬間歪(単位:%):ストレッチラ
ベル用フィルムの製膜方向と直交する方向(TD方向)
に長さ11cm、巾1.5cm、標線間距離5cmの試
験片を切り出し、引張試験機に標線間距離と同じチャッ
ク間距離5cmで取り付け、300mm/分の速度で引
っ張り、25%まで(チャック間距離で6.25cmま
で)変形したところでチャックから試験片を外し、その
直後に標線間距離T(cm)を測定し、下記式により瞬
間歪を求めた。この値が小さいほど自己伸縮性に優れ
る。 瞬間歪={(T−5)÷5}×100
【0043】(10)引張破断強さ(単位:MPa):
JIS K6781に規定された方法に従った。MD方
向を測定した。この値が大きいほど力学的強度に優れ
る。
【0044】[実施例1]エチレン−酢酸ビニル共重合
体(住友化学工業(株)製エバテートD2010F、酢
酸ビニルから誘導される繰り返し単位の含有量=5重量
%)69重量部、プロピレン重合体(住友化学工業
(株)製プロピレン−エチレンランダム共重合体、商品
名ノーブレンS131、MFR(230℃)=1、結晶
融解熱量=91J/g)30重量部、および滑剤(日本
精化(株)製ニュートロンS)0.05重量部からなる
樹脂組成物を中間層とし、その両表面に、エチレン−酢
酸ビニル共重合体(住友化学工業(株)製エバテートD
2010F)50重量部、エチレン−α−オレフィン共
重合体(住友化学工業(株)製エクセレンFX(CX2
001)、Cx=0.25、エチレンから誘導される繰
り返し単位の含有量=95モル%、密度=898kg/
3、MFR(190℃)=2、シングルサイト触媒を
用いて製造されたもの)50重量部、滑剤(日本精化
(株)製ニュートロンS)0.05重量部、およびアン
チブロッキング剤(水沢化学(株)製シルトンJC−3
0)0.2重量部からなる樹脂組成物を表面層として積
層し、表面層/中間層/表面層の厚み比が1/1/1で
ある総厚み90μmの2種3層積層フィルムを、プラコ
ー社製3層インフレーションフィルム加工機を用いて、
加工温度200℃、ブローアップ比4.5で成形した。
得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
【0045】[比較例1]表面層をエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体(住友化学工業(株)製エバテートD201
0F)のみとした他は実施例1と同様にしてフィルムを
成形した。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
【0046】[比較例2]全層をエチレン−酢酸ビニル
共重合体(住友化学工業(株)製エバテートD2010
F)のみとした他は実施例1と同様にしてフィルムを成
形した。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
剛性、耐熱性、自己伸縮性および力学的強度に優れたス
トレッチラベル用フィルムが提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AK07A AK63B AK63C AK66A AK68A AK68B AK68C AL05A BA02 BA03 BA06 BA07 BA10B BA10C CA19 GB15 JA11A JK08 YY00A 4J100 AA02P AA03Q AA04Q AA07Q AA16Q AA17Q AA19Q CA04 DA13 DA14 DA19 DA42 DA49 FA10 JA58

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレン−酢酸ビニル共重合体(A1)と
    プロピレン重合体(B)とからなる樹脂層の少なくとも
    一方の面に、エチレン−酢酸ビニル共重合体(A2)と
    エチレン−α−オレフィン共重合体(C)とからなる樹
    脂層が積層されてなるストレッチラベル用フィルム。
  2. 【請求項2】前記プロピレン重合体(B)が、アイソタ
    クチックシ−クエンス構造を有するランダムタイプのプ
    ロピレンと少なくとも1種の炭素原子数2〜10のα−
    オレフィン(但し、プロピレンを除く)との共重合体で
    ある請求項1記載のストレッチラベル用フィルム。
  3. 【請求項3】前記プロピレン重合体(B)が、その結晶
    融解熱量が30J/g〜120J/gの範囲にあるプロ
    ピレン重合体である請求項1または2記載のストレッチ
    ラベル用フィルム。
  4. 【請求項4】前記エチレン−α−オレフィン共重合体
    (C)が、下記(c1)および(c2)の性状を有する
    請求項1〜3のいずれかに記載のストレッチラベル用フ
    ィルム。 (c1)下記式1に示す組成分布変動係数(Cx)が
    0.5以下であること。 (c2)エチレンから誘導される繰り返し単位の含有量
    が80モル%以上であること。 Cx=σ/SCBave (式1) σ:組成分布の標準偏差(1/1000C) SCBave:1000C当たりの短鎖分岐の平均値
    (1/1000C)
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