JP4530126B2 - 接着剤組成物及び接着フイルム - Google Patents

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Description

本発明は、半導体装置の製造に用いられ、特に樹脂モールド型の半導体パッケージ用として好適な接着剤、封止材となり得る高接着力かつ低弾性率な硬化物を与える接着剤組成物、及びそれを用いた接着フイルムに関する。
半導体装置の製造工程は、IC回路が形成された大径のシリコンウエハをダイシング(切断)工程で半導体チップに切り分け、リードフレームに硬化性の液状接着剤(ダイボンド材)等で熱圧着、接着固定(マウント)し、電極間のワイヤボンディングの後、ハンドリング性や外部環境からの保護ため、封止することにより製造されている。この封止形態として、金属封止やセラミック封止などの気密封止型、樹脂による非気密封止型があるが、現在、後者の樹脂によるトランスファーモールド法が、量産性に優れ、安価なため、最も一般的に用いられている。しかし、この樹脂モールドパッケージは、前記の利点がある反面、耐湿・耐熱性、熱応力緩和性、放熱性等において劣る欠点がある。
また、近年の電気・電子機器の小型化、多機能化に伴い、電子部品の高機能化の要請から、半導体装置の配線も、より微細化、高密度化が進んでおり、半導体チップの大型化やリードフレームを有しないエリアアレイ接合型のチップと同サイズの構造(CSP)、あるいはチップの積層された構造(スタックドCSP、SiP)の半導体装置となるため、これらパッケージング(PKG)における熱衝撃(応力)も厳しいものとなってきている。
更にまた、これらの半導体装置のプリント基板への搭載実装プロセス工程において、鉛フリーはんだに対応した耐リフロー性も高温(265℃)となり、厳しいものとなってきている。このため、使用される材料の最適化・高性能化が要求されてきている。特に、パッケージング構成材料において、ダイボンド材は比較的広範囲での特性制御が可能なため、これらの要求に対して容易に対応ができることから、ダイボンド材に対して厳しい熱衝撃(応力)に対応できる高接着、低弾性率、高耐熱性の材料が求められてきている。
また、半導体チップ搭載の支持基板にも微細化が要求され、液状の接着剤では半導体チップ搭載時のチップ端からのはみ出しによる電極の汚染や接着層の厚みの不均一によるチップの傾斜によりワイヤボンドの不具合が生じるため、これらの欠点を改善できる接着剤のフイルム化も望まれてきている。
これらの接着剤として、従来、耐熱性に優れた樹脂であるポリイミドやポリアミドイミドに、シロキサン構造を導入した低弾性率材料が開発されてきた。特開平3−189127号公報(特許文献1)、特開平4−264003号公報(特許文献2)などには、いずれもシロキサン変性ポリアミドイミドが提案されている。しかしながら、これらの樹脂は接着力が十分でなく、また耐熱性も十分でない。
特開平10−60111号公報(特許文献3)には、シロキサン変性ポリアミドイミドにマレイミド基を2個以上有する化合物を配合して、高温特性を改良することが提案されているが、この樹脂組成物は接着力に劣る。
また、特開平7−224259号公報(特許文献4)、特開平8−27427号公報(特許文献5)には、ポリイミドシリコーンとエポキシ樹脂との耐熱性接着剤フイルムが提案されているが、ポリイミドシリコーンは硬化反応に関与する官能基を有しないため、接着性及びその信頼性に劣る。
この改良として、特許第3221756号公報(特許文献6)には、フェノール性水酸基を有するポリイミドシリコーンとエポキシ樹脂との耐熱性接着剤フイルムが提案されているが、フェノール性水酸基は立体的に密な位置に存在するために、エポキシ樹脂との反応が困難であり、フェノール性水酸基とエポキシ樹脂の反応によって生じる水酸基の接着効果が期待できない。
この改善として、本発明者らは、特願2002−211425号において、ポリマー骨格にエポキシ基に対する反応性の高いフェノール性の水酸基及びオルガノポリシロキサン結合を有するポリイミド樹脂を用いることを提案し、優れた接着力と低弾性を有することを確認したが、更にパッケージング(PKG)プロセス工程に基づいた特性として、接着剤層に対する封止樹脂の接着力を向上させることが望まれた。
特開平3−189127号公報 特開平4−264003号公報 特開平10−60111号公報 特開平7−224259号公報 特開平8−27427号公報 特許第3221756号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、接着性、耐熱性に優れ、かつ低弾性率な硬化物を与える接着剤組成物、及びそれを用いた接着フイルムを提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、及びエポキシ樹脂硬化触媒を含有する接着剤組成物において、該ポリイミド樹脂として、ポリマー骨格にフェノール性の水酸基及び有機置換基としてフェニル基を有するジオルガノポリシロキサン結合を有するポリイミド樹脂を用いることにより、この接着剤組成物は、高接着力、低弾性率、高耐熱を有する硬化物となり得ることを見出し、本発明をなすに至ったものである。
従って、本発明は、下記の接着剤組成物及び接着フイルムを提供する。
請求項1:
(A)テトラカルボン酸二無水物と、ジアミン化合物の混合物とを反応させて得られるポリイミド樹脂であって、
上記ジアミン化合物の混合物が、珪素原子に結合する全有機基の15モル%以上がフェニル基である下記式(1)で表されるジアミノポリシロキサンと、
下記式(2)で表されるジアミン化合物をジアミン化合物の混合物全体の5〜60質量%とを含むことを特徴とする、
ポリマー骨格にフェノール性の水酸基及び有機置換基としてフェニル基を有するジオルガノポリシロキサン結合を有するポリイミド樹脂
(式中、R1は炭素原子数3〜9の二価の有機基であり、R2〜R6は炭素原子数1〜8の非置換又はこれらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置換された置換の芳香族環を含まない一価炭化水素基であり、n,m,pは0又は1以上の整数であるが、m+pは1以上の整数であり、n+m+pは1〜50の整数である。)
(式中、R7は独立に水素原子、ハロゲン原子、又は炭素原子数1〜8の非置換もしくはこれらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部又は全部がハロゲン原子等で置換された置換一価炭化水素基である。)
(B)エポキシ樹脂
(A)ポリイミド樹脂100質量部に対して5〜200質量部、及び
(C)エポキシ樹脂硬化触媒 (B)エポキシ樹脂全量の0.1〜10質量%
を必須成分として含む接着剤組成物。
請求項2:
請求項記載の接着剤組成物を用いて得られる接着フイルム。
本発明の接着剤組成物より得られる接着フイルムは、熱圧着、加熱硬化により各種基材に高い接着力を与え、また封止樹脂に対する接着力も高く、更に低弾性率、高耐熱を有し、高信頼性の樹脂パッケージング半導体装置を製造することができる。
本発明の接着剤組成物は、(A)ポリマー骨格にフェノール性の水酸基及び有機置換基としてフェニル基を有するジオルガノポリシロキサン結合を有するポリイミド樹脂、(B)エポキシ樹脂、及び(C)エポキシ樹脂硬化触媒を必須成分として含むものであり、常温で形状を保ち、フイルム状薄膜を形成し、加熱により可塑状態を経て、硬化するもので、基材に対して優れた接着性を示し、更にその硬化物は低弾性で、封止樹脂に対する接着力が高いものである。
(A)成分のポリマー骨格にフェノール性の水酸基及び有機置換基としてフェニル基を有するジオルガノポリシロキサン結合を有するポリイミド樹脂は、下記一般式(3)で表されるその前駆体であるポリアミック酸樹脂も用いることができるが、ダイボンド工程の加熱硬化時にイミド化(脱水閉環)により水が副生し、接着面の剥離等が生じる場合があるため、予めイミド化(脱水閉環)した下記一般式(4)で表されるポリイミド樹脂を用いることが好ましい。本発明においては、低弾性率化の点から、有機置換基としてフェニル基を有するジオルガノポリシロキサン結合を骨格中に含有することが必要であり、また接着性の点からフェノール性の水酸基を骨格中に有することが必要である。
(式中、Xは芳香族環又は脂肪族環を含む四価の有機基、Yは二価の有機基、qは1〜300の整数である。)
(式中、Xは芳香族環又は脂肪族環を含む四価の有機基、Yは二価の有機基、qは1〜300の整数である。)
上記一般式(3),(4)において、qは1〜300の整数、好ましくは2〜300の整数、特には5〜300の整数である。このような繰り返し数を有する上記一般式(3)で表されるポリアミック酸樹脂は、下記の方法により容易に得ることができる。また、上記一般式(4)で表されるポリイミド樹脂については、上記一般式(3)で表されるポリアミック酸樹脂を常法により脱水、閉環することで得られる。
一般式(3)で表されるポリアミック酸樹脂は、下記構造式(5)
(但し、Xは上記と同様の意味を示す。)
で表されるテトラカルボン酸二無水物と、下記構造式(6)
2N−Y−NH2 (6)
(但し、Yは上記と同様の意味を示す。)
で表されるジアミンとを常法に従って、ほぼ等モルで有機溶剤中で反応させることによって得ることができる。
ここで、上記式(5)で表されるテトラカルボン酸二無水物の例を具体的に示すと、下記のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
なお、これら上記式(5)で表されるテトラカルボン酸二無水物は、所望により1種又は2種以上を用いてもよい。
上記式(6)で表されるジアミンのうち、好ましくは1〜80モル%、更に好ましくは1〜60モル%が、下記構造式(1)で表されるジアミノポリシロキサンであることが、有機溶剤への溶解性、基材に対する接着性、低弾性、柔軟性の点から好ましい。更に、このジアミノポリシロキサン化合物は、本発明の封止樹脂に対する接着性の点から、珪素原子に結合する全有機置換基の15モル%以上、特に20モル%以上がフェニル基であることが好ましい。
(式中、R1は炭素原子数3〜9の二価の有機基であり、R2〜R6は炭素原子数1〜8の非置換又は置換の芳香族環を含まない一価炭化水素基であり、n,m,pは0又は1以上の整数であるが、m+pは1以上の整数であり、n+m+pは1〜50の整数である。)
一般式(1)で表されるシロキサンジアミン(又はα,ω−ジアミノポリシロキサン)において、R1で表される炭素原子数3〜9の二価の有機基としては、例えば、−(CH23−,−(CH24−,−CH2CH(CH3)−,−(CH26−,−(CH28−等のアルキレン基、
等のアリーレン基、これらを組み合わせたアルキレン・アリーレン基、−(CH23−O−,−(CH24−O−等のオキシアルキレン基、
等のオキシアリーレン基やこれらを組み合わせた
等のオキシアルキレン・アリーレン基などの、エーテル酸素原子を含んでもよい二価炭化水素基が挙げられる。
2〜R6で表される炭素原子数1〜8の非置換又は置換の芳香族環を含まない一価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基、これらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部又は全部がフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子等で置換された基、例えば、クロロメチル基、ブロモエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン置換アルキル基等が挙げられ、中でもメチル基好ましい。
n,m,pは0又は1以上の整数であるが、m+pは1以上の整数であり、n+m+pは1〜50の整数、好ましくはn+m+pは1〜20の整数である。
これらの上記式(1)で表されるジアミノポリシロキサンは、所望により1種単独でも2種以上の組み合わせでも使用することができる。
更に上記式(6)で表されるジアミンのうち、上記式(1)で表されるジアミノポリシロキサン以外のジアミンとしては、例えば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,2’−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(p−アミノフェニルスルホニル)ベンゼン、1,4−ビス(m−アミノフェニルスルホニル)ベンゼン、1,4−ビス(p−アミノフェニルチオエーテル)ベンゼン、1,4−ビス(m−アミノフェニルチオエーテル)ベンゼン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[3−メチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[3−クロロ−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[3−メチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[3−クロロ−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[3,5−ジメチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[3−メチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[3−クロロ−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[3,5−ジメチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]パーフルオロプロパン等の芳香族環含有ジアミン等が挙げられ、好ましくはp−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[3−メチル−4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン等である。
また、本発明においては、接着性の点からポリイミド成分のポリマー骨格にフェノール性の水酸基を有することが必要である。この水酸基の導入は、エポキシ基と高反応性を有するフェノール性の水酸基を有するジアミン化合物を用いることにより得ることができ、このようなジアミンとしては、下記構造のものを例示することができる。
(式中、R7は独立に水素原子又はフッ素、臭素、よう素などのハロゲン原子、もしくは炭素原子数1〜8のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、トリフルオロメチル基、フェニル基などの非置換又は置換一価炭化水素基であり、各芳香族環に付いている置換基は全て同じでも構わないし、全て異なっていても構わない。ここで、nは1〜5の整数である。A,Bはそれぞれ1種でもよく、2種以上であってもよい。Rは水素原子、ハロゲン原子又は非置換もしくは置換一価炭化水素基である。)
ここで、R7の炭素原子数1〜8の置換又は非置換の一価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基等のアラルキル基、これらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部又は全部がフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子等で置換された基、例えば、クロロメチル基、ブロモエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン置換アルキル基等、またエチニル基、プロピニル基、ブチニル基、ヘキシニル基等のアルキニル基等を挙げることができる。また、Rの非置換もしくは置換一価炭化水素基も、上記R7で例示したものと同様のものを例示することができる。
本発明においては、上記フェノール性水酸基を有するジアミン化合物の中でも、特に下記式(2)で表されるジアミン化合物が好ましい。
(式中、R7は上記と同じである。)
なお、本発明において、フェノール性の水酸基を有するジアミン化合物の配合量としては、ジアミン化合物全体の5〜60質量%、特に10〜40質量%であることが好ましい。配合量が少なすぎると接着力が低くなる場合があり、また多すぎると接着剤層の柔軟性が不足する場合がある。
また、フェノール性水酸基の導入のためにフェノール性水酸基を有するモノアミンを用いることもでき、下記の構造を例示することができる。
(式中、R7は独立に水素原子又はフッ素、臭素、よう素などのハロゲン原子、もしくは炭素原子数1〜8のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、トリフルオロメチル基、フェニル基などの非置換又は置換の一価炭化水素基であり、上記R7と同様のものが例示され、各芳香族環に付いている置換基は全て同じでも構わないし、全て異なっていても構わない。Dは1種でも2種を併用してもよい。また、pは1〜3の整数である。)
フェノール性水酸基を有するモノアミンを用いる場合、この配合量としては、ジアミン化合物全体に対して1〜10モル%である。
上記アミン化合物は、これらに限定されるものではなく、またこれらのアミン化合物は所望により1種単独でも2種以上の組み合わせとしても使用することができる。
ポリアミック酸樹脂及びポリイミド樹脂の生成反応について具体的な例を挙げると、上述の出発原料を、不活性な雰囲気下で溶媒に溶かし、通常、80℃以下、好ましくは0〜40℃で反応させて、ポリアミック酸樹脂を合成する。更に得られたポリアミック酸樹脂を、通常、100〜200℃、好ましくは150〜200℃に昇温させることにより、ポリアミック酸樹脂の酸アミド部分を脱水閉環させ、目的とするポリイミド樹脂を合成する方法が採られる。
上記反応に使用する有機溶媒は、得られるポリアミック酸に不活性なものであれば、前記出発原料を完全に溶解できるものでなくともよい。例えば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド及びジメチルスルホキシドが挙げられ、好ましくは非プロトン性極性溶媒、特に好ましくはN−メチルピロリドン、シクロヘキサノン及びγ−ブチロラクトンである。これらの溶媒は、1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。
上記の脱水閉環を容易にするためには、トルエン、キシレンなどの共沸脱水剤を用いるのが望ましい。また、無水酢酸/ピリジン混合溶液を用いて低温で脱水閉環を行うこともできる。
なお、ポリアミック酸及びポリイミド樹脂の分子量を調整するために、無水マレイン酸、無水フタル酸などのジカルボン酸無水物及び/又はアニリン、n−ブチルアミン、上記に挙げたフェノール性の水酸基を有するモノアミンを添加することもできる。但し、ジカルボン酸無水物の添加量は、テトラカルボン酸二無水物100質量部当たり、通常、0〜2質量部であり、モノアミンの添加量は、ジアミン100質量部当たり、通常、0〜2質量部である。
本発明で用いられるエポキシ樹脂(B)としては、1分子中にエポキシ基を少なくとも2個有する化合物が好ましく、分子構造、分子量などは特に制限はない。このようなエポキシ化合物としては、例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン又はこのハロゲン化物のジグリシジルエーテル及びこれらの縮重合物(いわゆるビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂等)、ブタジエンジエポキシド、ビニルシクロヘキセンジオキシド、レゾルシンのジグリシジルエーテル、1,4−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ジフェニルエーテル、1,4−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)シクロヘキセン、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、1,2−ジオキシベンゼン或いはレゾルシノール、多価フェノール又は多価アルコールとエピクロルヒドリンとを縮合させて得られるエポキシグリシジルエーテル或いはポリグリシジルエステル、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等のノボラック型フェノール樹脂(或いはハロゲン化ノボラック型フェノール樹脂)とエピクロルヒドリンとを縮合させて得られるエポキシノボラック(即ち、ノボラック型エポキシ樹脂)、過酸化法によりエポキシ化したエポキシ化ポリオレフィン、エポキシ化ポリブタジエン、ナフタレン環含有エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、シクロペンタジエン型エポキシ樹脂などが挙げられる。
なお、上記のエポキシ基を1分子中に少なくとも2個有するエポキシ化合物にモノエポキシ化合物を適宜併用することは差し支えなく、このモノエポキシ化合物としては、スチレンオキシド、シクロヘキセンオキシド、プロピレンオキシド、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、オクチレンオキシド、ドデセンオキシドなどが例示される。また、用いるエポキシ樹脂は必ずしも1種類のみに限定されるものではなく、2種もしくはそれ以上を併用することができる。
(B)エポキシ樹脂の配合量は、(A)ポリイミド樹脂100質量部に対して5〜200質量部、特に10〜100質量部であることが好ましい。エポキシ樹脂の配合量が少なすぎると接着力が劣る場合があり、多すぎると接着剤層の柔軟性が不足する場合がある。
本発明の接着剤組成物には、エポキシ樹脂の硬化剤を用いることができる。この硬化剤としては、従来から知られているエポキシ樹脂用の種々の硬化剤を使用することができ、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチルアミノプロピルアミン、N−アミノエチルピペラジン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、メタキシリレンアミン、メンタンジアミン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカンなどのアミン系化合物;エポキシ樹脂−ジエチレントリアミンアダクト、アミン−エチレンオキサイドアダクト、シアノエチル化ポリアミンなどの変性脂肪族ポリアミン;ビスフェノールA、トリメチロールアリルオキシフェノール、低重合度のフェノールノボラック樹脂、エポキシ化もしくはブチル化フェノール樹脂或いは“Super Beckcite”1001[日本ライヒホールド化学工業(株)製]、“Hitanol”4010[(株)日立製作所製]、Scado form L.9(オランダScado Zwoll社製)、Methylon 75108(米国ゼネラルエレクトリック社製)などの商品名で知られているフェノール樹脂などの、分子中に少なくとも2個のフェノール性水酸基を含有するフェノール樹脂;“Beckamine”P.138[日本ライヒホールド化学工業(株)製]、“メラン”[(株)日立製作所製]、“U−Van”10R[東洋高圧工業(株)製]などの商品名で知られている炭素樹脂;メラミン樹脂、アニリン樹脂などのアミノ樹脂;式HS(C24OCH2OC24SS)n24OCH2OC24SH(n=1〜10の整数)で示されるような1分子中にメルカプト基を少なくとも2個有するポリスルフィド樹脂;無水フタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ピロメリット酸、メチルナジック酸、ドデシル無水こはく酸、無水クロレンディック酸などの有機酸もしくはその無水物(酸無水物)などが挙げられる。上記した硬化剤のうちでもフェノール系樹脂(フェノールノボラック樹脂)が、本発明の組成物に良好な成形作業性を与えるとともに、優れた耐湿性を与え、また毒性がなく、比較的安価であるので望ましいものである。上記した硬化剤は、その使用にあたっては必ずしも1種類に限定されるものではなく、それら硬化剤の硬化性能などに応じて2種以上を併用してもよい。
この硬化剤の使用量は、エポキシ樹脂を硬化させる有効量で、その具体的種類によって好適な配合量が相違するが、一般には前記エポキシ樹脂100質量部に対して1〜100質量部、好ましくは5〜50質量部の範囲であることが望ましい。硬化剤の使用量が1質量部未満では、本発明の組成物を良好に硬化させることが困難となる場合があり、逆に100質量部を超えると、経済的に不利となるほか、エポキシ樹脂が希釈されて硬化に長時間を要するようになり、更には硬化物の物性が低下するという不利が生じる場合がある。
また、本発明においては、(A)成分として骨格中にフェノール性の水酸基を有するポリイミド樹脂を用いるため、エポキシ樹脂、フェノール系樹脂硬化剤との配合比は重要である。フェノール性の水酸基とエポキシ基との反応を利用して硬化反応が行われるが、エポキシ基が少なすぎると被着体との接着力が十分でなくなるおそれがあり、また多すぎるとエポキシ樹脂により弾性率が上昇する場合があるため、柔軟な接着剤シートを作製するには不適となる。よってエポキシ樹脂とフェノール系樹脂硬化剤との混合配合量は、ポリイミド樹脂100質量部に対して1〜900質量部、好ましくは5〜400質量部であることが望ましい。
ここで、エポキシ樹脂のエポキシ基に対するフェノール系樹脂硬化剤と骨格中にフェノール性の水酸基を有するポリイミド樹脂の総和のフェノール性水酸基の化学当量比は特に制限されないが、0.7〜1.3の範囲であることが好ましく、より好ましくは0.8〜1.2である。この範囲を超えると特性の経時変化を来たす場合がある。
なお、エポキシ樹脂硬化剤としてフェノール系樹脂を用いない場合においても、ポリイミド樹脂とエポキシ樹脂との配合量及び当量比は前記と同様とすることができる。
本発明で用いるエポキシ樹脂硬化触媒(C)は特に制限はなく、例えば、リン系触媒、アミン系触媒等が例示される。
ここで、リン系触媒としては、トリフェニルホスフィン、トリフェニルホスホニウムトリフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレートや下記に示すような化合物が挙げられる。
(式中、R8〜R15は水素原子又はフッ素、臭素、よう素などのハロゲン原子、もしくは炭素原子数1〜8のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、又は炭素原子数1〜8のアルコキシ基、トリフルオロメチル基、フェニル基などの非置換もしくは置換一価炭化水素基であり、総ての置換基が同一でも、おのおの異なっていても構わない。)
ここで、R8〜R15の一価炭化水素基としては、上記R7で例示したものと同様のもの、またメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基などを挙げることができる。
また、アミン系触媒としては、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール誘導体などが挙げられる。
本発明におけるエポキシ樹脂硬化触媒は、これらの中から1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。なお、エポキシ樹脂硬化触媒(C)の配合量は、触媒量とすることができるが、(B)エポキシ樹脂全量の0.1〜10質量%、特に1〜5質量%とすることが好ましい。
更に、本発明の樹脂組成物には、本発明の効果を損わない範囲内で、シリカ微粉末、アルミナ、酸化チタン、カーボンブラック、導電性粒子等の充填剤、無機系あるいは有機系の顔料、染料等の着色剤、濡れ向上剤、酸化防止剤、熱安定剤等の添加剤などを目的に応じて添加することができる。
本発明の接着剤組成物は、上記(A)ポリイミド樹脂、(B)エポキシ樹脂、(C)エポキシ樹脂硬化触媒、及び必要によりその他の成分を常法に準じて混合することにより調製することができる。
上記で得られた本発明の接着剤組成物の使用方法は、例えば、該接着剤組成物をトルエン、シクロヘキサノン、NMPなどの非プロトン性極性溶媒に適当な濃度に溶解し、基板上に塗布、乾燥し、被着体を圧着して加熱硬化する。また、溶媒に適当な濃度に溶解した接着剤組成物を支持基材上に塗布、乾燥し、接着剤層を形成したフイルムを得(以下、これを接着フイルムとする。)、この接着フイルムを基板と被着体で挟み、圧着、加熱硬化して接着することもできる。このフイルム形成支持基材としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリテトラフルオロエチレン、紙、金属箔等、あるいはこれらの表面を離型処理したものを用いることができる。
接着剤組成物を接着剤層とした際の乾燥条件としては、常温〜200℃、特に80〜150℃で1分〜1時間、特に3〜10分間とすることが好ましい。
この接着剤層の膜厚は特に制限はなく、目的に応じて選択することができるが、10〜100μm、特に15〜50μmであることが好ましい。また、接着剤層の硬化条件としては、圧力0.01〜10MPa、特に0.1〜2MPaで圧着した後、温度100〜200℃、特に120〜180℃で30分〜5時間、特に1〜2時間とすることが好ましい。
本発明の接着剤組成物は、電子部品の製造だけでなく、接着の伴う種々の工程で用いることができる。
以下、実施例、参考例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
ポリイミド樹脂の合成
[合成例1]
環流冷却器を連結したコック付き25mlの水分定量受器、温度計、攪拌器を備えた1Lのセパラブルフラスコに、珪素原子に結合した全有機基の23.1モル%のフェニル基を含有する下記式で示されるフェニルメチルジアミノポリシロキサン83.04質量部(アミン当量692)、反応溶媒として2−メチルピロリドン80質量部を仕込み、攪拌してジアミンを分散させた。酸無水物として6FDA(2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン)44.42質量部を2−メチルピロリドン140質量部に溶解した溶液を滴下して室温にて2時間攪拌反応を行うことにより、酸無水物リッチのアミック酸オリゴマーを合成した。
次に、下記式
に示すフェノール性水酸基を有する芳香族ジアミン(ジアミン−1)19.79質量部と221.74質量部の2−メチルピロリドンを環流冷却器が連結されたコック付き25mlの水分定量受器、温度計、攪拌器を備えた1Lのセパラブルフラスコに仕込み、分散させ、前出の酸無水物リッチのアミック酸オリゴマーを滴下した後、室温で16時間攪拌し、ポリアミック酸溶液を合成した。その後、キシレン50mlを投入してから温度を上げ、約180℃で2時間環流させた。水分定量受器に所定量の水がたまっていること、水の流出が見られなくなっていることを確認し、水分定量受器にたまっている流出液を除去しながら、180℃でキシレンを除去した。反応終了後、大過剰のメタノール中に得られた反応液を滴下、ポリマーを析出させ、減圧乾燥して骨格中にフェノール性の水酸基を有するポリイミド樹脂−Iを得た。
得られたポリイミド樹脂の赤外吸光スペクトルを測定したところ、未反応の官能基があることを示すポリアミック酸に基づく吸収は現れず、1780cm-1及び1720cm-1にイミド基に基づく吸収を確認し、3500cm-1にフェノール性水酸基に基づく吸収を確認した。
[合成例2]
合成例1において、フェニルメチルジアミノポリシロキサンとして珪素原子に結合した全有機基の26.9モル%のフェニル基を含有する合成例1の構造のフェニルメチルジアミノポリシロキサン91.92質量部(アミン当量766)と2−メチルピロリドン468.38質量部(全量)を用いた以外は合成例1に準じて、ポリイミド樹脂−IIを得た。
[合成例3]
合成例1において、フェニルメチルジアミノポリシロキサンとして珪素原子に結合した全有機基の15.4モル%のフェニル基を含有する下記構造のフェニルメチルジアミノポリシロキサン79.08質量部(アミン当量659)と2−メチルピロリドン429.86質量部(全量)を用いた以外は合成例1に準じて、ポリイミド樹脂−IIIを得た。
[合成例4]
合成例1において、フェニルメチルジアミノポリシロキサンとして珪素原子に結合した全有機基の23.8モル%のフェニル基を含有する合成例1の構造のフェニルメチルジアミノポリシロキサン123.6質量部(アミン当量1236)と2−メチルピロリドン578.27質量部(全量)を用いた以外は合成例1に準じて、ポリイミド樹脂−IVを得た。
[合成例5]
合成例1において、フェニルメチルジアミノポリシロキサンとして珪素原子に結合した全有機基の11.5モル%のフェニル基を含有する合成例1の構造のフェニルメチルジアミノポリシロキサン123.6質量部(アミン当量603)と2−メチルピロリドン409.7質量部(全量)を用いた以外は合成例1に準じて、ポリイミド樹脂−Vを得た。
[合成例6]
合成例1において、フェニルメチルジアミノポリシロキサンとしてフェニル基を含有しない下記構造のジアミノポリシロキサン63.72質量部(アミン当量531)と2−メチルピロリドン383.8質量部(全量)を用いた以外は合成例1に準じて、ポリイミド樹脂−VIを得た。
[実施例1〜参考例1、比較例1]
合成例1〜6で得られたポリイミド樹脂−I〜VI、50質量部をシクロヘキサノン50質量部に溶解し、下記表1に示すこの溶液に液状エポキシ樹脂RE310SあるいはRE600NM(日本化薬社製)、イミダゾール系硬化触媒(2PZ、四国化成社製)を下記表1に示す配合量で混合し、接着剤組成物−I〜VIIIを得た。
前記で得られた接着剤組成物をフッ素シリコーン離型剤を被覆した厚さ50μmのPETフイルム上に塗布、80℃で30分間加熱乾燥し、約50μmの接着層を形成させ、接着フイルムを作製した。各接着剤組成物−I〜VIIIから作製したフイルムを接着フイルム−I〜VIIIとする。
接着フイルム−I〜VIIIを用い、硬化接着フイルムの特性(ヤング率、硬化接着剤に対する封止樹脂の接着性、Ag基板との接着性、湿熱後の接着性)を下記に示す方法により評価した。これらの結果を表1に併記する。
ヤング率
前記で得られた接着フイルムを175℃で1時間熱処理し、硬化させた。20mm×5mm×50μmのフイルムに関して動的粘弾性率を測定した。測定には動的粘弾性測定装置を用い、引張りモード、チャック間距離15mm、測定温度25℃、測定周波数30Hzの条件でヤング率を測定した。
硬化接着剤に対する封止樹脂の接着性
前記で得られた接着フイルムの接着層面を、18mm×18mmのCu試験片に80℃、0.01MPaの条件で10秒熱圧着し、固定した後、175℃で1時間加熱処理して耐熱性樹脂層を硬化させた。次いで、この接着層面に封止樹脂KMC−2520VA−1(信越化学工業製)を図1に示すように台形円錐形にトランスファー成型機を用いて175℃でモールドした後、175℃で1時間加熱処理して封止樹脂層を硬化させた。この試料をボンドテスター(英国、デイジ社製)を用いて、封止樹脂と接着剤とのせん断接着力を測定した。
Ag基板との接着性
前記で得られた接着フイルムを5mm×5mmに切断して接着層面を18mm×18mmのAgメッキされたCu板上に80℃、0.01MPaの条件で10秒熱圧着し、固定した後、PETフイルム基材を剥離して、再度18mm×18mmのAgメッキされたCu板を前記と同条件で熱圧着し、固定した。この圧着した積層体を、175℃で1時間加熱処理して耐熱性樹脂層を硬化させ、接着用試験片を作製した。その後、(株)島津製作所製のオートグラフ引張り試験機を用いて、速度2.0mm/分でせん断接着力を測定した。
湿熱後の接着性
前記の接着用試験片を85℃/85%RHの条件下で168時間保持した後、(株)島津製作所製のオートグラフ引張り試験機を用いて、速度2.0mm/分でせん断接着力を測定した。
*試験試料を作製時(封止樹脂モールド時)に剥離し、測定不能。
本発明の実施例において、接着剤と封止樹脂との接着性を測定する試料の概略斜視図である。
符号の説明
1 封止樹脂
2 接着剤
3 Cu板

Claims (2)

  1. (A)テトラカルボン酸二無水物と、ジアミン化合物の混合物とを反応させて得られるポリイミド樹脂であって、
    上記ジアミン化合物の混合物が、珪素原子に結合する全有機基の15モル%以上がフェニル基である下記式(1)で表されるジアミノポリシロキサンと、
    下記式(2)で表されるジアミン化合物をジアミン化合物の混合物全体の5〜60質量%とを含むことを特徴とする、
    ポリマー骨格にフェノール性の水酸基及び有機置換基としてフェニル基を有するジオルガノポリシロキサン結合を有するポリイミド樹脂
    (式中、R1は炭素原子数3〜9の二価の有機基であり、R2〜R6は炭素原子数1〜8の非置換又はこれらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置換された置換の芳香族環を含まない一価炭化水素基であり、n,m,pは0又は1以上の整数であるが、m+pは1以上の整数であり、n+m+pは1〜50の整数である。)
    (式中、R7は独立に水素原子、ハロゲン原子、又は炭素原子数1〜8の非置換もしくはこれらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部又は全部がハロゲン原子等で置換された置換一価炭化水素基である。)
    (B)エポキシ樹脂
    (A)ポリイミド樹脂100質量部に対して5〜200質量部、及び
    (C)エポキシ樹脂硬化触媒 (B)エポキシ樹脂全量の0.1〜10質量%
    を必須成分として含む接着剤組成物。
  2. 請求項記載の接着剤組成物を用いて得られる接着フイルム。
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