JP2008153279A - ダイシング兼ダイボンディング用フィルム及び半導体チップの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】80μm以下の厚さの半導体基板であっても、ダイシングを安定して行うことができるとともに高速でピックアップすることができるダイシング兼ダイボンディング用フィルム及び半導体チップの製造方法を提供する。
【解決手段】ダイシングフィルム部分8と、ダイボンディングフィルム部分6の接着剤層1との間の180°ピール強度が0.05〜0.25N/25mm、より好ましくは0.10N/25mm未満であるダイシング兼ダイボンディング用フィルム10を用い、ダイボンディングフィルム部分の粘着剤層2に、厚さが80μm以下の半導体基板24とリングフレーム22を貼り付けて該半導体基板をダイシングする工程と、半導体基板のダイシングにより個片化された半導体チップを、ダイボンディングフィルム部分の接着剤層とダイシングフィルム部分との間で剥離させてピックアップする工程と、を含むことを特徴とする半導体チップの製造方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、ダイシング兼ダイボンディング用フィルム及び半導体チップの製造方法に関する。
半導体チップ(半導体デバイス)を製造する場合、以下のような工程が行われる。
シリコンウエハ等の半導体基板(以下、単にウエハという場合がある。)の片面に所定の回路を形成した後、裏面側を研削して薄型化する。次いで、ウエハの裏面側にフィルム状接着剤(ダイボンディングフィルム)とダイシングフィルム(ダイシングテープとも呼ばれる。)を貼り付け、ダイシングによりウエハを個片化する。ダイシングにより個片化されたチップをダイシングフィルムからピックアップし、チップの裏面側のダイボンディングフィルムを介してリードフレームや他のチップ等の支持基板に貼り付ける。その後、金ワイヤによってチップと支持基板とを電気的に接続し、さらに樹脂で封止する。このようにして得られた半導体デバイスは、プリント基板等に半田を用いて装着される。
最近では、ダイボンディングフィルムとダイシングフィルムを予め積層させた、ダイシングフィルム一体型ダイボンディングフィルム(本発明では、ダイシング兼ダイボンディング用フィルム、あるいは、ダイシングフィルム付きダイボンディングフィルム、という場合がある。)をウエハに貼り付けてダイシングを行う方法も提案されている。
図3は、ダイシング兼ダイボンディング用フィルムの一例を示している。PETフィルム5上に円形のダイボンディングフィルム部分6が設けられ、さらにダイボンディングフィルム部分6よりも大きい径を有するダイシングフィルム部分8が積層されている。ダイシングの際は、PETフィルムを剥がして、図4に示されるようにダイボンディングフィルム部分6にウエハ24の裏面側を貼り付けるとともにウエハ24の外側のダイシングフィルム部分8にリングフレーム22を貼り付ける。そして、ウエハ24の回路形成面側からウエハ24及びダイボンディングフィルム部分6を切断した後、ダイシングフィルム側からもとの半導体ウエハ24とリングフレーム22との間に筒状体等を押し込むなどしてダイシングフィルム8を引き伸ばし、ダイボンディングフィルム6が貼り付いた半導体チップをダイシングフィルム8からピックアップする。このようなダイシング兼ダイボンディング用フィルム20を用いれば、ウエハ24への貼り付け作業が一回で済み、工程を簡易化することができる。
ダイシング兼ダイボンディング用フィルム20は、ダイシング時は強固に接着し、ピックアップ時にはダイシングフィルム部分8とダイボンディングフィルム部分6との界面で容易に剥離できる特性が要求される。
従来、例えばUV硬化型ダイシングフィルムがあるが(例えば特許文献1参照)、UV硬化型ダイシングフィルムでは、ダイシングフィルムの粘着剤とダイボンディングフィルムとが反応してピックアップ時に粘着力を十分低下させることができない、UV照射後経時的に粘着力が増加する、ウエハ面内で粘着力のばらつきがある等、様々な問題がある。
一方、例えばポリオレフィン系の感圧式粘着剤を有するダイシングフィルムを使用したダイシングフィルム一体型ダイボンディングフィルムも提案されている(例えば特許文献2及び3参照)。このような感圧式粘着剤を有するダイシングフィルムを用いれば、UV硬化型のダイシングフィルムが有する問題を回避することができるものの、ウエハ24の厚みが80μm以下となるような場合、ダイシング時の粘着力とピックアップ時の粘着力を両立させることが困難となってくる。すなわち、ピックアップ時にチップを破損させずに高速でピックアップできるように粘着力が小さいダイシングフィルムを採用すると、ダイシング時にダイボンディングフィルム部分6とダイシングフィルム部分8が剥離したり、ダイシングフィルム部分8とリングフレーム22との間に水が侵入してリングフレーム22が剥離するといった問題が発生し易い。
特開2002−158276号公報 WO2005/113696号公報 特開2006−161038号公報
近年、デバイスの高集積化に伴い、薄型のチップを複数段に積層することが標準化されつつある。このようなチップの多段化に伴い、裏面研削により半導体基板の厚さをより薄くすることが要求されている。近年では80μm以下の厚さに加工される場合があり、今後はさらに薄型化が進むことが予想される。
そこで、本発明は、80μm以下の厚さの半導体基板であっても、ダイシングを安定して行うことができるとともに高速でピックアップすることができるダイシング兼ダイボンディング用フィルム及び半導体チップの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では、以下のダイシング兼ダイボンディング用フィルム及び半導体チップの製造方法が提供される。
<1> 半導体基板をダイシングして半導体チップを製造する方法において、
前記半導体基板をダイシングする際、ダイボンディングフィルム部分とダイシングフィルム部分とを有し、前記ダイボンディングフィルム部分が、前記半導体基板とダイシング用のリングフレームを貼り付けるための粘着剤層と、前記ダイシングフィルム部分と接着した接着剤層を含み、前記ダイシングフィルム部分と、前記ダイボンディングフィルム部分の接着剤層との間の180°ピール強度が、0.05〜0.25N/25mmであるダイシング兼ダイボンディング用フィルムを用い、前記ダイボンディングフィルム部分の粘着剤層に、厚さが80μm以下の半導体基板と前記リングフレームを貼り付けて該半導体基板をダイシングする工程と、
前記半導体基板のダイシングにより個片化された半導体チップを、前記ダイボンディングフィルム部分の接着剤層と前記ダイシングフィルム部分との間で剥離させてピックアップする工程と、を含むことを特徴とする半導体チップの製造方法。
<2> 前記ダイボンディングフィルム部分の接着剤層と前記ダイシングフィルム部分との間の180°ピール強度が、0.05〜0.20N/25mmであることを特徴とする<1>に記載の半導体チップの製造方法。
<3> 前記半導体基板の厚さが60μm以下であることを特徴とする<1>又は<2>に記載の半導体チップの製造方法。
<4> 前記ダイボンディングフィルム部分の接着剤層と前記ダイシングフィルム部分との間の180°ピール強度が、0.05〜0.18N/25mmであり、前記半導体基板の厚さが50μm未満であることを特徴とする<1>に記載の半導体チップの製造方法。
<5> 前記ダイボンディングフィルム部分の接着剤層と前記ダイシングフィルム部分との間の180°ピール強度が、0.05N/25mm以上、0.10N/25mm未満であり、前記半導体基板の厚さが30μm未満であることを特徴とする<1>に記載の半導体チップの製造方法。
<6> 前記ダイシングフィルム部分が、基材層と、前記ダイボンディングフィルム部分と接着した粘着剤層を含むことを特徴とする<1>ないし<5>のいずれかに記載の半導体チップの製造方法。
<7> 半導体基板をダイシングして半導体チップを製造する際に使用するダイシング兼ダイボンディングフィルムであって、ダイボンディングフィルム部分とダイシングフィルム部分とを有し、前記ダイボンディングフィルム部分が、前記半導体基板とダイシング用のリングフレームを貼り付けるための粘着剤層と、前記ダイシングフィルム部分と接着した接着剤層を含み、前記ダイシングフィルム部分と、前記ダイボンディングフィルム部分の接着剤層との間の180°ピール強度が、0.05N/25mm以上0.10N/25mm未満であることを特徴とするダイシング兼ダイボンディング用フィルム。
<8> 前記ダイシングフィルム部分が、基材層と、前記ダイボンディングフィルム部分と接着した粘着剤層を含むことを特徴とする<7>に記載のダイシング兼ダイボンディング用フィルム。
本発明によれば、80μm以下の厚さの半導体基板であっても、ダイシングを安定して行うことができるとともに高速でピックアップすることができるダイシング兼ダイボンディング用フィルム及び半導体チップの製造方法が提供される。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明に係るダイシング兼ダイボンディング用フィルム及び半導体チップの製造方法について具体的に説明する。
本発明者らは、厚さが薄い半導体基板から半導体チップを製造する技術について鋭意研究及び検討を行った。その結果、厚さが80μm以下の半導体基板の場合、ダイシングフィルム部分とダイボンディングフィルム部分との間の180°ピール強度が0.05N/25mm未満であると、ダイシング時にダイシングフィルム部分とダイボンディングフィルム部分との剥離が生じ易く、一方、0.25N/25mmを超えると、ダイシング後、ピックアップ時にピックアップできなかったり、チップにクラックが入り易くなることが判明した。
ところが、上記ピール強度が、0.05N/25mm以上0.25N/25mm未満であっても、図4に示したようにダイボンディングフィルム部分6にウエハ24を貼り付け、ダイシングフィルム部分8にリングフレーム22を貼り付けてダイシングを行うと、ダイシング時にダイボンディングフィルム部分6とダイシングフィルム部分8との間や、リングフレーム22とダイシングフィルム部分8との間に水が侵入し易く、剥離が生じ易いことが分かった。
そして、本発明者らは、厚さが80μm以下の半導体基板の場合には、ダイシングフィルム部分とダイボンディングフィルム部分との間の180°ピール強度が0.05〜0.25N/25mmであるダイシング兼ダイボンディング用フィルムを用い、ダイボンディングフィルム部分の粘着剤層に、半導体基板とリングフレームを貼り付けて該半導体基板のダイシングを行えば、チップ飛び、フィルム内の剥離、ダイシングフレームの剥離などが発生し難く、ダイシング後においてはチップを破損することなく高速でピックアップすることができることを見出した。
さらに本発明者らは、厚さがより薄い半導体基板を用いて半導体チップを製造する場合について研究及び検討を重ねたところ、半導体基板の厚さが60μm以下である場合には、好ましくは上記ピール強度が0.05〜0.20N/25mmのダイボンディングフィルムを用い、半導体基板の厚さが50μm未満である場合には、上記ピール強度が0.05〜0.18N/25mmであるダイシング兼ダイボンディング用フィルムを用い、さらに、半導体基板の厚さが30μm未満である場合には、上記ピール強度が0.05N/25mm以上、0.10N/25mm未満のダイシング兼ダイボンディング用フィルムを用いることで、安定したダイシングと高速でのピックアップを行うことができることを見出し、本発明の完成に至った。
図1は、本発明に係るダイシング兼ダイボンディング用フィルムの一例を示す概略図である。このダイシング兼ダイボンディング用フィルム10は、表面処理したPETフィルム5上に同じ径を有する円形のダイボンディングフィルム部分6とダイシングフィルム部分8とが積層されている。
ダイボンディングフィルム部分6は、ダイシングの際に半導体基板とダイシング用のリングフレームを貼り付けるための粘着剤層2と、ダイシングフィルム部分8と接着する接着剤層1とから構成されている。一方、ダイシングフィルム部分8は、基材層3と粘着剤層4とから構成されている。そして、ダイシングフィルム部分8の粘着剤層4とダイボンディングフィルム部分6の接着剤層1とが接着して一体化されており、ダイシングフィルム部分8の粘着剤層4とダイボンディングフィルム部分6の接着剤層1との間の180°ピール強度が、0.05N/25mm以上0.25N/25mm未満となっている。
図2は、本発明において半導体基板のダイシングを行う際のマウント構造を示している。すなわち、本発明では、厚さが80μm以下の半導体基板のダイシングを行う際、上記のようなダイシング兼ダイボンディング用フィルム10を用い、ダイボンディングフィルム部分6の粘着剤層2に、半導体基板24とリングフレーム22を貼り付けてダイシングを行う。このようにダイシングを行えば、ダイボンディングフィルム部分6とダイシングフィルム部分8との剥離や、ダイボンディングフィルム部分6とリングフレーム22との剥離を防ぐことができるとともにチップ飛びを防ぐことができる。また、ダイシング後においては個片化された半導体チップを高速でピックアップすることができる。
以下、本発明に係るダイシング兼ダイボンディング用フィルム10の各層を構成する材質等について具体的に説明する。
<ダイボンディングフィルム部分の接着剤層>
ダイボンディングフィルム部分6の接着剤層1は、ダイシングフィルム部分8と接着し、本発明では、ダイシングフィルム部分8とダイボンディングフィルム部分6の接着剤層1との間の180°ピール強度が、0.05N/25mm以上0.25N/25mm未満となるような材質を採用する。接着剤層1は、これと接着するダイシングフィルム部分8の材質等にもよるが、例えば、熱可塑性ポリイミドを主成分として含み、ポリイミドのガラス転移温度が100℃以下である接着剤を好適に使用することができる。
熱可塑性ポリイミドとしては、分子内に鎖状ポリエーテルを有するジアミンを含むジアミン成分とテトラカルボン酸二無水物とを反応させて得られるポリイミドであることが好ましい。
分子内に鎖状ポリエーテルを有するジアミンの具体例としては、例えばポリテトラメチレンオキシド−ジ−o−アミノベンゾエート、ポリテトラメチレンオキシド−ジ−m−アミノベンゾエート、ポリテトラメチレンオキシド−ジ−p−アミノベンゾエート、ポリトリメチレンオキシド−ジ−o−アミノベンゾエート、ポリトリメチレンオキシド−ジ−m−アミノベンゾエート、ポリトリメチレンオキシド−ジ−p−アミノベンゾエート等が挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、ポリテトラメチレンオキシド−ジ−p−アミノベンゾエートである。
分子内に鎖状ポリエーテルを有するジアミンの全ジアミン成分に含まれる量は、10モル%以上90モル%以下とすれば、ガラス転移温度が適度な値となり、好ましい。
また、接着性の観点から、ジアミン成分には、分子内に少なくとも1個のフェノール性ヒドロキシル基を有するジアミンを含むことがより好ましい。
フェノール性ヒドロキシル基を有するジアミンとしては、特に限定なく使用できるが、下記一般式(1)〜(3)で表されるジアミンが好ましい。
Figure 2008153279
Figure 2008153279
Figure 2008153279
上記一般式(1)〜(3)においてZはそれぞれ独立に直結あるいは2価の有機基を表す。
Zの2価の有機基としては、炭素数2〜27の、脂肪族基、脂環族基、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、さらに芳香族基が直接または架橋員によって相互に連結された非縮合環式芳香族基等が挙げられる。
一般式(1)〜(3)で表されるジアミンの具体例としては、例えば、2,3−ジアミノフェノール、2,4−ジアミノフェノール、2,5−ジアミノフェノール、2,6−ジアミノフェノール、3,4−ジアミノフェノール、3,5−ジアミノフェノール、3,6−ジアミノフェノール、4,5−ジアミノフェノール、4,6−ジアミノフェノール、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’,5,5’−テトラヒドロキシビフェニル、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−2,2’,5,5’−テトラヒドロキシジフェニルメタン、2,2−ビス[3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル]プロパン等が挙げられる。
フェノール性ヒドロキシル基を有するジアミンは、耐熱性及び接着性の観点から、全ジアミン成分中に0.1〜10モル%であることが好ましく、更に好ましくは1〜5モル%である。
本発明で使用できる分子内に鎖状ポリエーテルを有するジアミンや分子内に少なくとも1個のフェノール性ヒドロキシル基を有するジアミン以外のその他のジアミンとしては、ポリイミドとした際のガラス転移温度が100℃以下であれば特に限定なく使用できる。例えば、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、ビス(3−アミノフェニル)スルフィド、ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(3−アミノフェニル)スルホキシド、ビス(4−アミノフェニル)スルホキシド、ビス(3−アミノフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェニル)スルホン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ビス(3−アミノプロピル)ジシロキサン、1,1,3,3−テトラフェニル−1,3−ビス(3−アミノプロピル)ジシロキサン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、ポリテトラメチレンオキシド−ジ−o−アミノベンゾエート、ポリテトラメチレンオキシド−ジ−m−アミノベンゾエート、ポリテトラメチレンオキシド−ジ−p−アミノベンゾエート、ポリトリメチレンオキシド−ジ−o−アミノベンゾエート、ポリトリメチレンオキシド−ジ−m−アミノベンゾエート、ポリトリメチレンオキシド−ジ−p−アミノベンゾエート等が挙げられる。
また、同様に、本発明で使用できるテトラカルボン酸二無水物成分としては、ポリイミドとした際のガラス転移温度が100℃以下であれば特に限定なく使用できる。例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、オキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、エチレングリコールビストリメリート二無水物、2,2−ビス(4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル)プロパン二無水物、α,ω−ポリジメチルシロキサンテトラカルボン酸二無水物、α,ω−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ポリジメチルシロキサン二無水物等が挙げられる。
上記のようなポリイミドの製造方法としては、特に限定されないが、有機溶媒中で反応を行うことが好ましい。この反応において用いられる溶媒として、例えば、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、トルエン、キシレン、メシチレン、フェノール、クレゾール等が挙げられる。
また、反応原料の溶媒中の濃度は、通常、2〜50重量%、好ましくは5〜40重量%であり、テトラカルボン酸二無水物成分とジアミン成分との反応モル比は、テトラカルボン酸成分/ジアミン成分で0.8〜1.2の範囲であることが好ましい。この範囲であれば、耐熱性が高くなり好ましい。
ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸合成における反応温度は、通常、60℃以下、好ましくは50℃以下10℃以上である。反応圧力は特に限定されず、常圧で十分実施できる。また、反応時間は反応原料の種類、溶媒の種類および反応温度によって異なるが、通常0.5〜24時間で十分である。本発明に係るポリイミドは、このようにして得られたポリアミド酸を100〜400℃に加熱してイミド化するか、または無水酢酸等のイミド化剤を用いて化学イミド化することにより、ポリアミド酸に対応する繰り返し単位構造を有するポリイミドが得られる。
また、130℃〜250℃で反応を行うことにより、ポリアミド酸の生成と熱イミド化反応が同時に進行し、本発明に係るポリイミドを得ることができる。すなわち、ジアミン成分とテトラカルボン酸二無水物とを有機溶媒中に懸濁または溶解させ、130〜250℃の加熱下に反応を行い、ポリアミド酸の生成と脱水イミド化とを同時に行わせることにより、本発明に係るポリイミドを得ることができる。
本発明に係るポリイミドの分子量に特に制限はなく、用途や加工方法に応じ、任意の分子量とすることができる。本発明のポリイミドは、用いるジアミン成分、テトラカルボン酸二無水物の量比を調節することにより、例えば、ポリイミドを0.5g/dlの濃度でN−メチル−2−ピロリドンに溶解した後、35℃で測定した対数粘度の値を、0.1〜3.0dl/gの任意の値とすることができる。
なお、本発明に係るポリイミドは、100%イミド化したポリイミド以外に、その前駆体であるポリアミド酸が一部共存した樹脂も含まれる。また、上記反応で得られたポリイミド溶液はそのまま用いても良いが、該ポリイミド溶液を貧溶媒中に投入してポリイミドを再沈析出させても良い。
本発明に係るダイボンディングフィルム部分6の接着剤層1は、耐熱性を向上させる観点から熱硬化性樹脂及びフィラーを含有してもよい。
熱硬化性樹脂の具体例としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールFのグリシジルエーテル、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ化合物等が挙げられる。
熱硬化性樹脂の配合量は、熱可塑性ポリイミド100重量部に対して、好ましくは1〜200重量部、より好ましくは1〜100重量部である。この範囲であれば、高い耐熱性が維持されるとともに、フィルム状に形成し易くなる。
また、フィラーとしては、例えば、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂等の有機フィラー、アルミナ、窒化アルミ、シリカ等の無機フィラーが挙げられる。
フィラーの配合量は熱可塑性ポリイミド100重量部に対して5000重量部以下が好ましく、より好ましくは3000重量部以下である。この範囲内であれば、樹脂溶液状態でフィラーが沈降し難く、樹脂溶液の保存安定性に優れ、また高い接着性を維持することができる。
本発明に係るダイボンディングフィルム部分6の接着剤層1は、必要に応じて、硬化剤を配合しても良い。硬化剤としては、例えば、イミダゾール系硬化剤、フェノール系硬化剤、アミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤等が挙げられる。
硬化剤の配合量は、熱硬化性樹脂100重量部に対して、20重量部以下であることが好ましい。この範囲内であれば、樹脂溶液状態でゲルが生じにくく、樹脂溶液の保存安定性に優れたものとなる。
また、本発明に係るダイボンディングフィルム部分6の接着剤層1は、必要に応じてカップリング剤を添加しても良い。カップリング剤は、樹脂溶解溶剤への溶解性が良好なものが好ましく、例えば、シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤等が挙げられる。
カップリング剤の配合量はポリイミド100重量部に対して50重量部以下、好ましくは30重量部以下である。この範囲内であれば、耐熱性の低下を防ぐことができる。
接着剤層1の厚みは、材質等にもよるが、ダイボンディングフィルムとしての強度、チップの薄型化への対応を考慮し、5〜100μmとすることが好ましい。
<ダイボンディングフィルム部分の粘着剤層>
ダイボンディングフィルム部分6の粘着剤層2は、ダイシングの際、半導体基板24とダイシング用のリングフレーム22を貼り付け、ダイシング後、ピックアップ時にも半導体チップに貼り付いている必要があり、さらに、半導体パッケージとした後、例えば250℃以上の半田リフロー工程で膨れや剥がれ等の不具合が生じない材質を選択する。このような特性を有する粘着剤層2の具体例としてはシリコーン系粘着剤、アクリル系粘着剤等が挙げられる。
また、粘着剤層2の厚みは、シリコンウエハ等の半導体基板とリングフレームに対する密着性、耐熱性、チップの薄型化等の観点から、1〜10μmが好ましい。ダイボンディングフィルム部分6の粘着剤層2がこのような厚みであれば、ダイシングの際、半導体基板24とリングフレーム22に対して強い密着性を有するとともに、リフロー工程等の高温時においても剥離を効果的に防ぐことができる。また、粘着剤層2の厚さが上記のように薄ければ半導体チップの多段積層にも好都合である。
<ダイシングフィルム部分の基材層>
ダイシングフィルム部分8を構成する支持基材3としては、具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル等が挙げられる。また、支持基材3の25℃での引張弾性率は、ピックアップ時のエキスパンド性の観点から500MPa以下が好ましく、更に好ましくは400MPa以下である。ダイシングフィルム部分8の基材層3の厚さはその材質等にもよるが、ダイシングフィルムとしての強度やダイシング後のピックアップ性等を考慮すると、50〜150μm程度が好ましい。
<ダイシングフィルム部分の粘着剤層>
ダイシングフィルム部分8の粘着剤層4は、前記したように、ダイボンディングフィルム6の接着剤層1と接着し、ダイシングフィルム部分8の粘着剤層4と、ダイボンディングフィルム部分6の接着剤層1との間の180°ピール強度が、0.05〜0.25N/25mmとなるように、従来から公知の様々な構成成分により形成でき、何ら限定されるものではないが、ゴム系粘着材料、アクリル系粘着材料、シリコーン系粘着材料、ポリビニルエーテル系粘着材料、オレフィン系粘着材料等を用いることができる。
これらの材料の中で、ダイボンディングフィルム部分6の接着剤層1への汚染が実質的に無い点、保存や輸送環境において粘着力が安定である点、環境への負荷が低い点、腐食性イオンや金属イオンを殆ど含まない点、基材層3と相互に強固な接着を形成し易い点から、α−オレフィン共重合体を主成分として用いることが好ましい。さらには、炭素原子数2〜12のα−オレフィンから選ばれる少なくとも2種のα−オレフィンを主な単位成分とするα−オレフィン共重合体の1種または2種以上の混合物を主成分とするものが好ましい。炭素原子数2〜12のα−オレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン等が挙げられる。これらのα−オレフィンから選ばれる少なくとも2種の単量体からなる共重合体を、ダイシングフィルム部分8の粘着剤層4の主成分とする場合、粘着層4中に占めるα−オレフィン共重合体の総含有割合は、30重量%以上が好ましく、特に50重量%以上とすることが好ましい。
ダイシングフィルム部分8の粘着層4の構成成分としては、α−オレフィン共重合体以外に、エチレンと他のα−オレフィンとのコオリゴマーやハロゲン元素を含まない熱可塑性エラストマーを適宜加えてもよい。エチレンと他のα−オレフィンとのコオリゴマーやハロゲン元素を含まない熱可塑性エラストマーを加えることにより、ガラス転移温度が低下する傾向にあり、初期粘着強度を適正な範囲に調整しやすくなる。
ダイシングフィルム部分8の粘着剤層4に、α−オレフィン系共重合体や熱可塑性エラストマーの一部に、酸素や窒素を含む極性基や不飽和結合を有する基を適度に導入してもよい。この場合、貼り付けた後での粘着強度の経時変化(加温、加圧、湿度、紫外線等による)を抑制しやすくなる。
前記のエチレンと他のα−オレフィンとのコオリゴマーは、エチレンと他のα−オレフィンとの低分子量共重合体であって、通常、数平均分子量が100〜10000の範囲のものが好ましく、より好ましくは数平均分子量が200〜5000の範囲のものである。
また、熱可塑性エラストマーとしては、例えば、スチレン・ブタジエンブロック共重合体(SBR)、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン・エチレン・ブチレン・スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体(SEPS)、水添したスチレン・ブタジエンブロック共重合体(HSBR)、スチレン・エチレン・ブチレン・オレフィン(結晶性)ブロック共重合体(SEBC)、オレフィン(結晶性)・エチレン・ブチレン・オレフィン(結晶性)ブロック共重合体(CEBC)などが挙げられる。このSISの具体例としては、JSR株式会社から商品名:JSRSIS(登録商標)として、またはシェル化学株式会社から商品名:クレイトンD(登録商標)として市販されているものなどが挙げられる。また、SEPSの具体例としては、株式会社クラレから商品名:セプトン(登録商標)として市販されているものなどが挙げられる。HSBRとSEBSとSEBCとCEBCの具体例としては、JSR株式会社から商品名:DYNARON(登録商標)として市販されているものが挙げられる。
ダイシングフィルム部分8の粘着剤層4には、前記α−オレフィン系共重合体、エチレンと他のα-オレフィンとのコオリゴマーおよび熱可塑性エラストマー以外に、さらに各種の副成分を、本発明の目的を損ねない範囲で含んでいてもよい。例えば、液状ブチルゴム等の可塑剤、ポリテルペン等のタッキファイヤーなどを含んでいてもよい。
粘着剤層4の厚さはその材質等にもよるが、ダイシングフィルムとしての強度やピックアップ性等を考慮すると、5〜20μm程度が好ましい。
本発明に係るダイシング兼ダイボンディング用フィルム10を製造する方法は特に限定されるものではないが、例えば、ダイボンディングフィルム部分6とダイシングフィルム部分8とを別々に作製した後、これらのフィルムをラミネートすることで容易に製造することができる。
ダイボンディングフィルム部分6は、例えば、ポリイミド樹脂を主成分として含む溶液を離型処理されたPET等の支持フィルム上に塗布して乾燥させ、ダイボンディングフィルム部分6の接着剤層1を形成する。次いで、接着剤層1上に、ダイボンディングフィルム部分6の粘着剤層2を形成する粘着剤溶液を塗布して乾燥させることにより粘着剤層2を形成する。
一方、ダイシングフィルム部分8は、押出成形等で基材層3及び粘着剤層4からなるダイシングフィルムを形成する。
そして、ダイボンディングフィルム部分6とダイシングフィルム部分8を、ダイシングフィルム部分8の粘着剤層4と、ダイボンディングフィルム部分6の接着剤層1とを貼り合わせるようにラミネートした後、円周カットすればよい。ここで、ダイシングフィルム部分8の粘着剤層4とダイボンディングフィルム部分6の接着剤層1との間の180°ピール強度が、0.05〜0.25N/25mmとなるようにする必要がある。このようなピール強度とするには、例えば、ダイボンディングフィルム部分6の接着剤層1やダイシングフィルム部分8の粘着剤層4の成分比率、貼り合わせる面の粗度等を調整することでピール強度を所望の範囲内に制御することができる。
このような方法により本発明に係るダイシング兼ダイボンディング用フィルム10を製造することができる。
以下、実施例及び比較例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[ダイシング兼ダイボンディング用フィルムの製造]
まず、実施例及び比較例で用いたダイシング兼ダイボンディング用フィルムの製造手順について説明する。
<ダイボンディングフィルム部分の作製>
ダイボンディングフィルム部分は以下の手順により作製した。
攪拌機、窒素導入管、温度計、メシチレンを満たしたディーンスターク管を備えた3リットルの5つ口のセパラブルフラスコに、ポリテトラメチレンオキシド−ジ−p−アミノベンゾエート(イハラケミカル工業株式会社製、商品名:エラスマー1000、平均分子量1268)161.1g、オキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物394.2g、N−メチル−2−ピロリドン880g、メシチレン380gを窒素雰囲気下で溶解させ、そこにビスアミノプロピルテトラメチルジシロキサン(信越化学工業株式会社製、商品名:PAM−E)275.0gを少量ずつ添加した。その後、窒素導入管を溶液内に挿入してバブリング状態とし、系内の温度を170℃〜180℃に加熱し、水を共沸除去しながら12時間保持した。冷却後、メシチレン1260gを加えて希釈し、4,4’−ジミアノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル(和歌山精化工業株式会社製、商品名:HAB)8.002gを添加し、熱可塑性ポリイミドの溶液を得た。
得られたポリイミド固形分100質量部に対して、エポキシ化合物(三井化学株式会社製、VG3101)20質量部、シリカ系フィラー(株式会社龍森製、1−FX)39質量部を配合し、攪拌機にて十分に混合し、樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物を表面処理PETフィルム(東洋紡績株式会社製、銘柄TN110、厚み38μm)上にダイコータにて塗布し、120℃で3分間加熱乾燥し、厚さ22μmの接着剤層1を得た。
アクリル粘着剤(株式会社日本触媒製:アクリセット5207)100質量部、架橋剤(日本ポリウレタン株式会社:コロネートL−55E)1.5質量部、酢酸エチル(関東化学製)170質量部を攪拌混合した樹脂組成物を、表面処理PETフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製、銘柄 ピューレックス A31、厚さ50μm)上にグラビアコータにて塗布し、80℃で1分間加熱乾燥した後に、先に形成した接着剤層1と室温で貼り合せて厚さ3μmの粘着剤層2を形成した。貼り合せ圧力は0.275MPaで行った。
ここで、接着剤層1のPETフィルムとは反対側の面に粘着剤層2を貼り合せた場合を貼り合せ構造A1とし、接着剤層1をPETフィルムから一旦剥離し、PETフィルムが貼り付いていた面に粘着剤層2を貼り合せた場合を貼り合せ構造A2とした。このようにすることで、ダイシングフィルムと貼り合わせる面が変わり、ピール強度を異ならせることができる。接着剤層1と粘着剤層2を貼り合せた後に、40℃で3日間放置して粘着剤層2の粘着力を安定化させた。
<ダイシングフィルム部分の作製>
ダイシングフィルム部分は以下の手順により作製した。
基材層3は、表面層と、粘着剤層4と接する中間層との2層からなり、基材層3と粘着剤層4とを三層共押出成形方法により製造した。
基材層3の表面層を形成する成分として、低密度ポリエチレン(三井化学(株)製、ミラソン11PLDPE;密度0.92g/cm)100質量部を用いた。一方、基材層3の中間層を構成する成分として、シンジオクタクティックプロピレン重合体(s−PP;ATOFINA,PETROCHEMICALS,INC.製:FINAPLASTM1571;密度0.87g/cm)40質量部と、エチレンブテン共重合体(三井化学(株)製、タフマーA2085WSEB−A;密度0.89g/cm)55質量部と、PP系青色顔料(b−dye;日本ピグメント(株)製;5B−F0761MBブルー)3質量部と、高密度ポリエチレン(三井化学(株)製、ハイゼックス2100J、HDPE;密度0.96g/cm)2質量部とを用いた。
粘着剤層4を構成する成分として、プロピレン・1−ブテン・4−メチル−1−ペンテン共重合体(PB(4−MP);プロピレン成分46モル%、1−ブテン成分24モル%、4−メチル−1−ペンテン成分30モル%)81〜54質量部と、プロピレン重合体(h−PP;密度0.91kg/m)5〜32質量部と、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS;JSR(株)製 SIS5229N)4質量部、エチレンとα−オレフィンのコオリゴマー(LEO;三井化学(株)製ルーカントHC−20)2質量部、オレフィン結晶・エチレン・ブチレン・オレフィン結晶ブロック共重合体(CEBC:JSR(株)製DYNARONTM6200P)8質量部とを用いた。PB(4−MP)とh−PPの比率を変えて粘着力を調節した。
次いで、各層3,4の材料をフルルライト型のスクリューを備えた押し出し機により溶融した。成形条件(溶融温度)は、粘着剤層:220℃、中間層:230℃、表面層:220℃であり、この3層の溶融樹脂を多層ダイ内で積層させた(共押出温度:230℃)。押し出された粘着フィルムを冷却し、スリットして巻き取った。
このようにして得られた粘着フィルムは、2層からなる基材層3と、粘着剤層4が積層されたものであり、各層の厚さは、粘着剤層:14μm、基材:66μm(表面層/中間層=14/52μm)で、合計厚さは80μmであった。
<図1に示す構造のフィルムの作製>
上記のような方法により得たダイボンディングフィルム(接着剤層1+粘着剤層2+表面処理PETフィルム5)の接着剤層1側に、ダイシングフィルム(支持基材3+粘着剤層4)の粘着剤層4を介して100℃でラミネートした後、ダイシングフィルムの基材層3側からφ270mmの円形でダイボンディングフィルムの粘着剤層2が切れるまで打ち抜き加工を行い、図1に示すような構造(本明細書では「B1構造」と呼ぶ)のプリカットタイプのダイシングフィルム付きダイボンディングフィルムを得た。
上記のようにして得られたダイシングフィルムとダイボンディングフィルムを貼りあわせた後、24時間以上経過したものをサンプルとして各種評価を行った。
また、後述する各実施例及び比較例において、上記B1構造のダイシングフィルム付きダイボンディングフィルムを用いる場合は、図2に示すようなマウント構造でウエハのダイシングを行った。
<図3に示す構造のフィルムの作製>
ダイボンディングフィルム(接着剤層1+粘着剤層2+表面処理PETフィルム5)を、φ220mmの円形で粘着剤層2が切れるまで打ち抜き加工を行った。そして、このダイボンディングフィルムの接着剤層1側に、ダイシングフィルム(基材層3+粘着剤層4)の粘着剤層4を介して100℃でラミネートし、ダイシングフィルム付きダイボンディングフィルムを得た。
得られたダイシングフィルム付きダイボンディングフィルムをダイシングフィルム基材層3側からφ270mmの円形でダイシングフィルムの粘着剤層4が切れるまで打ち抜き加工を行い、図3に示すような構造(本明細書では「B2構造」と呼ぶ)のプリカットタイプのダイシングフィルム付きダイボンディングフィルムを得た。
上記のようにして得られたダイシングフィルムとダイボンディングフィルムを貼りあわせた後、24時間以上経過したものをサンプルとして各種評価を行った。
また、後述する比較例において、上記B2構造のダイシングフィルム付きダイボンディングフィルムを用いる場合は、図4に示すようなマウント構造でウエハのダイシングを行った。
[評価方法]
実施例及び比較例の各特性は以下の方法により測定した。
<ピール強度>
図5は、実施例及び比較例で得たダイシングフィルム付きダイボンディングフィルムにおけるピール強度の測定方法を概略的に示している。なお、以下に示した条件以外は、JIS C 6471に準じて測定した。
実施例及び比較例で得たダイシングフィルム付きダイボンディングフィルムを、ラミネート後1日以上経過後、25mm幅×200mm長の短冊状に切断し、25mm幅×100mm長×1mm厚のガラスエポキシ基板36に、測定中に剥がれない様に両面テープを介してダイボンディングフィルム粘着剤層2側を貼付ける。次いで、ガラスエポキシ基板36の端部で短冊状のダイシングフィルム付きダイボンディングフィルムを折り返し、折り返し部からダイボンディングフィルム接着剤層1とダイシングフィルム粘着剤層4との界面で約50mmほど剥離する。
ガラスエポキシ基板36とダイボンディングフィルム部分(ダイボンディングフィルム粘着剤層2+ダイボンディングフィルム接着剤層1)を測定装置(東洋精機社製、ストログラフM−1)の下側チャック部32に固定し、上側チャック部34には剥離して折り返したダイシングフィルム部分(ダイシングフィルム基材層3+ダイシングフィルム粘着剤層4)の端部を固定した。その後、300mm/minの速度にて180°剥離強度を測定した。各実施例につき、サンプルを5点分取し、分取したサンプル毎に測定値を行い(計5回)、この5回の平均値をもってピール強度とした。
<ダイシング性>
日東電工製 DR3000IIにて8インチミラーウエハにバックグラインドテープ(三井化学製 銘柄イクロステープSB−195HRB−CCH−PT2)をラミネートし、ディスコ製DGP8760にて25〜70μm厚まで研削を実施した。
研削後、ダイシングフィルム付きダイボンディングフィルムを用い、ディスコ製DFM2700にてウエハのダイシング用リングフレームへの貼り付けを室温で行った。前記したように、図2は、図1に示すB1構造のダイシングフィルム付きダイボンディングフィルムを用いてウエハを貼り付けた状態の断面を概略的に示している。また、図4は、図3に示すB2構造のダイシングフィルム付きダイボンディングフィルムを用いてウエハを貼り付けた状態の断面を概略的に示している。
ダイシング用リングフレームにウエハを貼り付けた後、更にディスコ製 DFD6340により、シャワー水量1.5L/min、スプレー水量1.5L/min、ブレードクーラー水量1.0L/min、ブレード速度30mm/secの条件下で、3mm角チップにダイシングを行った。
ダイシング後にチップ飛び、フィルム内の剥離、及びダイシングフレームの剥離の有無について目視による判定を実施した。
<ピックアップ性>
日東電工製 DR3000IIにて8インチミラーウエハにBGテープ(三井化学製 SB−195HRB−CCH−PT2)をラミネートし、ディスコ製DGP8760にて25〜70μm厚まで研削を実施した後に、ダイシングフィルム付きダイボンディングフィルムを用い、ディスコ製DFM2700にてウエハのダイシング用リングフレームへの貼り付けを室温で行った。更にディスコ製 DFD6340により、シャワー水量1.0L/min、スプレー水量1.0L/min、ブレードクーラー水量1.0L/min、ブレード速度30mm/secの条件下で、10mm角チップにダイシングを行った。
ダイシングしたサンプルをキャノンマシナリー製 CPS3000+ニードルレスユニットにて、スライダー速度を30mm/secと100mm/sec、エキスパンド量4mm、ピックアップ後タイマー0.1secの条件下で、ピックアップが5個連続でピックアップできた場合をピックアップ可能とし、1個でもピックアップが実施できなかったものはピックアップ不可とした。
<実施例1>
図1に示すB1構造のダイシングフィルム付きダイボンディングフィルムを作製した。 ダイボンディングフィルム部分6を構成する接着剤層1と粘着剤層2との貼り合せ構造はA1とした。
ダイシングフィルム部分8の粘着剤層4を構成する成分は、フロピレン・1−ブテン・4−メチル−1−ペンテン共重合体(PB(4−MP);プロピレン成分46モル%、1−ブテン成分24モル%、4−メチル−1−ペンテン成分30モル%)54質量部と、プロピレン重合体(h−PP;密度0.91kg/m)32質量部とした。
粘着剤層4と接着剤層1との間の剥離強度は0.07N/25mmであった。
ダイシングフィルム付きダイボンディングフィルムを50μm厚のSiウエハに室温で貼付後、3mm角にダイシングで個片化を行ったところ、チップ飛び、フィルム内の剥離、ダイシングフレームの剥離などの発生は無く良好にダイシングすることができた。
さらに、ダイシングフィルム付きダイボンディングフィルムを25μm、37.5μm、50μm、70μm厚のSiウエハに室温で貼付後、10mm角にダイシングで個片化を行った。ピックアップ速度30mm/secと100mm/secの両条件で、全てのチップ厚みで5個連続ピックアップできた。
<実施例2>
図1に示すB1構造のダイシングフィルム付きダイボンディングフィルムを作製した。 ダイボンディングフィルム部分6を構成する接着剤層1と粘着剤層2との貼り合せ構造はA1とした。
ダイシングフィルム部分8の粘着剤層4を構成する成分は、フロピレン・1−ブテン・4−メチル−1−ペンテン共重合体(PB(4−MP);プロピレン成分46モル%、1−ブテン成分24モル%、4−メチル−1−ペンテン成分30モル%)58質量部と、プロピレン重合体(h−PP;密度0.91kg/m)28質量部とした。
粘着剤層4と接着剤層1との間の剥離強度は0.10N/25mmであった。
ダイシングフィルム付きダイボンディングフィルムを50μm厚のSiウエハに室温で貼付後、3mm角にダイシングで個片化を行ったところ、チップ飛び、フィルム内の剥離、ダイシングフレームからの剥離などの発生は無く良好にダイシングすることができた。
さらに、ダイシングフィルム付きダイボンディングフィルムを25μm、37.5μm、50μm、70μm厚のSiウエハに室温で貼付後、10mm角にダイシングで個片化を行った。ピックアップ速度30mm/secでは、全てのチップ厚みで5個連続ピックアップできた。また、ピックアップ速度100mm/secでは、25μm厚のチップ以外では5個連続ピックアップできた。
<実施例3>
図1に示すB1構造のダイシングフィルム付きダイボンディングフィルムを作製した。
ダイボンディングフィルム部分6を構成する接着剤層1と粘着剤層2との貼り合せ構造はA1とした。
ダイシングフィルム部分8の粘着剤層4を構成する成分は、フロピレン・1−ブテン・4−メチル−1−ペンテン共重合体(PB(4−MP);プロピレン成分46モル%、1−ブテン成分24モル%、4−メチル−1−ペンテン成分30モル%)62質量部と、プロピレン重合体(h−PP;密度0.91kg/m)24質量部とした。
粘着剤層4と接着剤層1との間の剥離強度は0.12N/25mmであった。
ダイシングフィルム付きダイボンディングフィルムを50μm厚のSiウエハに室温で貼付後、3mm角にダイシングで個片化を行ったところ、チップ飛び、フィルム内の剥離、ダイシングフレームからの剥離などの発生は無く良好にダイシングすることができた。
さらに、ダイシングフィルム付きダイボンディングフィルムを25μm、37.5μm、50μm、70μm厚のSiウエハに室温で貼付後、10mm角にダイシングで個片化を行った。ピックアップ速度30mm/secでは、全てのチップ厚みで5個連続ピックアップできた。また、ピックアップ速度100mm/secでは、50μmと70μm厚で5個連続ピックアップできた。
<実施例4>
図1に示すB1構造のダイシングフィルム付きダイボンディングフィルムを作製した。
ダイボンディングフィルム部分6を構成する接着剤層1と粘着剤層2との貼り合せ構造はA2とした。
ダイシングフィルム部分8の粘着剤層4を構成する成分は、フロピレン・1−ブテン・4−メチル−1−ペンテン共重合体(PB(4−MP);プロピレン成分46モル%、1−ブテン成分24モル%、4−メチル−1−ペンテン成分30モル%)58質量部と、プロピレン重合体(h−PP;密度0.91kg/m)28質量部とした。
粘着剤層4と接着剤層1との間の剥離強度は0.17N/25mmであった。
ダイシングフィルム付きダイボンディングフィルムを50μm厚のSiウエハに室温で貼付後、3mm角にダイシングで個片化を行ったところ、チップ飛び、フィルム内の剥離、ダイシングフレームからの剥離などの発生は無く良好にダイシングすることができた。
さらに、ダイシングフィルム付きダイボンディングフィルムを25μm、37.5μm、50μm、70μm厚のSiウエハに室温で貼付後、10mm角にダイシングで個片化を行った。ピックアップ速度30mm/secでは、全てのチップ厚みで5個連続ピックアップできた。また、ピックアップ速度100mm/secでは、70μm厚では5個連続ピックアップできた。
<実施例5>
図1に示すB1構造のダイシングフィルム付きダイボンディングフィルムを作製した。
ダイボンディングフィルム部分6を構成する接着剤層1と粘着剤層2との貼り合せ構造はA2とした。
ダイシングフィルム部分8の粘着剤層4を構成する成分は、フロピレン・1−ブテン・4−メチル−1−ペンテン共重合体(PB(4−MP);プロピレン成分46モル%、1−ブテン成分24モル%、4−メチル−1−ペンテン成分30モル%)62質量部と、プロピレン重合体(h−PP;密度0.91kg/m)24質量部とした。
粘着剤層4と接着剤層1との間の剥離強度は0.19N/25mmであった。
ダイシングフィルム付きダイボンディングフィルムを50μm厚のSiウエハに室温で貼付後、3mm角にダイシングで個片化を行ったところ、チップ飛び、フィルム内の剥離、ダイシングフレームからの剥離などの発生は無く良好にダイシングすることができた。
さらに、ダイシングフィルム付きダイボンディングフィルムを25μm、37.5μm、50μm、70μm厚のSiウエハに室温で貼付後、10mm角にダイシングで個片化を行った。ピックアップ速度30mm/secでは、50μm厚と70μm厚で5個連続でピックアップできた。ただし、ピックアップ速度100mm/secでは、全ての厚みのチップでピックアップできなかった。
<実施例6>
図1に示すB1構造のダイシングフィルム付きダイボンディングフィルムを作製した。
ダイボンディングフィルム部分6を構成する接着剤層1と粘着剤層2との貼り合せ構造はA2とした。
ダイシングフィルム部分8の粘着剤層4を構成する成分は、フロピレン・1−ブテン・4−メチル−1−ペンテン共重合体(PB(4−MP);プロピレン成分46モル%、1−ブテン成分24モル%、4−メチル−1−ペンテン成分30モル%)66質量部と、プロピレン重合体(h−PP;密度0.91kg/m)20質量部とした。
粘着剤層4と接着剤層1との間の剥離強度は0.23N/25mmであった。
ダイシングフィルム付きダイボンディングフィルムを50μm厚のSiウエハに室温で貼付後、3mm角にダイシングで個片化を行ったところ、チップ飛び、フィルム内の剥離、ダイシングフレームからの剥離などの発生は無く良好にダイシングすることができた。
さらに、ダイシングフィルム付きダイボンディングフィルムを25μm、37.5μm、50μm、70μm厚のSiウエハに室温で貼付後、10mm角にダイシングで個片化を行った。ピックアップ速度30mm/secでは、70μm厚で5個連続でピックアップできた。ただし、ピックアップ速度100mm/secでは、全ての厚みのチップでピックアップできなかった。
<比較例1>
図1に示すB1構造のダイシングフィルム付きダイボンディングフィルムを作製した。
ダイボンディングフィルム部分6の接着剤層1と粘着剤層2との貼り合せ構造はA2とした。
ダイシングフィルム部分8の粘着剤層4を構成する成分は、フロピレン・1−ブテン・4−メチル−1−ペンテン共重合体(PB(4−MP);プロピレン成分46モル%、1−ブテン成分24モル%、4−メチル−1−ペンテン成分30モル%)70質量部と、プロピレン重合体(h−PP;密度0.91kg/m)16質量部とした。
粘着剤層4と接着剤層1との間の剥離強度は0.32N/25mmであった。
ダイシングフィルム付きダイボンディングフィルムを50μm厚のSiウエハに室温で貼付後、3mm角にダイシングで個片化を行ったところ、チップ飛び、フィルム内の剥離、ダイシングフレームの剥離などの発生は無く良好にダイシングすることができた。
さらに、ダイシングフィルム付きダイボンディングフィルムを25μm、37.5μm、50μm、70μm厚のSiウエハに室温で貼付後、10mm角にダイシングで個片化を行った。ピックアップ速度30mm/secでは、全ての厚みのチップでピックアップできなかった。また、ピックアップ速度100mm/secでも、全ての厚みのチップでピックアップできなかった。
<比較例2>
図1に示すB1構造のダイシングフィルム付きダイボンディングフィルムを作製した。
ダイボンディングフィルム部分6の接着剤層1と粘着剤層2との貼り合せ構造はA2とした。
ダイシングフィルム部分8の粘着剤層4を構成する成分は、フロピレン・1−ブテン・4−メチル−1−ペンテン共重合体(PB(4−MP);プロピレン成分46モル%、1−ブテン成分24モル%、4−メチル−1−ペンテン成分30モル%)74質量部と、プロピレン重合体(h−PP;密度0.91kg/m)12質量部とした。
粘着剤層4と接着剤層1との間の剥離強度は0.47N/25mmであった。
ダイシングフィルム付きダイボンディングフィルムを50μm厚のSiウエハに室温で貼付後、3mm角にダイシングで個片化を行ったところ、チップ飛び、フィルム内の剥離、ダイシングフレームの剥離などの発生は無く良好にダイシングすることができた。
さらに、ダイシングフィルム付きダイボンディングフィルムを25μm、37.5μm、50μm、70μm厚のSiウエハに室温で貼付後、10mm角にダイシングで個片化を行った。ピックアップ速度30mm/secでは、全ての厚みのチップでピックアップできなかった。また、ピックアップ速度100mm/secでも、全ての厚みのチップでピックアップできなかった。
<比較例3>
図3に示すB2構造のダイシングフィルム付きダイボンディングフィルムを作製した。
ダイボンディングフィルム部分6の接着剤層1と粘着剤層2との貼り合せ構造はA2とした。
ダイシングフィルム部分8の粘着剤層4を構成する成分は、フロピレン・1−ブテン・4−メチル−1−ペンテン共重合体(PB(4−MP);プロピレン成分46モル%、1−ブテン成分24モル%、4−メチル−1−ペンテン成分30モル%)58質量部と、プロピレン重合体(h−PP;密度0.91kg/m)28質量部とした。
粘着剤層4と接着剤層1との間の剥離強度は0.10N/25mmであった。
ダイシングフィルム付きダイボンディングフィルムを50μm厚のSiウエハに室温で貼付後、3mm角にダイシングで個片化を行ったところ、チップ飛び、フィルム内の剥離、ダイシングフレームの剥離が発生した。
さらに、ダイシングフィルム付きダイボンディングフィルムを25μm、37.5μm、50μm、70μm厚のSiウエハに室温で貼付後、10mm角にダイシングで個片化を行った時にも、チップ飛び、フィルム内の剥離、ダイシングフレームの剥離が発生した。このため、ピックアップの評価を行う事は出来なかった。
<比較例4>
図3に示すB2構造のダイシングフィルム付きダイボンディングフィルムを作製した。
ダイボンディングフィルム部分6の接着剤層1と粘着剤層2との貼り合せ構造はA2とした。
ダイシングフィルム部分8の粘着剤層4を構成する成分は、フロピレン・1−ブテン・4−メチル−1−ペンテン共重合体(PB(4−MP);プロピレン成分46モル%、1−ブテン成分24モル%、4−メチル−1−ペンテン成分30モル%)81質量部と、プロピレン重合体(h−PP;密度0.91kg/m)5質量部とした。
粘着剤層4と接着剤層1との間の剥離強度は1.00N/25mmであった。
ダイシングフィルム付きダイボンディングフィルムを50μm厚のSiウエハに室温で貼付後、3mm角にダイシングで個片化を行ったところ、チップ飛び、フィルム内の剥離、ダイシングフレームの剥離などの発生は無く良好にダイシングすることができた。
さらに、ダイシングフィルム付きダイボンディングフィルムを25μm、37.5μm、50μm、70μm厚のSiウエハに室温で貼付後、10mm角にダイシングで個片化を行った。ピックアップ速度30mm/secでは、全ての厚みのチップでピックアップできなかった。また、ピックアップ速度100mm/secでも、全ての厚みのチップでピックアップできなかった。
上記実施例及び比較例におけるダイシング兼ダイボンディング用フィルムの特性等を表1に、評価結果を表2に示す。
Figure 2008153279
Figure 2008153279
表1及び表2から、厚さが70μmの薄い半導体基板であっても、ダイシングフィルム部分とダイボンディングフィルム部分との間の180°ピール強度が0.05〜0.25N/25mmであるダイシング兼ダイボンディング用フィルムを用い、かつ、図2に示されるようにマウントしてダイシング及びピックアップを行えば、剥離することなくダイシングを行うことができるとともに、30mm/secでは確実にピックアップを行うことができることがわかる。
厚さが25μmの極薄の半導体基板でも、実施例1の場合、すなわち、上記ピール強度が0.07N/25mmであるダイシング兼ダイボンディング用フィルムを用いれば、ダイシングを良好に行うことができるとともに、100mm/secでもピックアップを確実に行うことができることがわかる。
以上、本発明について説明したが、本発明は上記実施形態及び実施例に限定されるものではない。
例えば、上記実施形態及び実施例では、ダイシングフィルム部分は基材層と粘着剤層とから構成されているものについて説明したが、単層構造のもの、すなわち、自己支持性を有するある程度の硬度がある粘着性のフィルムを採用することもできる。
また、ダイシングを行う半導体基板はシリコンウエハに限定されず、化合物半導体から半導体チップを製造する場合にも本発明を適用することができる。
本発明に係るダイシング兼ダイボンディング用フィルムの構造の一例を示す概略図である。(A)平面図 (B)A−A´断面図 図1に示すダイシング兼ダイボンディング用フィルムを用いて半導体基板のダイシングを行う際のマウント構造を示す概略断面図である。 従来のダイシング兼ダイボンディング用フィルムの構造の一例を示す概略図である。(A)平面図 (B)A−A´断面図 図3に示すダイシング兼ダイボンディング用フィルムを用いて半導体基板のダイシングを行う際のマウント構造を示す概略断面図である。 本発明に係るダイシング兼ダイボンディング用フィルムのピール強度の測定方法を示す概略図である。
符号の説明
1・・・ダイボンディングフィルム接着剤層
2・・・ダイボンディングフィルム粘着剤層
3・・・ダイシングフィルム基材層
4・・・ダイシングフィルム粘着剤層
5・・・PETフィルム
6・・・ダイボンディングフィルム部分
8・・・ダイシングフィルム部分
10・・・ダイシング兼ダイボンディング用フィルム
22・・・ダイシング用リングフレーム
24・・・半導体基板

Claims (8)

  1. 半導体基板をダイシングして半導体チップを製造する方法において、
    前記半導体基板をダイシングする際、ダイボンディングフィルム部分とダイシングフィルム部分とを有し、前記ダイボンディングフィルム部分が、前記半導体基板とダイシング用のリングフレームを貼り付けるための粘着剤層と、前記ダイシングフィルム部分と接着した接着剤層を含み、前記ダイシングフィルム部分と、前記ダイボンディングフィルム部分の接着剤層との間の180°ピール強度が、0.05〜0.25N/25mmであるダイシング兼ダイボンディング用フィルムを用い、前記ダイボンディングフィルム部分の粘着剤層に、厚さが80μm以下の半導体基板と前記リングフレームを貼り付けて該半導体基板をダイシングする工程と、
    前記半導体基板のダイシングにより個片化された半導体チップを、前記ダイボンディングフィルム部分の接着剤層と前記ダイシングフィルム部分との間で剥離させてピックアップする工程と、を含むことを特徴とする半導体チップの製造方法。
  2. 前記ダイボンディングフィルム部分の接着剤層と前記ダイシングフィルム部分との間の180°ピール強度が、0.05〜0.20N/25mmであることを特徴とする請求項1に記載の半導体チップの製造方法。
  3. 前記半導体基板の厚さが60μm以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の半導体チップの製造方法。
  4. 前記ダイボンディングフィルム部分の接着剤層と前記ダイシングフィルム部分との間の180°ピール強度が、0.05〜0.18N/25mmであり、前記半導体基板の厚さが50μm未満であることを特徴とする請求項1に記載の半導体チップの製造方法。
  5. 前記ダイボンディングフィルム部分の接着剤層と前記ダイシングフィルム部分との間の180°ピール強度が、0.05N/25mm以上、0.10N/25mm未満であり、前記半導体基板の厚さが30μm未満であることを特徴とする請求項1に記載の半導体チップの製造方法。
  6. 前記ダイシングフィルム部分が、基材層と、前記ダイボンディングフィルム部分と接着した粘着剤層を含むことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の半導体チップの製造方法。
  7. 半導体基板をダイシングして半導体チップを製造する際に使用するダイシング兼ダイボンディングフィルムであって、ダイボンディングフィルム部分とダイシングフィルム部分とを有し、前記ダイボンディングフィルム部分が、前記半導体基板とダイシング用のリングフレームを貼り付けるための粘着剤層と、前記ダイシングフィルム部分と接着した接着剤層を含み、前記ダイシングフィルム部分と、前記ダイボンディングフィルム部分の接着剤層との間の180°ピール強度が、0.05N/25mm以上0.10N/25mm未満であることを特徴とするダイシング兼ダイボンディング用フィルム。
  8. 前記ダイシングフィルム部分が、基材層と、前記ダイボンディングフィルム部分と接着した粘着剤層を含むことを特徴とする請求項7に記載のダイシング兼ダイボンディング用フィルム。
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