JP4406271B2 - 金属積層体および半導体パッケージ - Google Patents

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Description

本発明は、半導体素子とリードフレームとを含む半導体パッケージ内で使用される金属箔と接着剤とからなる金属積層体、および該金属積層体を含む半導体パッケージに関する。
半導体素子とリードフレームとからなる半導体パッケージの実装工程において、リードフレームのリードピン間の固定を目的に、リードフレーム固定用接着基材が使用されている。従来、このようなリードフレーム固定用接着基材としては、例えば、ポリイミド等の耐熱性フィルムからなる支持体フィルム上にアクリル系樹脂を塗布して接着剤層を形成したものが使用されてきた。
しかし、一般に、アクリル系樹脂は耐熱性が低いため、ワイヤーボンディング時の加熱で分解し、アウトガスが発生する。そのため、アクリル系樹脂を接着剤層として用いたリードフレーム固定用接着基材による固定の場合、ワイヤーボンディング時の接合部分であるリードピンの先端部分を固定することは、ワイヤーボンディング信頼性の観点からできなかった。
これに対し、アウトガスの発生を防止するために、耐熱性の低いアクリル系樹脂の代わりに耐熱性の高いポリイミド系樹脂を使用する方法がある。ポリイミド系樹脂の場合、アウトガスがほとんどでないため、従来のリードフレームの外枠のみを固定するという方法ではなく、リードピン先端部分を含んだリードフレーム全体を固定することができる。
また、一方、近年、半導体素子の高集積化でその発熱量は増加の傾向にある。それに伴い、素子の発熱による回路の誤動作や信頼性低下が問題となっている。これらを防止する方法として、熱伝導率の良い金属等を放熱板としてダイパッド及びインナーリードの裏面に接着して素子で発生する熱を外部に放熱させる放熱板付きパッケージが開発されてきた。
従来、この放熱板をリードフレームに取り付けるために両面接着テープを使用していたが、コストダウンの目的で、例えば、放熱板に予め接着剤が塗布された、いわゆるヒートスプレッダー機能付きリードフレーム固定用接着基材が開発された(特許文献1参照)。
このような背景の中、例えば、ポリイミド系樹脂と金属箔とからなるリードフレーム固定用接着基材が提案されている(特許文献2参照)。しかし、一般に、ポリイミド系樹脂は高い耐熱性を有する反面、接着には250℃以上の高温を要するという問題があった。そのため、リードフレームを接着するために高温が必要であり、リードフレーム材の酸化、反りといった問題が発生していた。また、このリードフレーム固定用接着基材上に半導体素子を実装するのにも、高温が必要であり、実際には低温接着性を有するペースト状ダイボンド材を用いて行われており、接着剤上に半導体素子接着用ダイボンド材があるのが実態であった。
さらに、近年、環境問題が深刻視される中で、半導体パッケージと基板との接合に用いられるはんだの鉛フリー化が進みつつある。鉛フリーはんだの有力候補としてSn−Ag−Cu系はんだが挙げられており、その融点は約220℃であり、現行のSn−Pb系はんだの融点約180℃に比べて約40℃も高く、鉛フリーはんだを用いた実装時の半導体パッケージの表面温度は250〜260℃に達すると言われている。そのため、パッケージ内で使用される接着剤には250℃以上の温度においても膨れや剥離等の問題を発生しない、優れた耐熱性が要求されてきており、これに対応できるものの開発が望まれていた。
特開平5−218284号公報 特開平10−34819号公報
本発明者は、そこでリードフレーム固定用接着基材の接着剤に低温接着性を付与することができると、ダイボンド材としても機能するリードフレーム固定用接着基材となり、別のダイボンド材を使用する必要がなくなり、工程の簡略化が可能できると考えた。
本発明の目的は、半導体素子とリードフレームとからなる半導体パッケージ内で、ダイボンド材としての機能とリードフレーム固定用接着基材としての機能の2つの機能を併せ持つ、金属箔と接着剤とからなる金属積層体を提供することであり、詳しくは、優れた低温接着性と優れた耐熱性を併せ持つ接着剤と金属箔とからなる金属積層体を提供することである。
本出願人は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、金属箔と接着剤とからなる金属積層体において、該接着剤の熱硬化前のガラス転移温度が特定温度であり、かつ該接着剤の熱硬化後の250℃から300℃の温度範囲における弾性率が特定のものである場合、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は以下に関するものである。
(1)半導体素子とリードフレームとを含む半導体パッケージ内で使用される金属箔と接着剤とからなる金属積層体において、該接着剤の熱硬化前のガラス転移温度が30℃以上100℃以下、かつ該接着剤の熱硬化後の250℃から300℃の温度範囲における弾性率が1MPa以上100MPa以下であり、前記接着剤が、下記一般式(1)で表される繰り返し構造単位を含有する熱可塑性ポリイミドと熱硬化性樹脂とを含有する、金属積層体。
Figure 0004406271
(nは1〜50の整数を表す。Xはそれぞれ独立に炭素数2〜10のアルキル基を表し、Yは4価の有機基を表す。)
(2)上記接着剤の厚みが1μm以上100μm以下であり、かつ上記金属箔の厚みが1μm以上250μm以下である(1)記載の金属積層体
(3)(1)または(2)記載の金属積層体と、前記金属積層体の接着剤層上に積載された半導体素子とリードフレームとを含む、半導体パッケージ。
本発明の金属積層体は、優れた低温接着性と優れた耐熱性を併せ持つため、半導体素子とリードフレームとからなる半導体パッケージ内で、ダイボンド機能とリードフレーム固定機能の2つの機能を付与でき、半導体周辺材料として好適に使用することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の金属積層体で使用される接着剤は、熱硬化前のガラス転移温度が30℃以上100℃以下であり、かつ該接着剤の熱硬化後の250℃から300℃の温度範囲における弾性率が1MPa以上100MPa以下であることが必須である。
熱硬化前のガラス転移温度が30℃より低いと、タック性が顕著になり、作業性が悪く、また保存安定性が低下するため好ましくない。また、100℃を超えると、低温接着性の観点から好ましくない。
熱硬化後の250℃から300℃の温度範囲における弾性率が1MPa未満であると、接着剤あるいは被着体が吸湿している場合、その水の飽和蒸気圧が接着剤の弾性率を上回り、接着剤で発生するポップコーンと呼ばれる膨れの原因となる。また、100MPaを超えると、リフロー工程のような高温過程での冷却時に発生する半導体素子と金属箔の線膨張係数の差を緩和することができなくなり界面剥離の原因となるため好ましくない。本発明において、熱硬化後の250℃から300℃の温度範囲における弾性率が1MPa以上100MPa以下であるという意味は、熱硬化後、250℃から300℃の温度範囲のうち少なくとも一部の範囲で上記範囲内の弾性率を有するものであればよく、例えば、250℃での弾性率が上記範囲内であれば300℃での弾性率が上記範囲外となっても構わない。好ましくは250℃から300℃の範囲すべてにおいて上記範囲内であるものである。
なお、本発明において、熱硬化前とは熱硬化性樹脂の硬化が50%未満であること指し、熱硬化後とは硬化が50%以上であることを指す。硬化反応の進行の程度はDSC測定や時間分解溶融粘度測定より見積もることができる。
また、本発明において、ガラス転移温度とは固体粘弾性測定で検出されるtan δのピークを示す温度を指す。
接着剤の厚みは1μm以上100μm以下が好ましい。1μm以上であると被着体の凹凸を十分に埋め込むことができ、また十分な接着強度が得られるため好ましい。また、100μm以下の場合、接着強度が向上しやすいため好ましい。より好ましくは、5μm以上30μm以下である。
金属箔の厚みは、1μm以上250μm以下が好ましい。1μm以上であると製箔中にピンホールが発生する恐れがなく、また、250μm以下であれば高重量とならず、ハンドリング上の問題が生じることもなく好ましい。金属箔にヒートスプレッダーとしての機能を付与するのであれば50μm以上250μm以下がより好ましい。
ここで、金属箔としては、銅、ニッケル、アルミニウム及びステンレス鋼、並びにそれらの合金等が挙げられ、中でも、コスト面、熱伝導性、剛性等の観点から銅、ステンレス鋼が好適である。
本発明の金属積層体を製造する方法は特に制限されるものではなく、例えば、樹脂溶液を金属箔上に塗布した後、加熱して溶剤を揮発させる方法や、予めフィルム化した接着剤層に金属をスパッタリングする方法、予めフィルム化した接着剤層と金属箔とを貼り合わせる方法等が挙げられる。
本発明の金属積層体は、接着剤層と金属箔とを必須成分とするが、本接着剤層の上下に、1層以上の他の樹脂組成物からなる接着剤層あるいは非接着剤層が存在していても良い。
本発明の金属積層体に用いられる接着剤層は、下記一般式(1)、
Figure 0004406271
(nは1〜50の整数を表す。Xはそれぞれ独立に炭素数2〜10のアルキル基を表し、Yは4価の有機基を表す。)で表される繰り返し構造単位を含有する熱可塑性ポリイミドと熱硬化性樹脂を成分として含有することが好ましい。
上記熱可塑性ポリイミドは、下記一般式(2)
Figure 0004406271
(Yは4価の有機基を表す)で表されるテトラカルボン酸二無水物と、下記一般式(3)
Figure 0004406271
(nは1〜50の整数を表す。Xはそれぞれ独立に炭素数2〜10のアルキル基を表す。)で表されるジアミン化合物を必須成分として反応させ、得られるポリアミド酸を熱的あるいは化学的にイミド化することにより得られるものである。
一般式(2)で表されるテトラカルボン酸二無水物は特に制限はなく、従来公知のテトラカルボン酸二無水物を用いることができる。
一般式(2)の式中、Yは4価の有機基を表し、具体的には、炭素数2〜27の、脂肪族基、脂環族基、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、さらに芳香族基が直接または架橋員によって相互に連結された非縮合環式芳香族基を挙げることができる。
ここで使用されるテトラカルボン酸二無水物の具体例としては、特に限定されないが、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、オキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物、エチレングリコールビストリメリート二無水物、2,2−ビス(4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル)プロパン二無水物、α,ω−ポリジメチルシロキサンテトラカルボン酸二無水物、α,ω−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ポリジメチルシロキサン二無水物等が挙げられ、これらは単独あるいは2種以上混合して用いられる。好ましくは、オキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物である。
一般式(3)で表される両末端にo−、m−、p−アミノ安息香酸エステル基を持つジアミンは、一般式(3)で表されるものであれば、特に限定はないが、両末端が、p−アミノ安息香酸エステル基のものがより好ましい。一般式(3)中、nは1〜50の整数を表し、Yはそれぞれ独立に炭素数2〜10のアルキル基を表すが、より好ましくは、nは3〜25の整数を表し、Yはそれぞれ独立に炭素数2〜5のアルキル基を表す。
また、一般式(3)で表されるジアミンの具体例としては、例えばポリテトラメチレンオキシド−ジ−o−アミノベンゾエート、ポリテトラメチレンオキシド−ジ−m−アミノベンゾエート、ポリテトラメチレンオキシド−ジ−p−アミノベンゾエート、ポリトリメチレンオキシド−ジ−o−アミノベンゾエート、ポリトリメチレンオキシド−ジ−m−アミノベンゾエート、ポリトリメチレンオキシド−ジ−p−アミノベンゾエート等が挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、ポリテトラメチレンオキシド−ジ−p−アミノベンゾエートである。
このジアミンの全ジアミン成分に含まれる量は10モル%以上90モル%以下が好ましい。10モル%未満であるとガラス転移温度が高くなり過ぎる可能性があり、また、90モル%を超えるとガラス転移温度が低下しする場合がある。
本発明で使用できる他のジアミンとしては、例えばm−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、ビス(3−アミノフェニル)スルフィド、ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(3−アミノフェニル)スルホキシド、ビス(4−アミノフェニル)スルホキシド、ビス(3−アミノフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェニル)スルホン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ビス(3−アミノプロピル)ジシロキサン、1,1,3,3−テトラフェニル−1,3−ビス(3−アミノプロピル)ジシロキサン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル等が挙げられるが、これらに限定されない。
熱可塑性ポリイミドの製造方法としては、特に限定されず、ポリイミドを製造する公知方法を含め製造可能な方法は全て適用できる。中でも、有機溶媒中で反応を行うことが好ましい。このような反応において用いられる溶媒として、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、ジメチルスルホキシド、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、フェノール、クレゾール等が挙げられる。これらは単独あるいは2種以上混合して用いられる。
この反応における反応原料の濃度は、通常、2〜50質量%、好ましくは5〜40質量%であり、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物との反応モル比は0.8〜1.2の範囲であることが好ましい。この範囲であれば分子量が大きく、耐熱性に優れたものが得られる。
ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸の合成の反応温度は、通常、60℃以下、好ましくは50℃以下である。反応圧力は特に限定されず、常圧で十分実施できる。また、反応時間は反応原料の種類、溶媒の種類および反応温度によって異なるが、通常0.5〜24時間で十分である。本発明に係るポリイミドは、このポリアミド酸を100〜400℃に加熱してイミド化するか、または無水酢酸等のイミド化剤を用いて化学イミド化することにより、ポリアミド酸に対応する繰り返し単位構造を有するポリイミドが得られる。
また、130℃〜250℃で反応を行うことにより、ポリアミド酸の生成と熱イミド化反応が同時に進行し、本発明に係るポリイミドを得ることができる。すなわち、ジアミン成分、酸二無水物成分とを有機溶媒中に懸濁または溶解させ、130〜250℃の加熱下に反応を行い、ポリアミド酸の生成と脱水イミド化とを同時に行わせることにより、本発明に係るポリイミドを得ることができる。
本発明のポリイミドの分子量に特に制限はなく、用途や加工方法に応じ、任意の分子量とすることができる。本発明のポリイミドは、用いるジアミン、テトラカルボン酸二無水物の反応モル比を調節することにより、例えば、ポリイミドを0.5g/dlの濃度でN−メチル−2−ピロリドンに溶解した後、35℃で測定した対数粘度の値を、0.1〜3.0dl/gの任意の値とすることができる。
本発明において、ポリイミドという表現は、100%イミド化したポリイミド以外に、その前駆体であるポリアミド酸が一部共存した樹脂も含んでいる。
また、上記反応で得られたポリイミド溶液はそのまま用いても良いが、該ポリイミド溶液を貧溶媒中に投入してポリイミドを再沈析出させても良い。
熱硬化性樹脂としては、接着剤の熱硬化後の250℃から300℃の温度範囲における弾性率が1MPa以上100MPa以下になるものであることが好ましく、加熱により3次元網目構造を形成するものが更に好ましく、また硬化性の観点から、分子内に少なくとも2個のエポキシ基を含むエポキシ化合物と硬化剤とからなる樹脂が好ましい。
熱硬化性樹脂の配合量は、熱可塑性ポリイミド100重量部に対して、好ましくは1〜200重量部、より好ましくは1〜100重量部である。上記範囲内の場合、耐熱性を有し、もろくなることもなく好ましい。
分子内に少なくとも2個のエポキシ基を含むエポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールFのグリシジルエーテル、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ化合物等が挙げられる。
また、硬化剤としては、例えば、イミダゾール系硬化剤、フェノール系硬化剤、アミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤等が挙げられる。樹脂組成物の保存安定性という観点から、好ましくは、熱潜在性及び長い可使時間を有するイミダゾール系硬化剤である。
硬化剤の配合量は、エポキシ化合物100重量部に対して、0〜20重量部の範囲内であることが好ましい。20重量部を超えると樹脂溶液状態でゲルが生じやすくなり、樹脂溶液の保存安定性が著しく低下する可能性がある。
また、接着剤の熱硬化後の250℃から300℃の温度範囲における弾性率をコントロールするために、フィラーを含有させても良い。フィラーとしては、公知のものであれば特に限定されるものではないが、有機フィラーとしては、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂等の樹脂溶解溶剤に不溶になるまで高分子化あるいは架橋した微粒子タイプのフィラーが具体例として挙げられ、無機フィラーとしては、アルミナ、酸化アンチモン、フェライト等の金属酸化物の微粒子、あるいはタルク、シリカ、マイカ、カオリン、ゼオライト等のケイ酸塩類、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等の微粒子が具体例として挙げられる。上記フィラーは単独または2種以上混合して使用することができる。
上記フィラーの配合量はポリイミド100重量部に対して好ましくは0〜1000重量部、より好ましくは0〜100重量部の範囲内である。1000重量部を超えると、樹脂溶液状態でフィラーが沈降しやすくなり、樹脂溶液の保存安定性が低下する可能性がある。
また、被着体との界面接着強度の向上を目的に、カップリング剤を添加しても良い。カップリング剤は、本発明の目的を損なわないものであれば特に限定されるものではないが、樹脂溶解溶剤への溶解性が良好なものが好ましい。例えば、シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤等が具体例として挙げられる。
カップリング剤の配合量はポリイミド100重量部に対して好ましくは0〜50重量部、より好ましくは0〜30重量部の範囲内である。50重量部を超えると、耐熱性が低下する可能性がある。
本発明の金属積層体は接着剤層上に剥離性の保護フィルムがあっても良い。保護フィルムとしては、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、シリコーン処理あるいはフッ素化処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム等が挙げられ、厚みは、1〜200μm程度が好ましく、より好ましくは、10〜100μmである。
本発明の半導体パッケージは、上記金属積層体の接着剤層にリードフレームとチップが積載されてなる。一般的な積層方法としては、金属積層体の接着剤層上にリードフレームを打ち抜きながら貼り付け、その後、チップをチップマウンターで積層する。その後ワイヤーボンド工程を経て、モールド工程において封止樹脂で封止される。一般的にモールド工程はトランスファー成形機による封止樹脂の封入過程と、封止樹脂の硬化のためのポストモールドキュアと呼ばれるアフターベーク過程からなる。ポストモールドキュアは150℃〜180℃で3時間〜8時間程度であり、その過程で本発明の接着剤は完全に硬化が完了する。なお、必要に応じて、完全硬化をチップマウント工程後、ワイヤーボンド工程前に行っても良い。
以下、本発明を、実施例によりさら詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の各物性値は以下の方法により測定した。
対数粘度:熱可塑性ポリイミド(固形分換算)をN−メチル−2−ピロリドンに0.5g/dlの濃度で溶液にした後、35℃において、ウベローデ粘度計を用いて測定した。
弾性率、ガラス転移温度:窒素雰囲気下、RSA−II(レオメトリクス社製)により5℃/分昇温で固体粘弾性を測定した。この測定で検出されるtan δのピークを示す温度をガラス転移温度とした。
(熱可塑性ポリイミド合成例1)
攪拌機、窒素導入管、温度計、メシチレンを満たしたディーンスターク管を備えた300mlの五つ口のセパラブルフラスコに、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン11.00g、ポリテトラメチレンオキシド−ジ−p−アミノベンゾエート(イハラケミカル工業株式会社製、商品名:エラスマー650P、平均分子量836)47.19g、N−メチル−2−ピロリドン92g、メシチレン40gを計り取り、窒素雰囲気下で50℃に加熱し溶解させ、そこにオキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物29.48gを少量ずつ添加した。その後、窒素導入管を溶液内に挿入し(バブリング状態にし)、系内の温度を170℃〜180℃に加熱し、水を共沸除去しながら10時間保持した。冷却後、メシチレン73gを加え希釈し、熱可塑性ポリイミド(P−1)の溶液を得た。この熱可塑性ポリイミド(P−1)の対数粘度は0.44dl/gであった。
(熱可塑性ポリイミド合成例2)
攪拌機、窒素導入管、温度計、メシチレンを満たしたディーンスターク管を備えた300mlの五つ口のセパラブルフラスコに、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ビス(3−アミノプロピル)ジシロキサン(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製、BY16−871EG、分子量248.5)23.00g、ポリテトラメチレンオキシド−ジ−p−アミノベンゾエート(イハラケミカル工業株式会社製、商品名:エラスマー650P、平均分子量836)19.34g、N−メチル−2−ピロリドン83g、メシチレン36gを計り取り、窒素雰囲気下で50℃に加熱し溶解させ、そこにオキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物36.97gを少量ずつ添加した。その後、窒素導入管を溶液内に挿入し(バブリング状態にし)、系内の温度を170℃〜180℃に加熱し、水を共沸除去しながら10時間保持し、熱可塑性ポリイミド(P−2)の溶液を得た。この熱可塑性ポリイミド(P−2)の対数粘度は0.25dl/gであった。
(熱可塑性ポリイミド合成例3)
攪拌機及び窒素導入管を備えた100mlのセパラブルフラスコに、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ビス(3−アミノプロピル)ジシロキサン(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製、BY16−871EG、分子量248.5)10.00g及びN,N−ジメチルアセトアミド41gを計り取り、窒素雰囲気下において30分攪拌した。その後、オキシ−4,4’−ジフタル酸二無水物12.11gを溶液温度の上昇に注意しながら分割して加え、45℃で24時間攪拌し、熱可塑性ポリイミド(P−3)の前駆体であるポリアミド酸溶液を得た。
(熱可塑性ポリイミド合成例4)
攪拌機及び窒素導入管を備えた100mlのセパラブルフラスコに、1,3−ビス(3−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン15.66g及びN,N−ジメチルアセトアミド60gを計り取り、窒素雰囲気下において30分攪拌した。その後、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物10.27gを溶液温度の上昇に注意しながら分割して加え、45℃で24時間攪拌し、熱可塑性ポリイミド(P−3)の前駆体であるポリアミド酸溶液を得た。
(熱硬化性樹脂の配合例1)
攪拌機、窒素導入管、温度計を備えた300mlの五つ口のセパラブルフラスコに、エポキシ化合物(三井化学株式会社製、VG3101L)60gとメシチレン40gとを計り取り、窒素雰囲気下で60℃に加熱し溶解させ、室温まで冷却後、イミダゾール系硬化剤(四国化成工業株式会社、2MAOK−PW)を3g加えて、熱硬化性樹脂の溶液を得た。
(実施例1)
熱可塑性ポリイミド合成例1で得られた熱可塑性ポリイミド(P−1)8g(100重量部、固形分換算)、熱硬化性樹脂配合例1で得られた熱硬化性樹脂1.10(21重量部)、シリカ系フィラー(株式会社龍森製、1−FX)1.26g(39重量部)、メシチレン0.33gを配合し、攪拌機にて十分に混合し、樹脂組成物の溶液を得た。
この樹脂組成物の硬化前ガラス転移温度を測定するために、得られた樹脂組成物溶液を離型処理剤付きのPETフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製、A54、厚さ38μm)上にキャストし、110℃で10分間乾燥後、PETフィルムから接着剤層を剥がし、20μm厚の単層フィルムを得た。この単層フィルムを30枚重ねてプレス成形し、600μm厚の単層フィルムとし、固体粘弾性測定を行った結果、熱硬化前のガラス転移温度は70℃であった。
また、この樹脂の硬化後弾性率を測定するために、同様に作製した600μm厚の単層フィルムを180℃、無荷重、3時間加熱硬化し、固体粘弾性測定を行った結果、熱硬化後の250℃における弾性率は9.6MPaであり、300℃における弾性率は9.8MPaであった。
金属積層体は、この樹脂組成物溶液を銅箔(日本電解株式会社製、SLP−105WB、105μm厚)上に塗布し、110℃で10分間乾燥することで得た(接着剤層厚20μm)。
得られた金属積層体の低温接着性を評価するために、接着剤層上に5mm角のシリコンを載せ、80℃、0.8MPa、10秒間加熱圧着した。得られた試験片の剪断強度を、シェアテスターを用いて測定した結果、5MPaであった。
また、得られた金属積層体のはんだ耐熱性を評価するために、接着剤層上に5mm角の耐熱ガラスを載せ、80℃、0.8MPa、10秒間加熱圧着した後、180℃、無荷重、3時間加熱硬化した。得られた試験片を85℃/85%RHの恒温恒湿槽に168時間放置後、260℃のはんだ浴に3分間フロートさせたが、膨れや剥離等の不具合は見られなかった。
(実施例2)
熱可塑性ポリイミド合成例2で得られた熱可塑性ポリイミド(P−2)を使用した以外は実施例1と同様に樹脂配合して樹脂組成物を得、それを用いて金属積層体を得た。得られた金属積層体の接着性評価及びはんだ耐熱性の評価を行った。結果を表1に記載する。
(比較例1、2)
熱可塑性ポリイミド合成例3で得られた熱可塑性ポリイミド(P−3)の前駆体であるポリアミド酸溶液、あるいは熱可塑性ポリイミド合成例4で得られた熱可塑性ポリイミド(P−4)の前駆体であるポリアミド酸溶液を銅箔上に塗布し、50℃から270℃まで昇温速度7℃/分で加熱乾燥して金属積層体を得た(接着剤層厚20μm)。得られた金属積層体の接着性評価及びはんだ耐熱性の評価を行った。結果を表1に記載する。
以上より、実施例1及び2で得られた金属積層体は、熱硬化前は優れた低温接着性を、また、熱硬化後は優れたはんだ耐熱性を発現することがわかる。
Figure 0004406271
本発明の優れた低温接着性と優れた耐熱性を併せ持つ接着剤層と金属箔とからなる金属積層体は、半導体素子とリードフレームとからなる半導体パッケージ内で、ダイボンド機能とリードフレーム固定機能の2つの機能を併せ持つ半導体パッケージ用基材として好適に用いることができる。

Claims (3)

  1. 半導体素子とリードフレームとを含む半導体パッケージ内で使用される金属箔と接着剤とからなる金属積層体において、
    該接着剤の熱硬化前のガラス転移温度が30℃以上100℃以下、かつ該接着剤の熱硬化後の250℃から300℃の温度範囲における弾性率が1MPa以上100MPa以下であり、
    前記接着剤が、下記一般式(1)で表される繰り返し構造単位を含有する熱可塑性ポリイミドと熱硬化性樹脂とを含有する、金属積層体。

    Figure 0004406271
    (nは1〜50の整数を表す。Xはそれぞれ独立に炭素数2〜10のアルキル基を表し、Yは4価の有機基を表す。)
  2. 上記接着剤の厚みが1μm以上100μm以下であり、かつ上記金属箔の厚みが1μm以上250μm以下である請求項1記載の金属積層体。
  3. 請求項1または2記載の金属積層体と、前記金属積層体の接着剤層上に積載された半導体素子とリードフレームとを含む、半導体パッケージ。
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