JP2949618B2 - 曲面転写方法及び曲面転写装置 - Google Patents

曲面転写方法及び曲面転写装置

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JP2949618B2
JP2949618B2 JP2834397A JP2834397A JP2949618B2 JP 2949618 B2 JP2949618 B2 JP 2949618B2 JP 2834397 A JP2834397 A JP 2834397A JP 2834397 A JP2834397 A JP 2834397A JP 2949618 B2 JP2949618 B2 JP 2949618B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、住宅の外装及び内
装材、家具、家電製品等の化粧板について、特に装飾さ
れた凹凸表面を有する化粧板の製造方法及び製造装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、化粧板の基材面に転写法により絵
柄等の装飾を施した化粧板が種々の用途で使用されてい
る。この場合、基材の表面が平面ならば、絵柄装飾は容
易にできるが、凹凸表面に対しては格別の工夫により絵
柄装飾を施している。例えば、特開平5−139097
号公報、特開平6−99550号公報には、転写ローラ
として軟質弾性体ローラを使って、被転写基材の凹凸表
面の凹部から凸部にわたって絵柄層等の装飾層を転写す
る方法が開示されている。図14で示せば、凹凸表面を
有する被転写基材Bに、支持体1と転写層2とからなる
転写シートSを、軟質弾性体ローラ3で加圧して、被転
写基材Bの凹部内部にまで、転写層2を転写しようとす
るものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
様な方法では、被転写基材の表面の凹凸が、間口幅が狭
く、深さが深い場合に、凸部及び凹部を含む全面にわた
って転写する場合は、凹部内(特に底部)へまで転写す
る事が困難である(図15参照)。この場合、ゴム硬度
を低くし、圧力を高めれば凹部内への転写性は向上する
が、ローラが痛み易くなってしまう。また、更に大柄な
凹凸と微細な凹凸とが重畳した凹凸で、しかも大柄な凹
凸の凸部に間口が狭くて深い微細凹凸を有する形状の被
転写基材について、その大柄な凹凸の凸部上の微細凹凸
のみに転写する場合、表面凹凸の所望の領域のみに安定
して転写する事は、更に困難である。即ち、ローラの硬
度(JIS−K−6301規定の硬さ、ゴム硬度)が硬
い(高い)と微細凹凸の凹部内に転写されないし(図1
6参照)、ローラ硬度が軟らかい(低い)と転写を望ま
無い大柄な凹凸の凹部内にまで転写されてしまう(図1
7参照)。或い又、最初から図17の如く、凹凸表面の
凹部と凸部の全領域にわたって転写する場合であっとし
ても、転写層に加わる圧力は凸部に比べて凹部内が必然
的に低くなる。その為、転写層と被転写基材の接着力は
凹部内に於いて弱くなり、その部分の転写層の耐摩耗性
が弱くなったり、転写層の抜けを生じ易い。
【0004】そこで、本発明の目的は、被転写基材の凹
凸表面において、弾性体ローラによる転写が及ばない領
域にも転写できて転写可能領域を拡大できる、乃至は転
写層と被転写基材との接着力を凹部、凸部とも均一且つ
強力に出来る曲面転写方法及び装置を提供することであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、上記課題を解決
すべく、本発明の曲面転写方法では、支持体と転写層と
からなる転写シートを被転写基材へ押圧して圧接する手
段として、先ず最初に弾性体ローラによるローラ圧印加
手段を用い、次に固体粒子の衝突圧を利用する衝突圧印
加手段を用いる様にした。そして、被転写基材の凸部を
含む所望の領域に転写シートが接着した後、転写シート
支持体を剥離除去する。衝突圧印加手段は、被転写基材
に少なくとも一部接着した転写シートの支持体側に固体
粒子を衝突させ、その衝突圧を利用して、被転写基材の
凹凸表面へ転写シートを押圧して圧接する。すなわち、
凹凸表面を有する被転写基材の凹凸表面側に、転写層側
を対向させた転写シートの支持体側に、固体粒子を衝突
させ、その衝突圧を利用して、被転写基材の凹凸表面へ
の転写シートの圧接を行う。そして、転写層が被転写基
材に接着後、転写シートの支持体を剥離除去すること
で、転写層を被転写基材に転写する。また、本発明の曲
面転写装置は、上記曲面転写方法を実施する為に使用す
る装置であり、転写シートを被転写基材に向けて押圧す
る為の圧印加手段として、弾性体ローラによるローラ圧
印加手段と、固体粒子を噴出する固体粒子噴出手段とを
備え、それに、被転写基材を固体粒子噴出手段と対向す
る位置まで搬送する基材搬送手段と、転写シートを固体
粒子噴出手段と被転写基材との間に挿入するシート供給
手段と、を少なくとも備えた構成とする。以上の様に本
発明では転写圧を最初はローラ圧で、次いで固体粒子の
衝突圧で印加する。固体粒子群は本質的に流体的に振る
舞うので、衝突圧は深い凹部の内部にまで加えることが
できるので、転写ローラが弾性変形で追従しきれない大
きな凹凸や深い凹凸にも対応できる。その結果、最初の
ローラ転写では転写シートが被転写基材の表面凹凸形状
に追従しきれ無い部分は、次の衝突圧で不足分を追従さ
せる事ができ、転写層を被転写基材の凹凸表面のうち、
凸部を含む所望の領域に接着させることが可能となる。
即ち、該凹凸表面のうち転写可能な領域を拡大できる。
又、最初のローラ転写のみでは、転写層を被転写基材に
十分接着させるに足る圧力が印加でき無かった部分にま
で十分な圧力を印加でき、凸部凹部両方に対して均一
に、且つ十分な転写層の接着力を得ることが可能とな
る。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の曲面転写方法及び
装置を詳述する。先ず、図1は本発明を概説する概念図
である。すなわち、本発明では、支持体1と転写層2と
からなる転写シートSの転写層2側を、凹凸表面を有す
る被転写基材Bの凹凸表面側に対向させる様にして、弾
性体ローラR(ローラ圧印加手段)でローラ圧を加え、
被転写基材Bの凹凸表面の少なくとも凸部に転写シート
Sを接着させ、更にその次に、転写シートSの支持体1
側に噴出器3(固体粒子噴出手段)から噴出させた多数
の固体粒子Pを衝突させ、その衝突圧を利用して、被転
写基材Bの凹凸表面の所望の凹部も含めて転写シートS
を表面凹凸に追従成形して転写シートSを被転写基材B
に押圧して、転写層2を被転写基材Bに凹部凸部とも均
一且つ十分な強度で接着させる。その後、転写シートS
の支持体1を被転写基材Bから剥離除去することで、転
写層2が被転写基材Bの凹凸表面の所望の領域に転写さ
れた化粧板Dとする。
【0007】被転写基材 先ず、本発明の被転写基材Bとしては、被転写面が平坦
な平面でももちろん適用できるが、本発明が真価を発揮
するのは被転写面が凹凸表面であり、特にその凹凸が三
次元的である被転写基材である。従来の回転接触するゴ
ム製の転写ローラ(前述の特開平5−139097号公
報等参照)では、その回転軸による方向性を本質的に有
しているために、適用できる表面凹凸形状が制約され
る。即ち、転写ローラの硬度が高い場合、1軸方向にの
み曲率を有する二次元的凹凸に限定され、また、転写ロ
ーラの硬度を低くした場合では、2軸方向の曲率を有す
る三次元的凹凸への転写が可能でもその三次元形状は任
意の方向に均質に適用できない。例えば、木目導管柄の
長手方向は、転写シートの送り方向に平行にしないと、
導管凹部には旨く転写できない。しかも、後者は基材形
状は平板状に事実上限定され、それ以外は基材形状毎に
その都度合わせた特殊形状の転写ローラとでもしない限
り不可能である。ところが、本発明では、後述の様に、
流体的に振る舞うことができる固体粒子の衝突圧を利用
するため、表面凹凸の三次元的形状に対して圧力印加領
域の面的な方向性を本質的に持たない。(この方向性と
は、圧力が印加される被転写基材上のポイントの時間的
位置変化の方向のことである。)方向性の特性は、例え
ば、枚葉の転写シートを被転写基材上に載置し一つずつ
圧接密着する方法で、固体粒子を噴出する吹出ノズル等
の噴出器を任意の方向に移動するか、又は噴出器固定で
転写シートと被転写基材とを移動させて、衝突圧が印加
される領域が移動していく様子を考えれば、容易に理解
できる。従って、本発明では、転写シートや被転写基材
の送り方向に凹凸がある形状を持つ被転写基材でも構わ
ない。すなわち、送り方向又は幅方向にのみ凹凸がある
二次元的凹凸、送り方向及び幅方向の両方に凹凸がある
三次元的凹凸を有する被転写基材にも適用できる。
【0008】また、被転写基材は全体として平板状の板
材だけでなく、円弧状に凸又は凹に送り方向又は幅方向
に湾曲した二次元的凹凸を有する基材でも良く、またそ
の湾曲面にさらに細かい三次元的な表面凹凸があっても
よい。なお、本発明では、被転写基材の円弧状等の二次
元的な凹凸に対して、それを幅方向として、或いは送り
方向として転写するかは作業性等を考慮して任意にでき
る。また、大柄な凹凸に重畳して微細な凹凸を有する凹
凸表面の被転写基材、或いは凹凸表面の凹部底部や凹部
内側面に転写すべき面を有する被転写基材も可能であ
る。前記大柄な凹凸と微細な凹凸とは、被転写基材の凹
凸が大柄な凹凸のその凸部上にある微細な凹凸とからな
るもので、大柄の凹凸形状は段差が1〜10mm、凹部
の幅が1〜10mm、凸部の幅が5mm以上のもので構
成されるものであり、微細な凹凸形状は、段差及び幅と
もに大柄な凹凸形状よりも小さく、具体的には段差が
0.1〜5mm程度、凹部の幅及び凸部の幅が0.1m
m以上で、大柄な凹凸形状の凸部の幅の1/2未満程度
である。なお、凹凸面を構成する各面は、平面のみか
ら、曲面のみらか、或いは平面と曲面の組み合わせと任
意である。従って、本発明の被転写基材上の曲面とは、
断面が下駄の歯形の様に複数の平面のみから構成される
曲面を持たない凹凸面も意味する。また、本発明でいう
曲率とは、立方体の辺或いは頂点の周辺の様に角張って
いる曲率無限大(曲率半径=0)の場合も包含する。
【0009】被転写基材の材質は任意であり、例えば、
板材であれば、ケイ酸カルシウム板、押し出しセメント
板、ALC(軽量発泡コンクリート)板、GRC(硝子
繊維強化コンクリート)板等の非陶磁器窯業系板、木材
単板や木材合板、パーティクルボード、或いは木質中密
度繊維板(MDF)等の木質板、また、鉄、アルミニウ
ム、銅等の金属板、陶磁器やガラス等のセラミックス、
ポリプロピレン、ABS樹脂、フェノール樹脂等等の樹
脂成形品等でも良い。これらの被転写基材表面には、予
め、接着剤との接着を補助する為の易接着プライマー、
或いは表面の微凹凸や多孔質を目止めし封じるシーラー
剤を塗工しておいても良い。易接着プライマー、或いは
シーラー剤としては、イソシアネート、2液硬化ウレタ
ン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂
等の樹脂を塗工し形成する。なお、被転写基材表面を所
望の凹凸とするには、プレス加工、エンボス加工、押し
出し加工、切削加工、成形加工等によれば良い。また、
凹凸形状の具体的模様は任意だが、例えば、タイルや煉
瓦の目地、花崗岩の劈開面等の石材表面の凹凸、木材羽
目板、浮造木目等の木材板表面凹凸、リシン調、スタッ
コ調等の吹付塗装面の凹凸等である。
【0010】転写シート 転写シートSは支持体1と転写移行する転写層2とから
なる。転写層は少なくとも装飾層からなる。また、接着
剤を、転写層の一部となる接着剤層として、転写シート
に形成しておいても良い。
【0011】上記支持体には、被転写基材が二次元的凹
凸表面であれば、延伸性が無い紙等も可能だが、本発明
が真価を発揮する三次元的凹凸表面に適用する為には、
少なくとも転写時には延伸性の有る支持体を用いる。延
伸性により固体粒子の衝突圧印加時に、被転写基材表面
の凹部内部まで転写シートを追従させて密着し転写する
ことができる。転写シート全体の延伸性は、主に支持体
の延伸性に支配される。従って、支持体には、従来公知
の熱可塑性樹脂フィルムの他に、常温でも延伸するゴム
膜も使用できる。熱可塑性樹脂フィルムの場合、装飾層
等の転写層形成時には延伸性が殆どなく、転写時には、
加熱により充分な延伸性を発現し、且つ冷却後は変形し
た形状を保持し続け、弾性による形状の復元を生じない
転写シートとして、従来公知の通常の転写シート同様に
容易に、本発明で用い得る転写シートは用意出来る。支
持体の具体例としては、延伸性の点で、従来多用されて
いる2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムで
も、表面凹凸形状次第で、加熱条件、衝突圧条件の設定
によって、必要充分な延伸性を発現させることができる
ので曲面転写は可能だが、低温、低圧でより延伸性が発
現し易い、ポリブチレンテレフタレート、又はテレフタ
レートイソフタレート共重合体等の共重合体ポリエステ
ル系フィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレン
フィルム、ポリメチルペンテンフィルム等のポリオレフ
ィン系フィルム、塩化ビニル樹脂フィルム、ナイロンフ
ィルム等の低延伸又は無延伸のフィルム、天然ゴム、合
成ゴム、ウレタンエラストマー、オレフィン系エラスト
マー等のゴム(エラストマー)フィルムも好ましい支持
体である。また、支持体には必要に応じ、その転写層側
に転写層との剥離性を向上させる為、離型層を設けても
良い。この離型層は支持体を剥離時に支持体と共に転写
層から剥離除去される。離型層としては、例えば、シリ
コーン樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン
樹脂、ポリオレフィン、ワックス等の単体又はこれらを
含む混合物が用いられる。
【0012】また、転写層に接する側の支持体面に凹凸
模様を設ければ、転写後の転写層表面に凹凸模様を賦形
することもできる。凹凸模様は、例えば、砂目、梨地、
ヘアライン、万線状溝、花崗岩の劈開面の凹凸模様、木
目導管溝、木目年輪模様、布目の表面テクスチュア、皮
絞、文字、幾何学模様等である。なお、凹凸模様の形成
は、支持体の樹脂シートに対して、熱プレスによるエン
ボス加工、サンドブラスト加工、ヘアライン加工をした
り、或いは支持体に、離型性の有る樹脂をバインダーと
するインキ(2液硬化ウレタン、シリコーン樹脂、メラ
ミン樹脂、紫外線又は電子線で架橋させた多官能アクリ
レート又はメタクリレートのモノマー又はプレポリマー
等からなる)を用いて所望の凹凸模様に、シルクスクリ
ーン印刷等で盛り上げ印刷して賦形層を設け、賦形層を
有する支持体とする方法等がある。なお、賦形層は上記
離型層の機能を有する。
【0013】転写層は少なくとも装飾層から構成し、更
に適宜、剥離層、接着剤層等も転写層の構成要素とする
こともある。接着剤層を有する構成では、転写の際に転
写シート又は被転写基材の片方又は両方に接着剤を施す
ことを省略できる。装飾層はグラビア印刷、シルクスク
リーン印刷、オフセット印刷等の従来公知の方法、材料
で絵柄等を印刷した絵柄層、アルミニウム、クロム、
金、銀等の金属を公知の蒸着法等を用いて部分的或いは
全面に形成した金属薄膜層等であり、用途に合わせたも
のを用いる。絵柄としては、被転写基材の表面凹凸に合
わせて、木目模様、石目模様、布目模様、タイル調模
様、煉瓦調模様、皮絞模様、文字、幾何学模様、全面ベ
タ等を用いる。なお、絵柄層用インキはバインダー樹脂
と顔料や染料等の着色剤とからなる。バインダー樹脂に
は、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、
ポリエステル樹脂、セルロース系樹脂、ポリウレタン樹
脂、フッ素樹脂等の単体又はこれらを含む混合物を用い
る。着色剤としては、チタン白、カーボンブラック、弁
柄、黄鉛、群青等の無機顔料、アニリンブラック、キナ
クリドン、イソインドリノン、フタロシアニンブルー等
の有機顔料等を用いる。また、剥離層を、支持体乃至は
離型層と装飾層との間の剥離性を調整する為、また、転
写後の装飾層の表面保護の為等に、これら層間に設ける
のは、従来公知の転写シートと同様である。なお、この
剥離層は転写時に装飾層と共に被転写基材側に転写さ
れ、装飾層の表面を被覆する。
【0014】接着剤 接着剤は、転写シートの転写層を構成する接着剤層とし
てや、被転写基材上の接着剤層として、事前(オフライ
ン塗工)に又は転写の直前(オンライン塗工)に施す。
被転写基材に施す場合には、転写シート転写層の接着剤
層を省略できる。用いる接着剤は、用途、要求物性等に
より適宜選択すればよく、感熱溶融型接着剤、湿気硬化
型感熱溶融型接着剤、ホットメルト接着剤、湿気硬化型
ホットメルト接着剤、2液硬化型接着剤、熱硬化型接着
剤、電離放射線硬化型接着剤、水性接着剤、或いは感圧
型の粘着剤等の各種の接着剤を用いることができる。ま
た、粘着性を呈する感圧型の粘着剤以外の接着剤では、
接着剤層の単層のみで転写層とすることができる。接着
剤層中に顔料等の着色剤を添加すれば、全面ベタのイン
ク層からなる装飾層ともいえる。
【0015】感熱溶融型接着剤としては、ポリ酢酸ビニ
ル、アクリル樹脂、ダイマー酸とエチレンジアミンとの
縮重合により得られるポリアミド樹脂等の従来公知の接
着剤を用いることができる。
【0016】また、湿気硬化型感熱溶融型接着剤も感熱
溶融型接着剤の一種である。湿気硬化型感熱溶融型接着
剤は、自然放置により空気中の水分で硬化反応が進行す
るので、作業安定性の点で転写直前に施す。また、湿気
硬化型感熱溶融型接着剤は、転写直後は、通常の感熱溶
融型接着剤同様の接着力だが、自然放置により空気中の
水分で架橋・硬化反応が徐徐に進行する為に、最終的に
クリープ変形及び熱溶融がなく耐熱性等に優れ、大きな
接着力が得られる。但し、転写終了後に湿気で接着剤の
架橋・硬化を進行させる為、湿気を含む空気中に転写後
の化粧板を放置して養生する。養生の再の好ましい雰囲
気条件は、大体、相対湿度50%RH以上、気温10℃
以上である。温度・相対湿度とも高い方が、より短時間
で硬化が完了する。標準的な硬化完了時間は、通常の場
合、20℃60%RHの雰囲気中で10時間程度であ
る。
【0017】湿気硬化型感熱溶融型接着剤は、分子末端
にイソシアネート基を有するプレポリマーを必須成分と
する組成物である。前記プレポリマーは、通常は分子両
末端に各々イソシアネート基を1個以上有するポリイソ
シアネートプレポリマーであり、室温で固体の熱可塑性
樹脂の状態にあるものである。イソシアネート基同士が
空気中の水分により反応して鎖延長反応を起こして、そ
の結果、分子鎖中に尿素結合を有する反応物を生じて、
この尿素結合に更に分子末端のイソシアネート基が反応
して、ビウレット結合を起こして分岐し、架橋反応を起
こす。分子末端にイソシアネート基を有するプレポリマ
ーの分子鎖の骨格構造は任意であるが、具体的には、ウ
レタン結合を有するポリウレタン骨格、エステル結合を
有するポリエステル骨格、ポリブタジン骨格等である。
適宜これら1種又は2種以上の骨格構造を採用すること
で、接着剤物性を調整できる。なお、分子鎖中にウレタ
ン結合ある場合は、このウレタン結合とも末端イソシア
ネート基が反応して、アロファネート結合を生じて、こ
のアロファネート結合によっても架橋反応を起こす。
【0018】ポリイソシアネートプレポリマーの具体例
としては、例えば、ポリオールに過剰のポリイソシアネ
ートを反応させた分子末端にイソシアネート基を有し、
且つ分子鎖中にウレタン結合を有するポリウレタン骨格
の、ウレタンプレポリマーがある。また、特開昭64−
14287号公報に開示されている様な、ポリイソシア
ネートに、ポリエステルポリオールと、ポリブタジエン
骨格を有するポリオールとを任意の順序で加え付加反応
させて得られた、ポリエステル骨格とポリブタジエン骨
格とがウレタン結合により結合された構造を有し且つ分
子末端にイソシアネート基を有する結晶性ウレタンプレ
ポリマー、或いは、特開平2−305882号公報に開
示されている様な、ポリカーボネート系ポリオールとポ
リイソシアネートを反応させて得られる分子中に2個以
上のイシソアネート基を有するポリカーボネート系ウレ
タンプレポリマー、ポリエステル系ポリオールとポリイ
ソシアネートを反応させて得られる分子中に2個以上の
イシソアネート基を有するポリエステル系ウレタンプレ
ポリマー等が挙げられる。
【0019】また、湿気硬化型感熱溶融型接着剤として
は、上記各種ポリイソシアネートプレポリマーの他に、
各種物性を調整する為に、上記必須反応成分に更に、必
要に応じて、熱可塑性樹脂、粘着付与剤、可塑剤、充填
剤等の各種副材料添加することもできる。これらの副材
料としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
低分子量ポリエチレン、変性ポリオレフィン、アタクチ
ックポリプロピレン、線状ポリエステル、エチレン−エ
チルアクリレート(EAA)等の熱可塑性樹脂、テルペ
ン−フェノール樹脂、アビエチン酸ロジンエステル等の
粘着付与剤、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、
アルミナ等の微粉末からなる充填剤(体質顔料)、着色
顔料、硬化触媒、水分除去剤、貯蔵安定剤、老化防止剤
等である。
【0020】次に、電離放射線硬化型接着剤として用い
る得る電離放射線硬化性樹脂は、電離放射線により硬化
可能な組成物であり、具体的には、分子中にラジカル重
合性不飽和結合、又はカチオン重合性官能基を有する、
プレポリマー(所謂オリゴマーも包含する)及び/又は
モノマーを適宜混合した電離放射線により硬化可能な組
成物が好ましくは用いられる。これらプレポリマー又は
モノマーは単体又は複数種を混合して用いる。なお、こ
こで電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち分子
を重合又は架橋し得る光量子を有するものを意味し、通
常、紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられる
が、その他、可視光線、X線、イオン線等を用いる事も
できる。
【0021】上記プレポリマー又はモノマーは、具体的
には、分子中に(メタ)アクリロイル基、(メタ)アク
リロイルオキシ基等のラジカル重合性不飽和基、エポキ
シ基等のカチオン重合性官能基等を有する化合物からな
る。また、ポリエンとポリチオールとの組み合わせによ
るポリエン/チオール系のプレポリマーも好ましくは用
いられる。なお、例えば(メタ)アクリロイル基とは、
アクリロイル基又はメタクリロイル基の意味である。ラ
ジカル重合性不飽和基を有するプレポリマーの例として
は、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メ
タ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、メ
ラミン(メタ)アクリレート、トリアジン(メタ)アク
リレート等が使用できる。分子量としては、通常250
〜100,000程度のものが用いられる。ラジカル重
合性不飽和基を有するモノマーの例としては、単官能モ
ノマーとして、メチル(メタ)アクリレート、2−エチ
ルヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル
(メタ)アクリレート等がある。また、多官能モノマー
として、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ト
リメチールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメ
チロールプロパンエチレンオキサイドトリ(メタ)アク
リレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アク
リレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アク
リレート等もある。カチオン重合性官能基を有するプレ
ポリマーの例としては、ビスフェノール型エポキシ樹
脂、ノボラック型エポキシ化合物等のエポキシ系樹脂、
脂肪酸系ビニルエーテル、芳香族系ビニルエーテル等の
ビニルエーテル系樹脂のプレポリマーがある。チオール
としては、トリメチロールプロパントリチオグリコレー
ト、ペンタエリスリトールテトラチオグリコレート等の
ポリチオールがある。また、ポリエンとしては、ジオー
ルとジイソシアネートによるポリウレタンの両端にアリ
ルアルコールを付加したもの等がある。
【0022】なお、紫外線又は可視光線にて硬化させる
場合には、上記電離放射線硬化性樹脂に、さらに光重合
開始剤を添加する。ラジカル重合性不飽和基を有する樹
脂系の場合は、光重合開始剤として、アセトフェノン
類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、ベンゾイ
ン、ベンゾインメチルエーテル類を単独又は混合して用
いることができる。また、カチオン重合性官能基を有す
る樹脂系の場合は、光重合開始剤として、芳香族ジアゾ
ニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム
塩、メタロセン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル
等を単独又は混合物として用いることができる。なお、
これらの光重合開始剤の添加量としては、電離放射線硬
化性樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部程
度である。なお、硬化させる紫外線源としては、超高圧
水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク灯、
ブラックライト、メタルハライドランプ等の光源が使用
される。紫外線の波長としては通常190〜380nm
の波長域が主として用いられる。電子線源としては、コ
ッククロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧
器型、絶縁コア変圧器型、或いは、直線型、ダイナミト
ロン型、高周波型等の各種電子線加速器を用い、100
〜1000keV、好ましくは、100〜300keV
のエネルギーをもつ電子を照射するものが使用される。
【0023】上記電離放射線硬化性樹脂に、更に必要に
応じて、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビ
ニル、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂等の熱可塑性
樹脂を添加することもできる。なお、希釈溶剤は添加せ
ずに用いれば、ホットメルト接着剤となる。
【0024】また、上記各種樹脂に更に、必要に応じ
て、各種添加剤を添加することもできる。これらの添加
剤としては、例えば、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、
シリカ、アルミナ等の微粉末からなる体質顔料(充填
剤)、有機ベントナイト等のチキソトロピック付与剤
(特に凹凸段差の大きい被転写基材の場合、接着剤が凸
部から凹部へ流入する事を防止する為に添加すると良
い。)等である。
【0025】接着剤を、転写シート等のシートや被転写
基材に施すには、溶剤に溶解又は分散した溶液又は分散
液、又は無溶剤で施すが、従来公知のグラビアロールコ
ート等による溶液塗工や、アプリケータ等による熔融塗
工(溶融塗工)法により施せば良い。希釈溶剤を添加せ
ずに用いれば、溶剤乾燥は不要である。例えば、感熱溶
融型接着剤や湿気硬化型感熱溶融型接着剤は、それぞれ
無溶剤のホットメルト接着剤として使用できる。また、
電離放射線硬化型接着剤なども無溶剤で施すことができ
る。ホットメルト型接着剤として使用する場合は無溶剤
なので、転写直前の塗工でも溶剤乾燥が不要で、高速生
産できる。なお、接着剤の塗布量は、接着剤の組成、被
転写基材の種類及び表面状態で異なるが、通常10〜2
00g/m2 (固形分)程度である。
【0026】また、接着剤をホットメルト接着剤として
用いる場合で、更に被転写基材の凹凸形状に転写シート
を追従変性させて転写する場合には、必然的に転写シー
トの支持体として、ポリプロピレン系樹脂等の熱可塑性
樹脂シートの様に室温乃至加熱状態で熱可塑性或いはゴ
ム弾性を呈する物を選ぶ必要があるが、これは別の観点
から観ると支持体に耐熱性が低い物を選ばざるを得ない
という事を意味する。故に、該接着剤を溶融塗工して転
写シートとする場合、接着剤層を厚く塗工すると、溶融
塗工時の熱で支持体が軟化し、また、接着剤塗工装置に
おいて加熱状態のアプリケータローラにシートが粘着
し、引きずられてシートが伸びたり、歪んだり、或いは
巻き込まれたりすることがある。そこで、この様な場合
には、シートに接着剤を直接に溶融塗工せず、離型シー
ト(セパレータ)経由で接着剤を施して転写シートとす
ると良い。すなわち、耐熱性及び離型性のある離型シー
トに、接着剤を加熱溶融塗工後、塗工された接着剤によ
り離型シートと、転写シートになるシートとをニップロ
ーラ等により一旦熱ラミネートし、次いで、剥離ローラ
等により離型シートのみをシートから剥離することで、
シートへの熱ダメージを少なくして、接着剤層が形成さ
れた転写シートとすることができる。なお離型シートに
は延伸性等は不要で2軸延伸ポリエチレンテレフタレー
トシート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレー
ト、ポリイミド等の耐熱性樹脂シートや紙等を基材とし
て、この表面をシリコーン樹脂、ポリメチルペンテン等
の塗工で、離型処理した従来公知の離型シートが使用で
きる。離型シートの厚みは通常50〜200μm程度で
ある。
【0027】弾性体ローラ 弾性体ローラは弾性を有するローラ(円柱状)であり、
シリコーンゴム、フッ素ゴム、バイトンゴム、ブタジエ
ンゴム、天然ゴム等を弾性体として用いる。弾性体ロー
ラは、通常、図2に示す如く、鉄等の剛体の軸芯R1の
周囲を弾性体R2で被覆した構成のローラを用いる。弾
性体ローラのゴム硬度は特に限定されず、被転写基材の
表面凹凸形状の具合と、弾性体ローラで表面凹凸の何処
まで転写シートを接着させるかによって、使い分ける。
ローラ圧印加で、転写シートを被転写基材表面の凹凸形
状の凹部まで追従成形させて、転写層を被転写基材の凹
凸表面に圧接するには、ゴム硬度は65°以下とすると
良い。また、ローラ圧印加で、転写シートを被転写基材
表面の凹凸形状の凸部のみ、或いは凸部を主体にして、
転写層を被転写基材の凹凸表面に圧接するには、ゴム硬
度は65°より大きくすると良い。ローラの直径は、特
に限定されないが通常、50mm〜100mm程度であ
る。なお、弾性体ローラを加熱ローラとしても用いれ
ば、接着剤の加熱活性化や、或いは転写シートの加熱に
よる延伸性の向上を、転写シートの押圧と共に行うこと
もできる。加熱手段には、弾性体ローラ内に電熱ヒータ
や誘電加熱をローラ内に内蔵したり、或いは、ローラ外
部に設けた赤外線輻射ヒータも利用できる。
【0028】弾性体ローラによるローラ圧印加 弾性体ローラによる印加圧力も、被転写基材表面の凹凸
形状、転写時の転写シートの延伸性、ラインスピード、
ゴム硬度、ローラ直径等との兼ね合いにより適宜設定さ
れるが、通常は1〜10kg/cm2 程度である。被転
写基材の凹凸表面に於いて、凹凸形状と転写すべき領域
との関係によって、ローラ圧印加で転写させる部分と、
衝突圧印加で転写させる部分との組み合わせ方を、例え
ば次の様に変える。 (部分転写の場合)特に被転写基材の凹凸表面が、大柄
な凹凸に重畳して微細な凹凸を有する凹凸からなる場合
で、しかも、大柄な凹凸の凸部表面にある微細凹凸表面
にのみに転写する(大柄な凹凸の凹部には転写させ無
い)場合には、ゴム硬度が65°よりも大きい弾性体ロ
ーラによるローラ圧印加で、転写シートを大柄な凹凸の
凸部のみ(この段階では大柄な凹凸の凸部上にある微細
凹凸の凹部内には必ずしも転写され無くても良い)に先
ず接着固定させ、固体粒子衝突圧印加時に転写シートが
大柄な凹凸の凹部に引き込まれ無い様に固定し、次い
で、固体粒子の衝突圧を用いて、微細な凹凸の凹部内に
まで転写層を接着させるが、しかし大柄な凹凸の凹部内
にまで転写層が接触しない様に圧力を抑えて加圧する。 (全面転写の場合)特に、(a) 被転写面の凹凸表面が、
大柄な凹凸に重畳して微細な凹凸を有する凹凸からなる
か、(b) 2軸方向に凹凸がある(例えば送り方向及び幅
方向の両方に凹凸がある)三次元的凹凸の被転写基材に
対して、凹凸表面の全域にわたって転写する場合には、
先ず、ゴム硬度65°以下、より好ましくは60°以下
の弾性体ローラで、表面凹凸形状の出来るだけ多くの領
域に転写シートを追従させ接着させ、次いで、固体粒子
衝突圧によって弾性体ローラの加圧のみでは完全に追従
接着しきれなかった部分(主に凹部)にまで転写シート
を追従接着させるこで、凹凸表面の全域に完全に転写シ
ートを追従成形させて、且つ転写層を接着させる。な
お、この場合に、弾性体ローラ加圧のみで凹凸表面の全
域に転写が出来る場合であっても、ローラ加圧のみでは
凹部内での転写層の(被転写基材に対する)接着力が低
下し、その部分の転写層の耐摩耗性等が低下するが、固
体粒子衝突圧の追加により、この欠点が無くなり、凹部
内に於いても転写層は十分な接着力を発揮する様にな
る。
【0029】弾性体ローラの形状と配置 被転写基材が全体として平板状(被転写面の包絡面も
平面)で、その表面が凹凸形状を有し、該平板の表面の
みに転写する場合には、図3の斜視図に例示する如く、
弾性体ローラRは円柱形状とし、最低1個で足りる。も
ちろん、より加圧を完全にする為に2個以上を直列使用
しても良い。 被転写基材Bが図4の如く、角柱、円柱、その他の柱
状体であり、その表面に凹凸を有するものであり、しか
も、その柱状体の基材搬送方向(図面両矢印)に直交す
る方向の複数の平面(角柱の場合)、乃至は、曲面(円
柱の場合)部分に転写する場合には、円柱状の1本の弾
性体ローラによる接触では、被転写面全面に対処できな
い。この様な場合は、図5の様に複数の弾性体ローラで
あって、基材搬送方向上流側から、被転写基材Bの順次
加圧すべき側面、或いは接平面(曲面の場合)に中心軸
が平行になった弾性体ローラRa、Rb、Rcを、順次
加圧すべき側面に対応させて並べて、転写シートSにロ
ーラ圧を印加することが好ましい。なお、この方法は、
所謂ラッピンク加工法で知られるローラ加圧の応用であ
る。また、柱状体となる被転写基材Bの表面形状が複雑
であったり、曲率が大なる部分を有する場合には、特公
昭60−5895号公報等に開示される様な、柱状体表
面形状の角部の形状と逆凹凸形状の断面形状を有する弾
性体ローラRdを併用する事が好ましい(図6の断面図
及び図7の斜視図参照)。
【0030】固体粒子 固体粒子Pとしては、ガラスビーズ、セラミックビー
ズ、炭酸カルシウムビーズ、アルミナビーズ、ジルコニ
アビーズ等の無機粉体である無機粒子、鉄、炭素鋼、ス
テンレス鋼等の鉄合金、アルミニウム、又はジュラルミ
ン等のアルミニウム合金、チタン等の金属ビーズ等の金
属粒子、或いは、フッ素樹脂ビーズ、ナイロンビーズ、
シリコーン樹脂ビーズ、ウレタン樹脂ビーズ、尿素樹脂
ビーズ、フェノール樹脂ビーズ、架橋ゴムビーズ等の樹
脂ビーズ等の有機粒子等を使用することができる。形状
は球形状が好ましいが、その他の形状のものでも用い得
る。固体粒子の粒径としては、通常10〜1000μm
程度である。
【0031】なお、固体粒子は加熱手段や冷却手段を兼
用することもできる。加熱された加熱固体粒子を用いれ
ば、接着剤の加熱活性化や、或いは転写シートの加熱に
よる延伸性の向上を、転写シートの押圧と共に行うこと
もできる。この場合、衝突圧印加前に弾性体ローラでロ
ーラ圧を印加しているので、弾性体ローラによって加熱
したり、ローラ圧印加後にその他の加熱手段で、衝突圧
印加に備えてある程度まで転写シート、被転写基材を加
熱しても良い。また、固体粒子は、接着後の冷却促進目
的で、接着時の接着剤の温度よりも低温の固体粒子を、
冷却固体粒子として用いる事もできる。また、固体粒子
はその一部又は全部を加熱固体粒子、冷却固体粒子とし
て用いたり、加熱固体粒子を衝突させた後、冷却固体粒
子を衝突させる等と、併用しても良い。また、弾性体ロ
ーラやその他加熱方法で転写シートや被転写基材、接着
剤等の加熱を要するものを充分に加熱しておき、これに
冷却固体粒子を用いて、転写シートの成形と接着及び冷
却を殆ど同時に行うこともできる。固体粒子の冷却や加
熱は、固体粒子を貯蔵するホッパに貯蔵中に固体粒子を
冷却、加熱したりする。ホッパ等では、ホッパからの熱
伝導や、誘電加熱(固体粒子が誘電体の場合)、誘導加
熱(固体粒子が導体又は磁性体の場合)により加熱す
る。或いは、固体粒子を流体と共に吹出ノズルから噴出
させて、転写シートに衝突させる場合には、該流体に冷
却又は加熱した流体を用いて、流体により熱伝導で固体
粒子を冷却又は加熱したりする。
【0032】固体粒子による衝突圧印加 固体粒子を転写シートに衝突させて衝突圧を印加し、転
写シートを被転写基材に押圧するには、固体粒子を噴出
する固体粒子噴出手段から固体粒子を転写シートに向か
って噴出させて、転写シートに衝突圧を印加する。固体
粒子噴出手段としては、例えば、吹出ノズルを用いた噴
出器(図8参照)や回転する羽根車を用いた噴出器(図
9参照)を用いる。吹出ノズルは、固体粒子を高速の流
体流に搬送させて該流体流と共に噴出するものである。
流体としては液体、気体ともに利用可能であるが、通常
は気体が用いられる。以下に於いては専ら流体として気
体を例に説明する。羽根車の場合は、羽根車の回転によ
り固体粒子を加速し噴出するものである。また、固体粒
子噴出手段としては、吹出ノズルや羽根車以外にも、重
力による自由落下を利用して固体粒子を加速する方法、
磁性体粒子を磁場によって加速する方法等を採用するこ
とも可能である。なお、羽根車、重力、磁場を用いた固
体粒子噴出手段の場合は、真空中で固体粒子を転写シー
トに向かって噴出させる事も可能である。
【0033】吹出ノズル 図8は吹出ノズルを用いた噴出器320の一例の概念図
である。同図に示す噴出器320は固体粒子Pと気体G
を混合するマニホールド部321と、ノズル開口部から
固体粒子P及び気体Gを噴出する吹出ノズル部322か
らなる。圧縮機又は送風機(不図示)から送られる気体
Gをノズル開口部323から噴出する際に、噴出器内の
マニホールド部にて、高速で流れる気体流の作用で負圧
を作り、この負圧により固体粒子を気体流に導き混合
し、気体流で固体粒子を搬送して、ノズル開口部から気
体流と共に噴出する。なお、同図の噴出器320はマニ
ホールド部と吹出ノズル部とが一体化しているが別体で
も良く、また、一つのマニホールドに対して複数の吹出
ノズルを連結しても良い。ノズル開口部の形状は、中空
の円柱状、多角柱状、円錐状、多角錐状、魚尾状等の形
状のものを用いる。吹出ノズルは、単一開口部を有する
ものでも良いし、或いは内部がハニカム(蜂の巣)状に
区画されたものでも良い。吹付圧力は通常0.1〜1
0.0kg/cm2 程度、また、気流の流速は通常5〜
20m/秒程度である。マニホールド部や吹出ノズル部
等の噴出器の材質は、セラミック製、スチール製、チタ
ニウム製等と、固体粒子の種類によって適宜選択すれば
良い。固体粒子は噴出器内壁に衝突しながら通過するの
で、固体粒子に金属ビーズや無機粒子を用いる場合には
粒子が硬質であるので、耐摩耗性のよいセラミック製を
用いると良い。固体粒子に樹脂ビーズを用いる場合には
金属粒子に比べれは軟質であるので、スチール製でも良
い。
【0034】羽根車 図9は回転する羽根車を用いた噴出器325の一例の概
念図である。噴出器325は、少なくとも回転する羽根
車を粒子加速手段として備える。噴出器325は、これ
に、更に必要に応じ、固体粒子の噴出取出部分のみ開口
させ、それ以外の粒子加速器周囲を被覆する噴出ガイド
(不図示)を備えても良い。該噴出ガイドにより、粒子
加速器で加速された固体粒子の噴出方向を揃えたりす
る。噴出ガイドの開口部の形状は、例えば、中空の円柱
状、多角柱状、円錐状、多角錐状、魚尾状等である。噴
出ガイドは、単一開口部を有するものでも良いし、或い
は内部がハニカム(蜂の巣)状に区画されたものでも良
い。なお、羽根車の材質は、セラミック製、或いはスチ
ール、チタニウム等の金属製等と、固体粒子の種類によ
り適宜選択すれば良い。固体粒子は羽根車に接触して加
速されるので、固体粒子に金属ビーズや無機粒子を用い
る場合には粒子が硬質であるので、羽根車には、耐摩耗
性のよいセラミック製を用いると良い。固体粒子に樹脂
ビーズを用いる場合には金属粒子に比べれは軟質である
ので、スチール製でも良い。羽根車の羽根326の形
は、図4の様な長方形の平板(直方体)が代表的である
が、この他、湾曲曲面板、スクリュープロペラ等のプロ
ペラ形等を用いる事も可能であり、用途、目的に応じて
選択する。又、羽根の数は2枚〜10枚の範囲から通常
は選択する。羽根車の形状、枚数、回転速度、及び固体
粒子の供給速度と供給方向の組み合わせにより、加速さ
れた固体粒子の噴出(吹出)方向、噴出速度、噴出拡散
角等を調整する。また、同図の様に側面板327を設け
ると回転軸328に対して幅方向への噴出を制御でき
る。通常、固体粒子Pは、粒子加速器の上方(直上又は
斜上方)から供給する。又、固体粒子の噴出方向は鉛直
下方(図13)、水平方向(図9)、或いは斜下方(図
示略)等が可能である。
【0035】衝突圧印加形態 また、吹出ノズルや羽根車などによる噴出器は、1個の
みの使用でも衝突圧印加領域の面積次第では可能だが、
要求する面積が大きい場合には複数用いて、転写シート
に衝突する固体粒子の衝突領域が所望の形状となる様に
すると良い。例えば、転写シート及び被転写基材の送り
方向に直交して幅方向に一直線状に複数列を配置して、
幅方向に直線状で幅広の帯状形状の衝突領域とする。或
いは、図10(A)の噴出器32の配置は千鳥格子状の
配置であり、図10(B)は一列配置だが、幅方向中央
部は送り方向の上流側で衝突する様にした配置である。
図10(B)の配置では、転写シートの被転写基材への
衝突圧による圧接は幅方向中央部から始まり、順次、幅
方向両端部に向かって圧接されて行く。この様にする
と、幅方向中央部に空気を抱き込んだまま、転写シート
が被転写基材に密着することを防止できる。また、衝突
圧印加時間を長くするには、噴出器は、転写シート及び
被転写基材の送り方向に向かって2列以上配置する多段
配置が好ましい。
【0036】また、衝突圧は、衝突領域内で全て均一に
する必要はない。図11は、転写シートの搬送方向に直
交する幅方向の中央部が最大の衝突圧で、幅方向両端部
に行くに従って衝突圧が低下する山型圧力分布の設定例
である。この設定は、圧が高い所(同図では中央部)か
ら低い所(同図では両側部)に向かって順次段階的に圧
接が進行することを助ける。但し、図11の如き圧力分
布とする場合、被転写基材上に於ける衝突圧は、所望の
凹凸面への転写が完全に行えて、なお且つ圧過剰による
転写シートの歪み、被転写基材の変形、破損等の生じな
い適正圧力範囲内に全て納まる様に調整する。なお、ゴ
ム製転写ローラによる曲面転写方法では、転写ローラの
中央部直径を太めとすれば、圧力的には中央部は強くで
きるが、中央部と両端部とで円周長が異なってしまい、
接触して圧印加され転写シートの送りを均一に出来な
い。衝突圧の設定は、例えば吹出ノズルを用いる噴出器
の場合は、バルブの開閉量、バルブに連結する固体粒子
を搬送する管の内径の大小、圧力調整器(レギュレー
タ)等を用いて吹出ノズル直前の気体圧の調整により、
噴出する固体粒子及び気体流の速度を制御することで調
整する。また、羽根車を用いた噴出器の場合は、羽根車
の回転数等で調整する。この様にして、噴出器から転写
シートに衝突する固体粒子の速度、単位時間当たりの衝
突する固体粒子数、及び1粒子の質量を制御することで
衝突圧を調整する。
【0037】また、噴出器の被転写基材の被転写面に対
する配置は、被転写基材が平板状であれば被転写基材に
平行の配置が基本である。平行配置は、被転写基材の被
転写面の包絡面に垂直に固体粒子を衝突させ、基本的に
衝突圧を最大に有効利用できるからである。従って、例
えば、図12の様に、被転写基材Bの被転写面の包絡面
(の搬送方向に直角の断面形状)が蒲鉾型に凸曲面であ
れば、複数の噴出器32を用意し各噴出器が主とし受け
持つ個別の衝突面、乃至はその接平面に対して、略垂直
に固体粒子が衝突する様に、噴出器の向きを近接する被
転写基材面の包絡面の法線方向にして配置すると良い。
この様に噴出器の配置は、対象とする被転写基材の凹凸
形状に合わせて、噴出器の噴出方向を固体粒子がなるべ
く垂直に衝突する様に合わせると良い。ただ、噴出器の
向きは、転写シート支持体側面に対して必ずしも垂直に
する必要はない。また、噴出器は多めに設けておき、製
造する被転写基材によっては、一部の噴出器は停止させ
ても良い。
【0038】チャンバ使用での連続転写の一形態 ところで、固体粒子を実際に使用する場合、固体粒子を
周囲に飛散させずに且つ循環再利用するのが好ましい。
そこで、次に、本発明の曲面転写方法の一形態として、
チャンバを使用して固体粒子の飛散防止及び循環再利用
をしながら連続転写を行う本発明の曲面転写装置の一形
態の概念図を示す図13に従い、本発明を更に詳述す
る。
【0039】同図の曲面転写装置は、長尺の転写シート
Sを用い、凹凸表面を有する平板状の被転写基材Bに、
絵柄等を順次転写する装置である。同図装置は、基材搬
送手段として被転写基材Bを搬送する基材搬送装置10
と、シート供給手段として転写シートSを弾性体ローラ
Rと被転写基材との間に供給するシート供給装置20
と、転写圧の圧印加手段として、ローラ圧印加手段であ
る弾性体ローラRを用いたローラ圧印加装置60と、及
び固体粒子Pの衝突圧を印加する為に、噴出器33等か
らなる固体粒子噴出手段を備えた衝突圧印加部30を備
える。更に同図装置は、転写シートを加熱するシート加
熱装置40、被転写基材を加熱する基材加熱装置41も
備える。これら加熱装置は、転写層の接着剤層が感熱型
接着剤である場合に、接着力を活性化する為の加熱手段
にもなる。さらに、被転写基材に接着剤の塗工や下地塗
装等を行う基材塗工装置50を備え、接着剤に溶剤分が
ある場合、基材加熱装置は溶剤乾燥させる乾燥装置も兼
用する。
【0040】基材搬送手段である基材搬送装置10は、
搬送用駆動回転ローラ列からなり、その上に水平に載置
された被転写基材Bを順次搬送して、被転写基材を基材
塗工装置50、基材加熱装置41、ローラ圧印加装置6
0、衝突圧印加部30、剥離ローラ22を経て、化粧板
Dとして排出する。なお、基材搬送手段は、無限軌道式
のコンベアベルト等でも良い(図3、図5参照)。
【0041】シート供給手段であるシート供給装置20
は、シート送出装置21、剥離手段としての剥離ローラ
22、シート排出装置23の他、ガイドローラ(図示
略)等から構成される。シート供給装置20は、シート
送出装置21にセットされた供給ロールから、転写シー
トSをローラ圧印加装置60の弾性体ローラRと被転写
基材Bとの間に供給し、転写シートを衝突圧印加部30
に供給する。転写シートは、転写層が被転写基材側を向
く様にしてローラ圧印加装置60に、次いで衝突圧印加
部30に順次供給する。そして、弾性体ローラと固体粒
子衝突圧で被転写基材に密着した転写シート(の支持
体)を、剥離ローラで被転写基材から剥離しシート排出
装置23で巻き取る。もちろん、転写シートの剥離を、
別工程の別の装置で行う場合、或いは剥離を手作業で行
う場合には、この剥離ローラは省いた装置となる。
【0042】ローラ圧印加手段としてのローラ圧印加装
置60は、少なくとも弾性体ローラRを備え、この他、
従来公知のローラ転写における機構を備える。例えば、
回転駆動装置、弾性体ローラRに圧を印加する為の圧加
圧装置、バックアップローラ、加熱装置等である。
【0043】衝突圧印加手段である衝突圧印加部30
は、少なくとも固体粒子噴出手段である噴出器32、固
体粒子Pを貯蔵し噴出器に供給するホッパ31、固体粒
子Pの衝突環境を外部と隔離するチャンバ33を備え、
更に、衝突後の固体粒子のホッパまでの帰還路であるド
レン管34、気体と固体粒子を分離する分離装置35、
回収固体粒子を搬送する気流を吸引排気する真空ポンプ
36等を備える。チャンバは、噴出器から噴出する固体
粒子を外部に漏らさないように、転写シート及び被転写
基材の出入口を除いて、転写に供される被転写基材及び
転写シート、噴出器等の周囲を覆ったものである。な
お、同図の衝突圧印加部は、転写シートの加熱手段であ
るシート加熱装置40も内蔵している。シート加熱装置
は、衝突圧印加までの間の冷却防止、或いは更なる加熱
の為に使用する。なお、転写シートの幅を被転写基材よ
りも広くして、シート幅方向両端を表裏から挟持するシ
ート支持装置を設け、固体粒子が転写シート幅方向両端
から回り込んで、転写シートと被転写基材間に流入し間
隙に入る事を防止しても良い。この様なシート支持装置
としては、シート幅方向両端部の表側と裏側とに設けた
1対のエンドレスベルト等が用いられる。また、弾性体
ローラRによるローラ加圧もチャンバ内で行えば、ロー
ラ加圧後の冷却を少なくできるが、弾性体ローラはチャ
ンバ外部が好ましい。チャンバ内では、被転写基材と転
写シート間に飛散した固体粒子が入り込むからである。
但し、複数本使用で2本目以降は、チャンバ内部でも良
い。
【0044】次に、以上説明した装置による場合の本発
明の曲面転写方法を説明する。
【0045】先ず、板状の被転写基材Bは、基材搬送装
置10で1枚ずつ搬送され、基材塗工装置50により接
着剤を全面或いは凸部のみ等と所望の部分に塗工する。
もしも、接着剤に溶剤分がある場合は、次の基材加熱装
置41で被転写基材及び接着剤を加熱すると共に、蒸発
成分を揮発乾燥させる。なお、基材塗工装置及び基材加
熱装置を複数連結して、接着剤塗工前に、下塗り塗装や
下塗り塗装前のシーラ塗装等を転写と同時に連続的に行
っても良い。一方、転写シートSは、シート送出装置2
1にセットされた供給ロールから長尺の帯状シートとし
て巻き出され、転写層と被転写基材とが向き合う様にし
て弾性体ローラRと被転写基材Bとの間に供給される。
なお、転写時に接着剤を転写シートに施す場合は、転写
シートがシート送出装置21から弾性体ローラRに供給
される間に、接着剤塗工装置(図示せず)で接着剤を塗
工し、更に溶剤乾燥を要す場合は、乾燥装置(図示せ
ず)で乾燥後に、衝突圧印加部に供給する。
【0046】そして、被転写基材は、基材加熱装置で加
熱された後、弾性体ローラRにより最初の転写圧を受け
る。また、加熱された弾性体ローラによって転写シート
及び被転写基材は加熱され、熱融着型接着剤の場合は熱
融着で接着する。なお、転写シートも、基材加熱装置で
加熱されている被転写基材により間接的に加熱される。
シート加熱装置による加熱は、転写シートの予熱不要時
は省略できる。次いで、被転写基材の凹凸表面の少なく
とも一部分に接着した転写シートと該被転写基材とは一
体となって、衝突圧印加部のチャンバ33内に搬送、供
給される。
【0047】一方、固体粒子Pはホッパ31からチャン
バ33内にある噴出器32に供給され、そこで加速され
てチャンバ内で転写シートSが少なくとも一部領域に接
着した被転写基材Bに向かって噴出する。そして、被転
写基材に一部接着した転写シートは、噴出器から噴出す
る固体粒子の衝突圧の印加を受ける。衝突時のこれら固
体粒子の運動量の変化分が、転写シートを被転写基材へ
押し付ける衝突圧となる。ここでは、被転写基材は包絡
面が略平板状なので、固体粒子は、転写シートの支持体
側に略垂直に衝突させる分を主体成分とし、被転写基材
及び転写シートが搬送される全幅を衝突領域とする。そ
して、被転写基材及び転写シートが搬送されるにつれ
て、長手方向の全領域が順次衝突圧にさらされて行く。
そして、転写シートは、固体粒子衝突圧で被転写基材に
押圧され、被転写基材の凹凸表面の凹部内へも転写シー
トは延ばされて変形することで、被転写基材の凹凸表面
形状に追従して成形されて、接着剤により転写層が被転
写基材の所望の表面領域に於いて均一且つ十分な強度で
接着する。
【0048】そして、被転写基材がチャンバ33外部に
出た直後、被転写基材の所望の表面部分の接着した転写
シート(の支持体)を、剥離ローラ22により被転写基
材から剥離除去する。その結果、転写シートの転写層と
しての装飾層等が接着剤により被転写基材の凹凸表面に
転写した、化粧板Dが得られる。一方、剥離ローラ通過
後の転写シート(の支持体)は、シート排出装置23に
排出ロールとして巻き取る。なお、接着剤に電離放射線
硬化型接着剤を用いた場合は、支持体の剥離除去前の部
分に、電離放射線照射装置を備えて、電離放射線照射に
より接着剤を架橋硬化させても良い。
【0049】一方、転写シートへの衝突に供された後の
固体粒子は、チャンバの下部に集まり、そこからドレン
管34で吸引され元のホッパに収集される。また、固体
粒子の搬送用としてチャンバ中の空気も、固体粒子と共
にドレン管で吸引され、ホッパ上部の気流と固体粒子の
分離装置35に搬送される。該分離装置では図示の如
く、気流で搬送されて来た固体粒子は水平方向に装置空
洞内に放出され、気体に対して密度の大きい固体粒子は
自重で下方に落下し、気体はそのまま水平に流れて、フ
ィルターで気流と共に移動しようとする残余の固体粒子
を濾過した上で、真空ポンプ36で系外に排出される。
この様にして固体粒子が、転写シート及び被転写基材が
出入りするチャンバ出入口開口部から、空気と共に周囲
に流出しない様にする。また、固体粒子のチャンバ系外
への流出防止、及び固体粒子のチャンバからホッパへの
逆流防止には、チャンバ内を外部より低圧にすると良
い。このチャンバの圧力調整は、チャンバに接続した排
風機或いは、固体粒子の搬送加速用の送風機乃至は圧縮
機(いずれも図示は略)からチャンバ内に流入する空気
量と、真空ポンプ36の排気量とのバランスを調整する
ことによって行う。
【0050】チャンバ使用時の接着剤等の加熱方法 接着剤活性化や転写シート延伸性向上等の為に行う加熱
を、チャンバ使用との関連を含めて説明する。
【0051】感熱溶融型接着剤等の加熱を要する接着剤
の加熱は、通常は接着剤が施される転写シートや被転写
基材に対して加熱する。また、転写シートの延伸性向上
を狙う場合も、転写シートを加熱する。これらの加熱手
段は任意であり、衝突圧印加前の加熱手段では、弾性体
ローラによる加熱の他に、例えばヒータ加熱、赤外線加
熱、誘電加熱、誘導加熱、熱風加熱等である。ただ、熱
風加熱をチャンバ内で行う場合は、吹き付け風量は少な
くした方が良い。それは、空気をチャンバ内に入れるこ
とになり、固体粒子噴出用に空気を用いる場合も含め
て、固体粒子回収用の真空ポンプの負荷増になるからで
ある。また、衝突圧印加中の加熱手段では、加熱固体粒
子も使用できる。吹出ノズルによる噴出器の場合は加熱
固体粒子と共に加熱気体が噴出することであり、この気
体も加熱手段として使用できる。また、噴出器の間隙に
分散して熱源を設けて加熱しても良い。もちろん、衝突
圧の印加中及び印加前の加熱を併用できるし、衝突圧印
加中の加熱のみの場合もある。
【0052】また、転写シートの加熱において、被転写
基材に接着剤塗工やシーラ塗装を施し、基材加熱装置等
で溶剤分を加熱乾燥するのであれば、そこで被転写基材
は加熱され、また、加熱された被転写基材から間接的に
転写シートもある程度加熱できる。従って、転写シート
の加熱も必要な場合でも、被転写基材からの間接的加熱
や、固体粒子や噴出気体による加熱で充分な場合には、
転写シート専用のシート加熱装置は省略することもでき
る。また、シート加熱はチャンバ内以外に、チャンバ外
部、或いは内部及び外部の両方で行っても良い。また、
加熱は転写シートの裏面側、表面側、表裏両面のいずれ
から行っても良い。
【0053】また、被転写基材の加熱は、ローラ圧印加
前、ローラ圧印加中、衝突圧印加前、衝突圧印加中、或
いは衝突圧印加前及び印加中等とこれら組み合わせのい
ずれでも良い。被転写基材を加熱することで、転写シー
トを熱して延伸性向上や接着剤活性化を図る場合に、熱
せられた転写シートや接着剤の温度が低下するのを防止
できる。また、被転写基材側から転写シートを加熱する
こともできる。被転写基材の加熱は、チャンバの外部又
は内部、或いは外部及び内部で行えば良い。外部及び内
部の加熱では、充分な予熱が必要な場合でも、長い搬送
距離を使って加熱することができる。長い加熱装置をチ
ャンバの内部に設ける為に、チャンバ自身の内容積が大
きくなるならば、加熱装置の一部又は全部をチャンバの
外部に設けて、チャンバの内容積を小さくした方が、固
体粒子の飛散、回収等を考慮した取扱上は有利だからで
ある。チャンバの内部で加熱する利点は、衝突圧印加の
直前まで、或いは衝突圧印加中までも、加熱できること
であり、特に熱容量が大きい被転写基材をその被転写面
近傍のみ効果的に予熱しようとする場合等である。な
お、上流側に配置した塗工装置による塗装を乾燥すべ
く、溶剤分や水分を蒸発させる役割も持たせた加熱装置
の場合は、チャンバ内部に配置するのは好ましくない。
チャンバ内に充満した蒸発した溶剤や水分の排気手段が
必要となり、また溶剤の場合は防爆対策を考慮する必要
も生じる。このような目的の加熱装置は、チャンバの外
部に配置するか、内部に配置したとしても、外部に蒸発
用の加熱装置(乾燥炉)を別に配置することが好まし
い。もちろん、下塗り塗装は別ラインで行う形態とすれ
ば、加熱装置を乾燥装置と兼用する必要はない。被転写
基材の加熱手段としては、誘導加熱や誘電加熱は基材内
部から加熱できるが、一方、ヒータ加熱、赤外線加熱、
熱風加熱は、凹凸表面側からの加熱が効率的である。ま
た、被転写基材は裏面側からも加熱してもよい。チャン
バの開口部に被転写基材が搬送された後に、衝突圧印加
直前又は印加中まで加熱するならば、基材裏面側からの
加熱は、装置スペース的にも好ましい。衝突圧印加中加
熱は、衝突圧印加部上流側での加熱に加えて、噴出器の
間隙に分散して熱源を設けてもよい(転写シートを通し
ての加熱となる)。
【0054】接着剤の強制冷却 また、衝突圧印開始以降の時点で、転写シートが被転写
基材の所望の領域に密着後に接着剤を強制冷却すれば、
凹部内部にまで追従、成形された転写シートの固着化を
促進して、転写シートに復元力がある場合に圧解放後、
転写シートが元の形状に戻ることを防止し、転写シート
(の支持体)の剥離除去をより早くできるので、転写抜
け防止や生産速度向上が図れる。この為には、衝突圧印
加中に、衝突圧を開放しないまま冷却固体粒子を用いた
り、衝突圧印加後に、風冷等の他の冷却手段で接着剤層
を冷却すると良い。被転写基材の熱容量が大の場合は、
冷却固体粒子以外にも、低温気体の吹き付け、基材搬送
用のローラやベルトコンベアの冷却により、被転写基材
を裏面から冷却できる。或いは、チャンバ内でのこれら
冷却の後にチャンバ外で、或いはチャンバ内では冷却せ
ずにチャンバ外のみで、表や裏からの冷風吹き付け等で
冷却しても良い。なお、図13の装置において、ライン
スピード、即ち被転写基材及び転写シートの走行速度
は、ローラ圧印加手段と衝突圧印加手段のうちで、より
適正速度の遅い方に合わせる。ランイスピードも、被転
写基材の表面凹凸形状、接着剤の種類、加熱装置の出力
等各種要因によって異なるが、通常、代表的には1〜2
0m/分程度である。
【0055】その他 以上、本発明の曲面転写方法及び装置を説明して来た
が、本発明は上記説明に限定されるものではない。例え
ば、図13の装置による説明では、転写シートの被転写
基材への圧接は、転写シート及び被転写基材を各々搬送
させながら連続的に転写する方法を説明したが、転写シ
ートの被転写基材への圧接は、その時だけ転写シート及
び被転写基材を停止させて、基材一個ごとに間欠的に行
っても構わない(これらに対して例えば噴出器を移動さ
せる)。また、噴出器の固体粒子噴出方向と転写シート
の位置関係は、転写シートは水平に載置し、その上方か
ら鉛直方向に真下に固体粒子を噴き出す位置関係に限定
されない。転写シート支持体側面と噴出方向が垂直関係
を維持したとしても、転写シートの載置又は搬送方向
は、水平以外にも、斜め、上下(図9(B))等があ
り、また転写シートが水平でも、支持体側が下側、すな
わち、下から上に固体粒子を噴出させ衝突させても良
い。もちろん、転写シート裏面に対して角度をもって固
体粒子を噴出しても良い。また、ローラ圧印加前から衝
突圧印加終了までの間で、転写シートと被転写基材間の
空隙の空気を抜き取る、「空気抜き」をしても良い。空
気抜きで、被転写基材の被転写面が例えば岩肌調やスタ
ッコ調等の凹凸面の場合に、転写シートと被転写基材間
の空気(凹凸表面の凹部)が転写時に残留する「エア噛
み」、更にはそれに起因する転写抜けを防ぐ。空気抜き
は、開口部外周を例えばブラシで囲った吸引排気ノズル
を、被転写基材の側面部分にあてがい、真空ポンプ等で
空気を吸引する。また、チャンバは、固体粒子の外部漏
出を防止用以外に、接着剤に電離放射線硬化型接着剤を
用いる場合、チャンバ内に窒素等の不活性ガスを充満さ
せて、空気中の酸素等が接着剤の硬化を阻害するのを防
ぐ目的でも利用できる。また、固体粒子を搬送し、転写
シートに衝突させる際に、固体粒子、転写シート、或い
は被転写基材等が帯電する場合があり、帯電防止策とし
て、吹出ノズルや噴出ガイド等の噴出器、ドレン管等を
接地したり、転写シートに除電バーを接触させたり、或
いは固体粒子加速に気流利用の場合はその中に帯電荷を
中和する電荷を持ったイオンを混入させたりする事が好
ましい。また、図13の装置は、ローラ圧印加手段と衝
突圧印加手段とを直結し弾性体ローラの加圧による接着
工程と、固体粒子衝突圧による接着工程とをインライン
で連続的に行う曲面転写方法を実施する態様を示すが、
本発明の曲面転写方法としては、もちろん、一旦ローラ
圧印加により転写シートの少なくとも一部を被転写基材
に接着する工程までで加工を終了し、その後適当な時間
が経過後、前工程まで終了した転写シートと被転写基材
とに、衝突圧を印加して接着を完了させる方法でも良
い。この場合には、装置的にはローラ圧印加手段と、固
体粒子噴出手段を含む衝突圧印加手段とは、互いに離れ
た別の場所に設置する事も可能であり、又、両手段のラ
インスピードを異ならせる事も可能である。
【0056】化粧材 以上説明してきた本発明の曲面転写方法及び装置で得ら
れる化粧材としては、外壁、塀、屋根、門扉、破風板等
の外装材、壁面、天井等の建築内装材、窓枠、扉、手
摺、敷居、鴨居等の建具、箪笥等の家具の表面材、弱電
・OA機器のキャビネット、或いは自動車等の車両内装
材等の各種分野で用いられ得る。また、大柄な凹凸と微
細な凹凸との組み合わせの凹凸と、三次元的な表面凹凸
を持つ化粧板の装飾模様の具体例としては、例えば、目
地、溝、サネ、簓を有するタイル調、煉瓦積み模様、ス
タッコ調、リシン調、花崗岩等の凹凸劈開面を持つ石目
調、羽目板調、浮造木目板等の木目調等に適用できる。
なお、転写後の化粧材の表面に、更に透明保護層を塗装
する等しても良い。この様な透明保護層としては、ポリ
4フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹
脂、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂、シリコ
ーン樹脂、ウレタン樹脂の1種又は2種以上等をバイン
ダーとし、これに必要に応じて、ベンゾトリアゾール、
超微粒子酸化セリウム等の紫外線吸収剤、ヒンダードア
ミン系ラジカル補足剤等の光安定剤、着色顔料、体質顔
料、滑剤等を添加した塗料を用いる。塗工はスプレー塗
装、フローコート等を用いる。透明保護層の膜厚は1〜
100μm程度である。
【0057】
【実施例】次に実施例により本発明を更に説明する。先
ず、三次元的表面凹凸を有する被転写基材Bとして厚さ
12mmのケイ酸カルシウムの平板を用意した。この平
板は全体としての(包絡面の)形状は直方体であり、そ
の表面上には、大柄な凹凸と微細な凹凸とが重畳して形
成された物を用いた。大柄な凹凸としては図18の平面
図及び図3の斜視図に例示する様な幅5mm、深さ1m
mの目地の溝状凹部401と、表面上の1辺が50mm
×150mmの平坦凸部とからなり、又、該平坦凸部上
のみに、更に微細な凹凸として、間口の幅が1〜4m
m、深さが0.5〜1.5mmの範囲の水平面視ランダ
ム形状の凹陥部がランダムに分布した形状からなり全体
としては煉瓦積み模様の三次元的表面凹凸を有する物で
あった。該凹凸面全面にウレタン樹脂系シーラー塗装及
びアクリルエマルション系下塗り塗装を施した。なお、
これらの塗装はオフラインで別の装置で行った。また、
転写シートは支持体に厚さ50μmのポリプロピレン系
フィルムの片面に、転写層となる装飾層としてセメント
の目地を有する煉瓦調の絵柄を順次グラビア印刷したも
のを用意した。絵柄インキのバインダーとしては、塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合体/アクリル樹脂=2/8重
量比の混合物を、また、着色顔料としては、弁柄、チタ
ン白、及びイソインドリノンを用いた。
【0058】次に、図13に示す様な工程を経る装置
で、噴出器には図8の如き吹出ノズルを用いて、上記被
転写基材Bを、その凹凸面を上にして搬送用ローラ列か
らなる基材搬送装置10上に載置して搬送し、基材塗工
装置50にて、接着剤を溶剤希釈した塗液を30g/c
2 (乾燥時)を全面にスプレー塗工後、基材加熱装置
41で溶剤分を乾燥すると共に接着剤及び被転写基材を
加熱した。なお、該接着剤としては、アクリル系樹脂の
熱融着型接着剤を用いた。そして、転写シートSを支持
体側を上にしてゴム硬度60°の弾性体ローラRに供給
し、絵柄と凹凸面形状との見当合わせを目視で行った上
で、被転写基材に接着させた。次いで、転写シートが接
着固定した被転写基材を、衝突圧印加部30のチャンバ
33に供給し、チャンバ内で、転写シートの支持体側か
ら電熱線ヒータによる輻射熱を用いたシート加熱装置4
0で転写シートを衝突圧印加に備えて更に加熱軟化さ
せ、接着剤の十分な活性化と、支持体の十分な軟化と被
転写基材の加熱を行った。
【0059】次いで、固体粒子Pとして平均粒径0.8
mmの球形のジルコニアビーズを図10(A)の配列の
噴出器32から噴出させ転写シートの支持体側に衝突さ
せて、転写シートを被転写基材に更に圧接した。吹付圧
力は5kg/cm2 、固体粒子及び気流の温度を50
℃、衝突圧の圧力分布は図11の様にシート幅方向中央
が極大となる様にした。そして、転写シートが目地の凹
部内にまで延ばされて熱融着し、チャンバから室温20
℃の外部に出た後に、転写シートの支持体を剥離ローラ
22で剥がし取り、化粧材Dを得た。更に、転写層の表
面に、2重量%のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を
含むポリフッ化ビニリデンのエマルション塗料を厚さ1
0μm塗布して、透明保護層を形成して、透明保護層付
きの化粧材を得た。得られた化粧材は表面凹凸の大柄な
凹凸及び微細な凹凸の凹部から凸部にわたって十分に追
従して絵柄が転写されていた。そして、微細な凹凸の凹
部内、及び大柄な凹凸の凹部内にも完全に絵柄は接着さ
れており、支持体剥離時に、絵柄(転写層)が支持体と
共に除去されて、転写層が被転写基材側に転写されない
という所謂「転写抜け」も全く見当たら無かった。
【0060】
【発明の効果】 本発明によれば、大きな三次元的凹凸表面が装飾され
た化粧板が容易に得られる。もちろん、窓枠、サッシ等
の二次元的凹凸も可能であり、平板状の板材以外にも、
瓦の様に全体として波うち形状のもの、或いは凸又は凹
に湾曲した形状のものでも容易に得られる。 また、弾性体ローラによる転写圧印加の後に、固体粒
子衝突圧による転写圧印加を併用しているので、ローラ
圧転写のみでは不可能であった様な、凹凸表面、特に間
口の狭い凹部にも転写することができる。即ち転写可能
な凹凸形状の範囲が拡大する。 また、転写された転写層は、凹部凸部ともに十分に被
転写基材と接着し、凹部内のみ接着力が不良になる事も
無い。 また、転写圧印加に弾性体ローラのみ用いる従来のゴ
ムローラ押圧方式の様に、被転写基材の凹凸部によるロ
ーラ等部品の損耗も少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の曲面転写方法を概説する概念図。
【図2】弾性体ローラによる転写を説明する概念図(断
面図)。
【図3】弾性体ローラによる転写の一形態を説明する概
念図(斜視図)。
【図4】柱状の被転写基材表面の接平面を説明する斜視
図。
【図5】柱状の被転写基材への弾性体ローラによる転写
を説明する斜視図。
【図6】被転写基材の角部を転写する場合の弾性体ロー
ラの一形態を示す正面図。
【図7】被転写基材の角部を転写する場合の弾性体ロー
ラの一形態を示す斜視図。
【図8】固体粒子噴出手段として吹出ノズルを説明する
概念図。
【図9】固体粒子噴出手段として羽根車を用いた噴出器
を説明する概念図であり、(A)は正面図、(B)は側
面図。
【図10】噴出器の各種配置形態を示す平面図。(A)
は千鳥格子状に並べた配置、(B)は中央部は上流側に
して、両端になるにつれて下流側にずらした配置。
【図11】衝突圧に幅方向分布を設けた説明図。
【図12】噴出方向の一形態を示す流れ方向からみた断
面図。
【図13】本発明の曲面転写方法を実施し得る曲面転写
装置の一形態の概念図で、(A)は基材搬送方向の側面
から見た図で、(B)は(A)の装置の噴出器部分を基
材搬送方向から見た概略装置図。
【図14】軟質弾性体ローラのみによる転写の概念図。
【図15】軟質弾性体ローラのみによる転写の不具合を
説明する断面図(その1)。
【図16】軟質弾性体ローラのみによる転写の不具合を
説明する断面図(その2)。
【図17】軟質弾性体ローラのみによる転写の不具合を
説明する断面図(その3)。
【図18】被転写基材の三次元表面凹凸の一例を示す平
面図。
【符号の説明】
1 支持体 2 転写層 3 噴出器 10 基材搬送装置(基材搬送手段) 20 シート供給装置(シート供給手段) 21 シート送出装置 22 剥離ローラ 23 シート排出装置 30 衝突圧印加部(衝突圧印加手段) 31 ホッパ 32 噴出器(固体粒子噴出手段) 33 チャンバ 34 ドレン管 35 分離装置 36 真空ポンプ 40 シート加熱装置 41 基材加熱装置 50 基材塗工装置 60 ローラ圧印加装置(ローラ圧印加手段) 320 (吹出ノズルによる)噴出器 321 マニホールド部 322 吹出ノズル部 323 ノズル開口部 325 (羽根車による)噴出器 326 羽根 327 側面板 328 回転軸 401 溝状凹部 B 被転写基材 D 化粧板 G 気体 P 固体粒子 R、Ra〜Rd 弾性体ローラ R1 軸芯 R2 弾性体 S 転写シート

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の順に各工程を経る事によって、支
    持体と転写層とからなる転写シートの転写層を、被転写
    基材に転写する曲面転写方法; (A) 凹凸表面を有する被転写基材の凹凸表面側に、転写
    シートの転写層側を対向させ、該転写シートの支持体側
    から弾性体ローラで加圧して、前記被転写基材の少なく
    とも凸部に転写シートを圧接し、転写シートを被転写基
    材に接着させる工程、 (B) 転写シートの支持体側に固体粒子を衝突させ、その
    衝突圧を利用して、被転写基材の凹凸表面へ転写シート
    を圧接して、転写層を被転写基材の凹凸表面のうち、凸
    部を含む所望の領域に接着させる工程、 (C) 転写シートの支持体を剥離除去する工程。
  2. 【請求項2】 凹凸表面を有する被転写基材の凹凸表面
    側に、支持体と転写層とからなる転写シートの転写層側
    を対向させ、該転写シートの支持体側から、先ず弾性体
    ローラで加圧し、次いで固体粒子を衝突させて、そのロ
    ーラ圧及び衝突圧を利用して転写シートを被転写基材の
    凹凸表面の所望の領域に圧接して転写する方法を実施す
    る為に使用される装置であって、少なくとも、 (A) 弾性体ローラにより、転写シートを被転写基材に向
    かって押圧するローラ圧印加手段と、 (B) 固体粒子の衝突圧により転写シートを被転写基材に
    向かって押圧する為の、固体粒子を噴出する固体粒子噴
    出手段を備え、 (C) 被転写基材をローラ圧印加手段まで搬送し、次い
    で、固体粒子噴出手段と対向する位置まで搬送する基材
    搬送手段と、 (D) 転写シートを被転写基材と弾性体ローラとの間に挿
    入するシート供給手段と、を備えた、曲面転写装置。
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