JPH11170790A - 曲面転写方法及び曲面転写装置 - Google Patents

曲面転写方法及び曲面転写装置

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JPH11170790A
JPH11170790A JP35201797A JP35201797A JPH11170790A JP H11170790 A JPH11170790 A JP H11170790A JP 35201797 A JP35201797 A JP 35201797A JP 35201797 A JP35201797 A JP 35201797A JP H11170790 A JPH11170790 A JP H11170790A
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sheet
transfer sheet
substrate
transferred
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JP35201797A
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English (en)
Inventor
Mitsutoyo Miyakoshi
光豊 宮越
Haruo Miyashita
治雄 宮下
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 三次元的な凹凸面を持つ化粧材等の転写製品
を効率良く製造する。 【解決手段】 被転写基材Bの凹凸面側に、支持体と転
写層とからなる転写シートSの転写層側を対向させ、噴
出器3から噴出させた固体粒子Pを転写シートの支持体
側に衝突させ、その衝突圧で転写シートを被転写基材に
圧接後、支持体を剥離して化粧材等の転写製品を得るに
当たって、転写シートを被転写基材に対向させる際に、
シート支持装置1で転写シートの両端部を支持して転写
シートと被転写基材とを離間させ、且つ転写シートの中
央部が、被転写基材側に凸になる垂下した様な転写シー
トの形状にし、次いで、固体粒子の衝突圧を転写シート
に加えて、転写シートの中央部から順次両端部側へ向け
て被転写基材に圧接して行く。転写シートと被転写基材
間に空気が残留しにくくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、住宅の外装及び内
装材、家具、家電製品等に用いる特に凹凸装飾面を有す
る化粧材等の転写製品を製造する為の曲面転写方法及び
曲面転写装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、化粧板の基材面に直刷り法、ラミ
ネート法、転写法等により絵柄等の装飾を施した化粧板
が種々の用途で使用されている。この場合、基材の表面
が平面ならば、絵柄装飾は容易にできるが、凹凸表面に
対しては格別の工夫により絵柄装飾を施している。例え
ば、窓枠、面縁材等の柱状で基材装飾面が二次元的凹凸
〔円柱の様に一方向(母線、或いは高さ方向に直交する
方向)にのみ曲率を有する形状〕の場合に適用できる曲
面装飾技術の一つが、特公昭61−5895号公報に提
案されている。すなわち、同号公報の技術はラミネート
法による表面装飾法であり、片面に接着剤を塗布した表
装シートを供給し、一方基材を表装シートの供給速度と
同調した速度で水平に搬送し、併設した多数の押え治具
にて表装シートの端部が貼着されない状態を維持しつつ
表装シートの接着剤塗布面側を基材に対して小面積毎に
段階的に押圧し、表装シートを基材面に加熱貼着するも
のである。なお、この方法はラッピング加工法と言われ
ている。また、表面凹凸がエンボス形状等の三次元的凹
凸(すなわち、半球面の様に2方向に曲率を有する形
状)の場合に適用できる曲面装飾技術としては、例えば
特開平5−139097号公報に提案されている。すな
わち、同号公報の技術は転写法による表面装飾法であ
り、転写シートの支持体として熱可塑性樹脂フィルムを
用い、該支持体上に剥離層、絵柄層、及び接着層を順次
設けた構成の転写シートを、凹凸表面を有する基材上に
設置し、支持体の裏面からゴム硬度60°以下のゴム製
の熱ローラで押圧して、絵柄を転写することによって化
粧板を得るものである。また、支持体と剥離層間に転写
時の熱で発泡する発泡層を設け、この発泡も利用して基
材の凹凸表面に追従させようとするものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
様な従来の方法では、特公昭61−5895号公報に開
示の技術では、二次元的曲面までしか対応できず、ま
た、特開平5−139097号公報が提案する技術で
は、三次元的曲面も対応できるが、基本的に回転する熱
ローラのゴムによる弾性変形を利用して表面凹凸に追従
させる為に、浅いエンボス形状は良いとしても大きな表
面凹凸には適用できない。その上、被転写基材の凹凸の
隅角部によって軟質のゴムローラが損耗し易い。また、
転写シートに発泡層を設ける構成では、転写シートが複
雑高価になり過ぎる。また、全体として平板状の基材に
限定されるといった問題があった。そこで、本発明は、
大きな三次元的凹凸表面にも転写でき表面装飾性に優れ
た化粧材等の転写製品が得られ、且つ転写圧の押圧に特
殊形状の治具を必要とせず、ゴムローラ等部品の損耗に
よる交換の必要の無い、曲面転写方法及び装置を提供す
ることである。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、上記課題を解決
すべく、本発明の曲面転写方法では、支持体と転写層と
からなる転写シートを被転写基材へ押圧して圧接する手
段として、転写シートの支持体側に固体粒子を衝突さ
せ、その衝突圧を利用した。すなわち、凹凸表面を有す
る被転写基材の凹凸表面側に、支持体と転写層とからな
る転写シートの転写層側を対向させ、該転写シートの支
持体側に固体粒子を衝突させ、その衝突圧を利用して、
被転写基材の凹凸表面への転写シートの圧接を行い、転
写層が被転写基材に接着後、転写シートの支持体を剥離
除去することで、転写層を被転写基材に転写する様にし
た。しかも、転写シートを被転写基材に対向させる際
に、転写シートの両端部を支持して転写シートと被転写
基材とを離間させ、且つ転写シートの中央部が、被転写
基材側に凸になる垂下した様な転写シートの形状にし、
次いで、固体粒子の衝突圧を転写シートに加えて、転写
シートの中央部から順次両端部側へ向けて被転写基材に
圧接して行く様にした。その結果、転写シートと被転写
基材間に空気が残る事なく、転写層が一部転写されない
転写抜けの発生を防げる。また、本発明の曲面転写装置
は上記曲面転写方法を実施する為に使用する装置であ
り、少なくとも、固体粒子を噴出する固体粒子噴出手段
と、転写シートの中央部が、被転写基材側に凸になる垂
下した様な転写シートの形状になる様に、転写シートの
両端部を支持して転写シートを被転写基材に離間して対
向させて、転写シートを固体粒子噴出手段と被転写基材
との間に位置させる、シート支持手段と、被転写基材を
少なくとも固体粒子噴出手段に対向する位置まで搬送す
る基材搬送手段と、転写シートを固体粒子噴出手段と被
転写基材との間に位置させる転写シート供給手段と、を
備えた装置とした。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明の曲面転写方法及び
装置の実施の形態を説明する。先ず、図1は本発明の一
形態を示す概念図である。図1(A)〜(C)は、転写
シート及び被転写基材の搬送方向から見た図であり、図
1(D)は斜視図である。図1(A)の如く、支持体と
転写層とからなる転写シートSは、シート支持手段であ
るシート支持装置1によって、その転写層側を下方に位
置する被転写基材Bの凹凸表面側に対向する様に、連続
帯状の形態で搬送される。一方、被転写基材Bは平板状
で、その被転写面である凹凸表面を水平且つ上方に向け
て、駆動回転ローラ列等からなる基材搬送手段である基
材搬送装置2により搬送される。転写シートと被転写基
材とは、それぞれ同一速度で同一方向に搬送される。そ
して、本発明では、固体粒子の衝突圧を印加すべく、転
写シートSを被転写基材Bに対向させる際には、転写シ
ートの両端部を支持して、転写シートは被転写基材に接
触させず離す様に離間して対向させ、且つ、転写シート
の中央部が、被転写基材側に凸になる垂下した様な転写
シートの形状になる様にする。従って、転写シートはそ
の中央部と両端部とでは高低差ΔHが生じる。なお、こ
のΔHは高低差と称したが、後述する様に、高さ方向の
距離差の場合もあるが、より厳密には被転写基材の被転
写面の法線方向に於ける距離差である。そして、転写シ
ートの中央部では被転写基材と距離ΔG(>0)だけ離
すが、転写シートの両端部では、この距離ΔGに更に前
記高低差ΔH(>0)の分だけ更に離れた状態とする。
そして、この状態から固体粒子の衝突圧の印加を開始す
る。
【0006】ところで、シート支持装置は、例えば図1
(D)のシート支持装置1a及び1bから成るシート支
持装置1に例示する如く、転写シートSの両端部のそれ
ぞれの部分に於いて、転写シートの搬送速度に一致した
周速で回転駆動する一対のエンドレスベトルから成る。
そして、この一対のエンドレスベルトで転写シートの両
端部を表裏から挟持しつつ、転写シートを搬送して、固
体粒子噴出手段である噴出器(不図示)と被転写基材と
の間に位置させる。この場合は、シート支持手段がシー
ト供給手段も兼ねる。なお、シート支持装置1が転写シ
ートを挟持する部分においては、図1(A)の如く、転
写シートを挟持する角度を水平とせずに、角度θだけ傾
けても良い。角度θは、転写シート(の断面形状)が両
端部から中央部に至るまで滑らかな曲線を描く垂下した
様な形状に於いて、両端部の転写シートのそれぞれの面
の、両端部同士を結ぶ線分(図1の場合は水平線)から
成す角度(図面回転矢印方向)である。角度θは、0<
θ<90°の範囲である。角度θを付けて両端部を挟持
すれば、転写シートは両側の各々の端部に於ける端から
中央部まで、折れた形状にならずに、無理無く滑らかな
曲線を描く様にできる。この断面曲線は、通常は懸垂曲
線となるが、もちろんその他の形状になる様工夫しても
良い。
【0007】そして、図1(B)の如く、図1(A)の
状態にしておいた転写シートに対して、固体粒子を衝突
させて、衝突圧を転写シートに加え始める。同図では、
固体粒子Pは、固体粒子噴出手段である噴出器3から略
鉛直方向下方に向かって噴出され、転写シートSに向け
て噴出される。固体粒子Pは、転写シートの支持体側に
衝突して衝突圧を転写圧として与えて、転写シートを被
転写基材に押圧して圧接する。この際、転写シートは図
1(A)の状態にしておいて衝突圧を与えるので、衝突
圧が加えられた転写シートは、最初は図1(B)の如
く、その中央部が最初に被転写基材に圧接され、次いで
図1(C)の如く中央部から順次両端部側へ向けて圧接
されていく。本発明では、転写シートへの衝突圧は幅方
向の全幅が同時に押圧される様であっても、転写シート
の形状を図1(A)の形状にした後に、固体粒子の衝突
圧の印加を開始するので、転写シートはその中央部から
順次両端部に向かって被転写基材に圧接して行くことが
可能となる。なお、より好ましくは転写シートの中央部
から順次両端部に向けて固体粒子を衝突させる部分を変
更して行くか〔図1(B)及び(C)参照〕、或いは中
央部から順次両端部に向けて固体粒子の衝突圧が低下す
る様に分布させると良い〔後述図10参照〕。前者の様
にするには、例えば図1(B)及び(C)の如く、幅方
向に3以上配置した噴出器3について、先ず中央部の噴
出器から固体粒子の噴出を開始し、順次両端部側の噴出
器へと固体粒子の噴出開始を遅らせて行くか、或いは、
噴出器の配置自体を、後述する図9(B)の配置にする
と良い。この様な固体粒子側でも中央部から両端部側へ
と固体粒子の衝突を規制することで、より確実に、転写
シートの中央部から順次両端部側に向けて圧接を進行さ
せる事が出来る。
【0008】なお、シート支持装置1が、転写シートの
中央部を垂下させるには、図1(D)の斜視図に例示す
る様な両端部の各々のシート支持装置1a及び1b間の
距離を、転写シートの両端部の挟持を開始した時の距離
から、転写シートの搬送と共に狭くして行けば、その分
の転写シートがたるみ、自重で自然に垂下させる事がで
きる。例えば、図1(D)に例示した様なエンドレスベ
ルトでは、先ず最初は搬送しながら両端部間を狭くして
転写シートをたるまさせて行くエンドレスベルトと、所
望の間隔にまで両端部がなった後は、次のエンドレスベ
ルトに転写シートを渡して、今度は両端部間は一定のま
ま転写シートを搬送する様にしても良い。なお、転写シ
ートを加熱軟化させる場合では、その加熱軟化度合の状
態次第では、転写シートが自重で延ばされる事で垂下さ
せる事もできる。或いは、これら両者を併用することも
できる。
【0009】なお、本発明において、転写シートの中央
部が、被転写基材側に凸になる垂下した様な転写シート
の形状にするとは、図1に例示した形態の様に、実際に
転写シートをその自重によって垂下させるだけの形態だ
けではない。要は、転写シートの中央部を被転写基材に
最も近く、そして中央部からその周辺部に向かって順次
遠くなる滑らかな凸なる形状(これが垂下した様な形状
である)であれば良く、シート支持手段が転写シートを
その様な形状にする為に利用する手段は任意である。
【0010】図2は、重力によらずに、強制的に転写シ
ートを所望の形状にする形態例である。なお、同図の場
合、転写シートは枚葉の形態で通常使用する。同図は、
被転写基材Bは箱型の基材置き台4の底部に載置する。
基材置き台の四方周囲の上部はシート固定部5となり、
シート固定部5が成す面が、上述した転写シートを特定
形状にする面となっている。つまり、シート固定部5の
対向する2辺は平面であるが、もう一組の対向する2辺
は(図面下方向に)凹の曲面としてある。そして、被転
写基材が載置された基材置き台の上から枚葉の転写シー
トSを被せて、その転写シートSをシート固定具6で基
材置き台のシート固定部5に対して固定する。このシー
ト固定具6は転写シートをシート固定部に押圧する面
が、シート固定部とは逆凹凸形状をしている。その結
果、転写シートの中央部が、被転写基材側に凸になる垂
下した様な転写シートの形状にする事ができる。そし
て、衝突圧の印加は、例えば、この基材置き台を搬送し
ながら行えば良い。なお、転写シートを上述した所望の
形状とするシート支持手段は、この場合は、基材置き台
4とシート固定具6である。また、基材置き台4は、基
材搬送手段とも言える。
【0011】また、図示はしないが別の形態として、転
写シートを図2の様な形状のシート固定具6を二つ用い
て、その一対のシート固定具で転写シートを表裏から挟
持する事でも、転写シートを上述した所望の形状とする
事ができる。従って、この場合のシート支持手段は、こ
れら一対からなるシート固定具である。
【0012】図2を参照して説明した様に、転写シート
を所望の形状とする為には重力を利用しない手段もあっ
た。従って、重力を利用しない場合では、固体粒子を衝
突させるべき転写シートの支持体面は、上向き略水平
(図1)以外にも、斜面、鉛直面〔図7(B)参照〕、
或いは天地逆さ(下向き水平)等とし、衝突圧を印加し
ても良い。また、これまでの説明では、被転写基材の被
転写面が成す包絡面は、完全な平面である事を想定して
述べたが、二次元曲面や三次元曲面でも緩やかに凸又は
凹に湾曲した面であっても、転写シートの中央部が最も
被転写基材に接近する様にしてあれば、同様な効果が得
られる。但し、例えば凸に湾曲した二次元曲面でもその
湾曲次第では、転写シートは上述した所望の形状とせず
に平面のままでも、転写シートの中央部が被転写基材に
最も近いという位置関係を作りだせるので、転写シート
を所望の形状とするまでも無い。なお、転写シートが特
に枚葉の場合には、転写シートの形状は二次元曲面とせ
ずに、全4辺に対して中央部のみが被転写基材に凸にな
るいわば部分球の様な三次元曲面としても、被転写基材
に転写シートの中央部から、順次両端部側へ向けて圧接
して行く事は出来る。但し、二次元曲面は転写シートを
延ばさずに出来るが、三次元曲面は延ばす必要があり、
これには、転写シートを加熱軟化させてその自重で垂下
する事を利用すれば出来る。従って、本発明での両端部
とは、通常は連続帯状や枚葉の転写シートに於ける一対
の対向する端部分を指すが、枚葉の転写シートでは、二
対の対向する端部分をも含む。
【0013】以下、更に本発明を詳述する。
【0014】〔被転写基材〕先ず、本発明の被転写基材
Bとしては、被転写面が平坦な平面でももちろん適用で
きるが、本発明が真価を発揮するのは被転写面が凹凸表
面であり、特にその凹凸が三次元的である被転写基材で
ある。従来の回転接触する押さえ治具(前述の特公昭6
1−5895号公報)や、ゴム製の転写ローラ(前述の
特開平5−139097号公報参照)では、その回転軸
による方向性を本質的に有しているために、適用できる
表面凹凸形状が制約される。即ち前者では、1軸方向に
のみ曲率を有する二次元的凹凸に限定され、また、後者
では2軸方向に曲率を有する三次元的凹凸への転写が可
能でもその三次元形状は任意の方向に均質に適用できな
い。例えば、木目導管柄の長手方向は、転写シートの送
り方向に平行にしないと、導管凹部には旨く転写できな
い。しかも、後者は基材形状は平板状に事実上限定さ
れ、それ以外は基材形状毎にその都度合わせた特殊形状
の転写ローラとでもしない限り不可能である。ところ
が、本発明では、後述の様に、流体的に振る舞うことが
できる固体粒子群の衝突圧を利用するため、表面凹凸の
三次元的形状に対して圧力印加領域の面的な方向性を本
質的に持たない。(この方向性とは、圧力が印加される
被転写基材上のポイントの時間的位置変化の方向のこと
である。)従って、転写シートや被転写基材の送り方向
(転写圧印加方向)に凹凸がある形状を持つ被転写基材
でも構わない。すなわち、送り方向のみ又は幅方向のみ
等と一方向にのみ凹凸がある二次元的凹凸、送り方向及
び幅方向の両方等と2方向に凹凸がある三次元的凹凸に
も適用できることを意味する。なお、固体粒子群の衝突
圧が方向性を持たない点は、枚葉の転写シートを被転写
基材上に載置し一つずつ圧接密着する様に、固体粒子を
噴出する噴出器を移動、又は噴出器固定で転写シートと
被転写基材とを移動させて、衝突圧が印加される領域が
移動していく様子を考えれば、容易に理解できる。
【0015】また、大柄な凹凸に重畳して微細な凹凸を
有する凹凸表面の被転写基材、或いは凹凸表面の凹部底
部や凹部内側面に転写すべき面を有する被転写基材も可
能である。前記大柄な凹凸と微細な凹凸とは、例えば図
12の如く被転写基材の凹凸が大柄な凹凸401、40
2とその凸部402上にある微細な凹凸403とからな
るもので、大柄の凹凸形状は段差が1〜10mm、凹部
の幅が1〜10mm、凸部の幅が5mm以上のもので構
成されるものであり、微細な凹凸形状は、段差及び幅と
もに大柄な凹凸形状よりも小さく、具体的には段差が
0.1〜5mm程度、凹部の幅及び凸部の幅が0.1m
m以上で、大柄な凹凸形状の凸部の幅の1/2未満程度
である。大柄な凹凸と微細な凹凸との組み合わせの凹凸
から成り、且つ三次元的な表面凹凸を持つ化粧材の凹凸
模様の具体例としては、例えば、大柄な凹凸として目
地、溝等を有するタイル、煉瓦、石等の二次元配列模様
を有し、その上に微細な凹凸としてスタッコ調、リシン
調等の吹き付け塗装面の凹凸模様、花崗岩の劈開面やト
ラバーチン大理石板等の石材表面の凹凸等の石目調凹凸
模様、或いは大柄な凹凸模様として目地、溝、簓、サネ
等を有する羽目板模様、浮造木目板模様を有し、その上
に微細凹凸として導管溝、浮出した年輪、ヘアライン等
を有する木目調の凹凸模様が挙げられる。なお、凹凸面
を構成する各面は、平面のみから、曲面のみらか、或い
は平面と曲面の組み合わせと任意である。従って、本発
明の被転写基材上の曲面とは、断面が下駄の歯形の様に
複数の平面のみから構成される曲面を持たない凹凸面も
意味する。また、本発明でいう曲率とは、立方体の辺或
いは頂点の周辺の様に角張っている曲率無限大(曲率半
径=0)の場合も包含する。なお、被転写基材表面を所
望の凹凸とするには、プレス加工、エンボス加工、押し
出し加工、切削加工、成形加工等によれば良い。
【0016】被転写基材の材質は任意であり、例えば、
板材であれば、ケイ酸カルシウム板、押し出しセメント
板、スラグセメント板、ALC(軽量気泡コンクリー
ト)板、GRC(硝子繊維強化コンクリート)板、パル
プセメント板等の非陶磁器窯業系板、木材単板や木材合
板、パーティクルボード、集成材、木質中密度繊維板
(MDF)等の木質板、また、鉄、アルミニウム、銅等
の金属板、陶磁器やガラス等のセラミックス、ポリプロ
ピレン、ABS樹脂、フェノール樹脂等の樹脂成形品等
でも良い。なお、後述の様に固体粒子加速流体として液
体を用い、該液体と共に固体粒子を噴出させる場合は、
該液体に対して不溶性且つ非吸収性の物が好ましい。例
えば金属板、樹脂成形品、陶磁器やガラス等のセラミッ
クス等である。また、これらの被転写基材表面には、予
め、接着剤との接着を補助する為の易接着プライマー、
或いは表面の微凹凸や多孔質を目止めし封じるシーラー
剤を塗工しておいても良い。易接着プライマー、或いは
シーラー剤としては、イソシアネート、2液硬化ウレタ
ン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂
等の樹脂を塗工し形成する。
【0017】〔転写シート〕転写シートSは支持体と転
写移行する転写層とからなる。転写層は少なくとも装飾
層からなる。また、接着剤を、転写層の一部となる接着
剤層として、転写シートに形成しておいても良い。なお
液体を固体粒子加速流体に用い、液体と共に固体粒子を
噴出する場合は、支持体や転写層には、該液体に対して
不溶性の物を用いる。例えば、液体が水であれば、水溶
性樹脂等を除けば、一般の転写シートとして使用してい
る材料から下記に従い適宜選択使用すれば良い。
【0018】(支持体)上記支持体には、被転写基材が
二次元的凹凸表面であれば、延伸性が無い紙(但し、固
体粒子加速流体が液体の場合は、該液体に対して不溶性
のものを選ぶ)等も可能だが、本発明が真価を発揮する
三次元的凹凸表面に適用する為には、少なくとも転写時
には延伸性の有る支持体を用いる。延伸性により固体粒
子の衝突圧印加時に、被転写基材表面の凹部内部まで転
写シートを追従させて密着し転写することができる。転
写シート全体の延伸性は、主に支持体の延伸性に支配さ
れる。従って、支持体には、従来公知の熱可塑性樹脂フ
ィルムの他に、常温でも延伸するゴム膜も使用できる。
熱可塑性樹脂フィルムの場合、装飾層等の転写層形成時
には延伸性が殆どなく、転写時には、加熱により充分な
延伸性を発現し、且つ冷却後は変形した形状を保持し続
け、弾性による形状の復元を生じない転写シートとし
て、従来公知の通常の転写シート同様に容易に、本発明
で用い得る転写シートは用意出来る。支持体の具体例と
しては、延伸性の点で、従来多用されている2軸延伸ポ
リエチレンテレフタレートフィルムでも、表面凹凸形状
次第で、加熱条件、衝突圧条件等の設定によって、必要
充分な延伸性を発現させることができるので曲面転写は
可能である。ただ、より低温・低圧で延伸性が発現し易
い好ましい支持体としては、例えば、エチレン・テレフ
タレート・イソフタレート共重合体ポリエステル、ポリ
ブチレンテレフタレート等の熱可塑性ポリエステル樹
脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテ
ン等のポリオレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂、エチレン
−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共
重合体、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、或いは天然ゴ
ム、合成ゴム、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ウ
レタン系熱可塑性エラストマー等を単体又は混合物で、
単層又は異種の複層とした樹脂フィルムを用いることが
てきる。これら樹脂フィルムは低延伸又は無延伸の物が
好ましい。例えば、具体的にはポリプロピレン系熱可塑
性エラストマーフィルムは、延伸特性に優れ且つ廃棄燃
焼時に塩酸ガスを発生せず環境対策的にも好ましい支持
体の一つである。支持体の厚さは、通常20〜200μ
mである。
【0019】なお、固体粒子加速流体に液体を用いる場
合には、転写時に接する液体に対して、膨潤はするが不
溶である樹脂フィルムを使用する事も可能である。この
様な膨潤性且つ不溶性樹脂フィルムの例としては、液体
として水又は水溶液を用いる場合には、特開昭54−1
50208号公報、特公昭61−3276号公報等に開
示される様な、ポリビニルアルコール系フィルムであっ
て、平均重合度300〜3000、鹸化度65〜97m
ol%、厚さ20〜200μmのフィルムが代表的なも
のである。また、支持体には必要に応じ、その転写層側
に転写層との剥離性を向上させる為、離型層を設けても
良い。この離型層は支持体を剥離時に支持体と共に転写
層から剥離除去される。離型層としては、例えば、シリ
コーン樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン
樹脂、ポリオレフィン樹脂、ワックス等の単体又はこれ
らを含む混合物が用いられる。
【0020】また、転写層に接する側の支持体面に凹凸
模様を設ければ、転写後の転写層表面に凹凸模様を賦形
することもできる。凹凸模様は、例えば、砂目、梨地、
ヘアライン、万線状溝、花崗岩の劈開面の凹凸模様、木
目導管溝、木目年輪模様、布目の表面テクスチュア、皮
絞、文字、幾何学模様等である。なお、凹凸模様の形成
は、支持体の樹脂シートに対して、熱プレスによるエン
ボス加工、サンドブラスト加工、ヘアライン加工をした
り、或いは支持体に、離型性の有る樹脂をバインダーと
するインキ(2液硬化ウレタン、シリコーン樹脂、メラ
ミン樹脂、紫外線又は電子線で架橋する多官能アクリレ
ート又はメタクリレートのモノマー又はプレポリマー等
からなる)を用いて所望の凹凸模様に、シルクスクリー
ン印刷等で盛り上げ印刷して賦形層を設け、賦形層を有
する支持体とする方法等がある。なお、賦形層は上記離
型層の機能を有する。
【0021】(転写層)転写層は少なくとも装飾層から
構成し、更に適宜、剥離層、接着剤層等も転写層の構成
要素とすることもある。接着剤層を有する構成では、転
写の際に転写シート又は被転写基材の片方又は両方に接
着剤を施すことを省略できる。装飾層はグラビア印刷、
シルクスクリーン印刷、オフセット印刷等の従来公知の
方法、材料で絵柄等を印刷した絵柄層、アルミニウム、
クロム、金、銀等の金属を公知の蒸着法等を用いて部分
的或いは全面に形成した金属薄膜層等であり、用途に合
わせたものを用いる。絵柄としては、被転写基材の表面
凹凸に合わせて、木目模様、石目模様、布目模様、タイ
ル調模様、煉瓦調模様、皮絞模様、文字、幾何学模様、
全面ベタ等を用いる。なお、絵柄層用インキは、バイン
ダー等からなるビヒクル、顔料や染料等の着色剤、これ
に適宜加える各種添加剤からなる。バインダーには、ア
クリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエ
ステル樹脂、セルロース系樹脂、ポリウレタン樹脂、フ
ッ素樹脂等の単体又はこれらを含む混合物を用いる。着
色剤の顔料としては、チタン白、カーボンブラック、弁
柄、黄鉛、群青等の無機顔料、アニリンブラック、キナ
クリドン、イソインドリノン、フタロシアニンブルー等
の有機顔料を用いる。また、剥離層を、支持体乃至は離
型層と装飾層との間の剥離性を調整する為、また、転写
後の装飾層の表面保護の為等に、これら層間に設けるの
は、従来公知の転写シートと同様である。剥離層には、
例えば、上記絵柄層用インキのバインダーに用いる樹脂
等が用いられる。なお、この剥離層は転写時に装飾層と
共に被転写基材側に転写され、装飾層の表面を被覆す
る。また、被転写基材表面と転写シートとの間に抱き込
まれて残留する空気を抜き易くする為に、必要に応じて
転写シート全面に転写シート全層を貫通する小孔を多数
穿設しても良い。
【0022】〔接着剤〕接着剤は、転写シートの転写層
を構成する接着剤層としてや、被転写基材上の接着剤層
として、事前に、又は転写の直前にインライン塗工やオ
フライン塗工で施す。被転写基材に施す場合には、転写
シート転写層の接着剤層を省略できる。用いる接着剤
は、用途、要求物性等により適宜選択すれば良いが、固
体粒子加速流体に液体を用いる場合には、該液体に対し
て不溶性の物を選択する。用いる接着剤としては、例え
ば、感熱型接着剤、湿気硬化型感熱溶融型接着剤、ホッ
トメルト接着剤、湿気硬化型ホットメルト接着剤、2液
硬化型接着剤、電離放射線硬化型接着剤、水性接着剤、
或いは粘着剤による感圧型接着剤等の各種接着剤を使用
できる。なお、水を固体粒子加速流体に用いる場合は、
湿気硬化型の接着剤や水性接着剤は避ける。上記感熱型
接着剤としては、熱可塑性樹脂を用いた熱融着型と、熱
硬化性樹脂を用いた熱硬化型とのいずれの接着剤も使用
できる。但し、短時間で接着が完了するという点から
は、熱融着型(感熱溶融型接着剤)が好ましい。また、
接着剤は溶剤希釈又は無溶剤、或いは常温で液体又は固
体のいずれでも良く、適宜使い分ける。また、粘着性を
呈する感圧型の粘着剤以外の接着剤では、接着剤層の単
層のみで転写層とすることができる。接着剤層中に顔料
等の着色剤を添加すれば、全面ベタのインク層からなる
装飾層ともいえる。
【0023】感熱溶融型接着剤としては、ポリ酢酸ビニ
ル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリル樹
脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、熱可塑性ウレタン樹
脂、ダイマー酸とエチレンジアミンとの縮重合により得
られるポリアミド樹脂等の従来公知の接着剤を用いるこ
とができる。熱硬化型接着剤としては、フェノール樹
脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、熱硬化型ウレ
タン樹脂、エポキシ樹脂等を用いることがてきる。
【0024】また、湿気硬化型感熱溶融型接着剤も感熱
溶融型接着剤の一種である。湿気硬化型感熱溶融型接着
剤は、自然放置により空気中の水分で硬化反応が進行す
るので、作業安定性の点で転写直前に施す。また、湿気
硬化型感熱溶融型接着剤は、転写直後は、通常の感熱溶
融型接着剤同様の接着力だが、自然放置により空気中の
水分で架橋・硬化反応が徐徐に進行する為に、最終的に
クリープ変形及び熱溶融がなく耐熱性等に優れ、大きな
接着力が得られる。但し、転写終了後に湿気で接着剤の
架橋・硬化を進行させる為、湿気を含む空気中に転写後
の化粧材等の転写製品を放置して養生する。養生の際の
好ましい雰囲気条件は、大体、相対湿度50%RH以
上、気温10℃以上である。温度・相対湿度とも高い方
が、より短時間で硬化が完了する。標準的な硬化完了時
間は、通常の場合、20℃、60%RHの雰囲気中で1
0時間程度である。
【0025】湿気硬化型感熱溶融型接着剤は、分子末端
にイソシアネート基を有するプレポリマーを必須成分と
する組成物である。前記プレポリマーは、通常は分子両
末端に各々イソシアネート基を1個以上有するポリイソ
シアネートプレポリマーであり、常温で固体の熱可塑性
樹脂の状態にあるものである。イソシアネート基同士が
空気中の水分により反応して鎖延長反応を起こして、そ
の結果、分子鎖中に尿素結合を有する反応物を生じて、
この尿素結合に更に分子末端のイソシアネート基が反応
して、ビウレット結合を起こして分岐し、架橋反応を起
こす。分子末端にイソシアネート基を有するプレポリマ
ーの分子鎖の骨格構造は任意であるが、具体的には、ウ
レタン結合を有するポリウレタン骨格、エステル結合を
有するポリエステル骨格、ポリブタジン骨格等である。
適宜これら1種又は2種以上の骨格構造を採用すること
で、接着剤物性を調整できる。なお、分子鎖中にウレタ
ン結合ある場合は、このウレタン結合とも末端イソシア
ネート基が反応して、アロファネート結合を生じて、こ
のアロファネート結合によっても架橋反応を起こす。
【0026】ポリイソシアネートプレポリマーの具体例
としては、例えば、ポリオールに過剰のポリイソシアネ
ートを反応させた分子末端にイソシアネート基を有し、
且つ分子鎖中にウレタン結合を有するポリウレタン骨格
の、ウレタンプレポリマーがある。また、特開昭64−
14287号公報に開示されている様な、ポリイソシア
ネートに、ポリエステルポリオールと、ポリブタジエン
骨格を有するポリオールとを任意の順序で加え付加反応
させて得られた、ポリエステル骨格とポリブタジエン骨
格とがウレタン結合により結合された構造を有し且つ分
子末端にイソシアネート基を有する結晶性ウレタンプレ
ポリマー、或いは、特開平2−305882号公報に開
示されている様な、ポリカーボネート系ポリオールとポ
リイソシアネートを反応させて得られる分子中に2個以
上のイシソアネート基を有するポリカーボネート系ウレ
タンプレポリマー、ポリエステル系ポリオールとポリイ
ソシアネートを反応させて得られる分子中に2個以上の
イシソアネート基を有するポリエステル系ウレタンプレ
ポリマー等が挙げられる。
【0027】また、湿気硬化型感熱溶融型接着剤として
は、上記各種ポリイソシアネートプレポリマーの他に、
各種物性を調整する為に、上記必須反応成分に更に、必
要に応じて、熱可塑性樹脂、粘着付与剤、可塑剤、充填
剤等の各種副材料添加することもできる。これらの副材
料としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
低分子量ポリエチレン、変性ポリオレフィン、アタクチ
ックポリプロピレン、線状ポリエステル、エチレン−エ
チルアクリレート(EAA)等の熱可塑性樹脂、テルペ
ン−フェノール樹脂、アビエチン酸ロジンエステル等の
粘着付与剤、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、
アルミナ等の微粉末からなる充填剤(体質顔料)、着色
顔料、硬化触媒、水分除去剤、貯蔵安定剤、老化防止剤
等である。
【0028】電離放射線硬化型接着剤として用いる得る
電離放射線硬化性樹脂は、電離放射線により硬化可能な
組成物であり、具体的には、分子中にラジカル重合性不
飽和結合、又はカチオン重合性官能基を有する、プレポ
リマー(所謂オリゴマーも包含する)及び/又はモノマ
ーを適宜混合した電離放射線により硬化可能な組成物が
好ましくは用いられる。これらプレポリマー又はモノマ
ーは単体又は複数種を混合して用いる。
【0029】上記プレポリマー又はモノマーは、具体的
には、分子中に(メタ)アクリロイル基、(メタ)アク
リロイルオキシ基等のラジカル重合性不飽和基、エポキ
シ基等のカチオン重合性官能基等を有する化合物からな
る。また、ポリエンとポリチオールとの組み合わせによ
るポリエン/チオール系のプレポリマーも好ましくは用
いられる。なお、例えば(メタ)アクリロイル基とは、
アクリロイル基又はメタクリロイル基の意味である。ラ
ジカル重合性不飽和基を有するプレポリマーの例として
は、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メ
タ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、メ
ラミン(メタ)アクリレート、トリアジン(メタ)アク
リレート等が使用できる。分子量としては、通常250
〜100,000程度のものが用いられる。ラジカル重
合性不飽和基を有するモノマーの例としては、単官能モ
ノマーとして、メチル(メタ)アクリレート、2−エチ
ルヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル
(メタ)アクリレート等がある。また、多官能モノマー
として、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ト
リメチールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメ
チロールプロパンエチレンオキサイドトリ(メタ)アク
リレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アク
リレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アク
リレート等もある。カチオン重合性官能基を有するプレ
ポリマーの例としては、ビスフェノール型エポキシ樹
脂、ノボラック型エポキシ化合物等のエポキシ系樹脂、
脂肪酸系ビニルエーテル、芳香族系ビニルエーテル等の
ビニルエーテル系樹脂のプレポリマーがある。チオール
としては、トリメチロールプロパントリチオグリコレー
ト、ペンタエリスリトールテトラチオグリコレート等の
ポリチオールがある。また、ポリエンとしては、ジオー
ルとジイソシアネートによるポリウレタンの両端にアリ
ルアルコールを付加したもの等がある。
【0030】なお、紫外線又は可視光線にて硬化させる
場合には、上記電離放射線硬化性樹脂に、さらに光重合
開始剤を添加する。ラジカル重合性不飽和基を有する樹
脂系の場合は、光重合開始剤として、アセトフェノン
類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、ベンゾイ
ン、ベンゾインメチルエーテル類を単独又は混合して用
いることができる。また、カチオン重合性官能基を有す
る樹脂系の場合は、光重合開始剤として、芳香族ジアゾ
ニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム
塩、メタロセン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル
等を単独又は混合物として用いることができる。なお、
これらの光重合開始剤の添加量としては、電離放射線硬
化性樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部程
度である。なお、電離放射線としては、接着剤中の分子
を架橋させ得るエネルギーを有する電磁波又は荷電粒子
が用いられる。通常用いられるものは、紫外線又は電子
線であるが、この他、可視光線、X線、イオン線等を用
いる事も可能である。紫外線源としては、超高圧水銀
灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク灯、ブラ
ックライト、メタルハライドランプ等の光源が使用され
る。紫外線の波長としては通常190〜380nmの波
長域が主として用いられる。電子線源としては、コック
クロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器
型、絶縁コア変圧器型、或いは、直線型、ダイナミトロ
ン型、高周波型等の各種電子線加速器を用い、100〜
1000keV、好ましくは、100〜300keVの
エネルギーをもつ電子を照射するものが使用される。
【0031】上記電離放射線硬化性樹脂に、更に必要に
応じて、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビ
ニル、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂等の熱可塑性
樹脂を添加することもできる。なお、希釈溶剤は添加せ
ずに用いれば、ホットメルト接着剤となる。
【0032】なお、電離放射線硬化型接着剤を用いた場
合には、曲面転写装置に紫外線や電子線を照射する電離
放射線照射装置を組み込むことができる。照射は、衝突
圧印加中、印加後、或いは印加中及び印加後に行う。
【0033】また、接着剤に用いる上記各種樹脂に、更
に必要に応じ、各種添加剤を添加する事もできる。これ
らの添加剤としては、例えば、炭酸カルシウム、硫酸バ
リウム、シリカ、アルミナ等の微粉末からなる体質顔料
(充填剤)、有機ベントナイト等のチキソトロピック付
与剤(特に凹凸段差の大きい被転写基材の場合、接着剤
が凸部から凹部へ流入する事を防止する為に添加すると
良い。)等である。
【0034】接着剤を、転写シート等のシートや被転写
基材に施すには、水、有機溶剤等の溶媒(又は分散媒)
に溶解(又は分散)した溶液(又は分散液)の形態で、
或いは熱溶融した熱可塑性組成物又は室温液状の未硬化
樹脂を無溶剤の樹脂液の形態で施す。塗工法としては、
従来公知の塗工法であるグラビアロールコート等による
溶液塗工や、アプリケータ等による熔融塗工(溶融塗
工)法により施せば良い。また、特に凹凸表面の被転写
基材に対しては、軟質ゴムロールやスポンジロール等の
ロールを使用したロールコート、カーテンフローコー
ト、スプレーコート、熔融塗工等の塗工法が良い。希釈
溶剤を添加せずに用いれば、溶剤乾燥は不要である。例
えば、感熱溶融型接着剤は、それぞれ無溶剤のホットメ
ルト接着剤として使用できる。また、電離放射線硬化型
接着剤なども無溶剤で施すことができる。ホットメルト
型接着剤として使用する場合は無溶剤なので、転写直前
の塗工でも溶剤乾燥が不要で、高速生産できる。なお、
接着剤の塗布量は、接着剤の組成、被転写基材の種類及
び表面状態で異なるが、通常10〜200g/m2 (固
形分)程度である。
【0035】また、接着剤をホットメルト接着剤として
用いる場合で、更に被転写基材の凹凸形状に転写シート
を追従変性させて転写する場合には、必然的に転写シー
トの支持体として、ポリプロピレン系樹脂等の熱可塑性
樹脂シートの様に室温乃至加熱状態で熱可塑性或いはゴ
ム弾性を呈する物を選ぶ必要があるが、これは別の観点
から観ると支持体に耐熱性が低い物を選ばざるを得ない
という事を意味する。故に、該接着剤を熔融塗工して転
写シートとする場合、接着剤層を厚く塗工すると、熔融
塗工時の熱で支持体が軟化し、また、接着剤塗工装置に
おいて加熱状態のアプリケータローラにシートが粘着
し、引きずられてシートが伸びたり、歪んだり、或いは
巻き込まれたりすることがある。そこで、この様な場合
には、シートに接着剤を直接に熔融塗工せず、離型シー
ト(セパレータ)経由で接着剤を施して転写シートとす
ると良い。すなわち、耐熱性及び離型性のある離型シー
トに、接着剤を加熱熔融塗工後、塗工された接着剤によ
り離型シートと、転写シートになるシートとをニップロ
ーラ等により一旦熱ラミネートし、次いで、剥離ローラ
等により離型シートのみをシートから剥離することで、
シートへの熱ダメージを少なくして、接着剤層が形成さ
れた転写シートとすることができる。なお離型シートに
は延伸性等は不要で2軸延伸ポリエチレンテレフタレー
トシート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレー
ト、ポリイミド等の耐熱性樹脂シートや紙等を基材とし
て、この表面をシリコーン樹脂、ポリメチルペンテン等
の塗工で、離型処理した従来公知の離型シートが使用で
きる。離型シートの厚みは通常50〜200μm程度で
ある。
【0036】なお、接着剤に感熱溶融型接着剤等の感熱
型接着剤を用い、接着剤を活性化して熱融着させる為に
加熱するタイミングは、衝突圧印加前、衝突圧印加中、
或いは衝突圧印加前及び印加中などのいずれでも良い。
接着剤の加熱は転写シートや被転写基材を加熱して行
う。接着剤が施された材料(転写シートや被転写基材)
を加熱しても良く、接着剤が施されていない側の材料を
加熱しても良く、或いはこれら両方の材料を加熱しても
良い。また、衝突圧印加中の加熱には、加熱固体粒子
や、固体粒子加速用の流体を加熱流体として用いても良
い。一方、転写シートが被転写基材の表面形状に追従
し、成形され、接着剤が十分活性化すれば、冷風等の冷
却手段で接着剤の冷却を促進しても良い。冷風は、転写
シート側や被転写基材側から吹き付ける。また、冷却手
段として、冷却固体粒子、冷却流体も用いることもでき
る。冷却促進は、被転写基材の凹凸表面の凹部内部にま
で追従成形された転写シートが衝突圧開放後に復元力が
ある場合に戻るのも防止する。 (以下、次の文書ファイルに続く)
【0037】〔固体粒子〕固体粒子Pとしては、ガラス
ビーズ、セラミックビーズ、炭酸カルシウムビーズ、ア
ルミナビーズ、ジルコニアビーズ、アランダムビーズ、
コランダムビーズ等の無機粉体である非金属無機粒子、
鉄、又は炭素鋼、ステンレス鋼等の鉄合金、アルミニウ
ム、又はジュラルミン等のアルミニウム合金、チタン、
亜鉛等の金属ビーズ等の金属粒子、或いは、フッ素樹脂
ビーズ、ナイロンビーズ、シリコーン樹脂ビーズ、ウレ
タン樹脂ビーズ、尿素樹脂ビーズ、フェノール樹脂ビー
ズ、架橋ゴムビーズ等の樹脂ビーズ等の有機粒子等、或
いは金属等の無機粒子と樹脂とからなる無機物・樹脂複
合粒子等を使用することができる。なお、液体の水を固
体粒子加速流体に使う場合は、固体粒子には、水で錆や
腐食しないステンレスビーズや、ガラスビーズ、セラミ
ックビーズ、樹脂ビーズ等の非金属が好ましい。形状は
球形状が好ましいが、回転楕円体形状、多面体形状、鱗
片状、無定形、その他の形状のものでも用い得る。固体
粒子の粒径としては、通常10〜1000μm程度であ
る。
【0038】なお、固体粒子は加熱手段や冷却手段を兼
用することもできる。加熱された加熱固体粒子を用いれ
ば、接着剤の加熱活性化やその架橋硬化の促進、或いは
転写シートの加熱による延伸性の向上を、転写シートの
押圧と共に行うこともできる。この場合、衝突圧印加前
に他の加熱方法で、ある程度まで転写シート、被転写基
材を加熱しておいても良い。また、固体粒子は、接着後
の冷却促進目的で、接着時の接着剤の温度よりも低温の
固体粒子を、冷却固体粒子として用いる事もできる。ま
た、固体粒子はその一部又は全部を加熱固体粒子、冷却
固体粒子として用いたり、加熱固体粒子を衝突させた
後、冷却固体粒子を衝突させる等と、併用しても良い。
また、他の加熱方法で転写シートや被転写基材、接着剤
等の加熱を要するものを充分に加熱しておき、これに冷
却固体粒子を用いて、転写シートの成形と接着及び冷却
を殆ど同時に行うこともできる。固体粒子を加熱又は冷
却するには、固体粒子の貯蔵をホッパ等の形態のタンク
に貯蔵する場合は、タンク内やタンク外壁の設けた、電
熱ヒータ、加熱蒸気、冷媒等による加熱手段、冷却手段
で行えば良い。また、固体粒子輸送管の外壁にこれら手
段を設けて、輸送管にて加熱又は冷却しても良い。或い
は、固体粒子の加速に流体を用いる場合では、冷却又は
加熱した流体を用いて、該流体からの熱伝導で固体粒子
を冷却又は加熱することもできる。その場合、流体も転
写シートに衝突させることで、流体も固体と共に加熱又
は冷却手段とすることができる。或いは、前記流体が液
体で該液体と共に固体粒子を貯蔵するタンクを用いる場
合では、貯蔵中に固体粒子及び液体を冷却、加熱しても
良い。
【0039】〔固体粒子による衝突圧印加〕固体粒子を
転写シートに衝突させて衝突圧を印加し、転写シートを
被転写基材に押圧するには、固体粒子を噴出する固体粒
子噴出手段としての噴出器から噴出器から、多数の固体
粒子を連続して転写シートに向かって噴出させて、転写
シートに衝突圧を印加する。多数の固体粒子は固体粒子
群として転写シートに衝突する。噴出器には、代表的に
は羽根車や吹出ノズルを用いる。羽根車はその回転によ
り固体粒子を加速し、吹出ノズルは固体粒子加速流体と
して高速の流体流で固体粒子を搬送し加速する。羽根車
や吹出ノズルには、サンドブラスト或いはショットブラ
スト、ショットピーニング等とブラスト分野にて使用さ
れているものを流用できる。例えば羽根車には遠心式ブ
ラスト装置、吹出ノズルには加圧式や吸引式ブラスト装
置、ウェットブラスト装置等である。遠心式ブラスト装
置は羽根車の回転力で固体粒子を加速し噴出する。加圧
式ブラスト装置は、圧縮空気に混合しておいた固体粒子
を、空気と共に噴出する。吸引式ブラスト装置は、圧縮
空気の高速流で生ずる負圧部に固体粒子を吸い込み、空
気と共に噴出する。ウェットブラスト装置は、固体粒子
を液体と混合して噴出する。また、噴出器には、吹出ノ
ズルや羽根車以外にも、重力による自由落下を利用して
固体粒子を加速する方法、磁性体粒子を磁場によって加
速する方法等を採用することも可能である。なお、羽根
車、重力、磁場を用いた噴出器の場合は、真空中で固体
粒子を転写シートに向かって噴出させる事も可能であ
る。
【0040】〔羽根車〕図3〜図5に、噴出器の粒子加
速器として用い得る羽根車の一例の概念図を示す。これ
らは、ブラスト分野にて使用されている遠心式ブラスト
装置に該当する。図面では、羽根車812は、複数の羽
根813がその両側を2枚の側面板814で固定され、
且つ回転中心部は羽根813が無い中空部815となっ
ている。更に、この中空部815内に方向制御器816
を内在する。方向制御器816は、外周の一部が円周方
向に開口した開口部817を有し中空筒状で羽根車81
2の回転軸芯と同一回転軸芯で、羽根車とは独立して回
動自在となっている。羽根車使用時は、方向制御器の開
口部を適宜の方向に向くように固定して、固体粒子の噴
出方向を調整する。更に、この方向制御器の内部に、内
部中空で羽根車812の回転軸芯と同一回転軸芯のもう
一つの羽根車が散布器818として内在する(図5参
照)。散布器818は外側の羽根車812と共に回転す
る。そして、前記側面板814の回転中心には回転軸8
19が固定され、回転軸819は、軸受820で回転自
在に軸支され電動機等の回転動力源(図示略)によって
駆動回転され、羽根車812が回転する。また回転軸8
19は、羽根813を間に有する2枚の側面板814間
には貫通しておらず、軸無しの空間を形成している。そ
して、散布器818の内部に固体粒子Pがホッパ等から
輸送管を通って供給される。通常、固体粒子は、羽根車
の上方(直上又は斜上方)から供給する。散布器内に供
給された固体粒子は散布器の羽根車で外側に飛び散る。
飛び散った固体粒子は、方向制御器816の開口部81
7によって許された方向にのみ放出され、外側の羽根車
812の羽根813と羽根813との間に供給される。
そして、羽根813に衝突し、羽根車812の回転力で
加速され、羽根車から噴出する。
【0041】なお、固体粒子の噴出方向は、図3〜図4
では略鉛直下方であるが、図7(B)の様に水平方向、
或いは斜下方(図示略)等としても良い。図6(A)及
び図6(B)に方向制御器816の開口部817の向き
の設定より固体粒子の噴出方向を調整する噴出方向制御
の概念図を示す(図6(A)、(B)では方向制御器は
それぞれ図示の位置で固定されている)。なお、方向制
御器816は、その開口部の円周方向、幅方向の大きさ
を調整することで、固体粒子の噴出量を調整することも
できる。なお、図4に於いては、回転軸819は側面板
814の外側のみで中空部815にまで貫通していない
構成となっているが、この他、中空部の直径より細い回
転軸を該中空部にまで貫通させたり、外周に固体粒子通
り抜け用の開口部を設けた中空筒状の回転軸の内部自身
を中空部とする構成などでも良い(図示略)。羽根81
3の形は、図3〜図6の様な長方形の平板(直方体)が
代表的であるが、この他、湾曲曲面板、スクリュープロ
ペラ等のプロペラ形等を用いる事も可能であり、用途、
目的に応じて選択する。又、羽根の数は複数枚、通常最
大10枚程度までの範囲から選択する。羽根車の形状、
枚数、回転速度、及び固体粒子の質量や供給速度と供給
方向、方向制御器の開口部サイズ及び向きの組み合わせ
により、加速された固体粒子の噴出(吹出)方向、噴出
速度、投射密度、噴出拡散角等を調整する。
【0042】また、図7は、羽根車の別の一例を示す概
念図である。同図の羽根車812aは、複数の平板状の
羽根813aがその両側を2枚の側面板814aで固定
された構造である。通常、固体粒子Pは、羽根車の上方
(直上又は斜上方)から供給する。また、側面板814
aは回転軸819aに対して幅方向の噴出方向の規制も
する。羽根車の形状、枚数、回転速度、及び固体粒子の
質量や供給速度と供給方向の組み合わせにより、加速さ
れた固体粒子の噴出(吹出)方向、噴出速度、投射密
度、噴出拡散角等を調整する。固体粒子の噴出方向は鉛
直下方(図示略)、水平方向(図7)、或いは斜下方
(図示略)等が可能である。
【0043】また、上記した羽根車812、812a等
の羽根車には、更に必要に応じ、固体粒子の噴出取出部
分のみ開口させ、それ以外の羽根車周囲を被覆する噴出
ガイド(不図示)を備える事で、固体粒子の噴出方向を
揃えたりする固体粒子噴出方向制御を行うこともでき
る。噴出ガイドの開口部の形状は、例えば、中空の円柱
状、多角柱状、円錐状、多角錐状、魚尾状等である。噴
出ガイドは、単一開口部を有するものでも良いし、或い
は内部がハニカム(蜂の巣)状に区画されたものでも良
い。
【0044】羽根車812、812a等の羽根車の寸法
は、通常直径5〜60cm程度、羽根の幅は5〜20c
m程度、羽根の長さは、ほぼ羽根車の直径程度、羽根車
の回転数は500〜5000〔rpm〕程度である。固
体粒子の噴出速度は10〜50〔m/s〕程度、投射密
度(基材単位面積当たりに衝突させる固体粒子の総重
量)は10〜150〔kg/m2 〕程度である。
【0045】また、羽根車の羽根の材質は、セラミッ
ク、或いはスチール、高クロム鋳鋼、チタン、チタン合
金等の金属等から適宜選択すれば良い。固体粒子は羽根
に接触して加速されるので、羽根には、耐摩耗性のよい
高クロム鋳鋼、セラミックを用いると良い。
【0046】〔吹出ノズル〕固体粒子を流体と共に噴出
する固体粒子噴出手段として、図8に吹出ノズルを用い
た噴出器840の一例の概念図を示す。なお、同図に示
す噴出器840は固体粒子加速流体として気体を用い、
固体粒子噴出時に該気体と固体粒子を混合して噴出する
形態の噴出器の一例である。同図の噴出器840は、固
体粒子Pと流体Fを混合する誘導室841と、誘導室8
41内に流体Fを噴出する内部ノズル842と、ノズル
開口部843から固体粒子P及び流体Fを噴出する吹出
ノズル部844からなる。圧縮機又は送風機(不図示)
から適宜加圧タンク(不図示)を経て送られる流体F
を、内部ノズル842から噴出し誘導室841を経てノ
ズル844のノズル開口部843から噴出する際に、噴
出器内の誘導室841にて、高速で流れる流体流の作用
で負圧を作り、この負圧により固体粒子を流体流に導き
混合し、流体流で固体粒子を加速、搬送して、ノズル8
44のノズル開口部843から流体流と共に噴出するも
のである。なお、吹出ノズルには、固体粒子加速流体と
して液体を用いる吹出ノズル等もある。液体の場合は、
例えばポンプ(不図示、流体が液体の場合)により、流
体と固体粒子とを加圧タンク(不図示)に混合貯蔵して
おき、この混合液を吹出ノズルのノズル開口部から噴出
するもの等が使用される。
【0047】ノズル開口部の形状は、中空の円柱状、多
角柱状、円錐状、多角錐状、魚尾状等の形状のものを用
いる。吹出ノズルは、単一開口部を有するものでも良い
し、或いは内部がハニカム(蜂の巣)状に区画されたも
のでも良い。流体圧は吹付圧力で通常0.1〜100k
g/cm2 程度である。流体流の流速は、液流では通常
1〜20m/秒程度、気流では通常5〜80m/秒程度
である。誘導室やノズル部等の噴出器の材質は、セラミ
ック、スチール、チタン、チタン合金等から固体粒子、
流体の種類によって適宜選択すれば良い。流体が液体の
場合は、錆、溶解、腐食等を生じない材料を選ぶ。例え
ば流体が水ならば、ステンレス鋼、チタン、チタン合
金、合成樹脂、セラミックを用いる。但し、表面に防水
加工すれば、スチール等でも良い。なお、固体粒子は噴
出器内壁に接触して通過するので、固体粒子に金属ビー
ズや無機粒子を用いる場合には粒子が硬質であるので、
耐摩耗性のよいセラミックを用いると良い。固体粒子に
樹脂ビーズを用いる場合には金属粒子に比べれは軟質で
あるので、ステンレス鋼でも良い。
【0048】〔流体〕流体Fは、固体粒子加速流体とし
て、固体粒子を該流体流によって加速、搬送して、該流
体と共に固体粒子を固体粒子噴出手段から噴出させる場
合(吹出ノズル等)に用いる。流体Fは固体粒子を加速
する固体粒子加速流体である。流体には気体、液体とも
に利用可能であるが、通常は取扱いが容易な気体を用い
る。気体としては、空気が代表的であるが、炭酸ガス、
窒素等でも良い。液体としては、必ずしも限定されない
が、不燃性、乾燥の容易性、無毒性、低価格、入手の容
易性、等から水は好ましい材料の一つである。この他、
フロン、グリセリン、シリコーン油等の不燃性の液体も
使用できる。液体を(気体もそうであるが)転写シート
に固体粒子と共に衝突させることができる。当然の事な
らがら、液体は気体よりも密度が高い為、気体よりも液
体の方が、流体流で固体粒子を加速する場合に加速し易
く、しかも液体が転写シートに衝突する場合に、気体と
等速度の衝突でも、衝突圧は気体に比べてより大きく且
つ実用性のある衝突圧が得られる。(また、固体粒子と
の密度差も少ないので固体粒子の搬送もし易い。)従っ
て、液体の場合は、転写圧として固体粒子の衝突圧以外
に、液体の衝突圧も利用でき、その分より大きな転写圧
を印加でき、その結果、転写シートを被転写基材の表面
凹凸形状へ追従させ成形する成形効果により大きなもの
が得られる。また、衝突圧印加時の加熱又は冷却手段と
して流体を用いる場合、気体よりも液体の方が比熱が大
きいので、より大きな加熱又は冷却効果が得られる。ま
た、液体が水の様な電気伝導体の場合は、気体の場合に
比べて静電気帯電に対する防爆対策もより容易となる。
【0049】〔衝突圧印加形態〕噴出器は、1個のみの
使用でも衝突圧印加領域の面積次第では可能だが、要求
する面積が大きい場合には複数用いて、転写シートに衝
突する固体粒子の衝突領域が所望の形状となる様にする
と良い。また、前述した様に、転写シートの中央部から
順次両端部側に向けて圧接させる事をより確実にする為
の策として、衝突圧の印加側で、噴出器を複数使用して
対応しても良い。被転写基材を搬送しながら衝突圧を与
える場合は、例えば、転写シート及び被転写基材の送り
方向に直交して幅方向に一直線状に複数列を配置して、
幅方向に直線状で幅広の帯状形状の衝突領域とする。或
いは、図9(A)の噴出器3の配置は千鳥格子状の配置
であり、図9(B)は一列配置だが、幅方向中央部は送
り方向の上流側で衝突する様にした配置である。図9
(B)の配置では、転写シートの被転写基材への衝突圧
による圧接は幅方向中央部から始まり、順次、幅方向両
端部に向かって圧接されて行く。この様にすると、幅方
向中央部に空気を抱き込んだまま、転写シートが被転写
基材に密着することを防止する、前述した本発明の転写
シート側の対策を補助できる。図9の様に噴出器を幅方
向に複数個配列する場合には、個々の噴出器の加圧領域
が互いに一部重複し、全幅にわたってもれなく加圧でき
る様に配列することが好ましい。図9(B)にそのよう
な配列の一例を示す。該図に於いて、点線部分が(有
効)加圧領域を示す。また、衝突圧印加時間を長くする
には、噴出器は、転写シート及び被転写基材の送り方向
に向かって2列以上配置する多段配置が好ましい。
【0050】また、衝突圧は、必ずしも衝突領域内で全
て均一にする必要はない。図10は、転写シートの搬送
方向に直交する幅方向の中央部が最大の衝突圧で、幅方
向両端部に行くに従って衝突圧が低下する山型圧力分布
の設定例である。この設定は、前述した本発明の転写シ
ート側の対策、或いは上記複数噴出器の配置による噴出
器側の対策を補助して、圧が高い所(同図では中央部)
から低い所(同図では両側部)に向かって順次段階的に
圧接が進行することを助ける。但し、図10の如き圧力
分布とする場合、被転写基材上に於ける衝突圧は、所望
の凹凸面への転写が完全に行えて、なお且つ圧過剰によ
る転写シートの歪み、被転写基材の変形、破損等の生じ
ない適正圧力範囲内に全て納まる様に調整する。なお、
ゴム製転写ローラによる曲面転写方法では、転写ローラ
の中央部直径を太めとすれば、圧力的には中央部は強く
できるが、中央部と両端部とで円周長が異なってしま
い、接触して圧印加され転写シートの送りを均一に出来
ない。衝突圧の調整は、噴出器から転写シートに衝突す
る固体粒子の速度、単位時間当たりの衝突する固体粒子
数、投射量、及び1粒子の質量を制御することで調整す
る。これらのうち、固体粒子の速度を調整するには、例
えば羽根車を用いる噴出器の場合は、羽根車の回転数、
羽根車の直径等で調整する。また、吹出ノズルを用いる
噴出器の場合は、バルブの開閉量、バルブに連結する固
体粒子を搬送する管の内径の大小、圧力調整器(レギュ
レータ)等を用いて噴出器直前の流体圧(流体単体、又
は流体と固体粒子との混合物)の調整により、噴出する
固体粒子及び流体流の速度を制御することで調整する。
【0051】〔噴出器の被転写基材に対する配置方法〕
羽根車を用いた噴出器の場合は、固体粒子の噴出方向
は、原理的に羽根車回転軸に平行方向にはあまり広がら
ず、該回転軸に直交方向に広がる傾向がある。一方、吹
出ノズルの場合は、噴出する固体粒子の広がりは、羽根
車による噴出器の場合よりも広がりが少なく、且つ広が
っても通常はどの方向にも均一で等方的である。このよ
うな噴出器の特性を考慮して、噴出器の配置は決めれば
良い。しかし、一つの噴出器で所望の衝突領域の大きさ
に出来ない時は、噴出器を複数用いれば良い。この様
に、複数の噴出器を被転写基材の被転写面に対して配置
する場合は、各噴出器は被転写基材に平行にし、且つ各
噴出器の噴出方向が被転写基材の法線方向になる様な配
置が基本である。この様な平行配置は、被転写基材の被
転写面の包絡面に垂直に固体粒子を衝突させ、基本的に
衝突圧を最大に有効利用できるからである。ただ、噴出
器の向きは、転写シート支持体側面に対して必ずしも垂
直にする必要はない。また、噴出器は多めに設けてお
き、製造する被転写基材によっては、一部の噴出器は停
止させても良い。
【0052】〔噴出器の実際の使用法〕また、実際に固
体粒子を用いて転写する際は、固体粒子は周囲の雰囲気
中に飛散させずに且つ循環再利用するのが好ましい。つ
まり、この為には、固体粒子衝突圧による転写圧を押圧
する衝突空間を周囲空間と隔離するチャンバ(隔離室)
内で、固体粒子を転写シートに衝突させて転写圧を加え
る(図11参照)等すると良い。支持体の剥離は、チャ
ンバ外でも良い。
【0053】〔転写シート、被転写基材、接着剤等の加
熱〕転写圧に固体粒子衝突圧を用いる場合でも、転写ロ
ーラに弾性体ローラを用いる従来公知の転写方法と同様
に、接着剤活性化、或いは転写シート延伸性向上等に、
転写圧押圧中やその前に、転写シート、被転写基材等を
適宜加熱することができる。例えば、衝突圧印加前で
は、転写シートは、ヒータ加熱、誘電加熱、熱風加熱、
ローラ加熱(連続帯状の場合)、赤外線輻射加熱等の任
意の従来公知の加熱手段で加熱すれば良く、被転写基材
(及びその上の接着剤層)も転写シート同様に従来公知
の任意の加熱手段で加熱すれば良い。例えば誘導加熱や
誘電加熱は基材内部から加熱できるが、一方、ヒータ加
熱、赤外線加熱、熱風加熱は、凹凸表面側からの加熱が
効率的である。また、被転写基材は裏面側からも加熱し
てもよい。裏面側からの加熱は、熱容量の大きい基材を
速やかに加熱したり、或いは、衝突圧印加中の加熱とし
て、転写シートや接着剤が衝突圧の印加完了まで冷える
ことを防止して所定の温度に保つ場合に有効である。裏
面側からの加熱方法は、基材搬送装置に加熱手段を持た
せたり、或いは被転写基材を基材置き台に載置して搬送
する場合は、その基材置き台の加熱による。基材搬送装
置の加熱手段としては、基材搬送に駆動回転ローラ列を
用いる場合は加熱ローラやローラ間にヒータ等の熱源を
配置する。加熱ローラは、例えばローラ内を中空にして
熱水等の加熱媒体を流通させたり、誘導加熱を利用す
る。また、基材搬送装置にゴムベルトを用いる場合は、
ゴムとしてシリコーンゴム等の耐熱性ゴムを用い、これ
を、誘電加熱、赤外線加熱する等の方法が有る。また、
基材置き台の加熱は、それを搬送する基材搬送装置によ
って加熱したり、基材置き台を載置する台(搬送せず静
置で衝突圧印加する)を加熱台として加熱したり、基材
置き台に電熱ヒータ等の加熱手段を設けても良い。ま
た、衝突圧印加中の加熱は、固体粒子に加熱固体粒子を
用いたり、噴出器の間隙に分散してヒータ等の熱源を設
けたり、吹出ノズルによる噴出器では、その固体粒子加
速流体も加熱流体を用いることができる。もちろん、衝
突圧の押圧前及び押圧中の加熱、或いは押圧中のみの加
熱でも良く適宜使い分ける。但し、熱風加熱は、衝突空
間を周囲と隔離するチャンバ内で行うと内部に気体を流
入しチャンバ内圧力バランスに影響するので、チャンバ
外で行う方が好ましい。それは、空気をチャンバ内に入
れることになり、固体粒子加速用に空気を用いる場合も
含めて、固体粒子回収用の真空ポンプ36(図11参
照)の負荷増にもなり、固体粒子漏出防止の為のチャン
バ内の負圧の維持を邪魔し、また、固体粒子を攪拌する
からである。また固体粒子の流れを攪乱することになる
からである。
【0054】チャンバ使用時の加熱は、チャンバの外部
又は内部、或いは外部及び内部で行えば良い。外部及び
内部の加熱では、充分な予熱が必要な場合でも、被転写
基材を搬送する場合は長い搬送距離を使って加熱するこ
とができる。また、長い基材加熱装置をチャンバの内部
に設ける為に、チャンバ自身の内容積が大きくなるなら
ば、基材加熱装置の一部又は全部をチャンバの外部に設
けて、チャンバの内容積を小さくした方が、固体粒子の
飛散、回収等を考慮した取扱上は有利だからである。チ
ャンバの内部で加熱する利点は、衝突圧印加の直前ま
で、或いは衝突圧印加中までも、加熱できることであ
り、特に熱容量が大きい被転写基材をその被転写面近傍
のみ効果的に予熱しようとする場合等である。
【0055】〔接着剤の強制冷却〕接着剤が熱融着型の
場合は、転写シートが被転写基材に密着後に接着剤を強
制冷却すれば、凹部内部にまで追従、成形された転写シ
ートの固着化を促進して、転写シートに復元力がある場
合に圧解放後、転写シートが元の形状に戻ることを防止
し、転写シート(の支持体)の剥離除去をより早くでき
るので、転写抜け防止や生産速度向上が図れる。この為
には、衝突圧印加中に、衝突圧を開放しないまま冷却固
体粒子を用いたり、或いは固体粒子加速流体を用いる場
合は冷却流体を用いたり、衝突圧印加後に、風冷等の他
の冷却手段を用いて接着剤層を冷却すると良い。被転写
基材の熱容量が大の場合は、冷却固体粒子及び冷却流体
以外にも、低温流体の吹き付け、基材搬送用のローラや
ベルトコンベア或いは基材置き台等の冷却により、被転
写基材を裏面から冷却できる。或いは、チャンバ内での
これら冷却の後にチャンバ外で、或いはチャンバ内では
冷却せずにチャンバ外のみで、表や裏からの冷風吹き付
け等で冷却しても良い。なお、これは転写シートの冷却
にも言える。
【0056】〔支持体の剥離〕なお、支持体を剥離する
タイミングは、衝突圧の解除以降、支持体が剥離時応力
で切断や塑性変形をし無い程度に冷却し、接着剤層が冷
却や硬化反応で固化し転写シートが被転写基材に固着し
た時点以降に行えば良い。
【0057】〔チャンバ使用での一形態〕前述した如
く、固体粒子はチャンバ内で衝突させて飛散防止する事
が好ましいが、更に固体粒子は循環再利用する事が実際
的であり好ましい。そこで、次に、チャンバを使用し、
且つ固体粒子を循環再利用しながら連続的に転写する場
合の本発明の曲面転写方法及び装置の一形態の概念図を
示す図11に従い、本発明を更に詳述する。
【0058】同図の装置は、連続帯状の転写シートSを
用い、包絡面形状が平板状の凹凸表面を有する被転写基
材Bに、装飾層等を転写する装置である。同図では、固
体粒子Pは、固体粒子噴出手段である噴出器32から、
衝突圧印加部30のチャンバ33内において噴出させ
て、転写シートSの支持体側に衝突させ衝突圧を加え
る。噴出器32は、例えば前述した羽根車利用のもので
ある。
【0059】先ず、基材搬送手段としての基材搬送装置
10は、駆動回転ローラ列、無限軌道式のコンベアベル
ト等から成る。なお、基材搬送手段は、被転写基材Bを
少なくとも噴出器に対向する位置(同図ではチャンバ3
3内部の噴出器32の真下)まで搬送するが、同図装置
では、その後、更に除去装置70に対向する位置まで搬
送し、さらにその後、剥離ローラ60まで被転写基材を
搬送する。
【0060】そして、シート支持手段22であるシート
支持装置22は、図1(D)に例示した様に、被転写基
材の横幅よりも広幅とした転写シートの両端部をそれぞ
れ表裏両面から挟持しながら転写シートの移送に合わせ
て回転するベルト等から成る。図11の装置に於けるシ
ート供給手段であるシート供給装置20は、シート送出
装置21、それに上記シート支持装置22、シート排出
装置23、その他ガイドローラ等から成る。すなわち、
この態様ではシート支持手段はシート供給手段の一構成
要素ともなっている。なお、シート供給手段は、少なく
ともシート支持手段をその構成要素として、少なくとも
シート支持手段によって、搬送やその他の方法で転写シ
ートを固体粒子噴出手段と被転写基材との間にまで位置
させるが、同図装置の場合では、転写シートを噴出器に
対向する位置まで供給した後、除去装置70、剥離ロー
ラ60を経てシート排出装置23まで搬送する。なお、
図11の場合とは異なるが、転写シートが枚葉である場
合のシート供給手段は、図2で例示した如く、被転写基
材は基材搬送装置で搬送される基材置き台4に載置し
て、その基材置き台に転写シートを位置固定して、衝突
圧にさらす事などになるので、転写シートを基材置き台
に位置固定するシートクランプ等のシート固定具6がシ
ート供給手段となる。また、基材置き台4及びシート固
定具6がシート支持手段となる。
【0061】また、同図の装置は、固体粒子Pを固体粒
子噴出手段である噴出器32から周囲と隔離された空間
内で噴出して、使用済の固体粒子を回収再利用しながら
衝突圧を与える衝突圧印加手段として衝突圧印加部30
を備える。衝突圧印加部30は、固体粒子を貯蔵し噴出
器32に供給するホッパ31、噴出器32、チャンバ3
3、衝突圧の固体粒子のホッパまでの帰還路であるドレ
ン管34、固体粒子を気体と分離する分離装置35、回
収固体粒子の搬送気体を吸引排気する真空ポンプ36等
を備える。チャンバ33は、転写シート及び被転写基材
の出入口を除いて、衝突圧にさらされる転写シート及び
被転写基材、噴出器の少なくとも開口部を外部から覆
い、固体粒子を外部の作業雰囲気中に漏らさないように
している。この為、チャンバ内部は好ましくは外部より
も気圧を低く(負圧)する。
【0062】なお、本発明の曲面転写装置は、上記の様
に、固体粒子噴出手段、シート支持手段、該シート支持
手段を少なくとも含むシート供給手段、基材搬送手段を
少なくとも備える装置だが、更に同図装置は、上記した
衝突圧印加手段の他に、転写シートを加熱するシート加
熱装置40をチャンバ33内で噴出器より上流側に、被
転写基材を加熱する基材加熱装置41をチャンバ33外
上流側に、被転写基材に接着剤の塗工や下地塗装等を適
宜行う基材塗工装置50を基材加熱装置41の上流側
に、剥離ローラ60を第2チャンバ71外下流側に、転
写シート上等に残留した固体粒子を吹き飛ばして除去す
る除去装置70(風冷による冷却装置を兼用)を第2チ
ャンバ71内に備えた装置となっている。シート加熱装
置40、基材加熱装置41、基材塗工装置50、除去装
置(兼冷却装置)70等は必要に応じて適宜使用すると
良い。
【0063】そして、転写は次の様にして行う。先ず、
板状の被転写基材Bを、基材搬送装置10で一枚ずつ搬
送し、基材塗工装置50により接着剤を全面或いは凸部
のみ等と所望の部分に塗工する。もしも、基材塗工装置
で塗工する接着剤等に溶剤分がある場合は、次の基材加
熱装置41で被転写基材及び接着剤を加熱すると共に、
蒸発成分はチャンバの防爆対策の観点から揮発乾燥させ
てからチャンバ33内に搬送する。なお、基材塗工装置
50及び基材加熱装置41を複数連結して、接着剤塗工
前に、下塗り塗装や下塗り塗装前のシーラ塗装等を転写
と同時に連続的に行っても良い。そして、被転写基材B
は、加熱装置41で加熱された後、衝突圧印加部30の
チャンバ33内に搬送、供給される。
【0064】転写シートSは、シート送出装置21にセ
ットされた供給ロールから巻き出され、ガイドローラを
経て衝突圧印加部30のチャンバ33内に入る。なお、
転写時に接着剤を転写シートに施す場合は、転写シート
がシート送出装置21から衝突圧印加部30に供給され
る間に、接着剤塗工装置(図示せず)で接着剤を塗工
し、更に溶剤乾燥を要す場合は、乾燥装置(図示せず)
乾燥後に、衝突圧印加部に供給する。
【0065】さらに、転写シートSはチャンバ33内に
入ったところで図11(B)に示す如く、幅方向の両端
部をシート支持装置22で挟持される(図11(A)で
は図示略)。その後、シート支持装置22は、挟持した
端部同士の間隔を少し狭めて強制的に転写シートを自重
により垂下させて、転写シートの中央部を被転写基材側
に凸にする。但し、転写シートは中央部でも、被転写基
材とは接触させずに、被転写基材の上方を僅かに空間を
開ける(衝突圧等を作用させない何もしない状態の場
合)程度に垂下させる。そして、シート支持装置22に
よって、転写シートSは、搬送される被転写基材Bと平
行に等速度で移送し、衝突圧を受けて被転写基材Bに接
触させるまでの間、両者は接触させずに搬送する。そし
て、シート支持装置で挟持搬送されて衝突圧の印加を受
けるまでに、ヒータ加熱、赤外線加熱、誘電加熱、誘導
加熱、熱風加熱等によるシート加熱装置40で、転写シ
ートは加熱されて軟化し、衝突圧印加時に延伸され易く
なる。なお、基材加熱装置で加熱されて衝突圧印加部に
供給される被転写基材によっても、転写シートは間接的
に加熱される。シート加熱装置による加熱は、転写シー
トの予熱不要時は省略できる。
【0066】一方、固体粒子Pはホッパ31からチャン
バ33内にある噴出器32に供給され、そこで図3〜図
5の様な羽根車によって加速されてチャンバ33内で転
写シートSに向かって噴出する。そして、転写シート
は、噴出器から噴出する固体粒子の衝突にさらされる。
ここでは、被転写基材は包絡面が略平板状なので、固体
粒子は転写シートの支持体側に概ね垂直に衝突させる分
を主体成分とし、被転写基材及び転写シートが搬送され
る全幅を衝突領域とする。そして、被転写基材及び転写
シートが搬送されるにつれて、長手方向の全領域が順次
衝突圧にさらされて行く。この際、シート支持装置によ
って、転写シートを前述特定形状とさせている為に、衝
突圧による転写シートの被転写基材への完全な接触は、
幅方向中央部では時間的に先に幅方向の両端部近傍は遅
れて行われる。つまり、中央部から順次両端部側に向か
って転写シートの被転写基材への圧接が行われ事にな
る。その結果、被転写基材に転写シートを密着させる際
に、被転写基材と転写シート間に空気が残り難くなり、
転写抜けが防止される。なお、シート支持装置は、固体
粒子が、転写シートの幅方向両端から回り込んで、転写
シートと被転写基材間に流入する事も防止する。そし
て、転写シートは、固体粒子衝突圧で被転写基材に押圧
され、被転写基材の凹凸表面の凹部内へも転写シートは
延ばされて変形することで、被転写基材の凹凸表面形状
に追従して成形されて、活性化している接着剤により転
写層が被転写基材に密着する。そして、転写シートが密
着した被転写基材は、チャンバ33から排出され、次の
第2チャンバ71に搬送される。
【0067】一方、転写シートへの衝突に供された後の
固体粒子は、その一部はシート支持装置22の側面を迂
回して、チャンバ33の下部に落下する。また、残りの
部分は転写シート支持体上に載置されたまま下流側に移
送された後、チャンバ33とは基材搬送装置10の上部
のみ別室に区画された第2チャンバ71に入る。そし
て、そこでは、スリットノズル状の除去装置(兼冷却装
置)70から転写シート及び被転写基材上に向かって空
気を吹き付け、転写シート上に残留する固体粒子を転写
シート端部から第2チャンバ71下部に吹き落とす。ま
た、除去装置70から吹き出す空気には室温の空気を使
い、その空気を冷風として、固体粒子除去と同時に、被
転写基材及び転写シートを、転写シートの支持体が剥離
可能な温度にまで冷却させる。従って、除去装置は転写
シートや接着剤、被転写基材等の冷却装置の役割も果た
す。
【0068】チャンバの下部に集まった固体粒子は、そ
こからドレン管34で吸引され元のホッパ31に収集さ
れる。また、固体粒子の回収搬送用としてチャンバ中の
空気も、固体粒子と共にドレン管34で吸引され、ホッ
パ上部の気流と固体粒子の分離装置35に搬送される。
該分離装置35では図示の如く、気流で搬送されて来た
固体粒子は水平方向に装置空洞内に放出され、気体に対
して密度の大きい固体粒子は自重で下方に落下し、気体
はそのまま水平に流れて、フィルターで気流と共に移動
しようとする残余の固体粒子を濾過した上で、真空ポン
プ36で系外に排出される。この様にして固体粒子が、
転写シート及び被転写基材が出入りするチャンバ出入口
開口部から、空気と共に周囲に流出しない様にする。
【0069】また、固体粒子のチャンバ系外への流出防
止、及び固体粒子のチャンバからホッパへの逆流防止に
は、チャンバ内を外部より低圧にすると良い。このチャ
ンバの圧力調整は、前記真空ポンプ36の排気量、更に
気体を吹き出す除去装置(兼冷却装置)からチャンバ内
に入る気体量、及び排風機(図示せず)をチャンバに適
宜接続してその排気量等によるチャンバ外に流出する気
体量と、噴出器から固体粒子と共にチャンバ内に入る気
体量(特に、気体を固体粒子加速流体として用いる吹出
ノズル等の噴出器の場合)、更に送風機(図示せず)を
チャンバに適宜接続してチャンバ内に入れる気体量(特
に、羽根車による噴出器の場合)等とのバランスを調整
する事で行う。
【0070】そして、密着した被転写基材と転写シート
とが、除去装置70で固体粒子除去と強制冷却されて第
2チャンバ71を出た後、転写シート(の支持体)を、
剥離ローラ60により被転写基材から剥離除去する。そ
の結果、転写シートの転写層として装飾層等が被転写基
材の凹凸表面に転写形成された、化粧材Dが得られる。
一方、剥離ローラ通過後の転写シート(の支持体)は、
シート排出装置23に排出ロールとして巻き取る。
【0071】なお、液体を固体粒子加速流体に用いた吹
出ノズルを噴出器とする場合は、冷却装置とは別にその
上又は下流に、或いは冷却装置自身と兼用で、乾燥機を
設けて、例えば室温又は温風の空気を吹きつけて、液体
を乾燥、又は吹き飛ばして除去する。また、接着剤等に
電離放射線硬化性樹脂を用い硬化させる場合は、噴出器
以降に水銀灯(紫外線光源)等の電離放射線照射装置を
設けて、インラインで硬化させても良い。
【0072】〔その他〕以上、本発明の曲面転写方法及
び装置を説明して来たが、本発明は上記説明に限定され
るものではない。例えば、図11の装置による曲面転写
方法の説明では、転写シートの被転写基材への圧接は、
連続帯状の転写シート及び枚葉の被転写基材を用い、両
者を一体的に搬送移動させつつ、固定の噴出器で固体粒
子衝突圧を連続印加する形態であったが、転写シートの
被転写基材への圧接は、その時だけ転写シート及び被転
写基材を停止させて、基材一個ごとに間欠的に行っても
構わない(これらに対して例えば噴出器を移動させ
る)。また、被転写基材及び転写シートともに枚葉の形
態で供給する形態でも構わない(図2参照)。また、噴
出器の固体粒子噴出方向と転写シート及び被転写基材と
の位置関係は、両者ともに水平面内に載置し、その上方
から鉛直方向に真下に固体粒子を噴き出す位置関係に限
定されない。転写シート支持体側面と噴出方向が垂直関
係を維持したとしても、転写シートの載置又は搬送方向
は、水平面内以外にも、斜面内、鉛直面内(図7
(B))等があり、また転写シートが水平面内でも、支
持体側が下側、すなわち、下から上に固体粒子を噴出さ
せ衝突させても良い。もちろん、転写シート支持体面に
対して角度をもって固体粒子を噴出しても良い。また、
衝突圧印加前に、弾性体ローラによる転写シートの被転
写基材への押圧を予備的に行っても良い。また、チャン
バ内は窒素等の不活性ガスを充満させて、接着剤等に電
離放射線硬化性樹脂を用いる場合に、空気中の酸素、水
蒸気等が該樹脂の硬化を阻害するのを防止しても良い。
【0073】〔転写製品の用途〕本発明で得られる化粧
材等の転写製品の用途は、転写された装飾面が凹凸面、
特に三次元形状等の凹凸表面の物品であるような各種用
途に用いられ得る。例えば、化粧材として、サイディン
グ等の外壁、塀、屋根、門扉、破風板等の外装、壁面、
天井、床等の建築物の内装、窓枠、扉、手摺、敷居、鴨
居等の建具類の表面化粧、箪笥等の家具やテレビ受像機
等の弱電・OA機器のキャビネットの表面化粧、自動
車、電車等の車両内装材、航空機や船舶等の内装材等の
各種分野で用いられ得る。化粧材は化粧板等として利用
される。なお、化粧材も含めて転写製品の形状は、平
板、曲面板、棒状体、立体物等と任意である。
【0074】〔後加工〕なお、転写後の化粧材等の転写
製品の表面に、耐久性、意匠感等を付与する為に、更に
透明保護層を塗装する等しても良い。この様な透明保護
層としては、ポリ4フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリ
デン等のフッ素樹脂、ポリメタクリル酸メチル等のアク
リル樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂の1種又は2
種以上等をバインダーとし、これに必要に応じて、ベン
ゾトリアゾール、超微粒子酸化セリウム等の紫外線吸収
剤、ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤等の光安定剤、
着色顔料、体質顔料、滑剤等を添加した塗料を用いる。
また、外装用途では、無機系塗料を用いることもでき
る。塗工はスプレー塗装、フローコート、軟質ゴムロー
ルやスポンジロールを使用したロールコート等で行う。
透明保護層の膜厚は1〜100μm程度である。
【0075】
【実施例】次に実施例により本発明を更に説明する。先
ず、三次元的表面凹凸を有する被転写基材Bとして図1
2(A)の平面図及び図12(B)の要部拡大斜視図に
例示する様な、大柄な凹凸として深さ1.5mm、開口
幅5mmの目地の溝状凹部401と、煉瓦積み模様の平
坦凸部402とを有し、微細な凹凸として平坦凸部上に
深さが0.1〜0.5mmの範囲に分布する梨地調の微
細凹凸403を有する、大柄な凹凸と微細な凹凸とが重
畳した三次元的表面凹凸を有する厚さ12mmのケイ酸
カルシウム板を用意した。そして、該凹凸面に下地塗装
及び下塗り塗装をオフラインで別の装置で行った。ま
た、転写シートSは支持体に厚さ100μmのポリプロ
ピレン系熱可塑性エラスマトーフィルムの片面に、転写
層となる装飾層として該凹凸面形状と位置同調したセメ
ントの目地を有する煉瓦調の絵柄を順次グラビア印刷し
たものを用意した。絵柄インキのバインダーの樹脂とし
ては、アクリル樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体
との8:2(重量比)の混合物を、また、着色顔料とし
ては、弁柄、イソインドリノン、カーボンブラック、チ
タン白を用いた。
【0076】次に、図11に示す様な装置で、噴出器に
は図3〜図5の様な羽根車を用いた噴出器を使用し、シ
ート支持装置には両端部を表裏から挟持しながら搬送す
る図1(D)の様なエンドレスベルトを用いた装置で曲
面転写を行った。先ず、上記被転写基材Bを、その凹凸
面を上にして搬送用ローラ列からなる基材搬送装置10
上に載置して搬送し、基材塗工装置50にて、ポリアミ
ド系樹脂からなる無溶剤のホットメルト型の感熱溶融型
接着剤を30g/m2 溶融塗工後、基材加熱装置41で
接着剤及び被転写基材を加熱して、衝突圧印加部30に
供給した。一方転写シートSも、シート供給装置20に
より、その支持体側を上にして、しかも絵柄の目地部と
被転写基材の目地状の溝状凹部とが位置合わせ(見当合
わせ)される様にして衝突圧印加部に供給した。被転写
基材Bが衝突圧印加部のチャンバ33に入ったところ
で、転写シートを被転写基材におおよそ接近させた。そ
して、1対のエンドレスベルト状のシート支持装置22
で転写シートの幅方向の両端部を表裏で挟持した。そし
て、シート支持装置は挟持後、転写シートを搬送しなが
ら両端部間の距離を縮めて転写シートをたるませて、転
写シートの中央部が被転写基材に僅かな距離を隔てて接
近するが接触はしない程度に自重で下方の被転写基材側
に凸になる形状とした。その後は、シート支持装置は両
端部間の距離は一定のまま、転写シートを搬送して、噴
出器部分に供給した。また、シート支持装置が転写シー
トの挟持を開始してから、噴出器部分にまで搬送する間
に、転写シートの支持体側から電熱線ヒータによる輻射
熱を用いたシート加熱装置40で、転写シートの予熱、
接着剤の活性化、被転写基材の加熱を行った。
【0077】次いで、固体粒子Pとして平均粒径0.4
mmの球形の亜鉛球を、噴出器32から噴出させて転写
シートの支持体側に衝突させて、転写シートを被転写基
材に圧接した。噴出器の羽根車の回転数は3600〔r
pm〕、固体粒子の噴出速度は35〔m/s〕であっ
た。そして、転写シートが目地の凹部内にまで延ばされ
て熱融着し、チャンバ33から続いてその下流側に設け
た第2チャンバ71内に於いて除去装置(兼冷却装置)
70で冷風を吹き付けて、接着剤を冷却して接着温度以
下に冷却すると共に、転写シート上に残留した固体粒子
を転写シート端部からチャンバ下部に向かって落として
除去した後、転写シートの支持体を剥離ローラ60で剥
がし取り、化粧材Dを得た。化粧材は表面凹凸に追従し
て絵柄が転写されていた。また、シート支持装置によっ
て、突圧印加前の転写シートの形状を、その中央部が被
転写基材に非接触で且つ被転写基材側に凸になる垂下し
た様な形状としておいたので、転写シートと被転写基材
間に空気が残留する「エア噛み」、更にはそれに起因す
る転写抜けの発生が防げた。更に、この化粧材の転写層
の表面に、0.5重量%のベンゾトリアゾール系紫外線
吸収剤を含むポリフッ化ビニリデンのエマルション塗料
を乾燥時厚さ10μmに塗布して、透明保護層を形成し
て、透明保護層付きの化粧材を得た。
【0078】
【発明の効果】本発明によれば、大きな三次元的凹凸
表面が装飾された化粧材等の転写製品が容易に得られ
る。転写製品の全体の(包絡面)形状は、もちろん、窓
枠、サッシ等の二次元的凹凸も可能であり、平板状の板
材以外にも、瓦の様に全体として(包絡面形状が)波う
ち形状のもの、或いは凸又は凹に湾曲した形状のもので
も容易に得られる。 しかも、大柄な凹凸表面の凸部上、凹部内(底部や凸
部と底部の連結部分である側面)も転写できる。また、
大柄な凹凸の凸部上に、更に微細な凹凸模様(例えば、
ヘアライン、梨地等)が有る場合でも、その微細凹凸の
凹部内にまで、転写にて装飾できる。 更に、衝突圧印加前の転写シートを、被転写基材に非
接触で且つ中央部が被転写基材側に凸になる垂下した様
な形状にしておくので、転写シートと被転写基材間の空
気が転写時(圧接時)に残留する「エア噛み」、更には
それに起因する転写抜けを防げる。特に、被転写基材の
凹凸表面が例えば岩肌調やスタッコ調等の凹凸面の場合
は効果的である。 また、従来のゴムローラ押圧方式の様に、被転写基材
の凹凸部によるローラ等部品の損耗も無い。 以上の結果、従来に無く極めて意匠性に優れた化粧材
等の転写製品が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】衝突圧印加前の転写シートを、被転写基材に非
接触で且つ中央部が被転写基材側に凸になる垂下した様
な特定の形状にする、本発明の一形態を説明する概念
図。
【図2】転写シートを特定形状にする本発明の他の形態
を説明する概念図。
【図3】羽根車を用いた噴出器の一形態を説明する概念
図(正面図)。
【図4】図3の羽根車部分の斜視図。
【図5】図3の羽根車内部を説明する概念図。
【図6】羽根車にて噴出方向を調整する説明図。
【図7】羽根車を用いた噴出器の別の形態を説明する概
念図であり、(A)は正面図、(B)は側面図。
【図8】吹出ノズルによる噴出器の一形態を説明する概
念図。
【図9】噴出器の各種配置形態を示す平面図。(A)は
千鳥格子状に並べた配置、(B)は中央部は上流側にし
て、両端になるにつれて下流側にずらした配置。
【図10】衝突圧に幅方向分布を設けた説明図。
【図11】本発明の曲面転写方法を実施し得る本発明の
曲面転写装置の一形態の概念図で、(A)は基材搬送方
向の側面から見た図で、(B)は(A)の装置の噴出器
部分を基材搬送方向から見た概略装置図。
【図12】被転写基材の三次元表面凹凸の一例を示す説
明図であり、(A)は平面図、(B)は要部拡大斜視
図。
【符号の説明】
1 シート支持装置(シート支持手段) 1a、1b シート支持装置(シート支持手段) 2 基材搬送装置(基材搬送手段) 3 噴出器(固体粒子噴出手段) 10 基材搬送装置(基材搬送手段) 20 シート供給装置(シート供給手段) 21 シート送出装置 22 シート支持装置(シート支持手段) 23 シート排出装置 30 衝突圧印加部(衝突圧印加手段) 31 ホッパ 32 噴出器(固体粒子噴出手段) 33 チャンバ 34 ドレン管 35 分離装置 36 真空ポンプ 40 シート加熱装置 41 基材加熱装置 50 基材塗工装置 60 剥離ローラ(剥離手段) 70 除去装置(兼冷却装置) 71 第2チャンバ 401 溝状凹部 402 平坦凸部 403 微細凹凸 812、812a羽根車 813、813a 羽根 814、814a 側面板 815 中空部 816 方向制御器 817 開口部 818 散布器 819、819a 回転軸 820 軸受 840 吹出ノズルを用いた噴出器 841 誘導室 842 内部ノズル 843 ノズル開口部 844 ノズル B 被転写基材 D 化粧材(転写製品) F 流体 P 固体粒子 S 転写シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // B29L 9:00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 凹凸表面を有する被転写基材の凹凸表面
    側に、支持体と転写層とからなる転写シートの転写層側
    を対向させ、該転写シートの支持体側に固体粒子を衝突
    させ、その衝突圧を利用して、被転写基材の凹凸表面へ
    の転写シートの圧接を行い、転写層が被転写基材に接着
    後、転写シートの支持体を剥離除去することで、転写層
    を被転写基材に転写する曲面転写方法であって、 転写シートを被転写基材に対向させる際に、転写シート
    の両端部を支持して転写シートと被転写基材とを離間さ
    せ、且つ転写シートの中央部が、被転写基材側に凸にな
    る垂下した様な転写シートの形状にし、次いで、固体粒
    子の衝突圧を転写シートに加えて、転写シートの中央部
    から順次両端部側へ向けて被転写基材に圧接して行く、
    曲面転写方法。
  2. 【請求項2】 凹凸表面を有する被転写基材の凹凸表面
    側に、支持体と転写層とからなる転写シートの転写層側
    を対向させ、該転写シートの支持体側に固体粒子を衝突
    させ、その衝突圧を利用して、転写シートを被転写基材
    の凹凸表面に圧接して転写する方法を実施する為に使用
    される装置であって、少なくとも、 固体粒子を噴出する固体粒子噴出手段と、転写シートの
    中央部が、被転写基材側に凸になる垂下した様な転写シ
    ートの形状になる様に、転写シートの両端部を支持して
    転写シートを被転写基材に離間して対向させて、転写シ
    ートを固体粒子噴出手段と被転写基材との間に位置させ
    る、シート支持手段と、 被転写基材を少なくとも固体粒子噴出手段に対向する位
    置まで搬送する基材搬送手段と、 転写シートを固体粒子噴出手段と被転写基材との間に位
    置させるシート供給手段と、を備えた、曲面転写装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002347112A (ja) * 2001-05-29 2002-12-04 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The 水溶性エンボスフィルムの製造方法
CN103135339A (zh) * 2011-11-30 2013-06-05 大日本网屏制造株式会社 图案形成装置以及图案形成方法

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