JP2008248114A - 接着剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】基板上の微細なパターンに対する追随性がよく、ボイドの無い硬化物となり得る接着剤組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】
(A)25℃における粘度が0.2〜20Pa・sであるエポキシ樹脂、
(B)前記エポキシ樹脂(A)と反応性の官能基を有する、ポリイミドシリコーン樹脂及びフェノキシ樹脂から選ばれる少なくとも一種の熱可塑性樹脂
(C)エポキシ樹脂硬化触媒、及び
(D)無機充填剤
を含み、
成分(B)の官能基の総量に対する成分(A)のエポキシ基の総量のモル比が、3〜50であることを特徴とする接着剤組成物。
【選択図】なし
【解決手段】
(A)25℃における粘度が0.2〜20Pa・sであるエポキシ樹脂、
(B)前記エポキシ樹脂(A)と反応性の官能基を有する、ポリイミドシリコーン樹脂及びフェノキシ樹脂から選ばれる少なくとも一種の熱可塑性樹脂
(C)エポキシ樹脂硬化触媒、及び
(D)無機充填剤
を含み、
成分(B)の官能基の総量に対する成分(A)のエポキシ基の総量のモル比が、3〜50であることを特徴とする接着剤組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、半導体チップを基板に接着するのに好適に使用される接着剤組成物に関し、詳細には、所定の粘度と官能性を備えることによって、微細なパターンを有する基板の形状に沿う柔軟性を備える接着剤組成物に関する。
半導体装置の製造工程は、IC回路が形成された大径のシリコンウエハをダイシング(切断)工程で半導体チップに切り分け、リードフレームに硬化性の液状の接着剤(ダイボンド材)等で熱圧着、接着固定(マウント)し、電極間のワイヤーボンディングの後、ハンドリング性や外部環境からの保護ため、封止することにより製造されている。
近年、半導体チップ搭載の支持基板にも微細化が要求され、液状の接着剤では半導体チップ搭載時のチップ端からのはみ出しによる電極の汚染や接着剤層の厚みの不均一によるチップの傾斜によりワイヤボンドの不具合が生じるため、これらの欠点の無いフィルム状接着剤が使用されている。
該接着剤として、従来、耐熱性に優れた樹脂であるポリイミドやポリアミドイミドに、シロキサン構造を導入した低弾性率材料が開発されている(特許文献1、2)。しかし、これらの材料は、弾性率及び基材に対する接着性の点で問題がある。
シロキサン変性ポリアミドイミドにマレイミド基を2個以上有する化合物を配合して、高温特性を改良することが提案されているが(特許文献3)、この樹脂組成物は接着力に劣る。
また、接着性、低弾性及び耐熱性に優れたポリイミドシリコーンとエポキシ樹脂から成る組成物の層を備えた接着フィルムが提案されている(特許文献4、5)。しかし、これらの組成物は、基板表面上の微細な凹部の充填性(以下、「ギャップフィル性能」という)が不十分である。即ち、微細な隙間がダイアタッチ時に発生して、その隙間を起点に接着フィルムの剥離が発生してしまう場合がある。
特開平3−189127号公報
特開平4−264003号公報
特開平10−60111号公報
特開平7−224259号公報
特開平8−27427号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、ギャップフィル性能に優れ、ボイドの無い、信頼性の高い硬化物を形成する接着剤組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、所定の粘度のエポキシ樹脂を用い、所定の官能基量の硬化剤と組合わせることによって、上記目的を達成できることを見出した。
すなわち、本発明は
(A)25℃における粘度が0.2〜20Pa・sであるエポキシ樹脂、
(B)前記エポキシ樹脂(A)と反応性の官能基を有する、ポリイミドシリコーン樹脂及びフェノキシ樹脂から選ばれる少なくとも一種の熱可塑性樹脂
(C)エポキシ樹脂硬化触媒、及び
(D)無機充填剤
を含み、
成分(B)の官能基の総量に対する成分(A)のエポキシ基の総量のモル比が、3〜50であることを特徴とする接着剤組成物である。
すなわち、本発明は
(A)25℃における粘度が0.2〜20Pa・sであるエポキシ樹脂、
(B)前記エポキシ樹脂(A)と反応性の官能基を有する、ポリイミドシリコーン樹脂及びフェノキシ樹脂から選ばれる少なくとも一種の熱可塑性樹脂
(C)エポキシ樹脂硬化触媒、及び
(D)無機充填剤
を含み、
成分(B)の官能基の総量に対する成分(A)のエポキシ基の総量のモル比が、3〜50であることを特徴とする接着剤組成物である。
本発明の接着剤組成物は、常温(25℃、以下同様)で流動性の無い半固形であり、加熱により、一旦柔軟になり基材の凹凸に沿った形状となり、さらに加熱すると低弾性で、耐熱性に優れた硬化物を与える。
以下、組成物の成分ごとに説明する。
[(A)成分]
本発明で用いられるエポキシ樹脂(A)は、25℃における粘度が、2〜200mPa・s、好ましくは5〜150mPa・sである。粘度が前記下限値未満では、ダイアタッチ時に樹脂が流れすぎて広範囲に樹脂のはみ出しが発生してし易い。一方、前記上限値を超えると、ダイアタッチに高温が必要となり、基板の反りの原因となる。該エポキシ樹脂は1分子中にエポキシ基を少なくとも2個有することが好ましい。このようなエポキシ樹脂としては、例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン又はこのハロゲン化物のジグリシジルエーテル及びこれらの縮重合物(いわゆるビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂等)、ブタジエンジエポキシド、ビニルシクロヘキセンジオキシド、レゾルシンのジグリシジルエーテル、1,4−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ジフェニルエーテル、1,4−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)シクロヘキセン、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、1,2−ジオキシベンゼン或いはレゾルシノール、多価フェノール又は多価アルコールとエピクロルヒドリンとを縮合させて得られるエポキシグリシジルエーテル或いはポリグリシジルエステル、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等のノボラック型フェノール樹脂(或いはハロゲン化ノボラック型フェノール樹脂)とエピクロルヒドリンとを縮合させて得られるエポキシノボラック(即ち、ノボラック型エポキシ樹脂)、過酸化法によりエポキシ化したエポキシ化ポリオレフィン、エポキシ化ポリブタジエン、ナフタレン環含有エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、シクロペンタジエン型エポキシ樹脂などが挙げられ、2種以上の混合物であってもよい。好ましくは、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂が使用される。
[(A)成分]
本発明で用いられるエポキシ樹脂(A)は、25℃における粘度が、2〜200mPa・s、好ましくは5〜150mPa・sである。粘度が前記下限値未満では、ダイアタッチ時に樹脂が流れすぎて広範囲に樹脂のはみ出しが発生してし易い。一方、前記上限値を超えると、ダイアタッチに高温が必要となり、基板の反りの原因となる。該エポキシ樹脂は1分子中にエポキシ基を少なくとも2個有することが好ましい。このようなエポキシ樹脂としては、例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン又はこのハロゲン化物のジグリシジルエーテル及びこれらの縮重合物(いわゆるビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂等)、ブタジエンジエポキシド、ビニルシクロヘキセンジオキシド、レゾルシンのジグリシジルエーテル、1,4−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ジフェニルエーテル、1,4−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)シクロヘキセン、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、1,2−ジオキシベンゼン或いはレゾルシノール、多価フェノール又は多価アルコールとエピクロルヒドリンとを縮合させて得られるエポキシグリシジルエーテル或いはポリグリシジルエステル、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等のノボラック型フェノール樹脂(或いはハロゲン化ノボラック型フェノール樹脂)とエピクロルヒドリンとを縮合させて得られるエポキシノボラック(即ち、ノボラック型エポキシ樹脂)、過酸化法によりエポキシ化したエポキシ化ポリオレフィン、エポキシ化ポリブタジエン、ナフタレン環含有エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、シクロペンタジエン型エポキシ樹脂などが挙げられ、2種以上の混合物であってもよい。好ましくは、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂が使用される。
上記1分子中にエポキシ基を少なくとも2個有するエポキシ樹脂に加えて、モノエポキシ化合物を併用することは差し支えなく、例えば、スチレンオキシド、シクロヘキセンオキシド、プロピレンオキシド、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、オクチレンオキシド、ドデセンオキシドなどを併用してよい。併用する場合には、モノエポキシ化合物のエポキシ基量が、(A)成分全体のエポキシ基の量の10%以下、好ましくは5%以下となるようにする。
[(B)成分]
(B)成分は、前記エポキシ樹脂(A)と反応性の官能基を有する、ポリイミドシリコーン樹脂及びフェノキシ樹脂から選ばれる少なくとも一種の熱可塑性樹脂である。エポキシ樹脂(A)と反応性の官能基には種々のものがあるが、それらのうちフェノール性水酸基、アミノ基、及びエポキシ基が好ましい。
(B)成分は、前記エポキシ樹脂(A)と反応性の官能基を有する、ポリイミドシリコーン樹脂及びフェノキシ樹脂から選ばれる少なくとも一種の熱可塑性樹脂である。エポキシ樹脂(A)と反応性の官能基には種々のものがあるが、それらのうちフェノール性水酸基、アミノ基、及びエポキシ基が好ましい。
熱可塑性樹脂(B)は、ポリスチレン換算の重量平均分子量が10,000〜200,000、好ましくは20,000〜100,000、より好ましくは30,000〜80,000である。重量平均分子量が前記下限値未満のものは、塗膜を形成することが困難であり、一方、前記上限値より大きいものでは、微細な回路パターンを有する基板表面の凹凸を充填するのに十分な柔らかさを得ることが難しい。
接着性の点から、下記の繰り返し単位を有する、フェノール性の水酸基を有するポリイミドシリコーン樹脂が好ましい。
(式中、Xは芳香族環又は脂肪族環を含む四価の有機基、Yは二価の有機基、qは1〜300の整数である。)
上記ポリイミドシリコーン樹脂は、下記繰り返し単位を有するポリアミック酸樹脂を、常法により脱水、閉環することで得ることができる。
(式中、X、Y、qは上で定義したとおりである。)
(式中、Xは芳香族環又は脂肪族環を含む四価の有機基、Yは二価の有機基、qは1〜300の整数である。)
上記ポリイミドシリコーン樹脂は、下記繰り返し単位を有するポリアミック酸樹脂を、常法により脱水、閉環することで得ることができる。
(式中、X、Y、qは上で定義したとおりである。)
式(3)で表されるポリアミック酸樹脂は、下記構造式(5)
(但し、Xは上記と同様の意味を示す。)
で表されるテトラカルボン酸二無水物と、下記構造式(6)
H2N−Y−NH2 (6)
(但し、Yは上記と同様の意味を示す。)
で表されるジアミンを、常法に従って、ほぼ等モルで、有機溶剤中で反応させることによって得ることができる。
(但し、Xは上記と同様の意味を示す。)
で表されるテトラカルボン酸二無水物と、下記構造式(6)
H2N−Y−NH2 (6)
(但し、Yは上記と同様の意味を示す。)
で表されるジアミンを、常法に従って、ほぼ等モルで、有機溶剤中で反応させることによって得ることができる。
ここで、上記式(5)で表されるテトラカルボン酸二無水物の例としては、下記のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
なお、これら上記式(5)で示されるテトラカルボン酸二無水物は、所望により1種単独で用いても2種以上の組み合わせで用いてもよい。
上記式(6)で表されるジアミンのうち、好ましくは1〜80モル%、更に好ましくは1〜60モル%が、下記構造式(1)で表されるジアミノシロキサン化合物であることが、有機溶剤への溶解性、基材に対する接着性、低弾性、柔軟性の点から望ましい。
一般式(1)で表されるシロキサンジアミン(又はα,ω−ジアミノポリシロキサン)において、R1で表される炭素原子数3〜9の二価の有機基としては、例えば、−(CH2)3−,−(CH2)4−,−CH2CH(CH3)−,−(CH2)6−,−(CH2)8−等のアルキレン基;下記式
R2またはR3としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基等のアルキル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基等のアラルキル基、これらの炭化水素基の炭素原子に結合した水素原子の一部又は全部がフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子等で置換された基、例えば、クロロメチル基、ブロモエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン置換アルキル基等が挙げられ、中でもメチル基及びフェニル基が好ましい。
これらの上記式(1)で表されるジアミノシロキサン化合物は、所望により1種単独でも2種以上の組み合わせでも使用することができる。
上記式(1)で表されるジアミノシロキサン化合物以外の上記式(6)で表されるジアミンとしては、例えば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,2’−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(p−アミノフェニルスルホニル)ベンゼン、1,4−ビス(m−アミノフェニルスルホニル)ベンゼン、1,4−ビス(p−アミノフェニルチオエーテル)ベンゼン、1,4−ビス(m−アミノフェニルチオエーテル)ベンゼン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[3−メチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[3−クロロ−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[3−メチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[3−クロロ−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[3,5−ジメチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[3−メチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[3−クロロ−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[3,5−ジメチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]パーフルオロプロパン等の芳香族環含有ジアミン等が挙げられ、好ましくはp−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[3−メチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン等である。
フェノール性の水酸基は、フェノール性の水酸基を有するジアミン化合物を用いることにより得ることができ、このようなジアミンとしては、例えば、下記構造のものが挙げられる。
(式中、R4は独立に水素原子又はフッ素、臭素、よう素などのハロゲン原子、あるいはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、トリフルオロメチル基、フェニル基などの非置換又は置換の炭素原子数1〜8の一価炭化水素基であり、各芳香環に付いている置換基は異なっていてもよく、nは0〜5の整数である。A、Bはおのおの1種単独でも、2種以上の組み合わせでもよい。Rは水素原子、ハロゲン原子又は非置換もしくは置換の一価炭化水素基である。)
(式中、R4は独立に水素原子又はフッ素、臭素、よう素などのハロゲン原子、あるいはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、トリフルオロメチル基、フェニル基などの非置換又は置換の炭素原子数1〜8の一価炭化水素基であり、各芳香環に付いている置換基は異なっていてもよく、nは0〜5の整数である。A、Bはおのおの1種単独でも、2種以上の組み合わせでもよい。Rは水素原子、ハロゲン原子又は非置換もしくは置換の一価炭化水素基である。)
ここで、R4の非置換又は置換の炭素原子数1〜8の一価炭化水素基としては、例えば、上記R2およびR3について例示したものと同様のもの、ならびにエチニル基、プロピニル基、ブチニル基、ヘキシニル基等のアルキニル基等を挙げることができる。また、Rが非置換もしくは置換の一価炭化水素基である場合、Rとしては、上記R4について例示したものと同様のものが挙げられる。
また、他のフェノール性水酸基を有するジアミンとして以下のものが挙げられる。
(上式中、Rは水素原子、フッ素、臭素、よう素などのハロゲン原子、又は炭素数1〜8の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、トリフルオロメチル基、フェニル基などの非置換又はハロゲン置換の1価炭化水素基であり、各芳香族環に付いている置換基は異なっていてもよく、Xは単結合、メチレン基、又はプロピレン基である。)
(上式中、Rは水素原子、フッ素、臭素、よう素などのハロゲン原子、又は炭素数1〜8の、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、トリフルオロメチル基、フェニル基などの非置換又はハロゲン置換の1価炭化水素基であり、各芳香族環に付いている置換基は異なっていてもよく、Xは単結合、メチレン基、又はプロピレン基である。)
上記フェノール性水酸基を有するジアミン化合物の中でも、特に下記式(2)で表されるジアミン化合物が好ましい。
上記フェノール性の水酸基を有するジアミン化合物の配合量としては、ジアミン化合物全体の5〜60質量%、特に10〜40質量%であることが好ましい。該配合量がこの範囲内のポリイミドシリコーン樹脂を用いると、接着力が高く、且つ、柔軟な接着層を形成する組成物が得られる。
なお、フェノール性水酸基の導入のためにフェノール性水酸基を有するモノアミンを用いることもでき、その例としては下記の構造を有するモノアミンが挙げられる。
フェノール性水酸基を有するモノアミンを用いる場合、この配合量としては、ジアミン化合物全体に対して1〜10モル%である。
ポリアミック酸樹脂は、上述の出発原料を、不活性な雰囲気下で溶媒に溶かし、通常、80℃以下、好ましくは0〜40℃で反応させて合成することができる。得られたポリアミック酸樹脂を、通常、100〜200℃、好ましくは150〜200℃に昇温させることにより、ポリアミック酸樹脂の酸アミド部分を脱水閉環させ、目的とするポリイミド樹脂を合成することができる。
上記反応に使用する有機溶媒は、得られるポリアミック酸に不活性なものであれば、前記出発原料を完全に溶解できるものでなくともよい。例えば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド及びジメチルスルホキシドが挙げられ、好ましくは非プロトン性極性溶媒、特に好ましくはN−メチルピロリドン、シクロヘキサノン及びγ−ブチロラクトンである。これらの溶媒は、1種単独でも2種以上を組み合わせても用いることができる。
上記の脱水閉環を容易にするためには、トルエン、キシレンなどの共沸脱水剤を用いるのが望ましい。また、無水酢酸/ピリジン混合溶液を用いて低温で脱水閉環を行うこともできる。
なお、ポリアミック酸及びポリイミド樹脂の分子量を調整するために、無水マレイン酸、無水フタル酸などのジカルボン酸無水物及び/又はアニリン、n−ブチルアミン、上記に挙げたフェノール性の水酸基を有するモノアミンを添加することもできる。但し、ジカルボン酸無水物の添加量は、テトラカルボン酸二無水物100質量部当たり、通常、0〜2質量部であり、モノアミンの添加量は、ジアミン100質量部当たり、通常、0〜2質量部である。
フェノキシ樹脂は、エピクロルヒドリンとビスフェノールAもしくはF等から誘導される樹脂であり、例えば、商品名PKHC、PKHH、PKHJ(いずれも巴化学社製)、ビスフェノールA、ビスフェノールF混合タイプの商品名エピコート4250、エピコート4275、エピコート1255HX30、臭素化エポキシを用いたエピコート5580BPX40(いずれも日本化薬社製)、ビスフェノールAタイプの商品名YP-50、YP-50S、YP-55、YP-70(いずれも東都化成社製)、JER E1256、E4250、E4275、YX6954BH30、YL7290BH30(いずれもジャパンエポキシレジン社製)などがあげられる。上述した重量平均分子量を有する点で、JER E1256が好ましく使用される。
フェノキシ樹脂は末端にエポキシ基を有し、これが(A)成分と反応するので、別途反応性の基を付与する必要は無い。
上記(A)エポキシ樹脂と(B)熱可塑性樹脂は、成分(B)の官能基の総量に対する成分(A)のエポキシ基の総量のモル比が、3〜50、好ましくは3〜40、となる量で配合される。該モル比が、前記下限値未満の組成物は、ギャップフィル性能を示すものの、ダイボンディング温度を高くすることが必要となり、また、得られる硬化物の耐湿信頼性が低くなる傾向がある。一方、前記上限値を超えては熱履歴時のギャップフィル性が低下する。
好ましくは、(B)成分の官能基当量が200g/eq〜20,000g/eq、より好ましくは300〜10,000である。官能基当量が前記下限値未満の樹脂は、反応性が高く、微細な回路パターンを有する基板表面の凹凸を十分に充填できない場合があり得る。一方、官能基当量が前記上限値超の樹脂は、エポキシ樹脂との架橋点が乏しいために、耐熱性、接着強度が不足する場合がある。
[(C)成分]
(C)エポキシ樹脂硬化触媒は特に制限はなく公知のものを使用してよい。例として、リン系触媒、アミン系触媒等が挙げられる。
(C)エポキシ樹脂硬化触媒は特に制限はなく公知のものを使用してよい。例として、リン系触媒、アミン系触媒等が挙げられる。
ここで、リン系触媒としては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリフェニルホスホニウムトリフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレートや下記に示すような化合物が挙げられる。
(式中、R5〜R12は水素原子又はフッ素、臭素、よう素などのハロゲン原子、あるいはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、又は炭素原子数1〜8のアルコキシ基、トリフルオロメチル基、フェニル基などの非置換もしくは置換の炭素原子数1〜8の一価炭化水素基であり、総てまたは一部の置換基が同一でも、おのおの異なっていても構わない。)
ここで、R5〜R12の一価炭化水素基としては、例えば、上記R4で例示したものと同様のもの、またメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基などを挙げることができる。
またアミン系触媒としては、例えば、ジシアンジアミド、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール誘導体などが挙げられる。好ましくは、ジシアンジアミドが使用される。
本発明におけるエポキシ樹脂硬化触媒は、これらの中から1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。なお、エポキシ樹脂硬化触媒(C)の配合量は、触媒としての有効量とすることができる。
[(D)成分]
本発明で用いられる無機充填剤(D)としては、シリカ微粉末、アルミナ、酸化チタン、カーボンブラック、銀粒子等の導電性粒子が挙げられる。該充填剤の配合量としては、接着剤組成物の5〜90質量%、好ましくは10〜70質量%、より好ましくは40〜70質量%である。該配合量が前記下限値未満では、無機充填剤の配合目的である導電性、熱伝導性、低吸水性、低線膨張性等を達成することが困難である。一方、前記上限値を超えると、組成物の粘度を高め、フィルム基材に塗付する際の流動性が悪くなる。
本発明で用いられる無機充填剤(D)としては、シリカ微粉末、アルミナ、酸化チタン、カーボンブラック、銀粒子等の導電性粒子が挙げられる。該充填剤の配合量としては、接着剤組成物の5〜90質量%、好ましくは10〜70質量%、より好ましくは40〜70質量%である。該配合量が前記下限値未満では、無機充填剤の配合目的である導電性、熱伝導性、低吸水性、低線膨張性等を達成することが困難である。一方、前記上限値を超えると、組成物の粘度を高め、フィルム基材に塗付する際の流動性が悪くなる。
無機充填剤の平均粒径は、0.1〜10μmが好ましく、より好ましくは0.5〜7μmである。無機充填剤の平均粒径がこの範囲内にあると、塗布された接着層の表面の良好な平滑性が得られる。また、近年、接着剤層の厚みとしては、15〜50μmが要求されることが多いが、無機充填剤の平均粒径が前記範囲内にあると、2次凝集した粒子が存在しても、該要求を満たしやすい。
本発明の組成物には、上記(A)〜(D)成分に加えて、本発明の目的を阻害しない量の各種添加剤を配合してよい。添加剤としては、例えば、濡れ向上剤、酸化防止剤、熱安定剤等が挙げられる。
[組成物の製造方法]
本発明の接着剤組成物は、上記(A)〜(D)、及びその他の成分を常法に準じて、ミキサー等で混合することにより調製することができる。
本発明の接着剤組成物は、上記(A)〜(D)、及びその他の成分を常法に準じて、ミキサー等で混合することにより調製することができる。
得られた組成物は、好ましくは、40〜80℃での溶融粘度(即ち、40〜80℃の全温度範囲にわたる溶融粘度)が10,000mPa・s(=10Pa・s)以下であり、好ましくは8,000mPa・s(=8Pa・s)以下である。通常、半導体ウェハーを接着フィルムに圧着するとき、40〜80℃で行なわれるが、溶融粘度が10,000mPa・sより大きい場合は、接着層を半導体ウェハー裏面に貼り付けるのが困難であり、ダイシング工程においてウェハー細片が飛んだり、ウェハーのピックアップ工程において、接着剤層がウェハーに付着せずダイシングマウントに残ってしまう場合がある。ここで溶融粘度を低下させるために、貼り付け温度を80℃より上にして貼り付けを行うことも可能であるが、高温でウェハーと接着剤とを貼り付けた場合に、接着剤とウェハーの線膨張係数の違いから、室温まで放冷した場合に、張り合わせた接着剤とウェハーに反りが発生したり、最悪の場合に工程中にウェハーの破壊を引き起こしてしまったりする。
[使用方法および接着フィルム]
上記で得られた接着剤組成物は、トルエン、シクロヘキサノン、NMPなどの非プロトン性極性溶媒に適当な濃度で溶解し、基板上に施与して乾燥させた後、該接着剤組成物に被着体を圧着し該接着剤組成物を加熱硬化させることで、該基板と該被着体とを接着することができる。また、溶媒に適当な濃度で溶解した接着剤組成物を支持基材上に塗布し、乾燥させ、接着剤層を形成させることによりフィルムを得(以下、これを接着フィルムとする。)、この接着フィルムを基板と被着体との間に挟み、圧着し、加熱硬化させることで、該基板と該被着体とを接着することもできる。このフィルム形成支持基材としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリテトラフルオロエチレン、紙、金属箔等、あるいはこれらの表面を離型処理したものを用いることができる。
上記で得られた接着剤組成物は、トルエン、シクロヘキサノン、NMPなどの非プロトン性極性溶媒に適当な濃度で溶解し、基板上に施与して乾燥させた後、該接着剤組成物に被着体を圧着し該接着剤組成物を加熱硬化させることで、該基板と該被着体とを接着することができる。また、溶媒に適当な濃度で溶解した接着剤組成物を支持基材上に塗布し、乾燥させ、接着剤層を形成させることによりフィルムを得(以下、これを接着フィルムとする。)、この接着フィルムを基板と被着体との間に挟み、圧着し、加熱硬化させることで、該基板と該被着体とを接着することもできる。このフィルム形成支持基材としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリテトラフルオロエチレン、紙、金属箔等、あるいはこれらの表面を離型処理したものを用いることができる。
前記接着剤層を形成させるときの乾燥は、常温〜200℃、特に80〜150℃で1分〜1時間、特に3〜10分間行うことが好ましい。接着剤層の膜厚は特に制限はなく、目的に応じ選択することができ、10〜100μmであることが好ましく、特に15〜50μmであることが好ましい。また、該接着剤層は、硬化させる場合には、圧力0.01〜10MPa、特に0.1〜2MPaで圧着した後、温度100〜200℃、特に120〜180℃で30分〜5時間、特に1〜2時間硬化させることが好ましい。
本発明の接着剤は、電子部品の製造だけでなく、接着の伴う種々の工程で用いることができる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
実施例及び比較例で使用した樹脂等は以下のとおりである。
(A)成分
エポキシ樹脂:RE310S(日本化薬社製)、25℃の粘度 15Pa.s
(B)成分
フェノキシ樹脂:Mw約60,000、JER E1256(ジャパンエポキシレジン社製)
ポリイミドシリコーン樹脂1:合成法を後述する。
ポリイミドシリコーン樹脂2:合成法を後述する。
(C)成分
ジシアンジアミド(DICY-7):ジャパンエポキシレジン社製
(D)成分
シリカ:SE2050、アドマテックス社製
比較例で使用した樹脂
ポリイミドシリコーン樹脂3:合成法を後述する。
ポリイミド樹脂1:合成法を後述する。
(A)成分
エポキシ樹脂:RE310S(日本化薬社製)、25℃の粘度 15Pa.s
(B)成分
フェノキシ樹脂:Mw約60,000、JER E1256(ジャパンエポキシレジン社製)
ポリイミドシリコーン樹脂1:合成法を後述する。
ポリイミドシリコーン樹脂2:合成法を後述する。
(C)成分
ジシアンジアミド(DICY-7):ジャパンエポキシレジン社製
(D)成分
シリカ:SE2050、アドマテックス社製
比較例で使用した樹脂
ポリイミドシリコーン樹脂3:合成法を後述する。
ポリイミド樹脂1:合成法を後述する。
ポリイミドシリコーン樹脂1の合成
還流冷却器を連結したコック付きの25ml水分定量受器、温度計、攪拌器を備えた1リットルのセパラブルフラスコに、下記構造式で表わされるジアミノシロキサン(KF−8010、信越化学社製)44.03質量部、反応溶媒として2−メチルピロリドン100質量部を仕込み、80℃で攪拌し、ジアミンを分散させた。これに酸無水物として6FDA(2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン)38.72質量部と2−メチルピロリドン100質量部との溶液を滴下して室温で2時間攪拌反応を行うことにより、酸無水物リッチのアミック酸オリゴマーを合成した。
次に、下記式:
で示されるフェノール性水酸基を有する芳香族ジアミン(ジアミン−1)17.25質量部と100質量部の2−メチルピロリドンを、還流冷却器が連結されたコック付きの25ml水分定量受器、温度計、攪拌器を備えた1リットルのセパラブルフラスコに仕込み、分散させ、前出の酸無水物リッチのアミック酸オリゴマーを滴下した後、室温で16時間攪拌し、ポリアミック酸溶液を合成した。その後、キシレン25mlを投入してから温度を上げ、約180℃で2時間還流させた。水分定量受器に所定量の水がたまっていること、水の流出が見られなくなっていることを確認し、水分定量受器にたまっている流出液を除去しながら、180℃でキシレンを除去した。反応終了後、大過剰のメタノール中に得られた反応液を滴下し、ポリマーを析出させ、減圧乾燥して、骨格中にフェノール性の水酸基を有するポリイミド樹脂を得た。
得られたポリイミド樹脂の赤外吸光スペクトルを測定したところ、未反応の官能基があることを示すポリアミック酸に基づく吸収は現れず、1780cm-1及び1720cm-1にイミド基に基づく吸収を確認し、3500cm-1にフェノール性水酸基に基づく吸収を確認した。得られた樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は50,000であり、官能基当量は1440g/eqであった。
還流冷却器を連結したコック付きの25ml水分定量受器、温度計、攪拌器を備えた1リットルのセパラブルフラスコに、下記構造式で表わされるジアミノシロキサン(KF−8010、信越化学社製)44.03質量部、反応溶媒として2−メチルピロリドン100質量部を仕込み、80℃で攪拌し、ジアミンを分散させた。これに酸無水物として6FDA(2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン)38.72質量部と2−メチルピロリドン100質量部との溶液を滴下して室温で2時間攪拌反応を行うことにより、酸無水物リッチのアミック酸オリゴマーを合成した。
次に、下記式:
で示されるフェノール性水酸基を有する芳香族ジアミン(ジアミン−1)17.25質量部と100質量部の2−メチルピロリドンを、還流冷却器が連結されたコック付きの25ml水分定量受器、温度計、攪拌器を備えた1リットルのセパラブルフラスコに仕込み、分散させ、前出の酸無水物リッチのアミック酸オリゴマーを滴下した後、室温で16時間攪拌し、ポリアミック酸溶液を合成した。その後、キシレン25mlを投入してから温度を上げ、約180℃で2時間還流させた。水分定量受器に所定量の水がたまっていること、水の流出が見られなくなっていることを確認し、水分定量受器にたまっている流出液を除去しながら、180℃でキシレンを除去した。反応終了後、大過剰のメタノール中に得られた反応液を滴下し、ポリマーを析出させ、減圧乾燥して、骨格中にフェノール性の水酸基を有するポリイミド樹脂を得た。
得られたポリイミド樹脂の赤外吸光スペクトルを測定したところ、未反応の官能基があることを示すポリアミック酸に基づく吸収は現れず、1780cm-1及び1720cm-1にイミド基に基づく吸収を確認し、3500cm-1にフェノール性水酸基に基づく吸収を確認した。得られた樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量は50,000であり、官能基当量は1440g/eqであった。
ポリイミドシリコーン樹脂2の合成
ジアミノシロキサン(KF−8010)を49.01質量部、6FDAを42.68質量部使用し、及び上記ジアミン−1に代えて、下記式:
で示されるフェノール性水酸基を有するジアミン(HAB、和歌山精化製)8.31質量部を使用したことを除き、ポリイミドシリコーン樹脂1と同様にして、ポリイミドシリコーン樹脂2を得た。ポリイミドシリコーン樹脂2のポリスチレン換算の重量平均分子量は55,000であり、官能基当量は760g/eqであった。
ジアミノシロキサン(KF−8010)を49.01質量部、6FDAを42.68質量部使用し、及び上記ジアミン−1に代えて、下記式:
で示されるフェノール性水酸基を有するジアミン(HAB、和歌山精化製)8.31質量部を使用したことを除き、ポリイミドシリコーン樹脂1と同様にして、ポリイミドシリコーン樹脂2を得た。ポリイミドシリコーン樹脂2のポリスチレン換算の重量平均分子量は55,000であり、官能基当量は760g/eqであった。
ポリイミドシリコーン樹脂3の合成
ジアミノシロキサン(KF−8010)を65.68質量部、6FDAを34.32質量部使用したことを除き、ポリイミドシリコーン樹脂1の合成と同様にして、アミック酸オリゴマーを合成した。
その後、キシレン25mlを投入してから温度を上げ、約180℃で2時間還流させた。水分定量受器に所定量の水がたまっていること、水の流出が見られなくなっていることを確認し、水分定量受器にたまっている流出液を除去しながら、180℃でキシレンを除去した。反応終了後、大過剰のメタノール中に得られた反応液を滴下し、ポリマーを析出させ、減圧乾燥して、骨格中にエポキシ樹脂との反応性を有する官能基が無いポリイミドシリコーン樹脂3を得た。ポリイミドシリコーン樹脂3のポリスチレン換算の重量平均分子量は50,000であった。
ジアミノシロキサン(KF−8010)を65.68質量部、6FDAを34.32質量部使用したことを除き、ポリイミドシリコーン樹脂1の合成と同様にして、アミック酸オリゴマーを合成した。
その後、キシレン25mlを投入してから温度を上げ、約180℃で2時間還流させた。水分定量受器に所定量の水がたまっていること、水の流出が見られなくなっていることを確認し、水分定量受器にたまっている流出液を除去しながら、180℃でキシレンを除去した。反応終了後、大過剰のメタノール中に得られた反応液を滴下し、ポリマーを析出させ、減圧乾燥して、骨格中にエポキシ樹脂との反応性を有する官能基が無いポリイミドシリコーン樹脂3を得た。ポリイミドシリコーン樹脂3のポリスチレン換算の重量平均分子量は50,000であった。
ポリイミド樹脂1の合成
還流冷却器を連結したコック付きの25ml水分定量受器、温度計、攪拌器を備えた1リットルのセパラブルフラスコに、ジアミン−1を52.67質量部、2−メチルピロリドン150質量部を入れ、80℃で攪拌し、ジアミンを分散させた。これに、6FDAを47.33質量部滴下して室温で2時間攪拌反応を行なうことによりアミック酸オリゴマーを合成した。
その後、キシレン25mlを投入してから温度を上げ、約180℃で2時間還流させた。水分定量受器に所定量の水がたまっていること、水の流出が見られなくなっていることを確認し、水分定量受器にたまっている流出液を除去しながら、180℃でキシレンを除去した。反応終了後、大過剰のメタノール中に得られた反応液を滴下し、ポリマーを析出させ、減圧乾燥して、骨格中にフェノール性の水酸基を有し、シリコーン部分を有しないポリイミド樹脂1を得た。該ポリイミド樹脂1のポリスチレン換算の重量平均分子量は40,000であり、官能基当量は470g/eqであった。
還流冷却器を連結したコック付きの25ml水分定量受器、温度計、攪拌器を備えた1リットルのセパラブルフラスコに、ジアミン−1を52.67質量部、2−メチルピロリドン150質量部を入れ、80℃で攪拌し、ジアミンを分散させた。これに、6FDAを47.33質量部滴下して室温で2時間攪拌反応を行なうことによりアミック酸オリゴマーを合成した。
その後、キシレン25mlを投入してから温度を上げ、約180℃で2時間還流させた。水分定量受器に所定量の水がたまっていること、水の流出が見られなくなっていることを確認し、水分定量受器にたまっている流出液を除去しながら、180℃でキシレンを除去した。反応終了後、大過剰のメタノール中に得られた反応液を滴下し、ポリマーを析出させ、減圧乾燥して、骨格中にフェノール性の水酸基を有し、シリコーン部分を有しないポリイミド樹脂1を得た。該ポリイミド樹脂1のポリスチレン換算の重量平均分子量は40,000であり、官能基当量は470g/eqであった。
[実施例1〜5、比較例1〜2]
約50質量部のシクロヘキサンノンに、表1に示す量(質量部)のポリイミドシリコーン樹脂1〜3、ポリイミド樹脂1、又はフェノキシ樹脂を溶解した。次いで、該溶液と、表1に示す量の他の成分を混合して、固形分約70重量%の組成物を得た。表1において、官能基比は、(A)エポキシ樹脂のエポキシ基総量/(B)成分の官能基総量である。但し、ポリイミドシリコーン樹脂3は官能基を有していないので、記載していない。
約50質量部のシクロヘキサンノンに、表1に示す量(質量部)のポリイミドシリコーン樹脂1〜3、ポリイミド樹脂1、又はフェノキシ樹脂を溶解した。次いで、該溶液と、表1に示す量の他の成分を混合して、固形分約70重量%の組成物を得た。表1において、官能基比は、(A)エポキシ樹脂のエポキシ基総量/(B)成分の官能基総量である。但し、ポリイミドシリコーン樹脂3は官能基を有していないので、記載していない。
25μmギャップフィル性能
各組成物を、5mm×5mm×500μmの透明ガラスチップの一方の面に、乾燥後の膜圧が40μmになるように塗付し、120℃で10分間加熱乾燥して、接着剤層を形成した。得られた透明ガラスチップを、平均高さ25μmの幅50μmの配線パターンを、50μm間隔で有するPCB上に、該接着剤層を介して、170℃、0.1MPa、1秒の条件でダイボンドした。ダイボンド後にワイヤボンドの熱履歴に相当する175℃、1時間の熱履歴を加えた後に、EMC封止に相当する175℃、7MPa、90秒の条件で、チップの上方からプレスした。得られた擬似デバイスを顕微鏡にて観察して、ギャップが埋められてボイドが無いものをA、一箇所でもボイドがあるものをBとした。結果を表1に示す。
各組成物を、5mm×5mm×500μmの透明ガラスチップの一方の面に、乾燥後の膜圧が40μmになるように塗付し、120℃で10分間加熱乾燥して、接着剤層を形成した。得られた透明ガラスチップを、平均高さ25μmの幅50μmの配線パターンを、50μm間隔で有するPCB上に、該接着剤層を介して、170℃、0.1MPa、1秒の条件でダイボンドした。ダイボンド後にワイヤボンドの熱履歴に相当する175℃、1時間の熱履歴を加えた後に、EMC封止に相当する175℃、7MPa、90秒の条件で、チップの上方からプレスした。得られた擬似デバイスを顕微鏡にて観察して、ギャップが埋められてボイドが無いものをA、一箇所でもボイドがあるものをBとした。結果を表1に示す。
接着フィルムの作成
得られた組成物を、含フッ素シリコーン離型剤で被覆した厚さ50μmのPETフィルム(以下、基材フィルムとする。)の離型面上に、乾燥後の厚みが約50μmになるように、塗布した。塗布された組成物の上に、もう一枚の基材フィルムを、該フィルムの離型面が組成物に接するようにして置き、120℃で10分間加熱乾燥した。
得られた組成物を、含フッ素シリコーン離型剤で被覆した厚さ50μmのPETフィルム(以下、基材フィルムとする。)の離型面上に、乾燥後の厚みが約50μmになるように、塗布した。塗布された組成物の上に、もう一枚の基材フィルムを、該フィルムの離型面が組成物に接するようにして置き、120℃で10分間加熱乾燥した。
せん断接着力
10mm×10mmのシリコンウェハーと3mm×3mmのシリコンウェハーのポリッシュ面間に、5mm×5mm×25μmの接着層を挟んで固定された試験片を作成した。即ち、前記で得られた接着フィルムの一の基材フィルムを剥がし、直径8インチのシリコンウェハーに貼り付けて、これを5mmx5mm角のチップに切断した。次いで、切断片を、背面に切断された接着フィルムが付着した状態でピックアップし、これを10mm×10mmの別のシリコンウェハーの中央部に、170℃、0.1MPaの条件で1秒熱圧着した。得られた積層体を175℃で4時間加熱処理して接着剤層を硬化させ、接着用試験片を作製した。その後、Dage社製のDage4000を用いて、速度200μm/秒、高さ50μmでせん断接着力(MPa)を測定した。
10mm×10mmのシリコンウェハーと3mm×3mmのシリコンウェハーのポリッシュ面間に、5mm×5mm×25μmの接着層を挟んで固定された試験片を作成した。即ち、前記で得られた接着フィルムの一の基材フィルムを剥がし、直径8インチのシリコンウェハーに貼り付けて、これを5mmx5mm角のチップに切断した。次いで、切断片を、背面に切断された接着フィルムが付着した状態でピックアップし、これを10mm×10mmの別のシリコンウェハーの中央部に、170℃、0.1MPaの条件で1秒熱圧着した。得られた積層体を175℃で4時間加熱処理して接着剤層を硬化させ、接着用試験片を作製した。その後、Dage社製のDage4000を用いて、速度200μm/秒、高さ50μmでせん断接着力(MPa)を測定した。
湿熱後のせん断接着力
前記のせん断接着力測定用試験片と同様の試験片を作成し、85℃/85%RH条件下で168時間放置した後、上記同様に、せん断接着力を測定した。
前記のせん断接着力測定用試験片と同様の試験片を作成し、85℃/85%RH条件下で168時間放置した後、上記同様に、せん断接着力を測定した。
表1に示すように、本発明の組成物は、配線パターンが形成された基板上にボイドが無く、強固に接着した硬化物を与えることができる。比較例1の組成物は、エポキシ樹脂と反応性の基を含まないため、その硬化物は耐湿熱性に劣った。一方、比較例2の組成物は、硬化物の架橋密度が高く、ギャップフィル性能に劣った。
本発明の組成物は、ダイボンディング用接着剤として、半導体装置の製造に好適である。
Claims (8)
- (A)25℃における粘度が0.2〜20Pa・sであるエポキシ樹脂、
(B)前記エポキシ樹脂(A)と反応性の官能基を有する、ポリイミドシリコーン樹脂及びフェノキシ樹脂から選ばれる少なくとも一種の熱可塑性樹脂
(C)エポキシ樹脂硬化触媒、及び
(D)無機充填剤
を含み、
成分(B)の官能基の総量に対する成分(A)のエポキシ基の総量のモル比が、3〜50であることを特徴とする接着剤組成物。 - 成分(B)の官能基の総量に対する成分(A)のエポキシ基の総量のモル比が3〜40であることを特徴とする請求項1記載の接着剤組成物。
- (A)エポキシ樹脂が、ビスフェノールF型エポキシ樹脂又はビスフェノールA型エポキシ樹脂であることを特徴とする請求項1記載の接着剤組成物。
- (B)成分の官能基が、フェノール性水酸基、アミノ基及びエポキシ基から選ばれる少なくとも一種である請求項1記載の接着剤組成物。
- (B)成分が、ポリスチレン換算の重量平均分子量が10,000〜200,000であり、その官能基当量が200g/eq〜20,000g/eqである請求項1または2記載の接着剤組成物。
- (B)成分が、フェノール性水酸基を有するポリイミドシリコーン樹脂及びフェノキシ樹脂から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜5のいずれか1項記載の接着剤組成物。
- 請求項1〜7のいずれか1項に係る接着剤組成物が施与されたフィルム。
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