JP2006181942A - 金属被覆用積層フィルム - Google Patents

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欣彦 西尾
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Abstract

【課題】 金属を被覆する樹脂フィルムを薄層化して、かつ、貼り合わせ工程を不要とすることができる金属被覆用積層フィルムを提供する。
【解決手段】 金属表面に積層して用いる金属被覆用積層フィルムにおいて、金属表面側に、エチレン−ビニルアルコール共重合体からなる層を有し、その上に、接着性フッ素樹脂からなる層を有することを特徴とする金属被覆用積層フィルム。
【選択図】 図1

Description

本発明は、金属被覆用積層フィルムに関し、特に、防汚性を有し、耐久性および耐熱性に優れた金属被覆用積層フィルムに関する。
樹脂フィルムによって被覆された金属板は、金属表面を傷から保護したり、金属表面に意匠性を付与したりするために用いられるもので、家電製品外装、鋼製家具、エレベータ内装、ドア、ユニットバスの壁、天井等の建物内装材等として幅広く利用されている。
かかる金属板として、特許文献1には、無機系防錆剤を添加した防錆接着剤を用いて合成樹脂フィルムを貼合した金属板が記載されている。また、特許文献2には、特定の融点を有する高分子量熱可塑性ポリエステルまたは高分子量熱可塑性ポリエステルエーテルを主成分とする接着層によって、PETフィルム上に設けた金属薄膜層と、金属板とを熱接着させてなる被覆金属板が記載されている。また、特許文献3には、紫外線吸収型アクリル系樹脂を主成分とした組成物からなる接着層によって、金属板とプラスチックフィルムを積層した被覆金属板が記載されている。
特開昭52−134686号公報 特開昭58−183248号公報 特開平8−290525号公報
樹脂フィルムによって被覆された金属板において、防汚性が要求される場合、この防汚性を付与する方法として、金属板の表面を、フッ素系樹脂を最外層とする積層フィルムで被覆することが考えられる。そして、フッ素系樹脂は一般に高価であるので、フッ素系樹脂層はできるだけ薄くすることが要求される。
しかし、特許文献1〜3のように、接着剤を用いてプレス成形によって樹脂を積層する方法では、フィルムを積層する際の作業性の観点から、フィルムにある程度のコシが必要とされるため、フッ素系樹脂層には、ある程度の膜厚が必要とされ、経済的に樹脂被覆金属板を作製できないという問題点がある。さらに、フィルムを貼り合わせる工程が必要であるので、作業性および経済性が悪いという問題点もある。
そこで、本発明は、フッ素系樹脂フィルムを薄層化して、かつ、貼り合わせ工程を不要とすることができる金属被覆用積層フィルムを提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、積層フィルムを特定の材料によって構成し、接着剤を用いないで共押出により各層を積層することによって、上記課題を解決することができることを見出し、以下の発明を完成した。
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
第一の本発明は、金属(10a)表面に積層して用いる金属被覆用積層フィルムにおいて、エチレン−ビニルアルコール共重合体からなる層(30a)を有し、その上に、接着性フッ素樹脂からなる層(20a)を有することを特徴とする金属被覆用積層フィルム(100a)である。
前記接着性フッ素樹脂は、カーボネート基またはマレイン酸基あるいはカーボネート基およびマレイン酸基の両方を含有することが好ましい。
第二の本発明は、金属(10b)表面に積層して用いる金属被覆用積層フィルムにおいて、変性ポリオレフィン樹脂からなる層(40b)を有し、その上に、エチレン−ビニルアルコール共重合体からなる層(30b)を有し、その上に、接着性フッ素樹脂からなる層(20b)を有することを特徴とする金属被覆用積層フィルム(100b)である。
第三の本発明は、金属(10c)表面に積層して用いる金属被覆用積層フィルムにおいて、ポリエステル系樹脂からなる無延伸層(50c)を有し、その上に、変性ポリオレフィン樹脂からなる層(40c)を有し、その上に、エチレン−ビニルアルコール共重合体からなる層(30c)を有し、その上に、接着性フッ素樹脂からなる層(20c)を有することを特徴とする金属被覆用積層フィルム(100c)である。
ここで「無延伸」とは意図して延伸操作を付与しないことであり、例えば、押出し製膜時にキャスティングロールによる引き取りで発生する配向等が存在しないということまでを意味するものではない。
製膜時における、前記ポリエステル系樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるスチレン換算の重量平均分子量は、65000〜140000の範囲にあることが好ましい。
ポリエステル系樹脂からなる無延伸層(50c)を形成する樹脂は、結晶性のポリブチレンテレフタレート系樹脂を含み、示差走査熱量測定により、JIS−K7121に準じて、加熱温度10℃/分で測定した一次昇温時に明確な結晶融解に起因する吸熱ピークを示し、その結晶融解熱量(△Hm(J/g))が、10〜60であることが好ましい。
また、上記の金属被覆用積層フィルムにおいては、前記接着性フッ素樹脂からなる層上に、さらにフッ素樹脂からなる層を有していてもよい。
上記金属被覆用積層フィルムは、共押出により成形されたことが好ましい。
第四の本発明は、上記金属被覆用積層フィルムを貼り付けた、樹脂被覆金属板である。
本発明の金属被覆用積層フィルムによれば、積層フィルムを特定の材料からなる層によって構成し、接着剤を用いないで共押出により各層を積層することができる。また、接着剤を用いないで、共押出により積層することで、積層フィルムの耐久性および耐熱性を向上させることができるとともに、積層フィルムの各層を薄層化して、経済性を向上させることができる。また、貼り合わせ工程を不要とすることにより、作業性、経済性を向上させることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、三つの形態に基づいて、それぞれ図面を参照しつつ説明する。
(第一の実施形態)
図1(A)に、第一の実施形態にかかる本発明の金属被覆用積層フィルム100aを示す。本発明の金属被覆用積層フィルム100aは、エチレン−ビニルアルコール共重合体からなる層30aおよび接着性フッ素樹脂からなる層20aを有している。エチレン−ビニルアルコール共重合体からなる層30aにおける接着性フッ素樹脂からなる層20aが積層された面とは反対の面に、金属板10aが接着され、樹脂被覆金属板が形成される。
本発明の金属被覆用積層フィルム100aによって被覆する金属板10aとしては、熱延鋼板、冷延鋼板、溶融亜鉛メッキ鋼板、電気亜鉛メッキ鋼板、スズメッキ鋼板、ステンレス鋼板等の各種鋼板や、アルミニウム板を使用することができる。これらは、通常の化成処理を施した後に使用してもよい。金属板10aの厚さは、樹脂被覆金属板の用途等により異なるが、0.1〜10mmの範囲で選ぶことができる。なお、以下の第二および第三の実施形態における金属板10b、10cは、金属板10aと同様の金属板である。
金属表面側に積層するエチレン−ビニルアルコール共重合体からなる層30aとは、エチレン−ビニルアルコール共重合体を主成分として含む層をいう。
ここで、「主成分として含む」とは、層全体の質量を基準として(100質量%)、そのものが50質量%以上であることをいい、好ましくは、70質量%以上であることをいい、さらに好ましくは、90質量%以上であることをいい、適宜、他の物質を含有していてもよいことをいう。他の物質としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂等を用いることができる。なお、以下、本明細書における「主成分として含む」は、同様の意味である。
エチレン−ビニルアルコール共重合体からなる層30aには、その性質を損なわない程度に、各種の添加剤を適量添加してもよい。添加剤としては、燐系・フェノール系などの各種酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、核剤、金属不活化剤、残留重合触媒不活化剤、造核剤、抗菌・防かび剤、帯電防止剤、滑剤、難燃剤、充填材など、樹脂材料に一般的に用いられているものを挙げることができる。
本発明に用いられるエチレン−ビニルアルコール共重合体としては、エチレン含有率が20〜65モル%であることが好ましく、25〜60モル%であることがさらに好ましい。また、ビニルエステル成分のけん化度は、90モル%以上であることが好ましく、95モル%以上であることがさらに好ましい。
エチレン−ビニルアルコール共重合体のJIS K 7210に準じて測定したメルトフローレート(MFR)は、8〜15であることが好ましく、10〜14であることがさらに好ましい。
エチレン−ビニルアルコール共重合体からなる層30aの厚さとしては、積層フィルムを金属板に貼り付ける際の加工性、製膜性等の点から、1〜50μmが好ましく、3〜20μmがさらに好ましい。
このエチレン−ビニルアルコール共重合体からなる層30aは、接着性フッ素樹脂からなる層20aと共押出成形することによって良好に接着し、積層フィルム100aとすることができる。また、金属10aに貼り付けることにより、良好な接着性を有する樹脂被覆金属板とすることができる。また、接着性フッ素樹脂からなる層20aは、経済性の観点から、薄層にする必要があるので、このエチレン−ビニルアルコール共重合体からなる層30aは、積層フィルム100aにコシを与える役割を有する。これにより、本発明の積層フィルムを金属に貼り合わせる際の作業性が向上する。
上記エチレン−ビニルアルコール共重合体からなる層30aの上に積層され、本発明の積層フィルム100aで金属10aを被覆した状態において、その最外層に位置する接着性フッ素樹脂からなる層20aとは、接着性フッ素樹脂を主成分として含む層をいう。接着性フッ素樹脂からなる層20aには、その性質を損なわない程度に、各種の添加剤を適量添加してもよい。添加剤としては、エチレン−ビニルアルコール共重合体からなる層30aに添加することができる上記した添加剤と同様のものを用いることができる。
本発明における接着性フッ素樹脂とは、融点が150℃〜250℃であって、変性ポリオレフィン樹脂の一種であるレクスパール RA3150(日本ポリエチレン社製)とフッ素樹脂とを、4×10〜5×10Paの試料圧で、240℃で、10分間プレスして、積層シートを作製し、幅2.5cm、長さ25cmに切断して採取したサンプルを、JIS Z0237に準じた方法にて、剥離速度5mm/min、温度23℃で、180度剥離強度の測定を行った時の180度剥離強度が4N/cm以上であるフッ素樹脂のことをいう。
また、本発明における接着性フッ素樹脂のIRスペクトルは、1780cm−1〜1880cm−1の間に吸収ピークを有している。好ましくは、接着性フッ素樹脂のIRスペクトルは、1790cm−1〜1800cm−1の間および1845cm−1〜1855cm−1の間に、無水マレイン酸基等の無水物に起因する吸収ピークを有し、あるいは、1800cm−1〜1815cm−1の間に末端カーボネート基に起因する吸収ピークを有し、あるいは、1790cm−1〜1800cm−1の間、1845cm−1〜1855cm−1の間および1800cm−1〜1815cm−1の間に、無水マレイン酸基等の無水物および末端カーボネート基の混合物に起因する吸収ピークを有している。
さらに好ましくは、接着性フッ素樹脂のIRスペクトルは、1790cm−1〜1800cm−1の間および1845cm−1〜1855cm−1の間に、無水マレイン酸基等の無水物に起因する吸収ピークを有し、あるいは、1800cm−1〜1815cm−1の間に末端カーボネート基に起因する吸収ピークを有している。
また、主鎖のCH基に起因する2881cm−1付近における吸収ピークの高さに対する、無水マレイン酸基等の無水物に起因する1790cm−1〜1800cm−1の間の吸収ピークの高さの比は、0.5〜1.5、好ましくは0.7〜1.2、さらに好ましくは0.8〜1.0である。
また、主鎖のCH基に起因する2881cm−1付近における吸収ピークの高さに対する、末端カーボネート基に起因する1800cm−1〜1815cm−1の間の吸収ピークの高さの比は、1.0〜2.0、好ましくは1.2〜1.8、さらに好ましくは1.5〜1.7である。
このような接着強度を有するフッ素樹脂として、例えば、テトラフルオロエチレン単位を有するホモポリマーやコポリマーであって、末端あるいは側鎖に、カーボネート基、カルボン酸ハライド基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、エポキシ基等の官能基を有する樹脂、あるいは側鎖に無水マレイン酸を有する樹脂が挙げられる。上記融点と接着強度を発現するのであれば、複数の樹脂を混合してもよい。市販品で上記のような接着強度を有するフッ素樹脂としては、例えば、ネオフロンEFEP(ダイキン工業社製)、フルオンLM−ETFE AH2000(旭硝子社製)が挙げられる。
接着性フッ素樹脂からなる層20aの厚さとしては、強度の点から、1μm以上であることが好ましく、3μm以上であることがさらに好ましい。また、本発明の金属被覆用積層フィルムにおいては、共押出することによって、接着性フッ素樹脂からなる層20aの厚さを薄くすることが可能であり、10μm以下であることが好ましく、5μm以下であることがさらに好ましい。
接着性フッ素樹脂からなる層20aを、本発明の金属被覆用積層フィルム100aにおいて、金属10aと貼り付ける側とは反対側の最外層に位置するように積層し、本発明の積層フィルム100aで金属10aを被覆することによって、防汚性を有する樹脂被覆金属板を作製することができる。
本実施形態の共押出においては、エチレン−ビニルアルコール共重合体および接着性フッ素樹脂のそれぞれに対応する二台の押出機を使用して、これらの二種の樹脂材料を、一体に組み合わせてなる押出ダイに導いて、ダイ内部またはダイ開口部にて接触させて単一押出製品である積層フィルム100aとする。
この積層フィルム100aのエチレン−ビニルアルコール共重合体からなる層30aにおける接着性フッ素樹脂からなる層20aが積層された面とは反対の面には、接着剤を介して、金属10aがドライラミネートされる。接着剤は、エチレン−ビニルアルコール共重合体からなる層30a側に塗布してもよいし、金属10aに塗布してもよい。これにより樹脂被覆金属板が作製される。
接着剤としては、特に限定されず、種々のものを用いることができるが、例えば、ポリエステル系、エポキシ系、アクリル系、ウレタン系等の接着剤を用いることができる。
また、上記の接着剤による接着方法の他に、従来のPVC鋼板のラミネートにおいて用いられてきた、押出ラミネート、熱融着等の方法により積層フィルムを金属板上に積層することもできる。
(第二の実施形態)
図1(B)に、第二の実施形態にかかる本発明の金属被覆用積層フィルム100bを示す。本発明の金属被覆用積層フィルム100bは、変性ポリオレフィン樹脂からなる層40bを有し、その上に、エチレン−ビニルアルコール共重合体からなる層30bを有し、その上に、接着性フッ素樹脂からなる層20bを有している。変性ポリオレフィン樹脂からなる層40bにおけるエチレン−ビニルアルコール共重合体からなる層30bが積層された面とは反対の面に、金属板10bが接着され、樹脂被覆金属板が形成される。
なお、接着性フッ素樹脂からなる層20bは、上記した第一の実施形態における接着性フッ素樹脂からなる層20aと同様である。また、エチレン−ビニルアルコール共重合体からなる層30bは、上記した第一の実施形態におけるエチレン−ビニルアルコール共重合体からなる層30aと同様である。エチレンビニルアルコール共重合体からなる層30bは、以下に説明する変性ポリオレフィン樹脂からなる層40bと共押出成形することによって良好に接着し、積層フィルム100bとすることができる。
変性ポリオレフィン樹脂からなる層40bとは、変性ポリオレフィン樹脂を主成分として含む層をいう。変性ポリオレフィン樹脂からなる層40bには、その性質を損なわない程度に、各種の添加剤を適量添加してもよい。添加剤としては、エチレン−ビニルアルコール共重合体からなる層30aに添加することができる上記した添加剤と同様のものを用いることができる。
本発明における変性ポリオレフィン樹脂とは、ベースとなるポリオレフィン樹脂に、任意の方法で無機酸、不飽和カルボン酸またはその誘導体等の酸をグラフト反応させることにより得られる樹脂をいう。ベースとなるポリオレフィンとしては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等が使用される。不飽和カルボン酸類としては、例えばボロン酸、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、またそれらの酸無水物、エステル、アミド、イミド、金属塩等であり、これらのうち、無水マレイン酸を用いるのが好ましい。
変性ポリオレフィン樹脂からなる層40bの厚さとしては、積層フィルムを金属板に貼り付ける際の加工性、製膜性等の点から、1〜50μmが好ましく、3〜10μmがさらに好ましい。
この変性ポリオレフィン樹脂からなる層40bは、エチレン−ビニルアルコール共重合体からなる層30bと共押出成形することによって良好に接着し、積層フィルム100bとすることができる。また、金属10bと貼り付けることにより、良好な接着性を有する樹脂被覆金属板とすることができる。また、この変性ポリオレフィン樹脂からなる層40bは、積層フィルム100bにコシを与える役割を有する。これにより、本発明の積層フィルム100bを金属10bに貼り合わせる際の作業性が向上する。
本実施形態の共押出においては、変性ポリオレフィン樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体および接着性フッ素樹脂のそれぞれに対応する三台の押出機を使用して、これらの三種類の樹脂材料を、一体に組み合わせてなる押出ダイに導いて、ダイ内部またはダイ開口部にて接触させて単一押出製品である積層フィルム100bとする。
この積層フィルム100bの変性ポリオレフィン樹脂からなる層40bおけるエチレン−ビニルアルコール共重合体からなる層30bが積層された面とは反対の面には、接着剤を介して、金属10bがドライラミネートされる。接着剤は、変性ポリオレフィン樹脂からなる層40b側に塗布してもよいし、金属10b側に塗布してもよい。これにより樹脂被覆金属板が作製される。接着剤としては、特に限定されず、種々のものを用いることができるが、例えば、ポリエステル系、エポキシ系、アクリル系、ウレタン系等の接着剤を用いることができる。
また、上記の接着剤による接着方法の他に、従来のPVC鋼板のラミネートにおいて用いられてきた、押出ラミネート、熱融着等の方法により積層フィルムを金属板上に積層することもできる。
(第三の実施形態)
図1(C)に、第三の実施形態にかかる本発明の金属被覆用積層フィルム100cを示す。本発明の金属被覆用積層フィルム100cは、ポリエステル系樹脂からなる無延伸層50cを有し、その上に、変性ポリオレフィン樹脂からなる層40cを有し、その上に、エチレン−ビニルアルコール共重合体からなる層30cを有し、その上に、接着性フッ素樹脂からなる層20cを有している。ポリエステル系樹脂からなる無延伸層50cにおける変性ポリオレフィン樹脂からなる層40cが積層された面とは反対の面に、金属板10cが接着され、樹脂被覆金属板が形成される。
なお、接着性フッ素樹脂からなる層20cは、上記した第一の実施形態における接着性フッ素樹脂からなる層20aと同様である。また、エチレン−ビニルアルコール共重合体からなる層30cは、上記した第一の実施形態におけるエチレン−ビニルアルコール共重合体からなる層30aと同様である。また、変性ポリオレフィン樹脂からなる層40cは、上記した第二実施形態における変性ポリオレフィン樹脂からなる層40bと同様である。また、エチレンビニルアルコール共重合体からなる層30cは、変性ポリオレフィン樹脂からなる層40cと共押出成形することによって良好に接着し、変性ポリオレフィン樹脂からなる層40cは、ポリエステル系樹脂からなる無延伸層50cと共押出成形することによって良好に接着し、積層フィルム100cとすることができる。
ポリエステル系樹脂からなる無延伸層50cとは、ポリエステル系樹脂を主成分として含む層をいう。ポリエステル系樹脂からなる無延伸層50cには、その性質を損なわない程度に、各種の添加剤を適量添加してもよい。添加剤としては、エチレン−ビニルアルコール共重合体からなる層30aに添加することができる上記した添加剤と同様のものを用いることができる。
ポリエステル系樹脂としては、特に限定されず、種々のものを用いることができる。例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、シクロヘキサンジメタノール等から選ばれる一または複数のアルコール成分、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸等から選ばれる一または複数の酸成分、からなる重合体、あるいはこれらの重合体のブレンド体を用いることができ、または、ポリ乳酸等を用いることができる。
製膜時における、前記ポリエステル系樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるスチレン換算の重量平均分子量は、65000〜140000の範囲にあることが好ましく、75000〜120000の範囲にあることがさらに好ましい。
分子量が低すぎる場合は、以下に説明するように樹脂被覆金属板として湿熱環境中で使用された場合の耐久性が充分なものとならず好ましくない。また、分子量が高すぎる場合は、樹脂原料自体の分子量として、さらに高分子量のものが必要であり、これは一般的・継続的に得られるものではないためコスト高となり好ましくない。また、このような高分子量の樹脂原料が得られたとしても、シートに製膜した時点では耐久性向上効果は飽和するのみでなく、製膜時の所要エネルギーが多くなり好ましくない。
一般的に、ポリエステル系樹脂を湿熱環境で使用した場合に、ポリエステル樹脂が劣化する主な原因は、加水分解であると考えられている。加水分解が進行すると、フィルムの脆化が進行し、機械的強度が低下して、フィルムを折り曲げると割れる状態になる。樹脂被覆金属板の場合においては、フィルム層にクラックが発生したり、フィルム層の剥落等が生じたりして、外観上著しく意匠性を損なうと同時に、フィルムによる金属表面の防蝕効果も得られなくなる。
この加水分解による劣化は、ポリエステル鎖中のエステル結合部分で発生するものであり、分子量の低下をもたらす。また、フィルムの割れ等の機械的強度の低下は、分子量がある一定値を下回った所で顕著に起こり始める。よって、製膜時において既に分子量が低いものは、短期間の湿熱環境での使用により、分子量がある一定値を下回るので、機械的強度の低下を生じる。これに対して、製膜時において、分子量が高い場合は、湿熱環境で使用しても、機械的強度の低下を生ずるまでに長期間を要することになる。このように、湿熱環境で使用すれば、加水分解によって分子量が低下するものの、製膜時における分子量が高いものほど、一定期間が経過した後の分子量も高く、機械的強度を維持していることがわかる。従って、ポリエステル樹脂からなる無延伸層を耐湿熱性のよい製膜シートとするためには、上記した範囲のある程度高い分子量のポリエステル樹脂を使用する必要がある。
ポリエステル系樹脂の分子量の低下を防ぐために、以下の方策が考えられる。
製膜設備の面におけるものとしては、
(1)分子量低下を抑制するため、スクリューデザインを最適化する。
(2)適正な位置にベント装置を取り付けて、成形時の加水分解を低減する。
(3)滞留時間が必要以上に長くならないようにする。
(4)原料の乾燥工程を工夫して、吸湿水分の影響を低減する。
等の方策が挙げられる。
またポリエステル系樹脂からなる無延伸層の配合面からは、
(1)着色顔料として、熱触媒作用や加水分解促進作用のあるものは使用しない。
(2)熱触媒作用や加水分解促進作用のある着色顔料を使用する場合は、触媒活性を封止する。
(3)滑剤を添加して、成形機内においてポリエステル分子が機械的に切断されるのを低減する。
(4)滑剤を添加して、剪断による発熱を低減する。
(5)加水分解防止剤を添加する。
等の方策が挙げられる。
本発明のポリエステル系樹脂としては、結晶性のポリブチレンテレフタレート系樹脂(以下において「PBT」と記すことがある。)をブレンドしたものを、好ましく用いることができる。
この理由としては、
(1)押出グレードとして初期分子量の比較的高いグレードが揃っていること、
(2)ポリエチレンテレフタレート系樹脂よりも加水分解反応速度が小さいこと(「ポリ(1、4−ブチレンテレフタレート)の熱および加水分解特性」、繊維学会誌、vol.43、No.7(1987)、東レ株式会社繊維研究所 田中三千彦氏、参照)、
(3)結晶性樹脂であるが結晶領域の弾性率がポリエチレンテレフタレート系樹脂より低く、結晶部のフレキシビリティーが高いため、比較的結晶性が高い状態で金属板に被覆されても、良好な加工性を示すこと、
(4)融点(Tm)が従来の軟質PVCシートをラミネートする時の金属板表面温度と同程度か、やや低い温度である点から、軟質PVCシートのラミネートに用いてきた設備をそのまま適用できること、等を挙げることができる。
結晶性のポリブチレンテレフタレート系樹脂としては、酸成分としてテレフタル酸、アルコール成分として1、4-ブタンジオールのみを用いた、いわゆるホモ・ポリブチレンテレフタレートを、好適に用いることができる。また、ラミネート時の金属板表面温度を、さらに下げたい場合等の理由から、酸成分の一部をイソフタル酸で置換したポリブチレンテレフタレートを用いることもできる。
ブレンド比は、「20:80」〜「80:20」(結晶性のポリブチレンテレフタレート系樹脂:非晶性または低結晶性のポリエステル系樹脂)であることが好ましい。
このようにブレンドする理由は、結晶性のポリブチレンテレフタレート系樹脂のみを用いた場合に比べて、非結晶性のポリエステル系樹脂等をブレンドした場合では、結晶融解熱量(ΔHm)が小さくなるため、ラミネート前の金属板表面温度を比較的低く設定しても強固な接着力が得られるからである。さらに、非結晶性、あるいは低結晶性のポリエステル系樹脂をブレンドすることで、結晶化速度を適度に遅くすることができ、また、ガラス転移温度(Tg)を上昇させることができることから、押出し製膜時に結晶性の低い状態のシートを得ることが可能となり、その結果、結晶性のポリブチレンテレフタレート系樹脂の融点以下の比較的低温でのラミネートが可能となるからである。
ポリエステル系樹脂として、結晶性のポリブチレンテレフタレート系樹脂と非結晶性あるいは低結晶性のポリエステル系樹脂のブレンドを用いた場合、このポリエステル系樹脂からなる無延伸層を形成する樹脂は、示差走査熱量測定により、JIS−K7121に準じて、加熱温度10℃/分で測定した一次昇温時に明確な結晶融解に起因する吸熱ピークを示し、その結晶融解熱量(ΔHm(J/g))は、10〜60であることが好ましい。
示差走査熱量測定は、具体的には、パーキンエルマー製DSC−7を用いて、試料10mgをJIS−7121「プラスチックの転移温度測定方法・融解温度の求め方」に準じて、加熱速度10℃/分で測定して、一次昇温時の結晶融解熱量を求めた。
結晶融解熱量が小さすぎると、非結晶性樹脂、あるいは低結晶性樹脂のブレンド比率が高くなり、耐沸騰水浸漬試験に合格することが難しくなる。また、結晶融解熱量が大きすぎるポリエステル系樹脂は、一般的に入手しづらい。
ここで、結晶融解に起因する吸熱ピークが、「明確」であるとは、このピークが10J/g以上の結晶融解に起因するピークであることをいう。
結晶性のポリブチレンテレフタレート系樹脂にブレンドする非結晶性、あるいは低結晶性のポリエステル系樹脂としては、原料の安定供給性や生産量が多いことから低コスト化が図られているイ−ストマンケミカル社の「イースター・6763」や、それに類する樹脂を用いることが好ましい。ただし、これに限定されるものではなく、ネオペンチルグリコール共重合PETで結晶性を示さないものや、特殊な冷却条件では融点を示すものの、一般的には非結晶性樹脂として取り扱うことが可能なイ−ストマンケミカル社の「PCTG・5445」等を用いてもよい。
添加剤により、ポリエステル系樹脂の製膜時における分子量低下を抑制し、本発明の範囲の分子量のポリエステル系樹脂を得ることができる。このような添加剤としては、カルボジイミド化合物を挙げることができる。該カルボジイミド化合物は押出し製膜時に成型機内において、ポリエステル系樹脂の加水分解を抑制し、結果として本発明の請求の範囲の分子量を有するポリエステル系樹脂からなる無延伸層50cを得易くなる効果を表す。カルボジイミド化合物としては、下記一般式の基本構造を有するものが挙げられる。
Figure 2006181942
カルボジイミド化合物の具体例としては、ポリ(4,4'−ジフェニルメタンカルボジイミド)、ポリ(p−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(m−フェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリルカルボジイミド)、ポリ(ジイソプロピルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(メチル−ジイソプロピルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリイソプロピルフェニレンカルボジイミド)等、および、これらの単量体が挙げられる。該カルボジイミド化合物は、単独、または、2種以上組み合わせて用いることができる。
カルボジイミド化合物は、ポリエステル系樹脂を100質量部として、0.1〜5.0質量部添加するのが好ましい。添加量が少なすぎる場合は、耐加水分解性改良効果が充分でなく好ましくない。また、添加量が多すぎる場合は、分子量低下を抑制する効果が飽和すると同時に、押出し製膜性に各種問題が生じるおそれがあるのと、製膜後のシートに関してもカルボジイミド化合物のブリードアウトによる外観不良や機械物性の低下を起こし易く好ましくない。また、ポリエステル系樹脂からなる無延伸層50の配合コストが高価なものとなり好ましくない。
加水分解防止作用を有する添加剤としては、多官能のエポキシ基を有するブロック共重合体やグラフト共重合体等がある。これに関しても、ポリエステル系樹脂が必要とする耐湿熱性以外の性能(表面硬度・耐折り曲げ加工性等)を悪化させない範囲で適量添加することができる。これらの添加剤によりポリエステル系樹脂の加水分解性が改善されること自体は公知である。
ポリエステル系樹脂からなる無延伸層50cには、顔料が添加されていることが好ましい。顔料を添加する目的は、下地の金属板10cの隠蔽、意匠性の付与などである。ポリエステル系樹脂からなる無延伸層50cに添加される顔料は、なるべくポリエステル系樹脂の重合触媒として作用しないものを選ぶ必要がある。白系の着色では酸化チタン顔料を使用する必要があり、この場合はルチル系酸化チタンで表面処理が充分行われているものを選ぶ必要がある。アナターゼ型酸化チタンは、表面処理の剥離を生じやすく好ましくない。
酸化チタン系の顔料で着色する場合、および、着色顔料を添加し有彩色に着色する場合においては、分子量の低下等のポリエステル系樹脂の劣化を促進するような顔料種は使用しない方が好ましい。また、このようなポリエスル系樹脂の劣化を促進するような顔料種をどうしても使用する必要がある場合は、カルボジイミド化合物を添加することが好ましい。
ポリエステル系樹脂からなる無延伸層50cの厚さとしては、積層フィルムを金属板に張り合わせる際の加工性、製膜性等の点から、50〜300μmが好ましく、100〜200μmがさらに好ましい。
このポリエステル系樹脂からなる無延伸層50cは、変性ポリオレフィン樹脂からなる層40cと共押出成形することによって良好な接着性を示し、積層フィルム100cとすることができる。また、ポリエステル系樹脂からなる無延伸層50cは、金属10cに貼り付けたり、金属10c上に共押出、熱ラミネート等することによって、特に良好な接着性を有する樹脂被覆金属板とすることができる。
また、このポリエステル系樹脂からなる無延伸層50cは、積層フィルムにコシを与える役割を有する。これにより、本発明の積層フィルムを金属に貼り合わせる際の作業性が向上する。
本実施形態の共押出においては、ポリエステル系樹脂、変性ポリオレフィン樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体および接着性フッ素樹脂のそれぞれに対応する四台の押出機を使用して、これらの四種類の樹脂材料を、一体に組み合わせてなる押出ダイに導いて、ダイ内部またはダイ開口部にて接触させて単一押出製品である積層フィルム100cとする。
この積層フィルム100cのポリエステル系樹脂からなる無延伸層50cおける変性ポリオレフィン樹脂からなる層40cが積層された面とは反対の面には、接着剤を介して、金属10cがドライラミネートされる。接着剤は、ポリエステル系樹脂からなる無延伸層50c側に塗布してもよいし、金属10cに塗布してもよい。これにより樹脂被覆金属板が作製される。
接着剤としては、特に限定されず、種々のものを用いることができるが、例えば、ポリエステル系、エポキシ系、アクリル系、ウレタン系等の接着剤を用いることができる。
また、上記の接着剤による接着方法の他に、従来のPVC鋼板のラミネートにおいて用いられてきた、押出ラミネート、熱融着等の方法により積層フィルムを金属板上に積層することもできる。
本発明の積層フィルム100a〜100cを共押出により成形することによって、積層フィルムを構成する各層を薄くすることができる。特に、接着性フッ素樹脂は高価であるので、接着性フッ素樹脂からなる層20a〜20cを薄くすることによって、経済性を向上させることができる。また、各層を積層するのに、接着剤を使用していないので、積層フィルムの耐熱性および耐久性を向上させることができる。
また、本発明の積層フィルム100a〜100cの接着性フッ素樹脂からなる層20a〜20c上に、さらにフッ素樹脂からなる層を有する金属被覆用積層フィルムとすることもできる。
フッ素樹脂としては、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)を用いることが接着性の点から好ましい。
<1> 評価用試料の作製
以下の実施例1〜3および比較例1〜3において、それぞれに示す層構成、積層条件にて目的とする金属被覆用積層フィルム(一部は単層フィルム)を得た。
(実施例1)
以下の樹脂を使用し、口金温度260℃で、2層マルチマニホールドダイにより共押出成形を行い、各層が以下に示す厚みを有する積層フィルムを得た。
第1層:接着性フッ素樹脂 ネオフロンEFEP RP4020(ダイキン工業社製) 5μm
第2層:エチレン−ビニルアルコール共重合体 ソアノール A4412(日本合成化学社製) 10μm
(実施例2)
以下の樹脂を使用し、口金温度260℃で、3層マルチマニホールドダイにより共押出成形を行い、各層が以下に示す厚みを有する積層フィルムを得た。
第1層:接着性フッ素樹脂 ネオフロンEFEP RP4020(ダイキン工業社製) 5μm
第2層:エチレン−ビニルアルコール共重合体 ソアノール A4412(日本合成化学社製) 5μm
第3層:変性ポリオレフィン樹脂 モディック M502(三菱化学社製) 5μm
(実施例3)
以下の樹脂を使用し、口金温度260℃で、4層マルチマニホールドダイにより共押出成形を行い、各層が以下に示す厚みを有する積層フィルムを得た。
第1層:接着性フッ素樹脂 ネオフロンEFEP RP4020(ダイキン工業社製) 5μm
第2層:エチレン−ビニルアルコール共重合体 ソアノール A4412(日本合成化学社製) 5μm
第3層:変性ポリオレフィン樹脂 モディック S505(三菱化学社製) 5μm
第4層:ポリエステル系樹脂 PBT(ノバデュラン5020S(三菱エンジニアリングプラスチック社製))40質量%およびPETG(イースターPETG・6763(イーストマン・ケミカル・カンパニー社製))60質量%の混合樹脂(混合樹脂全体の質量を100質量部として、酸化チタン系の白色顔料を20質量部添加している。) 50μm
(比較例1)
以下の樹脂を使用し、接着剤(「タケラック A310」100質量部および「タケネート A3」5質量部の混合物)を介してドライラミネートにより積層して、各層が以下に示す厚みを有する積層フィルムを得た。
第1層:エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体 フルオンETFE C−88AXP(旭硝子社製) 25μm
第2層:ポリエステル系樹脂 PBT(ノバデュラン5020S(三菱エンジニアリングプラスチック社製))40質量%およびPETG(イースターPETG・6763(イーストマン・ケミカル・カンパニー社製))60質量%の混合樹脂(混合樹脂全体の質量を100質量部として、酸化チタン系の白色顔料を20質量部添加している。) 50μm
(比較例2)
エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体 フルオンETFE C−88AXP(旭硝子社製)からなる25μmの単層フィルムを作製した。
(比較例3)
以下の樹脂を使用し、口金温度320℃で、4層マルチマニホールドダイにより共押出成形を行った。
第1層:エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体 フルオンETFE C−88AXP(旭硝子社製) 5μm
第2層:エチレン−ビニルアルコール共重合体 ソアノール A4412(日本合成化学社製) 5μm
第3層:変性ポリオレフィン樹脂 モディック S505(三菱化学社製) 5μm
第4層:ポリエステル系樹脂 PBT(ノバデュラン5020S(三菱エンジニアリングプラスチック社製))40質量%およびPETG(イースターPETG・6763(イーストマン・ケミカル・カンパニー社製))60質量%の混合樹脂(混合樹脂全体の質量を100質量部として、酸化チタン系の白色顔料を20質量部添加している。) 50μm
(参考例1)
T100−50(三菱化学ポリエステルフィルム社製)を購入して使用した。
<2> 金属被覆用積層フィルムの評価項目
上記作製した金属被覆用積層フィルムを、以下の評価項目によって評価した。評価結果をまとめて表1に示す。
(1)押出加工性
○:共押出により安定にフィルムを得ることができる。
×:共押出時に層間で剥離してしまい安定して巻き取れない。
(2)層間接着性
○:層間剥離が生じない。
×:巻き取り時等に層間剥離が生じる。
(3)金属板への貼り合わせ
亜鉛めっき鋼板(厚み0.45mm)に、乾燥後の接着剤膜厚が2〜4μm程度になるように、ポリエステル系接着剤(SC611(ソニーケミカル社製))を塗布し、この鋼板の塗布面をその表面温度が235℃になるように、熱風加熱炉および赤外線ヒーターにより乾燥・加熱した。その後、ロールラミネータ−を用いて、鋼板における接着剤の塗布面を本発明の積層フィルムにより被覆し、自然空冷冷却することで、本発明の積層フィルムによって被覆された樹脂被覆鋼板を作製した。
上記によって、作製した樹脂被覆鋼板について、以下の基準により、貼り合わせについて評価した。
◎:しわを生じないで貼り合わせることができ、鋼板との密着性が非常に良い。
○:しわを生じないで貼り合わせることができ、鋼板との密着性が良い。
×:しわが生じている。または、鋼板との密着性が悪い。
(4)表面防汚性
油性フェルトペンで表面に文字を書き、60秒後に水で表面をふき取った際のインクの残り具合から、以下の基準により判断した。
○:きれいにふき取ることができる。
×:ほとんどふき取れず、インクが残る。
(5)経済性
金属被覆用積層フィルムの製造にかかるコストを評価した。
○:コストがかからない。
×:コストがかかる。
Figure 2006181942
表1からわかるように、本発明の金属被覆用積層フィルムは、いずれの評価項目においても良好な結果を示した(実施例1〜3)。これに対して、フッ素系樹脂からなる層の厚みが大きく、ドライラミネートしている場合は、高価なフッ素系樹脂を多量に使用し、ラミネート作業が必要であるので、経済性が劣っていた(比較例1)。また、フッ素樹脂の単層フィルムを用いた場合は、フッ素樹脂の単層フィルムの厚みが大きく、高価なフッ素樹脂を多量に使用しているので、経済性が劣っていた(比較例2)。また、接着性フッ素樹脂ではないフッ素系樹脂を使用して、共押出により積層した場合は、押出加工性、層間接着性が劣った結果となり、積層フィルムは得られなかった(比較例3)。
以上、現時点において、もっとも、実践的であり、かつ、好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う金属被覆用積層フィルムもまた本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
金属上に張り合わせた、本発明の金属被覆用積層フィルムの構成を示す概念図である。
符号の説明
100a、100b、100c 金属被覆用積層フィルム
10a、10b、10c 金属板
20a、20b、20c 接着性フッ素樹脂からなる層
30a、30b、30c エチレン−ビニルアルコール共重合体からなる層
40b、40c 変性ポリオレフィン樹脂からなる層
50c ポリエステル系樹脂からなる無延伸層

Claims (10)

  1. 金属表面に積層して用いる金属被覆用積層フィルムにおいて、エチレン−ビニルアルコール共重合体からなる層を有し、その上に、接着性フッ素樹脂からなる層を有することを特徴とする金属被覆用積層フィルム。
  2. 金属表面に積層して用いる金属被覆用積層フィルムにおいて、変性ポリオレフィン樹脂からなる層を有し、その上に、エチレン−ビニルアルコール共重合体からなる層を有し、その上に、接着性フッ素樹脂からなる層を有することを特徴とする金属被覆用積層フィルム。
  3. 金属表面に積層して用いる金属被覆用積層フィルムにおいて、ポリエステル系樹脂からなる無延伸層を有し、その上に、変性ポリオレフィン樹脂からなる層を有し、その上に、エチレン−ビニルアルコール共重合体からなる層を有し、その上に、接着性フッ素樹脂からなる層を有することを特徴とする金属被覆用積層フィルム。
  4. 製膜時における、前記ポリエステル系樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるスチレン換算の重量平均分子量が、65000〜140000の範囲にある請求項3に記載の金属被覆用積層フィルム。
  5. 前記ポリエステル系樹脂からなる無延伸層を形成する樹脂が、結晶性のポリブチレンテレフタレート系樹脂を含み、示差走査熱量測定により、JIS−K7121に準じて、加熱温度10℃/分で測定した一次昇温時に明確な結晶融解に起因する吸熱ピークを示し、その結晶融解熱量(△Hm(J/g))が、10〜60である請求項3または4に記載の金属被覆用積層フィルム。
  6. 前記接着性フッ素樹脂からなる層上に、さらにフッ素樹脂からなる層を有する、請求項1〜5のいずれかに記載の金属被覆用積層フィルム。
  7. 前記接着性フッ素樹脂が、カーボネート基を含有する、請求項1〜6のいずれかに記載の金属被覆用積層フィルム。
  8. 前記接着性フッ素樹脂が、マレイン酸基を含有する、請求項1〜7のいずれかに記載の金属被覆用積層フィルム。
  9. 共押出により成形された、請求項1〜8のいずれかに記載の金属被覆用積層フィルム。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の金属被覆用積層フィルムを貼り付けた樹脂被覆用金属板。
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