JP3678063B2 - 化粧シートとその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、絵柄を有し、成形性の優れたポリエステル系樹脂の化粧シートとその化粧シートを製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
絵柄を有する樹脂製の化粧シートとしては、一般に塩化ビニル樹脂が用いられるが、この塩化ビニル製の化粧シートを製造するには、表面に模様を刻んだロールと押圧ロールの間に塩化ビニルシートを通して模様を付けるエンボス加工や、塩化ビニルシート表面に直接に印刷する方法、あるいは模様を印刷したフィルムを塩化ビニルシート表面にラミネートする方法などが利用されていた。
【0003】
種々の模様を持つ多種の化粧シートを小ロットで製造する場合には、フィルムラミネート法が利用されることが多く、その場合には、例えば特開昭60−155429号に開示されているように、塩化ビニルシートを押出加工したのち直ちに模様付フィルムをラミネートし、ロールの間を通して圧着するなどの方法が利用されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、近年では、シート材の素材として、塩化ビニル樹脂を用いず、他の樹脂素材にて化粧シートを得ることを課題としており、このような塩化ビニル樹脂以外の樹脂素材による化粧シートが望まれている。
【0005】
そこで本発明は、上記問題点を解消するために、塩化ビニル樹脂を用いることなく、意匠性の良好な、かつ成形性に優れたポリエステル系樹脂の化粧シートを得ることを目的とするとともに、この化粧シートの製造方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
次に、上記の課題を解決するための手段を、実施の形態に対応する図面を参照して説明する。
この発明の化粧シート1は、テレフタル酸からなるジカルボン酸成分と、25〜35モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールと65〜75モル%のエチレングリコールからなるジオール成分を共重合された樹脂からなる非晶質ポリエチレンテレフタレート系樹脂を主成分とする着色樹脂材料よりなる基材層2と、該基材層2の一方の面2aに形成され、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を主成分とするバインダーからなる着色インキよりなる印刷模様層3と、該印刷模様層3上に積層形成され、テレフタル酸からなるジカルボン酸成分と、25〜35モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールと65〜75モル%のエチレングリコールからなるジオール成分を共重合された樹脂からなる透明な非晶質ポリエチレンテレフタレート系樹脂を主成分とする樹脂材料よりなる透明層4と、を具備し、前記基材層2と前記透明層4とのラミネート強度が得られることを特徴とする3次元加工用化粧シートにある。
前記非晶質ポリエチレンテレフタレート系樹脂を主成分とする着色樹脂材料よりなる基材層および前記透明な非晶質ポリエチレンテレフタレート系樹脂を主成分とする樹脂材料よりなる透明層は、非晶質ポリエチレンテレフタレート系樹脂を40〜100重量%、晶質ポリエステル樹脂を0〜60重量%の配合比率であることが望ましい。
【0007】
前記透明層4上に積層形成される硬質で透明な表面保護層6を有することが望ましい。なお、表面保護層6は、転写箔7にて構成されることとしてもよく、また、前記表面保護層6は、ハードコートフィルム15よりなる構成としてもよい。
【0008】
さらに、前記表面保護層6の表面に、マスキングフィルムが展着されている構成としてもよい。
【0009】
また、この発明の化粧シート1の製造方法は、テレフタル酸からなるジカルボン酸成分と、25〜35モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールと65〜75モル%のエチレングリコールからなるジオール成分を共重合された樹脂からなる非晶質ポリエチレンテレフタレート系樹脂を主成分とする着色された樹脂素材よりなる基材フィルム2’の一方の面2aに、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を主成分とするバインダーからなる着色インキにて模様を施し印刷模様層3を形成して、
該基材フィルム2’を略水平に並設された第1の一対のロール21間に供給し、
該第1の一対のロール21の一方のロール23Aと、該一方のロール23Aに対向する前記基材フィルム2’の印刷模様層3表面との間に、テレフタル酸からなるジカルボン酸成分と、25〜35モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールと65〜75モル%のエチレングリコールからなるジオール成分を共重合された樹脂からなる非晶質ポリエチレンテレフタレート系樹脂を主成分とする透明な樹脂素材にて押出加工される透明樹脂フィルム4’を供給させて、前記基材フィルム2’の印刷模様層3上にラミネート貼着し透明層4を形成させ基材シート5とし、
前記基材シート5を、第2の一対のロール25間に供給し、
該第2の一対のロール25の一方のロール26Aと、該一方のロール26Aに対向する前記基材シート5の透明層4の表面との間に、硬質で透明な表面保護フィルム7,15を供給し表面保護層6を積層形成させることを特徴とする3次元加工用化粧シートの製造方法にある。
【0010】
さらに、この発明の化粧シートの製造方法は、テレフタル酸からなるジカルボン酸成分と、25〜35モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールと65〜75モル%のエチレングリコールからなるジオール成分を共重合された樹脂からなる非晶質ポリエチレンテレフタレート系樹脂を主成分とする着色された樹脂素材よりなる基材フィルム2’の一方の面2aに、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を主成分とするバインダーからなる着色インキにて模様を施し印刷模様層3を形成して、
該基材フィルム2’を略水平に並設された第1の一対のロール21間に供給し、
該第1の一対のロール21の一方のロール23Aと、該一方のロール23Aに対向する前記基材フィルム2’の印刷模様層3表面との間に、テレフタル酸からなるジカルボン酸成分と、25〜35モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールと65〜75モル%のエチレングリコールからなるジオール成分を共重合された樹脂からなる非晶質ポリエチレンテレフタレート系樹脂を主成分とする透明な樹脂素材にて押出加工される透明樹脂フィルム4’を供給させて、前記基材フィルム2’の印刷模様層3上にラミネート貼着し透明層4を形成させ基材シート5とし、
前記基材シート5を、第2の一対のロール25間に供給し、
該第2の一対のロール25の一方のロール26Aと、該一方のロール26Aに対向する前記基材シート5の透明層4の表面との間に、硬質で透明な表面保護フィルム層10を備える転写箔7を供給して転写し、
前記転写箔7の基材フィルム8を剥離させることを特徴とする3次元加工用化粧シートの製造方法にある。
【0011】
このような構成の化粧シート1によれば、化粧シート1を構成する基材層2及び透明層4が、その素材を前記テレフタル酸からなるジカルボン酸成分と、25〜35モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールと65〜75モル%のエチレングリコールからなるジオール成分を共重合された樹脂からなる非晶質ポリエチレンテレフタレート系樹脂を主成分とする樹脂材料とし、これら基材層2と透明層4との間に形成される印刷模様層3を、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を主成分とするバインダーからなるインキとしたことで、基材層2と透明層4及び印刷模様層3との各層間におけるラミネート強度が十分に得られ、容易に剥離してしまうなどの不具合が起きない。
【0012】
また、化粧シート1としての表面に、転写箔7やハードコートフィルム15よりなる表面保護層6を形成したことで、化粧シート1としての表面に、光沢を与え、かつ耐衝撃性や耐擦傷性を向上させることが可能となる。
そして、この化粧シート1によると、剥離などの不具合が起きず十分な成形性を得られることから、二次加工が容易に行え、R加工や曲面加工など所望の形状など3次元的な加工を施すことが可能である。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は本発明による化粧シートの一実施の形態を示す概略断面図である。
【0014】
本実施の形態の化粧シート1は、図1に示すように、基材層2と、印刷模様層3と、透明層4と、表面保護層6とで構成されている。
【0015】
基材層2は、非晶質ポリエチレンテレフタレート系樹脂を主成分とする樹脂材料よりなるとともに、着色された樹脂材料にて、押出成形にてフィルム状に形成されることで得られる。
樹脂材料としての上記非晶質ポリエチレンテレフタレート系樹脂は、テレフタル酸からなるジカルボン酸成分と、25〜35モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールと65〜75モル%のエチレングリコールからなるジオール成分を共重合された樹脂である。
この樹脂素材によるフィルムは、メンブレン成形など、熱加工性が良好である。
【0016】
印刷模様層3は、本実施の形態では、上記基材層2となる押出成形にて得られるフィルム(基材フィルム2’)の一方の面2aに、着色インキを用いて、グラビア印刷などの印刷方法で種々の模様、例えば木目模様や大理石模様などを形成されることでなる。
この印刷模様層3を形成する着色インキは、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を主成分とするバインダーからなる着色インキよりなる。
【0017】
透明層4は、上記基材層2と同等の樹脂素材である非晶質ポリエチレンテレフタレート系樹脂を主成分とする樹脂材料よりなるとともに、透明な樹脂素材とされている。
この透明層4は、印刷模様層3上に積層形成されており、その形成方法としては、押出ラミネートにより形成される。すなわち、上記基材層2を構成する基材フィルム2’を得たのちに、この基材フィルム2’の一方の面2aにグラビア印刷などにて印刷模様層3を形成させ、この印刷模様層3上に対して透明層4となる樹脂材料をフィルム状に押出成形させるとともに一対のロール間を通過させラミネート貼着させることで透明層4を形成させる。
【0018】
そして、上記基材層2となる基材フィルム2’に、印刷模様層3,透明層4が形成されることで、すなわち、非晶質ポリエチレンテレフタレート系樹脂を主成分とする樹脂素材よりなる基材層2と透明層4との間に、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を主成分とするバインダーからなる着色インキの印刷模様層3が介在する構成となる3層構造の基材シート5となる。
【0019】
なお、上記基材層2及び透明層4となる樹脂素材は、上述した非晶質ポリエチレンテレフタレート系樹脂に、晶質ポリエステル樹脂を配合したものとしてもよい。
この晶質ポリエステル樹脂は、通常のポリエチレンテレフタレート樹脂や、ポリブチレンテレフタレート樹脂などとされる。
この配合比率は、非晶質ポリエチレンテレフタレート系樹脂を40〜100重量%とし、晶質ポリエステル樹脂を0〜60重量%、好ましくは10〜40重量%とされる。
この晶質ポリエステル樹脂を配合することにより、基材層2及び透明層4は耐溶剤特性が改善されることとなる。
【0020】
また、表面保護層6は、硬質で透明な樹脂素材よりなる表面保護フィルムであり、基材シート5の透明層4上に積層形成される。
この表面保護層6となる表面保護フィルムは、転写箔7やハードコートフィルムよりなる。
【0021】
表面保護層6となる表面保護フィルムとして構成される転写箔7は、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂を基材フィルム8として、この基材フィルム8の一方の面に剥離層9を平滑に積層形成し、剥離層9上にアクリル系樹脂などよりなる透明度が高く光沢性の良好な硬度の高い樹脂、例えば熱可塑性樹脂をロールコーティング法などで塗工することで塗膜を形成させて数μm〜10数μmの厚さの保護層10を形成し、さらに、この保護層10上にホットメルト系接着剤を塗布し接着剤層11を形成させた4層構造のフィルムである。
この転写箔7の場合は、上記基材シート5の透明層4上に転写ロールにて転写され、転写後基材フィルム8を剥離層9の部分で剥離させることで、製品である化粧シート1とされる。
【0022】
また、表面保護層6となる表面保護フィルムとして構成されるハードコートフィルム15は、図2に示すように、晶質ポリエチレンテレフタレート樹脂よりなる平滑な二軸延伸ベースフィルム16の表面に、ロールコーティング法などで硬化性アクリル系樹脂などの樹脂素材を塗工してハードコート層17を形成し、また、ベースフィルム16の裏面にホットメルト系接着剤を塗布して接着剤層18を形成させたものである。
このハードコートフィルム15の場合は、上記基材シート5の透明層4上にドライラミネートなどで貼着させ、製品である化粧シート1とする。
【0023】
なお、表面保護層6の表面には、図示しないが、ポリエチレン樹脂などの粘着フィルムよりなるマスキングフィルムが展着されることとしてもよく、このマスキングフィルムにより、製品となった化粧シート1の運搬などの際に、表面保護層6に擦り傷などを生じさせないようになっている。
【0024】
次に、上述した構成の化粧シート1の製造方法について、図3に示すようなシートの製造装置20の概略図を用いて説明する。
なお、上述したように、化粧シート1の表面保護層6は、転写箔7にて構成される形態とハードコートフィルム15にて構成される形態とがあるが、表面保護層6が転写箔15よりなる場合についての製造方法を例に説明する。
【0025】
まず、非晶質ポリエチレンテレフタレート系樹脂を主成分とする着色された樹脂素材を用い、略均一な所定の厚さ、例えば100μmとなるよう押出成形などの方法にて基材フィルム2’を得る。
【0026】
次に、基材フィルム2’の表面となる一方の面2aに、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を主成分とするバインダーからなる着色インキにて、所望の模様を施し、例えばグラビア印刷などにて木目模様や大理石模様などの印刷模様層3を形成する(図4(a)参照)。
なお、この印刷模様層3が形成さた状態で、基材フィルム2’はロール状に巻き取られ、本実施の形態では、印刷模様層3が表面となるように巻き取られる。
【0027】
次に、ロール状の基材フィルム2’を、図3に示すようなシート製造装置20にセットする。
このシート製造装置20においては、ロール状の基材フィルム2’の先端が、略水平に並設された第1の一対のロール21間に供給される。図3に示すように、本実施の形態では、基材フィルム2’は、支持ロール22を経て、第1の一対のロール21の上方から供給が行われる。なお、供給時の基材フィルム2’の供給方向は、印刷模様層3の形成されている面を一方のロールであるキャストロール23A側となるように供給が行われる。
【0028】
また、この基材フィルム2’の供給と同時に、キャストロール23A上方に配置される押出機(図示せず)より、非晶質ポリエチレンテレフタレート系樹脂を主成分とする透明な樹脂素材を、溶融押出法にてダイ24よりフィルム状に押し出す。
【0029】
押し出された透明樹脂フィルム4’は、垂下方向に送られ、キャストロール23Aの表面に沿って他方のロール23Bとの間へと移動され、基材フィルム2’とともに、この第1の一対のロール21間に供給されることとなる。
すなわち、基材フィルム2’の印刷模様層3上に透明樹脂フィルム4’が押出ラミネートされることとなって、この印刷模様層3上に透明層4が形成される。
そして、この第1の一対のロール21を通過することで基材シート5となる(図4(b)参照)。
【0030】
次に、上記第1の一対のロール21にて形成された基材シート5は、この第1の一対のロール21に並設される第2の一対のロール25間に供給される。
この第2の一対のロール25は、一方のロールが転写ロール26Aとされ、他方のロール26Bが第1の一対のロールのキャストロール23Aと隣り合うように配置されている。
すなわち、キャストロール23Aと、第2の一対のロールの他方のロール26B間を基材シート5が上向きに移動して、その後にこの他方のロール26Bと転写ロール26Aとの間に供給される。
【0031】
第2の一対のロール25間では、基材シート5は、透明層4が転写ロール26Aと対向するようになっており、この透明層4の表面と転写ロール26Aとの間に、転写箔7が供給される。
【0032】
供給される転写箔7は、図3に示すように、巻回状態で予め装置にセットされており、接着剤層11が基材シート5の透明層4と対向するように供給が行われ、上記ロール25間にて、接着剤層11のホットメルト接着剤によって基材シート5の透明層4に展着転写される(図4(c)参照)。
【0033】
次に、転写箔7の転写された基材シート5は搬送され、図3に示すように、巻取ロール27にて転写箔7の基材フィルム8を剥離層9の位置で剥離して巻き取る。
そして、基材フィルム8及び剥離層9が剥離されることで、基材シート5に保護層10が積層形成された化粧シート1が完成される(図4(d)参照)。
【0034】
なお、図示はしないが、化粧シート1の表面となる保護層10の表面には、この表面の傷つき防止のためにマスキングフィルムが展着されても良く、その場合、マスキングフィルムを展着する工程を製造装置20に付設させる。
【0035】
従って上記の製造方法によって得られる化粧シート1によれば、化粧シート1を構成する基材層2及び透明層4が、その素材を非晶質ポリエチレンテレフタレート系樹脂を主成分とする樹脂材料としたので、二次加工性、例えばR加工や曲面加工などの3次元加工などメンブレン成形性が向上することとなる。
また、基材層2と透明層4との間に形成される印刷模様層3を、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を主成分とするバインダーからなるインキとしたことで、基材層2と透明層4とのラミネート強度が十分に得られ、剥離してしまうなどの不具合が起きない。
【0036】
さらに、化粧シート1としての表面に、薄肉な表面保護層6を形成したことで、化粧シート1としての表面に、光沢を与え、かつ耐溶剤特性や耐擦傷性を向上させることが可能となる。
【0037】
また、この表面保護層6を転写箔7とした構成の場合には、十分な成形性を得られることから、二次加工が容易に行え、R加工や曲面加工など所望の形状など3次元的な加工を施すことが可能である。
【0038】
さらに、表面保護層6をハードコートフィルム15とした構成の場合には、平面的な用途、例えば壁面などに展着するなど2次元的に用いる場合に好適となる。
【0039】
また、表面保護層6及び透明層4を透かして印刷模様層3が視認できることから、意匠性を得ることが可能となる。
【0040】
【実施例】
次に、上述した実施の形態における、化粧シートの具体的な実施例について説明する。
【0041】
実施例1
茶色に着色された非晶質ポリエチレンテレフタレート系樹脂(イーストマン・ケミカル社製:商品名「PETG6763」,ジオール成分:シクロヘキサンジメタノール30モル%およびエチレングリコール70モル%,ジカルボン酸成分:テレフタル酸よりなる共重合体)を素材とし、押出法にて成形される厚さ100μmの基材フィルムの一方の面に、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を主成分とするバインダーからなる着色インキを用いてグラビア印刷で木目模様を形成し、印刷模様層を形成する。
【0042】
次に、押出機に、上記基材フィルムと同等の素材である非晶質ポリエチレンテレフタレート系樹脂(イーストマン・ケミカル社製:商品名「PETG6763」)を60重量部、晶質ポリエステル系樹脂(ポリプラスチック社製:商品名「ジュラネックス 600FP」,ポリブチレンテレフタレート系樹脂)を40重量部として配合させた組成物からなる透明な樹脂素材を用いて、厚さ200μmの透明樹脂フィルムを押出成形し、この透明樹脂フィルムを上記基材フィルムの一方の面に形成されている木目模様の印刷模様層上に押出ラミネートし、透明層を形成させ基材シートとする。
【0043】
さらに、透明層の上面に、透明な硬質樹脂よりなる膜状の保護層を有した転写箔を転写し、その後転写箔の基材フィルムを剥離して、ポリエステル系樹脂よりなる化粧シートを得る。
【0044】
この実施例1の化粧シートによれば、積層形成された各層におけるラミネート強度を十分に有し、また、メンブレン成形性も良好であった。
【0045】
実施例2
白色の非晶質ポリエチレンテレフタレート系樹脂(イーストマン・ケミカル社製:商品名「PETG6763」)よりなる厚さ100μmの基材フィルムの一方の面に、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を主成分とするバインダーからなる着色インキを用いて多色グラビア印刷で大理石模様を形成し、印刷模様層を形成する。
【0046】
次に、押出機に、上記基材フィルムと同等の素材である非晶質ポリエチレンテレフタレート系樹脂(イーストマン・ケミカル社製:商品名「PETG6763」)を用いて、厚さ200μmの透明樹脂フィルムを押出成形し、この透明樹脂フィルムを上記基材フィルムの一方の面に形成されている大理石模様の印刷模様層上に押出ラミネートし、透明層を形成させ基材シートとする。
【0047】
さらに、透明層の上面に、透明な硬質樹脂よりなる膜状の保護層を有した転写箔を転写し、その後転写箔の基材フィルムを剥離して、ポリエステル系樹脂よりなる化粧シートを得る。
【0048】
この実施例2の化粧シートによれば、上記実施例1と同様に、積層形成された各層におけるラミネート強度を十分に有し、また、メンブレン成形性も良好であった。
【0049】
実施例3
非晶質ポリエチレンテレフタレート系樹脂(イーストマン・ケミカル社製:商品名「PETG6763」)を80重量部、晶質ポリエステル系樹脂(ポリプラスチック社製:商品名「ジュラネックス 600KP」,ジオール成分:ブチレングリコール100モル%,ジカルボン酸成分:テレフタル酸75モル%およびイソフタル酸25モル%よりなるポリブチレンテレフタレート系樹脂)を20重量部として配合させた組成物に、茶色の顔料を配合して、押出法にて成形される厚さ100μmの茶色の基材フィルムの一方の面に、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を主成分とするバインダーからなる着色インキを用いて多色グラビア印刷で木目模様を形成し、印刷模様層を形成する。
【0050】
次に、押出機に、上記基材フィルムと同等の組成物を素材として用いて厚さ200μmの透明樹脂フィルムを押出成形し、この透明樹脂フィルムを上記基材フィルムの一方の面に形成されている木目模様の印刷模様層上に押出ラミネートし、透明層を形成させ、基材シートとする。
【0051】
さらに、透明層の上面に、ハードコートフィルムの接着剤層を貼着させ、ポリエステル系樹脂よりなる化粧シートを得る。
【0052】
この実施例3の化粧シートによれば、上記実施例1,2と同様に、積層形成された各層におけるラミネート強度を十分に有し、また、表面硬度及びR加工などの曲げ加工性も良好であった。
【0053】
比較例1
上記した実施例1の基材フィルムと同等の素材、すなわち茶色に着色された非晶質ポリエチレンテレフタレート系樹脂を素材とし、厚さ100μmに形成される基材フィルムの一方の面に、この比較例1においては、アクリル系樹脂をバインダーとするインキを用いて、木目模様を形成し印刷模様層を形成する。
また、同様に実施例1の透明層と同等の素材である非晶質ポリエチレンテレフタレート系樹脂を用いて、印刷模様層上に押出ラミネートにて透明層を形成し、基材シートを得る。
そしてこの基材シートの透明層上に転写箔を転写し、この転写箔の基材フィルムを剥離することで、化粧シートを得る。
【0054】
この比較例1の化粧シートによれば、基材フィルムと透明層との間で、十分なラミネート強度を得ることができず、また、メンブレン成形時に一部の剥離を生じてしまった。
【0055】
比較例2
上記した実施例1の基材フィルムと同等の素材、すなわち茶色に着色された非晶質ポリエチレンテレフタレート系樹脂を素材とし、厚さ100μmに形成される基材フィルムの一方の面に、この比較例2においては、ウレタン系樹脂をバインダーとするインキを用いて、木目模様を形成し印刷模様層を形成する。
また、同様に実施例1の透明層と同等の素材である非晶質ポリエチレンテレフタレート系樹脂を用いて、印刷模様層上に押出ラミネートにて透明層を形成し、基材シートを得る。
そしてこの基材シートの透明層上に転写箔を転写し、この転写箔の基材フィルムを剥離することで、化粧シートを得る。
【0056】
この比較例2の化粧シートによれば、比較例1と同様に、基材フィルムと透明層との間で、十分なラミネート強度を得ることができず、また、メンブレン成形時に一部の剥離を生じる不具合があった。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように本発明による化粧シートとその製造方法では、化粧シートを構成する基材層及び透明層が、その素材をテレフタル酸からなるジカルボン酸成分と、25〜35モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールと65〜75モル%のエチレングリコールからなるジオール成分を共重合された樹脂からなる非晶質ポリエチレンテレフタレート系樹脂を主成分とする樹脂材料とするとともに、これら層間に位置して模様を形成する印刷模様層の素材を、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を主成分とするバインダーからなるインキとしたことで、基材層と透明層及び印刷模様層の積層形成された各層におけるラミネート強度が十分に得られることとなり、各層が剥離してしまうなどの不具合が起きないという効果がある。
【0058】
また、十分なラミネート強度を有し、各層が互いに容易に剥離することがなく、さらに、上記のような非晶質ポリエチレンテレフタレート系樹脂を主成分とする樹脂材料を素材としたので、二次加工性、例えばR加工や曲面加工などの3次元加工などメンブレン成形性が向上することとなり、所望の形状に加工を行える化粧シートを得られるという効果がある。
【0059】
さらに、透明な表面保護層及び透明層の下に印刷模様層を有する構成であることから、意匠性も良く、すなわち、見栄えの良い所望の形状の成形品を得ることができるという効果がある。
【0060】
また、化粧シートとしての表面に、転写箔若しくはハードコートフィルムよりなる表面保護層を形成したことで、化粧シートとしての表面に、光沢を与え、意匠性を向上させるとともに、耐溶剤特性や耐擦傷性を向上させることが可能となる。
【0061】
また、表面保護層の表面に、マスキングフィルムが展着される構成とすることで、このマスキングフィルムにより、製品となった化粧シートの運搬などの際に、表面保護層に擦り傷などを生じさせない効果を得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による化粧シートの一実施の形態を示す概略側断面図
【図2】同化粧シートの他の実施の形態の概略側断面図
【図3】同化粧シートの製造方法に用いられる製造装置の概略図
【図4】同化粧シートの製造過程を示す側断面図
【符号の説明】
1…化粧シート
2…基材層
2’…基材フィルム
3…印刷模様層
4…透明層
5…基材シート
6…表面保護層
7…転写箔
15…ハードコートフィルム
21第1の一対のロール
23A…一方のロール(キャストロール)
25…第2の一対のロール
26A…一方のロール(転写ロール)

Claims (9)

  1. テレフタル酸からなるジカルボン酸成分と、25〜35モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールと65〜75モル%のエチレングリコールからなるジオール成分を共重合された樹脂からなる非晶質ポリエチレンテレフタレート系樹脂を主成分とする着色樹脂材料よりなる基材層と、
    該基材層の一方の面に形成され、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を主成分とするバインダーからなる着色インキよりなる印刷模様層と、
    該印刷模様層上に積層形成され、テレフタル酸からなるジカルボン酸成分と、25〜35モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールと65〜75モル%のエチレングリコールからなるジオール成分を共重合された樹脂からなる透明な非晶質ポリエチレンテレフタレート系樹脂を主成分とする樹脂材料よりなる透明層と、
    を具備し、前記基材層と前記透明層とのラミネート強度が得られることを特徴とする3次元加工用化粧シート。
  2. 前記透明層上に積層形成される硬質で透明な表面保護層を有することを特徴とする請求項1記載の3次元加工用化粧シート。
  3. 前記表面保護層は、転写箔にて構成されることを特徴とする請求項2記載の3次元加工用化粧シート。
  4. 前記表面保護層は、ハードコートフィルムよりなることを特徴とする請求項2記載の3次元加工用化粧シート。
  5. 前記表面保護層の表面に、マスキングフィルムが展着されていることを特徴とする請求項2ないし4のいずれか1項に記載の3次元加工用化粧シート。
  6. 前記非晶質ポリエチレンテレフタレート系樹脂を主成分とする着色樹脂材料よりなる基材層および透明な非晶質ポリエチレンテレフタレート系樹脂を主成分とする樹脂材料よりなる透明層は、テレフタル酸からなるジカルボン酸成分と、25〜35モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールと65〜75モル%のエチレングリコールからなるジオール成分を共重合された樹脂からなる非晶質ポリエチレンテレフタレート系樹脂を40〜100重量%、晶質ポリエステル樹脂を0〜60重量%の配合比率であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の3次元加工用化粧シート。
  7. テレフタル酸からなるジカルボン酸成分と、25〜35モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールと65〜75モル%のエチレングリコールからなるジオール成分を共重合された樹脂からなる非晶質ポリエチレンテレフタレート系樹脂を主成分とする着色された樹脂素材よりなる基材フィルムの一方の面に、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を主成分とするバインダーからなる着色インキにて模様を施し印刷模様層を形成して、
    該基材フィルムを略水平に並設された第1の一対のロール間に供給し、
    該第1の一対のロールの一方のロールと、該一方のロールに対向する前記基材フィルムの印刷模様層表面との間に、テレフタル酸からなるジカルボン酸成分と、25〜35モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールと65〜75モル%のエチレングリコールからなるジオール成分を共重合された樹脂からなる非晶質ポリエチレンテレフタレート系樹脂を主成分とする透明な樹脂素材にて押出加工される透明樹脂フィルムを供給させて、前記基材フィルムの印刷模様層上にラミネート貼着し透明層を形成させ基材シートとし、
    前記基材シートを、第2の一対のロール間に供給し、
    該第2の一対のロールの一方のロールと、該一方のロールに対向する前記基材シートの透明層の表面との間に、硬質で透明な表面保護フィルムを供給し表面保護層を積層形成させることを特徴とする3次元加工用化粧シートの製造方法。
  8. テレフタル酸からなるジカルボン酸成分と、25〜35モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールと65〜75モル%のエチレングリコールからなるジオール成分を共重合された樹脂からなる非晶質ポリエチレンテレフタレート系樹脂を主成分とする着色された樹脂素材よりなる基材フィルムの一方の面に、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を主成分とするバインダーからなる着色インキにて模様を施し印刷模様層を形成して、
    該基材フィルムを略水平に並設された第1の一対のロール間に供給し、
    該第1の一対のロールの一方のロールと、該一方のロールに対向する前記基材フィルムの印刷模様層表面との間に、テレフタル酸からなるジカルボン酸成分と、25〜35モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールと65〜75モル%のエチレングリコールからなるジオール成分を共重合された樹脂からなる非晶質ポリエチレンテレフタレート系樹脂を主成分とする透明な樹脂素材にて押出加工される透明樹脂フィルムを供給させて、前記基材フィルムの印刷模様層上にラミネート貼着し透明層を形成させ基材シートとし、
    前記基材シートを、第2の一対のロール間に供給し、
    該第2の一対のロールの一方のロールと、該一方のロールに対向する前記基材シートの透明層の表面との間に、硬質で透明な表面保護フィルム層を備える転写箔を供給して転写し、
    前記転写箔の基材フィルムを剥離させることを特徴とする3次元加工用化粧シートの製造方法。
  9. 前記非晶質ポリエチレンテレフタレート系樹脂を主成分とする着色された樹脂材料よりなる基材フィルムおよび非晶質ポリエチレンテレフタレート系樹脂を主成分とする透明な樹脂素材にて押出加工される透明樹脂フィルムは、テレフタル酸からなるジカルボン酸成分と、25〜35モル%の1,4−シクロヘキサンジメタノールと65〜75モル%のエチレングリコールからなるジオール成分を共重合された樹脂からなる非晶質ポリエチレンテレフタレート系樹脂を40〜100重量%、晶質ポリエステル樹脂を0〜60重量%の配合比率であることを特徴とする請求項7または8に記載の3次元加工用化粧シートの製造方法。
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