JP4272401B2 - フィルム状接着剤、及びそれを用いた半導体装置 - Google Patents

フィルム状接着剤、及びそれを用いた半導体装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体分野で有用な特定構造のポリイミド系接着剤からなる半導体素子を支持体に接着するのに好適なフィルム状接着剤、並びに該フィルム状接着剤を用いた半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年半導体素子を支持体に接着するのにダイアタッチフィルムと呼ばれるフィルム状接着剤が使われている。このフィルム状接着剤は、従来のペースト接着剤に比べ、厚みやはみ出しの制御性に優れているため、チップサイズパッケージ、スタックパッケージ、システムインパッケージなどの実装面積が小さい(高密度実装)半導体パッケージにおいて多く利用されている。(例えば、非特許文献1参照。)
【0003】
これらの高密度実装においてはチップの薄型化が進んでおり、100μm以下の厚みのウエハにダイアタッチフィルムを貼り付ける工程は、ウエハ破損を防ぐため薄削り時の表面保護テープをつけた状態で実施される。しかし、ウエハの表面保護層(ポリイミドなどのバッファーコート膜など)や薄削り時の表面保護テープは、この貼り付け工程における加熱により変質し、ウエハに反りを生じ、ウエハのカートリッジへの収納、搬送などに不具合を生じることがあった。従って、より低温で接着できるダイアタッチテープが求められていた。(例えば、特許文献1参照。)
【0004】
【非特許文献1】
成形加工 vol 12(5) p246 (2000)
【特許文献1】
特開平11−219962号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、低温接着性、耐熱性、低吸湿性に優れ、半導体素子を支持体に接着するのに好適なポリイミド系フィルム状接着剤、並びに該接着剤を用いた半導体装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本出願人は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、下記に示す特定ジアミンを用いたポリイミド系樹脂と熱硬化性樹脂からなる樹脂組成物が、これらの特性を満たし、フィルム状接着剤として有用であることを見出し、本発明を完成した。
【0007】
すなわち本発明は、次の(I)〜(III)に記載の内容を包含する。
【0008】
(I)(A)下記式(1)で表されるジアミンと、
【化3】
Figure 0004272401
【0009】
下記一般式(2)で表されるシリコーン系ジアミンとを含むジアミン成分に、
【化4】
Figure 0004272401
(式(2)中、R1、R6は二価の炭素数1〜4の脂肪族基または芳香族基を表し、R2〜R5は一価の脂肪族基または芳香族基を表し、nは0〜20の整数を表わす。)
テトラカルボン酸二無水物を反応させて得られるポリイミド系樹脂と、
(B)エポキシ樹脂とを含有してなる樹脂組成物から得られるフィルム状接着剤。(II)さらに(C)エポキシ樹脂硬化剤を含有する(I)記載のフィルム状接着剤。
(III)耐熱性フィルムに、(I)又は(II)記載のフィルム状接着剤を積層させてなるフィルム状接着剤。
(IV)金属箔の片面あるいは両面に、(I)又は(II)記載のフィルム状接着剤を積層させてなるフィルム状接着剤。
(V)半導体素子を(I)〜(IV)のいずれかに記載のフィルム状接着剤で支持部材に接着させてなる半導体装置。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いるポリイミド系樹脂は、下記式(1)で表されるジアミンと、
【化5】
Figure 0004272401
【0011】
下記一般式(2)で表されるシリコーン系ジアミンとの混合物に、
【化6】
Figure 0004272401
(式(2)中、R1〜R6、nは前記と同じ意味を示す。)
テトラカルボン酸二無水物を反応させて得られる特定構造のポリイミド系樹脂である。
【0012】
また、上記一般式(2)で表されるシリコーン系ジアミンにおいて、R1、R6は二価の炭素数1〜4の脂肪族基または芳香族基であり、具体的な例としては炭素数3の脂肪族基や−Bz−O−(CH2)4−(Bzはベンゼン環)構造等が挙げられる。これらのなかでも市販量産されており入手が容易な点で、炭素数3の脂肪族基が好ましい。
【0013】
また、上記一般式(2)で表されるシリコーン系ジアミンにおいて、R2〜R5は一価の脂肪族基または芳香族基であり、具体的にはメチル基、フェニル基等が挙げられる。これらのなかでもフェニル基は芳香族系の熱硬化性樹脂との相溶性の点で好ましい。しかしフェニル基が同じシリコン原子に二つ配位した構造は問題ないが、フェニル基一つ、メチル基一つ同じシリコン原子に配位した構造は、近年環境ホルモンの関係で問題が指摘されているため、一般的なメチル基が好ましい。nは0〜20の整数である。
【0014】
上記芳香族系ジアミンとシリコーン系ジアミンを含むジアミン成分中のシリコーン系ジアミンの割合は、全ジアミン中1〜90mol%であることが好ましい。特に低温接着性を重視する点で、20〜90mol%がさらに好ましい。芳香族系ジアミンの割合は99〜10mol%であることが好ましい。
【0015】
接着剤の低温接着性を向上させる場合、樹脂のガラス転移温度(Tg)を下げることが必要である。Tgは、ジアミンと反応させる酸無水物の構造、必要に応じて添加する他のジアミンの構造、特に式(2)で表されるシリコーン系ジアミンの鎖長や添加量でコントロールすることができる。
【0016】
シリコーン系ジアミンを用いて得られるポリイミド系樹脂は、溶剤溶解性が良くなる、吸湿性が低くなる、ガラス、シリコンなどへの接着強度が強くなる、Tgが低くなる、溶剤乾燥性がよくなるなどの改良点が認められる。しかし一方で、ガラス、シリコン以外の被着体への接着強度が低下する、エポキシ樹脂との相溶性が低下するなどの欠点もあり、接着剤樹脂組成物としては芳香族系ジアミンを添加することが好ましい。
【0017】
前記式(1)で表される芳香族系ジアミンを配合したポリイミド系樹脂は、ベンゼン環を4個有する長い分子長によりイミド密度が低いことによる低吸湿性、メタ位のアミンによる柔軟な骨格構造による低Tgという利点があり、式(2)で表されるシリコーン系ジアミンと組み合わせることで、従来のポリイミド系樹脂よりも低温接着性と低吸湿性が改善されたものを得ることができる。
【0018】
本発明においては、前記ジアミンに加えて、必要に応じ、本発明の目的を損ねない範囲で他のジアミンを添加してもよい。
他のジアミンとしては、特に限定されるものではないが、例えば、1,2−ジアミノエタン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン等の脂肪族ジアミン;
【0019】
o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルジフルオロメタン、3,4’−ジアミノジフェニルジフルオロメタン、4,4’−ジアミノジフェニルジフルオロメタン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフイド、3,4’−ジアミノジフェニルスルフイド、4,4’−ジアミノジフェニルスルフイド、3,3’−ジアミノジフェニルケトン、3,4’−ジアミノジフェニルケトン、4,4’−ジアミノジフェニルケトン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、2,2’−(3,4’−ジアミノジフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−(3,4’−ジアミノジフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、3,3’−(1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン))ビスアニリン、3,4’−(1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン))ビスアニリン、4,4’−(1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン))ビスアニリン、2,2−ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−(4−アミノフエノキシ)フエニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)スルフイド、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)スルフイド、ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−メチレン−ビス(2,6−ジエチルアニリン)、o−トリジンスルホン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4−メチレン−ビス(2,6−ジイソプロピルアニリン)、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、1,1−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)シクロヘキサン等の芳香族系ジアミンを挙げることができる。
【0020】
本発明のポリイミド系樹脂は、前記ジアミンの混合物にテトラカルボン酸二無水物を反応させて得られる。本発明で用いるテトラカルボン酸二無水物としては、特に限定されるものではないが、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ベンゼン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、3,4,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,2’,3−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−ナフタレン−テトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレン−テトラカルボン酸二無水物、2,6−ジクロルナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、2,7−ジクロルナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−テトラクロルナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、フエナンスレン−1,8,9,10−テトラカルボン酸二無水物、ピラジン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、チオフエン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,2’,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジメチルシラン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メチルフェニルシラン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジフェニルシラン二無水物、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシフェニルジメチルシリル)ベンゼン二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシクロヘキサン二無水物、p−フェニルビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、エチレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、デカヒドロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、4,8−ジメチル−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロナフタレン−1,2,5,6−テトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、ピロリジン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、ビス(エキソ−ビシクロ〔2,2,1〕ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物)スルホン、ビシクロ−(2,2,2)−オクト(7)−エン2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2−ビス〔4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロプロパン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフイド二無水物、1,4−ビス(2−ヒドロキシヘキサフルオロイソプロピル)ベンゼンビス(トリメリット酸無水物)、1,3−ビス(2−ヒドロキシヘキサフルオロイソプロピル)ベンゼンビス(トリメリット酸無水物)、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、テトラヒドロフラン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、エチレングリコールビストリメリテート二無水物等が挙げられる。これらは、1種類単独でも、2種類以上を混合して用いてもよい。
【0021】
テトラカルボン酸二無水物とジアミンの縮合反応は公知の方法で、有機溶媒中で行うことができる。この場合、テトラカルボン酸二無水物とジアミンは等モル、もしくはほぼ等モルで用いるのが好ましく、各成分の添加順序は任意である。用い得る有機溶媒としては、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリルアミド、m−クレゾール、o−クロルフェノール、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
【0022】
まず、ポリイミド系樹脂の前駆体であるポリアミド酸を合成する。ポリアミド酸合成の反応温度は、好ましくは80℃以下、更に好ましくは0〜50℃で行う。反応が進行するにつれ反応液の粘度が徐々に上昇する。次いで、ポリイミド系樹脂は、前記反応物(ポリアミド酸)を脱水閉環させて得ることができる。脱水閉環は120℃〜250℃付近で熱処理する方法や、その他の化学的方法を用いて行うことができる。120℃〜250℃付近で熱処理する方法の場合、脱水反応で生じる水を系外に除去しながら行うことが好ましい。その際、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等を用いて水を共沸除去するとよい。
【0023】
化学的方法で脱水閉環させる場合は、閉環剤として無水酢酸、無水プロピオン酸、無水安息香酸等の酸無水物、ジシクロヘキシルカルボジイミド等のカルボジイミド化合物等を用いることができる。このとき必要に応じてピリジン、イソキノリン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、アミノピリジン、イミダゾール等の閉環触媒を用いてもよい。閉環剤又は閉環触媒は、テトラカルボン酸二無水物1モルに対し、それぞれ1〜8モルの範囲で使用するのが好ましい。反応温度は熱イミド化の方法に比べ低温で実施できる。ポリイミド系樹脂合成後、貧溶媒に投入し、ポリイミド系樹脂を析出させることで、触媒などを分離することができる。
【0024】
本発明において、ポリイミド系樹脂という表現は、100%イミド化したポリイミド樹脂以外に、その前駆体であるポリアミド酸が一部残っている樹脂をも含んでいる。
【0025】
本発明で用いる(B)エポキシ樹脂は、(A)ポリイミド系樹脂と少なくとも部分的に相溶するものであれば特に限定されない。
【0026】
エポキシ樹脂としては、分子内に少なくとも2個のエポキシ基を含むものであれば特に限定されない。例えばフェノールのグリシジルエーテル型のエポキシ樹脂として、ビスフェノールA、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、ビスフェノールFもしくはハロゲン化ビスフェノールAとエピクロルヒドリンの縮合物、フェノールノボラック樹脂のグリシジルエーテル、クレゾールノボラック樹脂のグリシジルエーテル、ビスフェノールAノボラック樹脂のグリシジルエーテル、ジシクロペンタジエン変成フェノールノボラック樹脂のグリシジルエーテル、ビフェニル型エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0027】
エポキシ樹脂の量は、ポリイミド系樹脂100重量部に対して好ましくは1〜200重量部、より好ましくは5〜100重量部の範囲で用いる。この範囲で用いると、耐熱性に優れ、接着時の流動性も適当で、フィルム形成性がよくなる
【0028】
エポキシ樹脂は、ポリイミド系樹脂のポリイミド末端にある酸やアミンや、完全にイミド化していないアミド酸などの官能基と反応性をもつことにより、ポリイミド系樹脂のみでは困難な耐湿熱性のある架橋構造を付与することができ、また、未硬化状態においては接着時に低分子物質として樹脂に可塑性を付与し、樹脂の溶融粘度を低下させ、樹脂の被着体への濡れを改善し、低温接着性に寄与することなどの特長を持つことが可能となる。
【0029】
(C)エポキシ樹脂硬化剤としては、エポキシ樹脂と反応性を有し、エポキシ樹脂を硬化させることができる化合物であれば特に限定されるものではない。代表的例として、フェノール系硬化剤、アミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、イミダゾール類などが挙げられる。
【0030】
エポキシ樹脂硬化剤の配合量は、エポキシ樹脂に対する当量に対し、若干少なめであることが好ましい。それは未反応物として残るエポキシ樹脂硬化剤が吸湿特性を悪くするからである。
【0031】
本発明の接着剤樹脂組成物には、必要に応じ、本発明の目的を損ねない範囲で、無機物質フィラーを配合してもよい。フィラーは、接着剤に低熱膨張性、低吸湿性、高弾性、高熱伝導性などを付与する。加熱時の樹脂の溶融粘度を調整することもできる。またフィルム状接着剤の強度向上にも寄与する。フィラーとしては例えば、シリカ、アルミナ、窒化ケイ素、窒化アルミ、窒化ホウ素、チタニア、ガラス、酸化鉄、セラミック等の無機絶縁体が挙げられる。これらは、単独又は2種以上混合して用いことができる。
【0032】
無機物質フィラーの配合量は、接着剤樹脂に対して1〜70体積%、好ましくは1〜30体積%の範囲である。この範囲であれば、接着性が良好に保たれる。
また、電気伝導性を付与するために、金属などの導電性粒子や、異方導電粒子を添加しても良い。
【0033】
さらに、本発明の樹脂組成物には、必要に応じ、本発明の目的を損ねない範囲で、シランカップリング剤、チタン系カップリング剤等のカップリング剤を適宜加えてもよい。カップリング剤は被着体やフィラーとの接着界面における接着強度の向上に寄与する。
【0034】
本発明の接着剤樹脂組成物は、上記ポリイミド系樹脂、熱硬化性樹脂好ましくはエポキシ樹脂、加えてエポキシ樹脂硬化剤などを溶剤に溶解撹拌し、ワニス状にして用いることができる。ここで用いられる有機溶媒としては、上記材料を均一に溶解又は混練できるものであれば特に制限はなく、そのようなものとしては、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トルエン、ベンゼン、キシレン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブ、ジオキサン等が挙げられる。
【0035】
次いで、必要に応じ、無機物質フィラー及び添加剤等を加え混合する。この場合、通常の攪拌機、らいかい機、三本ロール、ボールミルなどの分散機を適宜組み合せて、混練を行ってもよい。
【0036】
フィルム状接着剤の製造法としては、上記のワニスもしくはペースト状混合物を、例えばシリコーン系樹脂で表面処理し、剥離特性のよいPET(ポリエチレンテレフタレート)シート等のベースフィルム上に均一に塗布し、使用した溶媒が充分に揮散する条件、すなわち、おおむね60〜200℃程度の温度で、好ましくは1〜30分間加熱し、単層フィルム状接着剤を得る方法等が挙げられる。
【0037】
また、耐熱性のコアフィルムや金属箔などの支持フィルムの片面もしくは両面に、上記のワニスもしくはペースト状混合物をコートし、加熱乾燥し溶剤を蒸発させ、フィルム状接着剤を作ってもよい。フィルム状接着剤の製法は上記手法に限定されるものではない。
【0038】
本発明で得られたフィルム状接着剤は、半導体素子をパッケージの支持部材に接着するのに用いるダイアタッチフィルム等に使用できる。例えば、本発明のフィルム状接着剤を、半導体素子とフレキシブル基板などの支持体との接着に用いる場合、次の様な方法で接着することができる。
フィルム状接着剤を加熱した半導体ウエハ裏面にロール貼り付けし、ウエハ外周でフィルムを切断しフィルム状接着剤付きウエハを得る。これを接着フィルムとともにダイシングし、フィルム状接着剤付き素子を得る。次いでこれを支持体(リードフレーム、リジッド基板、フレキシブル基板、チップを積層する場合は、チップ、スペーサなど)に加熱圧着する。
本発明のフィルム状接着剤の接着方法は、上に例示した方法に限定されるものではない。
【0039】
本発明の接着剤樹脂組成物又はフィルム状接着剤を用いて半導体素子を支持部材に接着させてなる半導体装置としては、各種半導体パッケージや、基板(リジッド、フレキシブル含む)に直接素子を接着してなる半導体装置などが挙げられる。
【0040】
【実施例】
以下、実施例を用いて更に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
(合成例1)
温度計、攪拌機、キシレンを満たしたディーンスターク管、窒素吹き込み管を備えた300mlの五つ口フラスコに、式(1)のジアミン(以下、メタBPと略称することがある)8.589g、シリコーンジアミン(α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン(以下、APPSと略記することがある)、平均分子量906)31.680g、N−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと略記することがある)98g、m−キシレン42gをとり(固形分30wt%)、窒素フロー下で50℃に加熱し攪拌した。ジアミンの溶解後、4,4’−オキシジフタル酸二無水物(以下、ODPAと略記することがある)13.694g、エチレングリコールビストリメリテート二無水物(以下、EGTAと略記することがある)6.038gを少量ずつ添加した。窒素ガスを吹き込みながら系を油浴で170〜180℃に加熱し、水を共沸除去しながら10時間保持、ポリイミド系樹脂(番号1)を得た。
合成例1の原料組成比を表1に示す。表中、酸の項、アミンの項では、それぞれで用いた原料のモル比を示す。酸/アミンの項には、酸無水物とジアミンのモル比を示す。
【0041】
【表1】
Figure 0004272401
【0042】
(合成例2)
合成例2は表2に示す原料割合で(表中のODAは4,4'-ジアミノジフェニルエーテルの略称)、合成例1と同様にしてポリイミド系樹脂(番号2)を得た。
【0043】
【表2】
Figure 0004272401
【0044】
(実施例1、比較例1)
表3(単位は重量部)における配合例でワニス調合した。実施例1は配合例1に、比較例1は配合例2に、に対応する。なお、表3における略号は下記のものを意味する。
YX4000H:ジャパンエポキシレジン製、ビフェニル型エポキシ樹脂
2PHZ−PW:四国化成製、イミダゾール硬化剤
【0045】
【表3】
Figure 0004272401
【0046】
このワニスを25μmの厚さに表面処理PETフィルム(帝人デュポンフィルム製、銘柄名「A31」、50μm厚PET)上に塗布し、90℃で20分間加熱乾燥し、単層フィルム状接着剤を得た。
次いで低温接着性を調べるため、単層フィルム状接着剤を50μm厚のポリイミドフィルムに130℃で加熱しながら貼付けたのち、5mm幅に切り接着試験片を作った。この試験片の5mm×20mmの領域の接着面を、25mm×30mmのシリコンチップに、110℃、0.25N加重、2secの条件で接着し、無加重で150℃1分間、後加熱した。この試験片を引っ張り試験機にセットし、定法に従い90度ピール強度を測定した。その結果を表4に示した。
【0047】
【表4】
Figure 0004272401
【0048】
次に、得られたフィルム状接着剤の耐熱性を調べるため熱時せん断接着力を試験した。フィルム状接着剤を5mm×5mmの大きさに切断し、これを5mm×5mmのシリコンチップと20mm×20mmのシリコンチップの間に挟み、0.1Nの荷重をかけて、200℃、1秒間圧着させたのち、180℃、3h無加重で加熱硬化した。この試験片のせん断接着力を、プッシュプルゲージを用いて、260℃加熱30秒後の熱時に測定した
また、フィルム状接着剤を重ねてプレスし、50mm×50mm×1mmの試験片を作成し、85℃、85%RH(相対湿度)の環境下で1週間吸湿させ、吸湿率(吸湿による質量増加割合)を測定した。それぞれの結果を表5に示した。
【0049】
【表5】
Figure 0004272401
【0050】
以上より、合成例2で得られたポリイミド系樹脂を用いた比較例に比べ、合成例1で得られたポリイミド系樹脂を用いた実施例は、低温接着性、低吸湿性という面で優れており、耐熱性(熱時せん断接着力)は同等で優れた水準にあることがわかった。
【0051】
【発明の効果】
本発明のフィルム状接着剤は、低温接着性に優れており、吸湿率も低く、耐熱性にも優れているので、これを用いれば、半導体素子をパッケージに低温で接着でき、なおかつ高い接着信頼性が得られる。

Claims (5)

  1. (A)下記式(1)で表されるジアミンと下記一般式(2)で表されるシリコーン系ジアミンとを含むジアミン成分にテトラカルボン酸二無水物を反応させて得られるポリイミド系樹脂と、
    (B)エポキシ樹脂とを含有してなる樹脂組成物から得られ、半導体ウエハへの接着に用いられるフィルム状接着剤。
    Figure 0004272401
    Figure 0004272401
    (式(2)中、R1、R6は二価の炭素数1〜4の脂肪族基または芳香族基を表し、R2〜R5は一価の脂肪族基または芳香族基を表し、nは0〜20の整数を表わす。)
  2. さらに(C)エポキシ樹脂硬化剤を含有する請求項1記載のフィルム状接着剤。
  3. 耐熱性フィルムに、請求項1又は2記載のフィルム状接着剤を積層させてなるフィルム状接着剤。
  4. 金属箔の片面あるいは両面に、請求項1又は2記載のフィルム状接着剤を積層させてなるフィルム状接着剤。
  5. 半導体素子を請求項1〜4のいずれかに記載のフィルム状接着剤で支持部材に接着させてなる半導体装置。
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