JP4238123B2 - ダイボンドフィルム - Google Patents
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Description
また、上記DBF貼り付け工程を経てダイシングテープ貼りつけ工程へと進むが、この工程を同時にこなせる工程が、ウエハ破損の機会低減や、工程合理化の面で望まれていた。
また、DBFで半導体チップを支持体に接着し、ワイヤーボンド、モールドしたPKGは半田リフロー性を持つ必要がある。近年、鉛フリー半田が多く使われるようになった。そのためには、鉛フリー半田の実装温度である250℃以上の温度でのDBFの貯蔵弾性率は水分等の気化に耐える高さが要求されている。
(1) 主に熱可塑性樹脂を含む熱硬化性樹脂またはフィラーを3体積%以下含有してなる熱可塑性樹脂を含む熱硬化性樹脂からなり、60〜110℃のいずれかの温度でシリコン鏡面にロール貼り付けした時のピール強度が1N・cm−1以上であり、未硬化状態でのガラス転移温度(Tg)が50℃以下で、表面粗さが0.2μm未満の接着剤層(A)と、主に熱可塑性樹脂を含む熱硬化性樹脂とフィラーからなり、該フィラーの含有量が前記接着剤層(A)のフィラーの含有量より5から30体積%高く、未硬化状態でのガラス転移温度(Tg)が70℃以下の接着剤層(B)から構成され、接着剤層(A)および接着剤層(B)のフィラー含有量の合計が5体積%以上、30体積%以下であることを特徴とするダイボンドフィルム。
(2) 主に熱可塑性樹脂を含む熱硬化性樹脂またはフィラーを3体積%以下含有してなる熱可塑性樹脂を含む熱硬化性樹脂からなり、60〜110℃のいずれかの温度でシリコン鏡面にロール貼り付けした時のピール強度が1N・cm−1以上であり、未硬化状態でのガラス転移温度(Tg)が50℃以下である接着剤層(A’)と前記接着剤層(B),前記接着剤層(A)がこの順に構成され、接着剤層(A),接着剤層(B)および接着剤層(A’)のフィラー含有量の合計が5体積%以上、30体積%以下であることを特徴とするダイボンドフィルム。
(3) フィラーの平均粒径が1μm以下であることを特徴とする(1)または(2)記載のダイボンドフィルム。
(4) 前記接着剤層(A)の厚みが0.1〜1μm、接着剤層(B)の厚みが5〜50μmの範囲にあることを特徴とする(1)または(3)に記載のダイボンドフィルム。
(5) 前記接着剤層(A)の厚みが0.1〜1μm、接着剤層(B)の厚みが5〜50μm、接着剤層(A’)の厚さが0.1〜1μmの範囲にあることを特徴とする(2)または(3)に記載のダイボンドフィルム。
(6) 前記接着剤層(A’)側が、ウエハサイズより大きく、ダイシングテープ支持リングフレームより小さな範囲内で、ダイシングテープに接着ざれていることを特徴とする(5)に記載のダイボンドフィルム。
を含有してなる組成物から形成された接着剤層であることはTg以下での弾性率が低くでき、チップと支持基材との熱膨張差を吸収する応力緩和能力が高く好ましい態様である。
また、 前記熱可塑性シリコーン変成ポリイミド(D)が、前記一般式(I)で表されるシリコーンジアミンと下記式(II)で表される芳香族ジアミンとを含むジアミンと、テトラカルボン酸2無水物を反応させてなるものであることは低温接着性と低吸湿性という点で好ましい態様である。
主に熱可塑性樹脂を含む熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を含む熱硬化性樹脂とフィラーからなる(A)層は低温接着性を有することとダイシング性を考慮してTgは50℃以下、より好ましくは20〜50℃の範囲であることが好ましい。また、60〜110℃のいずれかの温度で鏡面のシリコンウェハにロール貼り付けした時のピール強度が1N・cm−1以上であることが好ましい。
シリコン鏡面にロール貼りつけした時のピール強度が1N・cm−1以上であるとは、具体的には、例えば100℃ステージ上にて8Nの加重ローラで30cm/sの速度でシリコンウエハ鏡面に(A)層を介して貼り付け、室温でのDBFの90度ピール強度が1N/cm−1以上であるような性質を意味する。ピール強度が1N/cm−1以上ないと、ダイシング時のチップ飛びや、ピックアップ時にウエハ裏面とDBFの剥離などを生じて好ましくない場合がある。これらのピール強度測定において、フィルム状接着剤単独での強度が不足する場合は、フィルムの接着面の反対側に支持体として別のフィルムを貼り付けて測定することができる。ロール貼り付け条件は、おおむね10〜100Nの荷重で数mm〜数10cm/s程度の速度である。
(A)層の表面粗さは、シリコン鏡面に低圧でロールラミネートするウェハラミネーションのときに鏡面との密着性を良くするために0.2μm未満が好ましく、より好ましくは0.1μm未満である。0.2μmを超えると鏡面への密着にロール圧力を上げたり、圧着温度を上げる必要がありウェハラミネーション上好ましくない。
(B)層は回路基板など凹凸のある支持体にも追従するため、層の厚みは5〜50μmが好ましく、より好ましくは5〜40μmである。(B)層に使用される熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、フィラーの種類は(A)層と同じであっても、異なっても良い。(B)層の未硬化状態でのTgは70℃以下がDAF付き半導体チップをダイマウントする時の温度を150℃以下にすることができ好ましく、特に、50℃以下が好ましい。(B)層の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂は前記の(A)層に用いられる樹脂の中から選択することができる。 熱硬化性樹脂の量は、熱可塑性樹脂100重量部に対して1〜200重量部、好ましくは5〜100重量部の範囲で、これより少ないと耐熱性が悪くなる傾向が見られることがあり、これより多いと接着時の流動性が大きくなることがありチップ周辺を汚染する場合がある。またフィルムがもろくなる傾向も見られ、フィルム形成性も悪くなることがある。
(B)層の表面粗さは、ダイマウント工程における接着面の密閉性による空気の巻き込みを減少させたり、ダイマウント後の加熱工程あるいはワイヤボンド工程でのDBF中の水分、揮発分、支持基材中水分の除去のため、0.2μm以上が好まく、より好ましくは0.2〜0.5μmである。(B)層の表面粗さが0.2μm未満の場合には、ダイマウント工程で巻き込んだ空気を実質的に密閉する結果になり好ましくない場合がある。
フィラーは平均粒径が1μm以下、より好ましくは0.5μm以下の溶融シリカが熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂の補強効果の点で好ましい。また、最大粒径はDBFの薄型化の傾向から5μm以下が好ましい。より好ましくは2μm以下である。最大粒径は単独粒子、あるいは凝集体の径を意味する。
(B)層のフィラー含有量は250℃以上の温度でのDBF全体の弾性率を高めるために(A)層のそれより5〜30体積%高いことが好ましく、より好ましくは10〜25体積%高いことが好ましい。(B)層の硬化状態の250℃での貯蔵弾性率は4MPa以上が好ましい。4MPaより貯蔵弾性率が低いと、DBFを用いて、半導体チップと配線基板を積層した半導体PKGで60℃、湿度60%で120時間吸湿させた状態での吸湿時鉛フリー半田実装でDBF層内のフクレを起こす恐れがある。(B)層のフィラーの含有率を高める程度が3体積%未満の場合、貯蔵弾性率を上げる効果が少なく、30体積%を超えると(B)層の接着時の流動性が低下して支持基材への埋め込み性が低下することや、支持基材への界面接着力の低下が大きくなり好ましくない場合がある。
この(A)層と(B)層からなるDBFはウェハラミネートで低温接着ができ、PKGに組み込まれたときの鉛フリー半田実装性を両立できる。
(A’)層は主に熱可塑性樹脂を含む熱硬化性樹脂又はフィラーを3体積%以下含有してなる熱硬化性樹脂からなり、(A’)層に使用される熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、フィラーの種類は(A)層と同じであっても、異なっても良い。(A’)層のTgは50℃以下がDAF付き半導体チップをダイマウントする時の温度を150℃以下にするために好ましく、特に、20〜50℃以下が好ましい。(A’)層の熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂は前記の(A)層に使用できる樹脂の中から選択することができる。
熱硬化性樹脂の量は、熱可塑性樹脂100重量部に対して1〜200重量部、好ましくは5〜100重量部の範囲で、これより少ないと耐熱性が悪くなる傾向が見られることがあり、これより多いと接着時の流動性が大きくなることがありチップ周辺を汚染する場合がある。またフィルムがもろくなる傾向も見られ、フィルム形成性も悪くなることがある。
(A´)層の厚みは支持基材に接着できる厚みがあれば良い。(B)層に比べてフィラー含有量が少ないので耐熱性が相対的に低くなること、モールド工程で高温、高圧(例えば175℃、10MPa)がかかった時に相対的に耐熱性が高い(B)層と混合しやすくなるので、0.1〜1μmが好ましい。より好ましくは0.1〜0.5μmである。
フィラーは平均粒径が1μm以下、より好ましくは0.5μm以下の溶融シリカが熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂の補強効果の点で好ましい。フィラーの量は3体積%以下が好ましく、1体積%以下がより好ましい。
この、(A)層、(B)層、(A’)層から構成されるダイボンドフィルムはウェハラミネート、チップの支持基材へのダイボンドが低温接着でき、PKGに組み込まれたときの鉛フリー半田実装性を両立できるので好ましい態様である。
ポリイミドは、前記反応物(ポリアミド酸)を脱水閉環させて得ることができる。脱水閉環は120℃〜250℃で熱処理する方法や化学的方法を用いて行うことができる。120℃〜250℃で熱処理する方法の場合、脱水反応で生じる水を系外に除去しながら行うことが好ましい。この際、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等を用いて水を共沸除去するとよい。
ポリイミドは、ポリアミド酸を経由せずに、モノマーを溶剤中で溶解、加熱し、重合及び脱水閉環させることもできる。加熱温度は上記の120℃〜250℃が好ましい。この際、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等を用いて水を共沸除去するとよい。
次いで、上記ワニスに必要に応じてフィラー及び添加剤を加え、混合する。フィラーを混合する場合、通常の攪拌機、らいかい機、三本ロール、ボールミル、ビーズミルなどの分散機を適宜組み合せて、混練を行い、フィラー混合ワニスを得ることができる。
(A)層を作るのに必用なフィラー濃度、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂を選択して未硬化状態での樹脂のTgが50℃以下になるように調整したワニス((A)層用ワニスとする)を乾燥後0.1〜1μmになるように1層目にコート乾燥後、(B)層を作るのに必用なフィラー濃度、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂を選択して未硬化状態での樹脂のTgが70℃以下になるように調整したワニス((B)層用ワニスとする)を乾燥後5から50μmになるように2層目として、その上にコート乾燥すれば形成できる。
本発明のフィルム状接着剤の接着工法には、例えば以下のようなものが挙げられる。すなわち、半導体ウエハの裏面にセパレータ/(A)層/(B)層/(A’)層という構成の接着フィルムを形成する工程、セパレータをはがす工程、(A)層を介して半導体ウエハ裏面にフィルム状接着剤をロールラミネートする工程、ウエハ外周でフィルム状接着剤をカットする工程、フィルム状接着剤付きウエハにダイシングテープを貼りつけリングフレームに固定する工程、ダイシング工程、ピックアップ工程、支持体に(B)層あるいは(A’)層を介してチップをマウントする工程からなる工法が挙げられる。
本発明のフィルム状接着剤を介して半導体素子をその支持体に接着してなる半導体装置としては、半導体パッケージや、基板に直接チップを接着してなる半導体装置などをあげることができる。
温度計、攪拌機、メシチレンを満たしたディーンスターク管、窒素吹き込み管を備えた500mLの五つ口フラスコに、APB5(前記式(III)の構造のジアミン)19.7g、シリコーンジアミン(α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン(APPS)、平均分子量920)48.2g、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)162g、メシチレン69.6gをとり、窒素フロー下で50℃に加熱し攪拌した。ジアミンの溶解後、4,4’−オキシジフタル酸二無水物(ODPA)21.98g、エチレングリコールビストリメリテート二無水物(EGTA)9.69gを少量ずつ添加した。窒素ガスを吹き込みながら系を油浴で170〜180℃に加熱し、水を共沸除去しながら10時間保持した後、室温まで冷却しポリイミドワニスを得た(ポリイミドワニス1)。
合成例(b)
温度計、攪拌機、メシチレンを満たしたディーンスターク管、窒素吹き込み管を備えた500mLの五つ口フラスコに、APB5(前記式(III)の構造のジアミン)15.6g、シリコーンジアミン(α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン(APPS)、平均分子量920)55.9g、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)162g、メシチレン69.6gをとり、窒素フロー下で50℃に加熱し攪拌した。ジアミンの溶解後、4,4’−オキシジフタル酸二無水物(ODPA)21.98g、エチレングリコールビストリメリテート二無水物(EGTA)9.69gを少量ずつ添加した。窒素ガスを吹き込みながら系を油浴で170〜180℃に加熱し、水を共沸除去しながら10時間保持した後、室温まで冷却しポリイミドワニスを得た(ポリイミドワニス2)。
VG3101:三井化学(株)製 3官能エポキシ樹脂
2MAOK:四国化成製、イミダゾール硬化剤
1FX : (株)龍森製 溶融球状シリカ 平均粒径0.3μm
NMP:1−メチル−2−ピロリドン
メシチレン:1,3,5−トリメチルベンゼン
表−1
表−1に従って作成した配合ワニスを、乾燥後の厚みが各25μmになるように表面処理PET(帝人デュポンフィルム製、A31、50μm厚)上に塗布し、熱風乾燥機で90℃で20分間乾燥し、各配合単独でフィルムのTg(℃)、180℃で3時間硬化後の250℃での貯蔵弾性率(MPa)を表−2に示した。Tgは未硬化状態のフィルムのTMAで求めた。貯蔵弾性率は、表面処理PET上から剥離したDBFを加圧下で、構成する層の最も高いTgより30℃高い温度で積層してフィルム厚みが400〜600μmになるようにし、180℃で3時間硬化してから測定した。測定はレオメトリクス 社製RSA−IIを用い、引張モードで、昇温速度5℃/分、周波数10Hzで行った。
表−2
配合1のワニスを乾燥後0.5μmになるようにA−31上に塗布し、熱風乾燥機で90℃で2分間乾燥し、乾燥して形成したフィルム上に配合3のワニスを乾燥後25μmになるように塗布し、熱風乾燥機で90℃で20分間乾燥し離型フィルム付きDBFを作成した。A−31の上に形成した2層のDBFはA−31から容易に剥がれ、柔軟性があった。0.5μm側の表面粗さは0.1μm以下であった。また、最外層の表面粗さは0.2μmであった。このフィルムを70℃で100μm厚みのシリコンウェハの鏡面に8Nの加重ローラ、30cm/sの速度でシリコンウエハ鏡面に0.5μm層を介して貼り付けた。室温でのフィルム状接着剤の90度ピール強度は3N/cm−1であった。ウェハラミしたウェハをダイシングフィルムに貼り公知の方法でダイシングしたところ、実用上支障となるDBFのバリの発生はなく、チップ飛びもなかった。DBF付きチップを0.2mm厚みのPKG用配線基板に150℃、0.08MPaの圧力、1秒間でダイマウントした。ダイマウントしたチップの室温での剪断強度は3MPaであった。これは次工程に進むに充分な強度である。ダイマウントしたチップをモールド相当の10MPaの圧力で60秒間配線基板に圧着した。その後180℃のオーブンで3時間DBFを硬化させた。このDBFで接合したチップ、配線基板複合体を85℃、60%の恒温恒湿ボックス内で168時間吸湿させた。この吸湿させたチップ、配線基板複合体を最高温度250℃のリフロー炉を3回通過させた。リフロー炉を通したチップ、配線基板複合体を超音波顕微鏡で観察したが膨れ、剥がれは発生していなかった。
配合5のワニスを乾燥後0.5μmになるようにA−31上に塗布し、熱風乾燥機で90℃で2分間乾燥し、乾燥して形成したフィルム上に配合3のワニスを乾燥後25μmになるように塗布し、熱風乾燥機で90℃で20分間乾燥し、離型フィルム付きDBFを作成した。A−31の上に形成した2層のDBFはA−31から容易に剥がれ、柔軟性があった。0.5μm側の表面粗さは0.1μm以下であった。また、最外層の表面粗さは0.2μmであった。このフィルムを90℃で100μm厚みのシリコンウェハの鏡面に8Nの加重ローラ、30cm/sの速度でシリコンウエハ鏡面に0.5μm層を介して貼り付けた。室温でのフィルム状接着剤の90度ピール強度は2.5N/cm−1であった。ウェハラミしたウェハをダイシングフィルムに貼り公知の方法でダイシングしたところ、実用上支障となるDBFのバリの発生はなかく、チップ飛びもなかった。DBF付きチップを0.2mm厚みのPKG用配線基板に150℃、0.08MPaの圧力、1秒間でダイマウントした。ダイマウントしたチップの室温での剪断強度は3MPaであった。これは次工程に進むに充分な強度である。ダイマウントしたチップをモールド相当の10MPaの圧力で60秒間配線基板に圧着した。その後180℃のオーブンで3時間DBFを硬化させた。このDBFで接合したチップ、配線基板複合体を85℃、60%の恒温恒湿ボックス内で168時間吸湿させた。この吸湿させたチップ、配線基板複合体を最高温度250℃のリフロー炉を3回通過させた。リフロー炉を通したチップ、配線基板複合体を超音波顕微鏡で観察したが膨れ、剥がれは発生していなかった。
配合1のワニスを乾燥後0.5μmになるようにA−31上に塗布し、熱風乾燥機で90℃で2分間乾燥し、乾燥して形成したフィルム上に配合3のワニスを乾燥後24μmになるように塗布し、熱風乾燥機で90℃で20分間乾燥した。乾燥フィルムの上に、配合5のワニスを乾燥後1μmになるように塗布し、熱風乾燥機で90℃で3分間乾燥し離型フィルム付きDBFを作成した。A−31の上に形成した3層のDBFはA−31から容易に剥がれ、柔軟性があった。0.5μm側の表面粗さは0.1μm以下であった。また、最外層の表面粗さは0.2μmであった。このフィルムを70℃で100μm厚みのシリコンウェハの鏡面に8Nの加重ローラ、30cm/sの速度でシリコンウエハ鏡面に0.5μm層を介して貼り付けた。室温でのフィルム状接着剤の90度ピール強度は3N/cm−1であった。ウェハラミしたウェハをダイシングフィルムに貼り公知の方法でダイシングしたところ、実用上支障となるDBFのバリの発生はなく、チップ飛びもなかった。DBF付きチップを0.2mm厚みのPKG用配線基板(ソルダーレジスト面のうねりは最大15μmであった)に120℃、0.08MPaの圧力、1秒間でダイマウントした。ダイマウントしたチップの室温での剪断強度は3.5MPaであった。ダイマウントしたチップをモールド相当の10MPaの圧力で60秒間配線基板に圧着した。その後180℃のオーブンで3時間DBFを硬化させた。このDBFで接合したチップ、配線基板複合体を85℃、60%の恒温恒湿ボックス内で168時間吸湿させた。この吸湿させたチップ、配線基板複合体を最高温度250℃のリフロー炉を3回通過させた。リフロー炉を通したチップ、配線基板複合体を超音波顕微鏡で観察したが膨れ、剥がれは発生していなかった。
配合1のワニスを乾燥後0.5μmになるようにA−31上に塗布し、熱風乾燥機で90℃で2分間乾燥し、乾燥して形成したフィルム上に配合2のワニスを乾燥後25μmになるように塗布し、熱風乾燥機で90℃で20分間乾燥し離型フィルム付きDBFを作成した。A−31の上に形成した2層のDBFはA−31から容易に剥がれ、柔軟性があった。0.5μm側の表面粗さは0.1μm以下であった。また、最外層の表面粗さは0.2μmであった。このフィルムを70℃で100μm厚みのシリコンウェハの鏡面に8Nの加重ローラ、30cm/sの速度でシリコンウエハ鏡面に0.5μm層を介して貼り付けた。室温でのフィルム状接着剤の90度ピール強度は3N/cm−1であった。ウェハラミしたウェハをダイシングフィルムに貼り公知の方法でダイシングしたところ、実用上支障となるDBFのバリの発生はなく、チップ飛びもなかった。DBF付きチップを0.2mm厚みのPKG用配線基板に150℃、0.08MPaの圧力、1秒間でダイマウントした。ダイマウントしたチップの室温での剪断強度は3.5MPaであった。これは次工程に進むに充分な強度である。ダイマウントしたチップをモールド相当の10MPaの圧力で60秒間配線基板に圧着した。その後180℃のオーブンで3時間DBFを硬化させた。このDBFで接合したチップ、配線基板複合体を85℃、60%の恒温恒湿ボックス内で168時間吸湿させた。この吸湿させたチップ、配線基板複合体を最高温度250℃のリフロー炉を3回通過させた。リフロー炉を通したチップ、配線基板複合体を超音波顕微鏡で観察したが膨れ、剥がれは発生していなかった
配合4のワニスを乾燥後25μmになるようにA−31上に塗布し、熱風乾燥機で90℃で20分間乾燥し、離型フィルム付きDBFを作成した。A−31の上に形成した単層のDBFはA−31から容易に剥がれ、柔軟性があった。離型フィルム側の表面粗さは0.1μm以下であった。また、反対面の表面粗さは0.3μmであった。このフィルムの離型フィルム側の面を110℃で100μm厚みのシリコンウェハの鏡面に8Nの加重ローラ、30cm/sの速度でシリコンウエハ鏡面に貼り付けた。室温でのフィルム状接着剤の90度ピール強度は0.5N/cm−1であり、ウェハとDBFの接着強度が弱く、DBFをラミしたウェハをダイシングフィルムに貼り公知の方法でダイシングしたところ、実用上支障となるチップ飛びが生じるものがあった。DBF付きチップを0.2mm厚みのPKG用配線基板に150℃、0.08MPaの圧力、1秒間でダイマウントした。ダイマウントしたチップの室温での剪断強度は1MPaであった。これは次工程に進むに不充分な強度であった。
配合1のワニスを乾燥後25μmになるようにA−31上に塗布し、熱風乾燥機で90℃で20分間乾燥し、離型フィルム付きDBFを作成した。A−31の上に形成した単層のDBFはA−31から容易に剥がれ、柔軟性があった。離型フィルム側の表面粗さは0.1μm以下であった。また、最外層の表面粗さも0.1μm以下であった。このフィルムを70℃で100μm厚みのシリコンウェハの鏡面に8Nの加重ローラ、30cm/sの速度でシリコンウエハ鏡面に0.5μm層を介して貼り付けた。室温でのフィルム状接着剤の90度ピール強度は3N/cm−1であった。ウェハラミしたウェハをダイシングフィルムに貼り公知の方法でダイシングしたところ、バリの発生があり、実用上支障が出る恐れがあった。DBF付きチップを0.2mm厚みのPKG用配線基板に110℃、0.08MPaの圧力、1秒間でダイマウントした。ダイマウントしたチップの室温での剪断強度は2.5MPaであった。これは次工程に進むに充分な強度である。ダイマウントしたチップをモールド相当の10MPaの圧力で60秒間配線基板に圧着した。その後180℃のオーブンで3時間DBFを硬化させた。このDBFで接合したチップ、配線基板複合体を85℃、60%の恒温恒湿ボックス内で168時間吸湿させた。この吸湿させたチップ、配線基板複合体を最高温度250℃のリフロー炉を3回通過させた。リフロー炉を通したチップ、配線基板複合体を超音波顕微鏡で観察した結果、DBF内の膨れ、配線基板上での剥がれが発生していた。
配合1のワニスを乾燥後0.5μmになるようにA−31上に塗布し、熱風乾燥機で90℃で2分間乾燥し、乾燥して形成したフィルム上に配合4のワニスを乾燥後25μmになるように塗布し、熱風乾燥機で90℃で20分間乾燥し離型フィルム付きDBFを作成した。A−31の上に形成した2層のDBFはA−31から容易に剥がれ、柔軟性があった。0.5μm側の表面粗さは0.1μm以下であった。また、最外層の表面粗さは0.3μmであった。このフィルムを70℃で100μm厚みのシリコンウェハの鏡面に8Nの加重ローラ、30cm/sの速度でシリコンウエハ鏡面に0.5μm層を介して貼り付けた。室温でのフィルム状接着剤の90度ピール強度は3N/cm−1であった。ウェハラミしたウェハをダイシングフィルムに貼り公知の方法でダイシングしたところ、実用上支障となるDBFのバリの発生はなく、チップ飛びもなかった。DBF付きチップを0.2mm厚みのPKG用配線基板に150℃、0.08MPaの圧力、1秒間でダイマウントした。ダイマウントしたチップの室温での剪断強度は1MPaであった。これは次工程に進むのに不充分な強度であった。
Claims (7)
- 主に熱可塑性樹脂を含む熱硬化性樹脂、またはフィラーを3体積%以下含有してなる熱可塑性樹脂を含む熱硬化性樹脂からなり、60〜110℃のいずれかの温度でシリコン鏡面にロール貼り付けした時のピール強度が1N・cm−1以上であり、未硬化状態でのガラス転移温度(Tg)が50℃以下で、表面粗さが0.2μm未満である接着剤層(A)と、
主に熱可塑性樹脂を含む熱硬化性樹脂とフィラーからなり、該フィラーの含有量が前記接着剤層(A)のフィラーの含有量より5から30体積%高く、未硬化状態でのガラス転移温度(Tg)が70℃以下である接着剤層(B)から構成され、
前記接着剤層(A)および前記接着剤層(B)のフィラー含有量の合計が5体積%以上、30体積%以下であることを特徴とするダイボンドフィルム。 - 主に熱可塑性樹脂を含む熱硬化性樹脂、またはフィラーを3体積%以下含有してなる熱可塑性樹脂を含む熱硬化性樹脂からなり、60〜110℃のいずれかの温度でシリコン鏡面にロール貼り付けした時のピール強度が1N・cm−1以上であり、未硬化状態でのガラス転移温度(Tg)が50℃以下である接着剤層(A’)を更に含み、
前記接着剤層(A’)、前記接着剤層(B)および前記接着剤層(A)の順に構成され、前記接着剤層(A)、前記接着剤層(B)および前記接着剤層(A’)のフィラー含有量の合計が5体積%以上、30体積%以下であることを特徴とする請求項1記載のダイボンドフィルム。 - フィラーの平均粒径が1μm以下であることを特徴とする請求項1または2記載のダイボンドフィルム。
- 前記接着剤層(A)の厚みが0.1〜1μm、前記接着剤層(B)の厚みが5〜50μmの範囲にあることを特徴とする請求項1または3記載のダイボンドフィルム。
- 前記接着剤層(A)の厚みが0.1〜1μm、前記接着剤層(B)の厚みが5〜50μm、前記接着剤層(A’)の厚みが0.1〜1μmの範囲にあることを特徴とする請求項2記載のダイボンドフィルム。
- フィラーの平均粒径が1μm以下であることを特徴とする請求項5記載のダイボンドフィルム。
- 前記接着剤層(B)あるいは前記接着剤層(A’)側が、ウエハサイズより大きく、ダイシングテープ支持リングフレームより小さな範囲内で、ダイシングテープに接着されていることを特徴とする請求項5または6記載のダイボンドフィルム。
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