JP4791864B2 - 積層化粧シート - Google Patents
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これらの基材に貼り合わせる化粧シートとしては、Vカット加工性、ラッピング加工性などを付与するために、これまで一般に塩化ビニル樹脂シートが用いられていた。しかし、塩化ビニル樹脂シートは、Vカット加工性やラッピング加工性が良好であるものの、製品が最終的に廃棄物となった場合、塩化ビニル樹脂からの有害物の発生が懸念されることから、塩化ビニル樹脂を使用しない化粧シートの開発が試みられている。
例えば、塩化ビニル樹脂の代わりに、通常の結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂が一部で使用されているが、結晶性のために熱加工時に結晶化が進んで白濁する傾向があり、また折り曲げによる白化の問題もあった。そこで、加工性の優れた共重合成分による非晶質ポリエチレンテレフタレート系樹脂シートの利用が試みられたが、この樹脂は耐溶剤性が悪く、塗装時や、製品として使用中の溶剤や、家庭用洗剤で侵されて白化する欠点があった。
このような欠点に対処するために、例えば、非晶質ポリエステル樹脂を主成分とする基材フィルム層と透明な非晶質ポリエステル樹脂を主成分とする保護フィルム層を積層した化粧シートにおいて、保護フィルム層が、特定の組成からなる非晶質ポリエステル樹脂40〜95質量%、及び、結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂及び/又はポリブチレンテレフタレート系樹脂5〜60質量%からなるポリエステル樹脂製積層化粧シートが提案されている(特許文献1)。
しかしながら、この積層化粧シートは、耐溶剤性がある程度改善されており、また成形性も良好であるものの、合板用化粧シートに用いた場合に、耐溶剤性に問題が生じ、保護フィルム層が、トルエンやラッカーシンナーなどの溶剤に侵されやすい。さらに、保護フィルム層がポリブチレンテレフタレート系樹脂を主成分とする積層化粧シートでは、シボ転写性が悪い上に、保護フィルムと基材フィルムとの層間密着性に劣るなどの問題があった。
すなわち、本発明は、
(1)ポリエステル系樹脂の基材フィルムに、ポリエステル系樹脂の透明多層保護フィルム層を積層してなる化粧シートにおいて、透明多層保護フィルム層が、厚さ40〜100μmで、上層の樹脂成分として(A)ポリブチレンテレフタレート系樹脂60〜85質量%及び(B)非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂15〜40質量%を含み、下層の樹脂成分として、(C)ポリブチレンテレフタレート系樹脂0〜40質量%及び(D)非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂60〜100質量%を含み、該上層と該下層が多層押出機を用いて押し出されて積層され、かつ上層と下層の厚さの比が、上層:下層=0.5:9.5〜5:5であることを特徴とする積層化粧シート、
(2)ポリエステル系樹脂の基材フィルムが顔料を含有し、隠蔽率が0.95以上で、厚さ50〜200μmであり、かつ樹脂成分として、(X)ポリブチレンテレフタレート系樹脂0〜40質量%及び(Y)非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂60〜100質量%を含む隠蔽フィルムである(1)に記載の積層化粧シート、
(3)(A)成分、(C)成分及び(X)成分のポリブチレンテレフタレート系樹脂が、(PBT−1)ポリブチレンテレフタレート樹脂、(PBT−2)ポリテトラメチレングリコールを共重合成分として10〜30質量%含むポリテトラメチレングリコール共重合ポリブチレンテレフタレート系樹脂、及び、(PBT−3)ジカルボン酸成分がテレフタル酸70〜95モル%とイソフタル酸5〜30モル%であり、グリコール成分が1,4−ブタンジオールであるイソフタル酸共重合ポリブチレンテレフタレート系樹脂の中から選ばれる少なくとも1種である(1)又は(2)に記載の積層化粧シート、
(4)(B)成分、(D)成分及び(Y)成分の非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂が、(PET−1)ジカルボン酸成分がテレフタル酸であり、グリコール成分がエチレングリコール60〜90モル%とシクロヘキサンジメタノール10〜40モル%であるシクロヘキサンジメタノール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂、(PET−2)ジカルボン酸成分がテレフタル酸であり、グリコール成分がエチレングリコール60〜90モル%とネオペンチルグリコール10〜40モル%であるネオペンチルグリコール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂、及び、(PET−3)ジカルボン酸成分がテレフタル酸60〜98モル%とイソフタル酸2〜40モル%であり、グリコール成分がエチレングリコールであるイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート系樹脂の中から選ばれた少なくとも1種である(1)ないし(3)のいずれか1項に記載の積層化粧シート、
(5)透明多層保護フィルム層の上層の上面が、エンボス加工されてなる(1)ないし(4)のいずれか1項に記載の積層化粧シート、
(6)透明多層保護フィルム層の下層の裏面にバックプリント印刷層、又は、基材フィルムの積層面に印刷層を有し、透明多層保護フィルム層と基材フィルムが熱ラミネーション又はドライラミネーションにより積層されてなる(1)ないし(5)のいずれか1項に記載の積層化粧シート、及び、
(7)透明多層保護フィルム層の上層の上面に、二液硬化型トップコート層又は紫外線硬化型トップコート層を有する(1)ないし(6)のいずれか1項に記載の積層化粧シート、
を提供するものである。
本発明の積層化粧シートにおいて、透明多層保護フィルム層の厚さは、50〜90μmであることがより好ましい。上層の樹脂成分は、(A)ポリブチレンテレフタレート系樹脂65〜80質量%及び(B)非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂20〜35質量%を含むことがより好ましく、下層の樹脂成分は、(C)ポリブチレンテレフタレート系樹脂10〜30質量%及び(D)非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂70〜90質量%を含むことがより好ましい。上層と下層の厚さの比は、上層:下層=1:9〜4.5:5.5であることがより好ましい。
(PBT−1)成分のポリブチレンテレフタレート樹脂を用いることにより、積層化粧シートの耐熱性を向上することができる。(PBT−2)成分のポリテトラメチレングリコール共重合ポリブチレンテレフタレート系樹脂を用いることにより、積層化粧シートの耐熱性を向上することができる。(PBT−3)成分のイソフタル酸共重合ポリブチレンテレフタレート系樹脂を用いることにより、樹脂の溶融温度が低下し、製膜加工性をより安定させることができる。なお、これらのポリブチレンテレフタレート系樹脂は耐溶剤性に優れているが、シボ転写性及び層間密着性については若干劣る。
これらのポリブチレンテレフタレート系樹脂の中で、上層及び下層においては、(PBT−1)成分のポリブチレンテレフタレート樹脂及び(PBT−3)成分のイソフタル酸共重合ポリブチレンテレフタレート系樹脂を特に好適に用いることができる。
(PET−1)成分のシクロヘキサンジメタノール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂を用いることにより、製膜加工性を向上させることができる。(PET−2)成分のネオペンチルグリコール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂は、製膜加工性を向上させることができるうえ、加熱処理を行っても結晶化による物性の変化を生ずることのない結晶性を有しない樹脂である。ポリエチレンテレフタレート系樹脂が結晶性を有しないことは、加熱しても外観的に白濁ないし白化を生じないことによって確認することができる。(PET−3)成分のイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート系樹脂を用いることにより、樹脂の溶融温度が低下し、製膜加工性をより安定させることができる。
これらの非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂の中で、上層及び下層においては、(PET−1)成分であるシクロヘキサンジメタノール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂、及び、(PET−2)成分であるネオペンチルグリコール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂を特に好適に用いることができる。
一方、下層においては、樹脂成分として、(C)成分のポリブチレンテレフタレート系樹脂0〜40質量%及び(D)成分の非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂60〜100質量%の割合で用いる。(C)成分と(D)成分の比率がこの範囲にあれば、得られる積層化粧シートの層間密着性が良好である。
本発明に用いる透明多層保護フィルム層の厚さは、40〜100μmであり、かつ上層と下層の厚さの比は、上層:下層=0.5:9.5〜5:5である。(上層と下層との割合の比をトータル10とした。)透明多層保護フィルム層の厚さが40〜100μmであり、上層と下層の厚さの比が上層:下層=0.5:9.5〜5:5であると、得られる積層化粧シートの製膜加工性、耐溶剤性、シボ転写性、透明多層保護フィルムの下層と基材フィルムとの層間密着性が良好である。
本発明において、上層の厚さは、薄いほどシボ転写性が良好となるが、薄すぎると製膜加工性が低下するおそれがある。したがって、良好なシボ転写性と製膜加工性を両立させるためには、上層の厚さは3〜40μmであることが好ましく、5〜20μmであることがより好ましい。
本発明においては、透明多層保護フィルムは、上層を形成する樹脂材料と下層を形成する樹脂材料を、多層押出機を用いて共押出することにより作製する。
本発明に用いる基材フィルムにおいて、樹脂成分として用いられる(X)成分であるポリブチレンテレフタレート系樹脂は、前述の透明多層保護フィルム層における上層の(A)成分及び下層の(C)成分の説明で示したとおりであり、また、(Y)成分の非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂は、前述の透明多層保護フィルム層における上層の(B)成分及び下層の(D)成分の説明で示したとおりである。
本発明においては、(X)成分が(PBT−1)ポリブチレンテレフタレート樹脂であることが好ましく、(Y)成分が(PET−1)シクロヘキサンジメタノール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂又は(PET−2)ネオペンチルグリコール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂であることが好ましい。
本発明において、(X)成分のポリブチレンテレフタレート系樹脂と(Y)成分の非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂の含有割合が、それぞれ0〜40質量%及び60〜100質量%の範囲にあれば、層間密着性が良好である。(X)成分と(Y)成分の含有割合は、それぞれ10〜30質量%及び70〜90質量%であることがより好ましい。
本発明に用いる基材フィルムにおける(X)成分であるポリブチレンテレフタレート系樹脂は、透明多層保護フィルム層の上層の(A)成分及び/又は下層の(C)成分と同じ樹脂であってもよく、異なる樹脂であってもよい。また、(Y)成分である非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂は、透明多層保護フィルム層の上層の(B)成分及び/又は下層の(D)成分と同じ樹脂であってもよく、異なる樹脂であってもよい。
本発明において、顔料を含有する基材フィルムの隠蔽率が0.95以上であることが好ましく、0.97以上であることがより好ましく、0.99以上であることがさらに好ましい。隠蔽率が0.95以上であると、得られる積層化粧シートを木質系材料の板状体や金属板などの基材に貼合し、化粧材を作製した場合、その外観が基材の色調に影響されにくく、良好となる。基材フィルムの隠蔽率は、JIS K 5400(1990)7.2に準じて求めることができる。視感反射率80±1の白地と、視感反射率2以下の黒地に塗り分けたアート紙を隠蔽率試験紙とし、隠蔽率試験紙に基材フィルムを重ねて視感反射率を測定し、黒地の上の基材フィルムの視感反射率をB、白地の上の基材フィルムの視感反射率をWとすると、隠蔽率HPは次式により求めることができる。
HP=B/W
本発明に用いる基材フィルムには、必要に応じて、各種の添加剤を含有させることができる。含有させる添加剤としては、例えば、難燃剤、離型剤、耐候性安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、熱安定剤、滑剤、界面活性剤、補強剤、充填剤などを挙げることができる。滑剤を含有させることにより、加工性を向上することができる。滑剤としては、前述の透明多層保護フィルムの説明において例示した滑剤を使用することができる。
本発明において、基材フィルムの厚さは50〜200μmであることが好ましく、60〜150μmであることがより好ましい。基材フィルムの厚さが50〜200μmであると、製膜性が良好であり、得られる積層化粧シートの機械的強度も良好である。
本発明の積層化粧シートの積層方法に特に制限はなく、例えば、熱ラミネーション、ドライラミネーション、押出ラミネーションなどにより、透明多層保護フィルムと基材フィルムを積層する方法などを挙げることができる。
本発明においては、必要に応じて、透明多層保護フィルムの裏面にバックプリント印刷層を設けることができ、あるいは、基材フィルムの積層面に印刷層を設けることもできる。
本発明の積層化粧シートは、透明多層保護フィルム層の上面に、二液硬化型トップコート層又は紫外線硬化型トップコート層を設けることができる。トップコート層を設けることにより、積層化粧シートの耐擦傷性を向上し、表面に傷のつきにくい優れた積層化粧シートを得ることができる。二液硬化型トップコート層は、例えば、ポリオール成分とポリイソシアネート成分からなる二液型ポリウレタンコーティング剤を塗布して硬化させることにより、形成することができる。紫外線硬化型トップコート層は、コート層の紫外線硬化波長とは異なる波長帯の特性吸収波長を有し、材料劣化を引き起こす特定の紫外線を吸収する紫外線吸収剤と光安定剤を含むコーティング剤を透明多層保護フィルムの上面に塗布して、紫外線硬化することにより形成することができる。
本発明の積層化粧シートにおいては、必要に応じて、透明多層保護フィルムの上層と下層との間に、中間層を介在させることができる。中間層は、上層や下層との接着性やリサイクル性などの面から、ポリエステル系樹脂フィルム層であることが好ましい。
本発明の積層化粧シートは、例えば、木材、合板、集成材、パーチクルボード、ハードボードなどの木質系材料の板状体、さらには、金属板などに貼合して、床材や壁面材などの建築部材に用いる化粧材、あるいは、家具や台所製品、家電製品のキャビネットなどの表面化粧板などとして用いることができる。
なお、実施例及び比較例において、積層化粧シートの性能は、以下に示す方法に従って評価した。
(1)製膜加工性
多層押出機[(株)池貝製、40mm押出機(主層用)にTダイ方式のフィードブロックを装着し、サイドに30mm押出機(副層用)2台を取り付けた多層押出機]のダイスから出た溶融樹脂は、ゴムロールと金属ロールに挟まれ冷却されるが、その際に、ゴムロールの引っ張りとダイスから出た樹脂の溶融張力等の関係で長さ方向に厚さムラ(サージング)が生ずることがある。長さ500mmについて厚さムラを測定し、下記の基準により判定する。なお、多層押出は、上層用押出機(30mm押出機)のバレル温度C1〜C4=210℃〜240℃、下層用押出機(40mm押出機)のバレル温度C1〜C4=210℃〜240℃、フィードブロック温度:240℃、Tダイ温度:240℃、ラインスピード5m/分で行う。
○:厚さムラが、4μm未満(良好)
△:厚さムラが、4μm以上6μm未満(やや不良)
×:厚さムラが、6μm以上(不良)
(2)シボ転写性
加熱ドラム温度が140℃のダブリング装置と冷却ドラムの中間に、温度130℃の金属製彫刻ロールと半硬質ゴムで被覆した圧ロールからなるエンボス機を設置し、算術平均粗さRaが10μmの梨地柄の砂目模様のエンボス加工を行い、そのエンボス加工によって得られた積層化粧シートのシボ転写性を調べる。具体的には、シートの算術平均粗さRaを、超小型表面粗さ測定器[東洋精密(株)、ハンディーサーフE−30A]を用いて測定し、下記の基準に基づいて判定する。
○:Raが、6μm以上(良好)
△:Raが、4μm以上6μm未満(やや不良)
×:Raが、4μm未満(不良)
(3)層間密着性
上記のエンボス加工によって得られた積層化粧シートの層間密着性について、下記の基準により判定する。
○:エンボス後の層間密着性が良好である。
△:エンボス後の層間密着性が十分ではない。
×:エンボス後の層間密着性が悪い。
(4)耐溶剤性(ラビング試験)
積層化粧シートの表面にラッカーシンナーを含ませた布で5往復ラビングし、その後の表面性について目視により下記の基準により判定する。
○:侵されない。
△:若干侵される。
×:侵される。
(5)耐スクラッチ性(ツメ)
積層化粧シートを60mm×120mmに裁断してガラス板の上に載置し、左手で押さえながら、右手人差指のツメでサンプルを擦り、傷付き性を下記の基準により判定する。
◎:傷が全く認められない。(非常に良好)
○:傷がほとんど認められない。(良好)
△:傷がわずかに認められる。(やや不良)
×:傷が明瞭に認められる。(不良)
(6)ブロッキング性
積層化粧シートを120mm×120mmに裁断し、透明保護層を上にして、10枚重ね合わせたものを試験片とする。この試験片を60℃、95%RHの環境下に1kgの荷重をかけて、24時間放置した後、重ね合わせた面と面の間を剥して剥離状態を観察し、下記の基準により判定する。
○:ブロッキングが全く認められない。(良好)
×:ブロッキングが認められる。(不良)
(7)熱収縮率
JIS K 7133に準じて試験を行なう。積層化粧シートを120mm×120mmに裁断し、標線間距離100mm長の十字描画を入れて試験片とする。縦方向の標線間距離を0.5mmの単位まで計測できる目盛定規で測定する。この試験片を60℃、95%RHの環境下に24時間放置した後、取り出して常温に1時間放置後、縦方向の標線間距離を測定する。縦方向の標線間距離の変化を算出し、最初の標線間距離に対する百分率で表し、下記の基準により判定する。
○:縦方向の標線間距離の変化率が、−1%以上、0%以下(良好)
×:縦方向の標線間距離の変化率が、−1%未満(不良)
(8)基材フィルムの隠蔽率
明細書本文記載の方法に従って測定する。
また、積層化粧シートに用いた樹脂材料を以下に示す。
(1)PBT
ポリブチレンテレフタレート樹脂:東レ(株)、トレコン(登録商標)1200S。
(2)PETG
シクロヘキサンジメタノール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂:イーストマン・ケミカル社、PETG6763。
(3)PETN
ネオペンチルグリコール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂:東洋紡績(株)、SR173CA。
(4)PBTI
イソフタル酸共重合ポリブチレンテレフタレート系樹脂:ポリプラスチックス(株)、ジュラネックス(登録商標)500LP。
(5)PETI
イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート系樹脂:東洋紡績(株)、GM500。
上層として(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂[東レ(株)、トレコン1200S]70質量%と(B)シクロヘキサンジメタノール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂[イーストマン・ケミカル社、PETG6763]30質量%との混合樹脂を、下層として(D)シクロヘキサンジメタノール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂[イーストマン・ケミカル社、PETG6763]を、それぞれの厚さが10μm及び50μmとなるように、多層押出機[(株)池貝製、40mm押出機(主層用)にTダイ方式のフィードブロックを装着し、サイドに30mm押出機(副層用)2台を取り付けた多層押出機]を用いて透明多層保護フィルムを製膜した。上層と下層の厚さの比は、1.7:8.3である。透明多層保護フィルムの製膜加工性は、良好であった。
(Y)シクロヘキサンジメタノール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂[イーストマン・ケミカル社、PETG6763]100質量部と白色着色剤[住化カラー(株)、EPM7A1441]30質量部を混合し、押出機を用いて厚さ60μmの着色基材フィルムを製膜した。得られた基材フィルムの隠蔽率は、0.997であった。
上記の透明多層保護フィルムと着色基材フィルムを、ダブリングエンボス装置[(株)川上鉄工所]の温度140℃の加熱ドラムで密着させて積層し、温度130℃のエンボスロールによりエンボス加工を行った。
積層化粧シートのシボ転写性は、算術平均粗さRaが7.3μmで良好であり、熱ラミネートにおける層間密着性も良好であった。また、耐溶剤性試験において表面が侵されることはなかった。耐スクラッチ性とブロッキング性は、いずれも良好であった。熱収縮率は、−0.5%であった。
実施例2
上層として(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂[東レ(株)、トレコン1200S]80質量%と(B)ネオペンチルグリコール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂[東洋紡績(株)、SR173CA]20質量%との混合樹脂を、下層として(C)ポリブチレンテレフタレート樹脂[東レ(株)、トレコン1200S]20質量%と(D)ネオペンチルグリコール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂[東洋紡績(株)、SR173CA]80質量%との混合樹脂を、それぞれの厚さが20μm及び60μmとなるように、多層押出機を用いて透明多層保護フィルムを製膜した。上層と下層の厚さの比は、2.5:7.5である。透明多層保護フィルムの製膜加工性は、良好であった。
(X)ポリブチレンテレフタレート樹脂[東レ(株)、トレコン1200S]30質量%と(Y)シクロヘキサンジメタノール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂[イーストマン・ケミカル社、PETG6763]70質量%との混合樹脂100質量部と着色剤[住化カラー(株)、EPM7A1441]30質量部を混合し、押出機を用いて厚さ90μmの着色基材フィルムを製膜した。得られた基材フィルムの隠蔽率は、0.999であった。
上記の透明多層保護フィルムと着色基材フィルムを、実施例1と同様にして、ダブリングエンボス装置を用いて積層し、エンボスロールによりエンボス加工を行った。
積層化粧シートのシボ転写性は、算術平均粗さRaが6.8μmで良好であり、熱ラミネートにおける層間密着性も良好であった。また、耐溶剤性試験において表面が侵されることはなかった。耐スクラッチ性とブロッキング性は、いずれも良好であった。熱収縮率は、−0.7%であった。
実施例3
上層として(A)イソフタル酸共重合ポリブチレンテレフタレート系樹脂[ポリプラスチックス(株)、ジュラネックス500LP]80質量%と(B)シクロヘキサンジメタノール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂[イーストマン・ケミカル社、PETG6763]20質量%との混合樹脂を、下層として(C)イソフタル酸共重合ポリブチレンテレフタレート系樹脂[ポリプラスチックス(株)、ジュラネックス500LP]30質量%と(D)シクロヘキサンジメタノール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂[イーストマン・ケミカル社、PETG6763]70質量%との混合樹脂を、それぞれの厚さが10μm及び60μmとなるように、多層押出機を用いて透明多層保護フィルムを製膜した。上層と下層の厚さの比は、1.4:8.6である。透明多層保護フィルムの製膜加工性は、良好であった。
(X)ポリブチレンテレフタレート樹脂[東レ(株)、トレコン1200S]30質量%と(Y)ネオペンチルグリコール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂[東洋紡績(株)、SR173CA]70質量%との混合樹脂100質量部と着色剤[住化カラー(株)、EPM7A1441]30質量部を混合し、押出機を用いて厚さ70μmの着色基材フィルムを製膜した。得られた基材フィルムの隠蔽率は、0.998であった。
上記の透明多層保護フィルムと着色基材フィルムを、実施例1と同様にして、ダブリングエンボス装置を用いて積層し、エンボスロールによりエンボス加工を行い、さらに、ウレタンアクリレート系紫外線硬化型塗料[(株)ニッコー化学研究所、T−UV−1]を塗布し、硬化させることによりトップコート層を形成した。
積層化粧シートのシボ転写性は、算術平均粗さRaが6.5μmで良好であり、熱ラミネートにおける層間密着性も良好であった。また、耐溶剤性試験において表面が侵されることはなかった。耐スクラッチ性は非常に良好であり、ブロッキング性は、良好であった。熱収縮率は、−0.7%であった。
実施例4
上層として(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂[東レ(株)、トレコン1200S]65質量%と(B)イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート系樹脂[東洋紡績(株)、GM500]35質量%との混合樹脂を、下層として(C)ポリブチレンテレフタレート樹脂[東レ(株)、トレコン1200S]20質量%と(D)シクロヘキサンジメタノール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂[イーストマン・ケミカル社、PETG6763]80質量%との混合樹脂を、それぞれの厚さが30μm及び50μmとなるように、多層押出機を用いて透明多層保護フィルムを製膜した。上層と下層の厚さの比は、3.7:6.3である。透明多層保護フィルムの製膜加工性は、良好であった。
(Y)シクロヘキサンジメタノール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂[イーストマン・ケミカル社、PETG6763]100質量部と着色剤[住化カラー(株)、EPM7A1441]30質量部を混合し、押出機を用いて厚さ90μmの着色基材フィルムを製膜した。得られた基材フィルムの隠蔽率は、0.998であった。
上記の透明多層保護フィルムと着色基材フィルムを、実施例1と同様にして、ダブリングエンボス装置を用いて積層し、エンボスロールによりエンボス加工を行った。
積層化粧シートのシボ転写性は、算術平均粗さRaが7.6μmで良好であり、熱ラミネートにおける層間密着性も良好であった。また、耐溶剤性試験において表面が侵されることはなかった。耐スクラッチ性とブロッキング性は、いずれも良好であった。熱収縮率は、−0.5%であった。
実施例5
上層として(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂[東レ(株)、トレコン1200S]65質量%と(B)シクロヘキサンジメタノール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂[イーストマン・ケミカル社、PETG6763]35質量%との混合樹脂を、下層として(D)シクロヘキサンジメタノール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂[イーストマン・ケミカル社、PETG6763]を、それぞれの厚さが30μm及び40μmとなるように、多層押出機を用いて透明多層保護フィルムを製膜した。上層と下層の厚さの比は、4.3:5.7である。透明多層保護フィルムの製膜加工性は、良好であった。
(X)ポリブチレンテレフタレート樹脂[東レ(株)、トレコン1200S]20質量%と(Y)シクロヘキサンジメタノール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂[イーストマン・ケミカル社、PETG6763]80質量%との混合樹脂100質量部と着色剤[住化カラー(株)、EPM7A1441]30質量部を混合し、押出機を用いて厚さ90μmの着色基材フィルムを製膜した。得られた基材フィルムの隠蔽率は、0.999であった。さらに、着色基材フィルムに抽象模様のトップ印刷を施した。
上記の透明多層保護フィルムと抽象模様をトップ印刷した着色基材フィルムを、実施例1と同様にして、ダブリングエンボス装置を用いて積層し、エンボスロールによりエンボス加工を行った。
積層化粧シートのシボ転写性は、算術平均粗さRaが7.5μmで良好であり、熱ラミネートにおける層間密着性も良好であった。また、耐溶剤性試験において表面が侵されることはなかった。耐スクラッチ性とブロッキング性は、いずれも良好であった。熱収縮率は、−0.4%であった。
上層として(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂[東レ(株)、トレコン1200S]を、下層として(D)シクロヘキサンジメタノール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂[イーストマン・ケミカル社、PETG6763]を、それぞれの厚さが5μm及び45μmとなるように、多層押出機を用いて透明多層保護フィルムを製膜した。上層と下層の厚さの比は、1.0:9.0である。透明多層保護フィルムの製膜加工性は、不良であった。
(Y)シクロヘキサンジメタノール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂[イーストマン・ケミカル社、PETG6763]100質量部と白色着色剤[住化カラー(株)、EPM7A1441]30質量部を混合し、押出機を用いて厚さ60μmの着色基材フィルムを製膜した。得られた基材フィルムの隠蔽率は、0.997であった。
上記の透明多層保護フィルムと着色基材フィルムを、実施例1と同様にして、加熱ドラム温度140℃のダブリングエンボス装置を用いて積層し、温度130℃のエンボスロールによりエンボス加工を行った。
積層化粧シートのシボ転写性は、算術平均粗さRaが7.1μmで良好であり、熱ラミネートにおける層間密着性も良好であった。また、耐溶剤性試験において表面が侵されることはなかった。耐スクラッチ性はやや不良であり、ブロッキング性は不良であった。熱収縮率は、−1.5%であった。
比較例2
透明多層保護フィルムの上層の厚さを20μm、下層の厚さを40μmとし、基材フィルムの厚さを80μmとした以外は、比較例1と同様にして積層化粧シートを作製し、評価を行った。
製膜加工性は、不良であった。シボ転写性は、算術平均粗さRaが6.7μmで良好であり、熱ラミネートにおける層間密着性も良好であった。また、耐溶剤性試験において表面が侵されることはなかった。耐スクラッチ性はやや不良であり、ブロッキング性は不良であった。熱収縮率は、−1.4%であった。
比較例3
上層として(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂[東レ(株)、トレコン1200S]80質量%と(B)シクロヘキサンジメタノール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂[イーストマン・ケミカル社、PETG6763]20質量%との混合樹脂を、下層として(D)シクロヘキサンジメタノール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂[イーストマン・ケミカル社、PETG6763]を、それぞれの厚さが35μm及び25μmとなるように、多層押出機を用いて透明多層保護フィルムを製膜した。上層と下層の厚さの比は、5.8:4.2である。透明多層保護フィルムの製膜加工性は、不良であった。
(Y)シクロヘキサンジメタノール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂[イーストマン・ケミカル社、PETG6763]100質量部と着色剤[住化カラー(株)、EPM7A1441]30質量部を混合し、押出機を用いて厚さ60μmの着色基材フィルムを製膜した。得られた基材フィルムの隠蔽率は、0.997であった。
上記の透明多層保護フィルムと着色基材フィルムを、実施例1と同様にして、ダブリングエンボス装置を用いて積層し、エンボスロールによりエンボス加工を行った。
シボ転写性は、算術平均粗さRaが3.8μmで不良であり、熱ラミネートにおける層間密着性は良好であった。また、耐溶剤性試験において表面が侵されることはなかった。耐スクラッチ性とブロッキング性は、いずれも良好であった。熱収縮率は、−0.6%であった。
比較例4
上層として(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂[東レ(株)、トレコン1200S]50質量%と(B)シクロヘキサンジメタノール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂[イーストマン・ケミカル社、PETG6763]50質量%との混合樹脂を、下層として(D)シクロヘキサンジメタノール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂[イーストマン・ケミカル社、PETG6763]を、それぞれの厚さが30μm及び40μmとなるように、多層押出機を用いて透明多層保護フィルムを製膜した。上層と下層の厚さの比は、4.3:5.7である。透明多層保護フィルムの製膜加工性は、不良であった。
(Y)シクロヘキサンジメタノール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂[イーストマン・ケミカル社、PETG6763]100質量部と着色剤[住化カラー(株)、EPM7A1441]30質量部を混合し、押出機を用いて厚さ60μmの着色基材フィルムを製膜した。得られた基材フィルムの隠蔽率は、0.997であった。
上記の透明多層保護フィルムと着色基材フィルムを、実施例1と同様にして、ダブリングエンボス装置を用いて積層し、エンボスロールによりエンボス加工を行った。
積層化粧シートのシボ転写性は、算術平均粗さRaが6.8μmで良好であり、熱ラミネートにおける層間密着性も良好であった。耐溶剤性試験において、表面が侵された。耐スクラッチ性とブロッキング性は、いずれも良好であった。熱収縮率は、−0.5%であった。
比較例5
上層として(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂[東レ(株)、トレコン1200S]を、下層として(C)ポリブチレンテレフタレート樹脂[東レ(株)、トレコン1200S]60質量%(D)シクロヘキサンジメタノール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂[イーストマン・ケミカル社、PETG6763]40質量%の混合樹脂を、それぞれの厚さが10μm及び50μmとなるように、多層押出機を用いて透明多層保護フィルムを製膜した。上層と下層の厚さの比は、1.7:8.3である。透明多層保護フィルムの製膜加工性は、不良であった。
(X)ポリブチレンテレフタレート樹脂[東レ(株)、トレコン1200S]60質量%と(Y)シクロヘキサンジメタノール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂[イーストマン・ケミカル社、PETG6763]40質量%との混合樹脂100質量部と着色剤[住化カラー(株)、EPM7A1441]30質量部を混合し、押出機を用いて厚さ70μmの着色基材フィルムを製膜した。得られた基材フィルムの隠蔽率は、0.998であった。
上記の透明多層保護フィルムと着色基材フィルムを、実施例1と同様にして、ダブリングエンボス装置を用いて積層し、エンボスロールによりエンボス加工を行った。
積層化粧シートのシボ転写性は、算術平均粗さRaが6.2μmで良好であったが、熱ラミネートにおける層間密着性は不良であった。また、耐溶剤性試験において表面が侵されることはなかった。耐スクラッチ性はやや不良であり、ブロッキング性は不良であった。熱収縮率は、−1.3%であった。
比較例6
ポリブチレンテレフタレート樹脂[東レ(株)、トレコン1200S]55質量%と、シクロヘキサンジメタノール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂[イーストマン・ケミカル、PETG6763]45質量%との混合樹脂を、押出機を用いて厚さが60μmの透明単層保護フィルムを製膜した。透明単層保護フィルムの製膜加工性は、良好であった。
ポリブチレンテレフタレート樹脂[東レ(株)、トレコン1200S]30質量%と、シクロヘキサンジメタノール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂[イーストマン・ケミカル、PETG6763]70質量%の混合樹脂100質量部に、着色剤[住化カラー(株)、EPM7A1441]30質量部を混合し、押出機を用いて厚さ60μmの着色基材フィルムを製膜した。得られた基材フィルムの隠蔽率は、0.997であった。
上記の透明単層保護フィルムと着色基材フィルムを、実施例1と同様にして、ダブリングエンボス装置を用いて積層し、エンボスロールによりエンボス加工を行った。
積層化粧シートのシボ転写性は、算術平均粗さRaが3.5μmで不良であり、熱ラミネートにおける層間密着性はやや不良であった。耐溶剤性試験において、表面が侵された。耐スクラッチ性とブロッキング性は、いずれも良好であった。熱収縮率は、−0.5%であった。
比較例7
ポリブチレンテレフタレート樹脂[東レ(株)、トレコン1200S]30質量%と、シクロヘキサンジメタノール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂[イーストマン・ケミカル、PETG6763]70質量%との混合樹脂を、押出機を用いて厚さが60μmの透明単層保護フィルムを製膜した。透明単層保護フィルムの製膜加工性は、良好であった。
シクロヘキサンジメタノール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂[イーストマン・ケミカル、PETG6763]100質量部と着色剤[住化カラー(株)、EPM7A1441]30質量部を混合し、押出機を用いて厚さ60μmの着色基材フィルムを製膜した。得られた基材フィルムの隠蔽率は、0.997であった。
上記の透明単層保護フィルムと着色基材フィルムを、実施例1と同様にして、ダブリングエンボス装置を用いて積層し、エンボスロールによりエンボス加工を行った。
積層化粧シートのシボ転写性は、算術平均粗さRaが7.3μmで良好であり、熱ラミネートにおける層間密着性も良好であった。耐溶剤性試験において、表面が侵された。耐スクラッチ性とブロッキング性は、いずれも良好であった。熱収縮率は、−0.4%であった。
実施例1〜5の積層化粧シ−トの構成を第1表に、性能評価の結果を第2表に、比較例1〜7の積層化粧シートの構成を第3表に、性能評価の結果を第4表に示す。
これに対して、第4表に見られるように、透明多層保護フィルムの上層がポリブチレンテレフタレート樹脂のみからなる比較例1〜2及び比較例5の積層化粧フィルムは、製膜加工性が不良であり、ブロッキング性と熱収縮率も不良である。上層が(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂と(B)非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂とからなっていても、下層との層比が5.8:4.2である比較例3の積層化粧シートは、製膜加工性、シボ転写性が不良である。上層が(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂と(B)非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂とからなっていても、その質量比が50:50である比較例4の積層化粧シートは、製膜加工性、耐溶剤性が不良である。
透明単層保護フィルムを用い、その樹脂組成がポリブチレンテレフタレート樹脂55質量%と非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂45質量%である比較例6の積層化粧シートは、シボ転写性と耐溶剤が不良であり、その樹脂組成がポリブチレンテレフタレート樹脂30質量%と非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂70質量%である比較例7の積層化粧シートは、耐溶剤性が不良である。
2 接着剤層
3 バックプリント印刷層
4 透明多層保護フィルムの下層
5 透明多層保護フィルムの上層
6 トップコート層
7 透明多層保護フィルム
10 積層化粧シート
Claims (7)
- ポリエステル系樹脂の基材フィルムに、ポリエステル系樹脂の透明多層保護フィルム層を積層してなる化粧シートにおいて、透明多層保護フィルム層が、厚さ40〜100μmで、上層の樹脂成分として(A)ポリブチレンテレフタレート系樹脂60〜85質量%及び(B)非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂15〜40質量%を含み、下層の樹脂成分として、(C)ポリブチレンテレフタレート系樹脂0〜40質量%及び(D)非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂60〜100質量%を含み、該上層と該下層が多層押出機を用いて押し出されて積層され、かつ上層と下層の厚さの比が、上層:下層=0.5:9.5〜5:5であることを特徴とする積層化粧シート。
- ポリエステル系樹脂の基材フィルムが顔料を含有し、隠蔽率が0.95以上で、厚さ50〜200μmであり、かつ樹脂成分として、(X)ポリブチレンテレフタレート系樹脂0〜40質量%及び(Y)非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂60〜100質量%を含む隠蔽フィルムである請求項1に記載の積層化粧シート。
- (A)成分、(C)成分及び(X)成分のポリブチレンテレフタレート系樹脂が、(PBT−1)ポリブチレンテレフタレート樹脂、(PBT−2)ポリテトラメチレングリコールを共重合成分として10〜30質量%含むポリテトラメチレングリコール共重合ポリブチレンテレフタレート系樹脂、及び、(PBT−3)ジカルボン酸成分がテレフタル酸70〜95モル%とイソフタル酸5〜30モル%であり、グリコール成分が1,4−ブタンジオールであるイソフタル酸共重合ポリブチレンテレフタレート系樹脂の中から選ばれる少なくとも1種である請求項1又は請求項2に記載の積層化粧シート。
- (B)成分、(D)成分及び(Y)成分の非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂が、(PET−1)ジカルボン酸成分がテレフタル酸であり、グリコール成分がエチレングリコール60〜90モル%とシクロヘキサンジメタノール10〜40モル%であるシクロヘキサンジメタノール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂、(PET−2)ジカルボン酸成分がテレフタル酸であり、グリコール成分がエチレングリコール60〜90モル%とネオペンチルグリコール10〜40モル%であるネオペンチルグリコール共重合非晶性ポリエチレンテレフタレート系樹脂、及び、(PET−3)ジカルボン酸成分がテレフタル酸60〜98モル%とイソフタル酸2〜40モル%であり、グリコール成分がエチレングリコールであるイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート系樹脂の中から選ばれた少なくとも1種である請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の積層化粧シート。
- 透明多層保護フィルム層の上層の上面が、エンボス加工されてなる請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の積層化粧シート。
- 透明多層保護フィルム層の下層の裏面にバックプリント印刷層、又は、基材フィルムの積層面に印刷層を有し、透明多層保護フィルム層と基材フィルムが熱ラミネーション又はドライラミネーションにより積層されてなる請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の積層化粧シート。
- 透明多層保護フィルム層の上層の上面に、二液硬化型トップコート層又は紫外線硬化型トップコート層を有する請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の積層化粧シート。
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