JP2008075209A - 壁装用オーバーフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】熱加工等の二次加工性に優れ、印刷等を付与する場合の乾燥工程にも十分耐えうる耐熱性を有し、熱加工によりシボ加工等の表面意匠を施した場合においても、シボ戻りを防ぎ、細く深い輪郭のしっかりした意匠を表現することができる壁装用オーバーフィルムを提供する。
【解決手段】壁紙等の建材壁装の表面材に用いられる壁装用オーバーフィルムにおいて、異なる線膨張係数を有し、非相溶系である二種類以上のプラスチック材料を含有する樹脂組成物からなり、光沢度が30%未満である表層を備えて構成されるものとし、かつ、フィルム全体の100℃での貯蔵弾性率を5.0×10MPa以上とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、住宅用等の建材壁装に使用される壁装用オーバーフィルムおよび該フィルムを備えて構成されるオーバーフィルム被覆壁紙に関する。特に、二次加工時に表面を加熱する必要がある場合において好適に使用することができる、耐熱性を有する壁装用オーバーフィルムおよび該フィルムを備えて構成されるオーバーフィルム被覆壁紙に関する。
従来の壁紙等の建材壁装としては、EVOH系の材料を主体とするものが一般的であった。例えば、特許文献1には、EVOHを50〜90重量%、CMPE5〜30重量%、および無機フィラー5〜30重量%からなる組成物を用いた壁紙が記載されている。
特開平7−258489号公報
しかし、特許文献1に記載のEVOHを主体とするような壁紙では、樹脂組成物自体の高温での貯蔵弾性率が低いため、表面に印刷等を施す場合に、印刷後の乾燥炉の温度条件が制限されるという問題があった。また、温度による弾性率依存が大きく、熱加工により壁紙等にシボ加工等の表面意匠を施す場合、シボ戻りが発生するため、細く深い輪郭のしっかりした意匠を表現するのが難しいという問題があった。
そこで、本発明は上記問題点を解決すべく、熱加工等の二次加工性に優れ、印刷等を付与する場合の乾燥工程にも十分耐えうる耐熱性を有し、熱加工によりシボ加工等の表面意匠を施した場合においても、シボ戻りを防ぎ、細く深い輪郭のしっかりした意匠を表現することができる壁装用オーバーフィルムを提供することを課題とする。
本発明者らは、本発明の壁装用オーバーフィルムは壁装材について鋭意検討した結果、異なる線膨張係数を有し、互いに非相溶系である二種類以上のプラスチック材料を配合することで、外部ヘイズを制御することができ、また、高温での貯蔵弾性率を特定範囲にすることにより、従来のEVOH系オーバーフィルムと同様の性能を維持し、耐熱性を有する機能を持つ壁装用オーバーフィルムを開発するに至った。
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
第1の本発明は、壁紙等の建材壁装の表面材に用いられる壁装用オーバーフィルムであって、異なる線膨張係数を有し、非相溶系である二種類以上のプラスチック材料を含有する樹脂組成物からなり、光沢度が30%未満である表層(10)を有し、かつ、フィルム全体の100℃での貯蔵弾性率が5.0×10MPa以上である壁装用オーバーフィルム(100)である。
本発明の壁装用オーバーフィルムは、高温での貯蔵弾性率が高い樹脂組成物を用いることにより、熱加工等の二次加工性に優れ、印刷等を付与する場合の乾燥工程にも十分耐えうる耐熱性を有する。また、耐熱性に優れていることから、表層にシボ加工等のエンボス加工を施した場合に、エンボス戻りを防ぐことができる。さらに、異なる線膨張係数を有し、非相溶系である二種類以上のプラスチック材料を含有する樹脂組成物により表層を形成しているので、表層を熱成形する際におけるプラスチック材料の収縮率差により、表層の外部ヘイズを大きくすることができる。これにより、表層の光沢度を30%未満に抑制し、意匠性の高い壁装用オーバーフィルムとすることができる。
第1の本発明の壁装用オーバーフィルム(100)において、二種類以上のプラスチック材料を含有する樹脂組成物は、ポリカーボネート樹脂を主成分とするものであることが好ましい。このような樹脂組成物で表層を形成することによって、壁装用オーバーフィルムの高温での貯蔵弾性率を上記した所定の値とすることが容易となる。
第1の本発明の壁装用オーバーフィルム(100)において、樹脂組成物は、樹脂組成物全体を100質量%として、60〜99質量%のポリカーボネート樹脂、1〜40質量%のポリオレフィン系樹脂を含有していることが好ましい。ポリオレフィン系樹脂は、ポリカーボネート系樹脂とは異なる線膨張係数を有し、非相溶系であり、かつ、入手が容易で安価である。このため、このような組成の樹脂組成物を用いることによって、外部ヘイズを向上させ、光沢度が抑制された意匠性の高いオーバーフィルムとするという効果を好適に発揮することができる。
第1の本発明の壁装用オーバーフィルム(100)において、樹脂組成物は、樹脂組成物全体を100質量%として、70〜95質量%のポリカーボネート樹脂、2.5〜15質量%のポリオレフィン系樹脂、2.5〜15質量%の相溶化剤を含有していることが好ましい。相溶化剤を添加することによって、表層をフィルムとする際におけるキャスト安定性を向上させることができる。また、このような組成で樹脂組成物を形成することによって、相溶化剤の効果を好適に発揮させつつ、本発明の効果を奏することができる表層とすることができる。
上記のポリオレフィン系樹脂は、ポリエチレン系樹脂であることが好ましい。
第1の本発明の壁装用オーバーフィルム(100)において、表層(10)の片面に熱接着層(20)が積層されていることが好ましい。熱接着層を形成することによって、以下において説明するオーバーフィルム被覆壁紙を熱接着により形成することができる。
上記の熱接着層(20)は、アクリル系樹脂からなる層であることが好ましい。アクリル系樹脂は、表層を構成するポリカーボネート樹脂および以下において説明する壁紙用原紙上に形成した層を構成するポリ塩化ビニルとの親和性が高く、接着樹脂として好ましいものである。
第二の本発明は、壁紙用原紙(40)上に形成したポリ塩化ビニル層(30)の上に、第1の本発明の壁装用オーバーフィルム(100)の熱接着層(20)が熱接着されてなる、オーバーフィルム被覆壁紙(200)である。本発明のオーバーフィルム被覆壁紙は、第1の本発明の壁装用オーバーフィルムを表面に備えており、該フィルムの効果を奏すると共に、エンボス付与機において、表層の表面にエンボスを付与しつつ、壁装用オーバーフィルムと壁紙用原紙とを熱圧着させることにより製造することができ、簡略化された工程で製造できるものである。
以下本発明を図面に示す実施形態に基づき説明する。
<壁装用オーバーフィルム100>
本発明の壁装用オーバーフィルム100は、壁紙等の建材壁装の表面材として使用されるものである。本発明の壁装用オーバーフィルム100を用いることで、壁紙等の建材壁装に意匠性、耐熱性等を付与することができる。
本発明の壁装用オーバーフィルム100は、表層10を備えて構成される。
(表層10)
表層10は、異なる線膨張係数を有し、非相溶系である二種類以上のプラスチック材料を含有する樹脂組成物からなり、光沢度が30%未満である層である。
ここで、「線膨張係数」とは、物体が温度の上昇下降によって、膨張、収縮する比率の温度変化に対する割合をいい、単位温度当りの長さの変化で表される。また、「非相溶系である」とは、プラスチック同士を混合した混合物が単一相としての巨視的な性質を示さないことをいう。例えば、二成分を混合した場合に、混合物が、混合相に対応するTgを示さずに、各相に対応する二つのTgを示すような場合をいう。
異なる線膨張係数を有し、非相溶系である二種類以上のプラスチック材料を含有することによって、熱成形時における二種以上のプラスチック材料の収縮率差により、表層10の表面に曇り模様が表出するため、外部ヘイズを向上させることが容易となる。また、それぞれのプラスチック材料の添加部数、および線膨張係数の差を調整することによって、表層10の光沢度をコントロールすることが可能になる。
表層10の光沢度は、30%未満であることが好ましく、25%未満であることがより好ましく、15%未満であることがさらに好ましい。この光沢度は、JIS K7105に準じて測定したものである。
表層10を構成する樹脂組成物は、ポリカーボネート樹脂を主成分とするものであることが好ましい。ポリカーボネート樹脂は、主鎖中に炭酸エステル結合−O−C(=O)−O−を持つ線状高分子で、一般的には2価のハイドロオキシ化合物と炭酸エステルとの縮合反応にて生成された高分子有機化合物である。製造方法としては、ホスゲン法、エステル交換法があるが、いずれの方法によって製造されたものであってもよい。また、機械物性上、耐久性の観点からポリカーボネート樹脂は、高分子量のものが好ましく、重量平均分子量として、20000〜30000程度のものが好ましい。
ポリカーボネート樹脂の含有量は、表層10を構成する樹脂組成物全体を基準(100質量%)として、好ましくは60〜99質量%、より好ましくは70〜95質量%、さらに好ましくは80〜95質量%である。
表層10の樹脂組成物は、異なる線膨張係数を有し、非相溶系である二種類以上のプラスチック材料を含有するものであるが、上記した主成分であるポリカーボネート樹脂以外の材料としては、ポリカーボネート樹脂とは異なる線膨張係数を有し、非相溶系であるプラスチック材料として、入手が容易なこと、および安価であることから、ポリオレフィン系樹脂を用いることが好ましい。
ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、リニア低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−無水マレイン酸三元共重合体、エチレン−アクリル酸エチル−無水マレイン酸三元共重合体、エチレン−メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−メタクリル酸グリシジル三元共重合体、エチレン−アクリル酸エチル−メタクリル酸グリシジル三元共重合体等が挙げられる。これらのポリオレフィン系樹脂は、単独で用いてもよいし、二種類以上を混合して用いてもよい。
また、ポリオレフィン系樹脂として、必要に応じて酸変性ポリオレフィン系樹脂を用いることもできるが、押出加工時にポリカーボネート樹脂の加水分解を引き起こして性能を低下させる場合もあるので、使用には留意が必要である。
また、中でも、ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン系樹脂を用いることが好ましく、特に、ポリカーボネートとの線膨張係数の差、コストの観点から、LDPEを用いることが好ましい。
ポリオレフィン系樹脂の含有量は、樹脂組成物全体を基準(100質量%)として、好ましくは1〜40質量%、より好ましくは5〜30質量%、さらに好ましくは5〜20質量%である。
表層10を形成する二種以上のプラスチック材料を混合する場合、例えば、ポリカーボネート樹脂とポリオレフィン系樹脂とを混合する場合、これらを混合するための加工機は特に限定されないが、ポリカーボネートの加水分解を抑制し、樹脂成分の分散性を向上させる観点から、同方向2軸押出機を使用するのが好ましく、さらには、シリンダー部に脱揮機構があり、樹脂中の水分を除去できるような同方向2軸押出機を使用することが好ましい。また、複合化した樹脂組成物は、高濃度のマスターペレットに造粒し、製膜時に希釈材料、もしくは他の材料とプリブレンドして使用しても良い。
上記の混合された樹脂組成物には、例えば、ポリカーボネート樹脂とポリオレフィン系樹脂との相溶性の高い材料である相溶化剤を添加することが好ましい。これにより、製膜時でのキャスト安定性が飛躍的に向上する。
特に、ポリカーボネート樹脂とポリオレフィン系樹脂とは完全に非相溶系なので、表層10を25μm以下のフィルムとする場合は、キャスト安定性を向上させるために、相溶化剤を添加することが好ましい。
相溶化剤としては、例えば、エチレン−メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−メタクリル酸グリシジル三元共重合体、エチレン−アクリル酸エチル−メタクリル酸グリシジル三元共重合体、グリシジル基含有熱可塑性エラストマー等が好適に使用できる。
相溶化剤を添加する場合の樹脂組成物の混合割合としては、樹脂組成物全体を100質量%として、70〜95質量%のポリカーボネート樹脂、2.5〜15質量%のポリオレフィン系樹脂、2.5〜15質量%の相溶化剤とすることが好ましい。
また、二次加工の温度条件より、加工性を考慮して、例えば、ポリカーボネート樹脂と完全相溶系であるポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)グリコール(以下、「PTCG」と省略する場合がある。)をポリカーボネート樹脂にブレンドし、アロイ化させることができる。これにより、加工適性に合わせガラス転移温度を調整することが可能で、樹脂組成物の温度−弾性率グラフにおけるゴム状平坦部を低温側にシフトさせることができ、賦形時の加工温度を調整することが可能となる。
さらに、表層10を形成する樹脂組成物には、発明の効果を損なわない程度に、充填剤を添加することができる。充填剤の種類は、特に限定されないが、アルミフィラー、ガラスファイバー等の光線反射率の高いフィラーを添加することにより、質感を向上させることが可能である。
また、表層10を形成する樹脂組成物には、フィルムの質感を損なわない程度に紫外線吸収剤を添加し耐候性を向上させても良い。紫外線吸収剤としては、市販のものを使用することが可能であり、例えば、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製の「チヌビン1577FF」を挙げることができる。
本発明の壁装用オーバーフィルム100の厚さは特に制限されないが、壁紙用途で用いる場合には、施工性を考慮し25μm以下であることが好ましく、特に、12μm程度にするのが好ましい。ただし、壁紙以外の、例えばパネル用途として使用する場合は、特に厚みに限定されるものではない。
なお、一般的にフィルムとシートとの境界は定かでなく明確に区別することは困難であり、本発明において「フィルム」という場合は、フィルムおよびシートの両方を含み、また「シート」という場合も、フィルムおよびシートの両方を含むものとする。
本発明の表層10に使用される樹脂材料は、市販のものが使用可能で、特に原料製造先に制約を受けるものではなく、主成分であるポリカーボネート樹脂としては、例えば、三菱エンジニアリングプラスチック社製のノバレックス、住友ダウ社製のカリバー等の汎用タイプで、前述にある重量平均分子量のものが好適に使用できる。
ポリオレフィン系樹脂としては、日本ポリエチレン社製のノバテック、日本ユニカー社製のNUCポリエチレン等の汎用タイプが好適に使用できる。相溶化剤としては、住友化学社製のボンドファスト、ダイセル化学社製のエポフレンド等、ポリカーボネート樹脂と相溶性が高い材料が好適に使用できる。
(熱接着層20)
本発明の壁装用オーバーフィルム100においては、表層10の片面に熱接着層20が積層されていることが好ましい。図1(a)に、表層10の片面に熱接着層20が形成された形態を示した。これにより、後に説明するように、壁紙用原紙40上に形成したポリ塩化ビニル層30と熱接着することが可能となる。熱接着層20としては、ポリカーボネート樹脂とポリ塩化ビニルとの親和性が高いアクリル系樹脂を使用することが好ましい。熱接着層20の厚みは、特に限定されず、表層10とポリ塩化ビニル層30とを接着できればよいが、例えば、1μm程度あれば十分に接着が可能である。
熱接着層20を構成するアクリル系樹脂としては、三菱レイヨン社製のアクリペット、住友化学社製のスミペックス等の汎用タイプが好適に使用できる。
<壁装用オーバーフィルム100の製造方法>
本発明の壁装用オーバーフィルム100は、表層10を構成する各材料をプリブレンドした樹脂組成物をホッパーに投入し、単軸押出機、もしくは同方向二軸押出機に投入し、溶融混練して口金より溶融キャストすることによって得ることができる。
また、熱接着層20については、表層10にアクリル系樹脂溶液を塗工したり、アクリル系樹脂フィルムを熱ラミネートしたりすることにより積層することができる。
また、表層10と熱接着層20とは、共押出による多層キャスト化によって得ることが可能である。この場合、二台の押出機とフィードブロックを利用することによって、表層10および熱接着層20からなる共押出フィルムを、1工程で得ることができ、コストの低減を図ることができる。
製造した壁装用オーバーフィルム100は、従来と同様の条件で加工が可能であり、特に加工方法が制約されることはない。
<オーバーフィルム被覆壁紙200>
本発明のオーバーフィルム被覆壁紙200は、壁紙用原紙40およびその上に形成したポリ塩化ビニル層30からなる壁紙に、上記の壁装用オーバーフィルム100の熱接着層20を熱接着して製造することができる。図1(b)に、本発明のオーバーフィルム被覆壁紙200の層構成を模式的に示した。
本発明の壁装用オーバーフィルム100を貼り付ける壁紙としては、壁紙用原紙40として、難燃紙、不織布、ガラス繊維、アスベスト紙等を用いて、その上に、ポリ塩化ビニル樹脂に、必要に応じて、可塑剤、顔料、充填剤安定剤等を配合し、さらに、必要に応じて、発泡剤を配合した樹脂組成物を塗布して、ポリ塩化ビニル層30を形成した積層体を使用することができる。
上記の壁紙におけるポリ塩化ビニル層30に、本発明の壁装用オーバーフィルム100における熱接着層20側を熱接着することによって、本発明のオーバーフィルム被覆壁紙200を製造することができる。
熱接着の方法は特に限定されないが、例えば、壁紙用オーバーフィルム100と壁紙とを重ね合わせて、壁紙用オーバーフィルム100側がエンボスロールに接触するようにして、表面にエンボス柄を付与しながら、加熱圧着する方法を挙げることができる。
(実施例1)
表層を形成する材料として、三菱エンジニアリングプラスチック社製のノバレックス7027A(線膨張係数:7×10−5/℃;以下、「PC−A」と省略する場合がある。)85質量%、日本ポリエチレン社製のノバテックLC620(線膨張係数:13×10−5/℃;以下、「PO−A」と省略する場合がある。)7.5質量%、ダイセル化学社製のエポフレンドAT501(以下、「相溶化剤A」と省略する場合がある。)7.5質量%をプリブレンドし、280℃の樹脂温度設定になるように同方向2軸押出機に投入した。また、熱接着層を形成する材料として、三菱レイヨン社製のアクリペットを単軸押出機にて250℃の樹脂温度設定にして、フィードブロック方式にて12μmの2種2層フィルムである壁装用オーバーフィルムを得た。表層と熱接着層との層厚の比率は5:1とした。
次に、壁紙用原紙に、PVCのペーストゾル100質量部、フタール酸系可塑剤50質量部、充填剤100質量部、酸化チタン20質量部、安定剤2質量部、発泡剤3質量部を配合した材料を塗布し、180℃で30秒間、発泡化させてPVC壁紙を得た。そして、上記で得た壁装用オーバーフィルムの熱接着層を壁紙のPVC面に合わせて、フィルム表面温度が160℃になるよう加熱して貼り合わせた後、これをエンボスロールに通して、壁装用オーバーフィルム側にシボ加工を施し、オーバーフィルム被覆壁紙を得た。
(実施例2)
実施例1において、ダイセル化学社製のエポフレンドAT501を住友化学社製のボンドファスト2B(以下、「相溶化剤B」と省略する場合がある。)に変更し、表層を形成する材料の温度設定を250℃にした以外は、実施例1と同様にして、壁装用オーバーフィルムおよびオーバーフィルム被覆壁紙を得た。
(実施例3)
実施例1において、三菱エンジニアリングプラスチック社製のノバレックス7027Aを住友ダウ社製のカリバー303(線膨張係数:7×10−5/℃;以下、「PC−B」と省略する場合がある。)、日本ポリエチレン社製のノバッテックLC620を出光石油社製のIDEMITSU PP F744NP(線膨張係数:11×10−5/℃;以下、「PO−B」と省略する場合がある。)に変更した以外は、実施例1と同様にして、壁装用オーバーフィルムおよびオーバーフィルム被覆壁紙を得た。
(実施例4)
実施例1において、表層を形成する材料の配合割合を、PC−Aを90質量%、PO−Aを5質量%、相溶化剤Aを5質量%とした以外は、実施例1と同様にして、壁装用オーバーフィルムおよびオーバーフィルム被覆壁紙を得た。
(比較例1)
壁装用オーバーフィルムとして、市販の壁紙用EVOHフィルム(クラレ社製、HM−F、12μm)を用いて、実施例1と同様にしてオーバーフィルム被覆壁紙を製造した。なお、当該フィルムは接着層として酢酸ビニル層が塗布されているものである。
(比較例2)
表層を形成する材料としてPC−Aのみを用いて、熱接着層を積層せずに、壁装用オーバーフィルムを作製した。また、該壁装用オーバーフィルムを用いて、実施例1と同様にしてオーバーフィルム被覆壁紙を得た。
<評価基準>
上記の実施例および比較例にて得られた壁装用オーバーフィルムおよびオーバーフィルム被覆壁紙について、以下の評価基準により評価した。
(賦形性)
シボ加工後のシボ転写性(賦形性)を、目視によって、以下の基準により評価した。なお、賦形性については、クラレ社製壁紙用オーバーフィルム(HM−F、12μm)を用いて同様の加工を行った場合を現行品レベルとし、これと比較して評価した。
優:現行品レベル以上。
良:現行品レベル。
可:現行品レベル以下だが、実用上使用可能レベル。
不可:現行品レベルと大差があり、実用使用可能レベル以下。
(接着強度)
シボ加工後の壁紙を10mm幅の短尺のシートとして、10mm/分の速度にてT型剥離によって剥離評価を実施し、壁装用オーバーフィルムとPVC壁紙との層間接着性を以下の基準により評価した。
優:フィルム破断。
可:界面剥離、剥離口無しでは剥離できず、実用上使用可能レベル。
不可:界面剥離、ピール強度が低く、剥離口無しでも剥離可能で実用使用可能レベル以下。
(光沢度)
光沢度は、デジタル変角光沢計(スガ試験機製装置:型式UGV−5DP型)を用い、JIS K7105に準じて入射角度60°にて測定した。その結果を次の基準により評価した。
優:光沢度15%未満。
良:光沢度15%以上、25%未満。
可:光沢度25%以上、30%未満。
不可:光沢度30%以上。
(弾性率)
得られた壁装用オーバーフィルムについて、動的粘弾性測定装置(アイティ計測定制御社製)を用い、変形モード:引っ張り、温度:−100℃〜測定限界温度、昇温速度:3℃/分の各条件で測定し、100℃における貯蔵弾性率(E’)を求めた。
(収縮率)
得られた壁装用オーバーフィルム(幅1000mm)をグラビアコーターにて、乾燥温度120℃、速度50m/分の条件で素通しすることによって加熱処理を行い、その後の幅方向の収縮率を測定した。
Figure 2008075209
表1から明らかなように、実施例1〜4において、すべての評価項目において良好な結果を示し、本発明の壁装用オーバーフィルムを用いることにより、実用可能なオーバーフィルム被覆壁紙を提供することが可能であることがわかった。これに対して、比較例1においては、100℃におけるフィルムの貯蔵弾性率が低く、賦形性が他の例に比べて劣っていた。また、収縮率が大きく、耐熱性が低く、印刷加工等の乾燥条件に耐えることができないものであった。また、比較例2においては、フィルムがPCのみからなり、光沢度が30以上であって、外部ヘイズを大きくすることができず、意匠性に乏しいものであり、また、壁紙との接着強度が劣ったものであった。
以上、現時点において、もっとも、実践的であり、かつ、好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う壁装用オーバーフィルム、およびオーバーフィルム被覆壁紙もまた本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
(a)は、壁装用オーバーフィルム100の層構成を示す図である。(b)は、オーバーフィルム被覆壁紙200の層構成を示す図である。
符号の説明
10 表層
20 熱接着層
30 ポリ塩化ビニル層
40 壁紙用原紙

Claims (8)

  1. 壁紙等の建材壁装の表面材に用いられる壁装用オーバーフィルムであって、異なる線膨張係数を有し、非相溶系である二種類以上のプラスチック材料を含有する樹脂組成物からなり、光沢度が30%未満である表層を有し、かつ、フィルム全体の100℃での貯蔵弾性率が5.0×10MPa以上である壁装用オーバーフィルム。
  2. 前記樹脂組成物が、ポリカーボネート樹脂を主成分とするものである、請求項1に記載の壁装用オーバーフィルム。
  3. 前記樹脂組成物が、樹脂組成物全体を100質量%として、60〜99質量%のポリカーボネート樹脂、1〜40質量%のポリオレフィン系樹脂を含有している、請求項1または2に記載の壁装用オーバーフィルム。
  4. 前記樹脂組成物が、樹脂組成物全体を100質量%として、70〜95質量%のポリカーボネート樹脂、2.5〜15質量%のポリオレフィン系樹脂、2.5〜15質量%の相溶化剤を含有している、請求項1または2に記載の壁装用オーバーフィルム。
  5. 前記ポリオレフィン系樹脂が、ポリエチレン系樹脂である、請求項3または4に記載の壁装用オーバーフィルム。
  6. 前記表層の片面に熱接着層が積層されている、請求項1〜5のいずれかに記載の壁装用オーバーフィルム。
  7. 前記熱接着層がアクリル系樹脂からなる層である、請求項6に記載の壁装用オーバーフィルム。
  8. 壁紙用原紙上に形成したポリ塩化ビニル層の上に、請求項6または7に記載の壁装用オーバーフィルムの熱接着層が熱接着されてなる、オーバーフィルム被覆壁紙。
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