JP2000071410A - 化粧材の製造方法 - Google Patents

化粧材の製造方法

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JP2000071410A
JP2000071410A JP10244777A JP24477798A JP2000071410A JP 2000071410 A JP2000071410 A JP 2000071410A JP 10244777 A JP10244777 A JP 10244777A JP 24477798 A JP24477798 A JP 24477798A JP 2000071410 A JP2000071410 A JP 2000071410A
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meth
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Reiko Suga
玲子 菅
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐擦傷性、耐熱水性、耐候性に優れた化粧材
を転写で製造する。 【解決手段】 支持体シート1上に、転写層2として少
なくとも2液硬化型ウレタン樹脂からなる中間樹脂層3
とウレタン樹脂のバインダーからなる絵柄層4を有する
絵柄転写シートS1を用いて、間に接着剤層Aを介し基
材Bに転写後、更に、未硬化状態では常温で非流動状態
で熱可塑性の電離放射線硬化性樹脂の未硬化物からなる
保護層5を支持体シート1a上に有する保護層転写シー
トS2で、保護層を転写後、電離放射線照射で保護層を
架橋硬化させて化粧材Dとする際に、2液硬化型ウレタ
ン樹脂に、ポリウレタン部分とアクリル部分とを有し水
酸基価20以上ガラス転移温度70℃以上のウレタン・
アクリルポリオールと、イソシアネートとからなる物を
使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、住宅の外装及び内
装材等の各種用途に用いる化粧材の製造方法に関する。
特に表面に密着性の良い保護層を有し、耐スクラッチ
性、耐熱水性、耐候性に優れた無機系化粧板等の化粧材
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、化粧板等として各種化粧材
が、基材を転写法等によって装飾して製造されている。
例えば、基材を転写で絵付けする場合、絵柄層及び剥
離層のバインダーの樹脂としてウレタン樹脂が用いられ
(特公昭59−20464号公報、特開昭60−101
099号公報等参照)、特に基材が無機系基材でセメン
ト等のアルカリ性基材の場合、耐アルカリ性の良いアク
リルポリオールと、イソシアネートからなる系のウレタ
ン樹脂が用いられていた。そして、耐スクラッチ性等
の表面物性等を向上させたりする為には、更に硬質の樹
脂層からなる保護層を表面に付与していた。例えば、特
公平5−49479号公報等では、未硬化時に常温固体
の紫外線又は電子線で硬化するアクリレート又はメタク
リレート系の電離放射線硬化性樹脂からなる保護層を転
写後、電離放射線として紫外線又は電子線を照射して架
橋硬化させていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
との方法を組み合わせた場合、ウレタン樹脂として、
汎用の例えば、ポリエステルポリオールとトリレンジイ
ソシアネート等を用いた場合、保護層とその前に転写し
た絵柄層等のウレタン樹脂の転写層との密着が不十分
で、耐候性試験等で、保護層と転写層(絵柄層や剥離層
等)との間で剥離が見られた。そこで転写層のウレタン
樹脂として、保護層と同様のアクリレート又はメタクリ
レート構造部分を有し、耐候性、耐アルカリ性も良好な
アクリルポリオールとヘキサメチレンジイソシアネート
等の脂肪族イソシアネートによる2液硬化型ウレタン樹
脂で剥離層を形成することも試みた。しかし、この場
合、該ウレタン樹脂の硬化物からなる剥離層が硬い為
に、転写層を基材に接着させる為の接着剤の硬化収縮や
保護層硬化時の収縮による内部応力に追従しきれず、保
護層の初期密着が不足する為に、耐スクラッチ試験にて
保護層が剥離層から剥がれる事もあった。
【0004】そこで、本発明の課題は、表面の保護層が
絵柄層との密着が良く、耐スクラッチ性、耐熱水性、耐
候性等の物性に優れた化粧材を転写で製造する方法を提
供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、上記課題を解決
すべく、本発明の化粧材の製造方法では、支持体シート
上に、転写層として少なくとも、2液硬化型ウレタン樹
脂からなる中間樹脂層とウレタン樹脂のバインダーから
なる絵柄層とをこの順に有する絵柄転写シートを用い
て、間に接着剤を介して、前記転写層を基材に転写し、
その後、さらにその上に、未硬化の状態では常温で非流
動状態であり且つ熱可塑性である電離放射線硬化性樹脂
の未硬化物からなる保護層を支持体シート上に有する保
護層転写シートを用いて、保護層を転写し、その後、電
離放射線を照射して転写された保護層を架橋硬化させ
て、保護層を有する化粧材を製造する方法であって、前
記2液硬化型ウレタン樹脂が、ポリウレタン部分とアク
リル部分とを有するウレタン・アクリルポリオールと、
イソシアネートとからなり、該ウレタン・アクリルポリ
オールの水酸基価が20以上であり且つガラス転移温度
が70℃以上である構成とした。
【0006】以上の様に、未硬化状態で転写形成する電
離放射線硬化性樹脂からなる保護層に対して、先に絵柄
層と共に転写する中間樹脂層を特定組成の2液硬化型ウ
レタン樹脂とする事で、耐スクラッチ性が良い保護層が
間の中間樹脂層を介して絵柄層と密着良く積層でき、し
かも、その密着性は耐熱水性、耐候性等に於いても優れ
た化粧材が得られる。
【0007】また、本発明の化粧材の製造方法は、上記
製造方法に於いて、転写圧として、固体粒子の衝突圧を
利用する様にした。固体粒子衝突圧を転写圧に利用する
事により、被転写面がゴムローラを用いる従来の転写法
では不可能な様な凹凸表面でも転写でき、より高意匠の
化粧材を容易に製造できる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の化粧材の製造方法について、実施の形態を説明する。
【0009】先ず、図1は本発明の化粧材の製造方法を
説明する概念図である。先ず、図1(A)の如く、絵柄
転写シートS1には、支持体シート1上の転写層2とし
て、少なくとも、前記特定材料の中間樹脂層3と、前記
特定材料の絵柄層4とがこの順に積層されたものを用い
る。一方、図1(B)は、基材Bであり、ここでは、基
材Bの被転写面上には予め接着剤層Aが施してある。も
ちろん、接着剤層は、絵柄転写シートS1側に設けても
良く、基材B及び絵柄転写シートS1の両方に設けても
良い。そして、図1(C)の如く、絵柄転写シートS1
で基材Bに、間に接着剤(接着剤層A)を介して、絵柄
層4及び中間樹脂層3を転写層2として転写する。絵柄
転写シートS1の支持体シート1は剥離され、基材B上
の転写された層の最外層として中間樹脂層3が露出す
る。なお、転写法は基本的には従来公知のローラ転写法
等、任意である。
【0010】そして次は、図1(E)の如く、露出した
中間樹脂層3の面に、保護層5を転写する。保護層5
は、保護層転写シートS2(或いは保護層転写シートS
2a)を用いて転写する。用いる保護層転写シートS2
又はS2aは、図1(D)に示す如く、支持体シート1
a上に前記特定材料の保護層5が積層された構成の保護
層転写シートS2でも良いが、その保護層5の上に更に
セパレータ6が積層された構成の保護層転写シートS2
aでも良い。セパレータを有する形態は、(未硬化状態
の)保護層に(非流動状態ではあっても)粘着性があ
り、取扱いに支障を来す場合に良い。
【0011】そして、図1(E)の如く、保護層転写シ
ートS2又はS2aで、保護層5を中間樹脂層3上に転
写したら、紫外線や電子線等の電離放射線を照射して、
転写された保護層5の架橋硬化を完結させれば、図1
(F)の如き目的とする化粧材Dが得られる。なお、本
発明の化粧材の製造方法では、保護層転写シートの支持
体シート1aの剥離は、保護層の架橋硬化完結後でも良
い。
【0012】図2は、以上に様にして得られた、本発明
の化粧材の一形態を示す断面図である。同図の化粧材D
は、下から順に基材B、下塗り層7、接着剤層A、前記
特定材料の絵柄層4、前記特定材料の中間樹脂層3、前
記特定材料の保護層5からなる構成である。
【0013】以下、さらに本発明の化粧材の製造方法に
ついて詳述する。
【0014】〔基材〕基材Bとしては特に限定は無い。
例えば、材質としては、無機非金属系、金属系、木質
系、プラスチック系等の基材を使用できる。具体的に
は、ケイ酸カルシウム、中空押し出しセメント、スラグ
セメント、ALC(軽量気泡コンクリート)、GRC
(硝子繊維強化コンクリート)、パルプセメント、石綿
セメント、木片セメント、石膏、石膏スラグ等の非陶磁
器窯業系材料、杉、檜、樫、ラワン、チーク等の各種樹
種からなる木材単板や木材合板、パーティクルボード、
集成材、木質中密度繊維板(MDF)等の木質材料、ま
た、鉄、アルミニウム、銅等の金属材料、土器、陶器、
磁器、セッ器、硝子、琺瑯等のセラミックス等の無機質
材料、ポリプロピレン、ABS樹脂、フェノール樹脂等
の樹脂材料等である。
【0015】また、基材の形状は、その化粧面に転写等
で模様層や表面保護層を形成できれば、平板や屈曲した
板、柱状物、成形品等の立体物等と任意である。例え
ば、基材は全体として(包絡面形状が)平板状の板材の
他、断面が円弧状に凸又は凹に1方向に湾曲した二次元
的凹凸を有する基材等でも良い。被転写面としては、平
面以外にも、転写シート及び採用する転写法が、形状追
従性の有るものであれば、凹凸表面でも良い。特に転写
法に後述する固体粒子衝突圧を用いる場合には、なおさ
らである。表面凹凸形状は任意だが、例えば、複数のタ
イルや煉瓦を平面に配置した場合の目地、花崗岩の劈開
面、砂目等の石材表面の凹凸、木材羽目板、浮造木目等
の木材板表面凹凸、簓の無い下見張板の表面凹凸、リシ
ン調、スタッコ調等の吹付塗装面の凹凸等である。
【0016】(下塗り層)なお、基材の被転写面には必
要に応じて下塗り層(べースコート層)を設けておいて
も良い。下塗り層は、基材(セメント等のアルカリ性基
材)からのアルカリ成分溶出の防止(所謂シーラー)、
基材(無機系基材等)の表面の凹凸を埋めて表面を平滑
にし、転写層の転移性を向上させる転写抜けの防止(所
謂目止め)等の目的で設ける。また、下塗り層を着色不
透明とする事により隠蔽性を持たせて、基材自体の色や
模様が模様層の模様に悪影響するのを防ぐ(所謂下地塗
装)目的でも使用できる。これらの場合、下塗り層は接
着剤層を兼用させる事もできる。下塗り層は用途により
1層又は多層で用いる。下塗り層は、基材の材質や表面
状態及びその目的に応じて、樹脂等からなる従来公知の
塗液を塗工し形成すれば良い。例えば、該樹脂として
は、セメント等のアルカリ性基材の場合は、耐アルカリ
性に優れた樹脂が好ましい。耐アルカリ性に優れた樹脂
としては、例えば、アクリルウレタン樹脂、アクリル樹
脂、エポキシ樹脂等が好ましく、なかでも、アクリルウ
レタン樹脂が好ましい。なお、アクリルウレタン樹脂と
しては、主剤にアクリルポリオールを使用し、これをヘ
キサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシア
ネート等のイソシアネートを硬化剤として架橋硬化させ
る2液硬化型樹脂が使用できる。また、下地色調整の場
合は、下塗り層中にチタン白等の隠蔽性の高い顔料を添
加する。なお、下塗り層の形成方法は、スプレーコー
ト、フローコート等の塗工法、スクリーン印刷等の印刷
法等の従来公知の形成方法の中から、基材表面凹凸形状
等により適宜選択する。
【0017】〔絵柄転写シート〕絵柄転写シートS1に
は、図1(A)の如く、支持体シート1と転写移行する
転写層2とからなり、且つ転写層2は少なくとも特定材
料による中間樹脂層3及び特定材料による絵柄層4とか
らなる構成のものを用いる。
【0018】(支持体シート)支持体シート1は、転写
層と離型性が有り、また被転写面に凹凸が有る場合は更
に、凹凸への形状追従性が有るものであれば、従来公知
のもので良く特に限定はない。従って、被転写面が平面
或いは二次元的凹凸表面であれば、延伸性が無い紙等を
用いる事も可能である。また、被転写面が三次元的凹凸
表面の場合には、少なくとも転写時には延伸性の有る支
持体シートを用いる。延伸性のある支持体シートとして
は、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチ
ルペンテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン
−プロピレン−ブテン3元共重合体、オレフィン系熱可
塑性エラストマー等のオレフィン樹脂、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の熱可塑
性ポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹
脂、或いは、ウレタン系熱可塑性エラストマー等のエラ
ストマー等の樹脂からなる、好ましくは低延伸又は無延
伸の樹脂フィルム(シート)を用いる。また、支持体シ
ートはこれらの単層又は異種材料からなる複層構成とし
ても良い。例えば、被転写面が平面的の場合には、上質
紙にポリプロピレンを積層した構成の支持体シートは転
写性に優れ且つ安価である点で好ましい支持体シートの
一つである。なお、支持体シートの厚みは、通常は20
〜200μm程度である。
【0019】なお、支持体シートには必要に応じ、転写
層側に転写層との剥離性を向上させる為、支持体シート
の構成要素として離型層を設けても良い。この離型層は
支持体シートを剥離時に、支持体シートの一部として転
写層から剥離除去される。離型層としては、例えば、シ
リコーン樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタ
ン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ワックス等の単体又はこ
れらを含む混合物が用いられる。例えば上記した上質紙
にポリプロピレンを離型層として積層した支持体シート
である。また、剥離性の調整の為に、支持体シートの転
写層側の面にコロナ放電処理、オゾン処理等を行っても
良い。
【0020】(転写層:中間樹脂層)転写層2における
中間樹脂層3は、絵柄層4と後から別に転写する保護層
5との中間層として介在して、絵柄層4及び保護層5と
の密着性を向上させる層(プライマー層)であり、本発
明ではこの中間樹脂層を特定組成の2液硬化型ウレタン
樹脂からなる層する。
【0021】2液硬化型ウレタン樹脂は、ポリオールを
主剤とし、イソシアネートを架橋剤(硬化剤)とするウ
レタン樹脂であるが、本発明では、該ポリオールとし
て、ポリウレタン部分(ウレタン骨格部分)とアクリル
部分(アクリル骨格部分)とを有するウレタン・アクリ
ルポリオール(単なるウレタンポリオールでも無く、単
なるアクリルポリオールでも無い為に、「ウレタン・ア
クリルポリオール」と呼ぶことにする)であって、水酸
基価が20以上、且つガラス転移温度が70℃以上のポ
リオールを用いる。該ウレタン・アクリルポリオール
は、通常は線状である。単にアクリル部分のみを有する
アクリルポリオールとせずに、ポリウレタン部分も有す
るウレタン・アクリルポリオールを用いることによっ
て、該ポリウレタン部分が柔軟性が高い為に硬化塗膜の
硬度が下がり、接着剤の硬化収縮や保護層硬化時の収縮
による内部応力に追従できる様になり、保護層の絵柄層
に対する密着性を向上させる。従って、アクリルポリオ
ールを用いた場合に発生した、耐スクラッチ性試験に
て、引っ掻いた部分で保護層が剥離する事もなくなる。
また、水酸基価を20以上且つガラス転移温度70℃以
上とすることにって、絵柄転写シート保存時にブロッキ
ングせず、剥離性も良好で製造時の問題も発生せず、且
つ密着性、耐熱水性及び耐候性に優れた化粧材が得られ
る。水酸基価が20以上でもガラス転移温度が70℃未
満であると、ブロッキングし易い。また水酸基価が20
未満でガラス転移温度が70℃未満であると、耐熱水性
及び耐候性し、また耐スクラッチ性が不足する事もあ
る。
【0022】ポリウレタン部分は、通常はジオールとジ
イソシアネートとを反応させて得られるウレタン結合を
複数有する線状の部分である。上記ジオールとしては、
例えば、ポリカーボネートジオール、アクリルジオー
ル、ポリエーテルジオール等の各種のジオールを用い得
る。具体的には、特にポリカーボネートジオール等は、
耐熱水性等に優れた物性が得られる。上記ジイソシアネ
ートとしては、例えば、4,4′−ジフェニルメタンジ
イソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、
1,5−ナフタレンジイソシアネート、n−イソシアネ
ートフェニルスルホニルイソシアネート、n及びp−イ
ソシアネートフェニルスルホニルイソシアネート等の芳
香族ジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソ
シアネート等の脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジ
イソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネー
ト、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂
環式ジイソシアネートを、単独使用又は2種以上使用す
る。なかでも、良好な耐候性を与える点で、脂肪族乃至
は脂環式ジイソシアネートが好ましい。
【0023】また、ポリウレタン・アクリルポリオール
に於けるアクリル部分は、アクリル系モノマーの重合反
応で得られるアクリルモノマー単位を複数有する、通常
は線状の部分である。
【0024】そして、ポリウレタン・アクリルポリオー
ルは、例えば、ジオール、及び(ジ)イソシアネートに
更に、アゾジオールを付加反応させて得られるポリウレ
タンアゾ高分子を、ラジカル重合開始剤として使用し
て、アクリルモノマーをラジカル重合させれば得られ
る。この様な高分子の重合開始剤で得られるポリウレタ
ン・アクリルポリオールは、従来の低分子重合開始剤を
用いて合成されたアクリルポリオールと比較して、硬化
時の硬度が低く接着剤や保護層の硬化収縮に追従し易
い。また、該ポリウレタン・アクリルポリオール中の水
酸基の位置は、末端、側鎖、又は末端と側鎖との両方で
あり、合計2個以上とする。
【0025】また、上記アクリルモノマー等のポリウレ
タン・アクリルポリオールのアクリル部分を構成するア
クリルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル
酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エ
チル、(メタ)アクリル酸−n−プロピル、(メタ)ア
クリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチ
ル、(メタ)アクリル酸イソブチル等の(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステル等が、1種又は2種以上使用され
る。また、アクリル部分に水酸基を導入するには、(メ
タ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル等の水酸基含有
のアクリルモノマーを共重合させる。
【0026】次に、上記ポリウレタン・アクリルポリオ
ールに対する架橋剤であるイソシアネートとしては、前
記ポリウレタン部分に於いてジイソシアネートとして列
記した様な各種のものを用いることができる。また更
に、前記列記したジイソシアネートの他、これらの付加
体、或いは多量体からなる3価(3官能)以上のイソシ
アネートを用いることも出来る。なかでも、特に耐候性
を要求する場合は、例えばヘキサメチレンジイソシアネ
ート等の脂肪族ポリイソシアネート、或いはイソホロン
ジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシ
アネート等の脂環式ポリイソシアネートを用いれば良
い。架橋剤の添加量は、要求物性やポリオールの水酸基
価等にもよるが、ポリウレタン・アクリルポリオールに
対して例えば10重量%程度である。なお、ポリウレタ
ン・アクリルポリオール単体で中間樹脂層を形成せず
に、イソシアネートで架橋させる事で、ポリオール中の
水酸基が消失し、耐熱水性が向上する事になる。その意
味で、ポリオール中の水酸基は、可能な限り全てイソシ
アネート基と反応させることが好ましく、イソシアネー
トの添加量は、ウレタン反応当量乃至はそれを少し上回
ることが好ましい。
【0027】中間樹脂層を支持体シート上に形成するに
は、例えば、グラビアコート、ロールコート等の塗工
法、或いはグラビア印刷、スクリーン印刷等の印刷法等
の従来公知の各種形成方法によれば良い。中間樹脂層の
厚みは、保護層と絵柄層との間に介在して、これら両層
の密着性を向上させれば良いので、通常は0.1〜10
μm程度で良い。
【0028】なお、2液硬化型ウレタン樹脂からなる中
間樹脂層の架橋硬化を完結させる時期は、絵柄層転写シ
ートの基材への積層前とする必要は無い。最終的な反応
完結は、保護層転写シートの転写完了後であっても良
い。例えば、基材表面が凹凸表面の場合等では、架橋硬
化反応は進行すると中間樹脂層の凹凸追従性が低下する
ので、絵柄転写シートを基材に圧接時は好ましくは反応
は完結させずに、圧接後(支持体シート剥離後、或いは
前でも良い)に、反応は完結させると良い。
【0029】(転写層:絵柄層)絵柄層4は、化粧材に
絵柄を付与する層であり、ウレタン樹脂のバインダーか
らなる層である。絵柄層は、グラビア印刷、シルクスク
リーン印刷、オフセット印刷等の印刷方法等の従来公知
の形成方法、材料で形成した層である。絵柄層用インキ
は、一般的なインキ同様に、バインダー等からなるビヒ
クル、顔料や染料等の着色剤、これに適宜加える各種添
加剤からなる。バインダーに用いる樹脂は、通常は例え
ば、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合体、アクリルポリオール等のアクリル樹脂、
ポリエステル樹脂、セルロース系樹脂等の単体又はこれ
らを含む混合物等が用いられる。バインダーの樹脂は、
接着剤層や下塗り層或いは中間樹脂層等の絵柄層に接す
る層との密着性を考慮して適宜選択する。なかでも、本
発明では中間樹脂層に2液硬化型ウレタン樹脂を用いる
ので、絵柄用インキのバインダーとしてウレタン樹脂が
好ましい。該ウレタン樹脂としては、2液硬化型ウレタ
ン樹脂、1液硬化型ウレタン樹脂、又は熱可塑性ウレタ
ン樹脂のいずれかを用いる。
【0030】例えば上記2液硬化型ウレタン樹脂は、ポ
リオールを主剤とし、イソシアネートを架橋剤とするウ
レタン樹脂である。ポリオールとしては、分子中に2個
以上の水酸基を有するもので、例えば、中間樹脂層同様
のポリウレタン・アクリルポリオールでも良いし、その
他、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル等のポリエーテルポリオール、アクリルポリオール、
ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール
等が用いられる。また、イソシアネートとしては、分子
中に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシア
ネートが用いられる。例えば、2,4−トリレンジイソ
シアネート、キシレンジイソシアネート、4,4′−ジ
フェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネ
ート、或いは、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジ
イソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシア
ネート等の脂肪族(或いは脂環式)イソシアネートが用
いられる。或いは、また、上記各種イソシアネートの付
加体、又は多量体を用いる事も出来る。例えば、トリレ
ンジイソシアネートの付加体、トリレンジイソシアネー
トの3量体(trimer)等が有る。なかでも、無黄
変タイプのイソシアネートは耐候性の点で良好な物性を
与える。無黄変タイプのイソシアネートは例えば、ヘキ
サメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネ
ート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジ
フェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族(或いは脂
環式)イソシアネート、或いはその付加体、多量体等で
ある。
【0031】また、例えば上記1液硬化型ウレタン樹脂
としては、湿気硬化型ウレタン樹脂がある。湿気硬化型
ウレタン樹脂は、分子末端にイソシアネート基を有する
プレポリマーを必須成分とする組成物である。前記プレ
ポリマーは、通常は分子両末端に各々イソシアネート基
を1個以上有するポリイソシアネートプレポリマーであ
り、常温で固体の熱可塑性樹脂の状態にあるものであ
る。イソシアネート基同士が空気中の水分により反応し
て鎖延長反応を起こして、その結果、分子鎖中に尿素結
合を有する反応物を生じて、この尿素結合に更に分子末
端のイソシアネート基が反応して、ビウレット結合を起
こして分岐し、架橋反応を起こす。分子末端にイソシア
ネート基を有するプレポリマーの分子鎖の骨格構造は任
意であるが、具体的には、ウレタン結合を有するポリウ
レタン骨格、エステル結合を有するポリエステル骨格、
ポリブタジン骨格等である。適宜これら1種又は2種以
上の骨格構造を採用する。なお、分子鎖中にウレタン結
合がある場合は、このウレタン結合とも末端イソシアネ
ート基が反応して、アロファネート結合を生じて、この
アロファネート結合によっても架橋反応を起こす。
【0032】なお、絵柄層に用いる着色剤の顔料として
は、チタン白、カーボンブラック、弁柄、黄鉛、群青等
の無機顔料、アニリンブラック、キナクリドン、イソイ
ンドリノン、フタロシアニンブルー等の有機顔料、或い
はその他染料等を用いる。なお、絵柄層の絵柄は任意だ
が、例えば木目模様、石目模様、布目模様、タイル調模
様、煉瓦調模様、全面ベタ等である。また、絵柄層とし
ては、上記印刷による層の他に、アルミニウム、クロ
ム、金、銀等の金属を公知の蒸着法等を用いて部分的或
いは全面に形成した金属薄膜層等を併用しても良い。
【0033】〔接着剤〕本発明の化粧材の製造方法で
は、少なくとも中間樹脂層及び絵柄層からなる転写層を
基材に接着させる為の接着剤は、絵柄転写シート側に絵
柄層を形成した上に更に接着剤層として予め設けておい
ても良いし、基材側に接着剤層として設けても良いし、
これら両方に接着剤層を設けても良い。絵柄転写シート
に事前に接着剤層を設けておけば、転写の際に、絵柄転
写シート又は基材の片方又は両方に、接着剤を施すこと
は省略することもできる。但し、絵柄転写シート側のみ
に接着剤層を予め設けておく方法では、絵柄転写シート
に絵柄層等と同時に印刷等で形成できる上、転写時に設
ける手間、装置が省略できる利点があるが、基材が石綿
セメント板等の無機質系基材で、その表面が粗い場合
は、絵柄転写シート側の接着剤層では密着が難しいこと
がある。この様な場合には、基材側に、或いは基材及び
絵柄転写シートの両方に接着剤層を設けると良い。絵柄
転写シートに設ける接着剤層は、基材(或いはその被転
写面に形成された下塗り層、接着剤層)や絵柄層等との
密着性、或いは基材が凹凸表面の場合は更に転写時の伸
び適性等を考慮して適宜選択される。また、基材に設け
る接着剤層は、絵柄転写シートの転写層との密着性を考
慮して適宜選択される。
【0034】これらの接着剤層に用いる接着剤として
は、具体的には、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、熱可
塑性ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂による従来公知
の感熱溶融型接着剤や、ウレタン系の湿気硬化型ホット
メルト接着剤、ゴム系接着剤、或いは保護層で用いるの
と同様に、未硬化の状態では常温で非流動状態であり且
つ熱可塑性である電離放射線硬化性樹脂からなる接着剤
等を使用できる。なお、転写直前に設ける場合は、上記
の他に、感圧型の粘着剤等の接着剤も使用できる。中で
も、本発明では絵柄層にウレタン樹脂を用いた絵柄転写
シートを用いるので、接着剤層にも2液硬化型ウレタン
樹脂のものを基材に形成して、完全硬化前の状態で絵柄
転写シートを圧接すると、密着性等の点で、好ましい結
果が得られる。接着剤層の形成方法は、従来公知の形成
方法で良い。例えば、転写シート側に形成する場合で
は、グラビアコート、ロールコート等の各種塗工方法、
或いはグラビア印刷等の各種印刷方法等から適宜選択
し、基材に形成する場合では、カーテンコート、スプレ
ーコート、軟質ゴムロールやスポンジロール等のロール
を使用したロールコート等の各種塗工方法から(基材側
の場合はその表面凹凸形状等により)適宜選択する。ま
た、無溶剤のホットメルト接着剤の場合は、アプリケー
タ等による熔融塗工法でも良い。なお、接着剤の塗布量
は、接着剤の組成、基材の種類及び表面状態で異なる
が、通常10〜200g/m2 (固形分)程度である。
【0035】〔保護層転写シート〕保護層転写シートS
2は、少なくとも支持体シート1aと、転写移行する転
写層として特定材料の保護層5とからなる。なお、保護
層に粘着性が有る場合は、図1(D)如く、保護層5を
セパレータ6で覆った構成の保護層転写シートS2aと
しても良い。セパレータ6は転写時に剥がして保護層転
写シートを使用する。
【0036】(支持体シート)保護層転写シートに用い
る支持体シート1aとしては、前述の絵柄転写シートS
に用いる支持体シート1として列記した支持体シートが
挙げられる。従って、ここでは重複するので、具体的な
列記は省略する。なお、保護層転写シートの支持体シー
トでは、その保護層側の面に砂目、ヘアライン等の凹凸
模様が、サンドブラスト加工、ヘアライン加工等の従来
公知の賦形方法によって賦形されたシートでも良い(転
写された保護層の表面凹凸模様となる)。
【0037】(保護層)本発明では、保護層として、
(転写シート上に於いて)未硬化の状態では常温で非流
動状態であり且つ熱可塑性である電離放射線硬化性樹脂
の未硬化物からなる層を用いる。この保護層も(保護
層)転写シートによって、基材に絵柄層と共に転写され
た中間樹脂層に接する様にその上に更に転写する。保護
層は、絵柄層や基材を保護し、耐スクラッチ性等の表面
物性の他に化粧材に、耐候性、耐熱水性を付与する層で
ある。
【0038】なお、未硬化とは、硬化完了前の状態であ
り、完全未硬化、或いは部分硬化でも良い。非流動状態
とは、指触乾燥状態(非粘着状態)の他に、粘着(剤)
状態でも良い。粘着状態では粘着で転写でき、非粘着状
態では保護層が熱可塑性であるので、熱融着で転写でき
る。保護層を未硬化状態で転写する為に、被転写面が凹
凸面の場合にも、保護層の凹凸形状への追従性、成形性
も良好となる。また、中間樹脂層との密着性も良好とな
る。なお、本発明で言う「常温」とは、保護層転写シー
トを製造、保存し、またその支持体シートの剥離作業を
行う室内(或いは室外)の雰囲気温度を意味する。具体
的値は、気候や作業環境によって異るが、通常は10〜
40℃の範囲である。又、室温は支持体シートの剥離を
行う最低の温度でもある。また、電離放射線としては、
分子を架橋、重合させ得るエネルギーを有するものであ
れば特に制限は無いが、通常は紫外線又は電子線が用い
られる。
【0039】この様な電離放射線硬化性樹脂としては、
常温固体の非架橋型ポリマー分子中に重合性不飽和基
を持つ化合物を含む組成物、常温液体の重合性不飽和
モノマー又はプレポリマーと常温固体の非架橋型熱可塑
性ポリマーとを混合した組成物等がある。この様な樹脂
は、例えば、ラジカル重合性等の重合性不飽和基又はカ
チオン重合性官能基を有する樹脂である。重合性不飽和
基としては、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリ
ロイルオキシ基があり、また、カチオン重合性官能基と
してはエポキシ基などが挙げられる。例えば、下記する
樹脂(組成物)を使用できる。
【0040】そして、上記、未硬化状態では常温固体で
且つ熱可塑性である電離放射線硬化性樹脂としては、例
えば、次の(I)や(II)の電離放射線硬化性樹脂を
使用できる。
【0041】(I)ラジカル重合性不飽和基を有する、
熱可塑性の次の(1) 又は(2) の2種類の樹脂(プレポリ
マー)。 (1) ガラス転移温度が0〜250℃のポリマー中にラジ
カル重合性不飽和基を有するもの。更に具体的には以下
の〜を重合、もしくは共重合させたものに対し、後
述する方法(a) 〜(d) によりラジカル重合性不飽和基を
導入したものを用いることができる。なお、以下におい
て、例えば(メタ)アクリレートとはアクリレート又は
メタクリレートの意味で用いる。 水酸基を有するモノマー;N−メチロール(メタ)ア
クリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒド
ロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート
など。 カルボキシル基を有するモノマー;(メタ)アクリル
酸、(メタ)アクリロイルオキシエチルモノサクシネー
トなど。 エポキシ基を有するモノマー;グリシジル(メタ)ア
クリレートなど。 アジリジニル基を有するモノマー;2−アジリジニル
エチル(メタ)アクリレート、2−アジリジニルプロピ
オン酸アリルなど。 アミノ基を有するモノマー;(メタ)アクリルアミ
ド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、ジメチルア
ミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチ
ル(メタ)アクリレートなど。 スルフォン基を有するモノマー;2−(メタ)アクリ
ルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸など。 イソシアネート基を有するモノマー;2,4−トルエ
ンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレートの1モル対1モルの付加物などのジイソシア
ネートと活性水素を有するラジカル重合性モノマーとの
付加物など。 上記〜のモノマーと共重合可能で上記〜以外
のモノマー;このモノマーは得られる共重合体のガラス
転移温度や物性を調節する共重合成分として使用する。
例えば、メチル(メタ)アクリレート、プロピル(メ
タ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソ
ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メ
タ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキ
シル(メタ)アクリレートなど。
【0042】次に、上述のようにして得られた重合体又
は共重合体を、以下に述べる方法(a) 〜(d) により反応
させてラジカル重合性不飽和基を導入する。 (a) 水酸基を有するモノマーの重合体又は共重合体の場
合には、前述したの(メタ)アクリル酸などのカルボ
キシル基を有するモノマーなどを縮合反応させる。 (b) カルボキシル基、スルフォン基を有するモノマーの
重合体又は共重合体の場合には、前述の水酸基を有す
るモノマーを縮合反応させる。 (c) エポキシ基、イソシアネート基、或いはアジリジニ
ル基を有するモノマーの重合体又は共重合体の場合に
は、前述の水酸基を有するモノマーもしくは前述の
カルボキシル基を有するモノマーを付加反応させる。 (d) 水酸基あるいはカルボキシル基を有するモノマーの
重合体又は共重合体の場合には、前述のエポキシ基を
有するモノマーあるいは前述のアジリジニルを有する
モノマーあるいは前述のジイソシアネート化合物と水
酸基含有アクリル酸エステルモノマーとの1モル対1モ
ルの付加物等のイソシアネート基を有するモノマーを、
付加反応させる。なお、上記反応を行うには、微量のハ
イドロキノンなどの重合禁止剤を加え、乾燥空気を送り
ながら行うことが望ましい。
【0043】(2) 融点が20℃〜250℃であり、ラジ
カル重合性不飽和基を有する化合物。具体的には、ステ
アリル(メタ)アクリレート、トリアクリルイソシアヌ
レート、シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレー
ト、スピログリコールジアクリレート、スピログリコー
ル(メタ)アクリレートなどである。
【0044】また、上記(1) 及び(2) を混合して用いる
こともできる。更に、上記(1) 又は(2) 、又は(1) 及び
(2) の混合物に対して、反応性希釈剤としてラジカル重
合性のモノマーを加えることもできる。なお、その際に
は、未硬化状態の保護層が常温で非流動状態を維持出来
る範囲内で加えることは勿論である。このラジカル重合
性モノマーは、紫外線や電子線等の電離放射線の照射に
よる架橋密度を上げて耐熱性を向上させる。該モノマー
としては、例えば、前述の〜のモノマーの他に、エ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオー
ルジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ
(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メ
タ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メ
タ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メ
タ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエ
ーテルジ(メタ)アクリレート、ポレエチレングリコー
ルジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、プロ
ピレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アク
リレート、ポリプロピレングリコールジグリシジルエー
テルジ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラグリ
シジルエーテルテトラ(メタ)アクリレートなどを用い
ることができる。配合量は、前記(1) 又は(2) の単独又
は混合物の樹脂100重量部に対して、0.1〜100
重量部で用いることが好ましい。また、後述(ロ) の非架
橋型樹脂を加えることもできる。
【0045】(II)常温で液状(流動状態)の電離放
射線硬化性樹脂に、常温で熱可塑性固体である非架橋型
樹脂を混合して得られる電離放射線硬化性樹脂。 (イ) 常温で液状の電離放射線硬化性樹脂;分子中にラジ
カル重合性不飽和基を有するプレポリマー又はモノマー
の、単体又は混合物からなる組成物である。或いはカチ
オン重合性官能基を有するプレポリマーやモノマーから
なる組成物である。ラジカル重合性不飽和基を有するプ
レポリマーの例としては、ポリエステル(メタ)アクリ
レート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メ
タ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、シ
リコーン(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)
アクリレートなどである。ラジカル重合性不飽和基を有
するモノマーの例としては、単官能モノマーとして、メ
チル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メ
タ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレ
ートなどがある。また、多官能モノマーとして、ジエチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレング
リコールジ(メタ)アクリレート、トリメチールプロパ
ントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン
エチレンオキサイドトリ(メタ)アクリレート、ジペン
タエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペン
タエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどがあ
る。カチオン重合性官能基を有するプレポリマーの例と
しては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型
エポキシ化合物等のエポキシ系樹脂、脂肪酸系ビニルエ
ーテル、芳香族系ビニルエーテル等のビニルエーテル系
樹脂のプレポリマーがある。
【0046】(ロ) 非架橋型樹脂は、電離放射線による架
橋硬化反応に寄与しない常温固体の熱可塑性樹脂であ
り、例えば、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、熱可
塑性ウレタン樹脂、ポリエステル系樹脂、或いは、酢酸
ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ブチラ
ール樹脂等のビニル系樹脂である。例えば、アクリル樹
脂を併用する事で、転写後、架橋硬化された保護層に、
擦傷性等の表面物性の他に、適度の可撓性を与えて、亀
裂が入り難い強靱な表面を与える。また、保護層転写シ
ートに於ける未硬化時の保護層がモノマー成分が多く液
状や粘着性となる場合でも、非粘着非流動状態に調整す
ることもできる。
【0047】該アクリル系樹脂は、そのモノマーとし
て、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、
(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−
プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)
アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチ
ル、(メタ)アクリル酸−n−アミル、(メタ)アクリ
ル酸−n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸−n−オクチ
ル、(メタ)アクリル酸ラウリル等の(メタ)アクリル
酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸−2−クロル
エチル、(メタ)アクリル酸−3−クロルプロピル等の
(メタ)アクリル酸ハロゲン化アルキル、(メタ)アク
ルル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−
2−ヒドロキシプロピル等の水酸基を持つ(メタ)アク
リル酸エステル、α−クロル(メタ)アクリル酸メチ
ル、α−クロル(メタ)アクリル酸エチルなどのハロゲ
ン化(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクルル酸
−1−クロル−2−ヒドロキシエチルなどの水酸基を持
つα−アルキル(メタ)アクリル酸エステル、及び(メ
タ)アクリル酸グリシジル等の(メタ)アクリル系モノ
マーが用いられ、該アクリル系樹脂は、以上の1種又は
2種以上からなる単独重合体又は共重合体である。
【0048】また、これらのアクリル系樹脂は、特に未
硬化時の非流動状態の保護層を非粘着(すなわち、指触
乾燥状態)とする場合は、平均分子量が50,000〜
600,000で、ガラス転移温度が50〜130℃、
好ましくは80〜110℃のものが望ましい。平均分子
量が50,000未満の場合には、保護層の架橋硬化後
の耐スクラッチ性が極度に低下する。一方、平均分子量
が600,000を超える場合には、転写時に保護層が
伸びにくくなり、そのため転写時の変形により、保護層
に亀裂が発生し易い。また、ガラス転移温度が50℃未
満の場合には、保護層の架橋硬化後の耐スクラッチ性が
極度に低下する。一方、ガラス転移温度が130℃を超
える場合には、転写時の保護層が伸びにくくなる。
【0049】なお、電離放射線硬化性樹脂として、紫外
線にて硬化させる紫外線硬化性樹脂を使用する場合に
は、上記の樹脂中に、さらに公知の光重合開始剤を添加
する。光重合開始剤としては、ラジカル重合型の樹脂の
場合、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサ
ントン類、ベンゾイン類、パーオキシド類等を単独又は
混合して用いる。そして、光重合開始助剤としては、ア
ミン類、キノン類等を用いる。また、カチオン重合型樹
脂の場合、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム
塩、メタロセン等を単独又は混合して用いる。
【0050】また、上記電離放射線硬化性樹脂中には、
更に、必要に応じて、各種添加剤を添加することもでき
る。これらの添加剤としては、例えば、炭酸カルシウ
ム、硫酸バリウム、シリカ、アルミナ等の微粉末からな
る体質顔料(充填剤)、ワックス、樹脂ビーズ、染料、
顔料等の着色剤、熱重合禁止剤、接着付与剤、チキソト
ロピック付与剤、可塑剤、紫外線吸収剤、光安定剤等で
ある。
【0051】この様な電離放射線硬化性樹脂の未硬化物
からなる保護層を、支持体シート上に形成するには、無
溶剤の樹脂組成物の溶融物として、或いは溶剤で希釈し
た溶液として、従来公知の塗工法で塗工すれば良い。塗
工法としては、例えば、グラビアコート、グラビアリバ
ースコート、ロールコート、リバースロールコート、ナ
イフコート、ワイヤーバーコート、カーテンコート、コ
ンマコート等である。保護層の厚みは、用途によるが通
常1〜100μm程度である。なお、本発明では、保護
層が熱可塑性で熱融着或いは粘着可能なので、保護層上
に更に接着剤層は設ける必要は無い。
【0052】なお、保護層は、特に非粘着状態とするの
が保護層転写シートの取扱いの点からは好ましい。しか
し、粘着性が有る場合は、図1(D)の如く、セパレー
タ6を併用すれば良い。セパレータ(離型シート)とし
ては、特に制限は無く従来公知のものを使用すれば良
い。例えば、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィ
ルム等の樹脂フィルムや紙等を基材として、この表面を
シリコーン樹脂、ポリメチルペンテン等の塗工で、離型
処理した物が使用できる。厚みは通常50〜200μm
程度である。
【0053】(保護層硬化の時期)また、転写した後の
保護層に紫外線や電子線等の電離放射線を照射して架橋
硬化させて完全硬化させる時期は、保護層転写シートに
より、基材上の既に転写された(中間樹脂層及び絵柄層
等からなる)転写層上に保護層が圧接され、保護層が該
転写層と接着(接触)した後であれば、支持体シートの
剥離除去前でも後でもよい。
【0054】〔転写法〕本発明の化粧材の製造方法に
て、絵柄転写シートや保護層転写シートの転写で採用す
る転写法は、特に限定されないが、例えば下記及び
等の従来公知の転写法を採用できる。中でも、のロー
ラ転写法は平易な転写法であり、また弾性体ローラを軟
質とすることで、基材に多少の表面凹凸が有っても転写
できる転写法として好ましい。また、の固体粒子衝突
圧を利用した転写法は、平面はもちろん、従来は不可能
であった大きな表面凹凸にも転写できる転写法として好
ましい。
【0055】特公昭60−59876号公報、特開平
5−270199号公報、特開平5−139097号公
報に記載されるように、転写シートを、転写層を基材側
に向けて、支持体シート側から転写ローラとなる弾性体
ローラとしてゴムローラで加圧し、転写層が基材に圧着
後、支持体シートを剥離する、所謂ローラ転写法、 特公昭56−45768号公報(オーバーレイ法)、
特公昭60−58014号公報(真空プレス法)等に記
載されるように、成形品等の立体形状物品の基材の表面
に転写シートを対向又は載置し、基材側からの少なくと
も真空吸引、更に適宜転写シート側からの圧空押し付
け、による圧力差により転写シートの転写層を基材の表
面に転写する、所謂真空成形積層法を利用した転写方法
(真空成形転写法)等である。 特開平9−315095号公報に開示された様に、転
写圧の押圧手段自体が新規な転写法として、転写圧に固
体粒子衝突圧を利用した転写法がある。この転写法は、
ローラ転写法、真空成形転写法等では不可能な大きな三
次元形状等の表面凹凸の基材にも転写可能であり、後で
詳述する。特にこの転写法は、深い溝や凹凸の凹部内部
までも転写したい場合等の様にローラ転写法では不可能
な表面凹凸にも適用できる転写方法である。
【0056】(ローラ転写法)所謂ローラ転写法では、
基材に対して、支持体シートと転写層とからなる転写シ
ートを、転写層側を基材側に向けて、支持体シート側か
ら転写ローラとして弾性体ローラを用いて押圧して転写
圧を加えて、転写層が基材に接着後、支持体シートを剥
離することで、転写層を基材に転写する方法である。ロ
ーラ転写法は、被転写面が平坦或いはその表面凹凸が比
較的小さい基材に対して適用できる。弾性体ローラとし
ては、通常、鉄等の剛体の回転軸芯の表面周囲を軟質の
弾性体で被覆したローラを用いる。弾性体としては、シ
リコーンゴム、ネオプレンゴム、フッ素ゴム、スチレン
−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、天然ゴム等のゴム
を用いる。特に、耐熱性、耐久性、弾性等の点からシリ
コーンゴムが好ましい。また特に、基材の転写すべき被
転写面の凹凸形状が大きい場合は、弾性体として、JI
S規格のゴム硬度が60°以下のものを使用すること
が、転写シートを凹凸面に追従成形させる為に好まし
い。弾性体ローラの直径は、通常5〜20cm程度であ
る。また、通常、弾性体ローラは内部の電熱ヒータや外
部の赤外線輻射ヒータ等の加熱源により加熱して加熱ロ
ーラとしても使用できる。
【0057】(真空成形転写法)上記の真空成形転写
法とは、転写シートを転写層が基材側に向く様にして配
置し、転写シートの表裏両側の気圧差を少なくとも基材
側からの真空吸引によって発生させ、少なくとも該気圧
差によって転写シートを基材に押圧して密着させた後、
転写シートの支持体シートを剥離して、基材に転写層を
転写する転写方法である。通常、転写シートの基材側を
減圧にして転写シート表裏間の空気圧差を与える。ま
た、更に転写シートの支持体シート側からも加圧空気に
より加圧すれば、より大きな空気圧差を与えられる。な
お、真空プレス法は、転写シートの基材への押圧に空気
圧以外に、弾性体膜としてゴム状弾性膜の収縮力(収縮
圧)も利用する点、転写シートの加熱をヒータにより加
熱されたゴム状弾性膜を通して行う点等が若干異なり、
転写シートの均一加熱とより強い押圧力等に特徴があ
る。
【0058】(固体粒子衝突圧を利用した転写法)新規
な転写方法である固体粒子衝突圧を利用した転写法は、
弾性体ローラでは適用出来ない大きな表面凹凸を有する
基材に対して好適てある。この方法は、基材の被転写面
側に、転写シートの転写層側を対向させ、該転写シート
の支持体シート側に固体粒子を衝突させ、その衝突圧を
利用して、基材の被転写面への転写シートの圧接を行
い、転写層が基材に接着後、転写シートの支持体シート
を剥離除去することで、転写層を基材に転写する転写法
である。すなわち、図3に示す如く、支持体シートと転
写層とからなる転写シートS(前記絵柄転写シートS1
や保護層転写シートS2、S2aである)の支持体シー
ト側(図面上方)から、多数の固体粒子Pを衝突させ、
その衝突圧によって転写シートを基材Bの表面形状に追
従させ成形するとともに転写シートを、基材のうち少な
くとも転写すべき被転写面に押圧して圧着させる。その
後、支持体シートのみ剥離除去することで転写が完了す
る。なお、固体粒子Pに付記した矢印は、固体粒子の速
度ベクトルを表す。
【0059】固体粒子としては、ガラスビーズ等の無機
粒子、亜鉛、鉄等の金属粒子、ナイロンビーズや架橋ゴ
ムビーズ等の樹脂ビーズ等の有機粒子、或いは金属等の
無機粒子と樹脂とからなる無機物・樹脂複合粒子等を使
用する。粒子形状は球形状が好ましいが、その他の形状
でも用い得る。粒径は通常10〜1000μm程度であ
る。固体粒子は噴出器から転写シートに向かって噴出さ
せ、転写シートに衝突したその衝突圧が転写圧となる。
噴出器には、代表的には羽根車や吹出ノズルを用いる。
羽根車はその回転により固体粒子を加速し、吹出ノズル
は高速の流体流で固体粒子を加速する。羽根車や吹出ノ
ズルには、サンドブラスト或いはショットブラスト、シ
ョットピーニング等とブラスト分野にて使用されている
ものを流用できる。例えば羽根車には遠心式ブラスト装
置、吹出ノズルには加圧式や吸引式ブラスト装置、ウェ
ットブラスト装置等である。遠心式ブラスト装置は羽根
車の回転力で固体粒子を加速し噴出する。加圧式ブラス
ト装置は、圧縮空気に混合しておいて固体粒子を、空気
と共に噴出する。吸引式ブラスト装置は、圧縮空気の高
速流で生ずる負圧部に固体粒子を吸い込み、空気と共に
噴出する。ウェットブラスト装置は、固体粒子を液体と
混合して噴出する。
【0060】図4及び図5は、羽根車による噴出器の一
例を示す概念図である。羽根車812は、複数の羽根8
13がその両側を2枚の側面板814で固定され、且つ
回転中心部は羽根813が無い中空部815となってい
る。更に、この中空部815内に方向制御器816を内
在する(図5参照)。方向制御器816は、外周の一部
が円周方向に開口した開口部817を有し中空筒状で羽
根車812の回転軸芯と同一回転軸芯で、羽根車とは独
立して回動自在となっている。羽根車使用時は、方向制
御器の開口部を適宜の方向に向くように固定して、固体
粒子の噴出方向を調整する。更に、この方向制御器の内
部に、内部中空で羽根車812の回転軸芯と同一回転軸
芯のもう一つの羽根車が散布器818として内在する
(図5参照)。散布器818は外側の羽根車812と共
に回転する。そして、前記側面板814の回転中心には
回転軸819が固定され、回転軸819は、軸受820
で回転自在に軸支され電動機等の回転動力源(図示略)
によって駆動回転され、羽根車812が回転する。また
回転軸819は、羽根813を間に有する2枚の側面板
814間には貫通しておらず、軸無しの空間を形成して
いる。そして、散布器818の内部に固体粒子Pがホッ
パ等から輸送管を通って供給される。通常、固体粒子
は、羽根車の上方(直上又は斜上方)から供給する。散
布器内に供給された固体粒子は散布器の羽根車で外側に
飛び散る。飛び散った固体粒子は、方向制御器816の
開口部817によって許された方向にのみ放出され、外
側の羽根車812の羽根813と羽根813との間に供
給される。そして、羽根813に衝突し、羽根車812
の回転力で加速され、羽根車から噴出する。羽根車81
2の寸法は、通常直径5〜60cm程度、羽根の幅は5
〜20cm程度、羽根の長さは、ほぼ羽根車の直径程
度、羽根車の回転数は500〜5000〔rpm〕程度
である。固体粒子の噴出速度は10〜50〔m/s〕程
度、投射密度(基材単位面積当たりに衝突させる固体粒
子の総重量)は10〜150〔kg/m2 〕程度であ
る。
【0061】次に、図6は吹出ノズルを用いた噴出器の
一例を示す概念図である。同図の噴出器840は固体粒
子加速流体として空気等の気体を用い、固体粒子噴出時
に該気体と固体粒子を混合して噴出する形態の噴出器の
一例である。噴出器840は、固体粒子Pと流体Fを混
合する誘導室841と、誘導室内に流体を噴出する内部
ノズル842と、ノズル開口部843から固体粒子及び
流体を噴出する吹出ノズル部844からなる。圧縮機等
からの加圧状態の流体Fを、内部ノズル842から噴出
し誘導室841を経てノズル844のノズル開口部84
3から噴出する際に、噴出器内の誘導室841にて、高
速で流れる流体流の作用で負圧を作り、この負圧により
固体粒子を流体流に導き混合し、流体流で固体粒子を加
速、搬送して、ノズル844のノズル開口部843から
流体流と共に噴出するものである。なお、固体粒子加速
流体に液体を用いる吹出ノズル等もある。流体圧は吹付
圧力で通常0.1〜10kg/cm2 程度である。流体
流の流速は、液流では通常1〜20m/秒程度、気流で
は通常5〜80m/秒程度である。
【0062】噴出器は、1個のみでは加圧領域を所望の
形状、大きさに出来ない場合は、複数用いる。例えば、
転写シート及び基材の送り方向に直交して幅方向に全幅
を加圧領域とするには、幅方向に一直線状に複数個を配
置して、幅方向に直線状で幅広の帯状形状の加圧領域と
する。また、衝突圧印加時間を長くするには、噴出器
は、例えば転写シート及び基材の送り方向に向かって2
列以上配置する多段配置とする。複数個を配列時は、個
々の噴出器の隣接する加圧領域を互いに一部重複させる
ことが好ましい。なお、固体粒子の衝突圧は、例えば転
写シート送り方向に直交する幅方向の中央部が最大で、
幅方向両端部に近い程低下する山型圧力分布等と、不均
一に設定することもできる。この設定は、中央部から両
端部に向かって順次段階的に圧着を進行させ、内部に空
気を抱き込むことを防ぐ。もちろん、衝突圧は転写が完
全に行える圧以上で、且つ転写シートの歪み、基材の変
形、破損等の生じない圧以下の適正圧力範囲内とする。
【0063】また、複数の噴出器を用いる場合、基材の
被転写面の包絡面(の搬送方向に直交する断面形状)が
例えば円型になる円筒状の凸曲面であれば、各噴出器が
主とし受け持つ個別の衝突面に対して、略垂直に固体粒
子が衝突する様に、噴出器の向きを、近接する基材の包
絡面法線方向をカバーする様に複数配置することもでき
る。
【0064】また、実際に固体粒子を用いて転写する際
は、固体粒子は周囲の雰囲気中に飛散させずに且つ循環
再利用するのが好ましい。そこで、転写する空間を周囲
空間と隔離するチャンバ内で、固体粒子を転写シートに
衝突させて転写圧を加える等すると良い。支持体シート
の剥離は、チャンバ外でも良い。支持体シートの剥離
は、転写層が基材に密着し、支持体シートが破れたりせ
ずに剥離可能な状態になれば、固体粒子衝突圧の解除直
後でも良いし、間を置いてからでも良いからである。
【0065】また、好ましくは、予め熱可塑性樹脂の支
持体シートからなる転写シートは、赤外線輻射ヒータ等
で加熱軟化させて延伸性を付与し、基材が熱容量の大き
い場合は予め予熱し、熱融着型の接着剤層として作用さ
せる層(場合によるが、絵柄層、中間樹脂層、接着剤層
等)は、加熱活性化させた状態で固体粒子を転写シート
に衝突させる様にする。なお、熱融着により転写する場
合、熱融着する層を活性化して熱融着させる為に加熱す
るタイミングは、衝突圧印加前、衝突圧印加中、或いは
衝突圧印加前及び印加中などのいずれでも良い。加熱は
転写シートや基材を加熱して行う。また、衝突圧印加中
の加熱には、加熱固体粒子や、固体粒子加速用の流体を
加熱流体として用いても良い。一方、転写シートが基材
が凹凸表面の場合はその表面形状に追従し、成形され、
転写層が基材に十分に接触すれば、冷風等の冷却手段で
熱融着した層の冷却を促進しても良い。冷風は、転写シ
ート側や基材側から吹き付ける。また、冷却手段とし
て、冷却固体粒子、冷却流体も用いることもできる。冷
却促進は、基材が凹凸表面の場合にその凹部内部にまで
追従成形された転写シートが衝突圧開放後に復元力があ
る場合に戻るのも防止する。
【0066】〔化粧材の用途〕化粧材の用途は各種用途
に用いられ得る。例えば、サイディング等の外壁、塀、
屋根、門扉、破風板等の外装、壁面、天井、床等の建築
物の内装、窓枠、扉、手摺、敷居、鴨居等の建具類の表
面化粧、箪笥等の家具やテレビ受像機等の弱電・OA機
器のキャビネットの表面化粧、自動車、電車、航空機、
船舶等の乗物内装材等の各種分野で用いられ得る。な
お、化粧材の形状は、平板以外にも、曲面板、棒状体、
立体物等でも良い。なかでも、本発明で得られる化粧材
は、耐スクラッチ性、耐熱水性、耐候性等に優れる為、
浴室、洗面台、キッチンパネル等の水回りの用途は好適
である。
【0067】
【実施例】次に実施例及び比較例により本発明を更に説
明する。
【0068】〔実施例〕基材として、化粧面が平坦面の
フレシキブルボード(ポルトランドセメント対石綿の重
量比が65対35で、厚み5mmの板材)の表面を除塵
後、目止め及び下地色調整の為の下塗り層として、白色
顔料としてチタン白を含有する2液硬化型アクリルウレ
タン樹脂塗料を80g/m2 (固形分基準)スプレー塗
布し、80℃のオーブンで10分間加熱乾燥して、硬化
させた。そして、上記基材を60℃に予熱した後、その
下塗り層の上に、絵柄の転写抜けを防ぎ確実に転写する
様に、ガラス転移温度が100℃で水酸基価が40のウ
レタン・アクリルポリオールの主剤と、1,6−ヘキサ
メチレンジイソシアネートの硬化剤とを12対1重量比
に配合して調整した2液硬化型ウレタン樹脂系接着剤
を、ロールコータにて5g/m2 (固形分基準)塗布
し、80℃のオーブンで90秒間加熱して乾燥させ、
(完全硬化前とした)接着剤層を形成した。
【0069】(絵柄転写シート)次に、絵柄層形成用の
転写シートは、その支持体シートとして、上質紙に厚さ
25μmの離型層としてしポリプロピレンを溶融押出塗
工で積層した総厚60μmの積層体からなるシートを用
意した。そしてこの支持体シートの離型層側に、ウレタ
ン・アクリルポリオールとして、ガラス転移温度が70
℃で、水酸基価が20で、ポリオール中に占めるアクリ
ル部分を示すアクリル含有量が44重量%のポリオール
100重量部に対して、これに硬化剤として1,6−ヘ
キサメチレンジイソシアネートを8重量部用いた2液硬
化型ウレタン樹脂からなるインキを用いて、中間樹脂層
をグラビア印刷で形成し、引き続き、バインダーの樹脂
に熱可塑性ウレタン樹脂(ポリカーボネートジオールと
イソホロンジイソシアネートからなりユリア結合も有す
る)を用い、無機顔料からなる着色剤を添加してなる着
色インキをグラビア印刷で多色刷りして絵柄層(全ベタ
層を含む複層構成)を形成した。なお、絵柄層の厚みは
塗布量で0.5g/m2 である。而る後、中間樹脂層を
指触乾燥状態に半硬化させた。
【0070】なお、実施例、及び下記の各比較例で中間
樹脂層に用いた2液硬化型ウレタン樹脂の内容は、表1
にまとめて示す。
【0071】(絵柄転写シートの転写)そして、上記絵
柄転写シートを、185℃に加熱した弾性体ローラ(鉄
芯の周囲をJIS硬度60度のシリコーンゴムで被覆し
たローラ)で接着剤層を形成した上記基材に押圧し加熱
し、中間樹脂層及び絵柄層からなる転写層を転写した。
転写速度は3m/分とした。
【0072】(保護層転写シート)厚さ50μmの2軸
延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムからなる支持
体シートの片面に、保護層として、ガラス転移温度が1
20℃のトリアジンアクリレートプレポリマー及び光重
合開始剤〔チバガイギー社製、イルガキュア184(1
−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)〕からな
る電離放射線硬化性樹脂を、メチルエチルケトンとトル
エンの1対1重量比の混合溶剤で希釈した塗液をロール
コート法で塗布し乾燥して厚さ50μmの保護層を形成
して、保護層転写シートとした。
【0073】そして、前記絵柄転写シートの転写後の基
材に対して、絵柄転写シートの転写時と同様(但し、ロ
ーラ加熱温度は185℃)にして、保護層転写シートに
よる転写を行った。そして、支持体シート剥離後の転写
された保護層の面に対して、紫外線を照射し(80W/
cm高圧水銀灯、送り速度3m/分)、保護層の架橋硬
化を完結させた。そして、40℃のオーブン中に3日間
放置して養生し、接着剤、及び中間樹脂層を完全硬化さ
せ、化粧材を得た。性能評価結果は、表2に比較例と共
にまとめて示す。
【0074】〔比較例1〕実施例において、絵柄転写シ
ートとして、転写層に中間樹脂層が無く絵柄層のみの絵
柄転写シートを用いた。その他は実施例同様に化粧材を
試作した。
【0075】〔比較例2〕実施例において、中間樹脂層
の2液硬化型ウレタン樹脂の主剤であるポリオールとし
て、ウレタン・アクリルポリオールの代わりに、ガラス
転移温度99℃、水酸基価27のアクリルポリオール
(つまり、アクリル含有量100重量%)を用い、主剤
/硬化剤=100/10(重量比)の比率の2液硬化型
ウレタン樹脂とした他は、実施例同様に化粧材を試作し
た。
【0076】〔比較例3〕実施例において、中間樹脂層
の2液硬化型ウレタン樹脂の主剤であるウレタン・アク
リルポリオールを、アクリル含有量は44重量%のまま
で、ガラス転移温度−19℃、水酸基価6に変更し、主
剤/硬化剤=100/2(重量比)の比率の2液硬化型
ウレタン樹脂とした他は、実施例同様に化粧材を試作し
た。
【0077】〔比較例4〕実施例において、中間樹脂層
の2液硬化型ウレタン樹脂の主剤であるウレタン・アク
リルポリオールを、アクリル含有量は44重量%のまま
で、ガラス転移温度−15℃、水酸基価15に変更し、
主剤/硬化剤=100/7(重量比)の比率の2液硬化
型ウレタン樹脂とした他は、実施例同様に化粧材を試作
した。
【0078】〔比較例5〕実施例において、中間樹脂層
の2液硬化型ウレタン樹脂の主剤であるウレタン・アク
リルポリオールを、アクリル含有量50重量%、ガラス
転移温度39℃、水酸基価6に変更し、主剤/硬化剤=
100/2(重量比)の比率の2液硬化型ウレタン樹脂
とした他は、実施例同様に化粧材を試作した。
【0079】〔比較例6〕実施例において、中間樹脂層
の2液硬化型ウレタン樹脂の主剤であるウレタン・アク
リルポリオールを、アクリル含有量40重量%、ガラス
転移温度58℃、水酸基価25に変更し、主剤/硬化剤
=100/9(重量比)の比率の2液硬化型ウレタン樹
脂とした他は、実施例同様に化粧材を試作した。
【0080】〔性能評価〕 耐ブロッキング性、剥離性、耐スクラッチ性、
耐熱水性、耐候性を次の様にして評価した。評価結果
は表2に示す。
【0081】耐ブロッキング性:60℃に於いて、絵
柄転写シートを複数枚重ねた上から、2kgf/cm2
の圧力を20時間加えた後、ブロッキングしないものは
良好「○」、ブロッキングするものは不良「×」とし
た。 剥離性:絵柄転写シートの支持体シート剥離時の剥離
力が、10〜30gf/25mm幅は良好「○」、50
gf/25mm以上は不良「×」とした。 耐スクラッチ性:10円硬貨の角で、化粧材の保護層
表面に引っ掻いた時に、凹みが出来るものは良好
「○」、引っ掻き部分と一緒に中間樹脂層が剥離するも
のは不良「×」とした。 耐熱水性:化粧材の表面を90℃の熱水に4時間接触
させた後、60℃で2時間乾燥する操作を1サイクルと
して、10サイクル繰り返した後、60℃で24時間乾
燥させ、碁盤目テストを行い、転写された層の密着力を
評価した。碁盤目テストは、化粧材上の保護層の上から
4mm間隔で碁盤目状に縦横に基材にまで達する切り込
みを入れて、縦横4×4個の合計16個の枡目を作った
後、JIS Z 1522で規定するセロハン粘着テー
プ(ニチバン株式会社製、工業用24mm幅)を室温2
0℃にて貼り付け、JIS S 6004に規定する消
しゴムで擦り化粧材表面にテープを十分に付着させる。
そして、付着させてから1〜2分後に、テープの一端を
持って試験体に直角に保ち、瞬間的に引き剥がし、剥が
れた枡目数で評価した。剥がれが皆無のものは良好
「○」、1枡でも剥がれたものは不良「×」とした。 耐候性:サンシャインウェザオメータ(カーボンアー
ク灯型、ブラックパネル温度63℃、降雨時間は18分
/120分中))で240時間の促進耐候性試験を行っ
た後、転写された層の密着力を、耐熱水性の場合と同様
に碁盤目テストによって評価した。
【0082】
【表1】
【0083】
【表2】
【0084】表2に示す如く、実施例では、耐ブロッキ
ング性、剥離性、耐スクラッチ性、耐熱水性、耐候性の
全てに優れるが、比較例ではこれら全性能を満足するも
のは得られない。中間樹脂層を省略した比較例1では、
耐スクラッチ性は良いが、耐熱水性及び耐候性が不良と
なる。また、中間樹脂層を単なるアクリルポリオールを
使用した2液硬化ウレタン樹脂とした比較例2では、剥
離が重い上、耐スクラッチ性が中間樹脂層を使用しない
比較例1よりも悪化し、耐熱水性、耐候性も不良で、熱
水接触中に中間樹脂層が剥離し、比較例1よりもむしろ
悪化する。
【0085】また、中間樹脂層の2液硬化ウレタン樹脂
にウレタン・アクリルポリオールを使用しても、ガラス
転移温度が70℃未満で水酸基価も20未満の比較例3
〜5では、耐スクラッチ性は良好となるが、耐ブロッキ
ング性が不良となったり(比較例4)、耐熱水性及び耐
候性が不良となる(比較例3及び比較例5)。また、ウ
レタン・アクリルポリオールの水酸基価が20以上でも
ガラス転移温度が70℃未満(58℃)の比較例6で
は、耐ブロッキング性が不良となり、安定的製造に使用
出来る得るものではない。但し、剥離性、耐スクラッチ
性、耐熱水性、耐候性は良好となる。なお、比較例6に
て、中間樹脂層をウレタン・アクリルポリオール単体
(イソシアネート架橋せず)とすれば耐ブロッキング性
は良好となるが、水酸基を有する熱可塑性樹脂のままで
あり耐熱水性等が不良となる。従って、2液硬化型ウレ
タン樹脂とすべく、イソシアネートを配合すると通常は
低分子のイソシアネートの為にタックが出て、水酸基価
が大きい場合はイソシアネート配合量も多くなる為、耐
ブロッキング性が悪化する事になる。
【0086】
【発明の効果】本発明の化粧材の製造方法によれば、
耐スクラッチ性が良い保護層を間に中間樹脂層を介して
絵柄層と密着良く積層でき、またその密着性は耐熱水
性、耐候性等に於いても優れた化粧材が得られる。これ
ら性能は、中間樹脂層をアクリルポリオールを使用する
2液硬化型ウレタン樹脂で形成する場合は得られない。 また、保護層や中間樹脂層及び絵柄層の転写の転写圧
に固体粒子衝突圧を採用すれば、大きな三次元的凹凸表
面が装飾された化粧材が容易に得られる。もちろん、二
次元的凹凸も可能で、平板状の板材以外にも瓦の様に全
体として(包絡面形状が)波うち形状のもの、或いは凸
又は凹に湾曲した形状のものでも容易に得られる。ま
た、大柄な凹凸表面の凸部上、凹部内(底部や凸部と底
部の連結部分である側面)も転写できる。また、大柄な
凹凸の凸部上に、更に微細な凹凸(例えば梨地等)が有
る場合でも、その微細凹凸の凹部内にまで、転写でき
る。また、従来のゴムローラ押圧方式の様に、基材の凹
凸部によるローラ等部品の損耗も無い。従って、従来に
無く極めて意匠性に優れた化粧材が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化粧材の製造方法を説明する概念図。
【図2】本発明の化粧材の製造方法で得られる化粧材の
一形態を示す断面図。
【図3】固体粒子衝突圧を利用した転写法を概説する説
明図。
【図4】羽根車を用いた噴出器の一例を概念的に説明す
る斜視図。
【図5】図4の羽根車内部を説明する概念図。
【図6】吹出ノズルによる噴出器の一例を概念的に説明
する断面図。
【符号の説明】
1 支持体シート 2 転写層 3 中間樹脂層 4 絵柄層 5 保護層 6 セパレータ 7 下塗り層 11 支持体シート 12 転写層 812 羽根車 813 羽根 814 側面板 815 中空部 816 方向制御器 817 開口部 818 散布器 819 回転軸 820 軸受 840 吹出ノズルを用いた噴出器 841 誘導室 842 内部ノズル 843 ノズル開口部 844 ノズル A 接着剤層 B 基材 D 化粧材 F 流体 P 固体粒子 S 転写シート S1 絵柄転写シート S2 保護層転写シート S2a 保護層転写シート
フロントページの続き Fターム(参考) 3B005 EB09 EC02 EC03 EC05 FA08 FB13 FC02Y FC07Y FC09Y FC09Z FD05Y 4F100 AE02 AE10 AK07 AK25C AK51B AK51C AL01C AL05C AR00B AR00D AS00B AT00A BA04 BA07 BA10A BA10D CB00 EC042 EC202 EJ523 GB08 GB81 HB00B HB21 JA05C JB07 JB14D JB16D JK06 JK12 JL09 YY00C

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体シート上に、転写層として少なく
    とも、2液硬化型ウレタン樹脂からなる中間樹脂層とウ
    レタン樹脂のバインダーからなる絵柄層とをこの順に有
    する絵柄転写シートを用いて、間に接着剤を介して、前
    記転写層を基材に転写し、その後、さらにその上に、未
    硬化の状態では常温で非流動状態であり且つ熱可塑性で
    ある電離放射線硬化性樹脂の未硬化物からなる保護層を
    支持体シート上に有する保護層転写シートを用いて、保
    護層を転写し、その後、電離放射線を照射して転写され
    た保護層を架橋硬化させて、保護層を有する化粧材を製
    造する方法であって、 前記2液硬化型ウレタン樹脂が、ポリウレタン部分とア
    クリル部分とを有するウレタン・アクリルポリオール
    と、イソシアネートとからなり、該ウレタン・アクリル
    ポリオールの水酸基価が20以上であり且つガラス転移
    温度が70℃以上である、化粧材の製造方法。
  2. 【請求項2】 転写時の転写圧として、固体粒子衝突圧
    を利用する、請求項1記載の化粧材の製造方法。
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