JP2019151755A - パール調光沢フィルム - Google Patents

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【課題】優れたパール感を有し、しかも透明性が高いパール調光沢フィルムを提供すること。【解決手段】樹脂Aと、前記樹脂Aとは異なる屈折率を有する樹脂Bとを含有するパール調光沢フィルムであって、前記樹脂Aと前記樹脂Bとにおける屈折率の差分が0.06以上であり、前記樹脂Aの含有割合が60〜90体積%、前記樹脂Bの含有割合が10〜40体積%であり、前記パール調光沢フィルムの厚みが10〜200μmであり、前記パール調光沢フィルムは、前記樹脂A中に前記樹脂Bが粒子状または層状に分散してなり、分散した前記樹脂Bの粒子または層の平均厚みが0.01〜1μmであるパール調光沢フィルムを提供する。【選択図】図1

Description

本発明は、透明性およびパール感を有するパール調光沢フィルムに関する。
冷蔵庫、洗濯機その他の電気製品、建築物、車両などの各種製品に意匠性を付与するために、それらの内装材、外装材または表層材として化粧板が採用されている。また、化粧板は屋内および屋外の環境に対して優れた耐久性を有しているため、ユニットバスの壁材、住宅の外壁等の建材用途にも採用されている。このような化粧板に用いられるフィルムの一例として、パール調光沢フィルムなどが知られている。
たとえば、特許文献1には、パール調光沢フィルムとして、互いに非相溶である少なくとも2種類の熱可塑性樹脂を溶融混合して製膜してなり、少なくとも1種類の熱可塑性樹脂の全光線透過率が90%以上であるフィルムが開示されている。
特開2004−359786号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載されているパール調光沢フィルムは、パール感が得られるものの、フィルムが白濁してしまうことにより透明性が低くなってしまい、パール調光沢フィルムの下地として着色樹脂層を形成した場合に、パール調光沢フィルムの透明性が低いことで、パール調光沢フィルムの上から着色樹脂層を視認できなくなってしまい、得られるフィルムの意匠性が低下してしまうという問題があった。
本発明の目的は、優れたパール感を有し、しかも透明性が高いパール調光沢フィルムを提供することである。
本発明者らは、パール調光沢フィルムを、特定の樹脂Aおよび樹脂Bを、それぞれ特定の含有割合で用いて所定厚みとなるように形成することにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明によれば、樹脂Aと、前記樹脂Aとは異なる屈折率を有する樹脂Bとを含有するパール調光沢フィルムであって、前記樹脂Aと前記樹脂Bとにおける屈折率の差分が0.06以上であり、前記樹脂Aの含有割合が60〜90体積%、前記樹脂Bの含有割合が10〜40体積%であり、前記パール調光沢フィルムの厚みが10〜200μmであり、前記パール調光沢フィルムは、前記樹脂A中に前記樹脂Bが粒子状または層状に分散してなり、分散した前記樹脂Bの粒子または層の、前記パール調光沢フィルムの厚み方向における平均厚みが0.01〜1μmであるパール調光沢フィルムが提供される。
本発明のパール調光沢フィルムにおいて、前記樹脂Aが、ポリカーボネート、アクリル酸エステルポリマー、メタクリル酸エステルポリマーおよびポリエステルから選択されるいずれかの樹脂であり、前記樹脂Bが、ポリカーボネート、アクリル酸エステルポリマー、メタクリル酸エステルポリマーおよびポリエステルから選択されるいずれかの樹脂であることが好ましい。
本発明のパール調光沢フィルムにおいて、前記樹脂Aが1,4−シクロヘキサンジメタノール変性ポリエチレンテレフタレートであり、前記樹脂Bがポリメチルメタクリレートであることが好ましい。
本発明のパール調光沢フィルムにおいて、前記樹脂Aが1,4−シクロヘキサンジメタノール変性ポリエチレンテレフタレートであり、前記樹脂Bがポリエチレンナフタレートであることが好ましい。
本発明のパール調光沢フィルムにおいて、前記樹脂Aがイソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレートであり、前記樹脂Bがポリメチルメタクリレートであることが好ましい。
本発明のパール調光沢フィルムにおいて、前記樹脂AがビスフェノールA型ポリカーボネートであり、前記樹脂Bがポリメチルメタクリレートであることが好ましい。
本発明のパール調光沢フィルムにおいて、前記樹脂Aがポリブチレンテレフタレートであり、前記樹脂Bがポリエチレンナフタレートであることが好ましい。
本発明のパール調光沢フィルムにおいて、前記パール調光沢フィルムの厚みを10〜200μmとした場合における、光沢度(Gs20°)が5%以上であり、拡散透過率が2〜70%であり、かつ、全光線透過率が90%以下であることが好ましい。
本発明のパール調光沢フィルムにおいて、前記樹脂Aと前記樹脂BとにおけるFedors法により求められるSP値の差分が、0.7〜3.0(cal/cm0.5であることが好ましい。
また、本発明によれば、着色樹脂層と、前記着色樹脂層上に形成された、上記のパール調光沢フィルムと、を備えるパール調光沢フィルム積層体が提供される。
本発明のパール調光沢フィルム積層体において、前記パール調光沢フィルム上に形成された、保護層をさらに備えることが好ましい。
さらに、本発明によれば、基材と、前記基材と前記着色樹脂層とが対向するようにして前記基材上に形成された、上記のパール調光沢フィルム積層体と、を備えるパール調光沢フィルム積層化粧板が提供される。
本発明によれば、優れたパール感を有し、しかも透明性が高いパール調光沢フィルムを提供することができる。
図1は、本発明のパール調光沢フィルムを用いた化粧板の一実施の形態を示す断面図である。 図2は、分散した樹脂Bの粒子または層の平均厚みを求める方法を説明するための図である。 図3は、本発明のパール調光沢フィルムを用いた化粧フィルムの一実施の形態を示す断面図である。 図4は、本発明のパール調光沢フィルムを用いた化粧板の他の例を示す断面図である。 図5は、本発明のパール調光沢フィルムを用いた化粧フィルムの他の例を示す断面図である。
以下、図面に基づいて本発明の一実施の形態について説明する。本発明に係るパール調光沢フィルムは、たとえば、冷蔵庫、洗濯機その他の電気製品、建築物、車両、ユニットバスの壁材、住宅の外壁等の建材用途などの各種製品に意匠性を付与するために採用される化粧フィルムや化粧板を構成する部材として用いられる。以下においては、本発明の一実施の形態として、このようなパール調光沢フィルムが用いられる化粧板の一例を、図面を参照して説明する。
本実施形態の化粧板1は、図1に示すように、パール調光沢フィルム10と、印刷層20と、接着剤層30と、着色樹脂層40と、基材50と、を備える。パール調光沢フィルム10は、着色樹脂層40上に直接積層されたものであってもよいが、図1に示すように、印刷層20および接着剤層30を介して積層されたものであってもよい。同様に、パール調光沢フィルム10が積層された着色樹脂層40は、基材50上に、直接積層されたものであってもよいが、図1に示すように、接着剤層30を介して積層されたものであってもよい。
<パール調光沢フィルム10>
本実施形態の化粧板1を構成するパール調光沢フィルム10は、樹脂Aと、樹脂Aとは異なる屈折率を有する樹脂Bとを含有し、樹脂Aと樹脂Bとにおける屈折率の差分が0.06以上であり、樹脂Aの含有割合が60〜90体積%、樹脂Bの含有割合が10〜40体積%であり、厚みが10〜200μmである。
本実施形態のパール調光沢フィルム10によれば、樹脂A中に、樹脂Bが粒子状または層状に分散し、パール調光沢フィルム10に入射した光の一部が、屈折率の異なる粒子状または層状の樹脂Bの界面にて適度に反射され、これによりパール調光沢フィルム10がパール感を有するとともに、入射した光の一部は樹脂Aおよび樹脂Bをそのまま透過することでパール調光沢フィルム10が透明性を有することとなる。そのため、本実施形態のパール調光沢フィルム10は、優れたパール感を有し、しかも透明性が高いものとなり、これにより、着色樹脂層40上に積層した際に、パール感が得られるとともに、着色樹脂層40が有する意匠性をパール調光沢フィルム10を通して視認することが可能となるものである。
パール調光沢フィルム10を構成する樹脂Aとしては、樹脂Aと樹脂Bとにおける屈折率の差分が0.06以上であるものであればよく、特に限定されないが、ポリカーボネート、アクリル酸エステルポリマー、メタクリル酸エステルポリマーおよびポリエステルから選択されるいずれかの樹脂を用いることが好ましい。これらの樹脂は、1種単独で、あるいは、2種以上をブレンドして用いることができる。
ポリカーボネートとしては、特に限定されないが、たとえば、屈折率が、好ましくは1.50〜1.65、より好ましくは1.58〜1.60であり、Fedors法により求められるSP値が、好ましくは11.2〜12.8、より好ましくは11.2〜12.4であるものを用いることが望ましい。このようなポリカーボネートの具体例としては、たとえば、ビスフェノールA型ポリカーボネートまたはその誘導体が挙げられる。なお、ビスフェノールA型ポリカーボネートは、ビスフェノールA(2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン)と、カルボニルハライド、カーボネートエステル、ハロホルメート等のカーボネート前駆体とから製造されるものである。
アクリル酸エステルポリマーとしては、特に限定されないが、たとえば、屈折率が、好ましくは1.46〜1.50、より好ましくは1.46〜1.47であり、Fedors法により求められるSP値が、好ましくは9.8〜10.6、より好ましくは9.8〜10.2であるものを用いることが望ましい。このようなアクリル酸エステルポリマーとしては、たとえば、ポリメチルアクリレート、ポリエチルアクリレートなどが挙げられる。
メタクリル酸エステルポリマーとしては、特に限定されないが、たとえば、屈折率が、好ましくは1.46〜1.50、より好ましくは1.48〜1.49であり、Fedors法により求められるSP値が、好ましくは9.4〜9.9、より好ましくは9.7〜9.9であるものを用いることが望ましい。このようなメタクリル酸エステルポリマーとしては、たとえば、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレートなどを用いることができる。
ポリエステルとしては、特に限定されないが、たとえば、屈折率が、好ましくは1.54〜1.65、より好ましくは1.57〜1.65であり、Fedors法により求められるSP値が、好ましくは11.0〜12.7、より好ましくは11.7〜12.7であるものを用いることが望ましい。このようなポリエステルとしては、ジカルボン酸成分とジオール成分とからなるポリエステルを用いることができ、ジカルボン酸としては、たとえば、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’ −ジフェニルジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸を挙げることができる。また、ジオールとしては、たとえば、エチレングリコール、1,4―ブタンジオール、1,4―シクロヘキサンジメタノール、1,6−ヘキサンジオールを挙げることができる。これらのなかでも、芳香族ポリエステルが好ましく、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートがより好ましい。また、ポリエステルとしては、共重合ポリエステルを用いてもよく、たとえば、共重合ポリエチレンテレフタレートを用いる場合、ポリエチレンテレフタレートに共重合させる共重合成分としては、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどが挙げられ、これらの中でも、イソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレート、1,4−シクロヘキサンジメタノール変性ポリエチレンテレフタレートが好ましい。共重合成分の共重合比率は4〜20モル%が好ましい。
パール調光沢フィルム10を構成する樹脂Aとしては、上述したポリカーボネート、アクリル酸エステルポリマー、メタクリル酸エステルポリマー、ポリエステル等を用いることができるが、これらのなかでも、ポリカーボネート、ポリエステルが好ましく、ポリエステルがより好ましく、ポリブチレンテレフタレート、イソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレート、1,4−シクロヘキサンジメタノール変性ポリエチレンテレフタレートがさらに好ましく、得られるパール調光沢フィルム10について、パール感および透明性に優れたものとすることができるだけでなく、加工性をも向上させることができるという観点より、1,4−シクロヘキサンジメタノール変性ポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
パール調光沢フィルム10を構成する樹脂Bとしては、樹脂Aと樹脂Bとにおける屈折率の差分が0.06以上であるものであればよく、特に限定されないが、上述した樹脂Aとして例示したものと同様に、ポリカーボネート、アクリル酸エステルポリマー、メタクリル酸エステルポリマーおよびポリエステルから選択されるいずれかの樹脂などを用いることができ、これらのなかでも、メタクリル酸エステルポリマー、ポリエステルが好ましく、得られるパール調光沢フィルム10について、パール感および透明性に優れたものとすることができるだけでなく、加工性をも向上させることができるという観点より、ポリエチレンナフタレートが特に好ましい。これらの樹脂は、1種単独で、あるいは、2種以上をブレンドして用いることができる。
樹脂Aと樹脂Bとの組み合わせとしては、特に限定されないが、たとえば、(1)樹脂Aがポリエステルかつ樹脂Bがメタクリル酸エステルポリマーの組み合わせ、(2)樹脂Aおよび樹脂Bがいずれもポリエステルである組み合わせ、(3)樹脂Aがポリカーボネートかつ樹脂Bがメタクリル酸エステルポリマーの組み合わせ、が好ましい。
上記(1)の組み合わせとしては、樹脂Aが1,4−シクロヘキサンジメタノール変性ポリエチレンテレフタレートかつ樹脂Bがポリメチルメタクリレートの組み合わせ、樹脂Aがイソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレートかつ樹脂Bがポリメチルメタクリレートの組み合わせ、が好ましい。
上記(2)の組み合わせとしては、樹脂Aがポリブチレンテレフタレートかつ樹脂Bがポリエチレンナフタレートである組み合わせ、樹脂Aが1,4−シクロヘキサンジメタノール変性ポリエチレンテレフタレートかつ樹脂Bがポリエチレンナフタレートである組み合わせ、が好ましい。
なお、本実施形態においては、得られるパール調光沢フィルム10の白濁を抑制して透明性をより向上させるという観点より、樹脂Aおよび/または樹脂Bとしては、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンなどのポリエチレンは使用しないようにすることが好ましい。
樹脂Aと樹脂Bとにおける屈折率の差分は、0.06以上であればよいが、好ましくは0.07以上、より好ましくは0.08以上である。屈折率の差分が小さすぎると、得られるパール調光沢フィルム10は、パール感に劣るものとなってしまう。なお、樹脂Aと樹脂Bとにおける屈折率の差分の上限は、特に限定されないが、高屈折率樹脂は高価となりコスト的に不利となるという観点より好ましくは0.16以下、より好ましくは0.11以下である。
なお、樹脂Aおよび樹脂Bについては、屈折率の差分が上記範囲にあればよく、どちらの樹脂を他方の樹脂より屈折率が高いものとするかは問わない。すなわち、本実施形態のパール調光沢フィルム10においては、屈折率が異なる樹脂Aおよび樹脂Bについて、樹脂Aの含有割合を後述する60〜90体積%とし、樹脂Bの含有割合を後述する10〜40体積%とすることにより、樹脂Aおよび樹脂Bのいずれの方が屈折率が高いかにかかわらず、樹脂A中に、樹脂Aとは屈折率が異なる樹脂Bが樹脂Aよりも少ない含有割合で存在することにより、樹脂Bが粒子状または層状に分散して存在するようになり、これにより、パール調光沢フィルム10に入射した光が樹脂Bの界面で適度に反射するようになり、パール調光沢フィルム10のパール感および透明性を高度にバランスさせることができるようになるものである。
なお、本実施形態においては、パール感および透明性をより高度にバランスさせるという観点より、樹脂Aの方が樹脂Bよりも屈折率が高くなるようにすることが好ましい。また、パール感および透明性だけでなく、パール調光沢フィルム10の加工性をも向上させる場合には、樹脂Bの方が樹脂Aよりも屈折率が高くなっていてもよい。
また、本実施形態においては、樹脂Aおよび樹脂BのSP値(溶解パラメータ)をそれぞれ制御することが好ましい。この際においては、樹脂Aおよび樹脂BにおけるFedors法により求められるSP値の差分は、好ましくは0.8〜3.0(cal/cm0.5、より好ましくは1.0〜2.5(cal/cm0.5、さらに好ましくは1.3〜1.8(cal/cm0.5である。SP値の差分を上記範囲とすることにより、樹脂Bが樹脂A中により適切に分散して粒子状または層状となり、これにより、得られるパール調光沢フィルム10のパール感および透明性をより高度にバランスさせることができるようになる。なお、Fedors法においては、Tgが25℃を超える化合物について、最小繰り返し単位中の主鎖骨格原子数に応じてモル体積を補正し、補正後のモル体積を用いてSP値を算出する方法もあるが、本実施形態においては、このようなTgによるモル体積の補正は行わないものとする。
本実施形態のパール調光沢フィルム10中の樹脂Aの含有割合は、60〜90体積%であればよく、好ましくは60〜80体積%、より好ましくは60〜70体積%である。樹脂Aの含有割合が小さすぎると、樹脂Aと樹脂Bとの間に形成される海島構造(樹脂A中に、樹脂Bが粒子状または層状に分散してなる構造)が不安定となる。一方、樹脂Aの含有割合が大きすぎると、得られるパール調光沢フィルム10は、パール感に劣るものとなってしまう。
また、本実施形態のパール調光沢フィルム10中の樹脂Bの含有割合は、10〜40体積%であればよく、好ましくは20〜40体積%、より好ましくは30〜40体積%である。樹脂Bの含有割合が小さすぎると、樹脂Bが樹脂A中に分散して粒子状または層状となりこの粒子または層によって光を反射する作用が不十分なものとなってしまい、得られるパール調光沢フィルム10は、パール感に劣るものとなってしまう。一方、樹脂Bの含有割合が大きすぎると、樹脂Bと樹脂Aとの間に形成される海島構造が不安定となる。
本実施形態のパール調光沢フィルム10においては、樹脂Aおよび樹脂Bのうちどちらが屈折率が高いかにかかわらず、樹脂Aおよび樹脂Bとして屈折率の差が上記範囲にあるものを用い、かつ、樹脂Aおよび樹脂Bの含有割合をそれぞれ上記範囲に制御することにより、樹脂Bが樹脂A中に分散して粒子状または層状となり、これにより、パール調光沢フィルム10に入射した光の一部が、粒子状または層状の樹脂Bによって適度に反射され、これによりパール調光沢フィルム10がパール感を有するとともに、入射した光の一部は樹脂Aおよび樹脂Bをそのまま透過してパール調光沢フィルム10が透明性を有することとなる。
このような本実施形態のパール調光沢フィルム10においては、樹脂A中に分散した樹脂Bの粒子(分散粒子)または層(分散層)の平均厚みTAveは、好ましくは0.01〜1μm、より好ましくは0.05〜0.9μm、さらに好ましくは0.1〜0.8μmである。樹脂Bの粒子または層の、前記パール調光沢フィルム10の厚み方向における平均厚みTAveを上記範囲とすることにより、得られるパール調光沢フィルム10のパール感および透明性をより高度にバランスさせることができるようになる。なお、粒子状または層状の樹脂Bの平均厚みTAveは、たとえば、図2に示すように、パール調光沢フィルム10の断面を透過型電子顕微鏡(TEM)により測定することにより得られる画像において、パール調光沢フィルム10の厚み方向に沿って補助線を引いて、補助線上に存在する樹脂Bの粒子または層の個数N(個)と、補助線上に存在する粒子状または層状の樹脂Bの合計の厚みT(μm)とに基づいて、TAve=T/N(μm/個)を計算することにより求めることができる。この際には、厚みが0.005μm以下の粒子または層については、抽出しないようにすることが好ましい。なお、図2は、後述する実施例6のパール調光沢フィルムの断面をTEMにより測定して得られた画像であり、画像中の黒い部分が樹脂Aとして使用したポリカーボネートを示し、画像中の白い部分が樹脂Bとして使用したポリメタクリル酸メチルを示す。図2においては、パール調光沢フィルムの厚み方向に沿って、長さ5μmの補助線を引いている。補助線の長さは、特に限定されないが、5μm以上とすることが好ましい。また、補助線は2本以上引くことが好ましく(2か所以上にそれぞれ補助線を引くことが好ましく)、その際には、各補助線において算出されたT/Nを平均した値を、粒子状または層状の樹脂Bの平均厚みTAveとして求めることができる。
本実施形態のパール調光沢フィルム10の厚みは、10〜200μmであればよく、好ましくは25〜150μm、より好ましくは50〜100μmである。厚みが薄すぎると、パール調光沢フィルム10がパール感に劣るものとなってしまう。一方、厚みが厚すぎると、パール調光沢フィルム10が白濁して透明性が低下してしまう。
また、本実施形態のパール調光沢フィルム10は、厚みを10〜200μmとした場合における、光沢度(Gs20°)、拡散透過率および全光線透過率をそれぞれ制御することが好ましい。この際においては、光沢度(Gs20°)は、好ましくは5%以上、より好ましくは20%以上、さらに好ましくは50%以上である。拡散透過率は、好ましくは2〜70%、より好ましくは10〜50%、さらに好ましくは20〜50%である。全光線透過率は、好ましくは90%以下、より好ましくは80%以下、さらに好ましくは70%以下である。
パール調光沢フィルム10を製造する方法としては、特に限定されないが、たとえば、上述した樹脂Aおよび樹脂Bを、押出製膜機により押出することでフィルム状に成形する方法が挙げられる。
なお、本実施形態のパール調光沢フィルム10は、樹脂Aおよび樹脂Bに加えて、他の成分をさらに含有していてもよい。他の成分としては、特に限定されないが、たとえば、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤などが挙げられる。
<印刷層20>
印刷層20は、印刷インクによりパール調光沢フィルム10上および/または着色樹脂層40上に形成される層であり、着色樹脂層40の意匠性を損なわない範囲で、所望の絵柄や模様等を印刷して形成される層である。印刷層20を形成するための印刷インクとしては、たとえば、ニトロセルロース、酢酸セルロースなどのセルロース誘導体、あるいは、ポリエステル樹脂やウレタン変性ポリエステル樹脂などをビヒクルとする印刷インクを用いることができる。これらのなかでも、密着性および熱接着性の両観点からポリエステル樹脂系インクが好ましい。印刷層20は半透明であるか、部分的に印刷インクが形成されない領域のある絵柄であることが好ましい。なお、印刷層20は、図1に示すように、パール調光沢フィルム10および着色樹脂層40の両方に形成してもよいが、パール調光沢フィルム10および着色樹脂層40のいずれか一方にのみ形成するようにしてもよく、どちらにも形成しないようにしてもよい。
<接着剤層30>
接着剤層30は、パール調光沢フィルム10と着色樹脂層40とを接着する層(上述した印刷層20が形成されている場合には、印刷層20を介して、パール調光沢フィルム10と着色樹脂層40とを良好に接着する層)であり、また、着色樹脂層40と基材50とを接着する層でもある。接着剤層30を構成する接着剤としては、特に限定されないが、たとえば、酢酸ビニル系樹脂、エチレン−ビニルアセテート系樹脂、尿素系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂などの接着剤や、エポキシ−フェノール系樹脂などの接着剤などが挙げられ、これらのなかでも、ポリエステル系樹脂を主剤とする接着剤を用いることが好ましい。なお、接着剤層30は、図1に示すように、パール調光沢フィルム10と着色樹脂層40との間、および着色樹脂層40と基材50との間の両方に形成してもよいが、いずれか一方にのみ形成するようにしてもよく、どちらにも形成しないようにしてもよい。たとえば、パール調光沢フィルム10と着色樹脂層40とを共押出製膜機により共押出して一体成形する場合や、着色樹脂層40上にパール調光沢フィルム10を熱ラミネートする場合などには、パール調光沢フィルム10と着色樹脂層40との間には接着剤層30を形成しなくてもよい。また、基材50上に、着色樹脂層40を熱ラミネートする場合(あるいは、パール調光沢フィルム10および着色樹脂層40の積層体を熱ラミネートする場合)には、着色樹脂層40と基材50との間には接着剤層30を形成しなくてもよい。
<着色樹脂層40>
着色樹脂層40は、基材50を隠蔽したり、化粧板1に意匠性を付与したりするために形成される層であり、樹脂と着色顔料とを含有する層である。図1に示す化粧板1は、基材50が着色樹脂層40により隠蔽されるとともに、着色樹脂層40の意匠性が、着色樹脂層40上に形成されたパール調光沢フィルム10を通して視認できるようになっているとともに、パール調光沢フィルム10によりパール感が発揮され、これにより、意匠性およびパール感に優れたものとなる。
着色樹脂層40を構成する樹脂としては、特に限定されず、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂などが挙げられ、これらのなかでも、ポリエステル樹脂が好ましい。なお、着色樹脂層40は、押出製膜機によりフィルムとして形成してもよく、塗布により塗膜として形成してもよい。フィルムとして形成する場合には、着色樹脂層40を構成する樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂を用いることが好ましい。塗膜として形成する場合には、着色樹脂層40を構成する樹脂としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂を用いることが好ましい。
フィルムとして形成する場合に用いるポリエステル樹脂としては、ジカルボン酸成分とグリコール成分とからなるポリエステルが好ましく、ジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、オルソフタル酸、P−β−オキシエトキシ安息香酸、ナフタレン2,6−ジカルボン酸、ジフェノキシエタン−4,4′−ジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、アジピン酸、セバシン酸などが挙げられ、グリコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,6−ヘキシレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物等が挙げられ、それぞれ1種または2種以上を含んでいてもよい。また、トリメリット酸やピロメリット酸など、3価以上の成分を少量含んでもよい。より具体的には、ポリエステル樹脂としては、たとえば、ポリエチレンテレフタレート、変性ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、変性ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂が挙げられ、これらのなかでも、ポリブチレンテレフタレートが特に好ましい。これらのポリエステル樹脂は、1種単独で、あるいは、2種以上をブレンドして用いることができる。また、塗膜として形成する場合に用いるポリエステル樹脂としては、水酸基を有するポリエステル樹脂が好ましく、オイルフリーポリエステル樹脂、油変性アルキド樹脂、及びこれらの変性体、例えばウレタン変性ポリエステル樹脂、ウレタン変性アルキド樹脂などが挙げられる。これらには架橋剤としてアミノ樹脂、ブロック化ポリイソシアネートなどを用いることができる。
ポリ塩化ビニル樹脂としては、ポリ塩化ビニル樹脂に、ジ−(2−エチルヘキシル)フタレート、ジブチルフタレート、ジオクチルアジペートなどの可塑剤を10〜50重量部含有させたものを用いることが好ましい。
ポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、などのホモポリマー、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共重合体、オレフィン重合体などの共重合ポリマーなどを用いることが好ましい。これらのポリオレフィン樹脂は、1種単独で、あるいは、2種以上をブレンドして用いることができる。
フィルムとして形成する場合に用いるアクリル樹脂としては、ポリメチルアクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレートなどを用いることが好ましい。これらのアクリル樹脂は、1種単独で、あるいは、2種以上をブレンドして用いることができる。また、塗膜として形成する場合に用いるアクリル樹脂としては、溶剤系樹脂が好ましく、特にアクリル樹脂以外にウレタン、オレフィン、ポリエステルあるいはフッ素等で変性したアクリル樹脂が好ましい。
着色樹脂層40を構成する着色顔料としては、特に限定されず、白色顔料、黒色顔料、赤色顔料、青色顔料、黄色顔料などの公知の着色顔料を用いることができる。白色顔料としては、たとえば、ルチル型またはアナターゼ型の二酸化チタン、亜鉛華、グロスホワイト、パーライト、沈降性硫酸パーライト、炭酸カルシウム、石膏、沈降性シリカ、エアロジル、タルク、焼成あるいは未焼性クレイ、炭酸バリウム、アルミナホワイト、合成あるいは天然のマイカ、合成ケイ酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどが挙げられ、これらのなかでも、ルチル型またはアナターゼ型の二酸化チタンが好ましい。また、黒色顔料としては、たとえば、カーボンブラック、マグネタイトなどが挙げられる。赤色顔料としては、たとえば、ベンガラ、鉛丹などが挙げられる。青色顔料としては、たとえば、群青、コバルト青などが挙げられる。黄色顔料としては、たとえば、黄鉛、亜鉛黄などが挙げられる。
これらの着色顔料の粒径は、好ましくは0.05〜2μm、より好ましくは0.1〜0.5μmである。着色顔料の粒径を0.05μm以上とすることにより、単位体積当たりの表面積を適度なものとし、着色顔料が水分を吸着しすぎてしまうことをより有効に抑制することができ、これにより、着色顔料をポリエステル樹脂と混合する際に得られる混合物の粘度が適度なものとなり、混合物中における着色顔料粒子同士の凝集の発生をより有効に抑制することができる。また、着色顔料の粒径を2μm以下とすることにより、着色樹脂層40を基材50上にラミネートする場合などにおいて、着色樹脂層40が千切れてしまうことをより有効に防止することができ、また、着色樹脂層40を基材50上に積層してなる化粧板1を所望の形状に成形加工する場合などにおいて、着色樹脂層40が剥離してしまうことを有効に防止することができ、折曲性などの加工性がより向上する。
着色樹脂層40を形成する方法としては、特に限定されないが、パール調光沢フィルム10と着色樹脂層40とを共押出製膜機により共押出して一体成形する方法、予めフィルム状に成形した着色樹脂層40とパール調光沢フィルム10とをラミネートにより接着する方法、パール調光沢フィルム10上または基材50上に塗布により着色樹脂層40を形成する方法などが挙げられる。
<基材50>
基材50としては、特に限定されないが、鋼板や、その他金属板(たとえば、アルミニウム板。)などを用いることができる。鋼板としては、冷延鋼板、冷延鋼板に亜鉛、亜鉛合金、アルミニウム合金などをめっきしためっき鋼板、冷延鋼板に電解クロム酸処理、リン酸クロメート処理、各種のノンクロム処理などの化成処理を施した表面処理鋼板、またはこれらのめっき鋼板にこれらの化成処理を施した表面処理めっき鋼板などを用いることが好ましい。また、化粧板1の用途によっては、基材50として、木板や合板などの木質板、石膏ボード、プラスチック板などの非金属板を用いることもできる。
以上のようにして、本実施形態の化粧板1は構成される。
本実施形態の化粧板1は、上述したパール調光沢フィルム10を用いて形成されるものであるため、着色樹脂層40の意匠性が、着色樹脂層40上に形成されたパール調光沢フィルム10を通して視認できるようになっているとともに、パール調光沢フィルム10によりパール感が発揮され、これにより、意匠性およびパール感に優れたものである。そのため、本実施形態の化粧板1は、冷蔵庫、洗濯機その他の電気製品、建築物、車両などの各種製品の内装材、外装材もしくは表層材、ユニットバスの壁材、または住宅の外壁等の建材として、好適に用いることができる。
なお、上述した図1においては、パール調光沢フィルム10を用いた例として、パール調光沢フィルム10と、印刷層20と、接着剤層30と、着色樹脂層40と、基材50とからなる化粧板1を例示したが、パール調光沢フィルム10の用途はこのような化粧板1に限定されず、図3に示すように、パール調光沢フィルム10と、印刷層20と、接着剤層30と、着色樹脂層40のみからなる化粧フィルム2としてもよい。すなわち、基材50を用いることなく、着色樹脂層40上に、印刷層20および接着剤層30を介してパール調光沢フィルム10を形成することにより、化粧フィルム2を得るようにしてもよい。
また、本実施形態においては、化粧板1のパール調光沢フィルム10上に、パール調光沢フィルム10を保護する観点により、保護層60を形成してもよい。具体的には、図4に示す化粧板1aのように、パール調光沢フィルム10上に保護層60を形成することができる。この際においては、図4に示す化粧板1aのように、パール調光沢フィルム10と保護層60との間に、必要に応じて、印刷層20および接着剤層30を形成してもよい。図4に示すように、パール調光沢フィルム10と保護層60との間に印刷層20および接着剤層30を形成した場合には、パール調光沢フィルム10と着色樹脂層40との間の印刷層20は形成しないようにしてもよい。
同様に、本実施形態においては、化粧フィルム2のパール調光沢フィルム10上に、パール調光沢フィルム10を保護する観点により、保護層60を形成してもよい。具体的には、図5に示す化粧フィルム2aのように、パール調光沢フィルム10上に保護層60を形成することができる。この際においては、図5に示す化粧フィルム2aのように、パール調光沢フィルム10と保護層60との間に、必要に応じて、印刷層20および接着剤層30を形成してもよい。図5に示すように、パール調光沢フィルム10と保護層60との間に印刷層20および接着剤層30を形成した場合には、パール調光沢フィルム10と着色樹脂層40との間の印刷層20は形成しないようにしてもよい。
保護層60は、パール調光沢フィルム10を保護する観点より形成され、ポリエステル樹脂を含有する層であることが好ましい。保護層60を構成するポリエステル樹脂としては、特に限定されないが、ポリエチレンテレフタレート、変性ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、変性ポリブチレンテレフタレートなどが挙げられ、これらのなかでも、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。これらのポリエステル樹脂は、1種単独で、あるいは、2種以上をブレンドして用いることができる。
保護層60を形成する方法は、特に限定されないが、パール調光沢フィルム10と保護層60と(あるいは、パール調光沢フィルム10と着色樹脂層40と保護層60と)を共押出製膜機により共押出して一体成形する方法、予めフィルム状に成形した保護層60とパール調光沢フィルム10とをラミネートにより接着する方法、予めフィルム状に成形した保護層60を接着剤層30を介してパール調光沢フィルム10上に積層する方法などが挙げられる。
本実施形態の化粧板1,1aおよび化粧フィルム2,2aは、上述した図1,3〜5の例に限定されず、たとえば、図1,3〜5で示した各実施形態の化粧板1,1aおよび化粧フィルム2,2aにおいて、パール調光沢フィルム10、印刷層20、接着剤層30、着色樹脂層40、保護層60に加えてさらに他の層が積層されていてもよい。
また、図1,3〜5で示した各実施形態の化粧板1,1aおよび化粧フィルム2,2aにおいて、意匠性をさらに高めるために、表面にエンボス加工による凹凸模様を形成してもよい。たとえば、パール調光沢フィルム10、着色樹脂層40、保護層60などを押出製膜する際にエンボス加工を施して凹凸模様を成形し、これをそのまま化粧フィルム2,2aとして用いたり、これを基材50に積層して化粧板1,1aとして用いる方法や、パール調光沢フィルム10、着色樹脂層40、保護層60などを基材50に積層する際にエンボス加工を施したりする方法などが挙げられる。また、パール調光沢フィルム10、着色樹脂層40、保護層60などを基材50に積層した後に、後加工でエンボス加工を施してもよい。
以下に、実施例を挙げて、本発明についてより具体的に説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。
なお、各特性の評価方法は、以下のとおりである。
<SP値>
パール調光沢フィルムを構成する樹脂Aおよび樹脂BのSP値(溶解パラメータ)を、それぞれFedors法に基づき下記式(1)を用いて算出した。
δ=(E/V)1/2 ・・・(1)
(式(1)中、δはSP値、Eは凝集エネルギー(cal/mol)、Vはモル体積(cm/mol)を表す。)
<拡散透過率、全光線透過率>
パール調光沢フィルムの拡散透過率および全光線透過率を、濁度計(日本電色工業社製、品名「ヘーズメーター NDH2000」)を用いて、JIS K 7136、JIS K 7361−1に準拠して測定した。
<光沢度>
パール調光沢フィルムについて、光沢計(日本電色工業社製、品名「光沢計 VG2000」)を用いて、JIS Z 8741に準拠して、光沢度(Gs20°)測定した。
<外観評価(白濁)>
黒色板の上にパール調光沢フィルムを置き、パール調光沢フィルムの外観を目視で観察し、白濁の程度を以下の基準で評価した。なお、以下の基準でAまたはBであれば、パール調光沢フィルムは、白濁が少なく透明性に優れるものであると判断した。
A:黒色板の色がパール調光沢フィルムを通して明確に視認できた。
B:黒色板の色がパール調光沢フィルムを通して視認できた。
C:黒色板の色を殆ど視認できなかった。
<外観評価(パール感)>
黒色板の上にパール調光沢フィルムを置き、パール調光沢フィルムの角度を変えながら外観を目視で観察し、パール感の程度を以下の基準で評価した。なお、以下の基準でA,BまたはCであれば、パール調光沢フィルムは、パール感に優れるものであると判断した。
A:角度による反射の度合いの変化が非常に大きくパール感が非常に強く感じられる。
B:角度による反射の度合いの変化が大きくパール感が強く感じられる。
C:角度による反射の度合いの変化が有りパール感が感じられる。
D:角度による反射の度合いの変化が殆ど無く、パール感が感じられない。
<分散層の平均厚み>
パール調光沢フィルムの断面を透過型電子顕微鏡(TEM)により測定することにより、パール調光沢フィルムにおける樹脂A中の分散層(樹脂A中に分散する樹脂Bの層)の平均厚みを、上述した図2に示す方法により求めた。すなわち、TEMにより測定された画像上に、パール調光沢フィルムの厚み方向に沿って長さ5μmの補助線を引いて、補助線上に存在する樹脂Bの層の個数N(個)と、補助線上に存在する各層の合計の厚みT(μm)とに基づいて、TAve=T/N(μm/個)を計算し、このTAveを平均厚みとした。
<外観評価(着色樹脂層視認性)>
パール調光沢フィルムの下地となる着色樹脂層を、パール調光沢フィルムを通して目視で観察し、着色樹脂層がパール調光沢フィルムを通して視認できるかどうかを、以下の基準で評価した。
A:着色樹脂層がパール調光沢フィルムを通して視認できた。
B:パール調光沢フィルムの白濁によって、着色樹脂層を視認できなかった。
《実施例1》
パール調光沢フィルムを形成するための原料として、樹脂Aとしての1,4−シクロヘキサンジメタノール変性ポリエチレンテレフタレート(PETG)(屈折率:1.57、SP値:11.7)、樹脂Bとしてのポリメタクリル酸メチル(PMMA)(屈折率:1.49、SP値:9.9)をそれぞれ準備した。
次いで、上述した樹脂Aおよび樹脂Bの配合割合を、体積比率で、樹脂A:樹脂B=60体積%:40体積%となるようにして、押出製膜機により、樹脂Aおよび樹脂Bをスクリューにて混錬しながら押出することにより、厚み50μmのパール調光沢フィルム(a−1)を得た。
そして、得られたパール調光沢フィルム(a−1)について、上記方法にしたがって、拡散透過率、全光線透過率、光沢度、外観評価(白濁、パール感)の各評価を行った。結果を表1に示す。
《実施例2》
樹脂Bとして、PMMAに代えて、ポリエチレンナフタレート(PEN)(屈折率:1.65、SP値:12.7)を使用し、パール調光沢フィルムの厚みを25μmとした以外は、実施例1と同様にパール調光沢フィルム(a−2)を得て、同様に評価した。結果を表1に示す。
《実施例3》
樹脂Aおよび樹脂Bの配合割合を、体積比率で、樹脂A:樹脂B=70体積%:30体積%に変更した以外は、実施例2と同様にパール調光沢フィルム(a−3)を得て、同様に評価した。結果を表1に示す。
《実施例4》
樹脂Aとして、PETGに代えて、イソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレート(PET/IA)(屈折率:1.58、SP値:12.4)を使用した以外は、実施例1と同様にパール調光沢フィルム(a−4)を得て、同様に評価した。結果を表1に示す。
《実施例5》
樹脂Aとして、PETGに代えて、ビスフェノールA型ポリカーボネート(PC)(屈折率:1.58、SP値:11.2)を使用した以外は、実施例1と同様にパール調光沢フィルム(a−5)を得て、同様に評価した。また、実施例5においては、上記方法にしたがって、分散層の平均厚みを求めた。結果を表1に示す。さらに、分散層の平均厚みを求める際に測定したTEM画像を、図2に示す。
《実施例6》
樹脂Aおよび樹脂Bの配合割合を、体積比率で、樹脂A:樹脂B=90体積%:10体積%に変更した以外は、実施例5と同様にパール調光沢フィルム(a−6)を得て、同様に評価した。結果を表1に示す。
《実施例7》
樹脂Aとして、PETGに代えて、ポリブチレンテレフタレート(PBT)(屈折率:1.54、SP値:11.7)を、樹脂Bとして、PMMAに代えて上記のPENを、それぞれ使用した以外は、実施例1と同様にパール調光沢フィルム(a−7)を得て、同様に評価した。結果を表1に示す。
《実施例8》
樹脂Bとして、PMMAに代えて上記のPENを使用し、パール調光沢フィルムの厚みを200μmとした以外は、実施例1と同様にパール調光沢フィルム(a−8)を得て、同様に評価した。結果を表1に示す。
《実施例9》
パール調光沢フィルムの厚みを12μmとした以外は、実施例7と同様にパール調光沢フィルム(a−9)を得て、同様に評価した。結果を表1に示す。
《実施例10》
パール調光沢フィルムの厚みを10μmとした以外は、実施例8と同様にパール調光沢フィルム(a−10)を得て、同様に評価した。結果を表1に示す。
《比較例1》
樹脂Aとして、PETGに代えて上記のPET/IAを、樹脂Bとして、PMMAに代えて、ポリエチレン(PE)(屈折率:1.54、SP値:8.5)を、それぞれ使用し、樹脂Aおよび樹脂Bの配合割合を、体積比率で、樹脂A:樹脂B=80体積%:20体積%に変更し、パール調光沢フィルムの厚みを40μmとした以外は、実施例1と同様にパール調光沢フィルム(b−1)を得て、同様に評価した。結果を表1に示す。また、比較例1においては、上記方法にしたがって、分散層の平均厚みを求めた。結果を表1に示す。
《比較例2》
樹脂Bとして、PMMAに代えて上記のPCを使用した以外は、実施例1と同様にパール調光沢フィルム(b−2)を得て、同様に評価した。結果を表1に示す。
《比較例3》
樹脂Bとして、PMMAに代えて上記のPENを使用し、樹脂Aおよび樹脂Bの配合割合を、体積比率で、樹脂A:樹脂B=95体積%:5体積%に変更した以外は、実施例1と同様にパール調光沢フィルム(b−3)を得て、同様に評価した。結果を表1に示す。
《比較例4》
樹脂Bとして、PMMAに代えて上記のPENを使用し、樹脂Aおよび樹脂Bの配合割合を、体積比率で、樹脂A:樹脂B=70体積%:30体積%に変更し、パール調光沢フィルムの厚みを5μmとした以外は、実施例1と同様にパール調光沢フィルム(b−4)を得て、同様に評価した。結果を表1に示す。
《比較例5》
パール調光沢フィルムの厚みを300μmとした以外は、比較例4と同様にパール調光沢フィルム(b−5)を得て、同様に評価した。結果を表1に示す。
下記に各実施例、比較例にて使用した樹脂の構造式を示す。
Figure 2019151755
Figure 2019151755
表1に示すように、樹脂Aと樹脂Bとにおける屈折率の差分が0.06以上であり、樹脂Aの含有割合が60〜90体積%、樹脂Bの含有割合が10〜40体積%であり、全体の厚みが10〜200μmであり、樹脂A中に分散した樹脂Bの粒子または層の、パール調光沢フィルムの厚み方向における平均厚みが0.01〜1μmであるパール調光沢フィルムは、白濁の評価、パール感の評価がいずれも優れることから、優れたパール感を有し、しかも透明性が高いものであることが確認された(実施例1〜10)。
一方、表1に示すように、樹脂Aと樹脂Bとにおける屈折率の差分が0.06未満であるパール調光沢フィルムは、パール感に劣ることが確認された(比較例1,2)。特に、樹脂Bとしてポリエチレン(PE)を使用した比較例1のパール調光沢フィルムは、樹脂A中に分散した樹脂Bの粒子または層の平均厚みが1μm超であることから、白濁が発生してしまい、透明性にも劣るものであった。
また、表1に示すように、樹脂Aの含有割合が90体積%超であるパール調光沢フィルムは、パール感に劣ることが確認された(比較例3)。
さらに、表1に示すように、厚みが10μm未満であるパール調光沢フィルムは、パール感に劣ることが確認された(比較例4)。
また、表1に示すように、厚みが200μm超であるパール調光沢フィルムは、白濁が発生してしまい、透明性に劣るものであることが確認された(比較例5)。
《実施例11》
まず、上記のPBTに白色顔料(酸化チタン)を添加した樹脂を準備した。次いで、準備した樹脂を用いて、押出製膜機により、厚み60μmの着色樹脂フィルム(着色樹脂層)を作製した。続いて、作製した着色樹脂層上に、実施例1で作製したパール調光沢フィルム(a−1)を熱ラミネートして積層することで、化粧フィルムを得た。化粧フィルムの作製条件を表2に示す。なお、表2においては、表1におけるパール調光沢フィルムの光沢度、および外観評価(白濁、パール感)の評価結果も併せて記載した。そして、得られた化粧フィルムについて、上記方法にしたがって、外観評価(着色樹脂層視認性)を行った。結果を表2に示す。
《実施例12》
着色樹脂層を構成する樹脂として、PBTに代えて、上記白色顔料を添加したポリ塩化ビニル(PVC)を使用して、厚み75μmの着色樹脂フィルム(着色樹脂層)を作製し、パール調光沢フィルム(a−1)に代えて、実施例2で作製したパール調光沢フィルム(a−2)を用い前記2つのフィルムをポリエステル系樹脂を主剤とする接着剤を用いて積層した以外は、実施例11と同様にして化粧フィルムを得て、同様に評価を行った。結果を表2に示す。
《実施例13》
着色樹脂層を構成する樹脂として、PBTに代えて、上記白色顔料を添加した上記PETGを使用して、厚み60μmの着色樹脂フィルム(着色樹脂層)を作製し、パール調光沢フィルム(a−1)に代えて、実施例3で作製したパール調光沢フィルム(a−3)を用いた以外は、実施例11と同様にして化粧フィルムを得て、同様に評価を行った。結果を表2に示す。
《実施例14》
着色樹脂層を構成する樹脂として、PBTに代えて、上記白色顔料を添加した上記PMMAを使用して、厚み60μmの着色樹脂フィルム(着色樹脂層)を作製し、パール調光沢フィルム(a−1)に代えて、実施例4で作製したパール調光沢フィルム(a−4)を用いた以外は、実施例11と同様にして化粧フィルムを得て、同様に評価を行った。結果を表2に示す。
《実施例15》
着色樹脂層を構成する樹脂として、PBTに代えて、上記白色顔料を添加したポリプロピレン(PP)を使用して、厚み60μmの着色樹脂フィルム(着色樹脂層)を作製し、パール調光沢フィルム(a−1)に代えて、実施例6で作製したパール調光沢フィルム(a−5)を用いた以外は、実施例11と同様にして化粧フィルムを得て、同様に評価を行った。結果を表2に示す。
《実施例16》
まず、パール調光沢フィルム(a−1)に代えて、実施例6で作製したパール調光沢フィルム(a−6)を用いた以外は、実施例11と同様にして化粧フィルムを作製した。次いで、作製した化粧フィルムのパール調光沢フィルム(a−6)上に、保護層としての厚み25μmの2軸延伸PETフィルムをポリエステル系樹脂を主剤とする接着剤を用いて積層することで、保護層被覆化粧フィルムを得た。そして、得られた保護層被覆化粧フィルムについて、上記方法にしたがって、外観評価(着色樹脂層視認性)を行った。結果を表2に示す。
《実施例17》
着色樹脂層を構成する樹脂として、PBTに代えて、上記白色顔料を添加した上記PETGを使用して、厚み100μmの着色樹脂フィルム(着色樹脂層)を作製し、パール調光沢フィルム(a−6)に代えて、実施例7で作製したパール調光沢フィルム(a−7)を使用し、保護層として、厚み50μmの2軸延伸PETフィルムを使用した以外は、実施例16と同様にして保護層被覆化粧フィルムを得て、同様に評価を行った。結果を表2に示す。
《実施例18》
まず、着色樹脂層の厚みを75μmに変更し、パール調光沢フィルム(a−1)に代えて、実施例8で作製したパール調光沢フィルム(a−8)を用いた以外は、実施例11と同様にして化粧フィルムを得た。一方で、基材として、厚み0.5mmの電気亜鉛めっき鋼板(亜鉛の付着量20g/m)を準備した。次いで、準備した基材上に、化粧フィルムをポリエステル系樹脂を主剤とする接着剤を用いて積層することで、化粧板を得た。そして、得られた化粧板について、上記方法にしたがって、外観評価(着色樹脂層視認性)を行った。結果を表2に示す。
《実施例19》
基材として、厚み0.4mmの電気亜鉛めっき鋼板(亜鉛の付着量20g/m)を使用し、着色樹脂層を構成する樹脂として、PBTに代えて、上記白色顔料を添加した上記PVCを使用し、着色樹脂層の厚みを80μmとし、パール調光沢フィルム(a−8)に代えて、実施例9で作製したパール調光沢フィルム(a−9)を用いた以外は、実施例18と同様にして化粧板を得て、同様に評価を行った。結果を表2に示す。
《実施例20》
基材として、厚み0.6mmの溶融亜鉛めっき鋼板(亜鉛の付着量100g/m)を使用し、着色樹脂層を構成する樹脂として、PBTに代えて、上記白色顔料を添加した上記PMMAを使用し、着色樹脂層の厚みを60μmとし、パール調光沢フィルム(a−8)に代えて、実施例10で作製したパール調光沢フィルム(a−10)を用い、前記2つのフィルムをポリエステル系樹脂を主剤とする接着剤を用いて積層した以外は、実施例18と同様にして化粧板を得た。次いで、得られた化粧板のパール調光沢フィルム(a−10)上に、保護層としての厚み25μmの上記2軸延伸PETフィルムをポリエステル系樹脂を主剤とする接着剤を用いて積層することで、保護層被覆化粧板を得た。そして、得られた保護層被覆化粧板について、上記方法にしたがって、外観評価(着色樹脂層視認性)を行った。結果を表2に示す。
《比較例6》
パール調光沢フィルム(a−2)に代えて、比較例1で作製したパール調光沢フィルム(b−1)を用いた以外は、実施例12と同様にして化粧フィルムを得て、同様に評価を行った。結果を表2に示す。
《比較例7》
着色樹脂層を構成する樹脂として、PVCに代えて、上記白色顔料を添加したポリエチレンテレフタレート(PET)を使用して、厚み60μmの着色樹脂フィルム(着色樹脂層)を作製し、パール調光沢フィルム(b−1)に代えて、比較例2で作製したパール調光沢フィルム(b−2)を用いた以外は、比較例6と同様にして化粧フィルムを得て、同様に評価を行った。結果を表2に示す。
《比較例8》
着色樹脂層を構成する樹脂として、PETGに代えて、上記白色顔料を添加した上記PBTを使用して、厚み75μmの着色樹脂フィルム(着色樹脂層)を作製し、パール調光沢フィルム(a−7)に代えて、比較例3で作製したパール調光沢フィルム(b−3)を用いた以外は、実施例17と同様にして保護層被覆化粧フィルムを得て、同様に評価を行った。結果を表2に示す。
《比較例9》
着色樹脂層を構成する樹脂として、PBTに代えて、上記白色顔料を添加した上記PVCを使用して、厚み100μmの着色樹脂フィルム(着色樹脂層)を作製し、パール調光沢フィルム(a−8)に代えて、比較例4で作製したパール調光沢フィルム(b−4)を用いた以外は、実施例18と同様にして化粧板を得て、同様に評価を行った。結果を表2に示す。
《比較例10》
着色樹脂層の厚みを80μmとし、パール調光沢フィルム(a−10)に代えて、比較例5で作製したパール調光沢フィルム(b−5)を用いた以外は、実施例20と同様にして保護層被覆化粧板を得て、同様に評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 2019151755
表2に示すように、樹脂Aと樹脂Bとにおける屈折率の差分が0.06以上であり、樹脂Aの含有割合が60〜90体積%、樹脂Bの含有割合が10〜40体積%であり、全体の厚みが10〜200μmであり、樹脂A中に分散した樹脂Bの粒子または層の、パール調光沢フィルムの厚み方向における平均厚みが0.01〜1μmであるパール調光沢フィルムを用いて得られた(保護層被覆)化粧フィルムおよび(保護層被覆)化粧板は、着色樹脂層視認性の評価が優れることから、着色樹脂層をパール調光沢フィルムを通して視認可能であり、意匠性に優れることが確認された(実施例11〜20)。
一方、表1に示すように、比較例1〜5のパール調光沢フィルムを用いて得られた(保護層被覆)化粧フィルムおよび(保護層被覆)化粧板は、比較例1〜5と同様に、白濁の評価、およびパール感の評価のうち少なくともいずれか一方の結果が劣るものであった(比較例6〜10)。
さらに、比較例6の化粧フィルム、および比較例10の保護層被覆化粧板は、白濁したパール調光沢フィルム(比較例1,5のパール調光沢フィルム)を使用したため、着色樹脂層視認性に劣るものであり、意匠性に劣ることが確認された。
1,1a…化粧板
10…パール調光沢フィルム
20…印刷層
30…接着剤層
40…着色樹脂層
50…基材
60…保護層
2,2a…化粧フィルム

Claims (12)

  1. 樹脂Aと、前記樹脂Aとは異なる屈折率を有する樹脂Bとを含有するパール調光沢フィルムであって、
    前記樹脂Aと前記樹脂Bとにおける屈折率の差分が0.06以上であり、前記樹脂Aの含有割合が60〜90体積%、前記樹脂Bの含有割合が10〜40体積%であり、
    前記パール調光沢フィルムの厚みが10〜200μmであり、
    前記パール調光沢フィルムは、前記樹脂A中に前記樹脂Bが粒子状または層状に分散してなり、分散した前記樹脂Bの粒子または層の、前記パール調光沢フィルムの厚み方向における平均厚みが0.01〜1μmであるパール調光沢フィルム。
  2. 前記樹脂Aが、ポリカーボネート、アクリル酸エステルポリマー、メタクリル酸エステルポリマーおよびポリエステルから選択されるいずれかの樹脂であり、
    前記樹脂Bが、ポリカーボネート、アクリル酸エステルポリマー、メタクリル酸エステルポリマーおよびポリエステルから選択されるいずれかの樹脂である請求項1に記載のパール調光沢フィルム。
  3. 前記樹脂Aが1,4−シクロヘキサンジメタノール変性ポリエチレンテレフタレートであり、前記樹脂Bがポリメチルメタクリレートである請求項1に記載のパール調光沢フィルム。
  4. 前記樹脂Aが1,4−シクロヘキサンジメタノール変性ポリエチレンテレフタレートであり、前記樹脂Bがポリエチレンナフタレートである請求項1に記載のパール調光沢フィルム。
  5. 前記樹脂Aがイソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレートであり、前記樹脂Bがポリメチルメタクリレートである請求項1に記載のパール調光沢フィルム。
  6. 前記樹脂AがビスフェノールA型ポリカーボネートであり、前記樹脂Bがポリメチルメタクリレートである請求項1に記載のパール調光沢フィルム。
  7. 前記樹脂Aがポリブチレンテレフタレートであり、前記樹脂Bがポリエチレンナフタレートである請求項1に記載のパール調光沢フィルム。
  8. 前記パール調光沢フィルムの厚みを10〜200μmとした場合における、光沢度(Gs20°)が5%以上であり、拡散透過率が2〜70%であり、かつ、全光線透過率が90%以下である請求項1〜7のいずれかに記載のパール調光沢フィルム。
  9. 前記樹脂Aと前記樹脂BとにおけるFedors法により求められるSP値の差分が、0.7〜3.0(cal/cm0.5である請求項1〜8のいずれかに記載のパール調光沢フィルム。
  10. 着色樹脂層と、前記着色樹脂層上に形成された、請求項1〜9のいずれかに記載のパール調光沢フィルムと、を備えるパール調光沢フィルム積層体。
  11. 前記パール調光沢フィルム上に形成された、保護層をさらに備える請求項10に記載のパール調光沢フィルム積層体。
  12. 基材と、前記基材と前記着色樹脂層とが対向するようにして前記基材上に形成された、請求項10または11に記載のパール調光沢フィルム積層体と、を備えるパール調光沢フィルム積層化粧板。
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