JP2016199025A - 意匠性積層シート、及び意匠性積層シート被覆金属板 - Google Patents
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Abstract
【課題】生産性に優れ、内部のエンボスを視認可能な深み感と立体感のを有する意匠性積層シート及び意匠性積層シート被覆金属板の提供。【解決手段】透明二軸延伸ポリエステル系樹脂層(A層)21、180℃の溶融粘弾性が10〜3000Paであるホットメルト型接着性樹脂を熱融着する接着層(B層)22、B層22と積層される側の表面にエンボスによる凹凸意匠を有する層(C層)、の少なくとも3層を順次積層する意匠性積層シート。C層が、少なくとも基材層(C−1層)23、着色層(C−2層)24、透光性のある虹彩色層(C−3層)25を有する層であり、B層22と接着する前記C−3層25はその上面に最大高さRaが20〜250μmのエンボスが形成され、C−3層25の全樹脂成分の50質量%以上が無配向結晶性ポリエステル系樹脂であり、意匠性積層シートに金属板27を積層する意匠性積層シート被覆金属板。【選択図】図2
Description
本発明は、内部エンボスを有する意匠性積層シート、及びこの意匠性積層シートで被覆した意匠性積層シート被覆金属板に関する。
従来、建築内装材用途に使用されてきた意匠性樹脂シート被覆金属板としては、いわゆる鏡面意匠タイプのものと、表面に凹凸状の柄模様を形成したエンボス意匠タイプのものがある。鏡面意匠タイプのものは、金属板表面をポリオレフィン系樹脂又はポリエステル系樹脂からなる基材シート上に絵柄層を施し、さらにその上に透明性、平滑性に優れた樹脂フィルムで被覆したものである。また、エンボス意匠タイプのものは、金属板表面を、表面にエンボスを施したポリオレフィン系樹脂又はポリエステル系樹脂などのシートで被覆したものである。
近年、建築内装材用途に使用される意匠性樹脂シート被覆金属板は、より優れた意匠性、例えば、目視した際に深み感、立体感の印象を与える(または感じる)意匠が求められている。深み感、立体感などの印象を与えることができる構造の被覆樹脂シート層は、透明または半透明で、平滑性に優れた表面の被覆樹脂シート層を通して、被覆樹脂シート層の内部(金属板側)に存在する凹凸状柄模様(またはエンボス模様)が視認できる構造とされている。被覆樹脂シート層の内部(金属板側)に存在する凹凸状柄模様は、内部エンボスと呼称されることがある。
例えば、特許文献1には透明性接着剤層に水性樹脂エマルション、電離放射硬化型樹脂又は、熱硬化性樹脂を用いて絵柄模様層と透明ポリエステル系樹脂層が積層された意匠鋼板が開示されている。
特許文献2には接着剤として紫外線硬化型及びイソシアネート末端ウレタンポリマーとの混合物を使用し、エンボス柄の形成された高意匠性樹脂シートと透明二軸延伸ポリエステルシートを積層した意匠鋼板が公開されている。
しかし、特許文献1に記載の方法では、水性樹脂エマルションでは厚塗りできないことや電離放射硬化型樹脂及び、熱硬化性樹脂では乾燥工程を必要とするため、乾燥後の接着層の厚さが薄くなり、深いエンボスを埋めることが困難であることが課題となる。
また、特許文献2に記載の方法では、無溶剤系の接着剤を使用しているため乾燥工程が不要であり、厚塗りが可能であるが、紫外線を照射し硬化させるためのラインが必要であり、製造コストが増大するといった課題がある。
さらに、表層の平滑性に優れた樹脂シートを貼り合せる際に、樹脂シートの厚みが薄いとエンボス柄の凹凸に追従して波うちが発生することがあるが、紫外線硬化型であるため貼り合せた後は硬化しており鏡面処理を施すことは難しく、表層の樹脂シートが薄いと意匠性が低下してしまうことが問題となる。
本発明者らは、上記状況を鑑み、従来技術の上記欠点を排除し、生産性に優れ、平滑で透明な表面を通して、内部のエンボスを目視した際に視認することができる深み感かつ立体感のある意匠を有する内部エンボス構成の意匠性積層シート、及び該意匠性積層シートを用いた意匠性積層シート被覆金属板を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、接着層を内部エンボス構成の凸部が完全に埋まる厚み以上の厚みを有し、かつホットメルト型接着性樹脂を熱融着させるとことにより得られる層とすることにより、生産性に優れ、且つ深み感かつ立体感のある意匠を有する内部エンボス構成の意匠性積層シートを見出し、本発明を達成するに至った。
即ち、本発明は、以下を要旨とする。
[1]透明二軸延伸ポリエステル系樹脂層(A層)、接着層(B層)、前記B層と積層される側の表面にエンボスによる凹凸意匠を有する層(C層)、の少なくとも3層を順次積層されてなる意匠性積層シートであって、
前記B層が、前記C層のエンボス凸部が完全に埋まる厚み以上の厚みを有し、かつホットメルト型接着性樹脂を熱融着させることにより得られる層であり、
前記ホットメルト型接着性樹脂は、下記(a)の溶融粘弾性特性を有し、
(a)180℃における溶融粘弾性(G’(180℃))が、10Pa以上3000Pa以下
かつ、前記C層が、少なくとも基材層(C−1層)、着色層(C−2層)、透光性のある虹彩色層(C−3層)を有する層であり、前記C−3層は、C−3層の全樹脂成分の質量を100質量%として、50%以上無配向の結晶性ポリエステル系樹脂とする層であり、
前記B層と前記C−3層とが接着しており、該前記C−3層上面に、最大高さRaが20〜250μmのエンボスが形成されることを特徴とする、意匠性積層シート。
[2]前記ホットメルト型接着性樹脂は、下記(b)又は(c)の溶融粘弾性特性の少なくとも一つを有する、[1]に記載の意匠性積層シート。
(b)160℃における溶融粘弾性(G’(160℃))が30Pa以上8000Pa以下
(c)200℃における溶融粘弾性(G’(200℃))が10Pa以上3000Pa以下
[3]前記接着層(B)がポリエステル系樹脂及び/又はポリオレフィン系樹脂を含む、[1]又は[2]に記載の意匠性積層シート。
[4][1]〜[3]のいずれか一項に記載の意匠性積層シート及び金属板(D)を有し、前記意匠性積層シートのC層側の表面が金属板に積層されている、意匠性積層シート被膜金属板。
[1]透明二軸延伸ポリエステル系樹脂層(A層)、接着層(B層)、前記B層と積層される側の表面にエンボスによる凹凸意匠を有する層(C層)、の少なくとも3層を順次積層されてなる意匠性積層シートであって、
前記B層が、前記C層のエンボス凸部が完全に埋まる厚み以上の厚みを有し、かつホットメルト型接着性樹脂を熱融着させることにより得られる層であり、
前記ホットメルト型接着性樹脂は、下記(a)の溶融粘弾性特性を有し、
(a)180℃における溶融粘弾性(G’(180℃))が、10Pa以上3000Pa以下
かつ、前記C層が、少なくとも基材層(C−1層)、着色層(C−2層)、透光性のある虹彩色層(C−3層)を有する層であり、前記C−3層は、C−3層の全樹脂成分の質量を100質量%として、50%以上無配向の結晶性ポリエステル系樹脂とする層であり、
前記B層と前記C−3層とが接着しており、該前記C−3層上面に、最大高さRaが20〜250μmのエンボスが形成されることを特徴とする、意匠性積層シート。
[2]前記ホットメルト型接着性樹脂は、下記(b)又は(c)の溶融粘弾性特性の少なくとも一つを有する、[1]に記載の意匠性積層シート。
(b)160℃における溶融粘弾性(G’(160℃))が30Pa以上8000Pa以下
(c)200℃における溶融粘弾性(G’(200℃))が10Pa以上3000Pa以下
[3]前記接着層(B)がポリエステル系樹脂及び/又はポリオレフィン系樹脂を含む、[1]又は[2]に記載の意匠性積層シート。
[4][1]〜[3]のいずれか一項に記載の意匠性積層シート及び金属板(D)を有し、前記意匠性積層シートのC層側の表面が金属板に積層されている、意匠性積層シート被膜金属板。
本発明の意匠性積層シートによれば、内部エンボスを形成する意匠性積層シート層上面に透光性のある虹彩色層を有しているので、目視する角度により反射光が違って認識されるので、目視した際に深み感及び、立体感の印象を与えることができ、且つ、C−3層の全樹脂成分の質量を100質量%として、50質量%以上無配向の結晶性ポリエステル系樹脂とすることで、高温での貼り合せを必要とするホットメルト型の接着性樹脂を用いてもエンボスの凹凸が消失することなく内部エンボス化ができ、さらに、二次加工する際に、積層樹脂シートに亀裂が生じることがなく、金属板と意匠性積層シートとの界面が剥離することもなく、生産性に優れた意匠性積層シートおよび意匠性積層シート被膜金属板を提供することができ、本発明の工業的価値が高い。
以下に、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施形態の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を超えない限り、これらの内容に特定されない。 なお、本発明の意匠性積層シートの各層として用いる樹脂「シート」は、その厚み範囲からすると「フィルム及びシート」と記すのがより正しいが、ここでは一般的には「フィルム」と呼称する範囲に関しても便宜上「シート」という単一呼称を用いた。
本発明の意匠性積層シートは、透明二軸延伸ポリエステル系樹脂層(A層)、接着層(B層)、前記B層と積層される側(C−3層)の表面にエンボスによる凹凸意匠を有する層(C層)、の少なくとも3層を順次積層されてなる意匠性積層シート(多層樹脂シート層(S層))であり、
前記B層が、前記C層のエンボス凸部が完全に埋まる厚み以上の厚みを有し、かつホットメルト型接着性樹脂を熱融着させることにより得られる層であり、前記ホットメルト型接着性樹脂は、下記(a)の溶融粘弾性特性を有し、
(a)180℃における溶融粘弾性(G’(180℃))が、10Pa以上3000Pa以下
前記C層が少なくとも基材層(C−1層)、着色層(C−2層)、透光性のある虹彩色層(C−3層)を有する層であり、前記C−3層は、C−3層の全樹脂成分の質量を100質量%として、50%以上無配向の結晶性ポリエステル系樹脂とする層であり、前記B層と前記C−3層とが接着しており、該前記C−3層上面に、最大高さRaが20〜250μmのエンボスが形成される意匠性積層シートである。
前記B層が、前記C層のエンボス凸部が完全に埋まる厚み以上の厚みを有し、かつホットメルト型接着性樹脂を熱融着させることにより得られる層であり、前記ホットメルト型接着性樹脂は、下記(a)の溶融粘弾性特性を有し、
(a)180℃における溶融粘弾性(G’(180℃))が、10Pa以上3000Pa以下
前記C層が少なくとも基材層(C−1層)、着色層(C−2層)、透光性のある虹彩色層(C−3層)を有する層であり、前記C−3層は、C−3層の全樹脂成分の質量を100質量%として、50%以上無配向の結晶性ポリエステル系樹脂とする層であり、前記B層と前記C−3層とが接着しており、該前記C−3層上面に、最大高さRaが20〜250μmのエンボスが形成される意匠性積層シートである。
本発明の意匠性積層シートによれば、内部エンボスを形成する意匠性積層シート層上面に透光性のある虹彩色層を有しているので、目視する角度により反射光が違って認識されるので、目視した際に深み感及び、立体感の印象を与えることができ、且つ、C−3層の全樹脂成分の質量を100質量%として、50質量%以上無配向の結晶性ポリエステル系樹脂とすることで、高温での貼り合せを必要とするホットメルト型の接着性樹脂を用いてもエンボスの凹凸が消失することなく内部エンボス化ができ、さらに、二次加工する際に、積層樹脂シートに亀裂が生じることがなく、金属板と意匠性積層シートとの界面が剥離することもなく、生産性に優れる点で好ましい。
<透明二軸延伸ポリエステル系樹脂層(A層)>
透明二軸延伸ポリエステル系樹脂層(A層)は、二軸延伸された透明ポリエステル系樹脂シートによって構成する。
透明二軸延伸ポリエステル系樹脂層(A層)は、二軸延伸された透明ポリエステル系樹脂シートによって構成する。
本発明におけるA層のポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンイソフタレート(PEI)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、エチレンテレフタレート単位を主体とするポリエチレンテレフタレート・エチレンイソフタレート共重合体(PETI)、ポリブチレンテレフタレートイソフタレート共重合体(PBTI)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリシクロヘキサンジメタノール−コ−エチレンテレフタレート(PETG)、ポリブチレンナフタレート(PBN)などが挙げられる。これらのポリエステル系樹脂は単独でも2種以上組み合わせてもよい。
中でも、透明性や平滑性、表面の耐傷入り、耐薬品性などの観点から、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート樹脂が好適である。
このポリエステル系樹脂シートの厚さは、20〜200μmの範囲が好ましい。厚さが20μm未満であると、表面硬度が確保できず耐傷つき性が低下してしまい、200μmを超えると意匠性積層シート被覆金属板としての加工性が低下する。上記範囲で特に好ましいのは、50〜150μmである。
二軸延伸ポリエステル系樹脂シートは、市販されているものを入手して使用することができ、高透明グレードや易接着処理グレードのいずれでもよい。また、後述するC−3層に施されたエンボス意匠の視認を妨げない範囲で、バックプリントと称される裏面印刷を施したものでもよく、同様に艶消し剤などを配合して艶消しした二軸延伸ポリエステル系樹脂シートでもよい。
<接着層(B層)>
接着層(B層)は、ホットメルト型接着性樹脂を熱融着させることにより得られる層である。
<接着層(B層)>
接着層(B層)は、ホットメルト型接着性樹脂を熱融着させることにより得られる層である。
B層を構成するホットメルト型接着性樹脂としては、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂などが挙げられる。中でも、耐熱性及び二軸延伸ポリエステル系樹脂シートとの接着性の点から、ポリエステル系樹脂が好ましく、耐加水分解性の点からポリオレフィン系樹脂が好ましい。
前記ホットメルト型接着性樹脂は、下記(a)の溶融粘弾性特性を有する。
(a)180℃における溶融粘弾性(G’(180℃))が、10Pa以上3000Pa以下
前記G’(180℃)は、より好ましくは30Pa以上2500Pa以下であり、特に好ましくは40Pa以上2000Pa以下である。
前記G’(180℃)が上記範囲にあることにより、前記A層及び/又は前記C層との間に気泡を有すること無く、製膜性が向上する点で好ましい。
前記ホットメルト型接着性樹脂は、下記(a)の溶融粘弾性特性を有する。
(a)180℃における溶融粘弾性(G’(180℃))が、10Pa以上3000Pa以下
前記G’(180℃)は、より好ましくは30Pa以上2500Pa以下であり、特に好ましくは40Pa以上2000Pa以下である。
前記G’(180℃)が上記範囲にあることにより、前記A層及び/又は前記C層との間に気泡を有すること無く、製膜性が向上する点で好ましい。
さらに、前記ホットメルト型接着性樹脂は、下記(b)又は(c)の溶融粘弾性特性の少なくとも一つを有することが好ましく、下記(b)及び(c)の溶融粘弾性特性を有することが特に好ましい。
(b)160℃における溶融粘弾性(G’(160℃))が30Pa以上8000Pa以下
(c)200℃における溶融粘弾性(G’(200℃))が10Pa以上3000Pa以下
前記G’(160℃)は、60Pa以上5000Pa以下がより好ましく、特に好ましくは80Pa以上3000Pa以下である。また、前記G’(200℃)が20Pa以上2500Pa以下がより好ましく、特に好ましくは30Pa以上1500Pa以下である。
前記G’(160℃)及び/又は前記G’(200℃)が上記範囲内にあることで、前記A層及び/又は前記C層との間に気泡を有すること無く、製膜性が向上する点で好ましい。
(b)160℃における溶融粘弾性(G’(160℃))が30Pa以上8000Pa以下
(c)200℃における溶融粘弾性(G’(200℃))が10Pa以上3000Pa以下
前記G’(160℃)は、60Pa以上5000Pa以下がより好ましく、特に好ましくは80Pa以上3000Pa以下である。また、前記G’(200℃)が20Pa以上2500Pa以下がより好ましく、特に好ましくは30Pa以上1500Pa以下である。
前記G’(160℃)及び/又は前記G’(200℃)が上記範囲内にあることで、前記A層及び/又は前記C層との間に気泡を有すること無く、製膜性が向上する点で好ましい。
ポリエステル系樹脂の酸成分の例としては、テレフタル酸(TPA)、イソフタル酸(IPA)、マロン酸、コハク酸、アジピン酸(AA)、アゼライン酸、セバシン酸(SA)等の脂肪族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2,6−デカリンジカルボン酸、1,4−デカリンジカルボン酸、1,5−デカリンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸及びそのエステル形成性誘導体等の多環式エステル形成性誘導体等が挙げられる。これらの酸成分は単独でも2種以上組み合わせてもよい。
ポリエステル系樹脂のグリコール成分の例としては、エチレングリコール(EG)、ジエチレングリコール(DEG)、ネオペンチルグリコール(NPG)、1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ポリテトラメチレングリコール(PTMG)、ε−カプロラクトン、ポリカーボネートジオール等が挙げられる。これらのグリコール成分は単独でも2種以上組み合わせてもよい。
ポリオレフィン系樹脂の例としては、ポリプロピレン系樹脂、ブテン系樹脂、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超高密度ポリエチレンなどのポリエチレン系樹脂、酢酸ビニルエチレン共重合体、エチレンプロピレン共重合体などの共重合体が挙げられる。これらは単独でも複数種の併用であっても良い。
中でも耐熱性、透明性の点からポリプロピレン、低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、及びそれらの共重合体が好ましい。
本発明における接着層(B層)に含まれるポリエステル系樹脂及びポリオレフィン系樹脂の融点(JIS K 7121)は80〜160℃の範囲が好ましく、85〜150℃である。
融点が80℃以上であることで、製品として使用時の耐熱性を確保でき、融点が160℃以下であることで、前記C層と前記A層とをB層を熱融着させることにより積層させる際の温度が高くなりC−3層側に形成されたエンボスが変形、消失してしまう虞が低くなる。
融点が80℃以上であることで、製品として使用時の耐熱性を確保でき、融点が160℃以下であることで、前記C層と前記A層とをB層を熱融着させることにより積層させる際の温度が高くなりC−3層側に形成されたエンボスが変形、消失してしまう虞が低くなる。
特に、本発明における接着層(B層)に含まれるポリエステル系樹脂は、示差走査熱量測定(条件:昇温速度10℃/min)における融解ピークが20J/g以下であることが好ましい。融解ピークが20J/g以上だと、B層の結晶性が高すぎる為不透明になり、層に形成されたエンボスの視認性を低下させることがある。
ホットメルト型接着性樹脂を熱融着させる方法としては、特段の制限はないが、押出ラミネート法、ダブリング法、プレス法などが挙げられるが、中でも押出ラミネート法が好ましい。熱融着させる際の温度としては、通常該接着性樹脂の融点以上230℃以下である。
上記接着層を用いることにより、インナーエンボス化された多層樹脂シート(S層)となった後も鏡面処理を施すことができ、より平滑性に優れた意匠性の高いシートを得ることができる。
B層は、後述するC−3層の表面に付与されたエンボス凸部が完全に埋まる厚み以上の厚みを有するものである。これはB層の熱融着による接着後、冷却時にB層の厚み方向に収縮が多少発生した場合のA層との接着不足や気泡入りを防止するためである。
B層の厚みがC−3層のエンボス凸部の高さより低い場合は、エンボスの凹凸が埋められないためA層との接着が十分に確保できず、また気泡入り等の問題が発生する。B層の厚みがC−3層のエンボス凸部の高さとほぼ同等な場合も、冷却時の収縮が起こった場合にエンボスの凹凸が埋められずに気泡入り等の問題が発生する。
B層の厚みがC−3層のエンボス凸部の高さより低い場合は、エンボスの凹凸が埋められないためA層との接着が十分に確保できず、また気泡入り等の問題が発生する。B層の厚みがC−3層のエンボス凸部の高さとほぼ同等な場合も、冷却時の収縮が起こった場合にエンボスの凹凸が埋められずに気泡入り等の問題が発生する。
後述するように、C−3層のエンボス意匠による立体感を得るためには、C−3層に付与されるエンボスは、最大高さ(Rmax)で20μm以上あることが好ましい。よって、B層は少なくともこれを超える厚みを有する必要がある。
<接着層(B層)と積層される側の表面にエンボスによる凹凸意匠を有する層(C層)>
接着層(B層)と積層される側の表面にエンボスによる凹凸意匠を有する層(C層)は少なくとも基材層(C−1層)、着色層(C−2層)、透光性のある虹彩色層(C−3層)を有する層である。
接着層(B層)と積層される側の表面にエンボスによる凹凸意匠を有する層(C層)は少なくとも基材層(C−1層)、着色層(C−2層)、透光性のある虹彩色層(C−3層)を有する層である。
基材層(C−1層)、着色層(C−2層)、透光性のある虹彩色層(C−3層)は積層一体化された状態で、接着層(B層)と接触する側(C−3層)の表面にエンボスによる凹凸状模様が形成されることが、エンボス模様の深み感、立体感を際立たせ、視認性、視覚性を向上させるように機能できる点及び後述する意匠性積層シート被覆金属板に高意匠性を付与できる点で好ましい。
基材層(C−1層)は、後述する着色層(C−2層)との密着性がよく、エンボス加工による凹凸状模様の付与が容易であり、後述する意匠性積層シート被覆金属板としての二次加工性が確保され、接着層(B層)を用いた透明二軸延伸ポリエステル系樹脂シート(A層)との積層時にC層が変形する恐れがないもの、または後述する接着剤層(E層)を用いた金属板(D層)との積層時に多層樹脂シート層(S層)が変形するおそれがない熱可塑性樹脂であれば制限がない。
このような熱可塑性樹脂として無配向のポリエステル系樹脂が挙げられる。なお、無配向という表現は、シートに何らかの性能を付与するために意図して延伸操作等の配向処理を行ったものではないことであり、押出し製膜時にキャスティングロールによる引き取り(ドロー)で発生するような配向等まで存在していないという意味ではない。
このような熱可塑性樹脂として無配向のポリエステル系樹脂が挙げられる。なお、無配向という表現は、シートに何らかの性能を付与するために意図して延伸操作等の配向処理を行ったものではないことであり、押出し製膜時にキャスティングロールによる引き取り(ドロー)で発生するような配向等まで存在していないという意味ではない。
ポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンイソフタレート(PEI)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、エチレンテレフタレート単位を主体とするポリエチレンテレフタレート・エチレンイソフタレート共重合体(PETI)、ポリブチレンテレフタレートイソフタレート共重合体(PBTI)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリシクロヘキサンジメタノール−コ−エチレンテレフタレート(PETG)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、およびこれらの樹脂を2種以上混合したブレンド物などが挙げられる。
C−1層を構成する樹脂には、本発明の目的を損なわない範囲で、各種の樹脂添加剤を適宜な量、配合することができる。樹脂添加剤としては、リン系化合物、フェノール系化合物などの酸化防止剤、ラクトン系化合物、フェノールアクリレート系化合物などのプロセス安定剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤、各種加工助剤、金属不活化剤、滑剤、抗菌・防かび剤、帯電防止剤、難燃剤、顔料分散性改良剤、充填・増量剤などが挙げられる。さらに、カルボジイミド系、エポキシ系、オキサゾリン系などの末端カルボン酸封止剤、または加水分解防止剤などを配合することもできる。
C−1層の厚さは、5〜200μmの範囲で選ぶのが好ましい。
C−2層を構成する樹脂は、上記C−1層との密着性がよいものであればよく、同一の樹脂でなくてもよい。C−2層はエンボス加工による凹凸状模様の付与が容易であり、後述する意匠性積層シート被覆金属板としての二次加工性が確保され、接着層(B層)を用いた透明二軸延伸ポリエステル系樹脂シート(A層)との積層時にC層が変形する恐れがないもの、または後述する接着剤層(E層)を用いた金属板(D層)との積層時に多層樹脂シート層(S層)が変形するおそれがないものであれば制限がない。このような熱可塑性樹脂としては、無配向のポリエステル系樹脂が挙げられる。
C−2層は、後述の被覆される金属板(D層)を隠蔽し、一体化されたC−1層、C−2層とC−3層とに形成されたエンボス模様の深み感及び立体感を際立たせた意匠性を付与する目的で、顔料が配合される(含有させる)。
顔料は、上記目的のために一般的に使用されるものでよく、最終的に得られる意匠性積層シート被膜金属板の用途に応じて、選ぶことができる。白色系に着色する場合には、隠蔽効果が高く、かつ、積層シートの加工性に与える影響が少ない、粒径が微細な酸化チタンが好ましい。また、白色系の有彩色の着色では、この酸化チタンを主成分とし、色調を調整するために有彩色の有機、無機の顔料を少量添加することもできる。エンボス意匠の視認性を向上させる目的で、パール顔料や光輝性顔料などを添加することもできる。
C−2層を構成する樹脂への顔料の配合量は、多すぎると強度が不十分となるので、樹脂を基準として50質量%以下とするのが好ましい。より好ましいのは40質量%以下、特に好ましいのは30質量%以下である。C−2層にも顔料のほか、本発明の目的を損なわない範囲で、各種の樹脂添加剤を適宜な量、配合することができる。具体例は、C−1層の配合できるとして例示したものと、同じである。
C−2層の厚さは、5〜200μmの範囲で選ぶのが好ましい。C−2層の厚さが5μm未満だと隠蔽効果が低く、C−2層の厚さが200μm以上だと二次加工性が悪くなること、またシート層としてコスト高になる虞がある。
透光性のある虹彩色層(C−3)は、C−3層の全樹脂成分の質量を100質量%として、50%以上無配向の結晶性ポリエステル系樹脂とする層であり、前記B層と前記C−3層とが接着しており、該前記C−3層上面に、最大高さRaが20〜250μmのエンボスが形成される層である。
透光性のある虹彩色層(C−3)は、透明な熱可塑性樹脂を基体とし、この基体樹脂に光輝性顔料を配合する方法によって調製できる。虹彩色とは、干渉色とも呼称される。虹彩色を有するシートは、隠ぺい性が強すぎると、C−2層の顔料による着色が視認できなくなるので、透光性を有するようにするのが好ましい。
透光性は、意匠性樹脂シート被覆金属板の用途により異なるので、用途に応じて適宜選ぶのが好ましい。例えば、内装建材用途の意匠性樹脂シート被覆金属板では、JIS K5600−4−1:1999「塗料一般試験方法−第4部:有効塗膜の視覚特性−第1節:隠ぺい力(淡彩色塗料用)」に準拠して測定した隠ぺい率が、0.7以下が好ましい。
C−3層を構成する樹脂は、C−3層の全樹脂成分の質量を100質量%として、50%以上無配向の結晶性ポリエステル系樹脂である。好ましくは60%以上無配向のポリエステル系樹脂であり、特に好ましくは75%以上無配向のポリエステル系樹脂である。結晶性のポリエステル系樹脂が50質量%より少ないと、耐熱性が低く、B層を介してA層を熱融着させる際に付与されたエンボスが戻ってしまうため、好ましくない。上記C−2層との密着性がよいものであればよく、同一の樹脂でなくてもよい。
C−3層はエンボス加工による凹凸状模様の付与が容易であり、意匠性積層シート被膜金属板としての二次加工性が確保され、接着層(B層)を用いた透明二軸延伸ポリエステル系樹脂シート(A層)との積層時に透光性のある虹彩色層(C−3層)が変形する恐れがないもの、または接着剤層(E層)を用いた金属板(D層)との積層時に多層樹脂シート層(S層)が変形するおそれがないものであれば制限がない。
このような熱可塑性樹脂としては、無配向の結晶性ポリエステル系樹脂と非晶性ポリエステル樹脂の混合物が挙げられる。
無配向の結晶性ポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンイソフタレート(PEI)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、エチレンテレフタレート単位を主体とするポリエチレンテレフタレート・エチレンイソフタレート共重合体(PETI)、ポリブチレンテレフタレートイソフタレート共重合体(PBTI)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、およびこれらの樹脂を2種以上混合したブレンド物などが挙げられる。なかでも、PBT又はPTTが耐熱性及び結晶化した状態での加工性の点で好ましい。
本発明におけるC−3層に含まれるポリエステル系樹脂の結晶性とは、示唆走査熱量測定(条件:昇温速度10℃/min)における融点が、200℃以上270℃以下であることをいい、好ましくは210℃以上250℃以下である。該融点が上記範囲内にあることにより、成形加工性及びエンボス耐熱性の点で好ましい。
非晶性のポリエステル系樹脂としては、示唆走査熱量測定(条件:昇温速度10℃/min)におけるガラス転移点が200℃より低いポリエステル系樹脂であれば特段の制限はないが、ポリシクロヘキサンジメタノール−コ−エチレンテレフタレート(シクロヘキサンジメタノールの含有割合が50mol%未満の場合にはPETGと、50mol%以上の場合にはPCTGと記す)等が挙げられる。
本発明における光輝性顔料としては、パールマイカ顔料、ガラスフレーク表面をニッケル他の各種金属によって無電解メッキ処理したもの、アルミニウムフレークなどの金属フレーク、アルミニウム箔などの金属箔自体を細かく裁断したもの、エポキシ樹脂などで表面処理を施したアルミニウム箔などの金属箔を細かく裁断したもの、各種金属を無電解メッキ処理した樹脂シートを細かく裁断した顔料などが挙げられる。光輝性顔料をC−3層が虹彩色を発揮するのは、この光輝性顔料として代表的なパールマイカ顔料で説明する。パールマイカ顔料は、屈折率の低いマイカ顔料の表層に、屈折率(nD)の高い酸化チタン層を被覆した構造の顔料であり、この顔料がC−3層の中で平行配向して、光を一定方向に規則的な多重反射させることによって光輝性を発揮し、この規則的な多重反射性により、エンボス模様が視覚的に強調されて、視認性が向上するものと推測される。光輝性顔料として市販されている商品があり、アルティミカ(日本光研社製)、クリスタルスター(東洋アルミニウム社製)、メタシャイン(日本板硝子社製)などが挙げられる。
C−3層にも光輝性顔料のほか、本発明の目的を損なわない範囲で、各種の樹脂添加剤を適宜な量、配合することができる。具体例は、C−1層の配合できるとして例示したものと、同じである。
C−3層に形成するエンボス模様の深み感や立体感をより強く発現させるには、C−3層の厚さが大きい程、より深いエンボス柄を転写できる。C層の厚さが5μm未満の場合は、付与することができるエンボスの種類が制限され、立体感や深み感に富むエンボス柄を転写することが難しくなり、結果として積層シートに深みと、充分な虹彩色の発現が難しくなる。厚さが200μmを超える場合は、C−2層の視認が困難となり易く、且つ、意匠性積層シート被膜金属板の二次加工性が悪くなり、またコスト的に不利である。
C−1層、C−2層及びC−3層が積層一体化され製造される場合には、C−1層、C−2層及びC−3層の合計(C層)の厚さは、エンボス種類の選択性を広げる点、エンボス柄の転写効率向上の点及び意匠性積層シート被膜金属板の二次加工性の点から、15〜200μmの範囲で選ぶのが好ましい。
C−1層とC−2層とC−3層とを積層する方法は、特段の制限なく従来から知られている方法を採用することができるが、積層一体化する方法が好ましい。積層一体化する方法は、特に限定されるものではなく、従来から知られている方法、例えば、C−1層とC−2層とC−3層を形成する樹脂を三台の押出機で別々に溶融軟化させ、Tダイ内で積層させて押出してシート化する共押出キャスト法、Tダイに代えてインフレーションダイ内で積層させるインフレーション法などで可能である。シート化の安定生産性の観点から、Tダイを使用する共押出キャスト法が好ましい。
C−1層とC−2層とC−3層とが積層一体化された樹脂シート(C層)に、エンボス模様を付与する方法は、
(1)図1記載の通り、Tダイから押出された直後のシートを、エンボス模様が刻印されたキャスティングロールによって、三層によって構成される樹脂シートに直接エンボス模様を付与する方法、
(2)C−1層とC−2層とC−3層が積層一体化された樹脂シート(C)を調製し、このシートを再加熱・溶融させて、エンボスロールにより圧着してエンボス模様を付与する方法などが挙げられる。中でも、上記(1)の方法がエンボス耐熱性及び生産性の点で好適である。
(1)図1記載の通り、Tダイから押出された直後のシートを、エンボス模様が刻印されたキャスティングロールによって、三層によって構成される樹脂シートに直接エンボス模様を付与する方法、
(2)C−1層とC−2層とC−3層が積層一体化された樹脂シート(C)を調製し、このシートを再加熱・溶融させて、エンボスロールにより圧着してエンボス模様を付与する方法などが挙げられる。中でも、上記(1)の方法がエンボス耐熱性及び生産性の点で好適である。
C−3層の表面(B層と接触しない面)には、印刷を施すことができる。C−3層の表面に印刷層を付与する場合は、上記(2)の方法であらかじめ調製したシートを後工程でエンボス柄を付与する方法が好ましく、例えば、特開2006−95892号公報に記載されるような方法でエンボス模様を付与するのが、小ロット対応性の点から特に好ましい。三層によって構成される樹脂シート(C)に付与されるエンボス模様は、最大高さRaが20〜250μmの範囲で選ぶものとする。Raが20μm未満であると、内部エンボス模様の視覚性が向上しない。Raが250μmを超えると、エンボスロール表面への刻説作業が困難となり、このエンボス面の樹脂層への転写が困難となり、転写できたとしてもエンボス戻りが生じ易く、好ましくない。また、C−1層とC−2層とC−3層が積層されたシート(C)として、非常に厚さのあるものが必要となり、その結果、意匠性積層シート被膜金属板としての良好な加工性が得られなくなる恐れもある。上記範囲で特に好ましいのは、30〜150μmの範囲である。
<意匠性積層シート(多層樹脂シート(S層))の製造方法>
本発明に係る製造方法で得られる多層樹脂シート(S層)は、上記積層一体化されたC層のC−3層側にホットメルト型の透明な接着層(B層)を介して透明二軸延伸ポリエステル樹脂シート(A層)が形成されたものである。B層は、意匠シート(C層)の表面に、透明二軸延伸ポリエステル系樹脂シート(A層)を接着する機能を果たす。接着層(B層)が透明であるので、C層に形成されたエンボス模様を、視認することができる。
本発明に係る製造方法で得られる多層樹脂シート(S層)は、上記積層一体化されたC層のC−3層側にホットメルト型の透明な接着層(B層)を介して透明二軸延伸ポリエステル樹脂シート(A層)が形成されたものである。B層は、意匠シート(C層)の表面に、透明二軸延伸ポリエステル系樹脂シート(A層)を接着する機能を果たす。接着層(B層)が透明であるので、C層に形成されたエンボス模様を、視認することができる。
この接着層(B層)が、硬化型樹脂であると乾燥が必要であり厚塗りが難しいことや、硬化させるためのラインが必要になるなど、生産性の低下、高コスト化の要因となる。それに対し、ホットメルト型の接着性樹脂を使用した場合の積層方法としては、押出ラミネート法、ダブリング法、プレス法などが挙げられるが、中でも押出ラミネート法が好ましい。押出ラミネート法を用いることにより、C層に形成された深いエンボスを埋めることが可能であり、通常の押出工程と同等の時間でC層とA層の接着、製膜出来る為、生産性も高い。
<意匠性積層シート被膜金属板の製造方法>
本発明の意匠性積層シート被膜金属板とは、金属板(D層)の表面に目視によって意匠性が認識できる多層樹脂シート(S層)が被覆されているものをいう。意匠性積層シート被膜金属板の一例の断面図を図2に示した。図2において、21は二軸延伸ポリエステル系樹脂層(A層)、22は接着層(B層)、23は基材シート層(C−1層)、24は着色層(C−2層)、25は虹彩色層(C−3層)、26は接着剤層(E層)及び27は金属板(D層)である。なお、23、24及び25は積層一体化され、C−1層、C−2層及びC−3層にエンボスが形成されている。
金属板(D層)としては、従来から樹脂シート被覆用金属板として使用されているものが挙げられる。具体的には、冷延鋼板、溶融亜鉛メッキ鋼板、電気亜鉛メッキ鋼板、熔融亜鉛・アルミニウム合金メッキ鋼板、熔融亜鉛・アルミニウム・マグネシウム合金メッキ鋼板、スズメッキ鋼板、ティンフリースチール、ステンレス鋼板などの各種鋼板、アルミニウム系合金板、ニッケル系合金板、チタン系合金板などの合金板が挙げられる。金属板の厚さは、樹脂シート被覆金属板の用途により変わり、通常0.1〜10mmの範囲とされる。
本発明の意匠性積層シート被膜金属板とは、金属板(D層)の表面に目視によって意匠性が認識できる多層樹脂シート(S層)が被覆されているものをいう。意匠性積層シート被膜金属板の一例の断面図を図2に示した。図2において、21は二軸延伸ポリエステル系樹脂層(A層)、22は接着層(B層)、23は基材シート層(C−1層)、24は着色層(C−2層)、25は虹彩色層(C−3層)、26は接着剤層(E層)及び27は金属板(D層)である。なお、23、24及び25は積層一体化され、C−1層、C−2層及びC−3層にエンボスが形成されている。
金属板(D層)としては、従来から樹脂シート被覆用金属板として使用されているものが挙げられる。具体的には、冷延鋼板、溶融亜鉛メッキ鋼板、電気亜鉛メッキ鋼板、熔融亜鉛・アルミニウム合金メッキ鋼板、熔融亜鉛・アルミニウム・マグネシウム合金メッキ鋼板、スズメッキ鋼板、ティンフリースチール、ステンレス鋼板などの各種鋼板、アルミニウム系合金板、ニッケル系合金板、チタン系合金板などの合金板が挙げられる。金属板の厚さは、樹脂シート被覆金属板の用途により変わり、通常0.1〜10mmの範囲とされる。
本発明における製造方法で得られる意匠性積層シート被膜金属板とは、上記記載の積層された多層樹脂シート(S層)のC−1層側と金属板(D層)が接着剤層(E層)を介して、積層されたものをいう。金属板(D層)に上記多層樹脂シート(S層)を積層する方法は、特に制限されるものではなく、金属板(D層)に上記多層樹脂シート(S層)との間に、熱硬化型接着剤を含有する接着剤層(E層)を介在させて接着するのが好ましい。熱硬化性接着剤としては、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤などが挙げられる。中でも、C層がポリエステル系樹脂の場合には、熱硬化型ポリエステル系接着剤が好ましい。具体的な積層方法の例としては、金属板(D層)にリバースコーター、キスコーターなどの塗布装置を使用して、乾燥後の接着剤膜の厚さが0.5〜10μm程度になるように、上記の熱硬化型接着剤を塗布する。
次いで、赤外線ヒーターおよび/または熱風加熱炉により、接着剤の塗布面の乾燥および加熱を行い、金属板(D層)の表面温度を、230℃〜250℃程度の温度に保持しつつ、直ちに一対のラミネートロールを用いて上記多層樹脂シ−ト(S層)のC−1層側が接着面となるように被覆、冷却することにより意匠性樹脂シート被膜金属板を得ることができる。
(意匠性積層シート(C層)の製膜)
[C−I層]
C−1層、C−2層及びC−3層各層の材料を二軸押出機にて、シリンダー温度260℃の条件下で混練し、エンボスが刻印された金属ロールにてC−1層、C−2層及びC−3層が膜厚それぞれ70μm、30μm及び50μmになるようにキャスティングすることで、C−3層側に最大Ra約100μmのエンボス柄を転写した意匠性積層シートC−I層(厚さ150μm)を得た。
[C−I層]
C−1層、C−2層及びC−3層各層の材料を二軸押出機にて、シリンダー温度260℃の条件下で混練し、エンボスが刻印された金属ロールにてC−1層、C−2層及びC−3層が膜厚それぞれ70μm、30μm及び50μmになるようにキャスティングすることで、C−3層側に最大Ra約100μmのエンボス柄を転写した意匠性積層シートC−I層(厚さ150μm)を得た。
C−1層:非晶性ポリエステル系樹脂(ポリシクロヘキサンジメタノール−コ−エチレンテレフタレート(PETG、イーストマンケミカル社製 GN001)75質量部とポリブチレンテレフタレート(PBT、三菱エンジニアリングプラスチック社製 ノバデュラン5020)25質量部の混合物
C−2層:PETG75質量部とPBT25質量部の混合物
C−3層:PETG10質量部とPBT90質量部の混合物
なお、C−2及びC−3層には、C−1層と同じ樹脂を使用した。使用したPETGは、示差走査熱量測定(設定条件:昇温速度10℃/min)において、ガラス転移温度(Tg)が75℃であった。また、使用したPBTは、示差走査熱量測定(設定条件:昇温速度10℃/min)において、融点(Tm)228℃であった。
C−2層:PETG75質量部とPBT25質量部の混合物
C−3層:PETG10質量部とPBT90質量部の混合物
なお、C−2及びC−3層には、C−1層と同じ樹脂を使用した。使用したPETGは、示差走査熱量測定(設定条件:昇温速度10℃/min)において、ガラス転移温度(Tg)が75℃であった。また、使用したPBTは、示差走査熱量測定(設定条件:昇温速度10℃/min)において、融点(Tm)228℃であった。
<実施例1>
接着層(B層)のホットメルト型接着性樹脂としてポリエステル系接着剤B−I(東洋紡製、バイロン30P、融点(Tm)125℃、融解ピーク4.1J/g)、A層のポリエステル系樹脂シートに厚み25μmの二軸延伸PETフィルムを用いて、前記記載のC−I層との積層を行った。積層はシリンダー温度180℃(樹脂温度170℃)にて混練、C−I層のC−3層側とA層の間に樹脂を押し出すことによる押出ラミネート法により行い、多層シート樹脂層(S層)を得た。その後、亜鉛メッキ鋼板の表面に、ポリエステル系接着剤(東洋紡績社製、商品名:バイロン20SS)をロールコート法により塗布し、オーブン(設定温度80℃)により塗布面の乾燥を行い、乾燥後の接着剤層の膜厚を2μm〜4μm程度とした。次いで熱風加熱炉(設定温度:350℃)により塗布面を加熱して、鋼板の表面温度を240℃および245℃に設定し多層樹脂シート(S層)を貼り合せ急冷後、表面の二軸延伸PETフィルムを230℃に加熱したのち鏡面ロールでニップすることにより意匠性積層シート被膜金属板を得た。
接着層(B層)のホットメルト型接着性樹脂としてポリエステル系接着剤B−I(東洋紡製、バイロン30P、融点(Tm)125℃、融解ピーク4.1J/g)、A層のポリエステル系樹脂シートに厚み25μmの二軸延伸PETフィルムを用いて、前記記載のC−I層との積層を行った。積層はシリンダー温度180℃(樹脂温度170℃)にて混練、C−I層のC−3層側とA層の間に樹脂を押し出すことによる押出ラミネート法により行い、多層シート樹脂層(S層)を得た。その後、亜鉛メッキ鋼板の表面に、ポリエステル系接着剤(東洋紡績社製、商品名:バイロン20SS)をロールコート法により塗布し、オーブン(設定温度80℃)により塗布面の乾燥を行い、乾燥後の接着剤層の膜厚を2μm〜4μm程度とした。次いで熱風加熱炉(設定温度:350℃)により塗布面を加熱して、鋼板の表面温度を240℃および245℃に設定し多層樹脂シート(S層)を貼り合せ急冷後、表面の二軸延伸PETフィルムを230℃に加熱したのち鏡面ロールでニップすることにより意匠性積層シート被膜金属板を得た。
<実施例2>
A層に厚み50μmの二軸延伸PETフィルムを用いた以外は実施例1と同様の方法で意匠性積層シート被膜金属板を得た。
<実施例3>
A層に厚み100μmの二軸延伸PETフィルムを用いた以外は実施例1と同様の方法で意匠性積層シート被膜金属板を得た。
<実施例4>
A層に厚み150μmの二軸延伸PETフィルムを用いた以外は実施例1と同様の方法で意匠性積層シート被膜金属板を得た。
A層に厚み50μmの二軸延伸PETフィルムを用いた以外は実施例1と同様の方法で意匠性積層シート被膜金属板を得た。
<実施例3>
A層に厚み100μmの二軸延伸PETフィルムを用いた以外は実施例1と同様の方法で意匠性積層シート被膜金属板を得た。
<実施例4>
A層に厚み150μmの二軸延伸PETフィルムを用いた以外は実施例1と同様の方法で意匠性積層シート被膜金属板を得た。
<実施例5>
実施例3において、ホットメルト型接着性樹脂としてポリエステル系接着剤B−Iの代わりに、オレフィン系接着剤B−II(三井化学製、アドマーSF725、融点1(Tm1)89℃、融解ピーク1 23.9J/g、融点(Tm2)126℃、融解ピーク2 12.1J/g)を用いてシリンダー温度200℃(樹脂温度180℃)にて混練した以外は、実施例3と同様の方法で意匠性積層シート被膜金属板を得た。
実施例3において、ホットメルト型接着性樹脂としてポリエステル系接着剤B−Iの代わりに、オレフィン系接着剤B−II(三井化学製、アドマーSF725、融点1(Tm1)89℃、融解ピーク1 23.9J/g、融点(Tm2)126℃、融解ピーク2 12.1J/g)を用いてシリンダー温度200℃(樹脂温度180℃)にて混練した以外は、実施例3と同様の方法で意匠性積層シート被膜金属板を得た。
<比較例1>
実施例3において、ホットメルト型接着性樹脂としてポリエステル系接着剤(B−I、東洋紡製、バイロン30P、融点125℃、融解ピーク4.1J/g)の代わりに、オレフィン系接着剤B−III(三井化学製、アドマーSF730、融点122.5℃、融解ピーク9.1J/g)を用いてシリンダー温度200℃(樹脂温度180℃)にて混練した以外は、実施例3と同様の方法で意匠性積層シート被膜金属板を得た。なお、鏡面性及び折り曲げ性試験については、気泡の抱き込みがみられたため測定を行わなかった。
実施例3において、ホットメルト型接着性樹脂としてポリエステル系接着剤(B−I、東洋紡製、バイロン30P、融点125℃、融解ピーク4.1J/g)の代わりに、オレフィン系接着剤B−III(三井化学製、アドマーSF730、融点122.5℃、融解ピーク9.1J/g)を用いてシリンダー温度200℃(樹脂温度180℃)にて混練した以外は、実施例3と同様の方法で意匠性積層シート被膜金属板を得た。なお、鏡面性及び折り曲げ性試験については、気泡の抱き込みがみられたため測定を行わなかった。
<比較例2>
比較例1において、オレフィン系接着剤(B−III)の樹脂温度を180℃から200℃に変更した以外は、比較例2と同様の方法で意匠性積層シート被膜金属板を得た。なお、鏡面性及び折り曲げ性試験については、気泡の抱き込みがみられたため測定を行わなかった。
比較例1において、オレフィン系接着剤(B−III)の樹脂温度を180℃から200℃に変更した以外は、比較例2と同様の方法で意匠性積層シート被膜金属板を得た。なお、鏡面性及び折り曲げ性試験については、気泡の抱き込みがみられたため測定を行わなかった。
<比較例3>
実施例1と同様の方法で鋼板に貼り合せたC−I層の上に、B層として紫外線硬化型接着剤(第一工業製薬社製、ニューフロンティアR1303)9質量%とイソシアネート末端ウレタンポリマー(三井タケダケミカル社製、タケネートA95)91質量%を用いて、ダイコーターによりB層の接着剤組成物を塗布すると同時に、A層の厚み25μmの二軸延伸PETフィルムを供給し、ロールギャップを適宜調整可能な一対のシリコーンゴムロールの間を通すことで、C−I層のエンボス凸部がE層に直接接触することのない厚みのB層を介在させた状態でE層を積層一体化し、その直後に配置された紫外線照射装置によりB層の硬化処理を施した。硬化処理されたB層(B−IV層)を有する意匠性積層シート被膜金属板を作製した。
実施例1と同様の方法で鋼板に貼り合せたC−I層の上に、B層として紫外線硬化型接着剤(第一工業製薬社製、ニューフロンティアR1303)9質量%とイソシアネート末端ウレタンポリマー(三井タケダケミカル社製、タケネートA95)91質量%を用いて、ダイコーターによりB層の接着剤組成物を塗布すると同時に、A層の厚み25μmの二軸延伸PETフィルムを供給し、ロールギャップを適宜調整可能な一対のシリコーンゴムロールの間を通すことで、C−I層のエンボス凸部がE層に直接接触することのない厚みのB層を介在させた状態でE層を積層一体化し、その直後に配置された紫外線照射装置によりB層の硬化処理を施した。硬化処理されたB層(B−IV層)を有する意匠性積層シート被膜金属板を作製した。
<比較例4>
C−I層において、下記C−II層を用いた以外は、実施例3と同様の方法で意匠性積層シート被膜金属板を得た。
[C−II層]
C−1層、C−2層及びC−3層の材料(各層いずれもPETG(イーストマンケミカル社製 GN001)75質量部とPBT(三菱エンジニアリングプラスチック社製 ノバデュラン5020)25質量部の混合物)を二軸押出機にて、シリンダー温度260℃の条件下で混練し、金属ロールにてC−1層、C−2層及びC−3層が膜厚それぞれ50μm、50μm及び50μmになるようにキャスティングすることで平滑なシートを製膜した。その後、このシートを再加熱・溶融させて、エンボスロールにより圧着してエンボス模様を転写し意匠性積層シートC−II層(厚さ:150μm)を得た。
C−I層において、下記C−II層を用いた以外は、実施例3と同様の方法で意匠性積層シート被膜金属板を得た。
[C−II層]
C−1層、C−2層及びC−3層の材料(各層いずれもPETG(イーストマンケミカル社製 GN001)75質量部とPBT(三菱エンジニアリングプラスチック社製 ノバデュラン5020)25質量部の混合物)を二軸押出機にて、シリンダー温度260℃の条件下で混練し、金属ロールにてC−1層、C−2層及びC−3層が膜厚それぞれ50μm、50μm及び50μmになるようにキャスティングすることで平滑なシートを製膜した。その後、このシートを再加熱・溶融させて、エンボスロールにより圧着してエンボス模様を転写し意匠性積層シートC−II層(厚さ:150μm)を得た。
<参考例>
B−I層、B−II層及びB−III層材料において、それぞれ160、180、及び200℃における溶融粘弾性(G’)を算出した。結果を表2に示す。
B−I層、B−II層及びB−III層材料において、それぞれ160、180、及び200℃における溶融粘弾性(G’)を算出した。結果を表2に示す。
得られた意匠性積層シート被膜金属板にについて以下の評価を行った。
(1)接着性
得られた意匠性積層シート被膜金属板に幅20mm幅の切込みを入れ、A層をつかみ、180°剥離を行い、剥離強度を測定した。以下の基準で、接着性の評価を行った。
○:剥離強度9.8N/20mm幅以上
×:剥離強度9.8N/20mm幅以下
(2)エンボス視認性
得られた意匠性積層シート被膜金属板の表面を目視観察して、以下の基準で評価した。○:エンボス形状が目視で明確に識別できる
×:エンボスの凹凸が消え目視で明確に識別できない
(3)鏡面性
得られた意匠性積層シート被膜金属板の表面を目視観察して、以下の基準で評価した。
○:表面に良好な平滑性がある
×:表面に波うち等があり、平滑性がない
(4)折り曲げ性
得られた意匠性積層シート被膜金属板に90°曲げ(R=0、R=2)を行い以下の基準で評価した。
○:A層側からひび、割れ、剥離がない
×:A層側からひび、割れ、剥離が発生
(5)製膜性
得られた意匠性積層シート被膜金属板の表面を目視観察して、以下の基準で評価した。
○:気泡の抱き込みが全くない
×:気泡の抱き込みがみられる
(1)接着性
得られた意匠性積層シート被膜金属板に幅20mm幅の切込みを入れ、A層をつかみ、180°剥離を行い、剥離強度を測定した。以下の基準で、接着性の評価を行った。
○:剥離強度9.8N/20mm幅以上
×:剥離強度9.8N/20mm幅以下
(2)エンボス視認性
得られた意匠性積層シート被膜金属板の表面を目視観察して、以下の基準で評価した。○:エンボス形状が目視で明確に識別できる
×:エンボスの凹凸が消え目視で明確に識別できない
(3)鏡面性
得られた意匠性積層シート被膜金属板の表面を目視観察して、以下の基準で評価した。
○:表面に良好な平滑性がある
×:表面に波うち等があり、平滑性がない
(4)折り曲げ性
得られた意匠性積層シート被膜金属板に90°曲げ(R=0、R=2)を行い以下の基準で評価した。
○:A層側からひび、割れ、剥離がない
×:A層側からひび、割れ、剥離が発生
(5)製膜性
得られた意匠性積層シート被膜金属板の表面を目視観察して、以下の基準で評価した。
○:気泡の抱き込みが全くない
×:気泡の抱き込みがみられる
意匠性樹脂シート被膜金属板の構成と評価結果を表1に示す。
表1より、本発明における製造方法によって得られた意匠性積層シート被膜金属板は、接着性、エンボス視認性、鏡面性、加工性及び製膜性に優れ、意匠性樹脂シート被膜金属板として優れていることがわかる。
本発明における製造方法によって得られた意匠性樹脂シート被膜金属板は、二次加工性に優れているので、ドア材、パーティション材、一般壁材、天井材などの建築内装材、ユニットバス壁材、OA機器のハウジング、電気冷蔵庫の筐体、洗濯機の筐体などの用途に好適である。
1:口金
2:二軸延伸ポリエステル系樹脂シート(A層)
3,4:巻出しロール
5:意匠性積層シート(C層)
6:ゴムロール
7:キャストロール
21:二軸延伸ポリエステル系樹脂層(A層)
22:接着層(B層)
23:基材シート層(C−1層)
24:着色層(C−2層)
25:虹彩色層(C−3層)
26:接着剤層(E層)
27:金属板(D層)
2:二軸延伸ポリエステル系樹脂シート(A層)
3,4:巻出しロール
5:意匠性積層シート(C層)
6:ゴムロール
7:キャストロール
21:二軸延伸ポリエステル系樹脂層(A層)
22:接着層(B層)
23:基材シート層(C−1層)
24:着色層(C−2層)
25:虹彩色層(C−3層)
26:接着剤層(E層)
27:金属板(D層)
Claims (4)
- 透明二軸延伸ポリエステル系樹脂層(A層)、接着層(B層)、前記B層と積層される側の表面にエンボスによる凹凸意匠を有する層(C層)、の少なくとも3層を順次積層されてなる意匠性積層シートであって、
前記B層が、前記C層のエンボス凸部が完全に埋まる厚み以上の厚みを有し、かつホットメルト型接着性樹脂を熱融着させることにより得られる層であり、 前記ホットメルト型接着性樹脂は、下記(a)の溶融粘弾性特性を有し、
(a)180℃における溶融粘弾性(G’(180℃))が、10Pa以上3000Pa以下
かつ、前記C層が、少なくとも基材層(C−1層)、着色層(C−2層)、透光性のある虹彩色層(C−3層)を有する層であり、前記C−3層は、C−3層の全樹脂成分の質量を100質量%として、50%以上無配向の結晶性ポリエステル系樹脂とする層であり、
前記B層と前記C−3層とが接着しており、該前記C−3層上面に、最大高さRaが20〜250μmのエンボスが形成されることを特徴とする、意匠性積層シート。 - 前記ホットメルト型接着性樹脂は、下記(b)又は(c)の溶融粘弾性特性の少なくとも一つを有する、請求項1に記載の意匠性積層シート。
(b)160℃における溶融粘弾性(G’(160℃))が30Pa以上8000Pa以下
(c)200℃における溶融粘弾性(G’(200℃))が10Pa以上3000Pa以下 - 前記接着層(B)がポリエステル系樹脂及び/又はポリオレフィン系樹脂を含む、請求項1又は2に記載の意匠性積層シート。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の意匠性積層シート及び金属板(D)を有し、前記意匠性積層シートのC層側の表面が金属板に積層されている、意匠性積層シート被膜金属板。
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JP2015078442 | 2015-04-07 | ||
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2015
- 2015-05-27 JP JP2015107417A patent/JP2016199025A/ja active Pending
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KR20220039995A (ko) * | 2020-09-23 | 2022-03-30 | 주재근 | 메탈 칼라 필름 및 그의 제조 방법 |
WO2022065696A1 (ko) * | 2020-09-23 | 2022-03-31 | 주재근 | 메탈 칼라 필름 및 그의 제조 방법 |
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