JP2006095892A - 積層シ−ト、エンボス意匠シートおよびエンボス意匠シート被覆金属板 - Google Patents

積層シ−ト、エンボス意匠シートおよびエンボス意匠シート被覆金属板 Download PDF

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Abstract

【課題】 エンボスを付与する際にシートの幅縮み、皺入り、破断等が生じず、エンボス付与性と金属板への接着性とのバランスがよい積層シート、エンボス意匠シート、エンボス意匠シート被覆金属板および建築内装材等を提供する。
【解決手段】 実質的に非晶性であるポリエステル系樹脂を主体としてなる厚み45μm以上の無配向の樹脂層(A層)と、B層における樹脂成分全体の質量を基準として、融点が210〜230℃のポリブチレンテレフタレート系樹脂を75〜95質量%含有してなる厚み20〜200μmの無配向の樹脂層(B層)、および、C層における樹脂成分全体の質量を基準として、融点が210〜230℃のポリブチレンテレフタレート系樹脂を55〜70質量%と、実質的に非晶性であるポリエステル系樹脂を45〜30質量%含有してなる厚み5μm以上の無配向の樹脂層(C層)、の少なくとも3層より成り、総厚みが65〜300μmの範囲である積層シート。
【選択図】 図1

Description

本発明はAV機器や、エアコンカバー等の家庭電化製品外装や合板製家具、鋼製家具、建築物内装等のエンボス意匠を有する被覆材用途に好適に用いることができる、エンボス付与適性に優れた積層シートおよび、それにエンボス付与を施したエンボス意匠シート、さらには、このエンボス意匠シートにより被覆されたエンボス意匠シート被覆金属板に関するものである。より詳細には、エンボス付与機で積層シートが加熱された際の幅縮み、皺入り、シート破断などの問題が発生するおそれが少なく、従来の軟質PVCシートの場合と同様にエンボスを付与することが可能な積層シート、および、この方法でエンボスを付与したエンボスの耐熱性に優れたエンボス意匠シート、さらにこれにより被覆されたエンボス意匠シート被覆金属板に関するものである。
従来、上記用途にはエンボス意匠を付与した軟質塩化ビニル系樹脂シート(以下、「軟質PVCシ−ト」という。)で合成樹脂成形品や合板、木質繊維板、金属板等を被覆したものが用いられてきた。軟質PVCシ−トの特徴としては、
(1)エンボス付与適性に優れることから、意匠性に富んだ被覆材を得ることができる。
(2)一般的に背反要素である加工性と表面の傷入り性のバランスが比較的良好である。
(3)各種添加剤との相容性に優れること、および長年にわたり添加剤による物性向上検討が行われて来たことから、耐久性に優れた樹脂皮膜を得ることが容易である。
等の点を挙げることができる。
この軟質PVCの長尺シ−トに連続的にエンボスを付与する方法としては、製膜後のシートを再加熱により軟化させ、エンボス柄を彫刻したロール(エンボス版ロール)で抑えて柄を連続的に転写させる方法が一般的に用いられている。シートを加熱する方法として、加熱した金属ロールに接触させて加熱するような接触型や、赤外ヒーターや、熱風ヒーターなどによってロール等に接触させることなく加熱する非接触型等が考えられる。実際の製造ラインでは、どちらか一方だけが用いられる場合もあるが、一般的には双方が併用されることが多い。また、これら一連の工程を有する設備をエンボス付与機等と称する。
このエンボス付与機においては、エンボス版ロールの交換脱着を容易に行える設計が盛り込まれているのが一般的であり、エンボス版ロールの直径は押出し製膜設備のキャスティングロール等と比較して小さく、多種のエンボス版ロールを用意しておくことでエンボス柄の変更を容易かつ経済的に行うことができることから、小ロット対応に適したエンボス付与方法といえる。
また、エンボス意匠と同時に印刷意匠を有する軟質PVCシートについては、着色された軟質PVCシートの表面に印刷を施した後、透明な軟質PVCシートを積層一体化し、この積層シートをエンボス付与機へ連続的に通すことで得られていた。この場合、エンボス付与機でのシート予熱を利用して、2層のシートを熱融着で積層一体化すること等が行われており、積層のための特別な工程を必要としないことから生産性が良く、コスト面でも優れたものであった。
このように、優れた特徴を有する軟質PVCシ−トであるが、近年VOC問題や内分泌撹乱作用の問題、燃焼時に塩化水素ガスその他の塩素含有ガスを発生する問題等から、塩化ビニル系樹脂の使用は、制限を受けるようになってきた。
そこで、軟質PVCシートに替えて、加工性と表面傷付き性に優れたポリエステル系樹脂より成るシートをエンボス意匠を有する樹脂被覆金属板の用途に用いることが検討された。このようなシートとして、特許文献1には非晶質ポリエステル樹脂を主成分とする基材フィルム層と、透明な非晶質ポリエステル樹脂を主成分とする保護フィルム層を積層した化粧シートが提案されている。
また、特許文献2では、実質的に非晶性あるいは低結晶性である樹脂組成物又は前記実質的に非晶性あるいは低結晶性である樹脂組成物を多く含むエンボス付与可能層(A層)と、実質的に結晶性である樹脂組成物もしくは前記実質的に結晶性である樹脂組成物を多く含む基材層(B層)とで構成される2層構造のシートとすることで、現行のPVC用のエンボス加工装置を用いてもシート溶断、加熱ロールへの貼り付きや巻き付きの不具合が生じずに、現行のPVC用のエンボス加工装置を用いることができることが提案されてる。
特開2000−233480号公報 WO03045690号公報
しかし、特許文献1における組成ではエンボス付与機でシートが加熱された際の張力が充分なものとはならないため、シートの幅縮み、皺入り、破断等を生ずるおそれがあり安定してエンボス意匠を有するシートを生産することはむずかしい。
また、特許文献2においては、結晶性ポリエステルを主体とする層の結晶性が比較的高い場合は、エンボス付与機での作業安定性は良好なものの、エンボス付与後の積層シートを金属板にラミネートする際、金属板を比較的高温に加熱しておかないと充分な接着力が得られないおそれがあった。また、金属板を高温に加熱した場合は、金属板裏面に施された塗装処理が熱変色を生ずる懸念があった。逆に、金属板とのラミネートの際の上記問題点を解決するため、結晶性ポリエステル樹脂を主体とする層の結晶性を比較的低下させた場合は、エンボス付与機での作業性に問題が出る可能性があり、両者をバランスさせ得る範囲は制約を受けるものであった。
そこで、本発明は、エンボスを付与する際にシートの幅縮み、皺入り、破断等が生じず、エンボス付与機での作業性と金属板への接着性とのバランスがよく、上記の問題を解決することができる積層シート、エンボス意匠シート、エンボス意匠シート被覆金属板および建築内装材等を提供することを課題とする。
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
第一の本発明は、A層(10)、B層(20)およびC層(30a)の少なくとも3層からなる積層シートであって、前記A層(10)が、実質的に非晶性であるポリエステル系樹脂を主体としてなる厚み45μm以上の無配向の樹脂層であり、前記B層(20)が、前記B層(20)における樹脂成分全体の質量を基準(100質量%)として、融点(Tm)が210〜230℃のポリブチレンテレフタレート(PBT)系樹脂を75〜95質量%含有してなる厚み20〜200μmの無配向の樹脂層であり、前記C層(30a)が、前記C層(30a)における樹脂成分全体の質量を基準(100質量%)として、融点(Tm)が210〜230℃のポリブチレンテレフタレート(PBT)系樹脂を55〜70質量%と、実質的に非晶性であるポリエステル系樹脂を45〜30質量%含有してなる厚み5μm以上の無配向の樹脂層であり、総厚みが70〜300μmの範囲である積層シート(100a)である。
この積層シート(100a)において、A層(10)はエンボス転写性が良好な層であり、B層(20)はエンボス付与機で積層シート(100a)が加熱された際に十分なシート張力を付与する層であり、C層(30a)はエンボス付与機の加熱金属ロールに対して非粘着性を示すと同時に、B層(20)を直接金属板にラミネートする場合よりも金属板温度を低温にしても十分な接着強度を得ることが可能な層である。
第二の本発明は、A層(10)、B層(20)およびC層(30b)の少なくとも3層からなる積層シートであって、前記A層(10)が、実質的に非晶性であるポリエステル系樹脂を主体としてなる厚み45μm以上の無配向の樹脂層であり、前記B層(20)が、前記B層(20)における樹脂成分全体の質量を基準(100質量%)として、融点(Tm)が210〜230℃のポリブチレンテレフタレート(PBT)系樹脂を75〜95質量%含有してなる厚み20〜200μmの無配向の樹脂層であり、前記C層(30b)が、前記C層(30b)における樹脂成分全体の質量を基準(100質量%)として、融点(Tm)が210℃未満のポリブチレンテレフタレート(PBT)系樹脂を70〜100質量%含有してなる厚み5μm以上の無配向の樹脂層であり、総厚みが70〜300μmの範囲である積層シート(100b)である。
この積層シート(100b)においても、第一の本発明と同様の効果が得られる。
第一の本発明においては、前記A層(10)、および前記C層(30a)の実質的に非晶性であるポリエステル系樹脂は、テレフタル酸、またはジメチルテレフタル酸をジカルボン酸成分の主体とし、ジオール成分の約20〜80mol.%が1.4−シクロヘキサンジメタノール(1.4−CHDM)で、残りの約80〜20mol.%がエチレングリコールより成る共重合ポリエステルであることが好ましい。
前記A層(10)、および前記C層(30a)の実質的に非晶性であるポリエステル系樹脂として商業的に入手しやすい材料を用いることで原料供給の安定性とコストのメリットを得ることができる。
第二の本発明においては、前記A層(10)の実質的に非晶性であるポリエステル系樹脂は、テレフタル酸、またはジメチルテレフタル酸をジカルボン酸成分の主体とし、ジオール成分の約20〜80mol.%が1.4−シクロヘキサンジメタノール(1.4−CHDM)で、残りの約80〜20mol.%がエチレングリコールより成る共重合ポリエステルであることが好ましい。
A層(10)の実質的に非晶性であるポリエステル系樹脂として商業的に入手しやすい材料を用いることで原料供給の安定性とコストのメリットを得ることができる。
積層シートとして測定した動的粘弾性引張り法10Hzでの190℃の貯蔵弾性率は、シートのMD方向に関して1×10 Pa以上であることが好ましい。
ここで、「MD方向」とは、シートの長手方向(Machine Direction)をいう。
これは、エンボス付与機での加熱されたシートの耐破断性をより明確にしたものである。ここで、「190℃」で規定するのは、従来の軟質PVCシートにエンボス付与機でエンボス柄を転写する場合にシートが支持体無しでヒーターによって加熱される温度が160〜190℃程度であることによる。この温度に加熱された後、エンボス版ロールでエンボス柄を転写することにより、エンボス耐熱性が良好なエンボス意匠シートを得ることができる。
前記A層(10)における樹脂成分全体の質量を基準(100質量%)として、前記A層(10)に20〜40質量%の融点(Tm)が210〜230℃のポリブチレンテレフタレート(PBT)系樹脂が配合されていることが好ましい。
これにより、沸騰水浸漬試験等の高温の水と接触した場合のエンボスの残存性をより良好なものとすることができる。
前記A層(10)が実質的に透明であり、かつ前記A層(10)と前記B層(20)との間に印刷による印刷柄(D)(40)が付与されている構成とすることもできる。
これにより、エンボス意匠に加えて印刷意匠を有する積層シート(100c)を得ることができる。
前記A層(10)が実質的に透明であり、かつ前記A層(10)と前記B層(20)との間に印刷による印刷柄(D)(40)が付与されており、さらに、前記印刷柄(D)(40)と前記B層(20)との間に実質的に非晶性であるポリエステル系樹脂を主体としてなる無配向の樹脂層(E層)(50)が配置されている構成とすることもできる。
これにより、E層(50)はA層(10)と同様にエンボス版ロールによる押圧で変形される層であることから、A層(10)の厚みを薄くして印刷層の透視性を良好なものとしながらより深いエンボスの転写が可能となる。
前記E層(50)の実質的に非晶性であるポリエステル系樹脂は、テレフタル酸、またはジメチルテレフタル酸をジカルボン酸成分の主体とし、ジオール成分の約20〜80mol.%が1.4−シクロヘキサンジメタノール(1.4−CHDM)で、残りの約80〜20mol.%がエチレングリコールより成る共重合ポリエステルであることが好ましい。
これにより、商業的に入手しやすい材料を用いることで原料供給の安定性とコストのメリットを得ることができる。
第三の本発明は、上記の積層シート(100a〜100d)を160〜190℃の範囲に加熱し、エンボス版ロールによりA層(10)側表面に形成したエンボス模様を有する、エンボス意匠シートである。
この温度に加熱した積層シート(100a〜100d)にエンボスを付与することで、実用上十分なエンボス耐熱性を得ることができる。
第四の本発明は、上記のエンボス意匠シートのC層側の表面が、接着剤を用いて金属板の上にラミネートされている、エンボス意匠シート被覆金属板である。
これにより、エンボス耐熱性の良好なエンボス意匠シート被覆金属板を得ることができる。
第五の本発明は、上記のエンボス意匠シート被覆金属板を用いた、ドア材、ユニットバス壁材、ユニットバス天井材、パーティション材およびパネル材からなる群から選ばれる建築内装材である。
第六の本発明は、上記のエンボス意匠シート被覆金属板を用いた、鋼製家具部材である。
第七の本発明は、上記のエンボス意匠シート被覆金属板を用いた、家電製品筐体部材である。
本発明の積層シートは、エンボス付与機でのエンボス柄の転写性に優れ、かつエンボス付与機の加熱された金属部(シート加熱の為のドラム類)への粘着のおそれが少なく、また、シートが加熱された際に幅縮み、皺入り、シート破断等を生じることなく良好なエンボス意匠の付与が可能でかつ、金属板へのラミネートの際に問題を生じることのないものである。また、上記のような積層構成とすることにより、A層単層の場合に比べ、より高温でのエンボス転写が可能であり、従って本発明のエンボスを転写した本発明の積層シートは、エンボス耐熱性に優れている。
以下、本発明を具体化した実施の形態を説明する。
なお、本発明の積層「シート」は、厚みが70〜300μmの範囲をとることから、「フィルムおよびシート」と記すのがより正しいが、ここでは一般的には「フィルム」と呼称する範囲に関しても便宜上「シート」という単一呼称を用いた。
また、無配向という表現は、積層シートに何らかの性能を付与するために意図して延伸操作等の配向処理を行ったものではないことであり、押出し製膜時にキャスティングロールによる引き取りで発生する配向等まで存在していないという意味ではない。
[A層10を形成する樹脂]
A層10は、積層シートをエンボス付与機に通した際、加熱軟化されてエンボス版ロールにより押圧されエンボス柄が転写される層である。従って、A層10はエンボス版ロールで押圧される時点で高い結晶性を有していてはならず、実質的に非結晶性であるポリエステル系樹脂を主体としてなる。ここで、「実質的に非結晶性」とは、低結晶性をも含む意味である。
ここで、「主体としてなる」とは、A層10の全体の質量を基準(100質量%)として、実質的に非晶性であるポリエステル系樹脂を、55質量%以上、好ましくは75質量%以上、より好ましくは90質量%以上含有することをいい、以下において説明する添加剤や、他の汎用樹脂が少量添加されていても構わないことをいう。
A層10は、エンボス付与機で、そのガラス転移温度(Tg)以上に加熱された後、エンボス付与される。加熱時にA層10の弾性率はエンボス付与が可能な程度に充分に低下している必要がある。エンボス付与するシートが、結晶性の低いA層10単層よりなる場合は、加熱金属ロールへの粘着を生じたり、幅縮みや、皺入り、シート破断を生じたりしてしまうのであるが、本発明の積層シートにおいては、以下において説明するB層20およびC層30a,bが存在することにより、これらの問題を生ずることがない。
A層10を形成する実質的に非結晶性(低結晶性のものも含む。)のポリエステル系樹脂としては、示差走査熱量計(DSC)により、昇温時に明確な結晶融解ピークを示さないポリエステル樹脂、および、結晶性を有するものの結晶化速度が遅く、押出し法、カレンダー法等の製膜工程、およびエンボス付与機でエンボス柄が転写されるまでの加熱工程において結晶性が高い状態とならないポリエステル樹脂を使用することができる。
A層10の実質的に非晶性であるポリエステル系樹脂は、テレフタル酸またはジメチルテレフタル酸をジカルボン酸成分の主体とし、ジオール成分の約20〜80mol.%が1.4−シクロヘキサンジメタノールで、残りの約80〜20mol.%がエチレングリコールより成る共重合体エステルであることが好ましい。
ここで、「主体とし」とは、ジカルボン酸成分全体を基準(100mol.%)として、テレフタル酸またはジメチルフタル酸を70mol.%以上、好ましくは80mol.%以上、より好ましくは98mol.%以上含むことをいう。
1.4−シクロヘキサンジメタノールの量が少なすぎると、結晶性樹脂としての特徴が顕著になり、エンボス付与機での加熱時に結晶化が進行してエンボス付与が困難になるおそれがあり好ましくない。逆に、1.4−シクロヘキサンジメタノールの量が多すぎると、結晶性が顕著になり、さらに非常に高い融点を示すようになることから好ましくない。
実質的に非結晶性であるポリエステル系樹脂の一例としては、非晶性である共重合ポリエステル樹脂を挙げることができ、具体的には、原料の安定供給性や生産量が多いことから低コスト化が図られているいわゆるPET−G樹脂を挙げることができる。PET−G樹脂としては、例えば、イーストマンケミカル社の「イースターPET−G・6763」を用いることが好ましい。「イースターPET−G・6763」は、ポリエチレンテレフタレート樹脂のジオール成分の約30mol.%を1.4−シクロヘキサンジメタノールで置換した構造を有するもので、DSC測定で結晶化挙動が認められない実質的に非結晶性のポリエステル樹脂である。
ただし、これに限定されるものではなく、特定の条件では結晶性を示すが通常の条件では非晶性樹脂として取り扱うことが可能なイーストマンケミカル社の「PCTG・5445」等を用いることもできる。また、これ以外に、ネオペンチルグリコール共重合PETで結晶性を示さないものや、結晶性の低いもの、イソフタル酸を共重合したポリエチレンテレフタレート樹脂で結晶性の低いものなど、共重合成分により結晶化を阻害した組成のものもA層10の主体となる非晶性であるポリエステル系樹脂として用いることができる。
A層10における樹脂成分全体の質量(100質量%)を基準として、A層10に、融点(Tm)が210〜230℃のポリブチレンテレフタレート(PBT)系樹脂が、20〜40質量%配合されていることが好ましく、20〜35質量%配合されていることがさらに好ましい。これにより、沸騰水浸漬試験時等の高温の水と接触した場合のエンボスの残存性をより良好にすることができ、特にそれらに対する要求が厳しい場合等に好適に用いることができる。また、耐溶剤性や印刷適性をも改善することもできる。
上記の配合に用いるPBT系樹脂としては、後述するB層20の主体となるものを用いることができ、中でも、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、または、ジメチルテレフタル酸、ジオール成分として1.4−ブタンジオールの各単一成分を用いた、いわゆるホモPBT樹脂(意図せざる共重合成分が入っていてもよい。)を用いることがコストや入手の容易さの点から好ましい。
配合するPBT系樹脂の量が多すぎると、A層10の結晶性が顕著になり上記の理由でエンボスの付与が困難になる。また、配合するPBT系樹脂の量が少なすぎると、実質的に非晶性のポリエステル系樹脂のみから成る場合と沸騰水浸漬性に大差はなくなり、あえてブレンドする理由がなくなる。
A層10の下に印刷柄(D)40が存在しない場合は、A層10に意匠性の付与や下地金属の隠蔽のために着色顔料を添加しても良い。使用される顔料は、上記目的のために樹脂着色用として一般的に用いられているもので良く、その添加量に関しても上記目的のために一般的に添加される量で良い。一例としては、白系の着色では隠蔽効果の高い酸化チタン顔料をベースとして、色味の調整を有彩色の無機、有機の顔料で行うことができる。
また、A層10には、その性質を損なわない範囲において、あるいは本発明の目的以外の物性をさらに向上させるために、各種添加剤を適宜な量添加しても良い。添加剤としては、燐系・フェノール系他の各種酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、核剤、衝撃改良剤、加工助剤、金属不活化剤、残留重合触媒不活化剤、造核剤、抗菌・防かび剤、帯電防止剤、滑剤、難燃剤、充填材などの広汎な樹脂材料に一般的に用いられているものや、カルボジイミド系やエポキシ系他の末端カルボン酸封止剤、あるいは加水分解防止剤等のポリエステル樹脂用として市販されているものを挙げることができる。
A層10の好ましい厚みは45〜250μmの範囲であり、50〜150μmの範囲がさらに好ましい。厚みが薄すぎると、付与可能なエンボス柄の種類が大幅に制約を受ける。逆に、厚みが厚すぎると、積層シートの総厚みの上限が決まっていることから、B層20の厚みを薄くする必要が生じ、積層シートを加熱した際の耐破断性を得難くなるため好ましくない。またA層10に150μm程度の厚みがあれば、従来、軟質PVCシートへのエンボス付与に用いていたエンボス版ロールのほとんどを使用することが可能となる。
[B層20を形成する樹脂等]
B層20は積層シートをエンボス付与機に通した際に、従来の軟質PVCと同様の温度まで加熱された積層シートの幅縮み、皺入り、破断等を防ぐ機能を付与するために設けられる。従って本発明の請求項5に規定される190℃での引張り法での貯蔵弾性率は、主としてB層20の組成と厚みによって付与されるものといえる。
B層20は、B層20における樹脂成分全体の質量を基準(100質量%)として、融点が210〜230℃のPBT系樹脂を75〜95質量%含有している。融点が210℃以上必要なのは、従来の軟質PVCシートにエンボス付与機でエンボス柄を転写する場合にシートが支持体無しでヒーターによって加熱される温度が160℃〜190℃程度であることから、この温度で十分な張力を得るためである。また融点の上限を230℃としたのは、市販原料として得られるPBT系樹脂の中ではもっとも融点の高いホモPBTで225℃前後であることによる。
結晶化による張力保持という観点のみに着目すれば、B層20はホモPET樹脂等でも良いことになるが、上記融点範囲にあるPBT系樹脂は、比較的結晶化速度が速いため、75質量%以上のPBT系樹脂を含むブレンド組成では、特別な工夫を要さずに結晶化した状態で製膜することが可能であり、B層20を所定の厚みとすることで、本発明の積層シートとしての好ましい貯蔵弾性率を得ることが容易であることから、本発明においては上記の融点を有するPBT系樹脂を用いている。
PBT系樹脂を用いる他の理由としては、結晶化した状態でもPET系樹脂に比べて良好な加工性を得られること、および、近年、押出し製膜グレードなどの用途展開が活発になり、各種グレードのPBT樹脂原料を入手しやすくなったことが挙げられる。また、融点が同温度範囲にあり、やはり結晶化速度の速い樹脂としてポリトリメチレンテレフタレート(PTT)系樹脂があるが、コスト面やグレード選択の自由度、安定供給の点ではPBT系樹脂に及ばない。
B層20は、B層20における樹脂成分全体の質量を基準(100質量%)として、上記のPBT系樹脂を75〜95質量%の割合で含有している。この割合が小さすぎる場合は、結晶化した状態でシートを得ても、好ましい貯蔵弾性率を得るにはかなりのB層20の厚みを要することとなり、シートの総厚みに制限があることから、他の層の厚みの自由度が制約され好ましくない。また、あえてC層30a,bを付与した目的が希薄となる。一方、この割合が大きすぎる場合は、積層シートの反りが顕著になり取り扱い性が悪化するため好ましくない。また、B層20には、A層10において説明した上記の添加剤や他の汎用樹脂を少量含んでいてもよい。
融点が210〜230℃の範囲のPBT系樹脂としては、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、または、ジメチルテレフタル酸、ジオール成分として1.4−ブタンジオールの各単一成分を用いた、いわゆるホモPBT樹脂(意図せざる共重合成分が入っていてもよい。)を用いることが好ましい。このホモPBT樹脂は、融点が約225℃となり、コストや安定供給性の点から有利となるからである。また、ホモPBT樹脂以外にも、酸成分の一部をイソフタル酸等のジカルボン酸で置換したもので融点が210℃を下回らないもの、ポリトリメチレングリコール(PTMG)を共重合したもの等を用いることができる。また、押出し製膜法によりシートを作成する場合は、原料IV値が1.0〜1.4程度のPBT樹脂を使用するのが一般的である。
B層20のPBT系樹脂以外の樹脂成分としては、実質的に非晶性であるポリエステル系樹脂を用いることが好ましい。実質的に非晶性であるポリエステル系樹脂としては、前述のA層10の主体として用いる実質的に非晶性であるポリエステル系樹脂と同一のものを用いることができる。これは、B層20におけるPBT系樹脂以外の樹脂成分として、ホモPET等の結晶性の高い樹脂を用いた場合は、経時的にPET系樹脂の結晶化が進行し、PET系樹脂の結晶相の加工性がPBT系樹脂の結晶相の加工性より劣ることから、B層20の加工性が劣り、結果的に積層シートおよびそれにより被服した金属板の加工性が低下するおそれがあるためである。
B層20の好ましい厚みは、上記組成範囲のB層20を用いて、積層シートの動的粘弾性引張り法10Hzでの190℃の貯蔵弾性率がシートのMD方向に関して1×10Pa以上となる厚みということになるが、積層シートの取り扱い性の容易さの点からは20〜200μmの範囲であることが好ましい。
B層20には、意匠性の付与や下地金属の隠蔽のために着色顔料を添加しても良い。印刷柄(D)を付与した場合で、E層を付与しない場合は主としてB層に着色顔料を添加するのが好ましい。使用される顔料やその添加量に関してはA層に添加する場合と同様である。
[C層30a,bを形成する樹脂等]
本発明の積層シートにC層30a,bが付与される目的は、積層シートにエンボス付与機でエンボス柄を転写する際に、加熱された金属部分(加熱ドラム)に積層シートが粘着するのを防止するため、および、融点が210℃〜230℃のポリブチレンテレフタレート系樹脂を75〜95%と比較的多く含有するB層20を直接金属板にラミネートしようとするとラミネート温度を高めに設定する必要があることから、B層20に比べて比較的低温で充分な接着性を得ることができる層を付与するためである。
さらに、積層シートにより被覆した金属板を沸騰水浸漬試験に供した場合に問題を生じないこと、樹脂被覆金属板としての加工性に悪影響を与えないこと等もC層30a,bが備えるべき性能である。さらに、特別な接着剤を付与しなくても、B層20と熱融着積層、あるいは共押出し製膜法によるダイス内積層一体化が可能であることが好ましい。
これらのうち、加熱金属ロールへの非粘着性や比較的低温での金属板へのラミネートに関しては、滑剤等を多量添加してカレンダー製膜法での製膜を可能とした非晶性のポリエステル樹脂をC層の主体成分とすることでも達成可能であるが、この場合はシートにより被覆した金属板に対して沸騰水浸漬試験を行った場合、このC層の弾性率が著しく低下することにより顕著な外観変化を生じるため、用途によっては使用できない場合があるので好ましくない。
以上の目的を達成するため、本発明においては、第一の形態のC層30aとして、C層30aにおける樹脂成分全体の質量を基準(100質量%)として、融点が210〜230℃のポリブチレンテレフタレート(PBT)系樹脂を55〜70質量%と、実質的に非晶性であるポリエステル系樹脂を45〜30質量%含有してなる厚み5μm以上の無配向の樹脂層を用いる。
該融点範囲にあるPBT系樹脂は、比較的結晶化速度が速いため、55質量%以上のPBT系樹脂を含むブレンド組成では、押出し製膜時のキャスティングロール温度を適宜設定することにより、および/または、数本の熱処理ロールをキャスティングロールの後ろに設置すること等により、押出し製膜ラインで容易にC層を結晶化させることが可能である。これにより、エンボス付与機の加熱金属ロールへの非粘着性を確保することができる。
PBT系樹脂の含有量が少なすぎると、ブレンド組成の結晶化速度は遅くなり、押出し製膜のライン速度を低下させるか、または、後工程で熱処理を行う必要が生じ、生産性が低下するため好ましくない。一方、PBT系樹脂の含有量が多すぎると、結晶性が高くなり過ぎ金属板へのラミネート時に比較的高温を必要とするため好ましくなく、あえてC層を付与した目的が希薄となる。
非接触型の加熱ヒーターが併用されている場合、エンボス付与機の加熱金属ロールは、加熱ヒーターに先立つシート予熱として用いられる。また、従来の軟質PVCシートにエンボスを付与する場合では、加熱金属ロールの設定温度としては、100℃〜140℃程度で用いられることが多い。従って、C層は、結晶化していること、かつ、融点がロールの設定温度より高く、ロールに対して非粘着性であることが必要とされる。
融点が210℃〜230℃の範囲のPBT系樹脂としては、B層20に用いるPBT系樹脂と同一のものを用いることができる。また、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、または、ジメチルテレフタル酸、ジオール成分として1.4−ブタンジオールの各単一成分を用いた、いわゆるホモPBT樹脂(意図せざる共重合成分が入っていてもよい。)を用いることが、融点が約225℃となり、コストや安定供給性の点から特に好ましい。
C層30aにPBT系樹脂とブレンドして用いる実質的に非晶性であるポリエステル樹脂としては、A層10において主体としてなる実質的に非晶性であるポリエステル樹脂と同一のものを用いることが好ましい。
第二の形態のC層30bとして、C層30bにおける樹脂成分全体の質量を基準(100質量%)として、融点が210℃未満のポリブチレンテレフタレート(PBT)系樹脂を70〜100質量%含有してなる厚み5μm以上の無配向の樹脂層を用いる。
この融点を有するPBT系樹脂は、第一の形態のC層30aに用いるPBT系樹脂より結晶化速度が遅いため、第二の形態のC層30bにおけるPBT系樹脂の含有量は、70質量%以上とする必要がある。PBT系樹脂の含有量が少ないと、エンボス付与機で加熱金属ロールに粘着しない結晶性を付与するために、特別な熱処理等が必要になり工程増となることから好ましくない。
また、C層30bの主成分となるPBT系樹脂の融点は、金属板へラミネートする際の従来的な金属板温度に比べ十分低い温度であるため、C層30bの樹脂成分の100質量%をPBT系樹脂としても良い。また、C層30bはB層20に比べると厚みが比較的薄いため、PBT系樹脂を100質量%で用いたとしても、B層20において生じるような反りの影響は生じづらい。
融点が210℃未満のPBT系樹脂としては、酸成分の一部をイソフタル酸等のジカルボン酸で置換したもの等を用いることができるが、低融点のものほど結晶化速度が遅くなるため、融点が180℃以上の範囲で選択することが好ましい。
第二の形態のC層30bにおいて、PBT系樹脂とブレンドして用いる樹脂としては、前述のA層10の主体としてなる実質的に非晶性であるポリエステル系樹脂と同一のものを挙げることができる。
C層30a,bの好ましい厚みは5〜25μmであり、10〜20μmであることがさらに好ましい。厚みが薄すぎる場合は、B層20と共押出し製膜法によりダイス内積層する場合に押出し安定性に問題が出る場合があり、また、厚みが厚すぎる場合は、C層30a,bに必要な機能が飽和し、積層シートの総厚みに制約があることから、他の層の設計自由度に影響を及ぼしてしまう。
C層30a,bにも、A層10、B層20と同様の各種添加剤を適宜な量添加しても良く、着色顔料を添加しても良い。また、C層30a,bが付与される目的である加熱金属との非粘着性をより強固にするため、適宜な量の滑剤を添加しても良い。滑剤としては、ポリエステル樹脂への添加用として一般的に用いられるものを用いることができ、一例としては、モンタン酸系の滑剤である「リコワックスOP」(クラリアント・ジャパン(株)製)を挙げることができる。C層30a,bは、B層20よりPBT系樹脂の比率が少ない、あるいは融点が低く、結晶化速度がやや遅いPBT樹脂を用いることから、結晶核剤を添加して結晶化速度の向上を図っても良い。
[印刷柄(D)40]
本発明の積層シートにおいては、A層10が実質的に透明であり、かつA層10とB層20との間に印刷により印刷柄(D)40が付与されている構成とすることもできる。印刷柄(D)40は、グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷等の公知の方法で施され、石目調、木目調、幾何学模様、抽象模様等、任意の柄が施される。
印刷柄(D)40は、A層10と積層することになるB層20の表面に印刷を施すことにより形成してもよいし、B層20と積層することになるA層10の表面に印刷を施すことにより形成してもよい。また、以下において説明するE層50を設ける場合は、A層10と積層することになるE層50の表面に形成してもよいし、また、E層50と積層することになるA層10の表面に形成してもよい。一般的には、B層20およびE層50の表面に印刷柄(D)40を形成することが、高い結晶性を有する層を含む積層シートに印刷を施すことになるため、印刷ラインでの取り扱いが容易となり、好ましい。
[E層50を形成する樹脂等]
本発明の積層シートにおいては、A層10が実質的に透明であり、かつA層10とB層20との間に印刷による印刷柄(D)40が付与されており、さらに、印刷柄(D)40とB層20との間に実質的に非晶性であるポリエステル系樹脂を主体としてなる無配向の樹脂層(E層)50が配置されている構成とすることができる。
E層50は、実質的に非晶性のポリエステル樹脂より成る層であり、A層10と同様に加熱軟化されてエンボス版ロールにより押圧されエンボス柄が転写される層である。この形態においては、A層10の厚みを薄くすることができるので、A層10の下に印刷柄(D)40が付与されている構成において、印刷柄(D)40の透視性をあまり低下させずに、深いエンボス柄を転写することができる。また、ポリエステル系樹脂は比較的光黄変を受けやすい樹脂であることから、透明なA層10の厚みをあまり厚くすると経時的な黄変が目立つようになる可能性があるので、これを避ける点でも好ましい。
従って、E層50の主体としてなる実質的に非晶性であるポリエステル系樹脂に関しても、A層10と同一のものを使用することができる。また、20〜40質量%のPBT系樹脂のブレンドや、顔料、添加剤に関してもA層10と同様である。
エンボス付与層(A層10、または、A層10+E層50)の厚みが100μm以下でも付与可能な比較的浅いエンボス柄の場合は、E層50は特に設けずにA層10の厚みを100μmとしておいても良いが、150μm程度以上の厚みが必要な場合などは、A層10の厚みを100μm以下にして、印刷柄(D)40の透視性が低下するのを防ぎながら、これに、適宜厚みを設定したE層50を合わせて、エンボス付与層の合計厚みが150μm程度以上になるようにするのが好ましい。
さらに、B層20がその目的上PBT系樹脂を主体として成る結晶性の高い樹脂層であるのに対し、E層50は、実質的に非結晶性のポリエステル樹脂を主体としてなることから、A層10とのシート同士の熱融着適性に関してもB層20より良好であると考えられ、B層20とE層50とを共押出し製膜により一体で製膜しておき、さらに印刷柄(D)40を部分印刷とすることで、E層50とA層10との間にも強固な熱融着性を得ることが可能となり、各層間の剥離のおそれを軽減することができる。
E層50には、A層10、B層20、C層30a,bと同様の各種添加剤を適宜な量添加しても良く、また印刷柄(D)40をE層50の表面に付与する場合は、印刷の発色を良くするためにE層50に着色顔料を添加することが特に好ましい。
積層シート(100a〜100d)全体での好ましい厚みは、70〜300μmの範囲である。積層シート(100a〜100d)の厚みが薄すぎる場合は、下地の視覚的隠蔽確保のために各層に多量の顔料を添加する必要があり、その結果加工性の低下を来すおそれがある。一方、積層シート(100a〜100d)の厚みが厚すぎる場合は、軟質PVC樹脂被覆金属板の折り曲げ加工などの成形加工に従来から用いて来た成形金型の使用が困難になるなど、初期の2次加工性そのものに問題を生じるおそれがある。
積層シート全体として必要とされる下地金属板の視覚的隠蔽効果に関しては、用途によって重要度が異なってくるが、内装建材用途のエンボス意匠シート被覆金属板等においては、JIS K5400 7.2「塗料一般試験方法・隠蔽率」に準拠して測定した隠蔽率が積層シートの構成で0.95以上であることが好ましい。
隠蔽率がこれより低いと金属板等、下地となる基材の色味が、積層シートの色味に反映されて、これらの色味が変化した際、積層シートの表面から観察される色味も変化して見えるため好ましくない。ただし、この理由による色味の変化が特に問題とならない用途においては、隠蔽率は0.95以上にこだわらなくても良い。
[積層シート、エンボス意匠シート、エンボス意匠シート被覆金属板の製造方法]
本発明の積層シートの製造方法としては各種公知の方法、Tダイを備えた押出し機によるキャスト製膜法やインフレーション法等を採用することができ、またA層10の樹脂組成が実質的に非結晶性であるポリエステル系樹脂のみから成る場合は、従来のPVC系樹脂の製膜に用いていたカレンダー製膜設備によりA層10を製膜することもできる。
各層を単独で製膜した後に、後工程で積層一体化して積層シートとしても良いが、図1(a)および図1(b)に示す印刷柄(D)40を含まない構成では、「A層10+B層20+C層30a,b」の3層を3台の押出機とフィードブロック若しくはマルチマニホールドダイを用いた共押出し製膜法で一体に製膜するのがもっとも効率的であり好ましい。
図2(a)、図2(b)に示す印刷柄(D)40を有する構成では、A層10は単層で製膜しておき、共押出し法で一体に製膜した「B層20+C層30a,b」、あるいは「E層50+B層20+C層30a,b」の表面に印刷柄(D)40を施した後、積層一体化するのが好ましい。この場合、印刷柄(D)40を施すのはA層10のB層20あるいはE層50と積層する側の表面でも良い。印刷柄(D)40の樹脂バインダーの種類は特に制限されないが、このバインダー種を適宜選択することにより、A層10とB層20、あるいはA層10とE層50との間の積層一体化を熱融着積層とすることができる。あるいは、印刷柄(D)40の付与時に、同時に熱融着性の塗布層を付与して、熱融着積層することもできる。このA層10と他の層との熱融着積層による一体化は、エンボス付与機の加熱ロールへの導入部分で実施するのが工程上好ましい。
ただし、A層と他の層との積層一体化は必ずしもエンボス付与機での熱融着積層によらないで、他工程で熱融着積層を行っても良い。また、これらの層間の接着以外の、他の層間の接着に関しても、ドライラミ接着剤等による積層とすることもできる。
図3に、従来より軟質PVCシートにエンボス模様を付与するために一般的に用いられて来たエンボス付与機200の一例を示す。図示した一実施形態のエンボス付与機200は、加熱ロール210、テイクオフロール220、赤外線ヒーター230、ニップロール240、エンボスロール250および冷却ロール260により構成される。図2に示す形態では、単層で製膜したA層と、印刷柄(D)を施したB層+C層の二層シートを供給し、上記のようにエンボス付与機の加熱ロール210で熱融着積層を行っている。
本発明の積層シート100a〜100dは、エンボス付与機200により従来の軟質PVCシートと同様にエンボス模様を付与することができる。C層30a,bが本発明の特徴を備えていることにより、100℃〜140℃程度に加熱された加熱ロール210に対して非粘着性を有しており、またヒーター230によるシート加熱温度である160℃〜190℃でも、B層20が本発明の特徴を有していることから積層シート100a〜100dの幅縮み、皺入り、破断等を生ずることなく、またA層10は良好なエンボス付与適性を有していることで良好な外観のエンボス付与されたエンボス意匠シートを得ることができる。
本発明のエンボス意匠シート被覆金属板に用いる金属板としては、熱延鋼板、冷延鋼板、溶融亜鉛メッキ鋼板、電気亜鉛メッキ鋼板、スズメッキ鋼板、ステンレス鋼板等の各種鋼板やアルミニウム板、アルミニウム系合金板等が使用でき、これらは通常の化成処理を施した後に使用しても良い。基材金属板の厚さは、樹脂被覆金属板の用途等により異なるが、0.1mm〜10mmの範囲で選ぶことができる。
エンボス意匠シートを基材金属板にラミネートする方法は特に制限はないが、接着剤によるラミネートが一般的である。接着剤としては、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤等の一般的に使用される熱硬化型接着剤を挙げることができる。この中でも、シートがポリエステル系樹脂から成ることから、ポリエステル系の接着剤を用いるのが好ましい。エンボス意匠シート被覆金属板を得る方法としては、金属板にリバースコーター、キスコーター等の一般的に使用されるコーティング設備を使用して、エンボス意匠シートを貼り合せる金属面に、乾燥後の接着剤膜厚が2〜10μm程度になるように上記の熱硬化型接着剤を塗布する。
ついで、赤外線ヒーターおよび、または熱風加熱炉により塗布面の乾燥および加熱を行い、金属板の表面温度を、220℃〜250℃程度の温度に保持しつつ、直ちにロールラミネータを用いてエンボス意匠シートのC層30a,b側が接着面となるように被覆、冷却することによりエンボス意匠シート被覆金属板を得ることができる。
また、本発明のエンボス意匠シート被覆金属板は、良好な加工性を有し、ドア材、ユニットバス壁材、ユニットバス天井材、パーティション材およびパネル材等の建築内装材、鋼製家具部材、AV機器、エアコンカバー等の家電製品筐体部材として、好適に用いることができる。
本発明をより具体的かつ詳細に説明するために、次に実施例を示すが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
[積層シートの作成]
<実施例1〜10、比較例1〜3>
実施例1〜10、および比較例1〜3の積層シートは、φ65mmの3台の二軸混練押出機を使用して、フィードブロック方式の共押出しによって、Tダイより流出した樹脂をキャスティングロールで引き取る一般的方法により三層積層シートを得た。各層については、A層が、表1に示す樹脂組成、顔料添加量(顔料としては、酸化チタン系の白色顔料を添加した。)、および層厚を有する層であり、B層が、イースター6763を10質量%、ノバデュラン5020Sを90質量%有し、層厚が45μmである層であり、C層が、イースター6763を40質量%、ノバデュラン5020Sを60質量%有し、層厚が15μmである層である。積層シートの総厚みを、表1に併せて示した。
Figure 2006095892
<実施例11〜22、比較例4〜12>
実施例11〜22、および比較例4〜12の積層シートについては、A層が、イースター6763を75質量%、ノバデュラン5020Sを25質量%有し、層厚が90μmである層であり、B層が、表2に示す樹脂組成、および層厚を有する層であり、C層が、イースター6763を35質量%、ノバデュラン5020Sを65質量%有し、層厚が10μmである層であることとした以外は、上記の実施例1と同様にして、三層積層シートを得た。積層シートの総厚みを、表2に併せて示した。
Figure 2006095892
<実施例23〜33、比較例13〜18>
実施例23〜33、および比較例13〜18の積層シートについては、A層が、イースター6763を75質量%、ノバデュラン5020Sを25質量%有し、層厚が90μmである層であり、B層が、イースター6763を15質量%、ノバデュラン5020Sを85質量%有し、層厚が45μmである層であり、C層が、表3に示す樹脂組成、および層厚を有する層であることとした以外は、上記の実施例1と同様にして三層積層シートを得た。積層シートの総厚みを、表3に併せて示した。
<比較例19>
比較例19の積層シートは、φ65mmの2台の二軸混練押出機を使用して、フィードブロック方式の共押出しによって、Tダイより流出した樹脂をキャスティングロ−ルで引き取る一般的方法により二層の積層シートを得た。各層については、A層が、イースター6763を75質量%、ノバデュラン5020Sを25質量%有し、層厚が90μmである層であり、B層が、イースター6763を15質量%、ノバデュラン5020Sを85質量%有し、層厚が45μmである層である。積層シートの総厚みを、表3に併せて示した。
Figure 2006095892
<実施例34〜39、比較例20〜23>
実施例34〜39、および比較例20〜24の積層シートは、フィードブロック方式の共押出し製膜により、B層とC層の二層積層シート、または、E層とB層とC層の三層積層シートを製膜し、このB層側表面、または、E層側表面にグラビア印刷により抽象柄の印刷柄(D)を印刷し、その後に単層で製膜したA層を図2に示すようなエンボス付与機の加熱ロール部分で熱融着積層により積層一体化して作製した。A層としては、表4に示す樹脂組成および層厚みのものを用い、E層としては、表4に示す樹脂組成、顔料添加量および層厚みのものを用い、B層としては、表5に示す樹脂組成、顔料添加量および層厚のものを用い、C層としては、表5に示す樹脂組成および層厚のものを用いた。積層シートの総厚みを、表5に併せて示した。
<比較例24>
比較例24の積層シートは、フィードブロック方式の共押出し製膜により、E層とB層の二層積層シートを製膜し、このE層側表面にグラビア印刷により抽象柄の印刷柄(D)を印刷し、その後に単層で製膜したA層を図2に示すようなエンボス付与機の加熱ロール部分で熱融着積層により積層一体化して作製した。積層シートの総厚みを、表5に併せて示した。
Figure 2006095892
Figure 2006095892
上記の実施例、および比較例で使用した原料は以下の通りである。
(イースターPETG・6763)
イーストマン・ケミカル・カンパニー社製の非結晶性ポリエステル樹脂である。ジカルボン酸成分はテレフタル酸であり、ジオール成分の約30mol.%が1.4−シクロヘキサンジメタノール、約70mol.%がエチレングリコールである。融点:無し、ガラス転移温度:78℃。
(PCTG・5445)
イーストマン・ケミカル・カンパニー社製の実質的に非結晶性ポリエステル樹脂として扱うことが可能なポリエステル樹脂である。ジカルボン酸成分はテレフタル酸であり、ジオール成分の約65mol.%が1.4−シクロヘキサンジメタノール、約35mol.%がエチレングリコールである。融点:無し、ガラス転移温度:86℃。
(ノバデュラン5020S)
三菱エンジニアリングプラスチックス社製の(ホモ)ポリブチレンテレフタレート樹脂である。融点は224℃である。
(ジュラネックス500JP)
ウィンテックポリマー社製のイソフタル酸共重合ポリブチレンテレフタレート樹脂である。融点は204℃である。
(ユニペットRT−580)
日本ユニペット社製の(ホモ)ポリエチレンテレフタレート樹脂である。融点は254℃である。
(BK−2180)
三菱化学社製のイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂である。融点は247℃である。
[積層シートへのエンボス付与]
図3に示すような軟質塩化ビニル系シートへのエンボス付与に一般的に使用されているエンボス付与機200を用いてエンボス柄の転写を行った。また、印刷柄(D)を有するシートに関しては、上記のようにエンボス付与機の加熱ロール部で熱融着積層を行っている。エンボス付与機の工程概要としては、まず加熱ロール210を用いた接触型加熱によりシートの予備加熱を行い、続いて赤外ヒーター230を用いた非接触型加熱により任意の温度までシートを加熱し、エンボスロール250によりエンボス柄を転写してエンボス意匠シートとするものである。
本実施例および比較例では、加熱ロール210は110℃に設定し、ついでエンボスロール250と接する直前のシート表面温度が180℃になるように赤外ヒーター230で加熱を行った。エンボスロール250は温水循環機により90℃に温調されており、梨地柄でRmax=50μmのものを用いた。なお、比較例12のみ比較例5と同一の組成、厚み構成の積層シートを用いて、エンボスロール250と接する直前のシート温度を140℃としてエンボス柄の付与を行っている。
[エンボス意匠シート被覆金属板の作成]
市販されているポリ塩化ビニル被覆金属板用のポリエステル系接着剤を、積層シートを貼り合せる金属面に乾燥後の接着剤膜厚が2〜4μm程度になるように塗布し、ついで赤外線ヒーターおよび熱風加熱炉により塗布面の溶剤乾燥および加熱を行い、厚み0.45mmの亜鉛メッキ鋼板の表面温度を235℃、230℃、225℃の3水準に保持しつつ、直ちにロールラミネータを用いてシートを被覆・冷却することによりエンボス意匠シート被覆金属板を得た。
[積層シートおよびエンボス意匠シート被覆金属板の評価]
上記の実施例および比較例で得た、積層シートおよびエンボス意匠シート被覆金属板について、以下の各項目を評価した。結果を表6〜9にまとめて示した。
(1)貯蔵弾性率の測定
岩本製作所製粘弾性スペクトロメーターにより積層シートのMD方向に関し、測定を行った。測定方法は通常の引っ張り法・温度分散測定法に準じ、−100℃から昇温速度3℃/分で昇温し、250℃までの測定を実施した後、190℃における貯蔵弾性率を読みとった。
(2)積層シートの取り扱い性:反りの強弱
積層シートを15cm(TD方向)×30cm(MD方向)に切り出して、定盤の上に置き、反りの程度を観察した。反りが強く完全に円筒状になってしまう場合や、定盤面から10cm以上の高さのアーチ状になる場合を取り扱い性が悪いとして「×」、10cm未満であるが5cm以上の反りが出る場合を「△」、それ未満の反りの場合、取り扱い性は良いとして「○」とした。なお、「TD方向」とは、シートの幅方向(Transverse direction)をいい、MD方向に直交する方向をいう。
(3)エンボス付与適性:耐粘着性
図3に示すエンボス付与機でエンボスを付与した際に、加熱ロール210に積層シートが粘着して剥離困難になったもの、及び剥離は可能であったがシートの伸び・変形が顕著であったものは「×」、軽度の粘着を示したが作業の継続が可能であり、シートの伸び・変形も実用上支障の無い範囲であったものを「△」、粘着しなかったものは「○」で示した。また、加熱ロールに積層シートが粘着し剥離困難となったものに関しては、以降の評価を実施していない。
(4)エンボス付与適性:耐溶断性
図3に示すエンボス付与機でエンボスを付与した際に、ヒーター230によるシート加熱中にシートが溶断したもの、及びシートの顕著な伸びや皺入り等を発生したものは「×」、軽度なシートの伸び・幅縮み等を生じたが実用上支障のない範囲であったものを「△」、これらの問題を生じなかったものは「○」で示した。この評価で「×」となったものに関しては、以降の評価を実施していない。
(5)エンボス付与適性:転写性
図3に示すエンボス付与機でエンボスを付与したシートを、目視で観察し、綺麗にエ
ンボス柄が転写しているものを「○」、これに比べてやや転写が浅い場合を「△」、転写が悪く、浅いエンボス柄になっているもの、あるいは、エンボス柄に無関係に単に表面が荒れているものを「×」で示した。この評価で「×」となったものに関しては、以降の評価を実施していない。
(6)エンボス耐熱性:高温気中耐熱性
図3に示すエンボス付与機でエンボスを付与したシートをラミネートした金属板を105℃の熱風循環式オーブン中に3時間静置した後目視で観察し、オーブンに投入する前と比較してエンボスの形状がほとんど変化していないものを「○」、これに比べてややエンボス戻りが発生している場合を「△」、エンボス戻りが顕著な場合、あるいは、エンボス柄が完全に消失し単に表面が荒れているものを「×」で示した。金属板の加熱温度235℃でラミネートしたものに関してエンボス耐熱性の評価を行った。
(7)エンボス耐熱性:耐沸騰水浸漬性
図3に示すエンボス付与機でエンボスを付与したシートをラミネートした金属板を沸騰水中に3時間浸漬した後目視で観察し、沸騰水に投入する前と比較してエンボスの形状がほとんど変化していないものを「○」、これに比べてややエンボス戻りが発生している場合を「△」、エンボス戻りが顕著な場合、あるいはエンボス柄が完全に消失し単に表面が荒れているものを「×」で示した。金属板の加熱温度235℃でラミネートしたものに関してエンボス耐熱性の評価を行った。
(8)加工性
エンボス意匠シート被覆金属板に衝撃密着曲げ試験を行い、曲げ加工部の積層シートの面状態を目視で判定し、ほとんど変化がないものを「○」、若干クラックが発生したものを「△」、割れが発生したものを「×」として評価した。なお、衝撃密着曲げ試験は次のようにして行った。エンボス意匠シート被覆金属板の長さ方向および幅方向からそれぞれ50mm×150mmの試料を作製し、23℃で1時間以上保った後、折り曲げ試験機を用いて180°(内曲げ半径2mm)に折り曲げ、その試料に直径75mm、質量5Kgの円柱形の錘を50cmの高さから落下させた。金属板の加熱温度235℃でラミネートしたものに関して加工性の評価を行った。
(9)金属板接着強度
20mm×100mmのエンボス意匠シート被覆金属板を試験片として、JIS Z−0237「粘着テープ・粘着シート試験方法−試験片に対する180度引き剥がし粘着力」に準拠した剥離強度測定を測定幅20mmで行い、樹脂フィルムと基材金属間の接着強度を測定した。充分な接着強度があると判断されたもの(40N/20mm以上)を「○」、相対的に接着強度が劣るが実用上は支障ないと判断されるものを「△」、さらに接着強度が低いもの(20N/20mm未満)を「×」とした。金属板の加熱温度235℃、230℃、225℃の3段階の温度条件でラミネートを実施し、接着強度の測定を行った。
Figure 2006095892
Figure 2006095892
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<実施例1〜10、比較例1〜3>
比較例1の積層シートは、A層の樹脂組成がPBT樹脂を50質量%含む場合であり、比較例2は60質量%含むものである。いずれもエンボス付与機でのエンボス柄の転写が困難となっている。比較例3はA層の樹脂組成が非晶性のポリエステル主体であるが、A層の厚みが薄いため、やはり良好な転写が得られていない。これらに対して、本発明の実施例1〜10では良好なエンボス柄の転写が得られている。
<実施例11〜22、比較例4〜12>
比較例4の積層シートはB層の組成がPBT樹脂100質量%よりなっており、エンボス付与機での一連のエンボス転写作業自体に支障は生じなかったが、積層シートの反りが著しく、エンボス付与機へのシートの通紙等に困難を生じた。比較例5〜9はB層の組成、またはB層の厚みに起因して190℃における貯蔵弾性率が、本発明の好ましい値より低い場合であり、いずれもエンボス付与機での非接触式ヒーター加熱で積層シートの幅縮み、皺入り、破断等を生じてしまった。
比較例11はB層の組成として結晶性ポリエステルであるホモPET樹脂100質量%を用いた場合であるが、PBT系樹脂に比較して結晶化速度が遅いことに起因して、積層シートの構成とした時点でB層がそれほど結晶化しておらず、その結果、エンボス付与機での非接触式ヒーター加熱で積層シートの破断を生じてしまった。比較例10は積層シートの総厚みが厚く、加工性に問題を生じている。
比較例12は、比較例5と同一の組成・厚み構成を有する積層シートをエンボス付与機でシート温度140℃でエンボス柄の転写を行った場合で、140℃での貯蔵弾性率が高い値を示すことから、エンボス付与機での一連の操作に問題は生じていないが、積層シートを被覆した被覆金属板のエンボス耐熱性が悪い結果となっている。
これらに対して、本発明の実施例11〜22では、エンボス付与機での操作性に問題はなく、これらの積層シートを被覆した金属板のエンボス耐熱性も良好なものが得られている。ただし、実施例11は、積層シートの総厚みが本発明の好ましい範囲の上限であり、加工性がやや低い結果となった。また、実施例20はB層の厚みが本発明の好ましい範囲の下限であり、エンボス付与機での非接触式ヒーター加熱で、実用上支障ないと判断されるレベルではあるが積層シートの伸びに起因する幅縮みを生じた。
<実施例23〜33、比較例13〜19>
比較例13、14、16、17はC層の樹脂組成が本発明の好ましい範囲から外れており、PBT系樹脂の添加量が少ない場合であり、積層シートがエンボス付与機の加熱ロールに粘着を生じてしまい、エンボス柄の転写が困難となった。また、比較例15は、C層の樹脂組成は本発明の好ましい範囲内であるが、厚みが薄い場合で、一連のエンボス付与機での操作に支障はなく、良好なエンボス柄の転写が得られ、また、エンボスの耐熱性も良好であったが、金属板へラミネートする際、235℃の加熱温度では良好な接着強度が得られたが、この温度への加熱により金属板裏面に施してあった塗装が僅かに熱変色を生じた。そこで、ラミネート温度を230℃、さらに225℃と低下させ、裏面塗料の熱変色を防止したところ、積層シートの接着強度が著しく低下してしまった。
比較例18は、C層の組成としてイソフタル酸共重合のPET樹脂100質量%を用いた場合であるが、PBT系樹脂に比較して結晶化速度が遅いことに起因して、積層シートの構成とした時点でC層がそれほど結晶化しておらず、その結果、エンボス付与機の加熱ロールに粘着を生じ、エンボス柄の転写が困難となった。
比較例19は積層シートにC層が存在しない場合であり、一連のエンボス付与機での操作に支障はなく、良好なエンボス柄の転写が得られ、また、エンボスの耐熱性も良好であったが、金属板へラミネートする際、235℃の加熱温度では良好な接着強度が得られたが、この温度への加熱により金属板裏面に施してあった塗装が熱変色を生じた。そこで、ラミネート温度を230℃、さらに225℃と低下させ、裏面塗料の熱変色を防止したところ、積層シートの接着強度が著しく低下してしまった。
これらに対して、本発明の実施例23〜33においては、エンボス付与機での操作性に問題はなく、これらの積層シートを被覆した金属板のエンボス耐熱性も良好であり、さらに230℃、225℃という従来よりやや低めのラミネート温度で樹脂被覆金属板とした場合も良好な接着強度が得られている。
<実施例34〜39、比較例20〜24>
比較例20は積層シートの総厚みが本発明の好ましい範囲を外れて厚く、加工性に問題が生じた。比較例21はエンボス柄が転写される層としてA層に加えてE層が存在する構成であるが、A層とE層の合計厚みが本発明の好ましい範囲より薄く、良好なエンボス転写性が得られていない。比較例22は、比較例18と同様にC層の組成としてイソフタル酸共重合のPET樹脂100質量%を用いており、積層シートの構成とした時点でC層がそれほど結晶化しておらず、その結果、エンボス付与機の加熱ロールに粘着を生じ、エンボス柄の転写が困難となった。
比較例23は、B層の樹脂組成が本発明の好ましい範囲を外れ、PBT系樹脂の添加量が少ないため、190℃での貯蔵弾性率が低く、エンボス付与機での非接触式ヒーター加熱で積層シートの顕著な伸びと幅縮みを生じてしまった。比較例24は、比較例18と同様に積層シートにC層が存在しない場合であり、良好なエンボス柄の転写が得られ、エンボスの耐熱性も良好であったが、金属板へラミネートする際、金属板裏面における塗料が熱変色する懸念がある235℃の加熱温度では良好な接着強度が得られたが、230℃、および225℃のラミネート温度では良好な接着強度が得られなかった。
これらに対して、本発明の実施例34〜39においては、エンボス付与機での操作性に問題はなく、これらの積層シートを被覆した金属板のエンボス耐熱性も良好であり、さらに230℃、225℃という従来よりやや低めのラミネート温度で樹脂被覆金属板とした場合も良好な接着強度が得られている。
以上、現時点において、もっとも、実践的であり、かつ、好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う積層シート、エンボス意匠シート、エンボス意匠シート被覆金属板および建築内装材等もまた本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
図1(a)および図1(b)は、印刷柄(D)を有さない構成の本発明の積層シートの一実施形態を示す略断面図である。 図2(a)および図2(b)は、印刷柄(D)を有する構成の本発明の積層シートの一実施形態を示す略断面図である。 従来より軟質PVCのシートにエンボス模様を付与するために一般的に用いられてきたエンボス付与機の模式図である。
符号の説明
10 A層
20 B層
30a,b C層
40 印刷柄(D)
50 E層
100a〜100d 積層シート
200 エンボス付与機
210 加熱ロール
220 テイクオフロール
230 赤外線ヒーター
240 ニップロール
250 エンボスロール
260 冷却ロール

Claims (14)

  1. A層、B層およびC層の少なくとも3層からなる積層シートであって、
    前記A層が、実質的に非晶性であるポリエステル系樹脂を主体としてなる厚み45μm以上の無配向の樹脂層であり、
    前記B層が、前記B層における樹脂成分全体の質量を基準(100質量%)として、融点(Tm)が210〜230℃のポリブチレンテレフタレート(PBT)系樹脂を75〜95質量%含有してなる厚み20〜200μmの無配向の樹脂層であり、
    前記C層が、前記C層における樹脂成分全体の質量を基準(100質量%)として、融点(Tm)が210〜230℃のポリブチレンテレフタレート(PBT)系樹脂を55〜70質量%と、実質的に非晶性であるポリエステル系樹脂を45〜30質量%含有してなる厚み5μm以上の無配向の樹脂層であり、
    総厚みが70〜300μmの範囲である積層シート。
  2. A層、B層およびC層の少なくとも3層からなる積層シートであって、
    前記A層が、実質的に非晶性であるポリエステル系樹脂を主体としてなる厚み45μm以上の無配向の樹脂層であり、
    前記B層が、前記B層における樹脂成分全体の質量を基準(100質量%)として、融点(Tm)が210〜230℃のポリブチレンテレフタレート(PBT)系樹脂を75〜95質量%含有してなる厚み20〜200μmの無配向の樹脂層であり、
    前記C層が、前記C層における樹脂成分全体の質量を基準(100質量%)として、融点(Tm)が210℃未満のポリブチレンテレフタレート(PBT)系樹脂を70〜100質量%含有してなる厚み5μm以上の無配向の樹脂層であり、
    総厚みが70〜300μmの範囲である積層シート。
  3. 前記A層、および前記C層の実質的に非晶性であるポリエステル系樹脂が、テレフタル酸、またはジメチルテレフタル酸をジカルボン酸成分の主体とし、ジオール成分の約20〜80mol.%が1.4−シクロヘキサンジメタノール(1.4−CHDM)で、残りの約80〜20mol.%がエチレングリコールより成る共重合ポリエステルである請求項1に記載の積層シート。
  4. 前記A層の実質的に非晶性であるポリエステル系樹脂が、テレフタル酸、またはジメチルテレフタル酸をジカルボン酸成分の主体とし、ジオール成分の約20〜80mol.%が1.4−シクロヘキサンジメタノール(1.4−CHDM)で、残りの約80〜20mol.%がエチレングリコールより成る共重合ポリエステルである請求項2に記載の積層シート。
  5. 積層シートとして測定した動的粘弾性引張り法10Hzでの190℃の貯蔵弾性率がシートのMD方向に関して1×10 Pa以上である請求項1〜4のいずれかに記載の積層シート。
  6. 前記A層における樹脂成分全体の質量を基準(100質量%)として、前記A層に20〜40質量%の融点(Tm)が210〜230℃のポリブチレンテレフタレート(PBT)系樹脂が配合されている請求項1〜5のいずれかに記載の積層シート。
  7. 前記A層が実質的に透明であり、かつ前記A層と前記B層との間に印刷による印刷柄(D)が付与されている請求項1〜6のいずれかに記載の積層シート。
  8. 前記A層が実質的に透明であり、かつ前記A層と前記B層との間に印刷による印刷柄(D)が付与されており、さらに、前記印刷柄(D)と前記B層との間に実質的に非晶性であるポリエステル系樹脂を主体としてなる無配向の樹脂層(E層)が配置されている請求項1〜7のいずれかに記載の積層シート。
  9. 前記E層の実質的に非晶性であるポリエステル系樹脂が、テレフタル酸、またはジメチルテレフタル酸をジカルボン酸成分の主体とし、ジオール成分の約20〜80mol.%が1.4−シクロヘキサンジメタノール(1.4−CHDM)で、残りの約80〜20mol.%がエチレングリコールより成る共重合ポリエステルである請求項8に記載の積層シート。
  10. 請求項1〜9に記載の積層シートを160〜190℃の範囲に加熱し、エンボス版ロールにより前記A層側表面に形成したエンボス模様を有する、エンボス意匠シート。
  11. 請求項10に記載のエンボス意匠シートの前記C層側の表面が、接着剤を用いて金属板の上にラミネートされている、エンボス意匠シート被覆金属板。
  12. 請求項11に記載のエンボス意匠シート被覆金属板を用いた、ドア材、ユニットバス壁材、ユニットバス天井材、パーティション材およびパネル材からなる群から選ばれる建築内装材。
  13. 請求項11に記載のエンボス意匠シート被覆金属板を用いた、鋼製家具部材。
  14. 請求項11に記載のエンボス意匠シート被覆金属板を用いた、家電製品筐体部材。
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