JPH10272693A - 曲面転写方法 - Google Patents
曲面転写方法Info
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- JPH10272693A JPH10272693A JP9092875A JP9287597A JPH10272693A JP H10272693 A JPH10272693 A JP H10272693A JP 9092875 A JP9092875 A JP 9092875A JP 9287597 A JP9287597 A JP 9287597A JP H10272693 A JPH10272693 A JP H10272693A
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- Japan
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- transfer sheet
- substrate
- solid particles
- transferred
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- Printing Methods (AREA)
- Decoration By Transfer Pictures (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 三次元的な凹凸面を持ち装飾層の耐久性のあ
る化粧材を効率良く製造する。 【解決手段】 少なくとも保護層3からなる転写層2が
支持体1上に積層され、前記保護層が完全には硬化して
いない透明な硬化性樹脂からなる転写シートSを用い、
凹凸表面を有する被転写基材Bの凹凸表面側に、前記転
写シートの転写層側を対向させ、該転写シートの支持体
側に固体粒子Pを衝突させ、その衝突圧を利用して、被
転写基材の凹凸表面への転写シートの圧接を行い、転写
層が被転写基材に接着後、転写シートの支持体を剥離除
去する前又は後に、前記保護層を完全硬化させる。
る化粧材を効率良く製造する。 【解決手段】 少なくとも保護層3からなる転写層2が
支持体1上に積層され、前記保護層が完全には硬化して
いない透明な硬化性樹脂からなる転写シートSを用い、
凹凸表面を有する被転写基材Bの凹凸表面側に、前記転
写シートの転写層側を対向させ、該転写シートの支持体
側に固体粒子Pを衝突させ、その衝突圧を利用して、被
転写基材の凹凸表面への転写シートの圧接を行い、転写
層が被転写基材に接着後、転写シートの支持体を剥離除
去する前又は後に、前記保護層を完全硬化させる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、住宅の外装及び内
装材、家具、家電製品等の化粧板について、特に表面物
性に優れた装飾凹凸表面を有する化粧板の転写による製
造法に関する。
装材、家具、家電製品等の化粧板について、特に表面物
性に優れた装飾凹凸表面を有する化粧板の転写による製
造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、一般に転写にて表面物性に優れた
転写品を得るには、転写層のうちで転写後に最外層とな
る層として、表面物性に優れた保護層を設けた転写シー
トを用いることが行われている。例えば、特公昭61−
3272号公報、実公昭64−1114号公報、実公昭
64−1115号公報等では、保護層として、電子線や
紫外線で硬化させた電離放射線硬化性樹脂の硬化物を用
いている。一方、被転写基材の転写面が凹凸面である場
合の転写方法としては、特開平5−330013号公報
に開示のラッピング転写法や、特開平5−139097
号公報に開示のローラ転写がある。特開平5−3300
13号公報のラッピング転写法は、例えば、窓枠、面縁
材等の柱状で基材装飾面が二次元的凹凸〔円柱の様に一
方向(母線、或いは高さ方向に直行する方向)にのみ曲
率を有する形状〕の場合に適用できる方法である。すな
わち、外表面に凹凸ないし曲面を有する柱状基材をその
長軸方向へ搬送する一方、支持体上に転写層が積層され
た帯状の転写シートを、前記柱状基材の搬送方向に柱状
基材と同期する速度で搬送しつつ、転写シートの転写層
面又は柱状基材の被転写面に接着剤層を塗工形成し、転
写シートをその転写層側を柱状基材の外表面側として、
柱状基材の外表面の表面形状に合致する形状を持つ複数
の押圧ロールを用いて段階的に貼着した後、転写シート
の支持体を剥離するものである。また、特開平5−13
9097号公報に開示の転写方法は、表面凹凸がエンボ
ス形状等の三次元的凹凸(すなわち、半球面の様に2方
向に曲率を有する形状)の場合に適用できるローラ転写
方法である。すなわち、転写シートの支持体として熱可
塑性樹脂フィルムを用い、該支持体上に剥離層、絵柄
層、及び接着層を順次設けた構成の転写シートを、凹凸
表面を有する基材上に設置し、支持体の裏面からゴム硬
度60°以下のゴム製の熱ローラで押圧して、絵柄を転
写することによって化粧板を得るものである。また、支
持体と剥離層間に転写時の熱で発泡する発泡層を設け、
この発泡も利用して基材の凹凸表面に追従させようとす
るものである。
転写品を得るには、転写層のうちで転写後に最外層とな
る層として、表面物性に優れた保護層を設けた転写シー
トを用いることが行われている。例えば、特公昭61−
3272号公報、実公昭64−1114号公報、実公昭
64−1115号公報等では、保護層として、電子線や
紫外線で硬化させた電離放射線硬化性樹脂の硬化物を用
いている。一方、被転写基材の転写面が凹凸面である場
合の転写方法としては、特開平5−330013号公報
に開示のラッピング転写法や、特開平5−139097
号公報に開示のローラ転写がある。特開平5−3300
13号公報のラッピング転写法は、例えば、窓枠、面縁
材等の柱状で基材装飾面が二次元的凹凸〔円柱の様に一
方向(母線、或いは高さ方向に直行する方向)にのみ曲
率を有する形状〕の場合に適用できる方法である。すな
わち、外表面に凹凸ないし曲面を有する柱状基材をその
長軸方向へ搬送する一方、支持体上に転写層が積層され
た帯状の転写シートを、前記柱状基材の搬送方向に柱状
基材と同期する速度で搬送しつつ、転写シートの転写層
面又は柱状基材の被転写面に接着剤層を塗工形成し、転
写シートをその転写層側を柱状基材の外表面側として、
柱状基材の外表面の表面形状に合致する形状を持つ複数
の押圧ロールを用いて段階的に貼着した後、転写シート
の支持体を剥離するものである。また、特開平5−13
9097号公報に開示の転写方法は、表面凹凸がエンボ
ス形状等の三次元的凹凸(すなわち、半球面の様に2方
向に曲率を有する形状)の場合に適用できるローラ転写
方法である。すなわち、転写シートの支持体として熱可
塑性樹脂フィルムを用い、該支持体上に剥離層、絵柄
層、及び接着層を順次設けた構成の転写シートを、凹凸
表面を有する基材上に設置し、支持体の裏面からゴム硬
度60°以下のゴム製の熱ローラで押圧して、絵柄を転
写することによって化粧板を得るものである。また、支
持体と剥離層間に転写時の熱で発泡する発泡層を設け、
この発泡も利用して基材の凹凸表面に追従させようとす
るものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
様な従来の方法のうち、特公昭61−3272号公報、
実公昭64−1114号公報、実公昭64−1115号
公報等に開示の転写シートでは、凹凸表面を有する被転
写基材に転写した場合に、保護層が硬質の為に、保護層
と共にその下の装飾層までひび割れが生じてしまうとい
う問題があった。また、凹凸表面を有する被転写基材に
一応は転写できる方法である、前記特開平5−3300
13号公報及び特開平5−139097号公報が開示す
る転写方法では、凹凸面形状に限界がある上に、表面物
性に優れた保護層までは転写しておらず、転写された装
飾層の耐摩耗性、耐汚染性は満足できるものではなかっ
た。凹凸面への転写では、特開平5−330013号公
報の技術では、二次元的曲面までしか対応できず、ま
た、特開平5−139097号公報が提案する技術で
は、三次元的曲面も対応できるが、基本的に回転する熱
ローラのゴムによる弾性変形を利用して表面凹凸に追従
させる為に、浅いエンボス形状は良いとしても大きな表
面凹凸には適用できない。その上、被転写基材の凹凸の
隅角部によって軟質のゴムローラが損耗し易い。また、
転写シートに発泡層を設ける構成では、転写シートが複
雑高価になり過ぎる。また、全体として平板状の基材に
限定されるといった問題があった。
様な従来の方法のうち、特公昭61−3272号公報、
実公昭64−1114号公報、実公昭64−1115号
公報等に開示の転写シートでは、凹凸表面を有する被転
写基材に転写した場合に、保護層が硬質の為に、保護層
と共にその下の装飾層までひび割れが生じてしまうとい
う問題があった。また、凹凸表面を有する被転写基材に
一応は転写できる方法である、前記特開平5−3300
13号公報及び特開平5−139097号公報が開示す
る転写方法では、凹凸面形状に限界がある上に、表面物
性に優れた保護層までは転写しておらず、転写された装
飾層の耐摩耗性、耐汚染性は満足できるものではなかっ
た。凹凸面への転写では、特開平5−330013号公
報の技術では、二次元的曲面までしか対応できず、ま
た、特開平5−139097号公報が提案する技術で
は、三次元的曲面も対応できるが、基本的に回転する熱
ローラのゴムによる弾性変形を利用して表面凹凸に追従
させる為に、浅いエンボス形状は良いとしても大きな表
面凹凸には適用できない。その上、被転写基材の凹凸の
隅角部によって軟質のゴムローラが損耗し易い。また、
転写シートに発泡層を設ける構成では、転写シートが複
雑高価になり過ぎる。また、全体として平板状の基材に
限定されるといった問題があった。
【0004】そこで、本発明は、大きな三次元的凹凸表
面にも転写でき、且つ耐擦傷性等で優れた表面物性を有
し表面装飾の耐久性に優れた化粧材が得られる、曲面転
写方法を提供することである。
面にも転写でき、且つ耐擦傷性等で優れた表面物性を有
し表面装飾の耐久性に優れた化粧材が得られる、曲面転
写方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、上記課題を解決
すべく、本発明の曲面転写方法では、転写シートとし
て、少なくとも保護層からなる転写層が支持体上に積層
され、且つ前記保護層が完全には硬化していない透明な
硬化性樹脂からなる転写シートを用い、しかも、この転
写シートを凹凸表面を有する被転写基材へ圧接する手段
として、転写シートの支持体側に固体粒子を衝突させ、
その衝突圧を利用することとした。すなわち、凹凸表面
を有する被転写基材の凹凸表面側に、転写シートの転写
層側を対向させ、該転写シートの支持体側に固体粒子を
衝突させ、その衝突圧を利用して、被転写基材の凹凸表
面への転写シートの圧接を行う。そして、転写層が被転
写基材に接着後、転写シートの支持体を剥離除去する前
又は後に、被転写基材に転写された前記保護層を完全硬
化させる。この結果、凹凸表面を有する被転写基材の表
面凹凸が、大きな三次元的凹凸であっても、耐擦傷性等
の優れた表面物性の化粧材を転写で製造することを可能
とした。
すべく、本発明の曲面転写方法では、転写シートとし
て、少なくとも保護層からなる転写層が支持体上に積層
され、且つ前記保護層が完全には硬化していない透明な
硬化性樹脂からなる転写シートを用い、しかも、この転
写シートを凹凸表面を有する被転写基材へ圧接する手段
として、転写シートの支持体側に固体粒子を衝突させ、
その衝突圧を利用することとした。すなわち、凹凸表面
を有する被転写基材の凹凸表面側に、転写シートの転写
層側を対向させ、該転写シートの支持体側に固体粒子を
衝突させ、その衝突圧を利用して、被転写基材の凹凸表
面への転写シートの圧接を行う。そして、転写層が被転
写基材に接着後、転写シートの支持体を剥離除去する前
又は後に、被転写基材に転写された前記保護層を完全硬
化させる。この結果、凹凸表面を有する被転写基材の表
面凹凸が、大きな三次元的凹凸であっても、耐擦傷性等
の優れた表面物性の化粧材を転写で製造することを可能
とした。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の曲面転写方法を詳
述する。先ず、図1は本発明の曲面転写方法で用いる転
写シートSの代表的な一構成例を示す断面図である。転
写シートSは、支持体1と転写層2とからなり、この場
合の転写層2は保護層3と装飾層4とからなり、保護層
3は完全には硬化していない透明な硬化性樹脂からな
る。そして、本発明の曲面転写方法では、その代表的一
形態の概念図を示す図2の如く、上記転写シートSの転
写層2側を、凹凸表面を有する被転写基材Bの凹凸表面
側(図2では接着剤Aが施されている)に対向させ〔図
2(A)〕た状態で、転写シートSの支持体1側に多数
の固体粒子Pを衝突させ、その衝突圧を利用して、被転
写基材Bの凹凸表面へ転写シートSを追従成形して転写
シートSを被転写基材Bに押圧すると共に、接着剤Aに
より転写層1を被転写基材Bに接着させることで、転写
シートSを被転写基材Bに圧接し接着させ〔図2
(B)〕、その後、転写シートSの支持体1を被転写基
材Bから剥離除去すると共に、支持体の剥離除去前又は
後に保護層3を完全硬化させて、少なくとも保護層3か
らなる転写層2が、被転写基材Bの凹凸表面に転写され
た化粧板Dとする〔図2(C)〕。なお、同図は接着剤
Aは被転写基材B上に設けた例だが、接着剤Aは転写シ
ートSの転写層2の一部として、或いは被転写基材B及
び転写シートSの両方に設ける形態でも良い。
述する。先ず、図1は本発明の曲面転写方法で用いる転
写シートSの代表的な一構成例を示す断面図である。転
写シートSは、支持体1と転写層2とからなり、この場
合の転写層2は保護層3と装飾層4とからなり、保護層
3は完全には硬化していない透明な硬化性樹脂からな
る。そして、本発明の曲面転写方法では、その代表的一
形態の概念図を示す図2の如く、上記転写シートSの転
写層2側を、凹凸表面を有する被転写基材Bの凹凸表面
側(図2では接着剤Aが施されている)に対向させ〔図
2(A)〕た状態で、転写シートSの支持体1側に多数
の固体粒子Pを衝突させ、その衝突圧を利用して、被転
写基材Bの凹凸表面へ転写シートSを追従成形して転写
シートSを被転写基材Bに押圧すると共に、接着剤Aに
より転写層1を被転写基材Bに接着させることで、転写
シートSを被転写基材Bに圧接し接着させ〔図2
(B)〕、その後、転写シートSの支持体1を被転写基
材Bから剥離除去すると共に、支持体の剥離除去前又は
後に保護層3を完全硬化させて、少なくとも保護層3か
らなる転写層2が、被転写基材Bの凹凸表面に転写され
た化粧板Dとする〔図2(C)〕。なお、同図は接着剤
Aは被転写基材B上に設けた例だが、接着剤Aは転写シ
ートSの転写層2の一部として、或いは被転写基材B及
び転写シートSの両方に設ける形態でも良い。
【0007】被転写基材 先ず、本発明の被転写基材Bとしては、被転写面が平坦
な平面でももちろん適用できるが、本発明が真価を発揮
するのは被転写面が凹凸表面であり、特にその凹凸が三
次元的である被転写基材である。従来の回転接触する押
圧ロール(前述の特開平5−330013号公報)や、
ゴム製の転写ローラ(前述の特開平5−139097号
公報参照)では、その回転軸による方向性を本質的に有
しているために、適用できる表面凹凸形状が制約され
る。即ち前者では、1軸方向にのみ曲率を有する二次元
的凹凸に限定され、また、後者では2軸方向に曲率を有
する三次元的凹凸への転写が可能でもその三次元形状は
任意の方向に均質に適用できない。例えば、木目導管柄
の長手方向は、転写シートの送り方向に平行にしない
と、導管凹部には旨く転写できない。しかも、後者は基
材形状は平板状に事実上限定され、それ以外は基材形状
毎にその都度合わせた特殊形状の転写ローラとでもしな
い限り不可能である。ところが、本発明では、後述の様
に、流体的に振る舞うことができる固体粒子群の衝突圧
を利用するため、表面凹凸の三次元的形状に対して圧力
印加領域の面的な方向性を本質的に持たない。(この方
向性とは、圧力が印加される被転写基材上のポイントの
時間的位置変化の方向のことである。)従って、転写シ
ートや被転写基材の送り方向に凹凸がある形状を持つ被
転写基材でも構わない。すなわち、送り方向のみ又は幅
方向のみ等と一方向にのみ凹凸がある二次元的凹凸、送
り方向及び幅方向の両方等と2方向に凹凸がある三次元
的凹凸にも適用できることを意味する。なお、本発明が
前記方向性を持たない点は、枚葉の転写シートを被転写
基材上に載置し一つずつ圧接密着する方法で、固体粒子
を噴出する噴出器を移動、又は噴出器固定で転写シート
と被転写基材とを移動させて、衝突圧が印加される領域
が移動していく様子を考えれば、容易に理解できる。
な平面でももちろん適用できるが、本発明が真価を発揮
するのは被転写面が凹凸表面であり、特にその凹凸が三
次元的である被転写基材である。従来の回転接触する押
圧ロール(前述の特開平5−330013号公報)や、
ゴム製の転写ローラ(前述の特開平5−139097号
公報参照)では、その回転軸による方向性を本質的に有
しているために、適用できる表面凹凸形状が制約され
る。即ち前者では、1軸方向にのみ曲率を有する二次元
的凹凸に限定され、また、後者では2軸方向に曲率を有
する三次元的凹凸への転写が可能でもその三次元形状は
任意の方向に均質に適用できない。例えば、木目導管柄
の長手方向は、転写シートの送り方向に平行にしない
と、導管凹部には旨く転写できない。しかも、後者は基
材形状は平板状に事実上限定され、それ以外は基材形状
毎にその都度合わせた特殊形状の転写ローラとでもしな
い限り不可能である。ところが、本発明では、後述の様
に、流体的に振る舞うことができる固体粒子群の衝突圧
を利用するため、表面凹凸の三次元的形状に対して圧力
印加領域の面的な方向性を本質的に持たない。(この方
向性とは、圧力が印加される被転写基材上のポイントの
時間的位置変化の方向のことである。)従って、転写シ
ートや被転写基材の送り方向に凹凸がある形状を持つ被
転写基材でも構わない。すなわち、送り方向のみ又は幅
方向のみ等と一方向にのみ凹凸がある二次元的凹凸、送
り方向及び幅方向の両方等と2方向に凹凸がある三次元
的凹凸にも適用できることを意味する。なお、本発明が
前記方向性を持たない点は、枚葉の転写シートを被転写
基材上に載置し一つずつ圧接密着する方法で、固体粒子
を噴出する噴出器を移動、又は噴出器固定で転写シート
と被転写基材とを移動させて、衝突圧が印加される領域
が移動していく様子を考えれば、容易に理解できる。
【0008】また、被転写基材は全体として(包絡面形
状が)平板状の板材だけでなく、円弧状に凸又は凹に送
り方向又は幅方向に湾曲した二次元的凹凸を有する基材
でも良く、またその湾曲面にさらに細かい三次元的な表
面凹凸があってもよい。なお、本発明では、被転写基材
の円弧状等の二次元的な凹凸に対して、それを例えば幅
方向として、或いは送り方向として転写するかは作業性
等を考慮して任意にできる。また、大柄な凹凸に重畳し
て微細な凹凸を有する凹凸表面の被転写基材、或いは凹
凸表面の凹部底部や凹部内側面に転写すべき面を有する
被転写基材も可能である。前記大柄な凹凸と微細な凹凸
とは、例えば図9(B)の如く被転写基材の凹凸が大柄
な凹凸のその凸部上にある微細な凹凸とからなるもの
で、大柄の凹凸形状は段差が1〜10mm、凹部の幅が
1〜10mm、凸部の幅が5mm以上のもので構成され
るものであり、微細な凹凸形状は、段差及び幅ともに大
柄な凹凸形状よりも小さく、具体的には段差が0.1〜
5mm程度、凹部の幅及び凸部の幅が0.1mm以上
で、大柄な凹凸形状の凸部の幅の1/2未満程度であ
る。なお、凹凸面を構成する各面は、平面のみから、曲
面のみらか、或いは平面と曲面の組み合わせと任意であ
る。従って、本発明の被転写基材上の曲面とは、断面が
下駄の歯形の様に複数の平面のみから構成される曲面を
持たない凹凸面も意味する。また、本発明でいう曲率と
は、立方体の辺或いは頂点の周辺の様に角張っている曲
率無限大(曲率半径=0)の場合も包含する。
状が)平板状の板材だけでなく、円弧状に凸又は凹に送
り方向又は幅方向に湾曲した二次元的凹凸を有する基材
でも良く、またその湾曲面にさらに細かい三次元的な表
面凹凸があってもよい。なお、本発明では、被転写基材
の円弧状等の二次元的な凹凸に対して、それを例えば幅
方向として、或いは送り方向として転写するかは作業性
等を考慮して任意にできる。また、大柄な凹凸に重畳し
て微細な凹凸を有する凹凸表面の被転写基材、或いは凹
凸表面の凹部底部や凹部内側面に転写すべき面を有する
被転写基材も可能である。前記大柄な凹凸と微細な凹凸
とは、例えば図9(B)の如く被転写基材の凹凸が大柄
な凹凸のその凸部上にある微細な凹凸とからなるもの
で、大柄の凹凸形状は段差が1〜10mm、凹部の幅が
1〜10mm、凸部の幅が5mm以上のもので構成され
るものであり、微細な凹凸形状は、段差及び幅ともに大
柄な凹凸形状よりも小さく、具体的には段差が0.1〜
5mm程度、凹部の幅及び凸部の幅が0.1mm以上
で、大柄な凹凸形状の凸部の幅の1/2未満程度であ
る。なお、凹凸面を構成する各面は、平面のみから、曲
面のみらか、或いは平面と曲面の組み合わせと任意であ
る。従って、本発明の被転写基材上の曲面とは、断面が
下駄の歯形の様に複数の平面のみから構成される曲面を
持たない凹凸面も意味する。また、本発明でいう曲率と
は、立方体の辺或いは頂点の周辺の様に角張っている曲
率無限大(曲率半径=0)の場合も包含する。
【0009】被転写基材の材質は任意であり、例えば、
板材であれば、ケイ酸カルシウム板、押し出しセメント
板、ALC(軽量発泡コンクリート)板、GRC(硝子
繊維強化コンクリート)板等の非陶磁器窯業系板、木材
単板や木材合板、パーティクルボード、或いは木質中密
度繊維板(MDF)等の木質板、また、鉄、アルミニウ
ム、銅等の金属板、陶磁器やガラス等のセラミックス、
ポリプロピレン、ABS樹脂、フェノール樹脂等の樹脂
成形品等でも良い。なお、後述の様に固体粒子を噴出さ
せる加速流体に液体を用いる場合は、該液体に対して非
吸収性の物が好ましい。例えば金属板、樹脂成形品、陶
磁器やガラス等のセラミックス等である。また、これら
の被転写基材表面には、予め、接着剤との接着を補助す
る為の易接着プライマー、或いは表面の微凹凸や多孔質
を目止めし封じるシーラー剤を塗工しておいても良い。
易接着プライマー、或いはシーラー剤としては、イソシ
アネート、2液硬化ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アク
リル樹脂、酢酸ビニル樹脂等の樹脂を塗工し形成する。
なお、被転写基材表面を所望の凹凸とするには、プレス
加工、エンボス加工、押し出し加工、切削加工、成形加
工等によれば良い。また、凹凸形状の具体的模様は任意
だが、例えば、目地を有するタイルや煉瓦、石等の二次
元配列、花崗岩の劈開面、トラバーチン大理石板等の石
材表面の凹凸、木材羽目板、浮造木目板等の木材板表面
凹凸、リシン調、スタッコ調等の吹付塗装面の凹凸等で
ある。
板材であれば、ケイ酸カルシウム板、押し出しセメント
板、ALC(軽量発泡コンクリート)板、GRC(硝子
繊維強化コンクリート)板等の非陶磁器窯業系板、木材
単板や木材合板、パーティクルボード、或いは木質中密
度繊維板(MDF)等の木質板、また、鉄、アルミニウ
ム、銅等の金属板、陶磁器やガラス等のセラミックス、
ポリプロピレン、ABS樹脂、フェノール樹脂等の樹脂
成形品等でも良い。なお、後述の様に固体粒子を噴出さ
せる加速流体に液体を用いる場合は、該液体に対して非
吸収性の物が好ましい。例えば金属板、樹脂成形品、陶
磁器やガラス等のセラミックス等である。また、これら
の被転写基材表面には、予め、接着剤との接着を補助す
る為の易接着プライマー、或いは表面の微凹凸や多孔質
を目止めし封じるシーラー剤を塗工しておいても良い。
易接着プライマー、或いはシーラー剤としては、イソシ
アネート、2液硬化ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アク
リル樹脂、酢酸ビニル樹脂等の樹脂を塗工し形成する。
なお、被転写基材表面を所望の凹凸とするには、プレス
加工、エンボス加工、押し出し加工、切削加工、成形加
工等によれば良い。また、凹凸形状の具体的模様は任意
だが、例えば、目地を有するタイルや煉瓦、石等の二次
元配列、花崗岩の劈開面、トラバーチン大理石板等の石
材表面の凹凸、木材羽目板、浮造木目板等の木材板表面
凹凸、リシン調、スタッコ調等の吹付塗装面の凹凸等で
ある。
【0010】転写シート 転写シートSは支持体1と転写移行する転写層2とから
なり、転写層2は少なくとも保護層3からなり、保護層
3は完全には硬化していない透明な硬化性樹脂からな
る。また、被転写基材表面に装飾効果を付与する為の装
飾層、或いは接着剤を転写層の一部となる接着剤層とし
て、転写シートに設けておいても良い。
なり、転写層2は少なくとも保護層3からなり、保護層
3は完全には硬化していない透明な硬化性樹脂からな
る。また、被転写基材表面に装飾効果を付与する為の装
飾層、或いは接着剤を転写層の一部となる接着剤層とし
て、転写シートに設けておいても良い。
【0011】(支持体)上記支持体には、被転写基材が
二次元的凹凸表面であれば、延伸性が無い紙(但し、固
体粒子加速流体が液体の場合は、該液体に対して不溶性
のものを選ぶ)等も可能だが、本発明が真価を発揮する
三次元的凹凸表面に適用する為には、少なくとも転写時
には延伸性の有る支持体を用いる。延伸性により固体粒
子の衝突圧印加時に、被転写基材表面の凹部内部まで転
写シートを追従させて密着し転写することができる。転
写シート全体の延伸性は、主に支持体の延伸性に支配さ
れる。従って、支持体には、従来公知の熱可塑性樹脂フ
ィルムの他に、室温でも延伸するゴム膜も使用できる。
熱可塑性樹脂フィルムの場合、装飾層等の転写層形成時
には延伸性が殆どなく、転写時には、加熱により充分な
延伸性を発現し、且つ冷却後は変形した形状を保持し続
け、弾性による形状の復元を生じない転写シートとし
て、従来公知の通常の転写シート同様に容易に、本発明
で用い得る転写シートは用意出来る。支持体の具体例と
しては、延伸性の点で、従来多用されている2軸延伸ポ
リエチレンテレフタレートフィルムでも、表面凹凸形状
次第で、加熱条件、衝突圧条件等の設定によって、必要
充分な延伸性を発現させることができるので曲面転写は
可能だが、低温、低圧でより延伸性が発現し易いもの例
えば、ポリブチレンテレフタレート、又はテレフタレー
トイソフタレート共重合体等の共重合体ポリエステル系
フィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィ
ルム、ポリメチルペンテンフィルム等のポリオレフィン
系フィルム、ポリ塩化ビニル樹脂フィルム、ナイロンフ
ィルム等の低延伸又は無延伸のフィルム、天然ゴム、合
成ゴム、ウレタンエラストマー、オレフィン系エラスト
マー等のゴム(エラストマー)フィルムも好ましい支持
体である。或いは、固体粒子加速流体に液体を用いる場
合には、転写時に接する液体に対して、膨潤はするが不
溶である樹脂フィルムを使用する事も可能である。この
様な膨潤性且つ不溶性樹脂フィルムの例としては、液体
として水又は水溶液を用いる場合には、特開昭54−1
50208号公報、特公昭61−3276号公報等に開
示される様な、ポリビニルアルコール系フィルムであっ
て、平均重合度300〜3000、鹸化度65〜97m
ol%、厚さ20〜100μmのフィルムが代表的なも
のである。また、支持体には必要に応じ、その転写層側
に転写層との剥離性を向上させる為、離型層を設けても
良い。この離型層は支持体を剥離時に支持体と共に転写
層から剥離除去される。離型層としては、例えば、シリ
コーン樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン
樹脂、ポリオレフィン樹脂、ワックス等の単体又はこれ
らを含む混合物が用いられる。なお、支持体の厚みは、
その材料、被転写基材の表面凹凸、加熱条件、衝突圧等
により適宜選択するが、通常は25〜200μm程度で
ある。薄すぎると取り扱い難くなり、厚過ぎても延伸性
が低下する。
二次元的凹凸表面であれば、延伸性が無い紙(但し、固
体粒子加速流体が液体の場合は、該液体に対して不溶性
のものを選ぶ)等も可能だが、本発明が真価を発揮する
三次元的凹凸表面に適用する為には、少なくとも転写時
には延伸性の有る支持体を用いる。延伸性により固体粒
子の衝突圧印加時に、被転写基材表面の凹部内部まで転
写シートを追従させて密着し転写することができる。転
写シート全体の延伸性は、主に支持体の延伸性に支配さ
れる。従って、支持体には、従来公知の熱可塑性樹脂フ
ィルムの他に、室温でも延伸するゴム膜も使用できる。
熱可塑性樹脂フィルムの場合、装飾層等の転写層形成時
には延伸性が殆どなく、転写時には、加熱により充分な
延伸性を発現し、且つ冷却後は変形した形状を保持し続
け、弾性による形状の復元を生じない転写シートとし
て、従来公知の通常の転写シート同様に容易に、本発明
で用い得る転写シートは用意出来る。支持体の具体例と
しては、延伸性の点で、従来多用されている2軸延伸ポ
リエチレンテレフタレートフィルムでも、表面凹凸形状
次第で、加熱条件、衝突圧条件等の設定によって、必要
充分な延伸性を発現させることができるので曲面転写は
可能だが、低温、低圧でより延伸性が発現し易いもの例
えば、ポリブチレンテレフタレート、又はテレフタレー
トイソフタレート共重合体等の共重合体ポリエステル系
フィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィ
ルム、ポリメチルペンテンフィルム等のポリオレフィン
系フィルム、ポリ塩化ビニル樹脂フィルム、ナイロンフ
ィルム等の低延伸又は無延伸のフィルム、天然ゴム、合
成ゴム、ウレタンエラストマー、オレフィン系エラスト
マー等のゴム(エラストマー)フィルムも好ましい支持
体である。或いは、固体粒子加速流体に液体を用いる場
合には、転写時に接する液体に対して、膨潤はするが不
溶である樹脂フィルムを使用する事も可能である。この
様な膨潤性且つ不溶性樹脂フィルムの例としては、液体
として水又は水溶液を用いる場合には、特開昭54−1
50208号公報、特公昭61−3276号公報等に開
示される様な、ポリビニルアルコール系フィルムであっ
て、平均重合度300〜3000、鹸化度65〜97m
ol%、厚さ20〜100μmのフィルムが代表的なも
のである。また、支持体には必要に応じ、その転写層側
に転写層との剥離性を向上させる為、離型層を設けても
良い。この離型層は支持体を剥離時に支持体と共に転写
層から剥離除去される。離型層としては、例えば、シリ
コーン樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン
樹脂、ポリオレフィン樹脂、ワックス等の単体又はこれ
らを含む混合物が用いられる。なお、支持体の厚みは、
その材料、被転写基材の表面凹凸、加熱条件、衝突圧等
により適宜選択するが、通常は25〜200μm程度で
ある。薄すぎると取り扱い難くなり、厚過ぎても延伸性
が低下する。
【0012】また、転写層に接する側の支持体面に凹凸
模様を設ければ、転写後の転写層表面に凹凸模様を賦形
することもできる。凹凸模様は、例えば、砂目、梨地、
ヘアライン、万線状溝、花崗岩の劈開面の凹凸模様、木
目導管溝、木目年輪模様、布目の表面テクスチュア、文
字、幾何学模様等である。なお、凹凸模様の形成は、支
持体の樹脂シートに対して、熱プレスによるエンボス加
工、サンドブラスト加工、ヘアライン加工をしたり、或
いは支持体に、離型性の有る樹脂をバインダーとするイ
ンキ(2液硬化ウレタン、シリコーン樹脂、メラミン樹
脂、紫外線又は電子線で架橋させた多官能アクリレート
又はメタクリレートのモノマー又はプレポリマー等から
なる)を用いて所望の凹凸模様に、シルクスクリーン印
刷等で盛り上げ印刷して賦形層を設け、賦形層を有する
支持体とする方法等がある。なお、賦形層は上記離型層
の機能を有する。
模様を設ければ、転写後の転写層表面に凹凸模様を賦形
することもできる。凹凸模様は、例えば、砂目、梨地、
ヘアライン、万線状溝、花崗岩の劈開面の凹凸模様、木
目導管溝、木目年輪模様、布目の表面テクスチュア、文
字、幾何学模様等である。なお、凹凸模様の形成は、支
持体の樹脂シートに対して、熱プレスによるエンボス加
工、サンドブラスト加工、ヘアライン加工をしたり、或
いは支持体に、離型性の有る樹脂をバインダーとするイ
ンキ(2液硬化ウレタン、シリコーン樹脂、メラミン樹
脂、紫外線又は電子線で架橋させた多官能アクリレート
又はメタクリレートのモノマー又はプレポリマー等から
なる)を用いて所望の凹凸模様に、シルクスクリーン印
刷等で盛り上げ印刷して賦形層を設け、賦形層を有する
支持体とする方法等がある。なお、賦形層は上記離型層
の機能を有する。
【0013】(転写層)転写層2は、少なくとも保護層
3から構成し、更に適宜、装飾層4、接着剤層等も転写
層の構成要素とすることもある。接着剤層を有する構成
では、転写の際に転写シート又は被転写基材の片方又は
両方に接着剤を施すことを省略できる。
3から構成し、更に適宜、装飾層4、接着剤層等も転写
層の構成要素とすることもある。接着剤層を有する構成
では、転写の際に転写シート又は被転写基材の片方又は
両方に接着剤を施すことを省略できる。
【0014】(保護層)保護層は、転写時に被転写基材
側に転写され、被転写基材の表面を被覆して、被転写基
材表面に耐水性、耐摩耗性等の耐久性を付与し、これを
保護する層であり、完全には硬化していない透明な硬化
性樹脂から構成する。転写シートにおける保護層上に装
飾層、接着剤層等を形成する場合には、保護層は触指乾
燥状態とするのが好ましい。保護層の硬化状態として
は、全く未硬化状態でも、或いは部分的に(不完全に)
硬化反応が進行した状態でも良い。対象とする被転写基
材の凹凸形状、転写条件、保護層の指触乾燥程度等によ
り、適当な状態に調整する。一般に、保護層が完全硬化
に近づくと凹凸表面に形成したときに亀裂を生じる傾向
になり、また、全く未硬化に近づくと保護層の指触乾燥
が不十分で、その上への装飾層等の重ね刷りが不能にな
ったり、転写シートの加熱成形時に装飾層が流動変形す
る傾向がある。硬化性樹脂としては、電離放射線硬化性
樹脂の完全硬化前の組成物、熱硬化性樹脂の完全硬化前
の組成物を使用できる。これら、組成物中には、必要に
応じて、着色顔料(或いは染料)、体質顔料、滑剤等を
添加することができ、紫外線硬化性樹脂以外の場合には
更に耐候(光)性を付与する為にベンゾトリアゾール、
超微粒子酸化セリウム等の紫外線吸収剤、ヒンダードア
ミン系ラジカル補足剤等の光安定剤を添加しても良い。
なお、保護層自体に着色顔料(或いは染料)を添加して
着色したり、或いは凹凸模様を賦形する場合は保護層自
体が装飾層としても機能する事になる。
側に転写され、被転写基材の表面を被覆して、被転写基
材表面に耐水性、耐摩耗性等の耐久性を付与し、これを
保護する層であり、完全には硬化していない透明な硬化
性樹脂から構成する。転写シートにおける保護層上に装
飾層、接着剤層等を形成する場合には、保護層は触指乾
燥状態とするのが好ましい。保護層の硬化状態として
は、全く未硬化状態でも、或いは部分的に(不完全に)
硬化反応が進行した状態でも良い。対象とする被転写基
材の凹凸形状、転写条件、保護層の指触乾燥程度等によ
り、適当な状態に調整する。一般に、保護層が完全硬化
に近づくと凹凸表面に形成したときに亀裂を生じる傾向
になり、また、全く未硬化に近づくと保護層の指触乾燥
が不十分で、その上への装飾層等の重ね刷りが不能にな
ったり、転写シートの加熱成形時に装飾層が流動変形す
る傾向がある。硬化性樹脂としては、電離放射線硬化性
樹脂の完全硬化前の組成物、熱硬化性樹脂の完全硬化前
の組成物を使用できる。これら、組成物中には、必要に
応じて、着色顔料(或いは染料)、体質顔料、滑剤等を
添加することができ、紫外線硬化性樹脂以外の場合には
更に耐候(光)性を付与する為にベンゾトリアゾール、
超微粒子酸化セリウム等の紫外線吸収剤、ヒンダードア
ミン系ラジカル補足剤等の光安定剤を添加しても良い。
なお、保護層自体に着色顔料(或いは染料)を添加して
着色したり、或いは凹凸模様を賦形する場合は保護層自
体が装飾層としても機能する事になる。
【0015】上記前記完全には硬化していない透明な電
離放射線硬化性樹脂の組成物としては、例えば、次の
(I)や(II)の電離放射線硬化性樹脂を使用でき
る。なお、以下、本発明で言う「室温」とは、転写シー
トを製造、保存し、またその支持体の剥離作業を行う室
内(或いは室外)の雰囲気温度を意味する。具体的値
は、気候や作業環境によって異るが、通常は10〜40
℃の範囲である。又、室温は支持体の剥離を行う最低の
温度でもある。
離放射線硬化性樹脂の組成物としては、例えば、次の
(I)や(II)の電離放射線硬化性樹脂を使用でき
る。なお、以下、本発明で言う「室温」とは、転写シー
トを製造、保存し、またその支持体の剥離作業を行う室
内(或いは室外)の雰囲気温度を意味する。具体的値
は、気候や作業環境によって異るが、通常は10〜40
℃の範囲である。又、室温は支持体の剥離を行う最低の
温度でもある。
【0016】(I)ラジカル重合性不飽和基を有する、
熱可塑性の次の(1) 又は(2) の2種類の樹脂。 (1) ガラス転移温度が0〜250℃のポリマー中にラジ
カル重合性不飽和基を有するもの。更に具体的には以下
の〜を重合、もしくは共重合させたものに対し、後
述する方法(a) 〜(d) によりラジカル重合性不飽和基を
導入したものを用いることができる。なお、以下におい
て、例えば(メタ)アクリレートとはアクリレート又は
メタクリレートの意味で用いる。 水酸基を有するモノマー;N−メチロール(メタ)ア
クリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒド
ロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート
など。 カルボキシル基を有するモノマー;(メタ)アクリル
酸、(メタ)アクリロイルオキシエチルモノサクシネー
トなど。 エポキシ基を有するモノマー;グリシジル(メタ)ア
クリレートなど。 アジリジニル基を有するモノマー;2−アジリジニル
エチル(メタ)アクリレート、2−アジリジニルプロピ
オン酸アリルなど。 アミノ基を有するモノマー;(メタ)アクリルアミ
ド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、ジメチルア
ミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチ
ル(メタ)アクリレートなど。 スルフォン基を有するモノマー;2−(メタ)アクリ
ルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸など。 イソシアネート基を有するモノマー;2,4−トルエ
ンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレートの1モル対1モルの付加物などのジイソシア
ネートと活性水素を有するラジカル重合性モノマーとの
付加物など。 上記〜のモノマーと共重合可能で上記〜以外
のモノマー;このモノマーは得られる共重合体のガラス
転移温度や物性を調節する共重合成分として使用する。
例えば、メチル(メタ)アクリレート、プロピル(メ
タ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソ
ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メ
タ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキ
シル(メタ)アクリレートなど。
熱可塑性の次の(1) 又は(2) の2種類の樹脂。 (1) ガラス転移温度が0〜250℃のポリマー中にラジ
カル重合性不飽和基を有するもの。更に具体的には以下
の〜を重合、もしくは共重合させたものに対し、後
述する方法(a) 〜(d) によりラジカル重合性不飽和基を
導入したものを用いることができる。なお、以下におい
て、例えば(メタ)アクリレートとはアクリレート又は
メタクリレートの意味で用いる。 水酸基を有するモノマー;N−メチロール(メタ)ア
クリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒド
ロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート
など。 カルボキシル基を有するモノマー;(メタ)アクリル
酸、(メタ)アクリロイルオキシエチルモノサクシネー
トなど。 エポキシ基を有するモノマー;グリシジル(メタ)ア
クリレートなど。 アジリジニル基を有するモノマー;2−アジリジニル
エチル(メタ)アクリレート、2−アジリジニルプロピ
オン酸アリルなど。 アミノ基を有するモノマー;(メタ)アクリルアミ
ド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、ジメチルア
ミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチ
ル(メタ)アクリレートなど。 スルフォン基を有するモノマー;2−(メタ)アクリ
ルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸など。 イソシアネート基を有するモノマー;2,4−トルエ
ンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレートの1モル対1モルの付加物などのジイソシア
ネートと活性水素を有するラジカル重合性モノマーとの
付加物など。 上記〜のモノマーと共重合可能で上記〜以外
のモノマー;このモノマーは得られる共重合体のガラス
転移温度や物性を調節する共重合成分として使用する。
例えば、メチル(メタ)アクリレート、プロピル(メ
タ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソ
ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メ
タ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキ
シル(メタ)アクリレートなど。
【0017】次に、上述のようにして得られた重合体又
は共重合体を、以下に述べる方法(a) 〜(d) により反応
させてラジカル重合性不飽和基を導入する。 (a) 水酸基を有するモノマーの重合体又は共重合体の場
合には、前述したの(メタ)アクリル酸などのカルボ
キシル基を有するモノマーなどを縮合反応させる。 (b) カルボキシル基、スルフォン基を有するモノマーの
重合体又は共重合体の場合には、前述の水酸基を有す
るモノマーを縮合反応させる。 (c) エポキシ基、イソシアネート基、或いはアジリジニ
ル基を有するモノマーの重合体又は共重合体の場合に
は、前述の水酸基を有するモノマーもしくは前述の
カルボキシル基を有するモノマーを付加反応させる。 (d) 水酸基あるいはカルボキシル基を有するモノマーの
重合体又は共重合体の場合には、前述のエポキシ基を
有するモノマーあるいは前述のアジリジニルを有する
モノマーあるいは前述のジイソシアネート化合物と水
酸基含有アクリル酸エステルモノマーとの1モル対1モ
ルの付加物等のイソシアネート基を有するモノマーを、
付加反応させる。なお、上記反応を行うには、微量のハ
イドロキノンなどの重合禁止剤を加え、乾燥空気を送り
ながら行うことが望ましい。
は共重合体を、以下に述べる方法(a) 〜(d) により反応
させてラジカル重合性不飽和基を導入する。 (a) 水酸基を有するモノマーの重合体又は共重合体の場
合には、前述したの(メタ)アクリル酸などのカルボ
キシル基を有するモノマーなどを縮合反応させる。 (b) カルボキシル基、スルフォン基を有するモノマーの
重合体又は共重合体の場合には、前述の水酸基を有す
るモノマーを縮合反応させる。 (c) エポキシ基、イソシアネート基、或いはアジリジニ
ル基を有するモノマーの重合体又は共重合体の場合に
は、前述の水酸基を有するモノマーもしくは前述の
カルボキシル基を有するモノマーを付加反応させる。 (d) 水酸基あるいはカルボキシル基を有するモノマーの
重合体又は共重合体の場合には、前述のエポキシ基を
有するモノマーあるいは前述のアジリジニルを有する
モノマーあるいは前述のジイソシアネート化合物と水
酸基含有アクリル酸エステルモノマーとの1モル対1モ
ルの付加物等のイソシアネート基を有するモノマーを、
付加反応させる。なお、上記反応を行うには、微量のハ
イドロキノンなどの重合禁止剤を加え、乾燥空気を送り
ながら行うことが望ましい。
【0018】(2) 融点が20℃〜250℃であり、ラジ
カル重合性不飽和基を有する化合物。具体的には、ステ
アリル(メタ)アクリレート、トリアクリルイソシアヌ
レート、シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレー
ト、スピログリコールジアクリレート、スピログリコー
ル(メタ)アクリレートなどである。
カル重合性不飽和基を有する化合物。具体的には、ステ
アリル(メタ)アクリレート、トリアクリルイソシアヌ
レート、シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレー
ト、スピログリコールジアクリレート、スピログリコー
ル(メタ)アクリレートなどである。
【0019】また、上記(1) 及び(2) を混合して用いる
こともできる。更に、上記(1) 又は(2) 、又は(1) 及び
(2) の混合物に対して、反応性希釈剤としてラジカル重
合性モノマーを加えることもできる。このラジカル重合
性モノマーは、電離放射線照射による架橋密度を上げて
耐熱性を向上させる。該モノマーとしては、例えば、前
述の〜のモノマーの他に、エチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリ
レート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、
ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、
ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エ
チレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アク
リレート、ポレエチレングリコールジグリシジルエーテ
ルジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジグ
リシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ポリプロピ
レングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリ
レート、ソルビトールテトラグリシジルエーテルテトラ
(メタ)アクリレートなどを用いることができる。配合
量は、前記(1) 又は(2) の単独又は混合物の樹脂100
重量部に対して、0.1〜100重量部で用いることが
好ましい。また、後述(ロ) の非架橋型樹脂を加えること
もできる。
こともできる。更に、上記(1) 又は(2) 、又は(1) 及び
(2) の混合物に対して、反応性希釈剤としてラジカル重
合性モノマーを加えることもできる。このラジカル重合
性モノマーは、電離放射線照射による架橋密度を上げて
耐熱性を向上させる。該モノマーとしては、例えば、前
述の〜のモノマーの他に、エチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリ
レート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、
ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、
ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エ
チレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アク
リレート、ポレエチレングリコールジグリシジルエーテ
ルジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジグ
リシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ポリプロピ
レングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリ
レート、ソルビトールテトラグリシジルエーテルテトラ
(メタ)アクリレートなどを用いることができる。配合
量は、前記(1) 又は(2) の単独又は混合物の樹脂100
重量部に対して、0.1〜100重量部で用いることが
好ましい。また、後述(ロ) の非架橋型樹脂を加えること
もできる。
【0020】(II)室温で液状の電離放射線硬化性樹
脂に、室温で熱可塑性固体である非架橋型樹脂を混合し
て得られる電離放射線硬化性樹脂。 (イ) 室温で液状の電離放射線硬化性樹脂;分子中にラジ
カル重合性不飽和基を有するプレポリマー又はモノマー
の、単体又は混合物からなる組成物である。或いはカチ
オン重合性官能基を有するプレポリマーやモノマーから
なる組成物である。ラジカル重合性不飽和基を有するプ
レポリマーの例としては、ポリエステル(メタ)アクリ
レート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メ
タ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、ト
リアジン(メタ)アクリレートなどである。ラジカル重
合性不飽和基を有するモノマーの例としては、単官能モ
ノマーとして、メチル(メタ)アクリレート、2−エチ
ルヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル
(メタ)アクリレートなどがある。また、多官能モノマ
ーとして、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ト
リメチールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメ
チロールプロパンエチレンオキサイドトリ(メタ)アク
リレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アク
リレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アク
リレートなどがある。カチオン重合性官能基を有するプ
レポリマーの例としては、ビスフェノール型エポキシ樹
脂、ノボラック型エポキシ化合物等のエポキシ系樹脂、
脂肪酸系ビニルエーテル、芳香族系ビニルエーテル等の
ビニルエーテル系樹脂のプレポリマーがある。
脂に、室温で熱可塑性固体である非架橋型樹脂を混合し
て得られる電離放射線硬化性樹脂。 (イ) 室温で液状の電離放射線硬化性樹脂;分子中にラジ
カル重合性不飽和基を有するプレポリマー又はモノマー
の、単体又は混合物からなる組成物である。或いはカチ
オン重合性官能基を有するプレポリマーやモノマーから
なる組成物である。ラジカル重合性不飽和基を有するプ
レポリマーの例としては、ポリエステル(メタ)アクリ
レート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メ
タ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、ト
リアジン(メタ)アクリレートなどである。ラジカル重
合性不飽和基を有するモノマーの例としては、単官能モ
ノマーとして、メチル(メタ)アクリレート、2−エチ
ルヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル
(メタ)アクリレートなどがある。また、多官能モノマ
ーとして、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ト
リメチールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメ
チロールプロパンエチレンオキサイドトリ(メタ)アク
リレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アク
リレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アク
リレートなどがある。カチオン重合性官能基を有するプ
レポリマーの例としては、ビスフェノール型エポキシ樹
脂、ノボラック型エポキシ化合物等のエポキシ系樹脂、
脂肪酸系ビニルエーテル、芳香族系ビニルエーテル等の
ビニルエーテル系樹脂のプレポリマーがある。
【0021】(ロ) 非架橋型樹脂は、電離放射線による架
橋硬化反応に寄与しない室温で固体の熱可塑性樹脂であ
り、例えば、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリ
エステル系樹脂、或いは、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル
−酢酸ビニル共重合体、ブチラール樹脂等のビニル系樹
脂である。例えば、アクリル系樹脂は、そのモノマーと
して、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチ
ル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−
n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メ
タ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソ
ブチル、(メタ)アクリル酸−n−アミル、(メタ)ア
クリル酸−n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸−n−オ
クチル、(メタ)アクリル酸ラウリル等の(メタ)アク
リル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸−2−ク
ロルエチル、(メタ)アクリル酸−3−クロルプロピル
等の(メタ)アクリル酸ハロゲン化アルキル、(メタ)
アクルル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル
酸−2−ヒドロキシプロピル等の水酸基を持つ(メタ)
アクリル酸エステル、α−クロル(メタ)アクリル酸メ
チル、α−クロル(メタ)アクリル酸エチルなどのハロ
ゲン化 (メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクル
ル酸−1−クロル−2−ヒドロキシエチルなどの水酸基
を持つα−アルキル(メタ)アクリル酸エステル、及び
(メタ)アクリル酸グリシジル等の(メタ)アクリル系
モノマーの1種又は2種以上からなる単独重合体又は共
重合体である。また、これらのアクリル系樹脂は、平均
分子量が50,000〜600,000、ガラス転移温
度が50〜130℃のものを用いることが好ましい。平
均分子量及びガラス転移温度が、共にこれら数値範囲に
あると、室温で液状の電離放射線硬化性樹脂の室温での
流動性を消失させる効果、及び転写シートにおける保護
層の可撓性を兼ね備えることが出来、好適である。
橋硬化反応に寄与しない室温で固体の熱可塑性樹脂であ
り、例えば、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリ
エステル系樹脂、或いは、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル
−酢酸ビニル共重合体、ブチラール樹脂等のビニル系樹
脂である。例えば、アクリル系樹脂は、そのモノマーと
して、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチ
ル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−
n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メ
タ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソ
ブチル、(メタ)アクリル酸−n−アミル、(メタ)ア
クリル酸−n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸−n−オ
クチル、(メタ)アクリル酸ラウリル等の(メタ)アク
リル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸−2−ク
ロルエチル、(メタ)アクリル酸−3−クロルプロピル
等の(メタ)アクリル酸ハロゲン化アルキル、(メタ)
アクルル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル
酸−2−ヒドロキシプロピル等の水酸基を持つ(メタ)
アクリル酸エステル、α−クロル(メタ)アクリル酸メ
チル、α−クロル(メタ)アクリル酸エチルなどのハロ
ゲン化 (メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクル
ル酸−1−クロル−2−ヒドロキシエチルなどの水酸基
を持つα−アルキル(メタ)アクリル酸エステル、及び
(メタ)アクリル酸グリシジル等の(メタ)アクリル系
モノマーの1種又は2種以上からなる単独重合体又は共
重合体である。また、これらのアクリル系樹脂は、平均
分子量が50,000〜600,000、ガラス転移温
度が50〜130℃のものを用いることが好ましい。平
均分子量及びガラス転移温度が、共にこれら数値範囲に
あると、室温で液状の電離放射線硬化性樹脂の室温での
流動性を消失させる効果、及び転写シートにおける保護
層の可撓性を兼ね備えることが出来、好適である。
【0022】なお、紫外線又は可視光線にて硬化させる
場合には、上記(I)又は(II)の電離放射線硬化性
樹脂に、さらに光重合開始剤を添加する。ラジカル重合
性不飽和基を有する樹脂系の場合は、光重合開始剤とし
て、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサン
トン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル類を単
独又は混合して用いることができる。また、カチオン重
合性官能基を有する樹脂系の場合は、光重合開始剤とし
て、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳
香族ヨードニウム塩、メタロセン化合物、ベンゾインス
ルホン酸エステル等を単独又は混合物として用いること
ができる。なお、これらの光重合開始剤の添加量として
は、電離放射線硬化性樹脂100重量部に対して、0.
1〜10重量部程度である。また、電離放射線として
は、樹脂中の分子を架橋させ得る光量子を有する電磁波
又は荷電粒子が用いられる。通常用いられるものは、紫
外線又は電子線であるが、この他、可視光線、X線、イ
オン線等を用いる事も可能である。紫外線源としては、
超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアー
ク灯、ブラックライト、メタルハライドランプ等の光源
が使用される。紫外線の波長としては通常190〜38
0nmの波長域が主として用いられる。電子線源として
は、コッククロフトワルトン型、バンデグラフト型、共
振変圧器型、絶縁コア変圧器型、或いは、直線型、ダイ
ナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器を用い、
100〜1000keV、通常は、100〜300ke
Vのエネルギーをもつ電子を照射するものが使用され
る。
場合には、上記(I)又は(II)の電離放射線硬化性
樹脂に、さらに光重合開始剤を添加する。ラジカル重合
性不飽和基を有する樹脂系の場合は、光重合開始剤とし
て、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサン
トン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル類を単
独又は混合して用いることができる。また、カチオン重
合性官能基を有する樹脂系の場合は、光重合開始剤とし
て、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳
香族ヨードニウム塩、メタロセン化合物、ベンゾインス
ルホン酸エステル等を単独又は混合物として用いること
ができる。なお、これらの光重合開始剤の添加量として
は、電離放射線硬化性樹脂100重量部に対して、0.
1〜10重量部程度である。また、電離放射線として
は、樹脂中の分子を架橋させ得る光量子を有する電磁波
又は荷電粒子が用いられる。通常用いられるものは、紫
外線又は電子線であるが、この他、可視光線、X線、イ
オン線等を用いる事も可能である。紫外線源としては、
超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアー
ク灯、ブラックライト、メタルハライドランプ等の光源
が使用される。紫外線の波長としては通常190〜38
0nmの波長域が主として用いられる。電子線源として
は、コッククロフトワルトン型、バンデグラフト型、共
振変圧器型、絶縁コア変圧器型、或いは、直線型、ダイ
ナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器を用い、
100〜1000keV、通常は、100〜300ke
Vのエネルギーをもつ電子を照射するものが使用され
る。
【0023】また、上記電離放射線硬化性樹脂に更に、
必要に応じて、各種添加剤を添加することもできる。こ
れらの添加剤としては、例えばシリカ、アルミナ等の微
粉末からなる体質顔料等である。
必要に応じて、各種添加剤を添加することもできる。こ
れらの添加剤としては、例えばシリカ、アルミナ等の微
粉末からなる体質顔料等である。
【0024】前記完全には硬化していない透明な熱硬化
性樹脂の組成物としては、自己架橋型アクリル樹脂、メ
ラミン架橋型アクリル樹脂、ブロックイソシアネート硬
化型アクリル樹脂、自己架橋型ポリエステル樹脂、メラ
ミン架橋型ポリエステル樹脂、ブロックイソシアネート
硬化型ポリエステル樹脂、エステル化反応が不完全なポ
リエステル樹脂等の組成物を用いることができる。
性樹脂の組成物としては、自己架橋型アクリル樹脂、メ
ラミン架橋型アクリル樹脂、ブロックイソシアネート硬
化型アクリル樹脂、自己架橋型ポリエステル樹脂、メラ
ミン架橋型ポリエステル樹脂、ブロックイソシアネート
硬化型ポリエステル樹脂、エステル化反応が不完全なポ
リエステル樹脂等の組成物を用いることができる。
【0025】なお、前記電離放射線硬化性樹脂や熱硬化
性樹脂による組成物を、支持体に施して保護層とするに
は、従来公知のグラビアロールコート等による溶液塗工
法によれば良い。また、電離放射線硬化性樹脂の場合は
希釈溶剤を添加せずに用いれば、溶剤乾燥は不要であ
る。保護層の厚みは通常1〜100μm程度である。
性樹脂による組成物を、支持体に施して保護層とするに
は、従来公知のグラビアロールコート等による溶液塗工
法によれば良い。また、電離放射線硬化性樹脂の場合は
希釈溶剤を添加せずに用いれば、溶剤乾燥は不要であ
る。保護層の厚みは通常1〜100μm程度である。
【0026】また、保護層の完全硬化の時期は、転写シ
ートが被転写基材の表面形状に成形され転写層が被転写
基材と接着した後であれば、支持体の剥離除去前でも後
でもよい。剥離除去前であれば、保護層は強固な層とな
っているので、剥離除去時に保護層が凝集破壊すること
もなく、また転写工程と同時にできる点で好ましい。剥
離除去前に保護層を完全硬化させるには、保護層が電離
放射線硬化性樹脂ならば電離放射線照射で速やかに行え
る。また、保護層が熱硬化性樹脂の場合でも、転写後の
加熱で完全とまでは行かないまでも、硬化を進めておく
ことができ、支持体の剥離除去後の加熱も少なくでき
る。
ートが被転写基材の表面形状に成形され転写層が被転写
基材と接着した後であれば、支持体の剥離除去前でも後
でもよい。剥離除去前であれば、保護層は強固な層とな
っているので、剥離除去時に保護層が凝集破壊すること
もなく、また転写工程と同時にできる点で好ましい。剥
離除去前に保護層を完全硬化させるには、保護層が電離
放射線硬化性樹脂ならば電離放射線照射で速やかに行え
る。また、保護層が熱硬化性樹脂の場合でも、転写後の
加熱で完全とまでは行かないまでも、硬化を進めておく
ことができ、支持体の剥離除去後の加熱も少なくでき
る。
【0027】(装飾層)装飾層はグラビア印刷、シルク
スクリーン印刷、オフセット印刷等の従来公知の方法、
材料で絵柄等を印刷した絵柄層、アルミニウム、クロ
ム、金、銀等の金属を公知の蒸着法等を用いて部分的或
いは全面に形成した金属薄膜層等であり、用途に合わせ
たものを用いる。絵柄としては、被転写基材の表面凹凸
に合わせて、木目模様、石目模様、布目模様、タイル調
模様、煉瓦調模様、全面ベタ等を用いる。なお、絵柄層
用インキは、バインダー等からなるビヒクル、顔料や染
料等の着色剤、これに適宜加える各種添加剤からなる。
バンイダーには、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体、ポリエステル樹脂、セルロース系樹脂、ポ
リウレタン樹脂、フッ素樹脂等の単体又はこれらを含む
混合物からなる。着色剤の顔料としては、チタン白、カ
ーボンブラック、弁柄、黄鉛、群青等の無機顔料、アニ
リンブラック、キナクリドン、イソインドリノン、フタ
ロシアニンブルー等の有機顔料を用いる。
スクリーン印刷、オフセット印刷等の従来公知の方法、
材料で絵柄等を印刷した絵柄層、アルミニウム、クロ
ム、金、銀等の金属を公知の蒸着法等を用いて部分的或
いは全面に形成した金属薄膜層等であり、用途に合わせ
たものを用いる。絵柄としては、被転写基材の表面凹凸
に合わせて、木目模様、石目模様、布目模様、タイル調
模様、煉瓦調模様、全面ベタ等を用いる。なお、絵柄層
用インキは、バインダー等からなるビヒクル、顔料や染
料等の着色剤、これに適宜加える各種添加剤からなる。
バンイダーには、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体、ポリエステル樹脂、セルロース系樹脂、ポ
リウレタン樹脂、フッ素樹脂等の単体又はこれらを含む
混合物からなる。着色剤の顔料としては、チタン白、カ
ーボンブラック、弁柄、黄鉛、群青等の無機顔料、アニ
リンブラック、キナクリドン、イソインドリノン、フタ
ロシアニンブルー等の有機顔料を用いる。
【0028】接着剤 接着剤は、転写シートの転写層を構成する接着剤層とし
てや、被転写基材上の接着剤層として、事前又は転写の
直前に、オンライン塗工やオフライン塗工で施す。被転
写基材に施す場合には、転写シート転写層の接着剤層を
省略できる。用いる接着剤は、用途、要求物性等により
適宜選択すれば良いが、固体粒子加速流体に液体を用い
る場合には、該液体に対して不溶性の物を選択する。用
いる接着剤としては、例えば、感熱型接着剤、湿気硬化
型感熱溶融型接着剤、ホットメルト接着剤、湿気硬化型
ホットメルト接着剤、2液硬化型接着剤、電離放射線硬
化型接着剤、水性接着剤、或いは粘着剤による感圧型接
着剤等の各種接着剤を使用できる。なお、固体粒子加速
流体が水の場合は、湿気硬化型の接着剤や水性接着剤は
避ける。上記感熱型接着剤としては、熱可塑性樹脂を用
いた熱融着型と、熱硬化性樹脂を用いた熱硬化型とのい
ずれの接着剤も使用できる。但し、短時間で接着が完了
するという点からは、熱融着型(感熱溶融型接着剤)が
好ましい。また、接着剤は溶剤希釈又は無溶剤、或いは
室温で液体又は固体のいずれでも良く、適宜使い分け
る。また、粘着性を呈する感圧型の粘着剤以外の接着剤
では、接着剤層の単層のみで転写層とすることができ
る。接着剤層中に顔料等の着色剤を添加すれば、全面ベ
タのインク層からなる装飾層兼保護層ともいえる。
てや、被転写基材上の接着剤層として、事前又は転写の
直前に、オンライン塗工やオフライン塗工で施す。被転
写基材に施す場合には、転写シート転写層の接着剤層を
省略できる。用いる接着剤は、用途、要求物性等により
適宜選択すれば良いが、固体粒子加速流体に液体を用い
る場合には、該液体に対して不溶性の物を選択する。用
いる接着剤としては、例えば、感熱型接着剤、湿気硬化
型感熱溶融型接着剤、ホットメルト接着剤、湿気硬化型
ホットメルト接着剤、2液硬化型接着剤、電離放射線硬
化型接着剤、水性接着剤、或いは粘着剤による感圧型接
着剤等の各種接着剤を使用できる。なお、固体粒子加速
流体が水の場合は、湿気硬化型の接着剤や水性接着剤は
避ける。上記感熱型接着剤としては、熱可塑性樹脂を用
いた熱融着型と、熱硬化性樹脂を用いた熱硬化型とのい
ずれの接着剤も使用できる。但し、短時間で接着が完了
するという点からは、熱融着型(感熱溶融型接着剤)が
好ましい。また、接着剤は溶剤希釈又は無溶剤、或いは
室温で液体又は固体のいずれでも良く、適宜使い分け
る。また、粘着性を呈する感圧型の粘着剤以外の接着剤
では、接着剤層の単層のみで転写層とすることができ
る。接着剤層中に顔料等の着色剤を添加すれば、全面ベ
タのインク層からなる装飾層兼保護層ともいえる。
【0029】感熱溶融型接着剤としては、ポリ酢酸ビニ
ル系樹脂、アクリル樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、
熱可塑性ウレタン樹脂、ダイマー酸とエチレンジアミン
との縮重合により得られるポリアミド樹脂等の従来公知
の接着剤を用いることができる。熱硬化型接着剤として
は、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹
脂、熱硬化型ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等を用いるこ
とがてきる。
ル系樹脂、アクリル樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、
熱可塑性ウレタン樹脂、ダイマー酸とエチレンジアミン
との縮重合により得られるポリアミド樹脂等の従来公知
の接着剤を用いることができる。熱硬化型接着剤として
は、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹
脂、熱硬化型ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等を用いるこ
とがてきる。
【0030】また、湿気硬化型感熱溶融型接着剤も感熱
溶融型接着剤の一種である。湿気硬化型感熱溶融型接着
剤は、自然放置により空気中の水分で硬化反応が進行す
るので、作業安定性の点で転写直前に施す。また、湿気
硬化型感熱溶融型接着剤は、転写直後は、通常の感熱溶
融型接着剤同様の接着力だが、自然放置により空気中の
水分で架橋・硬化反応が徐徐に進行する為に、最終的に
クリープ変形及び熱溶融がなく耐熱性等に優れ、大きな
接着力が得られる。但し、転写終了後に湿気で接着剤の
架橋・硬化を進行させる為、湿気を含む空気中に転写後
の化粧板を放置して養生する。養生の再の好ましい雰囲
気条件は、大体、相対湿度50%RH以上、気温10℃
以上である。温度・相対湿度とも高い方が、より短時間
で硬化が完了する。標準的な硬化完了時間は、通常の場
合、20℃60%RHの雰囲気中で10時間程度であ
る。
溶融型接着剤の一種である。湿気硬化型感熱溶融型接着
剤は、自然放置により空気中の水分で硬化反応が進行す
るので、作業安定性の点で転写直前に施す。また、湿気
硬化型感熱溶融型接着剤は、転写直後は、通常の感熱溶
融型接着剤同様の接着力だが、自然放置により空気中の
水分で架橋・硬化反応が徐徐に進行する為に、最終的に
クリープ変形及び熱溶融がなく耐熱性等に優れ、大きな
接着力が得られる。但し、転写終了後に湿気で接着剤の
架橋・硬化を進行させる為、湿気を含む空気中に転写後
の化粧板を放置して養生する。養生の再の好ましい雰囲
気条件は、大体、相対湿度50%RH以上、気温10℃
以上である。温度・相対湿度とも高い方が、より短時間
で硬化が完了する。標準的な硬化完了時間は、通常の場
合、20℃60%RHの雰囲気中で10時間程度であ
る。
【0031】湿気硬化型感熱溶融型接着剤は、分子末端
にイソシアネート基を有するプレポリマーを必須成分と
する組成物である。前記プレポリマーは、通常は分子両
末端に各々イソシアネート基を1個以上有するポリイソ
シアネートプレポリマーであり、室温で固体の熱可塑性
樹脂の状態にあるものである。イソシアネート基同士が
空気中の水分により反応して鎖延長反応を起こして、そ
の結果、分子鎖中に尿素結合を有する反応物を生じて、
この尿素結合に更に分子末端のイソシアネート基が反応
して、ビウレット結合を起こして分岐し、架橋反応を起
こす。分子末端にイソシアネート基を有するプレポリマ
ーの分子鎖の骨格構造は任意であるが、具体的には、ウ
レタン結合を有するポリウレタン骨格、エステル結合を
有するポリエステル骨格、ポリブタジン骨格等である。
適宜これら1種又は2種以上の骨格構造を採用すること
で、接着剤物性を調整できる。なお、分子鎖中にウレタ
ン結合ある場合は、このウレタン結合とも末端イソシア
ネート基が反応して、アロファネート結合を生じて、こ
のアロファネート結合によっても架橋反応を起こす。
にイソシアネート基を有するプレポリマーを必須成分と
する組成物である。前記プレポリマーは、通常は分子両
末端に各々イソシアネート基を1個以上有するポリイソ
シアネートプレポリマーであり、室温で固体の熱可塑性
樹脂の状態にあるものである。イソシアネート基同士が
空気中の水分により反応して鎖延長反応を起こして、そ
の結果、分子鎖中に尿素結合を有する反応物を生じて、
この尿素結合に更に分子末端のイソシアネート基が反応
して、ビウレット結合を起こして分岐し、架橋反応を起
こす。分子末端にイソシアネート基を有するプレポリマ
ーの分子鎖の骨格構造は任意であるが、具体的には、ウ
レタン結合を有するポリウレタン骨格、エステル結合を
有するポリエステル骨格、ポリブタジン骨格等である。
適宜これら1種又は2種以上の骨格構造を採用すること
で、接着剤物性を調整できる。なお、分子鎖中にウレタ
ン結合ある場合は、このウレタン結合とも末端イソシア
ネート基が反応して、アロファネート結合を生じて、こ
のアロファネート結合によっても架橋反応を起こす。
【0032】ポリイソシアネートプレポリマーの具体例
としては、例えば、ポリオールに過剰のポリイソシアネ
ートを反応させた分子末端にイソシアネート基を有し、
且つ分子鎖中にウレタン結合を有するポリウレタン骨格
の、ウレタンプレポリマーがある。また、特開昭64−
14287号公報に開示されている様な、ポリイソシア
ネートに、ポリエステルポリオールと、ポリブタジエン
骨格を有するポリオールとを任意の順序で加え付加反応
させて得られた、ポリエステル骨格とポリブタジエン骨
格とがウレタン結合により結合された構造を有し且つ分
子末端にイソシアネート基を有する結晶性ウレタンプレ
ポリマー、或いは、特開平2−305882号公報に開
示されている様な、ポリカーボネート系ポリオールとポ
リイソシアネートを反応させて得られる分子中に2個以
上のイシソアネート基を有するポリカーボネート系ウレ
タンプレポリマー、ポリエステル系ポリオールとポリイ
ソシアネートを反応させて得られる分子中に2個以上の
イシソアネート基を有するポリエステル系ウレタンプレ
ポリマー等が挙げられる。
としては、例えば、ポリオールに過剰のポリイソシアネ
ートを反応させた分子末端にイソシアネート基を有し、
且つ分子鎖中にウレタン結合を有するポリウレタン骨格
の、ウレタンプレポリマーがある。また、特開昭64−
14287号公報に開示されている様な、ポリイソシア
ネートに、ポリエステルポリオールと、ポリブタジエン
骨格を有するポリオールとを任意の順序で加え付加反応
させて得られた、ポリエステル骨格とポリブタジエン骨
格とがウレタン結合により結合された構造を有し且つ分
子末端にイソシアネート基を有する結晶性ウレタンプレ
ポリマー、或いは、特開平2−305882号公報に開
示されている様な、ポリカーボネート系ポリオールとポ
リイソシアネートを反応させて得られる分子中に2個以
上のイシソアネート基を有するポリカーボネート系ウレ
タンプレポリマー、ポリエステル系ポリオールとポリイ
ソシアネートを反応させて得られる分子中に2個以上の
イシソアネート基を有するポリエステル系ウレタンプレ
ポリマー等が挙げられる。
【0033】また、湿気硬化型感熱溶融型接着剤として
は、上記各種ポリイソシアネートプレポリマーの他に、
各種物性を調整する為に、上記必須反応成分に更に、必
要に応じて、熱可塑性樹脂、粘着付与剤、可塑剤、充填
剤等の各種副材料添加することもできる。これらの副材
料としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
低分子量ポリエチレン、変性ポリオレフィン、アタクチ
ックポリプロピレン、線状ポリエステル、エチレン−エ
チルアクリレート(EAA)等の熱可塑性樹脂、テルペ
ン−フェノール樹脂、アビエチン酸ロジンエステル等の
粘着付与剤、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、
アルミナ等の微粉末からなる充填剤(体質顔料)、着色
顔料、硬化触媒、水分除去剤、貯蔵安定剤、老化防止剤
等である。
は、上記各種ポリイソシアネートプレポリマーの他に、
各種物性を調整する為に、上記必須反応成分に更に、必
要に応じて、熱可塑性樹脂、粘着付与剤、可塑剤、充填
剤等の各種副材料添加することもできる。これらの副材
料としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
低分子量ポリエチレン、変性ポリオレフィン、アタクチ
ックポリプロピレン、線状ポリエステル、エチレン−エ
チルアクリレート(EAA)等の熱可塑性樹脂、テルペ
ン−フェノール樹脂、アビエチン酸ロジンエステル等の
粘着付与剤、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、
アルミナ等の微粉末からなる充填剤(体質顔料)、着色
顔料、硬化触媒、水分除去剤、貯蔵安定剤、老化防止剤
等である。
【0034】電離放射線硬化型接着剤として用いる得る
電離放射線硬化性樹脂としては、分子中にラジカル重合
性不飽和結合、又はカチオン重合性官能基を有する、プ
レポリマー(所謂オリゴマーも包含する)及び/又はモ
ノマーを適宜混合した電離放射線により硬化可能な組成
物が好ましくは用いられる。これらプレポリマー又はモ
ノマーは単体又は複数種を混合して用いる。この様な電
離放射線硬化性樹脂としては、具体的には前記保護層で
列記した電離放射線硬化性樹脂を用いる事ができる他
に、転写直前に施す場合では室温で液状の樹脂も使用で
きる。
電離放射線硬化性樹脂としては、分子中にラジカル重合
性不飽和結合、又はカチオン重合性官能基を有する、プ
レポリマー(所謂オリゴマーも包含する)及び/又はモ
ノマーを適宜混合した電離放射線により硬化可能な組成
物が好ましくは用いられる。これらプレポリマー又はモ
ノマーは単体又は複数種を混合して用いる。この様な電
離放射線硬化性樹脂としては、具体的には前記保護層で
列記した電離放射線硬化性樹脂を用いる事ができる他
に、転写直前に施す場合では室温で液状の樹脂も使用で
きる。
【0035】上記プレポリマー又はモノマーは、具体的
には、分子中に(メタ)アクリロイル基、(メタ)アク
リロイルオキシ基等のラジカル重合性不飽和基、エポキ
シ基等のカチオン重合性官能基等を有する化合物からな
る。また、ポリエンとポリチオールとの組み合わせによ
るポリエン/チオール系のプレポリマーも好ましくは用
いられる。ラジカル重合性不飽和基を有するプレポリマ
ーの例としては、ポリエステル(メタ)アクリレート、
ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アク
リレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン
(メタ)アクリレート等が使用できる。分子量として
は、通常250〜100,000程度のものが用いられ
る。ラジカル重合性不飽和基を有するモノマーの例とし
ては、単官能モノマーとして、メチル(メタ)アクリレ
ート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェ
ノキシエチル(メタ)アクリレート等がある。また、多
官能モノマーとして、ジエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、トリメチールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパンエチレンオキサイドトリ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ
(メタ)アクリレート等もある。カチオン重合性官能基
を有するプレポリマーの例としては、ビスフェノール型
エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ化合物等のエポキ
シ系樹脂、脂肪酸系ビニルエーテル、芳香族系ビニルエ
ーテル等のビニルエーテル系樹脂のプレポリマーがあ
る。チオールとしては、トリメチロールプロパントリチ
オグリコレート、ペンタエリスリトールテトラチオグリ
コレート等のポリチオールがある。また、ポリエンとし
ては、ジオールとジイソシアネートによるポリウレタン
の両端にアリルアルコールを付加したもの等がある。
には、分子中に(メタ)アクリロイル基、(メタ)アク
リロイルオキシ基等のラジカル重合性不飽和基、エポキ
シ基等のカチオン重合性官能基等を有する化合物からな
る。また、ポリエンとポリチオールとの組み合わせによ
るポリエン/チオール系のプレポリマーも好ましくは用
いられる。ラジカル重合性不飽和基を有するプレポリマ
ーの例としては、ポリエステル(メタ)アクリレート、
ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アク
リレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン
(メタ)アクリレート等が使用できる。分子量として
は、通常250〜100,000程度のものが用いられ
る。ラジカル重合性不飽和基を有するモノマーの例とし
ては、単官能モノマーとして、メチル(メタ)アクリレ
ート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェ
ノキシエチル(メタ)アクリレート等がある。また、多
官能モノマーとして、ジエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、トリメチールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパンエチレンオキサイドトリ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ
(メタ)アクリレート等もある。カチオン重合性官能基
を有するプレポリマーの例としては、ビスフェノール型
エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ化合物等のエポキ
シ系樹脂、脂肪酸系ビニルエーテル、芳香族系ビニルエ
ーテル等のビニルエーテル系樹脂のプレポリマーがあ
る。チオールとしては、トリメチロールプロパントリチ
オグリコレート、ペンタエリスリトールテトラチオグリ
コレート等のポリチオールがある。また、ポリエンとし
ては、ジオールとジイソシアネートによるポリウレタン
の両端にアリルアルコールを付加したもの等がある。
【0036】なお、紫外線又は可視光線にて硬化させる
場合には、上記電離放射線硬化性樹脂に、保護層におけ
る電離放射線硬化性樹脂同様に、さらに光重合開始剤を
添加する。また、上記電離放射線硬化性樹脂に、更に必
要に応じて、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢
酸ビニル、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂等の熱可
塑性樹脂を添加することもできる。なお、室温で固体状
態の電離放射線硬化性樹脂の場合は溶剤希釈型接着剤と
して用いるか、或いは希釈溶剤は添加せずに用いる場合
は、ホットメルト型接着剤として用いる。
場合には、上記電離放射線硬化性樹脂に、保護層におけ
る電離放射線硬化性樹脂同様に、さらに光重合開始剤を
添加する。また、上記電離放射線硬化性樹脂に、更に必
要に応じて、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢
酸ビニル、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂等の熱可
塑性樹脂を添加することもできる。なお、室温で固体状
態の電離放射線硬化性樹脂の場合は溶剤希釈型接着剤と
して用いるか、或いは希釈溶剤は添加せずに用いる場合
は、ホットメルト型接着剤として用いる。
【0037】接着剤を、転写シート等のシートや被転写
基材に施すには、従来公知のグラビアロールコート等に
よる溶液塗工や、アプリケータ等による熔融塗工(溶融
塗工)法によれば良い。溶剤を含まない接着剤による溶
融塗工では、溶剤乾燥は不要である。塗布量は、接着剤
の組成、被転写基材の種類及び表面状態で異なるが、通
常10〜200g/m2 (固形分)程度である。特に、
ホットメルト型接着剤として使用する場合は無溶剤なの
で、転写直前の塗工でも、塗工後の溶剤乾燥が不要で、
後述する固体粒子を衝突させる為のチャンバ内に溶剤が
充満し溶剤分による爆発の危険性もなく、安全且つ高速
生産できる。
基材に施すには、従来公知のグラビアロールコート等に
よる溶液塗工や、アプリケータ等による熔融塗工(溶融
塗工)法によれば良い。溶剤を含まない接着剤による溶
融塗工では、溶剤乾燥は不要である。塗布量は、接着剤
の組成、被転写基材の種類及び表面状態で異なるが、通
常10〜200g/m2 (固形分)程度である。特に、
ホットメルト型接着剤として使用する場合は無溶剤なの
で、転写直前の塗工でも、塗工後の溶剤乾燥が不要で、
後述する固体粒子を衝突させる為のチャンバ内に溶剤が
充満し溶剤分による爆発の危険性もなく、安全且つ高速
生産できる。
【0038】また、接着剤をホットメルト接着剤として
用いる場合で、更に被転写基材の凹凸形状に転写シート
を追従変性させて転写する場合には、必然的に転写シー
トの支持体として、ポリプロピレン系樹脂等の熱可塑性
樹脂シートの様に室温乃至加熱状態で熱可塑性或いはゴ
ム弾性を呈する物を選ぶ必要があるが、これは別の観点
から観ると支持体に耐熱性が低い物を選ばざるを得ない
という事を意味する。故に、該接着剤を溶融塗工して転
写シートとする場合、接着剤層を厚く塗工すると、溶融
塗工時の熱で支持体が軟化し、また、接着剤塗工装置に
おいて加熱状態のアプリケータローラにシートが粘着
し、引きずられてシートが伸びたり、歪んだり、或いは
巻き込まれたりすることがある。そこで、この様な場合
には、シートに接着剤を直接に溶融塗工せず、離型シー
ト(セパレータ)経由で接着剤を施して転写シートとす
ると良い。すなわち、耐熱性及び離型性のある離型シー
トに、接着剤を加熱溶融塗工後、塗工された接着剤によ
り離型シートと、転写シートになるシートとをニップロ
ーラ等により一旦熱ラミネートし、次いで、剥離ローラ
等により離型シートのみをシートから剥離することで、
シートへの熱ダメージを少なくして、接着剤層が形成さ
れた転写シートとすることができる。なお離型シートに
は延伸性等は不要で2軸延伸ポリエチレンテレフタレー
トシート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレー
ト、ポリイミド等の耐熱性樹脂シートや紙等を基材とし
て、この表面をシリコーン樹脂、ポリメチルペンテン等
の塗工で、離型処理した従来公知の離型シートが使用で
きる。離型シートの厚みは通常50〜200μm程度で
ある。
用いる場合で、更に被転写基材の凹凸形状に転写シート
を追従変性させて転写する場合には、必然的に転写シー
トの支持体として、ポリプロピレン系樹脂等の熱可塑性
樹脂シートの様に室温乃至加熱状態で熱可塑性或いはゴ
ム弾性を呈する物を選ぶ必要があるが、これは別の観点
から観ると支持体に耐熱性が低い物を選ばざるを得ない
という事を意味する。故に、該接着剤を溶融塗工して転
写シートとする場合、接着剤層を厚く塗工すると、溶融
塗工時の熱で支持体が軟化し、また、接着剤塗工装置に
おいて加熱状態のアプリケータローラにシートが粘着
し、引きずられてシートが伸びたり、歪んだり、或いは
巻き込まれたりすることがある。そこで、この様な場合
には、シートに接着剤を直接に溶融塗工せず、離型シー
ト(セパレータ)経由で接着剤を施して転写シートとす
ると良い。すなわち、耐熱性及び離型性のある離型シー
トに、接着剤を加熱溶融塗工後、塗工された接着剤によ
り離型シートと、転写シートになるシートとをニップロ
ーラ等により一旦熱ラミネートし、次いで、剥離ローラ
等により離型シートのみをシートから剥離することで、
シートへの熱ダメージを少なくして、接着剤層が形成さ
れた転写シートとすることができる。なお離型シートに
は延伸性等は不要で2軸延伸ポリエチレンテレフタレー
トシート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレー
ト、ポリイミド等の耐熱性樹脂シートや紙等を基材とし
て、この表面をシリコーン樹脂、ポリメチルペンテン等
の塗工で、離型処理した従来公知の離型シートが使用で
きる。離型シートの厚みは通常50〜200μm程度で
ある。
【0039】なお、接着剤に感熱溶融型接着剤を用い、
接着剤を活性化して熱融着させる為に加熱するタイミン
グは、衝突圧印加前、衝突圧印加中、或いは衝突圧印加
前及び印加中などのいずれでも良い。接着剤の加熱は転
写シートや被転写基材を加熱して行う。接着剤が施され
た側の材料(転写シートや被転写基材)を加熱しても良
く、接着剤が施されていない側の材料を加熱しても良
く、或いはこれら両方の材料を加熱しても良い。また、
衝突圧印加中の加熱には、加熱固体粒子や、固体粒子搬
送用の流体を加熱流体として用いても良い。一方、熱で
活性化した接着剤の接着後に、冷風等の冷却手段で接着
剤の冷却を促進しても良い。冷風は、転写シート側や被
転写基材側から吹き付ける。また、冷却手段として、冷
却固体粒子、冷却流体も用いることもできる。冷却促進
は、被転写基材の凹凸表面の凹部内部にまで追従成形さ
れた転写シートが衝突圧開放後に復元力がある場合に戻
るのも防止する。 (以下、次の文書ファイルに続く)
接着剤を活性化して熱融着させる為に加熱するタイミン
グは、衝突圧印加前、衝突圧印加中、或いは衝突圧印加
前及び印加中などのいずれでも良い。接着剤の加熱は転
写シートや被転写基材を加熱して行う。接着剤が施され
た側の材料(転写シートや被転写基材)を加熱しても良
く、接着剤が施されていない側の材料を加熱しても良
く、或いはこれら両方の材料を加熱しても良い。また、
衝突圧印加中の加熱には、加熱固体粒子や、固体粒子搬
送用の流体を加熱流体として用いても良い。一方、熱で
活性化した接着剤の接着後に、冷風等の冷却手段で接着
剤の冷却を促進しても良い。冷風は、転写シート側や被
転写基材側から吹き付ける。また、冷却手段として、冷
却固体粒子、冷却流体も用いることもできる。冷却促進
は、被転写基材の凹凸表面の凹部内部にまで追従成形さ
れた転写シートが衝突圧開放後に復元力がある場合に戻
るのも防止する。 (以下、次の文書ファイルに続く)
【0040】固体粒子 固体粒子Pとしては、ガラスビーズ、セラミックビー
ズ、炭酸カルシウムビーズ、アルミナビーズ、ジルコニ
アビーズ、アランダムビーズ、コランダムビーズ等の無
機粉体である非金属無機粒子、鉄、炭素鋼、ステンレス
鋼等の鉄合金、アルミニウム、又はジュラルミン等のア
ルミニウム合金、チタン等の金属ビーズ等の金属粒子、
或いは、フッ素樹脂ビーズ、ナイロンビーズ、シリコー
ン樹脂ビーズ、ウレタン樹脂ビーズ、尿素樹脂ビーズ、
フェノール樹脂ビーズ、架橋ゴムビーズ等の樹脂ビーズ
等の有機粒子等を使用することができる。なお、固体粒
子加速流体に液体の水を使う場合は、固体粒子には、水
で錆や腐食しないステレンスビーズや、ガラスビーズ、
セラミックビーズ、樹脂ビーズ等の非金属が好ましい。
形状は球形状が好ましいが、その他の形状のものでも用
い得る。固体粒子の粒径としては、通常10〜1000
μm程度である。
ズ、炭酸カルシウムビーズ、アルミナビーズ、ジルコニ
アビーズ、アランダムビーズ、コランダムビーズ等の無
機粉体である非金属無機粒子、鉄、炭素鋼、ステンレス
鋼等の鉄合金、アルミニウム、又はジュラルミン等のア
ルミニウム合金、チタン等の金属ビーズ等の金属粒子、
或いは、フッ素樹脂ビーズ、ナイロンビーズ、シリコー
ン樹脂ビーズ、ウレタン樹脂ビーズ、尿素樹脂ビーズ、
フェノール樹脂ビーズ、架橋ゴムビーズ等の樹脂ビーズ
等の有機粒子等を使用することができる。なお、固体粒
子加速流体に液体の水を使う場合は、固体粒子には、水
で錆や腐食しないステレンスビーズや、ガラスビーズ、
セラミックビーズ、樹脂ビーズ等の非金属が好ましい。
形状は球形状が好ましいが、その他の形状のものでも用
い得る。固体粒子の粒径としては、通常10〜1000
μm程度である。
【0041】なお、固体粒子は加熱手段や冷却手段を兼
用することもできる。加熱された加熱固体粒子を用いれ
ば、完全硬化前の保護層の熱硬化の(保護層の延伸性に
悪影響しない範囲での)進行や、接着剤の加熱活性化、
或いは転写シートの加熱による延伸性の向上を、転写シ
ートの押圧と共に行うこともできる。加熱固体粒子を用
いる場合、衝突圧印加前に他の加熱方法で、ある程度ま
で転写シート、被転写基材を加熱しておいても良い。ま
た、固体粒子は、接着後の冷却促進目的で、接着時の接
着剤の温度よりも低温の固体粒子を冷却固体粒子として
用いる事もできる。また、固体粒子はその一部又は全部
を加熱固体粒子、冷却固体粒子として用いたり、加熱固
体粒子を衝突させた後、冷却固体粒子を衝突させる等
と、併用しても良い。また、他の加熱方法で転写シート
や被転写基材、接着剤等の加熱を要するものを充分に加
熱しておき、これに冷却固体粒子を用いて、転写シート
の成形と接着及び冷却を殆ど同時に行うこともできる。
なお、固体粒子を加熱又は冷却固体粒子として用いる場
合は、固体粒子搬送用の流体に加熱又は冷却流体を用い
ることも出来る。その場合には、流体も転写シートに衝
突させることで、流体も固体と共に加熱又は冷却手段と
することができる。固体粒子を冷却又は加熱するには、
固体粒子加速流体に、冷却又は加熱した流体を用いて、
該流体により熱伝導で固体粒子を冷却又は加熱する。或
いは、固体粒子を流体としての液体と共に貯蔵するタン
クを用いる場合では、貯蔵中に固体粒子及び液体を冷
却、加熱したりする。タンクでの加熱・冷却は、タンク
内やタンク外壁の設けた、電熱ヒータ、加熱蒸気、冷媒
等により加熱手段、冷却手段で行う。
用することもできる。加熱された加熱固体粒子を用いれ
ば、完全硬化前の保護層の熱硬化の(保護層の延伸性に
悪影響しない範囲での)進行や、接着剤の加熱活性化、
或いは転写シートの加熱による延伸性の向上を、転写シ
ートの押圧と共に行うこともできる。加熱固体粒子を用
いる場合、衝突圧印加前に他の加熱方法で、ある程度ま
で転写シート、被転写基材を加熱しておいても良い。ま
た、固体粒子は、接着後の冷却促進目的で、接着時の接
着剤の温度よりも低温の固体粒子を冷却固体粒子として
用いる事もできる。また、固体粒子はその一部又は全部
を加熱固体粒子、冷却固体粒子として用いたり、加熱固
体粒子を衝突させた後、冷却固体粒子を衝突させる等
と、併用しても良い。また、他の加熱方法で転写シート
や被転写基材、接着剤等の加熱を要するものを充分に加
熱しておき、これに冷却固体粒子を用いて、転写シート
の成形と接着及び冷却を殆ど同時に行うこともできる。
なお、固体粒子を加熱又は冷却固体粒子として用いる場
合は、固体粒子搬送用の流体に加熱又は冷却流体を用い
ることも出来る。その場合には、流体も転写シートに衝
突させることで、流体も固体と共に加熱又は冷却手段と
することができる。固体粒子を冷却又は加熱するには、
固体粒子加速流体に、冷却又は加熱した流体を用いて、
該流体により熱伝導で固体粒子を冷却又は加熱する。或
いは、固体粒子を流体としての液体と共に貯蔵するタン
クを用いる場合では、貯蔵中に固体粒子及び液体を冷
却、加熱したりする。タンクでの加熱・冷却は、タンク
内やタンク外壁の設けた、電熱ヒータ、加熱蒸気、冷媒
等により加熱手段、冷却手段で行う。
【0042】固体粒子による衝突圧印加 固体粒子を転写シートに衝突させて衝突圧を印加し、転
写シートを被転写基材に押圧するには、固体粒子を噴出
する固体粒子噴出手段から固体粒子を転写シートに向か
って噴出させて、転写シートに衝突圧を印加する。固体
粒子噴出手段としては、例えば吹出ノズルを用いた噴出
器を用いる。吹出ノズルは、固体粒子を高速の流体流で
加速、搬送させて該液体流と共に噴出するものである。
流体としては液体、気体ともに利用可能だが、通常は気
体が用いられる。羽根車の場合は、羽根車の回転により
固体粒子を加速し噴出するものである。また、固体粒子
噴出手段としては、吹出ノズルや羽根車以外にも、重力
による自由落下を利用して固体粒子を加速する方法、磁
性体粒子を磁場によって加速する方法等を採用すること
も可能である。なお、羽根車、重力、磁場を用いた固体
粒子噴出手段の場合は、真空中で固体粒子を転写シート
に向かって噴出させる事も可能である。
写シートを被転写基材に押圧するには、固体粒子を噴出
する固体粒子噴出手段から固体粒子を転写シートに向か
って噴出させて、転写シートに衝突圧を印加する。固体
粒子噴出手段としては、例えば吹出ノズルを用いた噴出
器を用いる。吹出ノズルは、固体粒子を高速の流体流で
加速、搬送させて該液体流と共に噴出するものである。
流体としては液体、気体ともに利用可能だが、通常は気
体が用いられる。羽根車の場合は、羽根車の回転により
固体粒子を加速し噴出するものである。また、固体粒子
噴出手段としては、吹出ノズルや羽根車以外にも、重力
による自由落下を利用して固体粒子を加速する方法、磁
性体粒子を磁場によって加速する方法等を採用すること
も可能である。なお、羽根車、重力、磁場を用いた固体
粒子噴出手段の場合は、真空中で固体粒子を転写シート
に向かって噴出させる事も可能である。
【0043】吹出ノズル 固体粒子を流体と共に噴出する固体粒子噴出手段とし
て、図3に吹出ノズルを用いた噴出器320の一例の概
念図を示す。同図に示す噴出器320は固体粒子Pと流
体Fを混合するマニホールド部321と、ノズル開口部
から固体粒子P及び流体Fを噴出する吹出ノズル部32
2からなる。圧縮機若しくは送風機(流体が気体の場
合)又はポンプ(流体が液体の場合)から、或いは加圧
タンクを経てから送られる流体Fをノズル開口部323
から噴出する際に、噴出器内のマニホールド部にて、高
速で流れる液体流の作用で負圧を作り、この負圧により
固体粒子を液体流に導き混合し、液体流で固体粒子を加
速、搬送して、ノズル開口部から液体流と共に噴出す
る。なお、同図の噴出器320はマニホールド部と吹出
ノズル部とが一体化しているが別体でも良く、また、一
つのマニホールドに対して複数の吹出ノズルを連結して
も良い。また、流体が液体の場合、固体粒子噴出手段
は、固体粒子を予め液体と混合した加圧状態でタンクに
貯蔵しておき、この固体粒子/液体混合物を、(マニホ
ールド部を経ず)吹出ノズルによる噴出器32から噴出
する形態でも良い。ノズル開口部の形状は、中空の円柱
状、多角柱状、円錐状、多角錐状、魚尾状等の形状のも
のを用いる。吹出ノズルは、単一開口部を有するもので
も良いし、或いは内部がハニカム(蜂の巣)状に区画さ
れたものでも良い。流体圧は吹付圧力で通常0.1〜1
0.0kg/cm2 程度である。流体流の流速は、液流
では通常1〜20m/秒程度、気流では通常5〜20m
/秒程度である。マニホールド部や吹出ノズル部等の噴
出器の材質は、セラミック、スチール、チタン、チタン
合金等から固体粒子、流体の種類によって適宜選択すれ
ば良い。流体が液体の場合は、錆、溶解、腐食等を生じ
ない材料を選ぶ。例えば流体が水ならば、ステンレス
鋼、チタン、チタン合金、合成樹脂、セラミックを用い
る。但し、表面に防水加工すれば、スチール等でも良
い。なお、固体粒子は噴出器内壁を通過するので、固体
粒子に金属ビーズや無機粒子を用いる場合には粒子が硬
質であるので、耐摩耗性のよいセラミックを用いると良
い。固体粒子に樹脂ビーズを用いる場合には金属粒子に
比べれは軟質であるので、ステンレス鋼でも良い。
て、図3に吹出ノズルを用いた噴出器320の一例の概
念図を示す。同図に示す噴出器320は固体粒子Pと流
体Fを混合するマニホールド部321と、ノズル開口部
から固体粒子P及び流体Fを噴出する吹出ノズル部32
2からなる。圧縮機若しくは送風機(流体が気体の場
合)又はポンプ(流体が液体の場合)から、或いは加圧
タンクを経てから送られる流体Fをノズル開口部323
から噴出する際に、噴出器内のマニホールド部にて、高
速で流れる液体流の作用で負圧を作り、この負圧により
固体粒子を液体流に導き混合し、液体流で固体粒子を加
速、搬送して、ノズル開口部から液体流と共に噴出す
る。なお、同図の噴出器320はマニホールド部と吹出
ノズル部とが一体化しているが別体でも良く、また、一
つのマニホールドに対して複数の吹出ノズルを連結して
も良い。また、流体が液体の場合、固体粒子噴出手段
は、固体粒子を予め液体と混合した加圧状態でタンクに
貯蔵しておき、この固体粒子/液体混合物を、(マニホ
ールド部を経ず)吹出ノズルによる噴出器32から噴出
する形態でも良い。ノズル開口部の形状は、中空の円柱
状、多角柱状、円錐状、多角錐状、魚尾状等の形状のも
のを用いる。吹出ノズルは、単一開口部を有するもので
も良いし、或いは内部がハニカム(蜂の巣)状に区画さ
れたものでも良い。流体圧は吹付圧力で通常0.1〜1
0.0kg/cm2 程度である。流体流の流速は、液流
では通常1〜20m/秒程度、気流では通常5〜20m
/秒程度である。マニホールド部や吹出ノズル部等の噴
出器の材質は、セラミック、スチール、チタン、チタン
合金等から固体粒子、流体の種類によって適宜選択すれ
ば良い。流体が液体の場合は、錆、溶解、腐食等を生じ
ない材料を選ぶ。例えば流体が水ならば、ステンレス
鋼、チタン、チタン合金、合成樹脂、セラミックを用い
る。但し、表面に防水加工すれば、スチール等でも良
い。なお、固体粒子は噴出器内壁を通過するので、固体
粒子に金属ビーズや無機粒子を用いる場合には粒子が硬
質であるので、耐摩耗性のよいセラミックを用いると良
い。固体粒子に樹脂ビーズを用いる場合には金属粒子に
比べれは軟質であるので、ステンレス鋼でも良い。
【0044】流体 流体Fは、固体粒子を該流体流によって加速、搬送し
て、該流体と共に固体粒子を固体粒子噴出手段から噴出
させる場合(吹出ノズル等)に用いる。流体Fは固体粒
子を加速する固体粒子加速流体である。流体には気体、
液体ともに利用可能であるが、通常は取扱いが容易な気
体を用いる。気体としては、空気が代表的であるが、炭
酸ガス、窒素等でも良い。液体としては、必ずしも限定
されないが、不燃性、乾燥の容易性、無毒性、低価格、
入手の容易性、等から水は好ましい材料の一つである。
この他、フロン、グリセリン、シリコン油等の不燃性の
液体も使用できる。液体を(気体もそうであるが)転写
シートに固体粒子と共に衝突させることができる。当然
の事ならがら、液体は気体よりも密度が高い為、気体よ
りも液体の方が、流体流で固体粒子を加速する場合に加
速し易く、しかも液体が転写シートに衝突する場合に、
気体と等速度の衝突でも、衝突圧は気体に比べてより大
きく且つ実用性のある衝突圧が得られる。(また、固体
粒子との密度差も少ないので固体粒子の搬送もし易
い。)従って、液体の場合は、転写圧として固体粒子の
衝突圧以外に、液体の衝突圧も利用でき、その分より大
きな転写圧を印加でき、その結果、転写シートを被転写
基材の表面凹凸形状へ追従させ成形する成形効果により
大きなものが得られる。また、衝突圧印加時の加熱又は
冷却手段として流体を用いる場合、気体よりも液体の方
が比熱が大きいので、より大きな加熱又は冷却効果が得
られる。また、液体が水の様な電気伝導体の場合は、気
体の場合に比べて静電気帯電に対する防爆対策もより容
易となる。
て、該流体と共に固体粒子を固体粒子噴出手段から噴出
させる場合(吹出ノズル等)に用いる。流体Fは固体粒
子を加速する固体粒子加速流体である。流体には気体、
液体ともに利用可能であるが、通常は取扱いが容易な気
体を用いる。気体としては、空気が代表的であるが、炭
酸ガス、窒素等でも良い。液体としては、必ずしも限定
されないが、不燃性、乾燥の容易性、無毒性、低価格、
入手の容易性、等から水は好ましい材料の一つである。
この他、フロン、グリセリン、シリコン油等の不燃性の
液体も使用できる。液体を(気体もそうであるが)転写
シートに固体粒子と共に衝突させることができる。当然
の事ならがら、液体は気体よりも密度が高い為、気体よ
りも液体の方が、流体流で固体粒子を加速する場合に加
速し易く、しかも液体が転写シートに衝突する場合に、
気体と等速度の衝突でも、衝突圧は気体に比べてより大
きく且つ実用性のある衝突圧が得られる。(また、固体
粒子との密度差も少ないので固体粒子の搬送もし易
い。)従って、液体の場合は、転写圧として固体粒子の
衝突圧以外に、液体の衝突圧も利用でき、その分より大
きな転写圧を印加でき、その結果、転写シートを被転写
基材の表面凹凸形状へ追従させ成形する成形効果により
大きなものが得られる。また、衝突圧印加時の加熱又は
冷却手段として流体を用いる場合、気体よりも液体の方
が比熱が大きいので、より大きな加熱又は冷却効果が得
られる。また、液体が水の様な電気伝導体の場合は、気
体の場合に比べて静電気帯電に対する防爆対策もより容
易となる。
【0045】羽根車 図4は回転する羽根車を用いた噴出器325の一例の概
念図である。噴出器325は、少なくとも回転する羽根
車を粒子加速手段として備える。噴出器325は、これ
に、更に必要に応じ、固体粒子の噴出取出部分のみ開口
させ、それ以外の粒子加速器周囲を被覆する噴出ガイド
(不図示)を備えても良い。該噴出ガイドにより、粒子
加速器で加速された固体粒子の噴出方向を揃えたりす
る。噴出ガイドの開口部の形状は、例えば、中空の円柱
状、多角柱状、円錐状、多角錐状、魚尾状等である。噴
出ガイドは、単一開口部を有するものでも良いし、或い
は内部がハニカム(蜂の巣)状に区画されたものでも良
い。なお、羽根車の材質は、セラミック、或いはスチー
ル、チタン、チタン合金等の金属等から、固体粒子の種
類により適宜選択すれば良い。固体粒子は羽根車に接触
して加速されるので、固体粒子に金属ビーズや無機粒子
を用いる場合には粒子が硬質であるので、羽根車には、
耐摩耗性のよいセラミック製を用いると良い。固体粒子
に樹脂ビーズを用いる場合には金属粒子に比べれは軟質
であるので、スチール製でも良い。羽根車の羽根326
の形は、図4の様な長方形の平板(直方体)が代表的で
あるが、この他、湾曲曲面板、スクリュープロペラ等の
プロペラ形等を用いる事も可能であり、用途、目的に応
じて選択する。又、羽根の数は2枚〜10枚の範囲から
通常は選択する。羽根車の形状、枚数、回転速度、及び
固体粒子の供給速度と供給方向の組み合わせにより、加
速された固体粒子の噴出(吹出)方向、噴出速度、投射
密度、噴出拡散角等を調整する。また、同図の様に側面
板327を設けると回転軸328に対して幅方向への噴
出を制御できる。図4に於いては、固体粒子Pは、粒子
加速器の上方(直上又は斜上方)から供給する様になっ
ているが、この他、回転軸328内部を中空とし、該中
空部に固体粒子を供給し、回転軸に穿孔した開口部か
ら、羽根の間の空間に、遠心力等で固体粒子を飛び出さ
せ、供給する事も出来る(図示略)。又、固体粒子の噴
出方向は鉛直下方、図4の様に水平方向、或いは斜下方
(図示略)等が可能である。
念図である。噴出器325は、少なくとも回転する羽根
車を粒子加速手段として備える。噴出器325は、これ
に、更に必要に応じ、固体粒子の噴出取出部分のみ開口
させ、それ以外の粒子加速器周囲を被覆する噴出ガイド
(不図示)を備えても良い。該噴出ガイドにより、粒子
加速器で加速された固体粒子の噴出方向を揃えたりす
る。噴出ガイドの開口部の形状は、例えば、中空の円柱
状、多角柱状、円錐状、多角錐状、魚尾状等である。噴
出ガイドは、単一開口部を有するものでも良いし、或い
は内部がハニカム(蜂の巣)状に区画されたものでも良
い。なお、羽根車の材質は、セラミック、或いはスチー
ル、チタン、チタン合金等の金属等から、固体粒子の種
類により適宜選択すれば良い。固体粒子は羽根車に接触
して加速されるので、固体粒子に金属ビーズや無機粒子
を用いる場合には粒子が硬質であるので、羽根車には、
耐摩耗性のよいセラミック製を用いると良い。固体粒子
に樹脂ビーズを用いる場合には金属粒子に比べれは軟質
であるので、スチール製でも良い。羽根車の羽根326
の形は、図4の様な長方形の平板(直方体)が代表的で
あるが、この他、湾曲曲面板、スクリュープロペラ等の
プロペラ形等を用いる事も可能であり、用途、目的に応
じて選択する。又、羽根の数は2枚〜10枚の範囲から
通常は選択する。羽根車の形状、枚数、回転速度、及び
固体粒子の供給速度と供給方向の組み合わせにより、加
速された固体粒子の噴出(吹出)方向、噴出速度、投射
密度、噴出拡散角等を調整する。また、同図の様に側面
板327を設けると回転軸328に対して幅方向への噴
出を制御できる。図4に於いては、固体粒子Pは、粒子
加速器の上方(直上又は斜上方)から供給する様になっ
ているが、この他、回転軸328内部を中空とし、該中
空部に固体粒子を供給し、回転軸に穿孔した開口部か
ら、羽根の間の空間に、遠心力等で固体粒子を飛び出さ
せ、供給する事も出来る(図示略)。又、固体粒子の噴
出方向は鉛直下方、図4の様に水平方向、或いは斜下方
(図示略)等が可能である。
【0046】衝突圧印加形態 また、吹出ノズルや羽根車などによる噴出器は、1個の
みの使用でも衝突圧印加領域の面積次第では可能だが、
要求する面積が大きい場合には複数用いて、転写シート
に衝突する固体粒子の衝突領域が所望の形状となる様に
すると良い。例えば、転写シート及び被転写基材の送り
方向に直交して幅方向に一直線状に複数列を配置して、
幅方向に直線状で幅広の帯状形状の衝突領域とする。或
いは、図5(A)の噴出器32の配置は千鳥格子状の配
置であり、図5(B)は一列配置だが、幅方向中央部は
送り方向の上流側で衝突する様にした配置である。図5
(B)の配置では、転写シートの被転写基材への衝突圧
による圧接は幅方向中央部から始まり、順次、幅方向両
端部に向かって圧接されて行く。この様にすると、幅方
向中央部に空気を抱き込んだまま、転写シートが被転写
基材に密着することを防止できる。また、衝突圧印加時
間を長くするには、噴出器は、転写シート及び被転写基
材の送り方向に向かって2列以上配置する多段配置が好
ましい。
みの使用でも衝突圧印加領域の面積次第では可能だが、
要求する面積が大きい場合には複数用いて、転写シート
に衝突する固体粒子の衝突領域が所望の形状となる様に
すると良い。例えば、転写シート及び被転写基材の送り
方向に直交して幅方向に一直線状に複数列を配置して、
幅方向に直線状で幅広の帯状形状の衝突領域とする。或
いは、図5(A)の噴出器32の配置は千鳥格子状の配
置であり、図5(B)は一列配置だが、幅方向中央部は
送り方向の上流側で衝突する様にした配置である。図5
(B)の配置では、転写シートの被転写基材への衝突圧
による圧接は幅方向中央部から始まり、順次、幅方向両
端部に向かって圧接されて行く。この様にすると、幅方
向中央部に空気を抱き込んだまま、転写シートが被転写
基材に密着することを防止できる。また、衝突圧印加時
間を長くするには、噴出器は、転写シート及び被転写基
材の送り方向に向かって2列以上配置する多段配置が好
ましい。
【0047】また、衝突圧は、衝突領域内で全て均一に
する必要はない。図6は、転写シートの搬送方向に直交
する幅方向の中央部が最大の衝突圧で、幅方向両端部に
行くに従って衝突圧が低下する山型圧力分布の設定例で
ある。この設定は、圧が高い所(同図では中央部)から
低い所(同図では両側部)に向かって順次段階的に圧接
が進行することを助ける。但し、図6の如き圧力分布と
する場合、被転写基材上に於ける衝突圧は、所望の凹凸
面への転写が完全に行えて、且つ圧過剰による転写シー
トの歪み、被転写基材の変形、破損等の生じない適正圧
力範囲内に全て納まる様に調整する。なお、ゴム製転写
ローラによる曲面転写方法では、転写ローラの中央部直
径を太めとすれば、圧力的には中央部は強くできるが、
中央部と両端部とで円周長が異なってしまい、接触して
圧印加され転写シートの送りを均一に出来ない。衝突圧
の設定は、例えば吹出ノズルを用いる噴出器の場合は、
バルブの開閉量、バルブに連結する固体粒子を搬送する
管の内径の大小、圧力調整器(レギュレータ)等を用い
て吹出ノズル直前の流体圧の調整により、噴出する固体
粒子及び流体流の速度を制御することで調整する。ま
た、羽根車を用いた噴出器の場合は、羽根車の回転数等
で調整する。この様にして、噴出器から転写シートに衝
突する固体粒子の速度、単位時間当たりの衝突する固体
粒子数、投射量、及び1粒子の質量を制御することで衝
突圧を調整する。
する必要はない。図6は、転写シートの搬送方向に直交
する幅方向の中央部が最大の衝突圧で、幅方向両端部に
行くに従って衝突圧が低下する山型圧力分布の設定例で
ある。この設定は、圧が高い所(同図では中央部)から
低い所(同図では両側部)に向かって順次段階的に圧接
が進行することを助ける。但し、図6の如き圧力分布と
する場合、被転写基材上に於ける衝突圧は、所望の凹凸
面への転写が完全に行えて、且つ圧過剰による転写シー
トの歪み、被転写基材の変形、破損等の生じない適正圧
力範囲内に全て納まる様に調整する。なお、ゴム製転写
ローラによる曲面転写方法では、転写ローラの中央部直
径を太めとすれば、圧力的には中央部は強くできるが、
中央部と両端部とで円周長が異なってしまい、接触して
圧印加され転写シートの送りを均一に出来ない。衝突圧
の設定は、例えば吹出ノズルを用いる噴出器の場合は、
バルブの開閉量、バルブに連結する固体粒子を搬送する
管の内径の大小、圧力調整器(レギュレータ)等を用い
て吹出ノズル直前の流体圧の調整により、噴出する固体
粒子及び流体流の速度を制御することで調整する。ま
た、羽根車を用いた噴出器の場合は、羽根車の回転数等
で調整する。この様にして、噴出器から転写シートに衝
突する固体粒子の速度、単位時間当たりの衝突する固体
粒子数、投射量、及び1粒子の質量を制御することで衝
突圧を調整する。
【0048】また、複数の噴出器を被転写基材の被転写
面に対して配置する場合は、各噴出器は被転写基材に平
行にし、且つ各噴出器の噴出方向が被転写基材の法線方
向になる様な配置が基本である。この様な配置は、被転
写基材の(全体としての)被転写面に垂直方向に固体粒
子を衝突させ、基本的に衝突圧を最大に有効利用できる
からである。従って、例えば、図7の様に、被転写基材
Bの(全体としての)被転写面(の搬送方向に直角の断
面形状)が円型になる円柱状の凸曲面であれば、複数の
噴出器32を用意し各噴出器が主とし受け持つ個別の衝
突面(凸曲面の接平面)に対して、略垂直に固体粒子が
衝突する様に、噴出器の向きを近接する被転写基材面の
法線方向にして配置すると良い。この様に噴出器の配置
は、対象とする被転写基材の凹凸形状に合わせて、噴出
器の噴出方向を固体粒子がなるべく垂直に衝突する様に
合わせると良い。ただ、噴出器の向きは、転写シート支
持体側面に対して必ずしも垂直にする必要はない。ま
た、噴出器は多めに設けておき、製造する被転写基材に
よっては、一部の噴出器は停止させても良い。
面に対して配置する場合は、各噴出器は被転写基材に平
行にし、且つ各噴出器の噴出方向が被転写基材の法線方
向になる様な配置が基本である。この様な配置は、被転
写基材の(全体としての)被転写面に垂直方向に固体粒
子を衝突させ、基本的に衝突圧を最大に有効利用できる
からである。従って、例えば、図7の様に、被転写基材
Bの(全体としての)被転写面(の搬送方向に直角の断
面形状)が円型になる円柱状の凸曲面であれば、複数の
噴出器32を用意し各噴出器が主とし受け持つ個別の衝
突面(凸曲面の接平面)に対して、略垂直に固体粒子が
衝突する様に、噴出器の向きを近接する被転写基材面の
法線方向にして配置すると良い。この様に噴出器の配置
は、対象とする被転写基材の凹凸形状に合わせて、噴出
器の噴出方向を固体粒子がなるべく垂直に衝突する様に
合わせると良い。ただ、噴出器の向きは、転写シート支
持体側面に対して必ずしも垂直にする必要はない。ま
た、噴出器は多めに設けておき、製造する被転写基材に
よっては、一部の噴出器は停止させても良い。
【0049】チャンバ使用での連続転写の一形態 ところで、固体粒子を実際に使用する場合、固体粒子を
周囲に飛散させずに且つ循環再利用するのが好ましい。
そこで、次に、本発明の曲面転写方法の一形態として、
チャンバを使用して固体粒子の飛散防止及び循環再利用
をしながら連続転写を行う曲面転写装置の一例の概念図
を示す図8に従い、本発明を更に詳述する。
周囲に飛散させずに且つ循環再利用するのが好ましい。
そこで、次に、本発明の曲面転写方法の一形態として、
チャンバを使用して固体粒子の飛散防止及び循環再利用
をしながら連続転写を行う曲面転写装置の一例の概念図
を示す図8に従い、本発明を更に詳述する。
【0050】同図の装置は、長尺の転写シートSを用い
て、凹凸表面を有する平板状の被転写基材Bに、保護層
を含む転写層を順次連続的に転写する為に、被転写基材
Bを搬送する基材搬送装置10と、転写シートSを搬送
するシート搬送装置20と、チャンバ33内において固
体粒子Pを加速し噴出させる噴出器32から噴出して、
転写シートの支持体側に衝突させ衝突圧を順次印加し
て、転写シートを被転写基材に押圧する衝突圧印加部3
0を備える。上記チャンバは、噴出器から噴出する固体
粒子を外部に漏らさないように、転写シート及び被転写
基材の出入口を除いて、転写に供される転写シート及び
被転写基材、噴出器等の周囲を覆ったものである。更
に、転写シートを加熱するシート加熱装置40をチャン
バ内の噴出器上流側に、被転写基材を加熱する基材加熱
装置41をチャンバ上流側に、被転写基材に接着剤の塗
工や下地塗装等を適宜行う基材塗工装置50を基材加熱
装置の上流側に、剥離ローラ60をチャンバ下流側に備
える。更に、保護層が電離放射線硬化性樹脂からなる場
合に、電離放射線を照射して硬化を進める電離放射線照
射装置70、転写シートと被転写基材との予備的密着を
促進する吸引排気装置90等も備える。電離放射線照射
装置は、衝突圧印加部の出口直後の剥離ローラの上流側
に、転写シートの支持体側に設置してあり、接着剤の硬
化形式により紫外線源や電子線源等を用いる。なお、装
置的には、剥離ローラ(剥離を後で手作業などで行う場
合は不要)、加熱装置(転写シートがゴム膜や紙、或い
は液体膨潤性樹脂シート等で加熱延伸性向上が不要時は
不要、保護層の加熱が不要時は不要)、電離放射線照射
装置(保護層硬化等の為に照射不要時は不要)、吸引排
気装置(空気抜きが不要時は不要)等は、不要の場合は
省略できる。
て、凹凸表面を有する平板状の被転写基材Bに、保護層
を含む転写層を順次連続的に転写する為に、被転写基材
Bを搬送する基材搬送装置10と、転写シートSを搬送
するシート搬送装置20と、チャンバ33内において固
体粒子Pを加速し噴出させる噴出器32から噴出して、
転写シートの支持体側に衝突させ衝突圧を順次印加し
て、転写シートを被転写基材に押圧する衝突圧印加部3
0を備える。上記チャンバは、噴出器から噴出する固体
粒子を外部に漏らさないように、転写シート及び被転写
基材の出入口を除いて、転写に供される転写シート及び
被転写基材、噴出器等の周囲を覆ったものである。更
に、転写シートを加熱するシート加熱装置40をチャン
バ内の噴出器上流側に、被転写基材を加熱する基材加熱
装置41をチャンバ上流側に、被転写基材に接着剤の塗
工や下地塗装等を適宜行う基材塗工装置50を基材加熱
装置の上流側に、剥離ローラ60をチャンバ下流側に備
える。更に、保護層が電離放射線硬化性樹脂からなる場
合に、電離放射線を照射して硬化を進める電離放射線照
射装置70、転写シートと被転写基材との予備的密着を
促進する吸引排気装置90等も備える。電離放射線照射
装置は、衝突圧印加部の出口直後の剥離ローラの上流側
に、転写シートの支持体側に設置してあり、接着剤の硬
化形式により紫外線源や電子線源等を用いる。なお、装
置的には、剥離ローラ(剥離を後で手作業などで行う場
合は不要)、加熱装置(転写シートがゴム膜や紙、或い
は液体膨潤性樹脂シート等で加熱延伸性向上が不要時は
不要、保護層の加熱が不要時は不要)、電離放射線照射
装置(保護層硬化等の為に照射不要時は不要)、吸引排
気装置(空気抜きが不要時は不要)等は、不要の場合は
省略できる。
【0051】先ず、同図の装置では、板状の被転写基材
Bを、駆動回転ローラ列或いはベルトコンベア等の基材
搬送装置10で一枚ずつ搬送し、基材塗工装置50によ
り接着剤を全面或いは凸部のみ等と所望の部分に塗工す
る。もしも、接着剤に溶剤分がある場合は、次の基材加
熱装置41で被転写基材及び接着剤を加熱すると共に、
蒸発成分を揮発乾燥させる。なお、基材塗工装置50及
び基材加熱装置41を複数連結して、接着剤塗工前に、
下塗り塗装や下塗り塗装前のシーラ塗装等を転写と同時
に連続的に行っても良い。そして、被転写基材Bは、加
熱装置41で加熱された後、衝突圧印加部30のチャン
バ33内に搬送、供給される。チャンバ33は、噴出器
32から噴出する固体粒子Pを外部に漏らさないよう
に、転写シートS及び被転写基材Bの出入口を除いて、
転写に供される被転写基材及び転写シート、噴出器等の
周囲を覆ったものである。好ましくは、チャンバー内部
は外部りも気圧を低く(負圧)する。
Bを、駆動回転ローラ列或いはベルトコンベア等の基材
搬送装置10で一枚ずつ搬送し、基材塗工装置50によ
り接着剤を全面或いは凸部のみ等と所望の部分に塗工す
る。もしも、接着剤に溶剤分がある場合は、次の基材加
熱装置41で被転写基材及び接着剤を加熱すると共に、
蒸発成分を揮発乾燥させる。なお、基材塗工装置50及
び基材加熱装置41を複数連結して、接着剤塗工前に、
下塗り塗装や下塗り塗装前のシーラ塗装等を転写と同時
に連続的に行っても良い。そして、被転写基材Bは、加
熱装置41で加熱された後、衝突圧印加部30のチャン
バ33内に搬送、供給される。チャンバ33は、噴出器
32から噴出する固体粒子Pを外部に漏らさないよう
に、転写シートS及び被転写基材Bの出入口を除いて、
転写に供される被転写基材及び転写シート、噴出器等の
周囲を覆ったものである。好ましくは、チャンバー内部
は外部りも気圧を低く(負圧)する。
【0052】転写シートSは、シート送出装置21、シ
ート支持装置22、シート排出装置23等からなるシー
ト搬送装置20により張力が加えられ、シート送出装置
21にセットされた供給ロールから巻き出され、ガイド
ローラを経て衝突圧印加部30のチャンバ33内に入
る。なお、転写時に接着剤を転写シートに施す場合は、
転写シートがシート送出装置から衝突圧印加部に供給さ
れる間に、接着剤塗工装置(図示せず)で接着剤を塗工
し、更に溶剤乾燥を要す場合は、乾燥装置(図示せず)
乾燥後に、衝突圧印加部に供給する。さらに、転写シー
トはチャンバ内に入ったところで、幅方向両端をシート
支持装置22で挟持されつつ(但し図8(A)では図示
略)、その転写層側の面を搬送される被転写基材側に向
ける様に対向して被転写基材の上方を僅かに空間を開け
て(衝突圧等を作用させない何もしない状態の場合)、
搬送される被転写基材Bと平行に等速度で移送され、衝
突圧を受けて被転写基材に接触させるまでの間、両者の
間隙を維持しながら搬送される。シート支持装置22
は、被転写基材の横幅よりも広幅とした転写シートS両
端を表裏両面から挟持しながら転写シートの移送に合わ
せて回転するベルト等から成る。なお、転写シートを被
転写基材の近傍を同じ搬送速度で移送する際に、被転写
基材に対して僅かに離すか、或いは接触させた状態で移
送するかは、被転写基材の表面凹凸の形状、被転写基材
の予熱温度と、転写シートの熱変形性、固体粒子の衝突
圧、接着剤の活性化温度等を適宜勘案して選択する。そ
して、シート支持装置で挟持搬送されて衝突圧の印加を
受けるまでに、ヒータ加熱、赤外線加熱、誘電加熱、誘
導加熱、熱風加熱等によるシート加熱装置40で、転写
シートは加熱されて軟化し、衝突圧印加時に延伸され易
くなる。なお、基材加熱装置41で加熱されて衝突圧印
加部に供給される被転写基材によっても、転写シートは
間接的に加熱される。シート加熱装置による加熱は、転
写シートの予熱不要時は省略できる。
ート支持装置22、シート排出装置23等からなるシー
ト搬送装置20により張力が加えられ、シート送出装置
21にセットされた供給ロールから巻き出され、ガイド
ローラを経て衝突圧印加部30のチャンバ33内に入
る。なお、転写時に接着剤を転写シートに施す場合は、
転写シートがシート送出装置から衝突圧印加部に供給さ
れる間に、接着剤塗工装置(図示せず)で接着剤を塗工
し、更に溶剤乾燥を要す場合は、乾燥装置(図示せず)
乾燥後に、衝突圧印加部に供給する。さらに、転写シー
トはチャンバ内に入ったところで、幅方向両端をシート
支持装置22で挟持されつつ(但し図8(A)では図示
略)、その転写層側の面を搬送される被転写基材側に向
ける様に対向して被転写基材の上方を僅かに空間を開け
て(衝突圧等を作用させない何もしない状態の場合)、
搬送される被転写基材Bと平行に等速度で移送され、衝
突圧を受けて被転写基材に接触させるまでの間、両者の
間隙を維持しながら搬送される。シート支持装置22
は、被転写基材の横幅よりも広幅とした転写シートS両
端を表裏両面から挟持しながら転写シートの移送に合わ
せて回転するベルト等から成る。なお、転写シートを被
転写基材の近傍を同じ搬送速度で移送する際に、被転写
基材に対して僅かに離すか、或いは接触させた状態で移
送するかは、被転写基材の表面凹凸の形状、被転写基材
の予熱温度と、転写シートの熱変形性、固体粒子の衝突
圧、接着剤の活性化温度等を適宜勘案して選択する。そ
して、シート支持装置で挟持搬送されて衝突圧の印加を
受けるまでに、ヒータ加熱、赤外線加熱、誘電加熱、誘
導加熱、熱風加熱等によるシート加熱装置40で、転写
シートは加熱されて軟化し、衝突圧印加時に延伸され易
くなる。なお、基材加熱装置41で加熱されて衝突圧印
加部に供給される被転写基材によっても、転写シートは
間接的に加熱される。シート加熱装置による加熱は、転
写シートの予熱不要時は省略できる。
【0053】一方、固体粒子Pはホッパ31からチャン
バ33内にある噴出器32に供給され、そこで加速され
てチャンバ内で転写シートに向かって噴出する。そし
て、転写シートは、噴出器から噴出する固体粒子の衝突
にさらされる。衝突時の固体粒子の運動量の変化分が、
転写シートを被転写基材へ押し付ける衝突圧となる。こ
こでは、被転写基材は包絡面が略平板状なので、固体粒
子は、転写シートの支持体側に略垂直に衝突させる分を
主体成分とし、被転写基材及び転写シートが搬送される
全幅を衝突領域とする。そして、被転写基材及び転写シ
ートが搬送されるにつれて、長手方向の全領域が順次衝
突圧にさらされて行く。なお、シート支持装置22は、
固体粒子が、転写シートの幅方向両端から回り込んで、
転写シートと被転写基材間に流入する事も防止する。そ
して、転写シートは、固体粒子衝突圧で被転写基材に押
圧され、被転写基材の凹凸表面の凹部内へも転写シート
は延ばされて変形することで、被転写基材の凹凸表面形
状に追従して成形されて、接着剤により転写層が被転写
基材に接着する。
バ33内にある噴出器32に供給され、そこで加速され
てチャンバ内で転写シートに向かって噴出する。そし
て、転写シートは、噴出器から噴出する固体粒子の衝突
にさらされる。衝突時の固体粒子の運動量の変化分が、
転写シートを被転写基材へ押し付ける衝突圧となる。こ
こでは、被転写基材は包絡面が略平板状なので、固体粒
子は、転写シートの支持体側に略垂直に衝突させる分を
主体成分とし、被転写基材及び転写シートが搬送される
全幅を衝突領域とする。そして、被転写基材及び転写シ
ートが搬送されるにつれて、長手方向の全領域が順次衝
突圧にさらされて行く。なお、シート支持装置22は、
固体粒子が、転写シートの幅方向両端から回り込んで、
転写シートと被転写基材間に流入する事も防止する。そ
して、転写シートは、固体粒子衝突圧で被転写基材に押
圧され、被転写基材の凹凸表面の凹部内へも転写シート
は延ばされて変形することで、被転写基材の凹凸表面形
状に追従して成形されて、接着剤により転写層が被転写
基材に接着する。
【0054】なお、ここでは被転写基材Bは略平板状
で、シート支持装置22によって、転写シートSは被転
写基材に対して空隙を開けて搬送され、衝突圧による転
写シートの被転写基材への完全な接触は、幅方向中央部
では時間的に先に幅方向の両端近傍は遅れて行われる様
にしてある。これは、被転写基材に転写シートが接触す
る際に、被転写基材と転写シート間(特にその中央部付
近)に空気を残して密着しない様にするための策の一つ
である。
で、シート支持装置22によって、転写シートSは被転
写基材に対して空隙を開けて搬送され、衝突圧による転
写シートの被転写基材への完全な接触は、幅方向中央部
では時間的に先に幅方向の両端近傍は遅れて行われる様
にしてある。これは、被転写基材に転写シートが接触す
る際に、被転写基材と転写シート間(特にその中央部付
近)に空気を残して密着しない様にするための策の一つ
である。
【0055】そして、保護層の硬化進行は支持体の剥離
除去前に、保護層が電離放射線硬化性樹脂からなる場合
はチャンバ直後の電離放射線照射装置で硬化を進行さ
せ、また、熱硬化性樹脂からなる場合は衝突圧印加終了
までの加熱で硬化を進行させる。次いで、被転写基材に
架橋硬化した接着剤により密着した転写シート(の支持
体)を、剥離ローラ60により被転写基材から剥離除去
する。一方、剥離ローラ通過後の転写シート(の支持
体)は、シート排出装置23に排出ロールとして巻き取
る。また、保護層の完全硬化が完了してない場合は、更
に適宜、加熱や電離放射線照射を行って硬化を完了させ
る。その結果、硬化した保護層、装飾層等からなる転写
層が、接着剤により被転写基材の凹凸表面に転写した、
化粧板Dが得られる。
除去前に、保護層が電離放射線硬化性樹脂からなる場合
はチャンバ直後の電離放射線照射装置で硬化を進行さ
せ、また、熱硬化性樹脂からなる場合は衝突圧印加終了
までの加熱で硬化を進行させる。次いで、被転写基材に
架橋硬化した接着剤により密着した転写シート(の支持
体)を、剥離ローラ60により被転写基材から剥離除去
する。一方、剥離ローラ通過後の転写シート(の支持
体)は、シート排出装置23に排出ロールとして巻き取
る。また、保護層の完全硬化が完了してない場合は、更
に適宜、加熱や電離放射線照射を行って硬化を完了させ
る。その結果、硬化した保護層、装飾層等からなる転写
層が、接着剤により被転写基材の凹凸表面に転写した、
化粧板Dが得られる。
【0056】一方、転写シートSへの衝突に供された後
の固体粒子Pは、シート支持装置22の側面を迂回し
て、チャンバ33の下部に集まり、そこからドレン管3
4で吸引され元のホッパ31に収集される。また、固体
粒子の搬送用としてチャンバ中の空気も、固体粒子と共
にドレン管で吸引され、ホッパ31上部の気流と固体粒
子の分離装置35に搬送される。該分離装置35では図
示の如く、気流で搬送されて来た固体粒子は水平方向に
装置空洞内に放出され、気体に対して密度の大きい固体
粒子は自重で下方に落下し、気体はそのまま水平に流れ
て、フィルターで気流と共に移動しようとする残余の固
体粒子を濾過した上で、真空ポンプ36で系外に排出さ
れる。この様にして固体粒子が、転写シート及び被転写
基材が出入りするチャンバ出入口開口部から、空気と共
に周囲に流出しない様にする。また、固体粒子のチャン
バ系外への流出防止、及び固体粒子のチャンバからホッ
パへの逆流防止には、チャンバ内を外部より低圧にする
と良い。このチャンバの圧力調整は、前記真空ポンプ3
6の排気量、更に排風機や送風機(不図示)をチャンバ
に接続してその排気量等によるチャンバ外に流出する気
体量と、吹出ノズル等の噴出器から固体粒子と共に噴出
されチャンバ内に入る気体量や送風機でチャンバに入る
気体量とのバランスを調整する事で行う。
の固体粒子Pは、シート支持装置22の側面を迂回し
て、チャンバ33の下部に集まり、そこからドレン管3
4で吸引され元のホッパ31に収集される。また、固体
粒子の搬送用としてチャンバ中の空気も、固体粒子と共
にドレン管で吸引され、ホッパ31上部の気流と固体粒
子の分離装置35に搬送される。該分離装置35では図
示の如く、気流で搬送されて来た固体粒子は水平方向に
装置空洞内に放出され、気体に対して密度の大きい固体
粒子は自重で下方に落下し、気体はそのまま水平に流れ
て、フィルターで気流と共に移動しようとする残余の固
体粒子を濾過した上で、真空ポンプ36で系外に排出さ
れる。この様にして固体粒子が、転写シート及び被転写
基材が出入りするチャンバ出入口開口部から、空気と共
に周囲に流出しない様にする。また、固体粒子のチャン
バ系外への流出防止、及び固体粒子のチャンバからホッ
パへの逆流防止には、チャンバ内を外部より低圧にする
と良い。このチャンバの圧力調整は、前記真空ポンプ3
6の排気量、更に排風機や送風機(不図示)をチャンバ
に接続してその排気量等によるチャンバ外に流出する気
体量と、吹出ノズル等の噴出器から固体粒子と共に噴出
されチャンバ内に入る気体量や送風機でチャンバに入る
気体量とのバランスを調整する事で行う。
【0057】チャンバ使用時の接着剤等の加熱方法 以上、本発明の曲面転写方法の一形態として、チャンバ
内で固体粒子を衝突させる曲面転写方法の一例を説明し
たが、チャンバ使用時に於ける、接着剤活性化や保護層
の加熱硬化、或いは転写シート延伸性向上等の為の加熱
方法を更に説明する。
内で固体粒子を衝突させる曲面転写方法の一例を説明し
たが、チャンバ使用時に於ける、接着剤活性化や保護層
の加熱硬化、或いは転写シート延伸性向上等の為の加熱
方法を更に説明する。
【0058】本発明の曲面転写方法では、接着剤、保護
層、転写シート等の加熱は、通常は、接着剤が施される
転写シートや被転写基材を加熱することで行われる。ま
た、転写シートの延伸性向上を狙う場合には、転写シー
トも加熱する。これらの加熱手段は任意であり、衝突圧
印加前の転写シートの加熱手段は、例えばヒータ加熱、
赤外線加熱、誘電加熱、誘導加熱、熱風加熱等である。
ただ、熱風加熱をチャンバ内で行う場合は、吹き付け風
量は少なくした方が良い。それは、空気をチャンバ内に
入れることになり、固体粒子噴出用に空気を用いる場合
も含めて、固体粒子回収用の真空ポンプの負荷増にな
り、また固体粒子の流れを攪乱すことになるからであ
る。また、衝突圧印加中の加熱手段では、加熱固体粒子
や加熱固体粒子も使用できる。また、噴出器の間隙に分
散して熱源を設けて加熱しても良い。もちろん、衝突圧
の印加中及び印加前の加熱を併用できるし、衝突圧印加
中の加熱のみの場合もある。
層、転写シート等の加熱は、通常は、接着剤が施される
転写シートや被転写基材を加熱することで行われる。ま
た、転写シートの延伸性向上を狙う場合には、転写シー
トも加熱する。これらの加熱手段は任意であり、衝突圧
印加前の転写シートの加熱手段は、例えばヒータ加熱、
赤外線加熱、誘電加熱、誘導加熱、熱風加熱等である。
ただ、熱風加熱をチャンバ内で行う場合は、吹き付け風
量は少なくした方が良い。それは、空気をチャンバ内に
入れることになり、固体粒子噴出用に空気を用いる場合
も含めて、固体粒子回収用の真空ポンプの負荷増にな
り、また固体粒子の流れを攪乱すことになるからであ
る。また、衝突圧印加中の加熱手段では、加熱固体粒子
や加熱固体粒子も使用できる。また、噴出器の間隙に分
散して熱源を設けて加熱しても良い。もちろん、衝突圧
の印加中及び印加前の加熱を併用できるし、衝突圧印加
中の加熱のみの場合もある。
【0059】また、被転写基材に接着剤塗工やシーラ塗
装を施し、基材加熱装置41等で溶剤分を加熱乾燥する
のであれば、そこで被転写基材は加熱され、また、加熱
された被転写基材から間接的に転写シートもある程度加
熱できる。従って、転写シートの加熱も必要な場合で
も、被転写基材からの間接的加熱や、固体粒子や噴出気
体による加熱で充分な場合には、転写シート専用のシー
ト加熱装置は省略することもできる。なお、シート加熱
は、シート支持装置によって幅方向両端を支持されてか
ら行うのが好ましい。その前では、シートが送り方向に
伸びたり、下方に垂下して、移送に支障を来し易い。ま
た、シート加熱は図8に例示の様にチャンバ33内で行
う以外に、加熱による転写シートの伸びが転写シート搬
送に支障を来さない様にすれば、チャンバの外部、或い
はチャンバの内部及び外部の両方で行っても良い。ま
た、加熱は転写シートの裏面側、表面側、表裏両面のい
ずれから行っても良い。
装を施し、基材加熱装置41等で溶剤分を加熱乾燥する
のであれば、そこで被転写基材は加熱され、また、加熱
された被転写基材から間接的に転写シートもある程度加
熱できる。従って、転写シートの加熱も必要な場合で
も、被転写基材からの間接的加熱や、固体粒子や噴出気
体による加熱で充分な場合には、転写シート専用のシー
ト加熱装置は省略することもできる。なお、シート加熱
は、シート支持装置によって幅方向両端を支持されてか
ら行うのが好ましい。その前では、シートが送り方向に
伸びたり、下方に垂下して、移送に支障を来し易い。ま
た、シート加熱は図8に例示の様にチャンバ33内で行
う以外に、加熱による転写シートの伸びが転写シート搬
送に支障を来さない様にすれば、チャンバの外部、或い
はチャンバの内部及び外部の両方で行っても良い。ま
た、加熱は転写シートの裏面側、表面側、表裏両面のい
ずれから行っても良い。
【0060】また、被転写基材の加熱は、衝突圧印加
前、或いは衝突圧印加中、或いは衝突圧印加前及び印加
中のいずれでも良い。被転写基材を加熱することで、転
写シートを熱して延伸性向上を図る場合に、熱せられた
転写シート温度が低下するのを防止できる。また、被転
写基材側から転写シートを加熱することもできる。被転
写基材の加熱は、チャンバ33の外部又は内部、或いは
外部及び内部で行えば良い。外部及び内部の加熱では、
充分な予熱が必要な場合でも、長い搬送距離を使って加
熱することができる。長い加熱装置をチャンバの内部に
設ける為に、チャンバ自身の内容積が大きくなるなら
ば、加熱装置の一部又は全部をチャンバの外部に設け
て、チャンバの内容積を小さくした方が、固体粒子の飛
散、回収等を考慮した取扱上は有利だからである。チャ
ンバの内部で加熱する利点は、衝突圧印加の直前まで、
或いは衝突圧印加中までも、加熱できることであり、特
に熱容量が大きい被転写基材をその被転写面近傍のみ効
果的に予熱しようとする場合等である。なお、上流側に
配置した塗工装置による塗装を乾燥すべく、溶剤分や水
分を蒸発させる役割も持たせた加熱装置の場合は、チャ
ンバ内部に配置するのは好ましくない。チャンバ内に充
満した蒸発した溶剤や水分の排気手段が必要となり、ま
た溶剤の場合は防爆対策を考慮する必要も生じる。この
ような目的の加熱装置は、チャンバの外部に配置する
か、内部に配置したとしても、外部に蒸発用の加熱装置
(乾燥炉)を別に配置することが好ましい。もちろん、
下塗り塗装は別ラインで行う形態とすれば、加熱装置を
乾燥装置と兼用する必要はない。被転写基材の加熱手段
としては、誘導加熱や誘電加熱は基材内部から加熱でき
るが、一方、ヒータ加熱、赤外線加熱、熱風加熱は、凹
凸表面側からの加熱が効率的である。また、被転写基材
は裏面側からも加熱してもよい。チャンバの開口部に被
転写基材が搬送された後に、衝突圧印加直前又は印加中
まで加熱するならば、基材裏面側からの加熱は、装置ス
ペース的にも好ましい。衝突圧印加中加熱は、衝突圧印
加部上流側での加熱に加えて、噴出器の間隙に分散して
熱源を設けてもよい(転写シートを通しての加熱とな
る)。
前、或いは衝突圧印加中、或いは衝突圧印加前及び印加
中のいずれでも良い。被転写基材を加熱することで、転
写シートを熱して延伸性向上を図る場合に、熱せられた
転写シート温度が低下するのを防止できる。また、被転
写基材側から転写シートを加熱することもできる。被転
写基材の加熱は、チャンバ33の外部又は内部、或いは
外部及び内部で行えば良い。外部及び内部の加熱では、
充分な予熱が必要な場合でも、長い搬送距離を使って加
熱することができる。長い加熱装置をチャンバの内部に
設ける為に、チャンバ自身の内容積が大きくなるなら
ば、加熱装置の一部又は全部をチャンバの外部に設け
て、チャンバの内容積を小さくした方が、固体粒子の飛
散、回収等を考慮した取扱上は有利だからである。チャ
ンバの内部で加熱する利点は、衝突圧印加の直前まで、
或いは衝突圧印加中までも、加熱できることであり、特
に熱容量が大きい被転写基材をその被転写面近傍のみ効
果的に予熱しようとする場合等である。なお、上流側に
配置した塗工装置による塗装を乾燥すべく、溶剤分や水
分を蒸発させる役割も持たせた加熱装置の場合は、チャ
ンバ内部に配置するのは好ましくない。チャンバ内に充
満した蒸発した溶剤や水分の排気手段が必要となり、ま
た溶剤の場合は防爆対策を考慮する必要も生じる。この
ような目的の加熱装置は、チャンバの外部に配置する
か、内部に配置したとしても、外部に蒸発用の加熱装置
(乾燥炉)を別に配置することが好ましい。もちろん、
下塗り塗装は別ラインで行う形態とすれば、加熱装置を
乾燥装置と兼用する必要はない。被転写基材の加熱手段
としては、誘導加熱や誘電加熱は基材内部から加熱でき
るが、一方、ヒータ加熱、赤外線加熱、熱風加熱は、凹
凸表面側からの加熱が効率的である。また、被転写基材
は裏面側からも加熱してもよい。チャンバの開口部に被
転写基材が搬送された後に、衝突圧印加直前又は印加中
まで加熱するならば、基材裏面側からの加熱は、装置ス
ペース的にも好ましい。衝突圧印加中加熱は、衝突圧印
加部上流側での加熱に加えて、噴出器の間隙に分散して
熱源を設けてもよい(転写シートを通しての加熱とな
る)。
【0061】接着剤の強制冷却 また、接着剤が熱融着型の場合は、転写シートが被転写
基材に密着後に接着剤を強制冷却すれば、凹部内部にま
で追従、成形された転写シートの固着化を促進して、転
写シートに復元力がある場合に圧解放後、転写シート元
に戻ることを防止し、転写シート(の支持体)の剥離除
去をより早くできるので、転写抜け防止や生産速度向上
が図れる。この為には、衝突圧印加中に、衝突圧を開放
しないまま冷却固体粒子を用いたり、衝突圧印加後に、
風冷等の他の冷却手段で接着剤層を冷却すると良い。被
転写基材の熱容量が大の場合は、冷却固体粒子以外に
も、低温気体の吹き付け、基材搬送用のローラやベルト
コンベアの冷却により、被転写基材を裏面から冷却でき
る。或いは、チャンバ内でのこれら冷却の後にチャンバ
外で、或いはチャンバ内では冷却せずにチャンバ外のみ
で、表や裏からの冷風吹き付け等で冷却しても良い。
基材に密着後に接着剤を強制冷却すれば、凹部内部にま
で追従、成形された転写シートの固着化を促進して、転
写シートに復元力がある場合に圧解放後、転写シート元
に戻ることを防止し、転写シート(の支持体)の剥離除
去をより早くできるので、転写抜け防止や生産速度向上
が図れる。この為には、衝突圧印加中に、衝突圧を開放
しないまま冷却固体粒子を用いたり、衝突圧印加後に、
風冷等の他の冷却手段で接着剤層を冷却すると良い。被
転写基材の熱容量が大の場合は、冷却固体粒子以外に
も、低温気体の吹き付け、基材搬送用のローラやベルト
コンベアの冷却により、被転写基材を裏面から冷却でき
る。或いは、チャンバ内でのこれら冷却の後にチャンバ
外で、或いはチャンバ内では冷却せずにチャンバ外のみ
で、表や裏からの冷風吹き付け等で冷却しても良い。
【0062】空気抜き また、衝突圧印加前に、転写層や被転写基材上の接着剤
層等となる接着剤が加熱されたとしても活性状態となら
ないならば、或いは活性状態になる前の時間的過程が使
えるならば、被転写基材と転写シートとの非粘着の接触
を行えるので、転写シートを被転写基材の凹凸表面に接
触させて、転写シートと被転写基材間の空隙の空気を強
制的に抜き取る、「空気抜き」をすると良い。空気抜き
で、転写シートと被転写基材間の空気が転写時に残留す
る「エア噛み」、更にはそれに起因する転写抜けを防げ
る。空気抜きは、例えば図8の装置では、吸引排気ノズ
ル91及び真空ポンプ92等からなる吸引排気装置90
で行う。吸引排気ノズル91は、転写シートの転写層側
で、且つ搬送される被転写基材の搬送方向に沿う両辺に
隣接する両側に、被転写基材の搬送方向に沿って設け、
転写シートと被転写基材間の空気を、真空ポンプ92で
吸引し排気すれば良い。吸引排気ノズル91の開口部外
周は例えばブラシで囲いブラシ先端を被転写基材及び転
写シートに接触させれば、それらの搬送に支障なく空気
抜きできる。また、空気抜きは衝突圧印加中まで行うの
が良い。なお、空気抜きと転写シートの予熱とのタイミ
ングは、転写シートが予熱されて軟化する速度、軟化の
度合いにもより、どちらを先に開始しても良いが、両方
を同時に開始しても良い。空気抜きは、被転写基材の被
転写面が例えば岩肌調やスタッコ調等の凹凸面の場合は
効果的である。
層等となる接着剤が加熱されたとしても活性状態となら
ないならば、或いは活性状態になる前の時間的過程が使
えるならば、被転写基材と転写シートとの非粘着の接触
を行えるので、転写シートを被転写基材の凹凸表面に接
触させて、転写シートと被転写基材間の空隙の空気を強
制的に抜き取る、「空気抜き」をすると良い。空気抜き
で、転写シートと被転写基材間の空気が転写時に残留す
る「エア噛み」、更にはそれに起因する転写抜けを防げ
る。空気抜きは、例えば図8の装置では、吸引排気ノズ
ル91及び真空ポンプ92等からなる吸引排気装置90
で行う。吸引排気ノズル91は、転写シートの転写層側
で、且つ搬送される被転写基材の搬送方向に沿う両辺に
隣接する両側に、被転写基材の搬送方向に沿って設け、
転写シートと被転写基材間の空気を、真空ポンプ92で
吸引し排気すれば良い。吸引排気ノズル91の開口部外
周は例えばブラシで囲いブラシ先端を被転写基材及び転
写シートに接触させれば、それらの搬送に支障なく空気
抜きできる。また、空気抜きは衝突圧印加中まで行うの
が良い。なお、空気抜きと転写シートの予熱とのタイミ
ングは、転写シートが予熱されて軟化する速度、軟化の
度合いにもより、どちらを先に開始しても良いが、両方
を同時に開始しても良い。空気抜きは、被転写基材の被
転写面が例えば岩肌調やスタッコ調等の凹凸面の場合は
効果的である。
【0063】その他 以上、本発明の曲面転写方法を説明して来たが、本発明
は上記説明に限定されるものではない。例えば、図8の
装置による曲面転写方法の説明では、転写シートの被転
写基材への圧接は、長尺帯状の転写シート及び枚葉の被
転写基材を用い両者を搬送移動させつつ、固定の噴出器
で固体粒子衝突圧を連続印加する形態であったが、転写
シートの被転写基材への圧接は、その時だけ転写シート
及び被転写基材を停止させて、基材一個ごとに間欠的に
行っても構わない(これらに対して例えば噴出器を移動
させる)。また、被転写基材及び転写シートともに枚葉
の形態で供給する形態でも構わない。また、噴出器の固
体粒子噴出方向と転写シート及び被転写基材との位置関
係は、両者ともに水平面内に載置し、その上方から鉛直
方向に真下に固体粒子を噴き出す位置関係に限定されな
い。転写シート支持体側面と噴出方向が垂直関係を維持
したとしても、転写シートの載置又は搬送方向は、水平
面内以外にも、斜面内、鉛直面内(図4(B))等があ
り、また転写シートが水平面内でも、支持体側が下側、
すなわち、下から上に固体粒子を噴出させ衝突させても
良い。もちろん、転写シート裏面に対して角度をもって
固体粒子を噴出しても良い。また、衝突圧印加前に、弾
性体ローラによる転写シートの被転写基材への押圧を予
備的に行ってもよい。また、固体粒子を搬送し、転写シ
ートに衝突させる際に、固体粒子、転写シート、或いは
被転写基材等が帯電する場合があり、帯電防止策とし
て、吹出ノズルや噴出ガイド等の噴出器、ドレン管等を
接地したり、転写シートに除電バーを接触させたり、或
いは固体粒子加速に気流利用の場合はその中に帯電荷を
中和する電荷を持ったイオンを混入させたりする事が好
ましい。また、チャンバ内は窒素等の不活性ガスを充満
させて、防爆対策や、保護層や接着剤に電離放射線硬化
型接着剤を用いる場合に、空気中の酸素、水蒸気等が該
樹脂の硬化を阻害するのを防止しても良い。
は上記説明に限定されるものではない。例えば、図8の
装置による曲面転写方法の説明では、転写シートの被転
写基材への圧接は、長尺帯状の転写シート及び枚葉の被
転写基材を用い両者を搬送移動させつつ、固定の噴出器
で固体粒子衝突圧を連続印加する形態であったが、転写
シートの被転写基材への圧接は、その時だけ転写シート
及び被転写基材を停止させて、基材一個ごとに間欠的に
行っても構わない(これらに対して例えば噴出器を移動
させる)。また、被転写基材及び転写シートともに枚葉
の形態で供給する形態でも構わない。また、噴出器の固
体粒子噴出方向と転写シート及び被転写基材との位置関
係は、両者ともに水平面内に載置し、その上方から鉛直
方向に真下に固体粒子を噴き出す位置関係に限定されな
い。転写シート支持体側面と噴出方向が垂直関係を維持
したとしても、転写シートの載置又は搬送方向は、水平
面内以外にも、斜面内、鉛直面内(図4(B))等があ
り、また転写シートが水平面内でも、支持体側が下側、
すなわち、下から上に固体粒子を噴出させ衝突させても
良い。もちろん、転写シート裏面に対して角度をもって
固体粒子を噴出しても良い。また、衝突圧印加前に、弾
性体ローラによる転写シートの被転写基材への押圧を予
備的に行ってもよい。また、固体粒子を搬送し、転写シ
ートに衝突させる際に、固体粒子、転写シート、或いは
被転写基材等が帯電する場合があり、帯電防止策とし
て、吹出ノズルや噴出ガイド等の噴出器、ドレン管等を
接地したり、転写シートに除電バーを接触させたり、或
いは固体粒子加速に気流利用の場合はその中に帯電荷を
中和する電荷を持ったイオンを混入させたりする事が好
ましい。また、チャンバ内は窒素等の不活性ガスを充満
させて、防爆対策や、保護層や接着剤に電離放射線硬化
型接着剤を用いる場合に、空気中の酸素、水蒸気等が該
樹脂の硬化を阻害するのを防止しても良い。
【0064】化粧材 以上説明してきた本発明の曲面転写方法で得られる化粧
材としては、外壁、塀、屋根、門扉、破風板等の外装
材、壁面、天井等の建築内装材、窓枠、扉、手摺、敷
居、鴨居等の建具、家具の表面材、弱電・OA機器のキ
ャビネット、或いは自動車等の車両内装材等の各種分野
で用いられ得る。
材としては、外壁、塀、屋根、門扉、破風板等の外装
材、壁面、天井等の建築内装材、窓枠、扉、手摺、敷
居、鴨居等の建具、家具の表面材、弱電・OA機器のキ
ャビネット、或いは自動車等の車両内装材等の各種分野
で用いられ得る。
【0065】
【実施例】次に実施例により本発明を更に説明する。先
ず、三次元的表面凹凸を有する被転写基材Bとして厚さ
12mmのケイ酸カルシウムの平板を用意した。この平
板は、大柄な凹凸と微細な凹凸とが組合わさった凹凸表
面を有し、図9(A)の平面図及び図9(B)の斜視図
に例示する様な目地の溝状凹部401と、微細凹凸40
2を有する平坦凸部403からなる煉瓦積み模様の三次
元的表面凹凸を持つ。そして、該凹凸面全面にウレタン
樹脂系シーラー塗装及びアクリルエマルション系下塗り
塗装を施した。なお、これらはオフラインで別の装置で
行った。また、転写シートは支持体に厚さ50μmの熱
可塑性ポリプロピレン系エラストマーフィルムの(コロ
ナ処理はされて無い)片面に、転写層となる保護層、及
び装飾層として目地を有する煉瓦調の絵柄を順次グラビ
ア印刷したものを用意した。保護層には、3官能ウレタ
ンアクリレート系プレポリマー、非架橋型加熱可塑性樹
脂として平均分子量430,000、ガラス転移温度1
05℃のアクリル樹脂、及び光重合開始剤、とからなる
室温で固体の組成物をメチルエチルケトンとトルエンの
混合溶剤で希釈してなる塗液を全面ベタ印刷後、溶剤を
乾燥させて膜厚3μmの層として形成した。また、装飾
層には、アクリル樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体との1:1重量比の混合物をバインダーの樹脂として
用いたインキを用いて形成した。
ず、三次元的表面凹凸を有する被転写基材Bとして厚さ
12mmのケイ酸カルシウムの平板を用意した。この平
板は、大柄な凹凸と微細な凹凸とが組合わさった凹凸表
面を有し、図9(A)の平面図及び図9(B)の斜視図
に例示する様な目地の溝状凹部401と、微細凹凸40
2を有する平坦凸部403からなる煉瓦積み模様の三次
元的表面凹凸を持つ。そして、該凹凸面全面にウレタン
樹脂系シーラー塗装及びアクリルエマルション系下塗り
塗装を施した。なお、これらはオフラインで別の装置で
行った。また、転写シートは支持体に厚さ50μmの熱
可塑性ポリプロピレン系エラストマーフィルムの(コロ
ナ処理はされて無い)片面に、転写層となる保護層、及
び装飾層として目地を有する煉瓦調の絵柄を順次グラビ
ア印刷したものを用意した。保護層には、3官能ウレタ
ンアクリレート系プレポリマー、非架橋型加熱可塑性樹
脂として平均分子量430,000、ガラス転移温度1
05℃のアクリル樹脂、及び光重合開始剤、とからなる
室温で固体の組成物をメチルエチルケトンとトルエンの
混合溶剤で希釈してなる塗液を全面ベタ印刷後、溶剤を
乾燥させて膜厚3μmの層として形成した。また、装飾
層には、アクリル樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体との1:1重量比の混合物をバインダーの樹脂として
用いたインキを用いて形成した。
【0066】次に、図8に示す様な工程を経る装置で、
噴出器には気体(空気)と共に固体粒子を噴出する図3
の如き吹出ノズルで用いて、上記被転写基材Bを、その
凹凸面を上にして搬送用ローラ列からなる基材搬送装置
10上に載置して搬送し、基材塗工装置50にて、アク
リル樹脂系の感熱溶融型接着剤を溶剤希釈した塗液を塗
工後、基材加熱装置41で溶剤分を乾燥すると共に接着
剤及び被転写基材を加熱して、して厚さ40μm(乾燥
時)の接着剤層を設けた被転写基材を衝突圧印加部30
に供給した。一方、転写シートSも、その支持体側を上
にして、衝突圧印加部に供給した。被転写基材が衝突圧
印加部のチャンバ33に入ったところで、転写シートを
被転写基材の凹凸形状と装飾層の絵柄とを見当合わせし
て被転写基材に接近させた。そして、1対のエンドレス
ベルト状のシート支持装置22で転写シートの幅方向両
端で表裏を挟持した。その状態で、転写シートの支持体
側から電熱線ヒータによる輻射熱を用いたシート加熱装
置40で転写シートの予熱、また被転写基材上の接着剤
の活性化、支持体の十分な軟化と被転写基材の加熱を行
った。
噴出器には気体(空気)と共に固体粒子を噴出する図3
の如き吹出ノズルで用いて、上記被転写基材Bを、その
凹凸面を上にして搬送用ローラ列からなる基材搬送装置
10上に載置して搬送し、基材塗工装置50にて、アク
リル樹脂系の感熱溶融型接着剤を溶剤希釈した塗液を塗
工後、基材加熱装置41で溶剤分を乾燥すると共に接着
剤及び被転写基材を加熱して、して厚さ40μm(乾燥
時)の接着剤層を設けた被転写基材を衝突圧印加部30
に供給した。一方、転写シートSも、その支持体側を上
にして、衝突圧印加部に供給した。被転写基材が衝突圧
印加部のチャンバ33に入ったところで、転写シートを
被転写基材の凹凸形状と装飾層の絵柄とを見当合わせし
て被転写基材に接近させた。そして、1対のエンドレス
ベルト状のシート支持装置22で転写シートの幅方向両
端で表裏を挟持した。その状態で、転写シートの支持体
側から電熱線ヒータによる輻射熱を用いたシート加熱装
置40で転写シートの予熱、また被転写基材上の接着剤
の活性化、支持体の十分な軟化と被転写基材の加熱を行
った。
【0067】次いで、固体粒子Pとして平均粒径0.8
mmの球形のジルコニアビーズを図5(A)の配列の噴
出器32から噴出させ転写シートの支持体側に衝突させ
て、転写シートを被転写基材の圧接した。吹付圧力は5
kg/cm2 、衝突圧の圧力分布は図6の様にシート幅
方向中央が極大となる様にした。そして、転写シートが
目地の凹部内にまで延ばされて被転写基材に接着剤の熱
融着で接着した後、チャンバ下流側に設置した電離放射
線照射装置70として超高圧水銀灯を用い、紫外線を照
射して保護層を完全硬化させた後に、転写シートの支持
体を剥離ローラ60で剥がし取り、最外層に保護層を有
する化粧材Dを得た。得られた化粧材は表面凹凸に追従
して絵柄が転写され、柄抜けも無く、且つ、保護層や装
飾層のひび割れも無く、耐擦傷性、耐汚染性等の表面物
性も優れていた。耐擦傷性は、荷重2kg/cm2 で1
00往復の条件でスチールウール摩耗テストを行い、艶
変化を目視観察して耐スチールウール性として評価し、
艶変化は目立たなかった。また、耐薬品性は、速乾性イ
ンキ、赤クレヨンで10mm幅の線を描き、2時間後に
エタノールを含ませた布で拭き取り、目視で外観を観察
評価し、汚染は目立たなかった。
mmの球形のジルコニアビーズを図5(A)の配列の噴
出器32から噴出させ転写シートの支持体側に衝突させ
て、転写シートを被転写基材の圧接した。吹付圧力は5
kg/cm2 、衝突圧の圧力分布は図6の様にシート幅
方向中央が極大となる様にした。そして、転写シートが
目地の凹部内にまで延ばされて被転写基材に接着剤の熱
融着で接着した後、チャンバ下流側に設置した電離放射
線照射装置70として超高圧水銀灯を用い、紫外線を照
射して保護層を完全硬化させた後に、転写シートの支持
体を剥離ローラ60で剥がし取り、最外層に保護層を有
する化粧材Dを得た。得られた化粧材は表面凹凸に追従
して絵柄が転写され、柄抜けも無く、且つ、保護層や装
飾層のひび割れも無く、耐擦傷性、耐汚染性等の表面物
性も優れていた。耐擦傷性は、荷重2kg/cm2 で1
00往復の条件でスチールウール摩耗テストを行い、艶
変化を目視観察して耐スチールウール性として評価し、
艶変化は目立たなかった。また、耐薬品性は、速乾性イ
ンキ、赤クレヨンで10mm幅の線を描き、2時間後に
エタノールを含ませた布で拭き取り、目視で外観を観察
評価し、汚染は目立たなかった。
【0068】
【発明の効果】 本発明によれば、完全には硬化していない状態で保護
層を凹凸面に成形し、しかる後に保護層を完全硬化させ
る為、耐擦傷性、耐薬品性等の表面物性も優れて、且つ
大きな三次元的凹凸表面が装飾された化粧板が容易に得
られる。そして転写時に保護層に亀裂を生じる事が無
い。表面凹凸は、もちろん、窓枠、サッシ等の二次元的
凹凸も可能であり、平板状の板材以外にも、瓦の様に全
体として波うち形状のもの、或いは凸又は凹に湾曲した
形状のものでも容易に得られる。 また、転写圧に固体粒子衝突圧を用いているので、従
来のゴムローラ押圧方式の様に、被転写基材の凹凸部に
よるローラ等部品の損耗も無い。
層を凹凸面に成形し、しかる後に保護層を完全硬化させ
る為、耐擦傷性、耐薬品性等の表面物性も優れて、且つ
大きな三次元的凹凸表面が装飾された化粧板が容易に得
られる。そして転写時に保護層に亀裂を生じる事が無
い。表面凹凸は、もちろん、窓枠、サッシ等の二次元的
凹凸も可能であり、平板状の板材以外にも、瓦の様に全
体として波うち形状のもの、或いは凸又は凹に湾曲した
形状のものでも容易に得られる。 また、転写圧に固体粒子衝突圧を用いているので、従
来のゴムローラ押圧方式の様に、被転写基材の凹凸部に
よるローラ等部品の損耗も無い。
【図1】本発明の曲面転写方法で用いる転写シートの一
形態を示す断面図。
形態を示す断面図。
【図2】本発明の曲面転写方法の代表的一形態を説明す
る概念図。
る概念図。
【図3】固体粒子の噴出手段として吹出ノズルを説明す
る概念図。
る概念図。
【図4】固体粒子の噴出手段として羽根車を用いた噴出
器を説明する概念図であり、(A)は正面図、(B)は
側面図。
器を説明する概念図であり、(A)は正面図、(B)は
側面図。
【図5】噴出器の各種配置形態を示す平面図。(A)は
千鳥格子状に並べた配置、(B)は中央部は上流側にし
て、両端になるにつれて下流側にずらした配置。
千鳥格子状に並べた配置、(B)は中央部は上流側にし
て、両端になるにつれて下流側にずらした配置。
【図6】衝突圧に幅方向分布を設けた説明図。
【図7】噴出方向の一形態を示す流れ方向からみた側面
図。
図。
【図8】本発明の曲面転写方法を実施し得る曲面転写装
置の一例の概念図で、(A)は基材搬送方向の側面から
見た図で、(B)は(A)の装置の噴出器部分を基材搬
送方向から見た概略装置図。
置の一例の概念図で、(A)は基材搬送方向の側面から
見た図で、(B)は(A)の装置の噴出器部分を基材搬
送方向から見た概略装置図。
【図9】被転写基材の三次元表面凹凸の一例を示す説明
図。(A)は平面図、(B)は要部斜視図。
図。(A)は平面図、(B)は要部斜視図。
1 支持体 2 転写層 3 保護層 4 装飾層 5 接着剤層 10 基材搬送装置 20 シート搬送装置 21 シート送出装置 22 シート支持装置 23 シート排出装置 30 衝突圧印加部 31 ホッパ 32 噴出器(噴出手段) 33 チャンバ 34 ドレン管 35 分離装置 36 真空ポンプ 40 シート加熱装置 41 基材加熱装置 50 基材塗工装置 60 剥離ローラ 70 電離放射線照射装置 90 吸引排気装置 91 吸引排気ノズル 92 真空ポンプ 320 (吹出ノズルによる)噴出器 321 マニホールド部 322 吹出ノズル部 323 ノズル開口部 325 (羽根車による)噴出器 326 羽根 327 側面板 328 回転軸 401 溝状凹部 402 微細凹凸 403 平坦凸部 A 接着剤 B 被転写基材 D 化粧材 F 流体 P 固体粒子 S 転写シート
Claims (1)
- 【請求項1】 少なくとも保護層からなる転写層が支持
体上に積層され、前記保護層が完全には硬化していない
透明な硬化性樹脂からなる転写シートを用い、凹凸表面
を有する被転写基材の凹凸表面側に、前記転写シートの
転写層側を対向させ、該転写シートの支持体側に固体粒
子を衝突させ、その衝突圧を利用して、被転写基材の凹
凸表面への転写シートの圧接を行い、転写層が被転写基
材に接着後、転写シートの支持体を剥離除去する前又は
後に、前記保護層を完全硬化させる、曲面転写方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9092875A JPH10272693A (ja) | 1997-03-28 | 1997-03-28 | 曲面転写方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9092875A JPH10272693A (ja) | 1997-03-28 | 1997-03-28 | 曲面転写方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10272693A true JPH10272693A (ja) | 1998-10-13 |
Family
ID=14066628
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9092875A Withdrawn JPH10272693A (ja) | 1997-03-28 | 1997-03-28 | 曲面転写方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10272693A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017165062A (ja) * | 2016-03-18 | 2017-09-21 | クツワ工業株式会社 | エンボス模様を備えた表装材の製造方法、および表装材 |
-
1997
- 1997-03-28 JP JP9092875A patent/JPH10272693A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017165062A (ja) * | 2016-03-18 | 2017-09-21 | クツワ工業株式会社 | エンボス模様を備えた表装材の製造方法、および表装材 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20040601 |