JPH10236085A - 転写方法 - Google Patents

転写方法

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JPH10236085A
JPH10236085A JP6012397A JP6012397A JPH10236085A JP H10236085 A JPH10236085 A JP H10236085A JP 6012397 A JP6012397 A JP 6012397A JP 6012397 A JP6012397 A JP 6012397A JP H10236085 A JPH10236085 A JP H10236085A
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transferred
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layer
transfer sheet
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Withdrawn
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JP6012397A
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Inventor
Mitsutoyo Miyakoshi
光豊 宮越
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 転写シートによる装飾で化粧材を得る際に、
被転写基材に予め下地塗装するのを省略する。 【解決手段】 下地塗膜層4を、装飾層3等からなる転
写層2の最外層として設けた転写シートSにより、被転
写基材Bに下地塗膜層を含む転写層2を転写して化粧板
Dを得る。また、特に凹凸表面の被転写基材の場合に
は、被転写基材の凹凸表面に、転写シートの転写層側を
対向させ、固体粒子を転写層の支持体側に衝突させ、そ
の衝突圧を転写圧として利用して、転写シートを基材凹
凸表面に圧接した後、支持体1を剥離して化粧板を得
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、住宅の外装及び内
装材、家具、家電製品等に用いる化粧材の製造方法に関
する。特に被転写基材への下地塗装が不要となり、しか
も被転写基材が凹凸表面の場合に適した、意匠性の高い
化粧材を効率良く製造できる製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、化粧材の基材面に直刷り法、ラミ
ネート法、転写法等により絵柄等の装飾を施した化粧材
が種々の用途で使用されている。この場合、基材の表面
が平面ならば、絵柄装飾は容易にできるが、凹凸表面に
対しては格別の工夫により絵柄装飾を施している。例え
ば、窓枠、面縁材等の柱状で基材装飾面が二次元的凹凸
〔円柱の様に一方向(母線、或いは高さ方向に直行する
方向)にのみ曲率を有する形状〕の場合に適用できる曲
面装飾技術の一つが、特公昭61−5895号公報に提
案されている。すなわち、同号公報の技術はラミネート
法による表面装飾法であり、片面に接着剤を塗布した表
装シートを供給し、一方基材を表装シートの供給速度と
同調した速度で水平に搬送し、併設した多数の押え治具
にて表装シートの端部が貼着されない状態を維持しつつ
表装シートの接着剤塗布面側を基材に対して小面積毎に
段階的に押圧し、表装シートを基材面に加熱貼着するも
のである。なお、この方法はラッピング加工法と言われ
ている。また、表面凹凸がエンボス形状等の三次元的凹
凸(すなわち、半球面の様に2方向に曲率を有する形
状)の場合に適用できる曲面装飾技術としては、例えば
特開平5−139097号公報に提案されている。すな
わち、同号公報の技術は転写法による表面装飾法であ
り、転写シートの支持体として熱可塑性樹脂フィルムを
用い、該支持体上に剥離層、絵柄層、及び接着層を順次
設けた構成の転写シートを、凹凸表面を有する基材上に
設置し、支持体の裏面からゴム硬度60°以下のゴム製
の熱ローラで押圧して、絵柄を転写することによって化
粧材を得るものである。また、支持体と剥離層間に転写
時の熱で発泡する発泡層を設け、この発泡も利用して基
材の凹凸表面に追従させようとするものである。更に、
上記いずれの場合に於いても、基材表面の目止め、基材
内部からの水分、アルカリ分等の流出成分の滲み出しの
遮断、或いは基材の伸縮時又は外力による応力の吸収・
緩和等が要求される場合、予め被転写基材に下地塗装を
施していた。例えば特公平7−113258号公報で
は、被転写基材に下地塗装してから、転写ローラにより
転写シートから絵柄を転写している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
様な従来の方法では、特公昭61−5895号公報に開
示の技術では、二次元的曲面までしか対応できず、ま
た、特開平5−139097号公報が提案する技術で
は、三次元的曲面も対応できるが、基本的に回転する熱
ローラのゴムによる弾性変形を利用して表面凹凸に追従
させる為に、浅いエンボス形状は良いとしても大きな表
面凹凸には適用できない。その上、被転写基材の凹凸の
隅角部によって軟質のゴムローラの損耗が激しい。ま
た、転写シートに発泡層を設ける構成では、転写シート
が複雑高価になり過ぎる。また、全体として平板状の基
材に限定されるといった問題があった。また、被転写基
材の下地塗装が必要な場合でも、特公平7−11325
8号公報の方法では、絵柄等の転写工程の他に、被転写
基材への下地塗装工程も必要で、工程が2工程となり作
業能率上好ましくない。特に、基材面が凹凸表面の場
合、下地塗装が固化するまでに塗料が凸部から凹部へ流
入して、塗膜の膜厚が不均一になる傾向があった。一
方、前記特開平7−139097号公報では、下地塗装
無しで転写しているが、その場合には基材表面の目止
め、基材内部からの水分、アルカリ分等の流出成分の滲
み出しの遮断、基材の伸縮時又は外力による応力の吸収
・緩和等が不充分な化粧材しか得られなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、上記課題を解決
すべく、本発明では、支持体と転写層とからなる転写シ
ートによって被転写基材に転写層を転写する転写方法に
おいて、被転写基材表面の目止め、被転写基材内部から
の水分やアルカリ分等の流出成分の滲み出しの遮断、被
転写基材の伸縮時又は外力による応力の吸収・緩和、の
いずれか一つ以上の機能を目的とする被転写基材に対す
る下地塗膜層を、転写層の最外層として設けた転写シー
トを用いることより、被転写基材に下地塗膜層を含む転
写層を、転写する事とした。その結果、被転写基材に下
地塗装を施すこと無く、装飾層等を転写すると同時に、
下地塗膜層も被転写基材に転写で形成してしまう様にし
た。従って、被転写基材が凹凸表面の場合でも、直接塗
装にて塗料が凸部から凹部へ流入し、塗膜厚が不均一に
なる事も解消する。また、被転写基材が凹凸表面の場合
には、転写圧の印加方法は従来のゴム製転写ローラ等で
も良いが、第2の発明では、転写圧に固体粒子衝突圧を
利用することで、凹凸表面への転写に優れた曲面転写方
法となる。即ち、凹凸表面を有する被転写基材の凹凸表
面側に、転写シートの転写層側を対向させ、該転写シー
トの支持体側に固体粒子を衝突させ、その衝突圧を利用
して、被転写基材の凹凸表面への転写シートの圧接を行
い、転写層が被転写基材に接着後、転写シートの支持体
を剥離除去することで、転写層を被転写基材に転写す
る。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の転写方法を詳述する。図1の如く、本発明の転写方法
では、支持体1と転写層2とからなる転写シートSにお
いて、転写層2は少なくとも装飾層3の他に、転写層の
最外層として下地塗膜層4を設けたものを使用する。そ
して、上記転写シートSの転写にて、被転写基材B上に
下地塗膜層4を介して装飾層3が積層された化粧材Dが
得られる。(概念図である同図では、被転写基材Bは、
実際の被転写面が平面、凹凸面に限らず、平面として表
している。)転写圧には、被転写基材表面が平面乃至は
凹凸が少ない場合は弾性体ローラによるローラ圧を用い
ても良いが、ローラ圧では不可能な凹凸表面の場合に
は、固体粒子衝突圧を用いる。後述する様に、固体粒子
は噴出器から噴出させて転写シート支持体側に衝突させ
る。噴出器から噴出させるには、気体や液体等の流体
(固体粒子加速流体)と共に噴出させたり、或いは羽根
車等で加速して噴出させる。
【0006】被転写基材 被転写基材Bの材質は任意であり、例えば、板材であれ
ば、ケイ酸カルシウム板、押し出しセメント板、ALC
(軽量発泡コンクリート)板、GRC(硝子繊維強化コ
ンクリート)板等の非陶磁器窯業系板、木材単板や木材
合板、パーティクルボード、或いは木質中密度繊維板
(MDF)等の木質板、また、鉄、アルミニウム、銅等
の金属板、陶磁器やガラス等のセラミックス、ポリプロ
ピレン、ABS樹脂、フェノール樹脂等等の樹脂成形品
等でも良い。なお、本発明では下地塗膜層は装飾層等と
同時に転写形成するので、被転写基材に予め設ける必要
はない。
【0007】被転写基材としては、被転写面が平坦な平
面でももちろん適用できるが、転写圧に固体粒子衝突圧
を用いる場合には、被転写面が凹凸表面であり、特にそ
の凹凸が三次元的である被転写基材に真価を発揮する。
従来の回転接触する押さえ治具(前述の特公昭61−5
895号公報)や、ゴム製の転写ローラ(前述の特開平
5−139097号公報参照)では、その回転軸による
方向性を本質的に有しているために、適用できる表面凹
凸形状が制約される。即ち前者では、1軸方向にのみ曲
率を有する二次元的凹凸に限定され、また、後者では2
軸方向に曲率を有する三次元的凹凸への転写が可能でも
その三次元形状は任意の方向に均質に適用できない。例
えば、木目導管柄の長手方向は、転写シートの送り方向
に平行にしないと、導管凹部には旨く転写できない。し
かも、後者は基材形状は平板状に事実上限定され、それ
以外は基材形状毎にその都度合わせた特殊形状の転写ロ
ーラとでもしない限り不可能である。ところが、流体的
に振る舞うことができる固体粒子群の衝突圧を利用する
と、表面凹凸の三次元的形状に対して圧力印加領域の面
的な方向性を本質的に持たない。(この方向性とは、圧
力が印加される被転写基材上のポイントの時間的位置変
化の方向のことである。)従って、転写シートや被転写
基材の送り方向に凹凸がある形状を持つ被転写基材でも
構わない。すなわち、送り方向のみ又は幅方向のみ等と
一方向にのみ凹凸がある二次元的凹凸、送り方向及び幅
方向の両方等と2方向に凹凸がある三次元的凹凸にも適
用できることを意味する。なお、前記方向性を持たない
点は、枚葉の転写シートを被転写基材上に載置し一つず
つ圧接密着する方法で、後述する固体粒子を噴出する噴
出器を移動、又は噴出器固定で転写シートと被転写基材
とを移動させて、衝突圧が印加される領域が移動してい
く様子を考えれば、容易に理解できる。
【0008】また、被転写基材は全体として(包絡面形
状が)平板状の板材だけでなく、円弧状に凸又は凹に送
り方向又は幅方向に湾曲した二次元的凹凸を有する基材
でも良く、またその湾曲面にさらに細かい三次元的な表
面凹凸があってもよい。なお、本発明では、被転写基材
の円弧状等の二次元的な凹凸に対して、それを例えば幅
方向として、或いは送り方向として転写するかは作業性
等を考慮して任意にできる。また、大柄な凹凸に重畳し
て微細な凹凸を有する凹凸表面の被転写基材、或いは凹
凸表面の凹部底部や凹部内側面に転写すべき面を有する
被転写基材も可能である。前記大柄な凹凸と微細な凹凸
とは、例えば図2(B)の如く被転写基材の凹凸が大柄
な凹凸のその凸部上にある微細な凹凸とからなるもの
で、大柄の凹凸形状は段差が1〜10mm、凹部の幅が
1〜10mm、凸部の幅が5mm以上のもので構成され
るものであり、微細な凹凸形状は、段差及び幅ともに大
柄な凹凸形状よりも小さく、具体的には段差が0.1〜
5mm程度、凹部の幅及び凸部の幅が0.1mm以上
で、大柄な凹凸形状の凸部の幅の1/2未満程度であ
る。また、大柄な凹凸と微細な凹凸との組み合わせの凹
凸から成り、且つ三次元的な表面凹凸を持つ化粧材の凹
凸模様の具体例としては、例えば、大柄な凹凸として目
地、溝等を有するタイル、煉瓦、石等の二次元配列模様
を有し、その上に微細な凹凸としてスタッコ調、リシン
調、花崗岩の劈開面やトラバーチン大理石板等の石材表
面の凹凸等の石目調凹凸模様、或いは大柄な凹凸模様と
して目地、溝、簓、サネ等を有する羽目板模様、浮造木
目板模様を有し、その上に微細凹凸として導管溝、ヘア
ライン等を有する凹凸模様が挙げられる。なお、凹凸面
を構成する各面は、平面のみから、曲面のみらか、或い
は平面と曲面の組み合わせと任意である。従って、本発
明の被転写基材上の曲面とは、断面が下駄の歯形の様に
複数の平面のみから構成される曲面を持たない凹凸面も
意味する。また、本発明でいう曲率とは、立方体の辺或
いは頂点の周辺の様に角張っている曲率無限大(曲率半
径=0)の場合も包含する。なお、被転写基材表面を所
望の凹凸とするには、プレス加工、エンボス加工、押し
出し加工、切削加工、成形加工等によれば良い。
【0009】転写シート 転写シートSは支持体1と転写移行する転写層2とから
成り、該転写層2は少なくとも装飾層3と(転写シート
の形態での)最外層となる下地塗膜層4とから成る。な
お、衝突圧印加の為の固体粒子加速流体が液体の場合
は、支持体や転写層には、該液体に対して不溶性の物を
用いる。例えば、液体が水であれば、水溶性樹脂等を除
けば、一般の転写シートとして使用している材料から下
記に従い適宜選択使用すれば良い。
【0010】上記支持体には、被転写基材が二次元的凹
凸表面であれば、延伸性が無い紙(但し、固体粒子噴出
用に液体を用いる場合は、該液体に対して不溶性のもの
を選ぶ)等も可能だが、本発明が真価を発揮する三次元
的凹凸表面に適用する為には、少なくとも転写時には延
伸性の有る支持体を用いる。延伸性により固体粒子の衝
突圧印加時に、被転写基材表面の凹部内部まで転写シー
トを追従させて密着し転写することができる。転写シー
ト全体の延伸性は、主に支持体の延伸性に支配される。
従って、支持体には、従来公知の熱可塑性樹脂フィルム
の他に、室温でも延伸するゴム膜も使用できる。熱可塑
性樹脂フィルムの場合、装飾層等の転写層形成時には延
伸性が殆どなく、転写時には、加熱により充分な延伸性
を発現し、且つ冷却後は変形した形状を保持し続け、弾
性による形状の復元を生じない転写シートとして、従来
公知の通常の転写シート同様に容易に、本発明で用い得
る転写シートは用意出来る。支持体の具体例としては、
延伸性の点で、従来多用されている2軸延伸ポリエチレ
ンテレフタレートフィルムでも、表面凹凸形状次第で、
加熱条件、衝突圧条件等の設定によって、必要充分な延
伸性を発現させることができるので曲面転写は可能だ
が、低温、低圧でより延伸性が発現し易いもの例えば、
ポリブチレンテレフタレート、又はテレフタレートイソ
フタレート共重合体等の共重合体ポリエステル系フィル
ム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、
ポリメチルペンテンフィルム等のポリオレフィン系フィ
ルム、ポリ塩化ビニル樹脂フィルム、ナイロンフィルム
等の低延伸又は無延伸のフィルム、天然ゴム、合成ゴ
ム、ウレタンエラストマー、オレフィン系エラストマー
等のゴム(エラストマー)フィルムも好ましい支持体で
ある。なお、衝突圧印加の為の固体加速流体が液体の場
合は、転写時に接する液体に対して、膨潤はするが不溶
である樹脂フィルムも使用である。この様な膨潤性且つ
不溶性樹脂フィルムの例としては、液体として水又は水
溶液を用いる場合には、特開昭54−150208号公
報、特公昭61−3276号公報等に開示される様な、
ポリビニルアルコール系フィルムであって、平均重合度
300〜3000、鹸化度65〜97mol%、厚さ2
0〜100μmのフィルムが代表的なものである。ま
た、支持体には必要に応じ、その転写層側に転写層との
剥離性を向上させる為、離型層を設けても良い。この離
型層は支持体を剥離時に支持体と共に転写層から剥離除
去される。離型層としては、例えば、シリコーン樹脂、
メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、ポリオ
レフィン樹脂、ワックス等の単体又はこれらを含む混合
物が用いられる。
【0011】また、転写層に接する側の支持体面に凹凸
模様を設ければ、転写後の転写層表面に凹凸模様を賦形
することもできる。凹凸模様は、例えば、砂目、梨地、
ヘアライン、万線状溝、花崗岩の劈開面の凹凸模様、木
目導管溝、木目年輪模様、布目の表面テクスチュア、皮
絞、文字、幾何学模様等である。なお、凹凸模様の形成
は、支持体の樹脂シートに対して、熱プレスによるエン
ボス加工、サンドブラスト加工、ヘアライン加工をした
り、或いは支持体に、離型性の有る樹脂をバインダーと
するインキ(2液硬化ウレタン、シリコーン樹脂、メラ
ミン樹脂、紫外線又は電子線で架橋する多官能アクリレ
ート又はメタクリレートのモノマー又はプレポリマー等
からなる)を用いて所望の凹凸模様に、シルクスクリー
ン印刷等で盛り上げ印刷して賦形層を設け、賦形層を有
する支持体とする方法等がある。なお、賦形層は上記離
型層の機能を有する。
【0012】転写層は、装飾層及び下地塗膜層以外に、
更に適宜、剥離層等も構成要素とすることもある。装飾
層はグラビア印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット
印刷等の従来公知の方法、材料で絵柄等を印刷した絵柄
層、アルミニウム、クロム、金、銀等の金属を公知の蒸
着法等を用いて部分的或いは全面に形成した金属薄膜層
等であり、用途に合わせたものを用いる。絵柄として
は、被転写基材の表面凹凸に合わせて、木目模様、石目
模様、布目模様、タイル調模様、煉瓦調模様、皮絞模
様、文字、幾何学模様、全面ベタ等を用いる。なお、絵
柄層用インキは、バインダー等からなるビヒクル、顔料
や染料等の着色剤、これに適宜加える各種添加剤からな
る。バンイダーには、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、セルロース系樹
脂、ポリウレタン樹脂、フッ素樹脂等の単体又はこれら
を含む混合物からなる。着色剤の顔料としては、チタン
白、カーボンブラック、弁柄、黄鉛、群青等の無機顔
料、アニリンブラック、キナクリドン、イソインドリノ
ン、フタロシアニンブルー等の有機顔料を用いる。ま
た、剥離層を、支持体乃至は離型層と装飾層との間の剥
離性を調整する為、また、転写後の装飾層の表面保護の
為等に、これら層間に設けるのは、従来公知の転写シー
トと同様である。なお、この剥離層は転写時に装飾層と
共に被転写基材側に転写され、装飾層の表面を被覆す
る。
【0013】下地塗膜層 下地塗膜層は、被転写基材表面の目止め。即ち、被転
写基材表面の凹凸を充填して表面を平滑化したり、被転
写基材内部の表面近傍の多孔質の孔内の充填。 被転写基材内部からの水分、アルカリ分、可塑剤等の
流出成分の滲み出しの遮断或いは外部からの水分等の滲
み込み防止。被転写基材の伸縮時又は外力による応力
の吸収・緩和、のいずれか一つ以上の機能を少なくとも
目的する層であり、転写層の最外層として設けておき、
転写シートから転写して、下地塗膜層で転写層を被転写
基材面に密着固定させる。また、下地塗膜層は被転写基
材との接着機能を有することは当然として、この他、着
色(装飾)や被転写基材面の隠蔽機能を持たせてもよ
い。下地塗膜層を着色層とすれば、被転写基材の凹部に
まで転写することで、被転写基材の目地部分の塗装を省
略することもできる。下地塗膜層は転写層の最外層とな
るので、転写シートを巻取等で保管時にブロッキングし
ない様に、室温では固体で接着性・粘着性がなく、転写
時は加熱により軟化して接着力を発現するものが好まし
い。なお、無溶剤で室温で液状の組成物の塗工、或いは
無溶剤で室温で固体の組成物の溶融塗工により、転写シ
ートに転写時にオンラインで下地塗膜層を設けて、この
転写シートで転写することも可能ではあるが、従来、絵
柄転写時に行っていた下地塗装被の対象が被転写基材か
ら転写シートに変わっただけで、転写時の下地塗装工程
を無くす目的は達成できない。ただし、この場合でも、
下地塗膜層を直接に設ける面が転写シートと平面の為、
被転写基材が凹凸表面を有する場合には、被転写基材に
施した下地塗装が凸部から凹部に流入して、塗膜厚が不
均一になる傾向を防ぐには有効である。従って、下地塗
膜層としては、転写時に設けて転写シートとする方法で
も良いが、より好ましくは、事前にオフラインで、即ち
転写シート製造時に設ける方法が良い。
【0014】上記の様な下地塗膜層を形成する為の組成
物としては、樹脂成分と、これに必要に応じて適宜、シ
リカ、アルミナ、硫酸バリウム、タルク等の充填剤、顔
料や染料等の着色剤、硬化触媒、安定剤、可塑剤、粘着
付与剤等の各種添加剤、希釈溶剤等から成る塗料、イン
キを用いる。上記樹脂成分としは、例えば、アクリル樹
脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、熱可塑性ポリエステル樹
脂、熱可塑性ウレタン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ
アミド樹脂等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレ
タン樹脂等の熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂等の
硬化性樹脂(の未硬化物)等である。なお、転写時に設
ける場合には、湿気硬化性樹脂も使用できる。また、硬
化性樹脂の場合は、硬化反応に関与しない熱可塑性樹脂
を必要応じて適宜併用する。これら樹脂のなかでも、熱
可塑性樹脂としてダイマー酸とエチレンジアミンとの縮
重合により得られるポリアミド樹脂、アクリル樹脂、塩
化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、硬化性樹脂として
エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂が、塗布適性及び前記
下地塗膜としての機能の点で好ましい樹脂である。
【0015】上記ダイマー酸とエチレンジアミンとの縮
合物からなるポリアミドとしては、融点が150〜17
0℃のポリアミドと、融点が180〜230℃のポリア
ミドとの混合物が好ましい。これらポリアミドの具体例
としては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン61
0、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、共
重合ナイロン、ナイロンMXD、ナイロン46等が挙げ
られ、特にバーサロン型ポリアミドが好ましい。
【0016】また、アクリル樹脂としては、アクリルエ
マルション、アクリル−スチレン系エマルション、アク
リル−酢酸ビニル系エマルション等の水性弾性塗料とし
て得られるもの、或いはアクリル系やアクリル−ウレタ
ン系の有機溶剤系塗料として得られるものが好ましい。
【0017】なお、湿気硬化性樹脂は、自然放置時に空
気中水分で硬化反応が進むので、作業安定性の点で転写
直前に施す形態に適する。湿気硬化性樹脂では、転写直
後は通常の熱可塑性樹脂並の密着力だが、架橋・硬化反
応により最終的にクリープ変形及び熱溶融せず耐熱性等
に優れ、大きな密着力が得られる。但し、架橋・硬化を
進行させる為、湿気を含む空気中に転写後の化粧材を放
置して養生する。湿気硬化性樹脂は、分子末端にイソシ
アネート基を有するプレポリマーを必須成分とする組成
物である。前記プレポリマーは、通常は分子両末端に各
々イソシアネート基を1個以上有するポリイソシアネー
トプレポリマーであり、室温で固体の熱可塑性樹脂の状
態にあるものである。イソシアネート基同士が空気中の
水分により反応して鎖延長反応を起こして、その結果、
分子鎖中に尿素結合を有する反応物を生じて、この尿素
結合に更に分子末端のイソシアネート基が反応して、ビ
ウレット結合を起こして分岐し、架橋反応を起こす。上
記ポリイソシアネートプレポリマーは、例えばポリオー
ルに過剰のポリイソシアネートを反応させた化合物であ
り、又、その骨格構造は、ポリウレタン骨格、ポリエス
テル骨格、ポリブタジン骨格等と任意である。これら1
種又は2種以上の骨格構造を適宜採用する事で、物性を
調整できる。なお、ウレタン骨格の場合は、分子鎖中の
ウレタン結合とも末端イソシアネート基が反応して、ア
ロファネート結合を生じて、このアロファネート結合に
よっても架橋反応を起こす。
【0018】また、上記電離放射線硬化性樹脂は、未硬
化時に熱可塑性で室温で固体状態を呈し加熱で接着力を
発現し、電離放射線照射で架橋硬化する樹脂である。該
樹脂は被転写基材に熱融着で初期密着し、架橋硬化させ
て最終的な高い密着力を得る。該樹脂は、無溶剤で溶融
塗工できるが、溶剤希釈して溶液塗工もできる。なお、
本発明で言う「室温」とは、転写シートの支持体の剥離
作業を行う室内(或いは室外)の雰囲気温度を意味す
る。具体的値は、気候や作業環境によって異るが、通常
は10〜40℃の範囲である。又、室温は支持体の剥離
を行う最低の温度でもある。そして、樹脂の接着力発現
温度は、室温即ち雰囲気温度よりも高い物を選択する。
接着力発現温度は通常100〜150℃程度に設定す
る。このような性質を有する樹脂としては、例えば、次
の(I)や(II)の電離放射線硬化性樹脂を使用でき
る。
【0019】(I)ラジカル重合性不飽和基を有する、
熱可塑性の次の(1) 又は(2) の2種類の樹脂。 (1) ガラス転移温度が0〜250℃のポリマー中にラジ
カル重合性不飽和基を有するもの。更に具体的には以下
の〜を重合、もしくは共重合させたものに対し、後
述する方法(a) 〜(d) によりラジカル重合性不飽和基を
導入したものを用いることができる。なお、以下におい
て、例えば(メタ)アクリレートとはアクリレート又は
メタクリレートの意味で用いる。水酸基を有するモノ
マー;N−メチロール(メタ)アクリルアミドなど。
カルボキシル基を有するモノマー;(メタ)アクリル酸
など。エポキシ基を有するモノマー;グリシジル(メ
タ)アクリレートなど。アジリジニル基を有するモノ
マー;2−アジリジニルエチル(メタ)アクリレートな
ど。アミノ基を有するモノマー;(メタ)アクリルア
ミドなど。スルフォン基を有するモノマー;2−(メ
タ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸
など。イソシアネート基を有するモノマー;2,4−
トルエンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレートの1モル対1モルの付加物などのジイ
ソシアネートと活性水素を有するラジカル重合性モノマ
ーとの付加物など。上記〜のモノマーと共重合可
能で上記〜以外のモノマー;このモノマーは得られ
る共重合体のガラス転移温度や物性を調節する共重合成
分として使用する。例えば、メチル(メタ)アクリレー
トなど。
【0020】次に、上述のようにして得られた重合体又
は共重合体を、以下に述べる方法(a) 〜(d) により反応
させてラジカル重合性不飽和基を導入する。(a) 水酸基
を有するモノマーの重合体又は共重合体の場合には、前
述したの(メタ)アクリル酸などのカルボキシル基を
有するモノマーなどを縮合反応させる。(b) カルボキシ
ル基、スルフォン基を有するモノマーの重合体又は共重
合体の場合には、前述の水酸基を有するモノマーを縮
合反応させる。(c) エポキシ基、イソシアネート基、或
いはアジリジニル基を有するモノマーの重合体又は共重
合体の場合には、前述の水酸基を有するモノマーもし
くは前述のカルボキシル基を有するモノマーを付加反
応させる。(d) 水酸基あるいはカルボキシル基を有する
モノマーの重合体又は共重合体の場合には、前述のエ
ポキシ基を有するモノマーあるいは前述のアジリジニ
ルを有するモノマーあるいは前述のジイソシアネート
化合物と水酸基含有アクリル酸エステルモノマーとの1
モル対1モルの付加物等のイソシアネート基を有するモ
ノマーを、付加反応させる。
【0021】(2) 融点が20℃〜250℃であり、ラジ
カル重合性不飽和基を有する化合物。具体的には、ステ
アリル(メタ)アクリレート、トリアクリルイソシアヌ
レート、シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレー
ト、スピログリコールジアクリレート、スピログリコー
ル(メタ)アクリレートなどである。
【0022】また、上記(1) 及び(2) を混合して用いる
こともできる。更に、上記(1) 又は(2) 、又は(1) 及び
(2) の混合物に対して、反応性希釈剤としてラジカル重
合性モノマーを加えることもできる。このラジカル重合
性モノマーは、電離放射線照射による架橋密度を上げて
耐熱性を向上させる。該モノマーとしては、例えば、前
述の〜のモノマーの他に、ポリエチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メ
タ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メ
タ)アクリレートなどを用いることができる。配合量
は、前記(1) 又は(2) の単独又は混合物の樹脂100重
量部に対して、0.1〜100重量部で用いることが好
ましい。また、後述(ロ) の非架橋型樹脂を加えることも
できる。
【0023】(II)室温で液状の電離放射線硬化性樹
脂に、室温で熱可塑性固体である非架橋型樹脂を混合し
て得られる電離放射線硬化性樹脂。 (イ) 室温で液状の電離放射線硬化性樹脂;分子中にラジ
カル重合性不飽和基を有するプレポリマー又はモノマー
の、単体又は混合物からなる組成物である。或いはカチ
オン重合性官能基を有するプレポリマーやモノマーから
なる組成物である。ラジカル重合性不飽和基を有するプ
レポリマーには、例えば、ポリエステル(メタ)アクリ
レート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メ
タ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、ト
リアジン(メタ)アクリレートなどである。ラジカル重
合性不飽和基を有するモノマーには、例えば、メチル
(メタ)アクリレートなどの単官能モノマーや、ジエチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチール
プロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリ
トールヘキサ(メタ)アクリレートなど多官能モノマー
がある。カチオン重合性官能基を有するプレポリマーに
は、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラッ
ク型エポキシ化合物等のエポキシ系樹脂、脂肪酸系ビニ
ルエーテル、芳香族系ビニルエーテル等のビニルエーテ
ル系樹脂のプレポリマーがある。
【0024】(ロ) 非架橋型樹脂は、電離放射線による架
橋硬化反応に寄与しない室温で固体の熱可塑性樹脂であ
り、例えば、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリ
エステル系樹脂、或いは、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル
−酢酸ビニル共重合体、ブチラール樹脂等のビニル系樹
脂である。中でもアクリル系樹脂であって、平均分子量
が50,000〜600,000、ガラス転移温度が5
0〜130℃であるものが、室温未硬化時の非接着性
(指触乾燥性)、熱融着による接着性、転写時(未硬化
時)の可撓性(成形性)及び硬化後の応力の吸収緩和性
の点で好ましい。
【0025】なお、紫外線又は可視光線にて硬化させる
場合には、上記(I)又は(II)の電離放射線硬化性
樹脂に、更に光重合開始剤を添加する。光重合開始剤
は、ラジカル重合系ではアセトフェノン類等、カチオン
重合系では芳香族ジアゾニウム塩等公知の物を単独又は
混合使用する。光重合開始剤の添加量は、電離放射線硬
化性樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部程
度である。なお、電離放射線としては、紫外線又は電子
線を通常用いるが、この他、可視光線、X線、イオン線
等も可能である。紫外線源としては、超高圧水銀灯、高
圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク灯、ブラックラ
イト、メタルハライドランプ等の光源が使用される。電
子線源としては、コッククロフトワルトン型、バンデグ
ラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、或いは、
直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加
速器を用い、100〜1000keV、好ましくは、1
00〜300keVのエネルギーをもつ電子を照射する
ものが使用される。
【0026】下地塗膜層を、転写シートに施すには、
水、有機溶剤等の溶媒(又は分散媒)に溶解(又は分
散)した溶液(又は分散液)の形態で、或いは熱溶融し
た熱可塑性樹脂又は室温液状の未硬化樹脂を無溶剤の樹
脂液の形態で施す。塗工法としては、従来公知の塗工法
であるグラビアロールコート等による溶液塗工や、アプ
リケータ等による熔融塗工(溶融塗工)法により施せば
良い。また、電離放射線硬化型樹脂は溶液塗工の他、熔
融塗工の無溶剤で施す事もできる。なお、下地塗膜層の
塗布量は、その組成、転写する被転写基材の種類及び表
面状態で異なるが、通常10〜200g/m2 (固形
分)程度である。
【0027】また、下地塗膜層を熔融塗工で形成する場
合で、更に被転写基材の凹凸形状に転写シートを追従変
性させて転写する場合には、必然的に転写シートの支持
体として、ポリプロピレン系樹脂等の熱可塑性樹脂シー
トの様に室温乃至加熱状態で熱可塑性或いはゴム弾性を
呈する物を選ぶ必要があるが、これは別の観点から観る
と支持体に耐熱性が低い物を選ばざるを得ないという事
を意味する。故に、この場合、下地塗膜層を厚く塗工す
ると、熔融塗工時の熱で支持体が軟化し、また、塗工装
置において加熱状態のアプリケータローラにシートが粘
着し、引きずられてシートが伸びたり、歪んだり、或い
は巻き込まれたりすることがある。そこで、この様な場
合には、下地塗膜層を転写シートに直接に熔融塗工せ
ず、離型シート(セパレータ)経由で転写シートに形成
すると良い。即ち、耐熱性及び離型性のある離型シート
に、下地塗膜層を加熱熔融塗工後、塗工された下地塗膜
層により離型シートと、転写シートになるシートとをニ
ップローラ等により一旦熱ラミネートし、次いで、剥離
ローラ等により離型シートのみをシートから剥離するこ
とで、シートへの熱ダメージを少なくして、下地塗膜層
が形成された転写シートとすることができる。なお離型
シートには延伸性等は不要で2軸延伸ポリエチレンテレ
フタレートシート、ポリエチレンナフタレート、ポリア
リレート、ポリイミド等の耐熱性樹脂シートや紙等を基
材として、この表面をシリコーン樹脂、ポリメチルペン
テン等の塗工で、離型処理した従来公知の離型シートが
使用できる。離型シートの厚みは通常50〜200μm
程度である。
【0028】固体粒子 固体粒子Pとしては、ガラスビーズ、セラミックビー
ズ、炭酸カルシウムビーズ、アルミナビーズ、ジルコニ
アビーズ等の無機粉体である非金属無機粒子、鉄、炭素
鋼、ステンレス鋼等の鉄合金、アルミニウム、又はジュ
ラルミン等のアルミニウム合金、チタン等の金属ビーズ
等の金属粒子、或いは、フッ素樹脂ビーズ、ナイロンビ
ーズ、シリコーン樹脂ビーズ、ウレタン樹脂ビーズ、尿
素樹脂ビーズ、フェノール樹脂ビーズ、架橋ゴムビーズ
等の樹脂ビーズ等の有機粒子等を使用することができ
る。なお、固体粒子加速流体に液体の水を使う場合は、
固体粒子には、水で錆や腐食しないステレンスビーズ
や、ガラスビーズ、セラミックビーズ、樹脂ビーズ等の
非金属が好ましい。形状は球形状が好ましいが、その他
の形状のものでも用い得る。固体粒子の粒径としては、
通常10〜1000μm程度である。
【0029】なお、固体粒子は加熱手段や冷却手段を兼
用することもできる。加熱された加熱固体粒子を用いれ
ば、転写シートの加熱による延伸性の向上や、下地塗膜
層の熱融着を転写シートの押圧と共に行える。加熱固体
粒子を用いる場合、衝突圧印加前に他の加熱方法で、あ
る程度まで転写シート、被転写基材を加熱しておいても
良い。また、固体粒子は、転写シートが被転写基材に密
着後の冷却促進目的で、下地塗膜層の熱融着時の温度よ
りも低温の固体粒子を冷却固体粒子として用いる事もで
きる。また、固体粒子はその一部又は全部を加熱固体粒
子、冷却固体粒子として用いたり、加熱固体粒子を衝突
させた後、冷却固体粒子を衝突させる等と、併用しても
良い。また、他の加熱方法で転写シートや被転写基材、
下地塗膜層等の加熱を要するものを充分に加熱してお
き、これに冷却固体粒子を用いて、転写シートの成形と
接着及び冷却を殆ど同時に行うこともできる。なお、固
体粒子を加熱又は冷却固体粒子として用いる場合で、固
体粒子加速流体に加熱又は冷却流体を用いることも出来
る。その場合には、流体も転写シートに衝突させること
で、流体も固体と共に加熱又は冷却手段とすることがで
きる。固体粒子を冷却又は加熱するには、固体粒子加速
流体に、冷却又は加熱した流体を用いて、該流体により
熱伝導で固体粒子を冷却又は加熱する。或いは、固体粒
子を流体としての液体と共に貯蔵するタンクを用いる場
合では、貯蔵中に固体粒子及び液体を冷却、加熱したり
する。タンクでの加熱・冷却は、タンク内やタンク外壁
の設けた、電熱ヒータ、加熱蒸気、冷媒等により加熱手
段、冷却手段で行う。
【0030】固体粒子による衝突圧印加 固体粒子を転写シートに衝突させて衝突圧を印加し、転
写シートを被転写基材に押圧するには、固体粒子を噴出
する固体粒子噴出手段から固体粒子を転写シートに向か
って噴出させて、転写シートに衝突圧を印加する。固体
粒子噴出手段としては、例えば吹出ノズルを用いた噴出
器を用いる。吹出ノズルは、固体粒子を高速の流体流に
加速、搬送させて該液体流と共に噴出するものである。
流体としては液体、気体ともに利用可能だが、通常は気
体が用いられる。羽根車の場合は、羽根車の回転により
固体粒子を加速し噴出するものである。また、固体粒子
噴出手段としては、吹出ノズルや羽根車以外にも、重力
による自由落下を利用して固体粒子を加速する方法、磁
性体粒子を磁場によって加速する方法等を採用すること
も可能である。なお、羽根車、重力、磁場を用いた固体
粒子噴出手段の場合は、真空中で固体粒子を転写シート
に向かって噴出させる事も可能である。
【0031】吹出ノズル 固体粒子を流体と共に噴出する固体粒子噴出手段とし
て、図3に吹出ノズルを用いた噴出器320の一例の概
念図を示す。同図に示す噴出器320は固体粒子Pと流
体Fを混合するマニホールド部321と、ノズル開口部
から固体粒子P及び流体Fを噴出する吹出ノズル部32
2からなる。圧縮機若しくは送風機(流体が気体の場
合)又はポンプ(流体が液体の場合)から、或いは加圧
タンクを経てから送られる流体Fをノズル開口部323
から噴出する際に、噴出器内のマニホールド部にて、高
速で流れる液体流の作用で負圧を作り、この負圧により
固体粒子を液体流に導き混合し、液体流で固体粒子を加
速、搬送して、ノズル開口部から液体流と共に噴出す
る。なお、同図の噴出器320はマニホールド部と吹出
ノズル部とが一体化しているが別体でも良く、また、一
つのマニホールドに対して複数の吹出ノズルを連結して
も良い。また、流体が液体の場合、固体粒子噴出手段
は、固体粒子を予め液体と混合した加圧状態でタンクに
貯蔵しておき、この固体粒子/液体混合物を、(マニホ
ールド部を経ず)吹出ノズルによる噴出器32から噴出
する形態でも良い。ノズル開口部の形状は、中空の円柱
状、多角柱状、円錐状、多角錐状、魚尾状等の形状のも
のを用いる。吹出ノズルは、単一開口部を有するもので
も良いし、或いは内部がハニカム(蜂の巣)状に区画さ
れたものでも良い。流体圧は吹付圧力で通常0.1〜1
0.0kg/cm2 程度である。流体流の流速は、液流
では通常1〜20m/秒程度、気流では通常5〜20m
/秒程度である。マニホールド部や吹出ノズル部等の噴
出器の材質は、セラミック、スチール、チタン、チタン
合金等から固体粒子、流体の種類によって適宜選択すれ
ば良い。流体が液体の場合は、錆、溶解、腐食等を生じ
ない材料を選ぶ。例えば流体が水ならば、ステンレス
鋼、チタン、チタン合金、合成樹脂、セラミックを用い
る。但し、表面に防水加工すれば、スチール等でも良
い。なお、固体粒子は噴出器内壁を通過するので、固体
粒子に金属ビーズや無機粒子を用いる場合には粒子が硬
質であるので、耐摩耗性のよいセラミックを用いると良
い。固体粒子に樹脂ビーズを用いる場合には金属粒子に
比べれは軟質であるので、ステンレス鋼でも良い。
【0032】流体 流体Fは、固体粒子を該流体流によって加速、搬送し、
該流体と共に固体粒子を固体粒子噴出手段から噴出させ
る場合(吹出ノズル等)に用いる。流体Fは固体粒子加
速流体である。流体には気体、液体ともに利用可能であ
るが、通常は取り扱いが容易な気体を用いる。気体とし
ては、空気が代表的であるが、炭酸ガス、窒素等でも良
い。液体としては、必ずしも限定されないが、不燃性、
乾燥の容易性、無毒性、低価格、入手の容易性、等から
水は好ましい材料の一つである。この他、フロン、グリ
セリン、シリコン油等の不燃性の液体も使用できる。液
体を(気体もそうであるが)転写シートに固体粒子と共
に衝突させることができる。当然の事ならがら、液体は
気体よりも密度が高い為、気体よりも液体の方が、流体
流で固体粒子を加速する場合に加速し易く、しかも液体
が転写シートに衝突する場合に、気体と等速度の衝突で
も、衝突圧は気体に比べてより大きく且つ実用性のある
衝突圧が得られる。(また、固体粒子との密度差も少な
いので固体粒子の搬送もし易い。)従って、液体の場合
は、転写圧として固体粒子の衝突圧以外に、液体の衝突
圧も利用でき、その分より大きな転写圧を印加でき、そ
の結果、転写シートを被転写基材の表面凹凸形状へ追従
させ成形する成形効果により大きなものが得られる。ま
た、衝突圧印加時の加熱又は冷却手段として流体を用い
る場合、気体よりも液体の方が比熱が大きいので、より
大きな加熱又は冷却効果が得られる。また、液体が水の
様な電気伝導体の場合は、気体の場合に比べて静電気帯
電に対する防爆対策もより容易となる。
【0033】羽根車 図4は回転する羽根車を用いた噴出器325の一例の概
念図である。噴出器325は、少なくとも回転する羽根
車を粒子加速手段として備える。噴出器325は、これ
に、更に必要に応じ、固体粒子の噴出取出部分のみ開口
させ、それ以外の粒子加速器周囲を被覆する噴出ガイド
(不図示)を備えても良い。該噴出ガイドにより、粒子
加速器で加速された固体粒子の噴出方向を揃えたりす
る。噴出ガイドの開口部の形状は、例えば、中空の円柱
状、多角柱状、円錐状、多角錐状、魚尾状等である。噴
出ガイドは、単一開口部を有するものでも良いし、或い
は内部がハニカム(蜂の巣)状に区画されたものでも良
い。なお、羽根車の材質は、セラミック、或いはスチー
ル、チタン、チタン合金等の金属等から、固体粒子の種
類により適宜選択すれば良い。固体粒子は羽根車に接触
して加速されるので、固体粒子に金属ビーズや無機粒子
を用いる場合には粒子が硬質であるので、羽根車には、
耐摩耗性のよいセラミックを用いると良い。固体粒子に
樹脂ビーズを用いる場合には金属粒子に比べれは軟質で
あるので、スチールでも良い。羽根車の羽根326の形
は、図4の様な長方形の平板(直方体)が代表的である
が、この他、湾曲曲面板、スクリュープロペラ等のプロ
ペラ形等を用いる事も可能であり、用途、目的に応じて
選択する。又、羽根の数は2枚〜10枚の範囲から通常
は選択する。羽根車の形状、枚数、回転速度、及び固体
粒子の供給速度と供給方向の組み合わせにより、加速さ
れた固体粒子の噴出(吹出)方向、噴出速度、噴出拡散
角等を調整する。また、同図の様に側面板327を設け
ると回転軸328に対して幅方向への噴出を制御でき
る。図4に於いては、固体粒子Pは、粒子加速器の上方
(直上又は斜上方)から供給する様になっているが、こ
の他、羽根車の回転中心部分は羽根を無くした中空部と
して(回転軸は側面板の外側のみとするか、該中空部に
まで貫通する場合は中空部より細い回転軸とするか、外
周に固体粒子通り抜け用の開口部を設けた中空の回転軸
の内部自身を中空部とする)、該中空部に個体粒子を供
給し、中空部から羽根と羽根との間の空間に、遠心力等
で個体粒子を飛び出させ、供給する事も出来る(図示
略)。又、固体粒子の噴出方向は鉛直下方(図8)、水
平方向(図4)、或いは斜下方(図示略)等が可能であ
る。
【0034】衝突圧印加形態 また、噴出器は、1個のみの使用でも衝突圧印加領域の
面積次第では可能だが、要求する面積が大きい場合には
複数用いて、転写シートに衝突する固体粒子の衝突領域
が所望の形状となる様にすると良い。例えば、転写シー
ト及び被転写基材の送り方向に直交して幅方向に一直線
状に複数列を配置して、幅方向に直線状で幅広の帯状形
状の衝突領域とする。或いは、図5(A)の噴出器32
の配置は千鳥格子状の配置であり、図5(B)は一列配
置だが、幅方向中央部は送り方向の上流側で衝突する様
にした配置である。図5(B)の配置では、転写シート
の被転写基材への衝突圧による圧接は幅方向中央部から
始まり、順次、幅方向両端部に向かって圧接されて行
く。この様にすると、幅方向中央部に空気を抱き込んだ
まま、転写シートが被転写基材に密着することを防止で
きる。また、衝突圧印加時間を長くするには、噴出器
は、転写シート及び被転写基材の送り方向に向かって2
列以上配置する多段配置が好ましい。
【0035】また、衝突圧は、衝突領域内で全て均一に
する必要はない。図6は、転写シートの搬送方向に直交
する幅方向の中央部が最大の衝突圧で、幅方向両端部に
行くに従って衝突圧が低下する山型圧力分布の設定例で
ある。この設定は、圧が高い所(同図では中央部)から
低い所(同図では両側部)に向かって順次段階的に圧接
が進行することを助ける。但し、図6の如き圧力分布と
する場合、被転写基材上に於ける衝突圧は、所望の凹凸
面への転写が完全に行えて、なお且つ圧過剰による転写
シートの歪み、被転写基材の変形、破損等の生じない適
正圧力範囲内に全て納まる様に調整する。なお、ゴム製
転写ローラによる曲面転写方法では、転写ローラの中央
部直径を太めとすれば、圧力的には中央部は強くできる
が、中央部と両端部とで円周長が異なってしまい、接触
して圧印加され転写シートの送りを均一に出来ない。衝
突圧の設定は、流体で個体粒子を加速、搬送する場合、
バルブの開閉量、バルブに連結する固体粒子を搬送する
管の内径の大小、圧力調整器(レギュレータ)等を用い
て噴出器直前の流体圧の調整により、噴出する固体粒子
及び流体流の速度を制御することで調整する。この様に
して、噴出器から転写シートに衝突する固体粒子の速
度、単位時間当たりの衝突する固体粒子数、及び1粒子
の質量を制御することで衝突圧を調整する。
【0036】また、複数の噴出器を被転写基材の被転写
面に対して配置する場合は、各噴出器は被転写基材に平
行にし、且つ各噴出器の噴出方向が被転写基材の法線方
向になる様な配置が基本である。この様な平行配置は、
被転写基材の被転写面の包絡面に垂直方向に固体粒子を
衝突させ、基本的に衝突圧を最大に有効利用できるから
である。従って、例えば、図7の様に、被転写基材Bの
被転写面の包絡面(の搬送方向に直角の断面形状)が円
型になる円筒状の凸曲面であれば、複数の噴出器32を
用意し各噴出器が主とし受け持つ個別の衝突面(凸曲面
の接平面)に対して、略垂直に固体粒子が衝突する様
に、噴出器の向きを近接する被転写基材面の包絡面の法
線方向にして配置すると良い。この様に噴出器の配置
は、対象とする被転写基材の凹凸形状に合わせて、噴出
器の噴出方向を固体粒子がなるべく垂直に衝突する様に
合わせると良い。ただ、噴出器の向きは、転写シート支
持体側面に対して必ずしも垂直にする必要はない。ま
た、噴出器は多めに設けておき、製造する被転写基材に
よっては、一部の噴出器は停止させても良い。
【0037】チャンバ使用での連続転写の一形態 ところで、固体粒子を実際に使用する場合、固体粒子を
周囲に飛散させずに且つ循環再利用するのが好ましい。
そこで、次に、本発明の転写方法の一形態として、凹凸
表面へも転写できる固体粒子衝突圧を利用する曲面転写
方法について、チャンバを使用して固体粒子の飛散防止
及び循環再利用をしながら連続転写を行う曲面転写装置
の一例の概念図である図8に従い、本発明を更に詳述す
る。
【0038】先ず、同図装置は、長尺の転写シートSを
用い、凹凸表面を有する平板状の被転写基材Bに、下地
塗膜層と共に装飾層等を順次転写する為に、被転写基材
を搬送する基材搬送装置10と、転写シートを搬送する
シート供給装置20と、チャンバ33内において固体粒
子Pを噴出器32から気体(空気)と共に噴出して、転
写シートの支持体側に衝突させ転写圧として衝突圧を順
次印加して、転写シートを被転写基材に押圧する衝突圧
印加部30を備える。上記チャンバは、噴出器から噴出
する固体粒子を外部に漏らさないように、転写シート及
び被転写基材の出入口を除いて、転写に供される被転写
基材及び転写シート、噴出器等の周囲を覆ったものであ
る。更に、転写シートを加熱するシート加熱装置40を
チャンバ内の噴出器上流側に、被転写基材を加熱する基
材加熱装置41をチャンバ上流側に、転写シート及び被
転写基材を風冷で冷却する冷却装置50をチャンバ下流
側に、剥離ローラ60を冷却装置下流側に、転写シート
と被転写基材との予備的密着を促進する吸引排気装置9
0をチャンバ内に備える。なお、装置的には、剥離ロー
ラ(剥離を後で手作業などで行う場合は不要)、加熱装
置(転写シートがゴム膜や紙、或いは液体膨潤性樹脂シ
ート等で加熱延伸性向上が不要の場合は不要、下地塗膜
層の加熱が不要の場合は不要)、冷却装置(強制冷却が
不要の場合は不要)、吸引排気装置(空気抜きが不要の
場合は不要)等は、不要の場合は省略もできる事はもち
ろんである。
【0039】先ず、図8の装置では、板状の被転写基材
Bを、駆動回転ローラ列或いはベルトコンベア等の基材
搬送装置10で一枚ずつ搬送し、基材加熱装置41で加
熱された後、衝突圧印加部30のチャンバ33内に搬
送、供給される。一方、転写シートSは、シート送出装
置21、シート支持装置22、シート排出装置23等か
らなるシート供給装置20により張力が加えられ、シー
ト送出装置にセットされた供給ロールから巻き出され、
ガイドローラを経て衝突圧印加部のチャンバ内に入る。
さらに、転写シートはチャンバ内に入ったところで、幅
方向両端をシート支持装置22で挟持されつつ(但し図
8(A)では図示略)、その転写層側の面を搬送される
被転写基材側に向ける様に対向して被転写基材の上方を
僅かに空間を開けて(衝突圧等を作用させない何もしな
い状態の場合)、搬送される被転写基材と平行に等速度
で移送され、衝突圧を受けて被転写基材に接触させるま
での間、両者の間隙を維持しながら搬送される。シート
支持装置22は、被転写基材の横幅よりも広幅とした転
写シートの両端を表裏両面から挟持しながら転写シート
の移送に合わせて回転するエンドレスベルト等から成
る。ここでは被転写基材は包絡面が略平板状なので、シ
ート支持装置による上記間隙にて、衝突圧による転写シ
ートの被転写基材への完全な接触は、幅方向中央部では
時間的に先に幅方向の両端近傍は遅れて行われる様にし
てある。これは、被転写基材と転写シート間(特にその
中央部付近)に空気を残して密着しない様にするための
策の一つである。なお、転写シートを被転写基材の近傍
を等速度で移送する際に、被転写基材に対して僅かに離
すか又は接触状態として移送するかは、被転写基材の表
面凹凸の形状、被転写基材の予熱温度と、転写シートの
熱変形性、固体粒子の衝突圧、下地塗膜層を熱融着等さ
せるに必要な要求加熱温度等を適宜勘案して選択する。
そして、シート支持装置で挟持搬送されて衝突圧の印加
を受けるまでに、ヒータ加熱、赤外線加熱、誘電加熱、
誘導加熱、熱風加熱等によるシート加熱装置40で、転
写シートは加熱されて軟化し、衝突圧印加時に延伸され
易くなる。なお、同図ではシート加熱装置はチャンバ内
に設けてあるので、熱風加熱の場合は、風量は少なくし
た方が良い。それは、空気をチャンバ内に入れることに
なり、後述する様な、チャンバ内の負圧の維持を邪魔
し、また、個体粒子を攪拌するからである。なお、基材
加熱装置で加熱されて衝突圧印加部に供給される被転写
基材によっても、転写シートは間接的に加熱される。シ
ート加熱装置による加熱は、転写シートの予熱不要時は
省略できる。
【0040】一方、固体粒子Pはホッパ31からチャン
バ33内にある噴出器32に供給され、そこで加速され
てチャンバ内で転写シートに向かって噴出する。そし
て、転写シートは、噴出器から噴出する固体粒子の衝突
にさらされる。衝突時の固体粒子の運動量の変化分が、
転写シートを被転写基材へ押し付ける衝突圧となる。こ
こでは、被転写基材は包絡面が略平板状なので、固体粒
子は転写シートの支持体側に略垂直に衝突させる分を主
体成分とし、被転写基材及び転写シートが搬送される全
幅を衝突領域とする。そして、被転写基材及び転写シー
トが搬送されるにつれて、長手方向の全領域が順次衝突
圧にさらされて行く。なお、シート支持装置は、固体粒
子が、転写シートの幅方向両端から回り込んで、転写シ
ートと被転写基材間に流入する事も防止する。そして、
転写シートは、固体粒子衝突圧で被転写基材に押圧さ
れ、被転写基材の凹凸表面の凹部内へも転写シートは延
ばされて変形することで、被転写基材の凹凸表面形状に
追従して成形されて、下地塗膜層により転写層が被転写
基材に密着する。
【0041】そして、密着した被転写基材と転写シート
とは、チャンバの外部下流側にある冷却装置50で冷却
した後、転写シート(の支持体)を、剥離ローラ60に
より被転写基材から剥離除去する。その結果、転写シー
トの転写層としての下地塗膜層と装飾層等が被転写基材
の凹凸表面に転写形成された、化粧材Dが得られる。一
方、剥離ローラ通過後の転写シート(の支持体)は、シ
ート排出装置24に排出ロールとして巻き取る。なお、
固体粒子加速流体に液体を用いた場合は、冷却装置の上
又は下流に、或いは冷却装置と兼用で、乾燥機を設け
て、例えば室温又は温風の空気を吹きつけで、液体を乾
燥、又は吹き飛ばして除去する。また、下地塗膜層に電
離放射線硬化性樹脂を用いた場合は、噴出器と剥離ロー
ラ間に、水銀灯(紫外線光源)等の電離放射線照射装置
を設けて、架橋硬化させる。
【0042】一方、転写シートへの衝突に供された後の
固体粒子は、シート支持装置の側面を迂回して、チャン
バの下部に集まり、そこからドレン管34で吸引され元
のホッパ31に収集される。また、固体粒子の回収搬送
用としてチャンバ中の空気も、固体粒子と共にドレン管
34で吸引され、ホッパ上部の気流と固体粒子の分離装
置35に搬送される。該分離装置35では図示の如く、
気流で搬送されて来た固体粒子は水平方向に装置空洞内
に放出され、気体に対して密度の大きい固体粒子は自重
で下方に落下し、気体はそのまま水平に流れて、フィル
ターで気流と共に移動しようとする残余の固体粒子を濾
過した上で、真空ポンプ36で系外に排出される。この
様にして固体粒子が、転写シート及び被転写基材が出入
りするチャンバ出入口開口部から、空気と共に周囲に流
出しない様にする。また、固体粒子のチャンバ系外への
流出防止、及び固体粒子のチャンバからホッパへの逆流
防止には、チャンバ内を外部より低圧にすると良い。こ
のチャンバの圧力調整は、前記真空ポンプ36の排気
量、更に排風機(図示せず)をチャンバに接続してその
排気量等によるチャンバ外に流出する気体量と、吹出ノ
ズル等の噴出器から固体粒子と共に噴出されチャンバ内
に入る気体量とのバランスを調整する事で行う。
【0043】チャンバ使用時の下地塗膜層等の加熱方法 以上、本発明の転写方法の一形態として、チャンバ内で
固体粒子を衝突させて曲面への転写も可能な曲面転写方
法の一例を説明したが、チャンバ使用時に於ける、下地
塗膜層の加熱や転写シート延伸性向上等の為の加熱方法
を更に説明する。
【0044】図8の装置では、衝突圧印加前の転写シー
トの加熱手段としては、チャンバ内の噴出器直前の転写
シートにシート加熱装置40を設けたが、衝突圧印加中
の加熱では加熱固体粒子や加熱流体も使用できる。ま
た、噴出器の間隙に分散して熱源を設けて加熱しても良
い。もちろん、衝突圧の印加中及び印加前の加熱を併用
できるし、衝突圧印加中の加熱のみの場合もある。
【0045】また、被転写基材の加熱は、衝突圧印加
前、或いは衝突圧印加中、或いは衝突圧印加前及び印加
中のいずれでも良い。被転写基材を加熱することで、転
写シートの下地塗膜層が強固に被転写基材に接着するの
を助け、転写シートを熱して延伸性向上を図る場合に、
熱せられた転写シート温度が低下するのを防止できる。
また、被転写基材側から転写シートを加熱することもで
きる。被転写基材の加熱は、チャンバの外部又は内部、
或いは外部及び内部で行えば良い。外部及び内部の加熱
では、充分な予熱が必要な場合でも、長い搬送距離を使
って加熱することができる。長い加熱装置をチャンバの
内部に設ける為に、チャンバ自身の内容積が大きくなる
ならば、加熱装置の一部又は全部をチャンバの外部に設
けて、チャンバの内容積を小さくした方が、固体粒子の
飛散、回収等を考慮した取扱上は有利だからである。チ
ャンバの内部で加熱する利点は、衝突圧印加の直前ま
で、或いは衝突圧印加中までも、加熱できることであ
り、特に熱容量が大きい被転写基材をその被転写面近傍
のみ効果的に予熱しようとする場合等である。被転写基
材の加熱手段としては、誘導加熱や誘電加熱は基材内部
から加熱できるが、一方、ヒータ加熱、赤外線加熱、熱
風加熱は、凹凸表面側からの加熱が効率的である。ま
た、被転写基材は裏面側からも加熱してもよい。チャン
バの開口部に被転写基材が搬送された後に、衝突圧印加
直前又は印加中まで加熱するならば、基材裏面側からの
加熱は、装置スペース的にも好ましい。衝突圧印加中加
熱は、圧印加部上流側での加熱に加えて、噴出器の間隙
に分散して熱源を設けてもよい(転写シートを通しての
加熱となる)。
【0046】転写シートと下地塗膜層の強制冷却 また、転写シートが被転写基材に密着後に転写シート及
び下地塗膜層を強制冷却すれば、凹部内部にまで追従、
成形された転写シートの固着化を促進して、転写シート
に復元力がある場合に圧解放後、転写シートが元の形状
に戻ることを防止し、転写シート(の支持体)の剥離除
去をより早くできるので、転写抜け防止や生産速度向上
が図れる。この為には、衝突圧印加中に、衝突圧を開放
しないまま冷却固体粒子及び冷却流体を用いたり、衝突
圧印加後に、風冷等の他の冷却手段で下地塗膜層を冷却
すると良い。被転写基材の熱容量が大の場合は、冷却固
体粒子及び冷却流体以外にも、低温流体の吹き付け、基
材搬送用の基材置台、ローラやベルトコンベアの冷却に
より、被転写基材を裏面から冷却できる。或いは、チャ
ンバ内でのこれら冷却の後にチャンバ外で、或いはチャ
ンバ内では冷却せずにチャンバ外のみで、表や裏からの
冷風吹き付け等で冷却しても良い。
【0047】支持体の剥離 支持体を剥離するタイミングは、衝突圧等の転写圧の解
除以降、支持体が剥離時応力で切断や塑性変形をし無い
程度に冷却し、下地塗膜層が冷却や硬化反応で固化し転
写シートが被転写基材に固着した時点以降に行う。
【0048】空気抜き 転写圧印加前に、下地塗膜層が接着性を発現しないなら
ば、或いはその様な時間的過程が使えるならば、被転写
基材と転写シートとの非粘着の接触を行えるので、転写
シートを被転写基材の凹凸表面に接触させて、転写シー
トと被転写基材間の空隙の空気を強制的に抜き取る、
「空気抜き」をすると良い。空気抜きで、転写シートと
被転写基材間の空気が転写時に残留する「エア噛み」、
更にはそれに起因する転写抜けを防げる。空気抜きは、
例えば図8の装置の様に、吸引排気ノズル91及び真空
ポンプ92等からなる吸引排気装置90で行う。吸引排
気ノズル91は、転写シートの転写層側で、且つ搬送さ
れる被転写基材の搬送方向に沿う両辺に隣接する両側に
(但し、図8(A)では片側のみが見える)、被転写基
材の搬送方向に沿って設け、転写シートと被転写基材間
の空気を、真空ポンプ92で吸引し排気すれば良い。吸
引排気ノズル91の開口部外周は例えばブラシで囲いブ
ラシ先端を被転写基材及び転写シートに接触させれば、
それらの搬送に支障なく空気抜きできる。また、空気抜
きは衝突圧印加中まで行うのが良い。なお、空気抜きと
転写シートの予熱とのタイミングは、転写シートが予熱
されて軟化する速度、軟化の度合いにもより、どちらを
先に開始しても良いが、両方を同時に開始しても良い。
空気抜きは、被転写基材の被転写面が例えば岩肌調やス
タッコ調等の凹凸面の場合は効果的である。
【0049】その他 以上、本発明の転写方法、更に曲面転写も可能な曲面転
写方法を説明して来たが、本発明は上記説明に限定され
るものではない。例えば、固体粒子衝突圧による転写方
法として図8の装置による曲面転写方法の説明では、転
写シートの被転写基材への圧接は、長尺帯状の転写シー
ト及び枚葉の被転写基材を用い、両者を一体的に搬送移
動させつつ、固定の噴出器で固体粒子衝突圧を連続印加
する形態であったが、転写シートの被転写基材への圧接
は、その時だけ転写シート及び被転写基材を停止させ
て、基材一個ごとに間欠的に行っても構わない(これら
に対して例えば噴出器を移動させる)。また、被転写基
材及び転写シートともに枚葉の形態で供給する形態でも
構わない。また、噴出器の固体粒子噴出方向と転写シー
ト及び被転写基材との位置関係は、両者ともに水平面内
に載置し、その上方から鉛直方向に真下に固体粒子を噴
き出す位置関係に限定されない。転写シート支持体側面
と噴出方向が垂直関係を維持したとしても、転写シート
の載置又は搬送方向は、水平面内以外にも、斜面内、鉛
直面内(図4(B))等があり、また転写シートが水平
面内でも、支持体側が下側、すなわち、下から上に固体
粒子を噴出させ衝突させても良い。もちろん、転写シー
ト裏面に対して角度をもって固体粒子を噴出しても良
い。また、衝突圧印加前に、弾性体ローラによる転写シ
ートの被転写基材への押圧を予備的に行っても良い。ま
た、チャンバ内は窒素等の不活性ガスを充満させて、転
写層の下地塗膜層等に(硬化前の)電離放射線硬化性樹
脂を用いる場合に、空気中の酸素、水蒸気等が該樹脂の
硬化を阻害するのを防止しても良い。
【0050】化粧材 本発明で得られる化粧材は、外壁、塀、屋根、門扉、破
風板等の外装材、壁面、天井等の建築内装材、窓枠、
扉、手摺、敷居、鴨居等の建具、箪笥等の家具の表面
材、弱電・OA機器のキャビネット、或いは自動車等の
車両内装材等の各種分野で用いられ得る。なお、転写後
の化粧材の表面に、更に透明保護層を塗装する等しても
良い。この様な透明保護層としては、ポリ4フッ化エチ
レン、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂、ポリメタ
クリル酸メチル等のアクリル樹脂、シリコーン樹脂、ウ
レタン樹脂の1種又は2種以上等をバインダーとし、こ
れに必要に応じて、ベンゾトリアゾール、超微粒子酸化
セリウム等の紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系ラジカ
ル捕捉剤等の光安定剤、着色顔料、体質顔料、滑剤等を
添加した塗料を用いる。塗工はスプレー塗装、フローコ
ート等を用いる。透明保護層の膜厚は1〜100μm程
度である。
【0051】
【実施例】次に実施例により本発明を更に説明する。先
ず、三次元的表面凹凸を有する被転写基材Bとして厚さ
15mmのケイ酸カルシウム板を用意した。この平板は
全体としての(包絡面の)形状は直方体であり、その表
面上には大柄な凹凸と微細な凹凸とが重畳して形成され
た物を用いた。大柄な凹凸としては図2の如き目地部の
溝状凹部401が開口幅6mm、深さ1.2mmと、表
面上の1辺が50mm×150mmの平坦凸部402か
らなり、又該平坦凸部上のみに、更に微細な凹凸として
JIS−B−0601の10点平均粗さで0.7mmの
図2(B)の様な梨地調の微細凹凸403を有する、煉
瓦積み模様の三次元的表面凹凸を有す板材てある。転写
シートSは支持体に厚さ50μmのポリプロピレン系フ
ィルムの片面に、転写層となる装飾層として、カーボン
ブラック、酸化鉄、チタン白、キナクリドン、イソイン
ドリノンからなる顔料と、アクリル樹脂と塩化ビニル−
酢酸ビニル共重合体との1対1(重量比)混合物からな
るバインダーを用いたインキで、被転写基材の凹凸面形
状と位置同調した目地部が余白となった煉瓦積み模様の
絵柄をグラビア印刷し、更に、顔料として酸化チタンを
10重量部添加した白色のアクリルウレタンエマルショ
ンを全面に塗工して膜厚50μm(乾燥時)の下地塗膜
層を全面にわてって設けて、転写シートを用意した。
【0052】次に、図8に示す様な装置で、転写圧には
固体粒子衝突圧を利用し、その為の噴出器には図3の如
き吹出ノズルを用いて、固体粒子を気体(空気)と共に
噴出させた。そして、上記被転写基材Bを、その凹凸面
を上にして搬送用ローラ列からなる基材搬送装置10上
に載置して搬送し、衝突圧印加部30に供給した。一方
転写シートSも、シート供給装置20により、その支持
体側を上にして、しかも絵柄の目地部と被転写基材の目
地状の溝状凹部とが位置合わせ(見当合わせ)される様
にして衝突圧印加部に供給した。被転写基材Bが衝突圧
印加部のチャンバ33に入ったところで、転写シートを
被転写基材に接近させた。そして、1対のエンドレスベ
ルト状のシート支持装置22で転写シートの幅方向両端
を表裏で挟持した。その状態で、転写シートの支持体側
から電熱線ヒータによる輻射熱を用いたシート加熱装置
40で、転写シートの予熱による軟化と、転写シートの
下地塗膜層の加熱による接着力発現と、被転写基材上の
加熱を行った。
【0053】次いで、固体粒子Pとして平均粒径0.4
mmの球形の鉄球を図5(A)の配列の噴出器32か
ら、噴出させ転写シートの支持体側に衝突させて、転写
シートを被転写基材に圧接した。被転写基材表面での吹
付圧力は10kg/cm2 、固体粒子及び気流の温度は
85℃であった。そして、転写シートが目地の凹部内に
まで延ばされて熱融着し、チャンバから外部に出た直後
に乾燥器50で20℃の冷風を吹き付けて、接着剤を冷
却して接着温度以下に冷却した後、転写シートの支持体
を剥離ローラ60で剥がし取り、化粧材Dを得た。化粧
材は表面凹凸に追従して下地塗膜層付きで絵柄が転写さ
れており、被転写基材の目地部の溝状凹部内はセメント
調の白色に着色されて見え、且つ被転写基材の大柄凹凸
の凸部上には、煉瓦調の絵柄を有する外観となった。更
に、この化粧材の転写層の表面に、2重量%のベンゾト
リアゾール系紫外線吸収剤を含むポリフッ化ビニリデン
のエマルション塗料を乾燥時厚さ10μmに塗布して、
透明保護層を形成して、透明保護層付きの化粧材を得
た。
【0054】
【発明の効果】 本発明によれば、被転写基材に下地塗装を施すこと無
く、装飾層等を転写すると同時に、下地塗膜層を被転写
基材に形成できる。その結果、被転写基材に下地塗装す
る工程を省略でき、下地塗装用の塗装設備も不要とな
り、設備的にも簡略化し、作業能率も向上する。 特に、被転写基材の基材面が凹凸表面の場合には、被
転写基材に対して下地塗装する従来方法では、下地塗装
が固化する迄に、塗料が凸部から凹部へ流入して、塗膜
の膜厚が不均一になる傾向があったが、転写によって被
転写基材に下地塗膜層を形成するので、塗膜厚が不均一
になる事も解消する、曲面転写法を実現できる。 更に、被転写基材の基材面が凹凸表面の場合には、転
写圧として固体粒子衝突圧を用いることによって、大き
な三次元的凹凸表面が下地塗膜層付きで装飾された化粧
材が容易に得られる曲面転写法を実現できる。もちろ
ん、窓枠、サッシ等の二次元的凹凸も可能であり、平板
状の板材以外にも、瓦の様に全体として(包絡面形状
が)波うち形状のもの、或いは凸又は凹に湾曲した形状
のものでも容易に得られる。。しかも、大柄な凹凸表面
の凸部上、凹部内(底部や凸部と底部の連結部分である
側面)も転写できる。また、大柄な凹凸の凸部上に、更
に微細な凹凸模様(例えば、ヘアライン、梨地等)が有
る場合でも、その微細凹凸の凹部内にまで、転写にて下
地塗膜層付きで装飾できる。また、従来のゴムローラ押
圧方式の様に、被転写基材の凹凸部によるローラ等部品
の損耗も無い。以上の結果、従来に無く極めて意匠性に
優れた化粧材が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の転写方法を概説する概念図。
【図2】被転写基材の三次元表面凹凸の一例を示す説明
図であり、(A)は平面図、(B)は要部斜視図。
【図3】固体粒子噴出手段として吹出ノズルによる噴出
器を説明する概念図。
【図4】固体粒子噴出手段として羽根車を用いた噴出器
を説明する概念図であり、(A)は正面図、(B)は側
面図。
【図5】噴出器の各種配置形態を示す平面図。(A)は
千鳥格子状に並べた配置、(B)は中央部は上流側にし
て、両端になるにつれて下流側にずらした配置。
【図6】衝突圧に幅方向分布を設けた説明図。
【図7】噴出方向の一形態を示す流れ方向からみた側面
図。
【図8】本発明の転写方法を実施し得る曲面転写装置の
一形態の概念図で、(A)は基材搬送方向の側面から見
た図で、(B)は(A)の装置の噴出器部分を基材搬送
方向から見た概略装置図。
【符号の説明】
1 支持体 2 転写層 3 装飾層 4 下地塗膜層 10 基材搬送装置(基材搬送手段) 20 シート供給装置(シート供給手段) 21 シート送出装置 22 シート支持装置 23 シート排出装置 30 衝突圧印加部(衝突圧印加手段) 31 ホッパ 32 噴出器(固体粒子噴出手段) 33 チャンバ 34 ドレン管 35 分離装置 36 真空ポンプ 40 シート加熱装置 41 基材加熱装置 50 冷却装置 60 剥離ローラ(剥離手段) 90 吸引排気装置(吸引排気手段) 91 吸引排気ノズル 92 真空ポンプ 320 (吹出ノズルによる)噴出器 321 マニホールド部 322 吹出ノズル部 323 ノズル開口部 325 (羽根車)による噴出器 326 羽根 327 側面板 328 回転軸 401 溝状凹部 402 平坦凸部 403 梨地調の微細凹凸 B 被転写基材 D 化粧材 F 流体 P 固体粒子 S 転写シート

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体と転写層とからなる転写シートに
    よって被転写基材に転写層を転写する転写方法におい
    て、 被転写基材表面の目止め、被転写基材内部からの水分や
    アルカリ分等の流出成分の滲み出しの遮断、被転写基材
    の伸縮時又は外力による応力の吸収・緩和、のいずれか
    一つ以上の機能を目的とする被転写基材に対する下地塗
    膜層を、転写層の最外層として設けた転写シートによ
    り、下地塗膜層を含む転写層を被転写基材に転写する、
    転写方法。
  2. 【請求項2】 被転写基材が凹凸表面を有し、該凹凸表
    面側に転写シートの転写層側を対向させ、該転写シート
    の支持体側に固体粒子を衝突させ、その衝突圧を転写圧
    に利用して、被転写基材の凹凸表面への転写シートの圧
    接を行い、転写層が被転写基材に接着後、転写シートの
    支持体を剥離除去することで、下地塗膜層を含む転写層
    を被転写基材に転写する、請求項1記載の転写方法。
JP6012397A 1997-02-28 1997-02-28 転写方法 Withdrawn JPH10236085A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN117621233A (zh) * 2024-01-13 2024-03-01 佛山市华创维科技有限公司 陶瓷砖表面装饰布料成型工艺及陶瓷砖

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN117621233A (zh) * 2024-01-13 2024-03-01 佛山市华创维科技有限公司 陶瓷砖表面装饰布料成型工艺及陶瓷砖

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