JP2004059859A - フィルム状接着剤及びその接着工法並びに該フィルム状接着剤を用いた半導体装置 - Google Patents

フィルム状接着剤及びその接着工法並びに該フィルム状接着剤を用いた半導体装置 Download PDF

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JP2004059859A
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Hitoshi Kinoshita
木下 仁
Moriji Morita
森田 守次
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

【課題】150℃以下のより低温でウエハ裏面に接着可能なダイアタッチフィルムを提供する。また、粘着性を有しない接着層でチップ支持体へ接着するダイアタッチフィルムを提供する。さらにダイアタッチフィルム貼り付け工程とダイシングテープ工程を同時にこなせる接着工法を提供する。
【解決手段】(A)熱可塑性樹脂を含む熱硬化性樹脂よりなり、20〜110℃のいずれかの温度でシリコン鏡面にロール貼り付けした時のピール強度が1N・cm−1以上であり、未硬化状態でのガラス転移温度(Tg)が40℃以下の接着剤樹脂層と、(B)熱可塑性樹脂を含む熱硬化性樹脂よりなり、50℃以下で粘着性を有さず、未硬化状態でのTgが40〜150℃である接着剤樹脂層との2層からなるフィルム状接着剤を提供する。
【選択図】   なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体集積回路を含む半導体装置の組み立てに用いられるフィルム状接着剤、及びその接着工程並びに該フィルム状接着剤を用いた半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、チップをマウントする時に用いるフィルム状接合材は、常温で粘着性のある光硬化及び熱硬化機能を有する単層接着層からなるものや、常温で粘着性のない接着層からなる単層フィルム、もしくは耐熱性コア材を介した三層接着材が用いられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
高密度実装を進めるため、チップ積層パッケージなどが実用化されているが、これらにおいてはウエハを100μm前後もしくは50μm前後さらには25μm前後まで薄く削る。この薄いウエハを薄削り工程の後、破損せずに次のダイアタッチフィルム(DAF;チップを支持体に接着するフィルム状接着剤)貼り付け工程に流すために、薄削り時に用いた表面保護テープ(BGテープ)をつけたままDAF貼りつけ工程に流すことが実施されている。しかし、BGテープ粘着層の耐熱性不足のための粘着層のり残りによるウエハ表面汚染や、BGテープの剥離性の悪化、DAF貼り付けに伴なう加熱でのBGテープ基材の熱収縮によるウエハ反りや、ウエハ表面に形成されたバッファーコート膜の加熱収縮に伴なうウエハ反りによるウエハのカートリッジへの収納性の悪化などが発生しており、DAF貼り付け温度の低下、特に貼り付け後の後加熱温度および時間の低下短縮が求められていた。さらに、チップが薄型化するなか、接着層にも薄層化が求められていた。
すなわち、150℃以下のより低温でウエハ裏面に接着可能なDAFが求められていた。
【0004】
一方、常温で粘着性をもつ単層接着剤系では、DAF付きチップを支持体に接着する工程において、粘着性をもつため空気を巻き込みやすい傾向があった。また、粘着性をもつDAF面とダイシングテープを貼りつけてしまうと、ダイシング後のピックアップ時にDAFがダイシングテープからはがれなくなってしまう問題があった。
従って、粘着性を有しない接着層でチップ支持体へ接着するDAFが求められていた。
【0005】
また、上記DAF貼り付け工程を経てダイシングテープ貼りつけ工程へと進むが、この工程を同時にこなせる工程が、ウエハ破損の機会低減や、工程合理化の面で望まれていた。
よって、本発明は、これらの課題を解決しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、接着剤樹脂層を2層積層することにより、上記課題が解決できることを見出し、以下の発明をするに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、以下の態様を包含する。
(1) (A)熱可塑性樹脂を含む熱硬化性樹脂よりなり、20〜110℃のいずれかの温度でシリコン鏡面にロール貼り付けした時のピール強度が1N・cm−1以上であり、未硬化状態でのガラス転移温度(Tg)が40℃以下の接着剤樹脂層と、(B)熱可塑性樹脂を含む熱硬化性樹脂よりなり、50℃以下で粘着性を有さず、未硬化状態でのTgが40〜150℃である接着剤樹脂層との2層からなるフィルム状接着剤。
【0008】
(2) 前記接着剤樹脂層(A)が、未硬化状態の70℃における貯蔵弾性率が5MPa以下である上記(1)に記載のフィルム状接着剤。
【0009】
(3) 前記接着剤樹脂層(A)の厚みが1〜10μm、接着剤樹脂層(B)の厚みが5〜50μmの範囲にある上記(1)または(2)に記載のフィルム状接着剤。
【0010】
(4) 前記接着剤樹脂層(A)および接着剤樹脂層(B)を構成する接着剤が、(C)下記一般式(I)で表されるシリコーンジアミンを含むジアミンとテトラカルボン酸2無水物を反応させてなる熱可塑性シリコーン変成ポリイミドと、(D)熱硬化性樹脂とよりなる組成物から形成された上記(1)〜(3)のいずれかに記載のフィルム状接着剤。
【0011】
【化4】
Figure 2004059859
(上式中、R1、R6は二価の炭素数1〜4の脂肪族基または芳香族基を、R2〜R5は一価の脂肪族基または芳香族基を、nは0〜20の整数を表わす。)
【0012】
(5) 前記熱可塑性シリコーン変成ポリイミド(C)が、前記一般式(I)で表されるシリコーンジアミンと下記式(II)で表される芳香族ジアミンとを含むジアミンと、テトラカルボン酸2無水物を反応させてなるものである上記(4)に記載のフィルム状接着剤。
【0013】
【化5】
Figure 2004059859
【0014】
(6) 前記熱可塑性シリコーン変性ポリイミド(C)が、前記一般式(I)で表されるシリコーンジアミンと下記式(III)で表される芳香族ジアミンとを含むジアミンと、テトラカルボン酸2無水物を反応させてなるものである上記(4)に記載のフィルム状接着剤。
【0015】
【化6】
Figure 2004059859
【0016】
(7) 前記接着剤樹脂層(A)、(B)の少なくとも一方が、さらにエチレンアクリル系共重合体(G)を含有する組成物から形成された上記(4)に記載のフィルム状接着剤。
【0017】
(8) 前記熱硬化性樹脂(D)がエポキシ樹脂(H)である上記(4)〜(7)のいずれかに記載のフィルム状接着剤。
【0018】
(9) 上記(1)〜(8)のいずれかに記載のフィルム状接着剤の接着剤樹脂層(B)側が接着されているダイシングテープ。
【0019】
(10) 上記(1)〜(8)のいずれかに記載のフィルム状接着剤の接着剤樹脂層(B)側が、ウエハサイズより大きく、ダイシングテープ支持リングフレームより小さな範囲内で接着されているダイシングテープ。
【0020】
(11) 前記フィルム状接着剤の接着剤樹脂層(A)側を半導体ウエハ裏面に110℃以下の温度でロール貼り付けして接着剤つきウエハとし、それを接着剤樹脂層(B)を介してダイシングテープに貼り付けてダイシングすることにより接着剤つきチップを形成し、さらにそれを接着剤樹脂層(B)を介してチップ支持体に加熱圧着する上記(1)〜(8)のいずれかに記載のフィルム状接着剤の接着工法。
【0021】
(12) 前記フィルム状接着剤の接着剤樹脂層(A)側を半導体ウエハ裏面に70℃以下の温度でロール貼り付けして接着剤つきウエハとし、それを接着剤樹脂層(B)を介してダイシングテープに貼り付けてダイシングすることにより接着剤つきチップを形成し、さらにそれを接着剤樹脂層(B)を介してチップ支持体に加熱圧着する上記(1)〜(8)のいずれかに記載のフィルム状接着剤の接着工法。
【0022】
(13) 半導体ウエハ裏面に上記(9)または(10)のフィルム状接着剤の接着剤樹脂層(A)側を110℃以下の温度でロール貼り付けし、ダイシング工程を経て接着剤つきチップを形成するフィルム状接着剤の接着工法。
【0023】
(14) 半導体ウエハ裏面に上記(9)または(10)のフィルム状接着剤の接着剤樹脂層(A)側を70℃以下の温度でロール貼り付けし、ダイシング工程を経て接着剤つきチップを形成するフィルム状接着剤の接着工法。
【0024】
(15) 上記(1)〜(8)のいずれかに記載のフィルム状接着剤を介して、半導体素子をその支持体に接着してなる半導体装置。
【0025】
【発明の実施の形態】
発明が解決しようとする課題において述べたように、主に極薄ウエハにDAFを貼り付ける工程での加熱温度を低減するために、Tgが40℃以下で、110℃以下、望ましくは70℃以下でウエハ裏面に貼り付けることのできる接着剤樹脂層(A)(以下(A)層という。)を有するフィルム状接着剤がある。しかし、この接着層のみでは、ダイシングテープとの剥離性や素子を支持体に接着する工程においての空気の巻き込み、工程途中で素子が目的以外の支持体に粘着する、ダイシング時に柔軟な(A)層の特性によりチップングが発生じやすいなどの問題を生じたため、ダイシングテープ、素子支持体などと接触する接着剤樹脂層(B)(以下(B)層という。)は、望ましくはTg40℃以上で、50℃以下で粘着性を有しない接着剤樹脂組成物で形成することで、課題を解決した。
【0026】
ここで述べたTgは、接着時の未硬化樹脂のTgである。光硬化システムを採用する場合は、(A)層においてはウエハに貼りつける前の状態、(B)層においてはチップを支持体にマウントする前の状態でのTgをさす。接着工程を終了し、熱硬化成分を硬化した後にTgが請求の範囲を超えていてもかまわない。
【0027】
20〜110℃のいずれかの温度で、シリコン鏡面にロール貼りつけした時のピール強度が1N・cm−1以上である(A)層の接着特性は、具体的には、例えば100℃ステージ上にて2kg加重ローラで10cm/sの速度でシリコンウエハ鏡面に(A)層を介して貼り付け、110℃以下の温度で数分保持した時のフィルム状接着剤の90度ピール強度が1N/cm−1以上であるような性質を指す。ピール強度が1N/cm−1以上ないと、ダイシング時のチップ飛びや、ピックアップ時にウエハ裏面とDAFの剥離などを生じて好ましくない。
【0028】
(B)層が50℃以下で粘着性を有さないということは、例えば50℃以下のステージ上にて2kg加重ローラで10cm/sの速度でシリコンウエハ鏡面に(B)層を介して貼り付けた時のフィルム状接着剤の90度ピール強度が0.5N/cm以下であるような性質を指す。(B)層の粘着性は、主にダイシング時のピックアップ特性に関係し、粘着性を有さないことが重要である。
【0029】
これらのピール強度測定において、フィルム状接着剤単独での強度が不足する場合は、フィルムの接着面反対面に支持体としての別フィルムを貼り付けて測定してもかまわない。
ロール貼り付け条件は、おおむね1〜10kgf加重で数mm〜数10cm/s程度の速度である。
【0030】
ピール強度に関しては、50μm厚のポリイミドフィルムに(B)層を介しフィルム状接着剤を熱圧着(100〜200℃、1分間、5kgf/cm程度の条件)したフィルムを、5mm幅の短冊状に切りだし、シリコンウエハ鏡面にロールラミネートし、このフィルムの常温での90度ピール強度を引っ張り試験機で測定した。
【0031】
また、粘着性を有する接着剤樹脂の定義として、接着温度域での貯蔵弾性率を、未硬化状態での70℃での貯蔵弾性率が5MPa以下であるものと規定した。
貯蔵弾性率は、(A)層のみの樹脂組成物ワニスを剥離性が改良されたベースフィルム上にコート乾燥し、ベースフィルムより剥離し、これを重ねて、50mm×50mm×0.5mmの型に入れ、プレス成形し型サイズの試験片を作り、同試験片より装置にあった形状の試験片を切りだし、動的粘弾性測定装置で貯蔵弾性率を測定して求めた。プレス条件は樹脂の溶融特性により調整する必要があるが、50〜100℃、5〜30kgf/cm程度で良好に成形できた。
接着温度上限の110℃より40℃低い温度にて貯蔵弾性率が5MPa以下に低下していれば、110℃での接着は可能であった。
【0032】
(A)層、(B)層の厚みに関しては、薄型チップの積層用途を考慮し好ましくは総計60μm以下、より好ましくは30μm以下の厚みとするとよい。(A)層の粘着層は相対的に薄くてもよく、10μm以下で十分である。柔軟な(A)層は、ダイシング時における極薄ウエハのチッピングの原因にもなるため、好ましくは5μm厚以下にするとよい。(B)層厚みは、接着面の凹凸が少ない、例えばチップ積層パッケージのチップ間接着においては20μm以下でもかまわない。また、たとえば回路が形成され凹凸のある基板にチップを接着する場合には、凹凸を接着剤で埋め込むため、凹凸の倍程度の総厚みのフィルム状接着剤にする必要が生じる。
【0033】
接着層(A)を形成するTgが低い接着剤組成物としては、シリコーン変成ポリイミドと熱硬化性樹脂を組み合わせた組成物が好ましい。シリコーン変成ポリイミド単体では、パッケージ材料として要求される湿熱信頼性などを満足できないため、熱硬化性樹脂と組み合わせ、耐熱性及び湿熱性をもつ架橋構造を付与するとよい。
【0034】
また、上記シリコーン変成ポリイミド樹脂に組み合わせる芳香属ジアミンとして前記式(II)または(III)に示した構造のジアミンは、柔軟な骨格をもち低Tgとなること、イミド基密度が低下し吸湿率が低いこと、低Tg化の結果低温接着性が良好であることなどで好適である。
【0035】
式(I)で表されるシリコーンジアミンの配合量は、組み合わせる酸無水物、ジアミンに合わせ、目的のTg及び低温接着性を発揮する量を添加すると良い。
【0036】
ポリイミドは前駆体であるポリアミド酸構造を一部残していても、熱硬化性樹脂との架橋点が増えて耐熱性が向上して好ましい。
【0037】
組み合わせる熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂とその硬化剤を始めとした公知の熱硬化性樹脂のうち、シリコーン変成ポリイミドと適度に相溶するものであれば特に限定されない。軟化点温度が低い固形熱硬化性樹脂や液状の熱硬化性樹脂は上記シリコーン変成ポリイミドの可塑剤としても機能し、Tgや溶融粘度を低下させ、低温接着性を向上させる効果も発揮する。
【0038】
(B)層においては、(A)層と比べ、適度にシリコーンジアミン量を減じ、粘着性をもたないようTg40℃以上に調整した、(A)層類似のシリコーン変成ポリイミドと熱硬化性樹脂の混合物を使うことができる。
【0039】
シリコーン変成ポリイミド以外にも、エチレンアクリル系共重合体(G)は、低Tgであり、エポキシ樹脂をはじめとした熱硬化性樹脂と組み合わせ、粘着性、耐熱性、低吸湿性など優れた特性を有し、(A)層を形成するのに好適な樹脂である。Tgは、エチレンアクリル系共重合体と熱硬化性樹脂との配合比で調整できる。また、良好な耐熱性を付与するために、熱硬化性樹脂と反応性を有する官能基をもつエチレンアクリル系共重合体がより好ましい。(A)層には、常温で粘着性をもち、耐熱性、応力緩和性に優れるという点で、低Tgのエラストマーやアクリル樹脂を、粘着性を発現する程度に、エポキシ樹脂をはじめとした熱硬化性樹脂に配合した樹脂系も使用できる。
【0040】
また、(A)、(B)層には、公知のフィラーやカップリング剤などの添加剤を配合してもよい。フィラー配合量は80vol%以下、接着強度を重視するなら30vol%以下が好ましい。
【0041】
本発明で用いる熱硬化性樹脂は、シリコーン変成ポリイミド樹脂とある程度相溶するものであれば特に限定されるものではないが、好ましくはエポキシ樹脂である。熱硬化性樹脂としてのエポキシ樹脂としては、分子内に少なくとも2個のエポキシ基を含むものであれば特に限定されない。例えばフェノールのグリシジルエーテル型のエポキシ樹脂として、ビスフェノールA、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、ビスフェノールFもしくはハロゲン化ビスフェノールAとエピクロルヒドリンの縮合物、フェノールノボラック樹脂のグリシジルエーテル、クレゾールノボラック樹脂のグリシジルエーテル、ビスフェノールAノボラック樹脂のグリシジルエーテル、ジシクロペンタジエン変成フェノールノボラック樹脂のグリシジルエーテル、ビフェニル型エポキシ樹脂等が挙げられる。エポキシ樹脂の量は、ポリイミド100重量部に対して1〜200重量部、好ましくは5〜100重量部の範囲で、これより少ないと耐熱性が悪くなる傾向が見られることがあり、これより多いと接着時の流動性が大きくなることがありチップ周辺を汚染する。またフィルムがもろくなる傾向も見られ、フィルム形成性も悪くなることがある。
【0042】
エポキシ樹脂硬化剤は、エポキシ樹脂と反応性を有し、エポキシ樹脂を硬化させることができる化合物であれば特に限定されるものではない。代表的例として、フェノール系硬化剤、アミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、イミダゾール類などが挙げられる。さらに公知の硬化促進剤を添加してもよい。
【0043】
本発明のポリイミドの合成に用いられるテトラカルボン酸無水物は特に限定されるものではないが、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ベンゼン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、3,4,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,2’,3−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−ナフタレン−テトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレン−テトラカルボン酸二無水物、2,6−ジクロルナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、2,7−ジクロルナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−テトラクロルナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、フエナンスレン−1,8,9,10−テトラカルボン酸二無水物、ピラジン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、チオフエン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,2’,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジメチルシラン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メチルフェニルシラン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジフェニルシラン二無水物、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシフェニルジメチルシリル)ベンゼン二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシクロヘキサン二無水物、p−フェニルビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、エチレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、デカヒドロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、4,8−ジメチル−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロナフタレン−1,2,5,6−テトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、ピロリジン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、ビス(エキソ−ビシクロ〔2,2,1〕ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物)スルホン、ビシクロ−(2,2,2)−オクト(7)−エン2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2−ビス〔4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロプロパン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフイド二無水物、1,4−ビス(2−ヒドロキシヘキサフルオロイソプロピル)ベンゼンビス(トリメリット酸無水物)、1,3−ビス(2−ヒドロキシヘキサフルオロイソプロピル)ベンゼンビス(トリメリット酸無水物)、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、テトラヒドロフラン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、エチレングリコールビストリメリテート二無水物、等があり、2種類以上を混合して用いてもよい。
【0044】
本発明で使用される式(I)、(II)、(III)以外のジアミンは特に限定されるものではないが、例えば、1,2−ジアミノエタン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン等の脂肪族ジアミン、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルジフルオロメタン、3,4’−ジアミノジフェニルジフルオロメタン、4,4’−ジアミノジフェニルジフルオロメタン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフイド、3,4’−ジアミノジフェニルスルフイド、4,4’−ジアミノジフェニルスルフイド、3,3’−ジアミノジフェニルケトン、3,4’−ジアミノジフェニルケトン、4,4’−ジアミノジフェニルケトン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、2,2’−(3,4’−ジアミノジフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−(3,4’−ジアミノジフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、3,3’−(1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン))ビスアニリン、3,4’−(1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン))ビスアニリン、4,4’−(1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン))ビスアニリン、2,2−ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−(4−アミノフエノキシ)フエニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)スルフイド、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)スルフイド、ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−メチレン−ビス(2,6−ジエチルアニリン)、o−トリジンスルホン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4−メチレン−ビス(2,6−ジイソプロピルアニリン)、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、1,1−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)シクロヘキサン等の芳香族ジアミンを挙げることができる。
【0045】
テトラカルボン酸二無水物とジアミンの縮合反応は公知の方法で、有機溶媒中で行う。この場合、テトラカルボン酸二無水物とジアミンは等モル又はほぼ等モルで用いるのが好ましく、各成分の添加順序は任意である。用いる有機溶媒としては、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリルアミド、m−クレゾール、o−クロルフェノール、テトラヒドラフラン等がある。
【0046】
ポリイミドの前駆体のポリアミド酸合成反応温度は80℃以下、好ましくは0〜50℃である。反応が進行するにつれ反応液の粘度が徐々に上昇する。
【0047】
ポリイミドは、前記反応物(ポリアミド酸)を脱水閉環させて得ることができる。脱水閉環は120℃〜250℃で熱処理する方法や化学的方法を用いて行うことができる。120℃〜250℃で熱処理する方法の場合、脱水反応で生じる水を系外に除去しながら行うことが好ましい。この際、ベンゼン、トルエン、キシレン等を用いて水を共沸除去するとよい。
【0048】
ポリイミドが溶剤可溶性を有する場合、ポリアミド酸を経由せずに、モノマーを溶剤中で溶解、加熱し、重合及び脱水閉環させることもできる。加熱温度は上記の120℃〜250℃が好ましい。この際、ベンゼン、トルエン、キシレン等を用いて水を共沸除去するとよい。
【0049】
化学的方法で脱水閉環させる場合は、閉環剤として無水酢酸、無水プロピオン酸、無水安息香酸の酸無水物、ジシクロヘキシルカルボジイミド等のカルボジイミド化合物等を用いる。このとき必要に応じてピリジン、イソキノリン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、アミノピリジン、イミダゾール等の閉環触媒を用いてもよい。閉環剤又は閉環触媒は、テトラカルボン酸二無水物1モルに対し、それぞれ1〜8モルの範囲で使用するのが好ましい。反応温度は熱イミド化に比べ低温で実施できる。ポリイミド合成後、貧溶媒に投入しポリイミドを析出させることで、触媒などとポリイミドを分離することができる。
【0050】
接着剤樹脂組成物は、上記ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤などの熱硬化性樹脂を溶剤に溶解撹拌し、ワニス状にすると、フィルム成形性がよくなる。ここで用いられる有機溶媒は、上記材料を均一に溶解又は混練できるものであれば特に制限はなく、そのようなものとしては例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トルエン、ベンゼン、キシレン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブ、ジオキサン等が挙げられる。
【0051】
次いで、必要に応じ無機物質フィラー及び添加剤を加え、混合する。この場合、通常の攪拌機、らいかい機、三本ロール、ボールミルなどの分散機を適宜組み合せて、混練を行ってもよい。
【0052】
フィルム状接着剤の製造法としては、上記のワニスもしくはペースト状混合物を、例えばシリコーン系樹脂で表面処理し、剥離特性のよいPETシート等のベースフィルム上に均一に塗布し、使用した溶媒が充分に揮散する条件、すなわち、おおむね60〜200℃の温度で、1〜30分間加熱し、フィルム状接着剤を得る。2層フィルムの場合、1層目をコート乾燥後2層目をその上にコート乾燥すれば形成できる。
【0053】
エチレンアクリル系エラストマーを使う場合は、同樹脂を溶解できる溶剤、例えばメチルエチルケトンなどに溶解し、同様に溶解した熱硬化性樹脂、例えばエポキシ樹脂、エポキシ樹脂硬化剤などと配合する。このワニスを、同じように、例えばシリコーン系材料で表面処理し、剥離特性のよいPETシート等のベースフィルム上で1層目をコート乾燥後、2層目をその上にコート乾燥すれば形成できる。
【0054】
ダイシングテープにあらかじめ本発明のフィルム状接着剤の(B)層側を接着してなるフィルムに関しては、DAFおよびダイシングテープの2回の貼り付け工程を1回に省く意味で工程合理化に貢献する。より好ましくは70℃以下で接着できる(A)層を有していれば、ウエハに本フィルム状接着剤を市販のダイシングテープ貼りつけ機で貼り付けることができ、市販ダイシングテープにとっても耐熱性を要求されず好ましい。
【0055】
ダイシングテープにあらかじめ(A)、(B)層が形成されたフィルムの作成法としては、表面処理して剥離特性を改善したPETフィルムなどのセパレータ上に(A)、(B)層をコート乾燥して形成後、ダイシングテープに(B)層を介してラミネートし、セパレータ/(A)層/(B)層/ダイシングテープの積層体を形成し、ロール状に巻き取る方法などが考えられる。
【0056】
ダイシング時に用いるリング状支持体への粘着固定及び取り外し、さらには長尺フィルムでの位置ずれを考慮すると、本発明のフィルム状接着剤をウエハより大きく、リングフレーム内周より小さい範囲でダイシングテープ上に形成してなるフィルム状接着剤も有効である。
【0057】
このようなフィルムの製造方法としては、セパレータ上に(A)、(B)層をコート乾燥して形成後、ウエハより大きく、リングフレーム内周より小さい範囲の例えば円形もしくは楕円形に接着層を残すように接着層を切り、セパレータはハーフカットする。円形もしくは楕円形部以外の接着層を剥離除去後、ダイシングフィルムに接着層(B)を介してセパレータごとラミネートして巻き取る方法などが考えられる。
【0058】
本発明のフィルム状接着剤の接着工法には、例えば以下のようなものが考えられる。すなわち、半導体ウエハの裏面にセパレータ/(A)層/(B)層/ベースフィルムという構成の接着フィルムを形成する工程、セパレータをはがす工程、(A)層を介して半導体ウエハ裏面にフィルム状接着剤をロールラミネートする工程、ウエハ外周でフィルム状接着剤及びベースフィルムを切断する工程、ベースフィルムを(B)層より剥離する工程、フィルム状接着剤付きウエハにダイシングテープを貼りつけリングフレームに固定する工程、ダイシング工程、ピックアップ工程、支持体に(B)層を介してチップをマウントする工程からなる工法がある。
【0059】
上記工法を簡略化するために、ウエハ外周カットを、ウエハ側からフィルム状接着剤は完全にカットし、ベースフィルムはハーフカットする方式にして、そのままベースフィルム剥離工程としても良い。
【0060】
また、あらかじめダイシングテープ上に(A)、(B)層が形成されてなるセパテータ/(A)層/(B)層/ダイシングテープよりなる接着フィルムにおいては、例えば、セパレータをはがす工程、(A)層を介して半導体ウエハ裏面に接着フィルムをロールラミネートしリングフレームに固定する工程、ダイシング工程、ピックアップ工程、支持体に接着層(B)を介してチップをマウントする工程からなる工法でチップマウントまで完了させることができる。
【0061】
さらに、あらかじめダイシングテープ上にリング内周より小さい範囲例えば円形もしくは楕円形に(A)、(B)層が形成されてなるセパレータ/(A)層/(B)層/ダイシングテープよりなる接着フィルムにおいては、例えば、セパレータをはがす工程、位置決めし(A)層を介して半導体ウエハ裏面に接着フィルムをロールラミネートしダイシングテープ部分でリングフレームに固定する工程、ダイシング工程、ピックアップ工程、支持体に接着層(B)を介してチップをマウントする工程からなる工法でチップマウントまで完了させることができる。
【0062】
以上の貼りつけ工法は一例であって、本発明のフィルム状接着剤の接着工法は上記に限定されるものではない。以上の貼りつけ工程において、望ましくは110℃以下、より好ましくは70℃以下でウエハ裏面に(A)層を介してロールラミネートできると、周辺部材の耐熱性やウエハ反りの観点で好ましい。ダイシングテープごと使う前記接着工法のフィルム状接着剤では、70℃以下での貼りつけが、ダイシングテープの耐熱性を考慮すると、より好ましい。
【0063】
本発明のフィルム状接着剤を介して半導体素子をその支持体に接着してなる半導体装置としては、半導体パッケージや、基板に直接チップを接着してなる半導体装置などをあげることができる。
【0064】
【実施例】
(実施例1)
(A)層
エチレンアクリル系エラストマー(三井デュポンポリケミカル製ベイマックGLS)100重量部、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(大日本インキ化学製HP−7200L)43.3重量部、ビフェニル型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製YX4000H)43.3重量部、ジシクロペンタジエン変成フェノールノボラック樹脂(日本石油化学社製DPP−L)58.3重量部、イミダゾール系硬化促進剤(四国化成製2PHZ−PW)0.05重量部をメチルエチルケトン(MEK)に固形分濃度30%になるように溶解し、樹脂分に対し10vol%になるよう0.3μm径のシリカを3本ロールで混錬した接着剤ワニスをえた。
【0065】
(B)層
温度計、攪拌機、キシレンを満たしたディーンスターク管、窒素吹き込み管を備えた300mlの五つ口フラスコに、APB5(前記式(III)の構造のジアミン)11.937g、シリコーンジアミン(α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン(APPS)、平均分子量906)28.884g、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)98g、m−キシレン42gをとり、窒素フロー下で50℃に加熱し攪拌した。ジアミンの溶解後、4,4’−オキシジフタル酸二無水物(ODPA)14.420g、エチレングリコールビストリメリテート二無水物(EGTA)6.358gを少量ずつ添加した。窒素ガスを吹き込みながら系を油浴で170〜180℃に加熱し、水を共沸除去しながら10時間保持した。最後にディーンスターク管から水とキシレンを抜き、ワニスからキシレンを除いた。(ポリイミド1)
上記ポリイミド1に熱硬化性樹脂を表1のように配合し、固形分30%に調整し、樹脂分に対し10vol%になるよう0.3μm径のシリカを3本ロールで混錬した。なお、表1において、種々の記号は下記のものを意味する。
HP7200H:大日本インキ化学製ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(エポキシ当量280)
2PHZ−PW:四国化成製、イミダゾール硬化剤
NMP:1−メチル−2−ピロリドン
【0066】
【表1】
Figure 2004059859
【0067】
この(A)、(B)層のワニスを、各5、20μmの厚さに表面処理PETフィルム(帝人デュポンフィルム製、A31、50μm厚)上に塗布し、それぞれ90℃で15分、加熱乾燥し、フィルム状接着剤を得た。
【0068】
(比較例1)
(B)層のワニスのみを25μm厚に表面処理PETフィルム(帝人デュポンフィルム製、表面処理31、50μm厚PET)上に塗布し、90℃で20分、加熱乾燥し、単層接着フィルムを得た。
【0069】
実施例1と比較例1のフィルムを100℃のホットプレート上で、表面にBGテープを貼りつけた100μm厚(5μm厚ポリイミドバッファーコート付き)8インチシリコンウエハの裏面にロール貼り付けした。実施例1のフィルム状接着剤は接着したが、比較例1のフィルムは十分に接着しなかった。
【0070】
実施例1のフィルム状接着剤付きウエハは続けてダイシング工程に流し、固片化でき、25mm角チップ上に良好に加熱圧着できた。
【0071】
実施例1の2層接着フィルムの耐熱信頼性を調べるため、同接着剤付き5mm角シリコンチップを25mm角のシリコンチップ上に加熱圧着させた接着試験片をつくり、それの260℃での熱時せん断接着強度を測定した。その結果、2kgf/チップ以上と良好な結果であった。
【0072】
【発明の効果】
本発明のフィルム状接着剤を用いることで、DAFをウエハ裏面に貼り付ける工程温度を大幅に下げることができ、周辺部材への熱ダメージを軽減することができる。

Claims (15)

  1. (A)熱可塑性樹脂を含む熱硬化性樹脂よりなり、20〜110℃のいずれかの温度でシリコン鏡面にロール貼り付けした時のピール強度が1N・cm−1以上であり、未硬化状態でのガラス転移温度(Tg)が40℃以下の接着剤樹脂層と、
    (B)熱可塑性樹脂を含む熱硬化性樹脂よりなり、50℃以下で粘着性を有さず、未硬化状態でのTgが40〜150℃である接着剤樹脂層
    との2層からなるフィルム状接着剤。
  2. 前記接着剤樹脂層(A)が、未硬化状態の70℃における貯蔵弾性率が5MPa以下である請求項1に記載のフィルム状接着剤。
  3. 前記接着剤樹脂層(A)の厚みが1〜10μm、接着剤樹脂層(B)の厚みが5〜50μmの範囲にある請求項1または2に記載のフィルム状接着剤。
  4. 前記接着剤樹脂層(A)および接着剤樹脂層(B)を構成する接着剤が、
    (C)下記一般式(I)で表されるシリコーンジアミンを含むジアミンとテトラカルボン酸2無水物を反応させてなる熱可塑性シリコーン変成ポリイミドと、
    (D)熱硬化性樹脂
    とよりなる組成物から形成された請求項1〜3のいずれかに記載のフィルム状接着剤。
    Figure 2004059859
    (上式中、R1、R6は二価の炭素数1〜4の脂肪族基または芳香族基を、R2〜R5は一価の脂肪族基または芳香族基を、nは0〜20の整数を表わす。)
  5. 前記熱可塑性シリコーン変成ポリイミド(C)が、前記一般式(I)で表されるシリコーンジアミンと下記式(II)で表される芳香族ジアミンとを含むジアミンと、テトラカルボン酸2無水物を反応させてなるものである請求項4に記載のフィルム状接着剤。
    Figure 2004059859
  6. 前記熱可塑性シリコーン変性ポリイミド(C)が、前記一般式(I)で表されるシリコーンジアミンと下記式(III)で表される芳香族ジアミンとを含むジアミンと、テトラカルボン酸2無水物を反応させてなるものである請求項4に記載のフィルム状接着剤。
    Figure 2004059859
  7. 前記接着剤樹脂層(A)、(B)の少なくとも一方が、さらにエチレンアクリル系共重合体(G)を含有する組成物から形成された請求項4に記載のフィルム状接着剤。
  8. 前記熱硬化性樹脂(D)がエポキシ樹脂(H)である請求項4〜7のいずれかに記載のフィルム状接着剤。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載のフィルム状接着剤の接着剤樹脂層(B)側が接着されているダイシングテープ。
  10. 請求項1〜8のいずれかに記載のフィルム状接着剤の接着剤樹脂層(B)側が、ウエハサイズより大きく、ダイシングテープ支持リングフレームより小さな範囲内で接着されているダイシングテープ。
  11. 前記フィルム状接着剤の接着剤樹脂層(A)側を半導体ウエハ裏面に110℃以下の温度でロール貼り付けして接着剤つきウエハとし、それを接着剤樹脂層(B)を介してダイシングテープに貼り付けてダイシングすることにより接着剤つきチップを形成し、さらにそれを接着剤樹脂層(B)を介してチップ支持体に加熱圧着する請求項1〜8のいずれかに記載のフィルム状接着剤の接着工法。
  12. 前記フィルム状接着剤の接着剤樹脂層(A)側を半導体ウエハ裏面に70℃以下の温度でロール貼り付けして接着剤つきウエハとし、それを接着剤樹脂層(B)を介してダイシングテープに貼り付けてダイシングすることにより接着剤つきチップを形成し、さらにそれを接着剤樹脂層(B)を介してチップ支持体に加熱圧着する請求項1〜8のいずれかに記載のフィルム状接着剤の接着工法。
  13. 半導体ウエハ裏面に請求項9または10のフィルム状接着剤の接着剤樹脂層(A)側を110℃以下の温度でロール貼り付けし、ダイシング工程を経て接着剤つきチップを形成するフィルム状接着剤の接着工法。
  14. 半導体ウエハ裏面に請求項9または10のフィルム状接着剤の接着剤樹脂層(A)側を70℃以下の温度でロール貼り付けし、ダイシング工程を経て接着剤つきチップを形成するフィルム状接着剤の接着工法。
  15. 請求項1〜8のいずれかに記載のフィルム状接着剤を介して、半導体素子をその支持体に接着してなる半導体装置。
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