JP5365244B2 - 熱転写シート - Google Patents

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Description

本発明は熱転写シートに関し、熱転写法により得られる保護層付き印画物に使用するための熱転写シートに関するものである。
ここでいう熱転写シートは、一般にサーマルリボンと呼ばれ、熱転写方式のプリンタに使用されているインクリボンのことであり、基材の一方の面に熱転写層、その基材の他方の面にバックコート層(耐熱滑性層)を設けたものである。ここで熱転写層は、インクの層であって、プリンタのサーマルヘッドに発生する熱によって、そのインクを溶融(溶融転写方式)あるいは昇華(昇華転写方式)させ、被転写体側に転写するものである。
現在、熱転写方式は、プリンタの高機能化と併せて各種画像を簡便に形成できるため、身分証明書などのカード類をはじめアミューズメント用出力物等広く利用されている。そういった用途の多様化と共に、得られる印画物への耐久性を求める声も大きくなり、近年ではインク層により形成した画像上に保護層を転写する印画物がかなり普及してきている。
これら従来の転写方式を用いた印画物を日光や照明等に長時間暴露した場合には印画部が紫外線の影響で褪色し、長期間の保存により記録画像が不鮮明となる問題がある。そこで画像に耐候性を付与する方法として保護層中に紫外線吸収剤を配合する方法が従来から知られている(特許文献1)。
特開2003−266960号公報
高度な耐候性を得ようとして、保護層中に紫外線吸収剤を高濃度に添加すると、保護層自身の凝集力が低下し、受像シートに保護層を転写する際、保護層の一部が転写されないといった、異常転写が起こる。また、保護層を厚くするといった手法で耐候性を向上させることもできるが、熱転写時の熱感度低下による受像シートとの接着不良による異常転写が起こる可能性がある。よって、選択される紫外線吸収剤は少量添加でも、高い紫外線吸収能を有することが必要となる。
トリアジン系の紫外線吸収剤は他の有機系の紫外線吸収剤、例えば、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系などと比較して重量あたりの紫外線吸収能が高く、耐候性に優れているものが多いが、ポリマーとの相溶性が低く、ブリードアウトによる白化、ブロッキングが発生しやすいという短所があり、印画物の再表層に使用するのは不適である。
本発明は前記問題点を解決するためになされたものであり、その課題とするところは、高度な耐候性を有する熱転写性保護層を備えた熱転写シートを提供することにある。
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、 基材シートの一方の面の少なくとも一部に、熱転写性保護層を設けた熱転写シートにおいて、
前記熱転写性保護層が、複数の層から形成されており、前記基材シート側から、少なくとも、第一熱転写性保護層、第二熱転写性保護層を順次積層し、前記第一熱転写性保護層が、分子量が400以上のベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤を含み、且つ前記ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤は、樹脂100重量部に対し、1〜20重量部添加され、前記第二熱転写性保護層が、トリアジン系の紫外線吸収剤を含み、且つ前記トリアジン系の紫外線吸収剤は、樹脂100重量部に対し、2〜30重量部添加される
ことを特徴とする熱転写シートである。
また、請求項2に記載の発明は、前記基材シートの一方の面に、少なくとも、溶融熱転写インク層と前記熱転写性保護層を長手方向へ順次設けた熱転写シートにおいて、前記溶融熱転写インク層が、染料または顔料とバインダからなることを特徴とする請求項1記載の熱転写シートである。
また、請求項3に記載の発明は、前記基材シートの一方の面に、少なくとも、昇華性熱転写インク層と前記熱転写性保護層を長手方向へ順次設けた熱転写シートにおいて、前記昇華性熱転写インク層が、熱昇華性染料とバインダとからなることを特徴とする請求項1記載の熱転写シートである。
請求項1に記載の熱転写シートとすることにより、高度な耐候性を有する保護層を有した熱転写シートを提供することが可能となった。また、請求項2に記載の熱転写シートとすることにより、さらに耐候性を向上させた画像を形成できる熱転写シートを提供することが可能となった。また、請求項3に記載の熱転写シートとすることにより、さらに階調性表現を向上させた画像を形成できる熱転写シートを提供することが可能となった。
本発明の熱転写シートの一実施例の断面の構造を示す説明図である。
以下に本発明の熱転写シートを図面に基づき詳細に説明する。図1に本発明の熱転写シートの一実施例の断面の構造を示す。基材シート1、耐熱滑性層2、熱転写性インク層(イエロー)3、熱転写性インク層(マゼンタ)4、熱転写性インク層(シアン)5、離型層6、第一熱転写性保護層7、第二熱転写性保護層8という構成である。
本発明における基材シートとしては、熱転写における熱圧で軟化変形しない耐熱性と強度が要求される。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、セロファン、アセテート、ポリカーボネート、ポリサルフォン、ポリイミド、ポリビニルアルコール、芳香族ポリアミド、アラミド、ポリスチレン等の合成樹脂のフィルム、およびコンデンサー紙、パラフィン紙などの紙類等を単独でまたは組み合わされた複合体が使用可能であるが、中でも、物性面、加工性、コスト面などを考慮するとポリエチレンテレフタレートが好ましい。またその厚さは、操作性と加工性を考慮し、2〜50μmの範囲のものが使用可能であるが、転写適性や加工性等のハンドリング性を考慮すると2〜9μm程度のものが好ましい。
本発明における耐熱滑性層は熱転写シートをサーマルヘッドを加熱手段として用いる場合に必要とされるものであり、サーマルヘッドの融着防止や熱転写シートをロールで巻きとった時に熱転写性保護層、熱転写性インク層の染料あるいは顔料が背面に移行しないように離型性を持たせる役割がある。本発明における耐熱滑性層は特に限定はされるものではないが、熱転写シートの基材、およびサーマルヘッドの加熱量に応じて適宜選択することができる。
耐熱滑性層形成用の塗液は、例えば、離型性やすべり性を付与する機能性添加剤、バインダ、硬化剤、溶剤などを配合して調整する。この耐熱滑性層のインクの塗布量は乾燥後の厚さで0.1〜2μm程度が適当である。
耐熱滑性層の一例を挙げると、アクリルオリゴマーの紫外線硬化物、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアセタール、ポリアミド、ポリイミド等の合成樹脂に、シリコーンオイルなどの離型剤を添加したもの、シリコーンを共重合したものを挙げることができる。また必要に応じてフィラーを添加しても問題なく、添加するフィラーの一例としては、シリコーンパウダー、シリカおよびレジンパウダーを挙げることができる。
耐熱滑性層を形成するコーティング剤の塗布方法としては、ディッピング法、ロールコーティング法、スクリーン印刷法、スプレー法、グラビア印刷法などの従来公知の方法を用いることが可能である。 厚さは、塗液の種類や加工機や加工条件によって最適条件が異なり、特に限定はしない。好ましくは乾燥後の厚さが0.1〜2μmの範囲であり、0.1μm以下の場合は、均一な塗膜が形成されず、十分な耐熱性が得られない場合があるので好ましくない。
熱転写性インク層は熱転写可能な染料または顔料を任意のバインダー樹脂で担持させた層である。使用する染料または顔料は、従来公知の熱転写シートに使用されている染料または顔料がいずれも使用可能であり特に限定されない。
昇華性転写層形成用インクに用いられる熱昇華性染料としては、昇華性分散染料が好ましく、一例を挙げると、イエロー成分としては、ソルベントイエロー56、16、30、93、33、ディスパーイエロー201、231、33等が挙げられる。マゼンタ成分としては、C.I.ディスパースレッド60、ディスパースバイオレット26、C.I.ソルベントレッド27、あるいはC.I.ソルベントレッド19が挙げられる。シアン成分としてはC.I.ディスパースブルー354、24、C.I.ソルベントブルー63、36等が挙げられる。昇華性転写層形成用インクに用いられるバインダとしては、特に限定されるものではないが、エチレンセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース等のセルロース系樹脂やポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド等のビニル系樹脂やポリエステル樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。中でも、ポリビニルブチラール、スチレン−アクリロニトリル共重合樹脂、フェノキシ樹脂が好適である。
感熱溶融転写層形成用インクに用いられる染料としては、ジアリールメタン系、トリアリールメタン系、チアゾール系、メチン系、アゾメタン系、キサンテン系、アキサジン系、チアジン系、アジン系、アクリジン系、アゾ系、スピロジピラン系、イソドリノスピロピラン系、フルオロラン系、ローダミンダクタム系、アントラキノン系等の一般に使用されている感熱転写性染料を広く使用することができる。感熱溶融転写層形成用インクに用いられる顔料としては、公知の有機顔料、無機顔料を使用することができ、一例を挙げると、カーボンブラック、アゾ系、フタロシアニン系、キクナリドン系、チオインジゴ系、アンスラキノン系、イソインドリン系等の顔料が挙げられる。そのバインダとしては、熱溶融性以外特に限定されるものではないが、一例を挙げると、ポリスチレン、ポリα−メチルスチレン等のスチレン系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル等のアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール等のビニル系、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、石油樹脂、アイオノマー、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等の合成樹脂、ニトロセルロース、エチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース誘導体、ロジン、ロジン変性マレイン酸樹脂、ポリイソブチレンゴム、ブチルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエン−アクリロニトリルゴム、ポリ塩素化オレフィン等の天然樹脂や合成ゴムの誘導体、カルナバワックス、パラフィンワックス等のワックス類がある。中でも、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂が好適である。
離型層は、基材シートからの熱転写性保護層の剥離の重さを適当な範囲内に調整し、基材シートからの安定的な剥離性を確保するために設けられるものであり、剥離の重さが適当な範囲内という上記の条件さえ満たしていれば必ずしも必要ではない。離型層の材質としては、特に制限されるものではないが、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム等の水溶性高分子、塩化ゴム、環化ゴム等の天然ゴム誘導体や、天然ワックス、合成ワックス等のワックス類、ニトロセルロース、セルロース、セルロースアセテートプロピオネート等の繊維素誘導体、アクリル系、ポリウレタン系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリアセタール系、塩素化ポリオレフィン系、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系等の熱可塑性樹脂、メラミン系、エポキシ系、ポリウレタン系、シリコーン系等の熱硬化性樹脂等からなる剥離剤を挙げることができる。
熱転写性保護層としては、熱転写性インク層により被転写体上に形成された画像への紫外線等からの耐久性が要求されると同時に、熱転写法というプロセスにより被転写体上に形成される必要があるため、一般的には紫外線吸収等の保護層としての本来的な性能と同時に被転写体への接着性を兼ね備える接着層と、その下層に基材から熱転写時に容易に剥離するための剥離層といった複数の層の積層体から形成される。
熱転写性保護層に添加される紫外線吸収剤に関しては、従来、コストや紫外線吸収範囲、種類の多さ、用途範囲の現状から、ベンゾフェノン系やベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤が多く使用されてきた。しかしながら、これらの系の紫外線吸収剤は、反応型や架橋型の樹脂との併用でない限り、熱、光、経時でのブリードアウトが起き、紫外線吸収能の減少により経時での褪色が免れなかった。また、トリアジン系の紫外線吸収剤に関しては、低添加量でも高い耐候性能があるが樹脂との相溶性の問題によりブリードアウトしやすく、長期保存に耐えうる耐候性を備えることができなかった。
しかしながら、本発明では、熱転写後の表面側の第一熱転写性保護層に分子量400以上のベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤、基材側の第二熱転写性保護層にトリアジン系の紫外線吸収剤を添加する構成にすることによって、従来よりも紫外線吸収剤の印画物表面へのブリードアウトが少なく長期に渡る紫外線吸収能を保持することが可能になった。熱分析(示差熱/熱重量同時測定)の結果からは、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤は昇華によって熱可塑性樹脂から失われる傾向はあるが、紫外線吸収能の低下に関しては、例えば、トリアジン系の紫外線吸収剤を第二熱転写性保護層に使用した場合にトリアジン系の紫外線吸収剤のブリードアウトによって引き起こされるような低下は起こらない。また、第一熱転写性保護層と第二熱転写性保護層の厚みに関しては特に制限はなく、添加するトリアジン系紫外線吸収剤の樹脂中の移動速度や必要とされる紫外線吸収能などを考慮して任意に選択すれば良い。
本発明における第一熱転写性保護層に使用するベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノールなどやこれらの混合物、変性物、重合物、誘導体を例示でき、これらを単独で又は複数を混合して使用できる。
本発明において第一熱転写性保護層に使用するベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤は、樹脂100重量部に対し、1〜20重量部添加されることが好ましい。添加量が1重量部未満の場合、第二熱転写性保護層中において十分な紫外線吸収能を発揮することができない場合がある。また紫外線吸収剤の分子量については、400以上のものがブリードアウトし難く好適である。
本発明における第二熱転写性保護層に使用するトリアジン系紫外線吸収剤としては、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−[4−[(2−ヒドロキシ−3−トリデシルオキシプロピル)オキシ]−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−(2−ヒドロキシ−4−イソ−オクチルオキシフェニル)−s−トリアジンなどやこれらの混合物、変性物、重合物、誘導体が挙げられる。
本発明において第二熱転写性保護層に使用するトリアジン系紫外線吸収剤は、樹脂100重量部に対し2重量部以上添加されることが好ましい。添加量が2重量部未満の場合、第二熱転写性保護層中において十分な紫外線吸収能を発揮することができない場合がある。また、トリアジン系紫外線吸収剤は、熱可塑性樹脂100重量部に対し、多くても30重量部添加すれば、十分な紫外線吸収能を発揮することができる。また、熱転写性保護層には、それぞれ、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の他に、ヒンダードアミン系光安定剤が添加されてもよい。
第一熱転写性保護層に用いられるヒンダードアミン形の光安定剤としては、コハク酸ジメチル・1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン・2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシラート等を例示でき、これらを単独で又は複数を混合して使用できる。
また、第一熱転写性保護層及び第二熱転写性保護層には、紫外線吸収剤、光安定剤の他にも、必要に応じて熱安定剤、難燃剤、ブロッキング防止剤、触媒促進剤、透明性を維持する範囲での着色剤、半透明化のための光散乱剤、艶調整剤等を添加することができる。酸化防止剤としては、フェノール系、イオウ系、リン系の酸化防止剤が用いられる。組み合わせは任意の組み合わせが可能であるが、多量添加による表面へのブリードアウトや着色、紫外線吸収剤や光安定剤との相乗・拮抗作用には留意する必要がある。熱安定剤としては、ヒンダードフェノール系、硫黄系、肥土レジン系等、難燃剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシシウム等、クエンチャーとして、Niキレート系を用いることができる。
以下、本発明の一実施形態を実施例により具体的に説明する。
<実施例1>
<基材シートへの耐熱滑性層の形成>
基材シートとして厚さ4.5μmの易接着層付きポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱化学:ダイヤホイル)を用いた。これに耐熱滑性層としてポリビニルアセタール樹脂を25重量部(電気化学工業:デンカブチラール)、イソシアネート硬化剤を1.1重量部(三井化学:タケネート)、滑剤を1重量部(第一工業製薬:プライサーフ)をメチルエチルケトン36重量部、トルエン36重量部からなる混合溶剤に溶解させ塗液を作製した。作製した塗液を基材シートの非易接着層側の面にダイレクトグラビアコートにより乾燥後の膜厚が1.0μmになるように塗工し、耐熱滑性層を形成した。
<塗液の作製>
転写性インク層(イエロー):C.I.ソルベントイエロー93を3.0重量部、C.I.ソルベントイエロー16を1.0重量部、ポリビニルアセタール樹脂(電気化学工業:デンカブチラール)5.0重量部をメチルエチルケトン45重量部、トルエン45重量部からなる混合溶剤に溶解させて転写性インク層(イエロー)の塗液を作製した。
転写性インク層(マゼンタ):C.I.ディスパースレッド60を1.5重量部、C.I.ディスパースバイオレット26を1.5重量部、ポリビニルアセタール樹脂(電気化学工業:デンカブチラール)5.0重量部をメチルエチルケトン46重量部、トルエン46重量部からなる混合溶剤に溶解させて転写性インク層(マゼンタ)の塗液を作製した。
転写性インク層(シアン):C.I.ソルベントブルー63を1.5重量部、C.I.ソルベントブルー36を1.5重量部、ポリビニルアセタール樹脂(電気化学工業:デンカブチラール)5.0重量部をメチルエチルケトン46重量部、トルエン46重量部からなる混合溶剤に溶解させて転写性インク層(シアン)の塗液を作製した。
離型層:ポリビニルアルコール20重量部をイソプロピルアルコール20重量部、蒸留水60重量部の混合液に溶解させて、離型層の塗液を作製した。
第一熱転写性保護層:アクリル樹脂(三菱レイヨン:ダイヤナール)30重量部、分子量400以上のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(チバ・ジャパン:チヌビン)3重量部をメチルエチルケトン50重量部、トルエン50重量部からなる混合溶剤に溶解させて第二熱転写性保護層の塗液を作製した。
第二熱転写性保護層:アクリル樹脂(三菱レイヨン:ダイヤナール)30重量部、トリアジン系紫外線吸収剤(チバ・ジャパン:チヌビン)3重量部をメチルエチルケトン50重量部、トルエン50重量部からなる混合溶剤に溶解させて第二熱転写性保護層の塗液を作製した。
<熱転写シートの作製>
上記のように作製された塗液をグラビア法により基材シートの易接着層側の面に、熱転写性インク層(イエロー)、熱転写性インク層(マゼンタ)、熱転写性インク層(シアン)を乾燥後の膜厚1.0μmで面順次に形成した後、離型層の塗液を用いて、離型層を乾燥後の膜厚0.3μmで面順次に形成した後、離型層上に、第一熱転写性保護層用の塗液を用いて、第一熱転写性保護層を乾燥後の膜厚1.0μmで形成した後、さらに引き続いて、第一熱転写性保護層上に第二熱転写性保護層用の塗液を用いて第二熱転写性保護層を乾燥後の膜厚1.0μmで形成し、本発明の熱転写シートを作製した。
<比較例1>
実施例1において第一熱転写性保護層に添加する紫外線吸収剤を分子量400以上のベ
ンゾトリアゾール系紫外線吸収剤からトリアジン系紫外線吸収剤(チバ・ジャパン:チヌビン)にした以外は実施例1と同様にして比較例1の熱転写シートを作製した。
<比較例2>
実施例1において第二熱転写性保護層に添加する紫外線吸収剤をトリアジン系紫外線吸収剤からベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(チバ・ジャパン:チヌビン)にした以外は実施例1と同様にして比較例2の熱転写シートを作製した。
<比較例3>
実施例1において第一熱転写性保護層に添加する紫外線吸収剤を分子量400以上のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤から分子量300以下のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(チバ・ジャパン:チヌビン)にした以外は実施例1と同様にして比較例3の熱転写シートを作製した。
<性能比較>
以上のように作製した実施例1および比較例1、2、3の熱転写シートを、熱転写プリンタを用いて黒ベタ柄を印画した。得られた印画物をキセノンウェザオメーター(アトラス:Ci4000)を用いてブラックパネル温度63℃、相対湿度50%、内側フィルター:Sタイプボロシリケイト、外側フィルター:Sタイプボロシリケイト、照射強度1.2(W/m)(420nm)という条件で96時間照射を行い試験前と試験後の反射濃度(O.D.)を測定し、残存率を求めた。また照射後の印画物についてJIS Z8741に準ずる入射角60°における光沢度を測定した。結果を表1に示す。
本発明の熱転写シートにより、熱転写法により得られる保護層付き印画物に使用するための熱転写シートについて、従来のものより、高度な耐候性を備えた熱転写性保護層を提供することができる。
本発明の熱転写シートは、プリンタの高機能化と併せて各種画像を簡便に形成できるため、身分証明書などのカード類をはじめアミューズメント用出力物等広く利用されている。
1・・・基材
2・・・耐熱滑性層
3・・・熱転写性インク層(イエロー)
4・・・熱転写性インク層(マゼンタ)
5・・・熱転写性インク層(シアン)
6・・・離型層
7・・・第一熱転写性保護層
8・・・第二熱転写性保護層

Claims (3)

  1. 基材シートの一方の面の少なくとも一部に、熱転写性保護層を設けた熱転写シートにおいて、
    前記熱転写性保護層が、複数の層から形成されており、前記基材シート側から、少なくとも、第一熱転写性保護層、第二熱転写性保護層を順次積層し、前記第一熱転写性保護層が、分子量が400以上のベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤を含み、且つ前記ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤は、樹脂100重量部に対し、1〜20重量部添加され、前記第二熱転写性保護層が、トリアジン系の紫外線吸収剤を含み、且つ前記トリアジン系の紫外線吸収剤は、樹脂100重量部に対し、2〜30重量部添加される
    ことを特徴とする熱転写シート。
  2. 前記基材シートの一方の面に、少なくとも、溶融熱転写インク層と前記熱転写性保護層を長手方向へ順次設けた熱転写シートにおいて、前記溶融熱転写インク層が、染料または顔料とバインダからなることを特徴とする請求項1記載の熱転写シート。
  3. 前記基材シートの一方の面に、少なくとも、昇華性熱転写インク層と前記熱転写性保護層を長手方向へ順次設けた熱転写シートにおいて、前記昇華性熱転写インク層が、熱昇華性染料とバインダとからなることを特徴とする請求項1記載の熱転写シート。

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