JP2005212241A - 金属板被覆用積層ポリエステルフィルム - Google Patents

金属板被覆用積層ポリエステルフィルム Download PDF

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Abstract

【課題】エンボス性、耐熱性、成型加工性などをポリ塩化ビニル樹脂やポリオレフィン樹脂からなるフィルム並み、もしくはそれ以上に制御することが困難であり、家電製品、キッチン、洗面所、ユニットバスなどの化粧鋼板被覆用着色フィルムの代替品を得ること。
【解決手段】(1)金属板と接しない表面にエンボス加工が施されている。
(2)金属板と接しない表面を構成する層のポリエステル樹脂が、少なくともブチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエステルを30〜80重量%含み、かつ、エチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエステルを20〜70重量%含む、(3)金属板と接する表面を構成する層のポリエステル樹脂が、エチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエステルを40〜100重量%含む。、を満たす、未延伸の金属板被覆用積層ポリエステルフィルムを提供すること。
【選択図】 なし

Description

本発明は、金属板被覆用積層ポリエステルフィルムに関し、詳しくは、エンボス性、耐熱性、成型加工性などに優れた積層ポリエステルフィルム、特に家電製品、キッチン、洗面所、ユニットバスなどの化粧鋼板被覆用着色フィルムに関する。
従来、家電製品、キッチン、洗面所、ユニットバスなどの化粧鋼板用フィルムとしては、軟質のポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンを主成分とするポリオレフィン樹脂などからなるフィルムや2軸延伸ポリエステルフィルムが用いられてきた。
しかし、ポリ塩化ビニル樹脂からなるフィルムは、エンボス性、耐熱性、経済性、成形加工性には優れるが、軟質であるために表面に傷がつきやすく、また、燃焼時に生じるダイオキシンの環境などへの影響が問題となっており、他樹脂への代替が検討されている。
ポリ塩化ビニル樹脂代替として、ポリエチレン、ポリプロピレンを主成分とするポリオレフィン樹脂がある。これらからなるフィルムは、経済性、エンボス性、対薬品性などに優れているものの、金属板に積層された後の成形加工によって、成形部分が白化し意匠性を損なう。
2軸延伸ポリエステルフィルムは主成分がポリエチレンテレフタレートのものが主であるが、硬度が高く成形加工時の割れ、亀裂の発生は少ないものの、金属板との密着性が劣る、エンボス性が悪くフィルム表面に意匠性を付与することが難しいという欠点を持っている。
これらフィルムの問題点を解決すべく、ポリエステル樹脂からなるフィルムの検討が進められている。これまでにも、金属板や木質板などの基板に接着する複数のポリエステル樹脂層からなるフィルムを接着した化粧板に関する発明が知られており、基板と接する層や基板と接しない表面を構成する層のポリエステル樹脂を規定した発明(例えば特許文献1参照)や、基板と接しない表面に凹凸模様を形成させた非配向のポリエステルフィルムに関する発明(例えば特許文献2)などが知られている。
特開2002−219776(第4頁6欄第33行目〜第6頁9欄第5行目) 特許第3251020号(第3頁5欄第12行目〜第3頁5欄第25行目)
しかしながら上記した従来技術では、金属板被覆用ポリ塩化ビニル樹脂やポリオレフィン樹脂からなるフィルムが担っていた機能を十分に代替しているとは言い難かった。つまり発明されたポリエステルフィルムは、エンボス性、耐熱性、成型加工性などをポリ塩化ビニル樹脂やポリオレフィン樹脂からなるフィルム並み、もしくはそれ以上に制御することが難しかった。そこで本発明は、金属板被覆用積層ポリエステルフィルムに関し、詳しくは、エンボス性、耐熱性、成型加工性などに優れた積層ポリエステルフィルム、特に家電製品、キッチン、洗面所、ユニットバスなどの化粧鋼板被覆用フィルムを得ることを課題とする。
上記課題を解決するため本願発明は次の構成を有する。すなわち、次の(1)〜(3)を満たす、未延伸の金属板被覆用積層ポリエステルフィルムである。
(1)金属板と接しない表面にエンボス加工が施されている。
(2)金属板と接しない表面を構成する層(以下「A層」と称する)のポリエステル樹脂が、少なくともブチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエステルを30〜80重量%含み、かつ、エチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエステルを20〜70重量%含む。
(3)金属板と接する表面を構成する層(以下「B層」と称する)のポリエステル樹脂が、エチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエステルを20重量%以上含む。
本発明の方法によれば、エンボス性、耐熱性、成型加工性などに優れた金属板被覆用積層ポリエステルフィルムを製造することが可能となった。
以下、本発明の好ましい実施の形態について説明する。本発明の金属板被覆用積層ポリエステルフィルムを構成するポリエステルとは主鎖中の主要な結合をエステル結合とする高分子の総称であって、通常ジカルボン酸成分とグリコール成分を重縮合反応させることによって得ることができる。
ここでジカルボン酸成分としては、例えば、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホンジカルボン酸、フタル酸などの芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、マレイン酸、フマル酸などの脂肪族ジカルボン酸、パラオキシ安息香酸などのオキシカルボン酸などを挙げることができる。
また、グリコール成分としては、例えば、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどの脂肪族グリコール、ジエチレングリコールなどのポリオキシアルキレングリコール、シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族グリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールSなどの芳香族グリコールなどが挙げられる。ジカルボン酸成分、グリコール成分ともにこれらの例に制限されるものではない。さらに、上記ポリエステルは、3種類以上のジカルボン酸成分、グリコール成分の共重合体であってもよい。
本発明の金属板被覆用積層ポリエステルフィルムは、金属板と接しない表面にエンボス加工を施す必要があるが、その方法は特に制限されない。例えば、片方がエンボス目を刻設したエンボスロール、他方が表面にゴムなどの弾性体を設けたロールからなる一対の加圧ロールを用い、溶融押し出しされた直後の樹脂を前述の一対の加圧ロールに通して加圧し、表面に凹凸模様を付与しても良い。
本発明の金属板被覆用積層ポリエステルフィルムは、金属板と接しない表面にエンボス加工を施す必要があるが、押出機で加熱溶融したポリマーを、Tダイからエンボス目を刻設したロール上に直接押し出し、冷却、固化しつつ、表面に所定の凹凸を付与する方法が好ましい。ポリ塩化ビニルやポリオレフィン樹脂では、押出機で加熱溶融したポリマーを押し出し、予めフィルムを作成した後にエンボス加工する方法などもあるが、ポリエステルフィルムに該方法を採用すると、フィルム表面に十分な凹凸を付与することが難しい。原因は、ポリ塩化ビニルやポリオレフィン樹脂に比べ、ポリエステル樹脂の軟化点と融点の温度差が小さいため、安定加工が難しいことにあると推定できる。
エンボス加工を施す好ましい手段としては、例えば、バレル温度255℃の押出機で加熱溶融したポリマーをTダイから押し出し、一方が20〜100℃のエンボスロール、他方が20〜50℃のゴムロールからなる一対の加圧ロールを用い、溶融押し出しされた直後の樹脂を前述の一対の加圧ロールに通して1MPaの圧力をかけ、表面に凹凸模様を付与する方法などをとることができる。
本発明の金属板被覆用積層ポリエステルフィルムは、未延伸であることが必要である。フィルムの幅方向や流れ方向の一方向に延伸処理したり、逐次または同時に両方向に延伸処理したりすると、エンボス加工によってフィルム表面に付与する凹凸を、フィルム幅方向や流れ方向で均一に保つことが難しく、意匠性が劣る場合がある。
未延伸フィルムを得る好ましい手段としては、例えば、バレル温度255℃の押出機で加熱溶融したポリマーをTダイから押し出し、一方が20〜100℃のエンボスロール、他方が20〜50℃のゴムロールからなる一対の加圧ロールを用い、溶融押し出しされた直後の樹脂を前述の一対の加圧ロールに通して加圧、冷却し、ロール速度10〜75m/分で製膜する方法などをとることができる
本発明の金属板被覆用積層ポリエステルフィルムは、A層のポリエステル樹脂が、少なくとも、ブチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエステルがポリエステル全体の30〜80重量%であることが必要であり、40〜75重量%であることがより好ましく、45〜70重量%であることがさらに好ましい。上記上限値を超えた場合、金属板と接しない表面においては、エンボス加工した際に凹凸が強く付きすぎてしまい、ポリ塩ビ樹脂やポリオレフィン樹脂を用いた際の意匠性を再現することが難しくなる。また、上記下限値未満の場合、金属板と接しない表面にエンボス加工した際に十分に凹凸をつけることが難しい。
ここでブチレンテレフタレートとは、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、グリコール成分として1,4−ブタンジオールを用いて得られる縮合物であり、特にポリブチレンテレフタレート(以下「PBT」と称する)であることが好ましい。また、本発明の目的、効果を阻害しない限りにおいて、他のジカルボン酸成分およびグリコール成分を共重合しても良いが、共重合率は25モル%未満であることが好ましい。
本発明の金属板被覆用積層ポリエステルフィルムは、少なくとも、A層には、エチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエステルを20〜70重量%含むことが必要で、25〜60重量%含むことがより好ましい。上記上限値を超えた場合、金属板と接しない表面にエンボス加工した際の凹凸が浅くなったり、消えてしまったりする。また、上記下限値未満では、金属板と接しない表面にエンボス加工した際に凹凸が強く付きすぎてしまう。さらには、本発明のフィルムを被覆した金属板をユニットバスなどに使用する際、金属板同士の継ぎ目に用いるシール剤と金属板に被覆されたフィルムとの接着が悪化する場合もある。
ここでエチレンテレフタレートとは、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、グリコール成分としてエチレングリコールを用いて得られる縮合物であり、特にポリエチレンテレフタレート(以下「PET」と称する)であることが好ましい。また、本発明の目的、効果を阻害しない限りにおいて、他のジカルボン酸成分およびグリコール成分を共重合しても良いが、共重合率は20モル%未満であることが好ましい。共重合成分としては、上記したジカルボン酸成分およびグリコール成分などが挙げられ、ジカルボン酸成分の一部がイソフタル酸で置換されたポリエチレンイソフタレート共重合ポリエチレンテレフタレート(以下「PET/I」と称する)であることが好ましい。
また、A層には、本発明の目的、効果を阻害しない限りにおいて、ブチレンテレフタレートやエチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエステル以外の成分を含んでも良い。
本発明の金属板被覆用積層ポリエステルフィルムは、B層には、エチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエステルを20重量%以上含むことが必要で、25重量%以上含むことがより好ましい。上記下限値未満では、金属板とフィルムの接着が不十分となる。B層の厚みは、金属板との接着性、共押し出しの安定性などから、該フィルム厚みの1/3〜1/20が好ましい。
本発明の金属板被覆用積層ポリエステルフィルムは、B層の、エチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエステルが、ポリエチレンテレフタレートのジカルボン酸成分もしくはグリコール成分の一部を他成分で置換した共重合ポリエチレンテレフタレートであることが好ましく、PET/Iであることがより好ましい。また、B層に含まれるポリエチレンテレフタレートのジカルボン酸成分もしくはグリコール成分の一部を他成分で置換した共重合ポリエチレンテレフタレートは、B層のポリエステルの30重量%以上が好ましく、35重量%以上がより好ましい。B層にポリエチレンテレフタレートのジカルボン酸成分もしくはグリコール成分の一部を他成分で置換した共重合ポリエチレンテレフタレートを添加することによって、金属板とより良好な接着が得られるようになる。また、B層には、本発明の目的、効果を阻害しない限りにおいて、エチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエステル以外の成分を含んでも良い。
本発明の金属板被覆用積層ポリエステルフィルムは、着色顔料を含むフィルムであって、B層に含まれる着色顔料の濃度が5重量%以下であることが好ましく、4.5重量%以下であることがより好ましい。着色顔料が5重量%を越えて含まれると、該フィルムを金属板と貼り合わせる際に、金属板との接着性が悪くなることがある。このような現象が起きる理由は明らかではないが、金属板と接する表面において、金属板とポリマーの接触面積の減少が原因として推定でき、B層の着色顔料の量が影響しているものと思われる。ここで着色顔料とは、色彩を与える微細な色粉のことであり、無機系、有機系のものがあるが、種類や量は特に限定されず、該フィルムに必要な色彩、着色度に応じて適宜選択、設定することができる。例えば、白色顔料としては酸化チタン、黒色顔料としてはカーボンブラックなどを使用することができる。
本発明の金属板被覆用積層ポリエステルフィルムは、A層とB層の間に中間層(以下「C層」と称する)を有する着色フィルムであって、A層のポリエステル樹脂が着色顔料を含まなくても良い。この場合、A層の厚みは、該フィルムに必要な着色度、外観に応じて適宜設定することができるが、該フィルム厚みの1/10〜1/25の厚みが好ましい。
本発明の金属板被覆用積層ポリエステルフィルムは、フィルム全体の光学濃度が0.5以上であることが好ましく、0.65以上であることがより好ましい。上記下限値未満では、本発明の積層ポリエステルフィルムを被覆する金属板の色の影響を受け、化粧金属板としての概観を損ねる場合がある。なお、光学濃度はJIS K−7605に準拠し、マクベス社製透過濃度計TD−904型を用いて評価した。
本発明の金属板被覆用積層ポリエステルフィルムの製造方法は特には限定されないが、各層を構成するポリエステルを別々の押出機に供給して、口金上部に設置したフィードブロック内にて積層して一挙に積層フィルムを得る共押出法や、各層を構成するフィルムを予め製膜しラミネートする方法、また、共押出法によって得られた積層フィルムと予め製膜したフィルムをラミネートする方法などを挙げることができる。生産性の面からは、一挙に積層フィルムを得る共押出法が好ましい。
本発明の積層ポリエステルフィルムを被覆する金属板は特に限定されるものではなく、用途に応じて適宜選択することができる。例えば、鋼板、アルミニウム合金板、亜鉛めっき鋼板、亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板や亜鉛−コバルト−モリブデンめっき鋼板などを使用することができる。
本発明の積層ポリエステルフィルムを金属板に被覆する手段は特に限定されるものではない。例えば、あらかじめ接着剤を塗布した金属板を所定の温度に加熱し、金属板と本発明の積層ポリエステルフィルムを一対の加圧ロールに通して挟みつけて積層する方法などがある。
本発明の積層ポリエステルフィルムと金属板を貼り合わせる際に用いる接着剤は、特に限定されるものではないが、酢酸ビニル樹脂系、エチレン−ビニルアセテート樹脂系、尿素樹脂系、ウレタン樹脂系などの接着剤を用いることができる。
本発明の金属板被覆用積層ポリエステルフィルムの厚みは、25〜250μmが好ましく、より好ましくは50〜200μmである。25μm未満では、フィルムの色調、金属板との被覆工程などでフィルムにかかる熱への耐性などが不十分になる場合があり、また、製膜中に破れが生じやすく、生産性が悪くなる可能性がある。フィルムの厚みが250μmを越える場合には、樹脂被覆金属板の成型加工性、採算性など悪化する場合がある。
本発明の金属板被覆用積層ポリエステルフィルムは、本発明の目的および効果を阻害しない範囲で層数は限定されない。C層としては、ガスバリア性、断熱性、耐候性などを持つ層、製膜工程で発生した回収原料を用いた層が挙げられる。該層を構成するポリエステル樹脂は特に限定されないが、耐熱性、採算性などから、ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」と称する)を用いることが好ましい。
本発明の金属板被覆用積層ポリエステルフィルムの製造方法は、各層を構成するポリエステルを別々の押出機に供給して、Tダイ上部に設置したフィードブロック内にて積層して一挙に積層フィルムを得る共押出法が好ましい。他の手段として、各層を構成するフィルムを予め製膜しラミネートする方法、また、共押出法によって得られた積層フィルムと予め製膜したフィルムをラミネートする方法などを挙げることができるが、予め製膜したポリエステルフィルムの表面に所望の凹凸を付与することは難しく、生産性の面からも共押出法が好ましい。
本発明の積層ポリエステルフィルムを被覆する金属板は特に限定されるものではなく、用途に応じて適宜選択することができる。例えば、鋼板、アルミニウム合金板、亜鉛めっき鋼板、亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板や亜鉛−コバルト−モリブデンめっき鋼板などを使用することができる。
本発明の積層ポリエステルフィルムを金属板に被覆する手段は特に限定されるものではない。例えば、あらかじめ接着剤を塗布した金属板を所定の温度に加熱し、金属板と本発明の積層ポリエステルフィルムを一対の加圧ロールに通して挟みつけて積層する方法などがある。
本発明の積層ポリエステルフィルムと金属板を貼り合わせる際に用いる接着剤は、特に限定されるものではないが、ポリエステル系、酢酸ビニル樹脂系、エチレン−ビニルアセテート樹脂系、尿素樹脂系、ウレタン樹脂系などの接着剤を用いることができる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。なお、特性は以下の方法により測定、評価した。
(1) エンボス性
本発明のポリエステルフィルムは、所定の平均表面粗さ(実施例、比較例に詳細を記載)のエンボス目を刻設したエンボスロールとゴムロールからなる一対の加圧ロールを用い、溶融押し出しされた直後の樹脂を前述の一対の加圧ロールに通して加圧し、エンボス加工を施した。エンボス性の評
価は肉眼で観察し、下記3段階で評価した。
○:本発明のポリエステルフィルムと同様に製膜、エンボス加工したポリ塩化ビニル樹脂からなるフィルム表面と同等以上の外観を有する。
△:本発明のポリエステルフィルムと同様に製膜、エンボス加工したポリ塩化ビニル樹脂からなるフィルム表面にはやや劣るが実用上は問題ない外観を有する。
×:本発明のポリエステルフィルムと同様に製膜、エンボス加工したポリ塩化ビニル樹脂からなるフィルム表面に劣り、実用上に耐えない外観を有する。
(2)耐熱性
(1)と同様にして得た本発明のポリエステルフィルムを、以下に示すエンボスの耐熱温度、接着温度を指標に下記2段階で評価した。
○:エンボスの耐熱温度>接着温度
×:エンボスの耐熱温度≦接着温度
(2−1)エンボスの耐熱温度
(1)と同様にして得た本発明のポリエステルフィルムを、200℃から260℃まで5℃刻みで設定した温度で加熱した厚さ500μmの亜鉛メッキ鋼板の片面に圧着ロールを用いて熱圧着し、直後に水冷してポリエステルフィルム被覆金属板を得た。なお使用する金属板にはあらかじめポリエステル系接着剤を5g/m2塗布しておいた。この金属板表面のエンボス性を肉眼で観察し、金属板と貼り合わせる前に比べエンボス性が悪化した温度を耐熱性の指標とした。
(2−2)金属板との接着性
(1)と同様にして得たポリエステルフィルム被覆金属板を、JIS K 6744の密着性試験に準拠し評価した。主な測定条件は以下の通り。
ポンチ押し込み量:6mm
ポンチ押し込み速度:50mm/分
測定温度:25℃
また、接着性は下記の基準で○から×に転じる温度を指標とした。
○:3枚の試験片全てにおいてポリエステルフィルムと金属板との剥離が見られない。
×:3枚の試験片うち1枚でもポリエステルフィルムと金属板との剥離が見られる。
(3)加工性
(2−2)と同様にして得たポリエステルフィルム被覆金属板をJIS K 6744の折り曲げ性試験に準拠し評価した。主な測定条件は以下の通り。
曲げ角度:密着
測定温度:25℃
また、折り曲げ性は、折り曲げ部の亀裂の発生程度を目視観察し、下記の基準で判定した。なお観察は、ピーク製ワイドスタンドマイクロスコープ 2054−100 CILを用い、倍率100倍で行い、幅0.01mm以上の亀裂を判定対象とした。
○:亀裂の発生はみられない。
△:実用上は問題にならない程度のわずかな亀裂がみられる。
×:実用上問題となる亀裂がみられる。
(実施例1〜17)
表1に示した層構成となるように、各層を構成するポリマー(PBT:融点220℃、IV1.2、PET/I:イソフタル酸12モル%共重合、融点235℃、IV0.6、PET:融点260℃、IV0.6)をバレル温度255℃の押出機にて加熱溶融し、金属板と接しない表面を構成する層がエンボスロールと当接するようにTダイから共押し出しした。押し出した溶融ポリマーは、45℃に温度調節された、平均表面粗さが20μmのエンボス目を刻設したエンボスロールと、25℃に温度調節されたシリコン製のゴムロールからなる一対の加圧ロールを用い、1MPaの圧力をかけてエンボス加工を施しつつ、冷却、固化し、シート化した。表3に示すように、本発明の金属板被覆用ポリエステルフィルムは、エンボス性、エンボスの耐熱性、密着性、成形性に優れた特性を示した。
(比較例1〜9)
表2に示した層構成となるように、各層を構成するポリマー(PBT:融点220℃、IV1.2、PET/I:イソフタル酸12モル%共重合、融点235℃、IV0.6、PET:融点260℃、IV0.6)をバレル温度255℃の押出機にて溶融し、金属板と接しない表面を構成する層がエンボスロールと当接するようにTダイから共押し出しした。押し出した溶融ポリマーは、45℃に温度調節された平均表面粗さが20μmのエンボス目を刻設したエンボスロールと、25℃に温度調節されたシリコン製ゴムロールからなる一対の加圧ロールを用い、1MPaの圧力をかけてエンボス加工を施しつつ冷却、固化し、シート化した。
表3に示すように、比較例2〜6のフィルムは、エンボス性、エンボスの耐熱性、密着性、成形性に劣ることが分かった。
(比較例10)
表2に示したように、金属板と接する表面を構成する層を構成するポリマーをバレル温度255℃の押出機にて溶融し、金属板と接しない表面を構成する層がエンボスロールと当接するようにTダイから共押し出しした。押し出した溶融ポリマーは、45℃に温度調節された平均表面粗さが80μmのエンボス目を刻設したエンボスロールと、25℃に温度調節されたシリコン製のゴムロールからなる一対の加圧ロールを用い、1MPaの圧力をかけてエンボス加工を施しつつ冷却、固化し、シート化した。得られたフィルムはストレッチャーを用い、以下の条件で延伸処理した。
(1)延伸倍率:2×2倍の同時2軸延伸
(2)延伸温度:90℃
(3)延伸速度:5000%/分
表3に示すように、エンボスの耐熱性、密着性は優れた特性を示したものの、エンボス性、成形性に劣ることが分かった。
Figure 2005212241
Figure 2005212241
Figure 2005212241
本発明は、金属板被覆用積層ポリエステルフィルムに限らず、木質板、無機質ボードなどへの被覆用に応用可能であるが、その応用範囲がこれらに限られたものではない。
本発明の金属板被覆ポリエステルフィルムの一例を示す概略断面図である。 本発明の金属板被覆ポリエステルフィルムの一例を示す概略断面図である。
符号の説明
1 金属板
2 金属板と接する表面を構成する層(B層)
3 中間層(C層)
4 金属板と接しない表面を構成する層(A層)
5 エンボス

Claims (5)

  1. 次の(1)〜(3)を満たす、未延伸の金属板被覆用積層ポリエステルフィルム。
    (1)金属板と接しない表面にエンボス加工が施されている。
    (2)金属板と接しない表面を構成する層(以下「A層」と称する)のポリエステル樹脂が、少なくともブチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエステルを30〜80重量%含み、かつ、エチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエステルを20〜70重量%含む。
    (3)金属板と接する表面を構成する層(以下「B層」と称する)のポリエステル樹脂が、エチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエステルを20重量%以上含む。
  2. B層の、エチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエステルが、ポリエチレンテレフタレートのジカルボン酸成分もしくはグリコール成分の一部を他成分で置換した共重合ポリエチレンテレフタレートであり、かつ、B層のポリエステルの30重量%以上である請求項1に記載の金属板被覆用積層ポリエステルフィルム。
  3. 着色顔料を含むフィルムであって、B層の着色顔料の濃度が5重量%以下である請求項1または2に記載の金属板被覆用積層ポリエステルフィルム。
  4. A層とB層の間に中間層(以下「C層」と称する)を有する着色フィルムであって、A層のポリエステル樹脂が着色顔料を含まない請求項3に記載の金属板被覆用積層ポリエステルフィルム。
  5. フィルム全体の光学濃度が0.5以上である、請求項2〜4のいずれかに記載の金属板被覆用積層ポリエステルフィルム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010042575A (ja) * 2008-08-12 2010-02-25 Okura Ind Co Ltd 化粧金属板、及びその製造方法

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