JP3208368B2 - 曲面転写方法及び転写シート - Google Patents

曲面転写方法及び転写シート

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JP3208368B2
JP3208368B2 JP33623697A JP33623697A JP3208368B2 JP 3208368 B2 JP3208368 B2 JP 3208368B2 JP 33623697 A JP33623697 A JP 33623697A JP 33623697 A JP33623697 A JP 33623697A JP 3208368 B2 JP3208368 B2 JP 3208368B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、住宅の外装及び内
装材、家具、家電製品等の化粧板であって、特に装飾さ
れた凹凸表面を有する化粧板を製造するための曲面転写
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、基材の表面に直刷り法、ラミネー
ト法、転写法等により絵柄等の装飾を施した化粧板が種
々の用途で使用されている。この場合、基材の表面が平
面状ならば、絵柄装飾は容易にできるので問題はない
が、凹凸表面に対しては格別の工夫により絵柄装飾を施
している。
【0003】例えば、窓枠、面縁材等の柱状で基材装飾
面が二次元的凹凸(円柱のように一方向(母線、或いは
高さ方向に直行する方向)にのみ曲率を有する形状)の
場合に適用できる曲面装飾技術の一つが、特公昭61−
5895号公報に提案されている。すなわち、同公報の
技術はラミネート法による表面装飾法であり、片面に接
着剤を塗布した表装シートを供給し、一方基材を表装シ
ートの供給速度と同調した速度で水平に搬送し、併設し
た多数の押え治具にて表装シートの端部が貼着されない
状態を維持しつつ表装シートの接着剤塗布面側を基材に
対して小面積毎に段階的に押圧し、表装シートを基材面
に加熱貼着するものである。なお、この方法はラッピン
グ加工法と言われている。
【0004】また、表面凹凸がエンボス形状等の三次元
的凹凸(すなわち、半球面のように2方向に曲率を有す
る形状)の場合に適用できる曲面装飾技術としては、例
えば特開平5−139097号公報に提案されたものが
ある。すなわち、同公報の技術は転写法による表面装飾
法であり、転写シートの支持体として熱可塑性樹脂フィ
ルムを用い、該支持体上に剥離層、絵柄層及び接着層を
順次設けた構成の転写シートを、凹凸表面を有する基材
上に設置し、支持体の裏面からゴム硬度60°以下のゴ
ム製の熱ローラで押圧して、絵柄を転写することによっ
て化粧板を得るものである。また、支持体と剥離層間に
転写時の熱で発泡する発泡層を設け、この発泡も利用し
て基材の凹凸表面に追従させようとするものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の方法のうち、特公昭61−5895号公報
に開示の技術では、二次元的曲面までしか対応できず、
また特開平5−139097号公報が提案する技術で
は、三次元的曲面も対応できるが、基本的に回転する熱
ローラのゴムによる弾性変形を利用して表面凹凸に追従
させるために、浅いエンボス形状は良いとしても大きな
表面凹凸には適用できない。その上、被転写基材の凹凸
の隅角部によって軟質のゴムローラが損耗しやすい。ま
た、転写シートに発泡層を設ける構成では、転写シート
が複雑高価になり過ぎる。また、全体として平板状の基
材に限定されるといった問題があった。
【0006】そこで、本発明は、大きな三次元的凹凸表
面にも転写でき、表面装飾性に優れた化粧材が得られ、
且つ特殊形状の治具を必要とせず、ゴムローラ等部品の
損耗による交換の必要のない曲面転写方法を提供するこ
とを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、上記課題を解決
すべく、本発明の曲面転写方法では、凹凸表面を有する
被転写基材の凹凸表面側に、支持体と転写層とからなる
転写シートの転写層側を対向させ、該転写シートの支持
体側に固体粒子を衝突させ、その衝突圧を利用して被転
写基材の凹凸表面への転写シートの圧接を行い、転写層
が被転写基材に接着した後、転写シートの支持体を剥離
除去することで、転写層を被転写基材に転写するように
した。そして、曲面転写性を向上させるために、エチレ
ン・プロピレン・ブテン共重合体樹脂からなる熱可塑性
エラストマーを支持体に用いた転写シートを使用するよ
うにした。
【0008】
【発明の実施の形態】図1は曲面転写装置の断面図、図
2は同じく要部の斜視図である。
【0009】図1及び図2においてSは水平面で搬送さ
れる長尺の転写シート、Bは枚葉の被転写基材であり、
図1は搬送方向(X軸方向)に直交するYZ面での断面
図を示している。10は図示のようなエンドレスベル
ト、又は回転ローラ列等からなる基材搬送手段で、被転
写基材Bはこの基材搬送手段10で水平に搬送される。
1は固体粒子P(矢印はその飛跡を示す)の被転写基材
側面及び裏面への付着防止策としての遮蔽手段で、図示
の例ではエンドレスベルトで構成されている。この遮蔽
手段1は、平板状の被転写基材Bにおける搬送方向両側
の2つの転写されない側面の外側に位置しており、転写
シートSを基材搬送手段10のベルトとの間に挟んで押
圧し、転写シートSと被転写基材Bの間隙を被転写基材
Bの側面外部にて封じることにより、固体粒子Pを被転
写基材Bの側面及び裏面から遮断する。遮蔽手段1は図
1のようなエンドレスベルトの他、図14に示すような
回転ローラ列でもよい。遮蔽手段1は転写シートS及び
被転写基材Bの搬送速度と同期する周速度で回転させ
る。なお、基材搬送手段10及び遮蔽手段1を駆動させ
る手段としては、電動機等の動力源を用い公知の方法に
従えばよい。
【0010】そして、遮蔽手段1により転写シートSを
基材搬送手段10に押圧して両者の間隙を封じた状態
で、被転写基材B上にある転写シートSに向けて噴射器
2から固体粒子Pを噴出して衝突させ、その衝突圧を転
写シートSに印加する。図1から分かるように、転写シ
ートSはその被転写基材Bの側端部外側に位置する部分
が遮蔽手段1によって基材搬送装置10に押圧されるた
め、転写シートSと被転写基材Bとの間隙がシールさ
れ、ここから固体粒子が侵入するのが防止される。な
お、チャンバ3は、固体粒子が周囲の作業雰囲気に飛散
しないように、固体粒子が噴出し衝突する空間全体を覆
ってある。また、転写シートSに衝突した後の固体粒子
は、一部は転写シートSの両端側から自重落下してチャ
ンバ下方に落ち、残りの部分は搬送される転写シートS
上に乗せて下流側で回収される。
【0011】ところで、噴出器、特に羽根車を用いた場
合の噴出器の場合は、原理的に噴出方向を完全に一方向
に揃えることは難しい。従って、図1の如く、羽根車回
転軸を転写シート搬送方向に平行に配置した噴出器2の
場合は、固体粒子の噴出方向は転写シート幅方向に広が
る。固体粒子は、周囲の気流に流されたり、チャンバや
その他装置部材等に衝突して反射し、さらにその一部は
転写シートの転写層側や被転写基材の側面や表面や裏面
等にまで裏回りしてそれらに衝突する。そして、そこに
接着剤がはみ出したりして露出し、且つ活性状態である
と、固体粒子が付着したままとなる。また、これは固体
粒子の消耗にもつながる。また、転写層と被転写基材間
に固体粒子が侵入すると、転写層と被転写基材との接着
を阻害し、転写層の抜けを生じる。
【0012】このように噴出器からの固体粒子噴出方向
に広がりが有り、転写シート以外の部分へ固体粒子が飛
散する場合には、前述の如き遮蔽手段が、固体粒子の被
転写基材への付着防止に効果的である。すなわち、転写
シートSを被転写基材Bよりも広幅とし、遮蔽手段によ
り転写シートを基材搬送手段に押圧して両者の間隙を封
じた状態で固体粒子の衝突を行うことにより、被転写基
材の転写しない側面部及び裏面部には付着しない。な
お、遮蔽手段なしでも固体粒子の被転写基材への付着が
問題にならない場合には、勿論この遮蔽手段は省略でき
る。
【0013】なお、遮蔽手段1の転写シート搬送方向の
設置長さは、少なくとも噴出器のある領域部分に対応さ
せる。噴出器よりも搬送方向上流及び下流側に伸ばす長
さは、それらの方向での固体粒子噴出方向の広がりによ
って決める。また、図1及び図2では、転写シート及び
被転写基材は水平面で搬送しているが、傾斜面で搬送す
るようにしてあっても構わない。
【0014】以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0015】〔被転写基材〕本発明にて使用する被転写
基材は、被転写面が平坦な平面のものでももちろんよい
が、本発明が真価を発揮するのは被転写面が凹凸表面で
あり、特にその凹凸が三次元的になっている被転写基材
である。従来の回転接触する押さえ治具(前述の特公昭
61−5895号公報参照)や、ゴム製の転写ローラ
(前述の特開平5−139097号公報参照)は、その
回転軸による方向性を本質的に有しているために、適用
できる表面凹凸形状が制約される。即ち前者では、1軸
方向にのみ曲率を有する二次元的凹凸に限定され、また
後者では、2軸方向に曲率を有する三次元的凹凸への転
写が可能でもその三次元形状は任意の方向に均質に適用
できない。例えば、木目導管柄の長手方向は、転写シー
トの送り方向に平行にしないと、導管凹部には旨く転写
できない。しかも、後者は基材形状が平板状に事実上限
定され、それ以外は基材形状毎にその都度合わせた特殊
形状の転写ローラとでもしない限り不可能である。
【0016】ところが、本発明では、後述のように、流
体的に振る舞う固体粒子群の衝突圧を利用するため、表
面凹凸の三次元的形状に対して圧力印加領域の面的な方
向性を本質的に持たない。(この方向性とは、圧力が印
加される被転写基材上のポイントの時間的位置変化の方
向のことである。)従って、転写シートや被転写基材の
送り方向に凹凸がある形状を持つ被転写基材でも構わな
い。すなわち、送り方向のみ又は幅方向のみ等と一方向
にのみ凹凸がある二次元的凹凸、送り方向及び幅方向の
両方等と2方向に凹凸がある三次元的凹凸にも適用でき
ることを意味する。なお、固体粒子群の衝突圧が方向性
を持たない点は、枚葉の転写シートを被転写基材上に載
置して一つずつ圧接密着するように、固体粒子を噴出す
る噴出器を移動、或いは噴出器固定で転写シートと被転
写基材とを移動させて、衝突圧が印加される領域が移動
していく様子を考えれば容易に理解できる。
【0017】また、被転写基材は全体として(包絡面形
状が)平板状の板材だけでなく、円弧状に凸又は凹に送
り方向又は幅方向に湾曲した二次元的凹凸を有する基材
でもよく、またその湾曲面にさらに細かい三次元的な表
面凹凸があってもよい。なお、本発明では、被転写基材
の円弧状等の断面を持つ二次元的な凹凸に対して、それ
を例えば幅方向として、或いは送り方向として転写する
かは作業性等を考慮して任意にできる。
【0018】また、大柄な凹凸に重畳して微細な凹凸を
有する凹凸表面の被転写基材、或いは凹凸表面の凹部底
部や凹部内側面に転写すべき面を有する被転写基材も可
能である。前記大柄な凹凸と微細な凹凸とは、例えば図
15(B)の如く被転写基材の凹凸が大柄な凹凸40
1、402とその凸部402上にある微細な凹凸403
とからなるもので、大柄の凹凸形状は段差が1〜10m
m、凹部の幅が1〜10mm、凸部の幅が5mm以上の
もので構成されるものであり、微細な凹凸形状は、段差
及び幅ともに大柄な凹凸形状よりも小さく、具体的には
段差が0.1〜5mm程度、凹部の幅及び凸部の幅が
0.1mm以上で、大柄な凹凸形状の凸部の幅の1/2
未満程度である。
【0019】大柄な凹凸と微細な凹凸との組み合わせの
凹凸から成り、且つ三次元的な表面凹凸を持つ化粧材の
凹凸模様の具体例としては、例えば、大柄な凹凸として
目地、溝等を有するタイル、煉瓦、石等の二次元配列模
様を有し、その上に微細な凹凸としてスタッコ調、リシ
ン調等の吹き付け塗装面の凹凸模様、花崗岩の劈開面や
トラバーチン大理石板等の石材表面の凹凸等の石目調凹
凸模様、或いは大柄な凹凸模様として目地、溝、簓、サ
ネ等を有する羽目板模様、浮造木目板模様を有し、その
上に微細凹凸として導管溝、ヘアライン等を有する凹凸
模様が挙げられる。
【0020】凹凸面を構成する各面は、平面のみ、曲面
のみ、或いは平面と曲面の組み合わせと任意である。従
って、本発明の被転写基材上の曲面とは、断面が下駄の
歯形のように複数の平面のみから構成される曲面を持た
ない凹凸面も意味する。また、本発明でいう曲率とは、
立方体の辺或いは頂点の周辺のように角張っている曲率
無限大(曲率半径=0)の場合も包含する。なお、被転
写基材表面を所望の凹凸とするには、プレス加工、エン
ボス加工、押し出し加工、切削加工、成形加工等によれ
ばよい。
【0021】被転写基材の材質は任意であり、例えば、
板材であれば、ケイ酸カルシウム板、押し出しセメント
板、ALC(軽量発泡コンクリート)板、GRC(硝子
繊維強化コンクリート)板等の非陶磁器窯業系板、木材
単板や木材合板、パーティクルボード、或いは木質中密
度繊維板(MDF)等の木質板、また、鉄、アルミニウ
ム、銅等の金属板、陶磁器やガラス等のセラミックス、
ポリプロピレン、ABS樹脂、フェノール樹脂等の樹脂
成形品等でもよい。なお、後述のように固体粒子加速流
体として液体を用い、該液体と共に固体粒子を噴出させ
る場合は、該液体に対して不溶性且つ非吸収性のものが
好ましい。例えば金属板、樹脂成形品、陶磁器やガラス
等のセラミックス等である。
【0022】また、これらの被転写基材表面には、予
め、接着剤との接着を補助するための易接着プライマ
ー、或いは表面の微凹凸や多孔質を目止めし封じるシー
ラー剤を塗工しておいてもよい。易接着プライマー、或
いはシーラー剤としては、イソシアネート、2液硬化ウ
レタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル
樹脂等の樹脂を塗工し形成する。
【0023】〔転写シート〕転写シートは支持体と転写
移行する転写層とからなる。転写層は少なくとも装飾層
から構成される。また、接着剤を、転写層の一部となる
接着剤層として、転写シートに形成しておいてもよい。
【0024】(支持体)転写シートの支持体としては、
被転写基材が二次元的凹凸表面であれば、延伸性のない
紙(ただし、固体粒子加速流体が液体の場合は、該液体
に対して不溶性のものを選ぶ)等も可能だが、本発明が
真価を発揮する三次元的凹凸表面に適用するためには少
なくとも転写時には延伸性のある支持体を用いる。延伸
性があることにより、固体粒子の衝突圧印加時に被転写
基材表面の凹部内部まで転写シートを追従させて密着し
転写することができる。転写シート全体の延伸性は、主
に支持体の延伸性に支配される。そこで、本発明では転
写シートの支持体にエチレン・プロピレン・ブテン共重
合体樹脂からなる熱可塑性エラストマーを使用する。支
持体にこの樹脂シートを使用することにより、装飾層等
の転写層形成時(印刷加工等)には延伸性が殆どなく、
転写時には加熱により充分な延伸性を発現し、且つ冷却
後は変形した形状を保持し続け、弾性による形状の復元
を生じない転写シートが得られる。また、この樹脂シー
トは、通常の高結晶性ポリオレフィン樹脂シートに顕著
な加熱成形時の不均一な伸び(所謂ネッキング)を生じ
ることなく、各種凹凸形状に対しても局部的な破断、装
飾層の歪み、シワ等を生じることなく、良好に転写シー
トの追従成形が可能となる。
【0025】エチレン・プロピレン・ブテン共重合体樹
脂は、そのブテンとして、1ブテン、2ブテン、イソブ
チレンの3種の構造異性体のいずれも用いることができ
る。共重合体としては、ランダム共重合体で、非晶質の
部分を一部含み、熱可塑性エラストマーとなったものが
好ましい。
【0026】上記エチレン・プロピレン・ブテン共重合
体の好ましい具体例としては次の〜が挙げられる。
【0027】特開平9−111055号公報記載のも
の。これはエチレン、プロピレン及びブテンの3元共重
合体によるランダム共重合体である。単量体成分の重量
比はプロピレンが90重量%以上とする。メルトフロー
レートは、230℃、2.16kgで1〜50g/10
分のものが好適である。そして、このような3元ランダ
ム共重合体100重量部に対して、燐酸アリールエステ
ル化合物を主成分とする透明造核剤を0.01〜50重
量部、炭素数12〜22の脂肪酸アミド0.003〜
0.3重量部を熔融混練してなるものである。
【0028】特開平5−77371号公報記載のも
の。これは、エチレン、プロピレン、1ブテンの3元共
重合体であって、プロピレン成分含有率が50重量%以
上の非晶質重合体20〜100重量%に、結晶質ポリプ
ロピレンを80〜0重量%添加してなるものである。
【0029】特開平7−316358号公報記載のも
の。これは、エチレン、プロピレン、1ブテンの3元共
重合体であって、プロピレン及び/又は1ブテン含有率
が50重量%以上の低結晶質重合体20〜100重量%
に、アイソタクチックポリプロピレン等の結晶性ポリオ
レフィンを80〜0重量%混合した組成物100重量部
に対して、Nアシルアミノ酸アミン塩、Nアシルアミノ
酸エステル等の油ゲル化剤を0.5重量%添加してなる
ものである。
【0030】エチレン・プロピレン・ブテン共重合体樹
脂は、単独で用いてもよいし、上記乃至はに必要に
応じ更に他のポリオレフィン樹脂を適量混合して用いて
もよい。そして、支持体の厚さは、通常20〜100μ
mである。
【0031】また、支持体には必要に応じ、その転写層
側に転写層との剥離性を向上させる離型層を設けてもよ
い。この離型層は支持体を剥離時に支持体と共に転写層
から剥離除去される。離型層としては、例えば、シリコ
ーン樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹
脂、ポリオレフィン樹脂、ワックス等の単体又はこれら
を含む混合物が用いられる。
【0032】また、転写層に接する側の支持体面に凹凸
模様を設ければ、転写後の転写層表面に凹凸模様を賦形
することもできる。凹凸模様は、例えば、砂目、梨地、
ヘアライン、万線状溝、花崗岩の劈開面の凹凸模様、木
目導管溝、木目年輪模様、布目の表面テクスチュア、皮
絞、文字、幾何学模様等である。なお、凹凸模様の形成
は、支持体の樹脂シートに対して、熱プレスによるエン
ボス加工、サンドブラスト加工、ヘアライン加工をした
り、或いは支持体に、離型性の有る樹脂をバインダーと
するインキ(2液硬化ウレタン、シリコーン樹脂、メラ
ミン樹脂、紫外線又は電子線で架橋する多官能アクリレ
ート又はメタクリレートのモノマー又はプレポリマー等
からなる)を用いて所望の凹凸模様にシルクスクリーン
印刷等で盛り上げ印刷して賦形層を設け、賦形層を有す
る支持体とする方法等がある。なお、賦形層は上記離型
層の機能を有する。
【0033】(転写層)転写シートの転写層は少なくと
も装飾層から構成し、さらに適宜、剥離層、接着剤層等
も転写層の構成要素とすることもある。接着剤層を有す
る構成では、転写の際に転写シート又は被転写基材の片
方又は両方に接着剤を施すことを省略できる。
【0034】装飾層はグラビア印刷、シルクスクリーン
印刷、オフセット印刷等の従来公知の方法と材料で絵柄
等を印刷した絵柄層、アルミニウム、クロム、金、銀等
の金属を公知の蒸着法等により部分的或いは全面に形成
した金属薄膜層等であり、用途に合わせたものを用い
る。絵柄としては、被転写基材の表面凹凸に合わせて、
木目模様、石目模様、布目模様、タイル調模様、煉瓦調
模様、皮絞模様、文字、幾何学模様、全面ベタ等を用い
る。なお、絵柄層用インキは、バインダー等からなるビ
ヒクル、顔料や染料等の着色剤、これに適宜加える各種
添加剤からなる。バンイダーには、アクリル樹脂、塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、セル
ロース系樹脂、ポリウレタン樹脂、フッ素樹脂等の単体
又はこれらを含む混合物を用いる。着色剤の顔料として
は、チタン白、カーボンブラック、弁柄、黄鉛、群青等
の無機顔料、アニリンブラック、キナクリドン、イソイ
ンドリノン、フタロシアニンブルー等の有機顔料を用い
る。
【0035】また、剥離層を、支持体乃至は離型層と装
飾層との間の剥離性を調整するため、転写後の装飾層の
表面保護のため等に、これら層間に設けるのは、従来公
知の転写シートと同様である。なお、この剥離層は転写
時に装飾層と共に被転写基材側に転写され、装飾層の表
面を被覆する。
【0036】また、転写時に転写シートと被転写基材と
の間に残留する空気を排除し易くする手段として、必要
に応じて転写シート全層を貫通する小孔を多数転写シー
トに穿設してもよい。
【0037】〔接着剤〕接着剤は、転写シートの転写層
を構成する接着剤層や被転写基材上の接着剤層として、
事前又は転写の直前に、オンライン塗工やオフライン塗
工で施す。被転写基材に施す場合には、転写シート転写
層の接着剤層を省略できる。用いる接着剤は、用途、要
求物性等により適宜選択すればよいが、固体粒子加速流
体に液体を用いる場合には、該液体に対して不溶性のも
のを選択する。
【0038】接着剤としては、例えば、感熱型接着剤、
湿気硬化型感熱溶融型接着剤、ホットメルト接着剤、湿
気硬化型ホットメルト接着剤、2液硬化型接着剤、電離
放射線硬化型接着剤、水性接着剤、或いは粘着剤による
感圧型接着剤等の各種接着剤を使用できる。なお、水を
固体粒子加速流体に用いる場合は、湿気硬化型の接着剤
や水性接着剤は避ける。
【0039】感熱型接着剤としては、熱可塑性樹脂を用
いた熱融着型と、熱硬化性樹脂を用いた熱硬化型とのい
ずれの接着剤も使用できる。ただし、短時間で接着が完
了するという点からは、熱融着型(感熱溶融型接着剤)
が好ましい。また、接着剤は溶剤希釈又は無溶剤、或い
は常温で液体又は固体のいずれでもよく、適宜使い分け
る。また、粘着性を呈する感圧型の粘着剤以外の接着剤
では、接着剤層の単層のみで転写層とすることができ
る。接着剤層中に顔料等の着色剤を添加すれば、全面ベ
タのインク層からなる装飾層ともいえる。感熱溶融型接
着剤としては、ポリ酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体、アクリル樹脂、熱可塑性ポリエステル
樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂、ダイマー酸とエチレンジ
アミンとの縮重合により得られるポリアミド樹脂等の従
来公知の接着剤を用いることができる。熱硬化型接着剤
としては、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレ
ート樹脂、熱硬化型ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等を用
いることがてきる。
【0040】湿気硬化型感熱溶融型接着剤も感熱溶融型
接着剤の一種である。湿気硬化型感熱溶融型接着剤は、
自然放置により空気中の水分で硬化反応が進行するの
で、作業安定性の点で転写直前に施す。また、湿気硬化
型感熱溶融型接着剤は、転写直後は、通常の感熱溶融型
接着剤同様の接着力だが、自然放置により空気中の水分
で架橋・硬化反応が徐々に進行するために、最終的にク
リープ変形及び熱溶融がなく耐熱性等に優れ、大きな接
着力が得られる。ただし、転写終了後に湿気で接着剤の
架橋・硬化を進行させるため、湿気を含む空気中に転写
後の化粧板を放置して養生する。養生の際の好ましい雰
囲気条件は、大体、相対湿度50%RH以上、気温10
℃以上である。温度・相対湿度とも高い方が、より短時
間で硬化が完了する。標準的な硬化完了時間は、通常の
場合、20℃、60%RHの雰囲気中で10時間程度で
ある。
【0041】湿気硬化型感熱溶融型接着剤は、分子末端
にイソシアネート基を有するプレポリマーを必須成分と
する組成物である。前記プレポリマーは、通常は分子両
末端に各々イソシアネート基を1個以上有するポリイソ
シアネートプレポリマーであり、室温で固体の熱可塑性
樹脂の状態にあるものである。イソシアネート基同士が
空気中の水分により反応して鎖延長反応を起こして、そ
の結果、分子鎖中に尿素結合を有する反応物を生じて、
この尿素結合にさらに分子末端のイソシアネート基が反
応して、ビウレット結合を起こして分岐し、架橋反応を
起こす。
【0042】分子末端にイソシアネート基を有するプレ
ポリマーの分子鎖の骨格構造は任意であるが、具体的に
は、ウレタン結合を有するポリウレタン骨格、エステル
結合を有するポリエステル骨格、ポリブタジン骨格等で
ある。適宜これら1種又は2種以上の骨格構造を採用す
ることで、接着剤物性を調整できる。なお、分子鎖中に
ウレタン結合がある場合は、このウレタン結合とも末端
イソシアネート基が反応して、アロファネート結合を生
じて、このアロファネート結合によっても架橋反応を起
こす。
【0043】ポリイソシアネートプレポリマーの具体例
としては、例えば、ポリオールに過剰のポリイソシアネ
ートを反応させた分子末端にイソシアネート基を有し、
且つ分子鎖中にウレタン結合を有するポリウレタン骨格
の、ウレタンプレポリマーがある。また、特開昭64−
14287号公報に開示されているような、ポリイソシ
アネートに、ポリエステルポリオールと、ポリブタジエ
ン骨格を有するポリオールとを任意の順序で加え付加反
応させて得られた、ポリエステル骨格とポリブタジエン
骨格とがウレタン結合により結合された構造を有し且つ
分子末端にイソシアネート基を有する結晶性ウレタンプ
レポリマー、或いは、特開平2−305882号公報に
開示されているような、ポリカーボネート系ポリオール
とポリイソシアネートを反応させて得られる分子中に2
個以上のイシソアネート基を有するポリカーボネート系
ウレタンプレポリマー、ポリエステル系ポリオールとポ
リイソシアネートを反応させて得られる分子中に2個以
上のイシソアネート基を有するポリエステル系ウレタン
プレポリマー等が挙げられる。
【0044】また、湿気硬化型感熱溶融型接着剤として
は、上記各種ポリイソシアネートプレポリマーの他に、
各種物性を調整するために、上記必須反応成分にさら
に、必要に応じて、熱可塑性樹脂、粘着付与剤、可塑
剤、充填剤等の各種副材料添加することもできる。これ
らの副材料としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共
重合体、低分子量ポリエチレン、変性ポリオレフィン、
アタクチックポリプロピレン、線状ポリエステル、エチ
レン−エチルアクリレート(EAA)等の熱可塑性樹
脂、テルペン−フェノール樹脂、アビエチン酸ロジンエ
ステル等の粘着付与剤、炭酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、シリカ、アルミナ等の微粉末からなる充填剤(体質
顔料)、着色顔料、硬化触媒、水分除去剤、貯蔵安定
剤、老化防止剤等である。
【0045】電離放射線硬化型接着剤として用い得る電
離放射線硬化性樹脂は、電離放射線により硬化可能な組
成物であり、具体的には、分子中にラジカル重合性不飽
和結合、又はカチオン重合性官能基を有する、プレポリ
マー(所謂オリゴマーも包含する)及び/又はモノマー
を適宜混合した電離放射線により硬化可能な組成物が好
ましく用いられる。これらプレポリマー又はモノマーは
単体又は複数種を混合して用いる。
【0046】上記プレポリマー又はモノマーは、具体的
には、分子中に(メタ)アクリロイル基、(メタ)アク
リロイルオキシ基等のラジカル重合性不飽和基、エポキ
シ基等のカチオン重合性官能基等を有する化合物からな
る。また、ポリエンとポリチオールとの組み合わせによ
るポリエン/チオール系のプレポリマーも好ましく用い
られる。なお、例えば(メタ)アクリロイル基とは、ア
クリロイル基又はメタクリロイル基の意味である。
【0047】ラジカル重合性不飽和基を有するプレポリ
マーの例としては、ポリエステル(メタ)アクリレー
ト、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)
アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリア
ジン(メタ)アクリレート等が使用できる。分子量とし
ては、通常250〜100,000程度のものが用いら
れる。
【0048】ラジカル重合性不飽和基を有するモノマー
の例としては、単官能モノマーとして、メチル(メタ)
アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等がある。
また、多官能モノマーとして、ジエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、トリメチールプロパントリ(メタ)
アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサ
イドトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトー
ルペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトー
ルヘキサ(メタ)アクリレート等もある。
【0049】カチオン重合性官能基を有するプレポリマ
ーの例としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボ
ラック型エポキシ化合物等のエポキシ系樹脂、脂肪酸系
ビニルエーテル、芳香族系ビニルエーテル等のビニルエ
ーテル系樹脂のプレポリマーがある。
【0050】チオールとしては、トリメチロールプロパ
ントリチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラ
チオグリコレート等のポリチオールがある。また、ポリ
エンとしては、ジオールとジイソシアネートによるポリ
ウレタンの両端にアリルアルコールを付加したもの等が
ある。
【0051】なお、紫外線又は可視光線にて硬化させる
場合には、上記電離放射線硬化性樹脂に、さらに光重合
開始剤を添加する。ラジカル重合性不飽和基を有する樹
脂系の場合は、光重合開始剤として、アセトフェノン
類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、ベンゾイ
ン、ベンゾインメチルエーテル類を単独又は混合して用
いることができる。また、カチオン重合性官能基を有す
る樹脂系の場合は、光重合開始剤として、芳香族ジアゾ
ニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム
塩、メタロセン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル
等を単独又は混合物として用いることができる。なお、
これらの光重合開始剤の添加量としては、電離放射線硬
化性樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部程
度である。
【0052】なお、電離放射線としては、接着剤中の分
子を架橋させ得るエネルギーを有する電磁波又は荷電粒
子が用いられる。通常用いられるものは、紫外線又は電
子線であるが、この他、可視光線、X線、イオン線等を
用いることも可能である。紫外線源としては、超高圧水
銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク灯、ブ
ラックライト、メタルハライドランプ等の光源が使用さ
れる。紫外線の波長としては通常190〜380nmの
波長域が主として用いられる。電子線源としては、コッ
ククロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器
型、絶縁コア変圧器型、或いは、直線型、ダイナミトロ
ン型、高周波型等の各種電子線加速器を用い、100〜
1000keV、好ましくは、100〜300keVの
エネルギーをもつ電子を照射するものが使用される。
【0053】上記電離放射線硬化性樹脂に、さらに必要
に応じて、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸
ビニル、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂等の熱可塑
性樹脂を添加することもできる。なお、希釈溶剤は添加
せずに用いれば、ホットメルト接着剤となる。
【0054】なお、電離放射線硬化型接着剤を用いた場
合には、曲面転写装置に紫外線や電子線を照射する電離
放射線照射装置を組み込むことができる。照射は、衝突
圧印加中、印加後、或いは印加中及び印加後に行う。
【0055】また、接着剤に用いる上記各種樹脂にさら
に、必要に応じて、各種添加剤を添加することもでき
る。これらの添加剤としては、例えば、炭酸カルシウ
ム、硫酸バリウム、シリカ、アルミナ等の微粉末からな
る体質顔料(充填剤)、有機ベントナイト等のチキソト
ロピック付与剤(特に凹凸段差の大きい被転写基材の場
合、接着剤が凸部から凹部へ流入することを防止するた
めに添加するとよい。)等である。
【0056】接着剤を、転写シート等のシートや被転写
基材に施すには、水、有機溶剤等の溶媒(又は分散媒)
に溶解(又は分散)した溶液(又は分散液)の形態で、
或いは熱溶融した熱可塑性組成物又は室温液状の未硬化
樹脂を無溶剤の樹脂液の形態で施す。塗工法としては、
従来公知の塗工法であるグラビアロールコート等による
溶液塗工や、アプリケータ等による熔融塗工(溶融塗
工)法により施せばよい。希釈溶剤を添加せずに用いれ
ば、溶剤乾燥は不要である。例えば、感熱溶融型接着剤
は、それぞれ無溶剤のホットメルト接着剤として使用で
きる。また、電離放射線硬化型接着剤なども無溶剤で施
すことができる。ホットメルト型接着剤として使用する
場合は無溶剤なので、転写直前の塗工でも溶剤乾燥が不
要で、高速生産できる。なお、接着剤の塗布量は、接着
剤の組成、被転写基材の種類及び表面状態で異なるが、
通常10〜200g/m2 (固形分)程度である。
【0057】また、接着剤をホットメルト接着剤として
用いる場合で、さらに被転写基材の凹凸形状に転写シー
トを追従変性させて転写する場合には、必然的に転写シ
ートの支持体として、ポリプロピレン系樹脂等の熱可塑
性樹脂シートのように室温乃至加熱状態で熱可塑性或い
はゴム弾性を呈するものを選ぶ必要があるが、これは別
の観点から観ると支持体に耐熱性が低いものを選ばざる
を得ないということを意味する。故に、該接着剤を熔融
塗工して転写シートとする場合、接着剤層を厚く塗工す
ると、熔融塗工時の熱で支持体が軟化し、また、接着剤
塗工装置において加熱状態のアプリケータローラにシー
トが粘着し、引きずられてシートが伸びたり、歪んだ
り、或いは巻き込まれたりすることがある。
【0058】そこで、このような場合には、シートに接
着剤を直接に熔融塗工せず、離型シート(セパレータ)
経由で接着剤を施して転写シートとするとよい。すなわ
ち、耐熱性及び離型性のある離型シートに、接着剤を加
熱熔融塗工後、塗工された接着剤により離型シートと、
転写シートになるシートとをニップローラ等により一旦
熱ラミネートし、次いで、剥離ローラ等により離型シー
トのみをシートから剥離することで、シートへの熱ダメ
ージを少なくして、接着剤層が形成された転写シートと
することができる。なお、離型シートには延伸性等は不
要で、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートシート、ポ
リエチレンナフタレート、ポリアリレート、ポリイミド
等の耐熱性樹脂シートや紙等を基材として、この表面を
シリコーン樹脂、ポリメチルペンテン等の塗工で、離型
処理した従来公知の離型シートが使用できる。離型シー
トの厚みは通常50〜200μm程度である。
【0059】なお、接着剤に感熱溶融型接着剤を用い、
接着剤を活性化して熱融着させるために加熱するタイミ
ングは、衝突圧印加前、衝突圧印加中、或いは衝突圧印
加前及び印加中などのいずれでもよい。接着剤の加熱は
転写シートや被転写基材を加熱して行う。接着剤が施さ
れた材料(転写シートや被転写基材)を加熱してもよ
く、接着剤が施されていない側の材料を加熱してもよ
く、或いはこれら両方の材料を加熱してもよい。また、
衝突圧印加中の加熱には、加熱固体粒子や、固体粒子加
速用の流体を加熱流体として用いてもよい。
【0060】一方、転写シートが被転写基材の表面形状
に追従し、成形され、接着剤が十分活性化すれば、冷風
等の冷却手段で接着剤の冷却を促進してもよい。冷風
は、転写シート側や被転写基材側から吹き付ける。ま
た、冷却手段として、冷却固体粒子、冷却流体も用いる
こともできる。冷却促進は、被転写基材の凹凸表面の凹
部内部にまで追従成形された転写シートが衝突圧開放後
に復元力がある場合に戻るのも防止する。
【0061】〔固体粒子〕固体粒子としては、ガラスビ
ーズ、セラミックビーズ、炭酸カルシウムビーズ、アル
ミナビーズ、ジルコニアビーズ、コランダムビーズ、ア
ランダムビーズ等の無機粉体である非金属無機粒子、
鉄、炭素鋼、ステンレス鋼等の鉄合金、アルミニウム、
ジュラルミン等のアルミニウム合金、チタン、亜鉛等の
金属ビーズ等の金属粒子、或いは、フッ素樹脂ビーズ、
ナイロンビーズ、シリコーン樹脂ビーズ、ウレタン樹脂
ビーズ、尿素樹脂ビーズ、フェノール樹脂ビーズ、架橋
ゴムビーズ等の樹脂ビーズ等の有機粒子等を使用するこ
とができる。なお、水を固体粒子加速流体に使う場合、
固体粒子には、水で錆や腐食を生じないステンレスビー
ズや、ガラスビーズ、セラミックビーズ、樹脂ビーズ等
の非金属が好ましい。形状は球形状が好ましいが、回転
楕円体、鱗片形状等、その他の形状のものでも用い得
る。固体粒子の粒径としては、通常10〜1000μm
程度である。
【0062】なお、固体粒子は加熱手段や冷却手段を兼
用することもできる。加熱された加熱固体粒子を用いれ
ば、接着剤の加熱活性化やその架橋硬化の促進、或いは
転写シートの加熱による延伸性の向上を転写シートの押
圧と共に行うこともできる。この場合、衝突圧印加前に
他の加熱方法で、ある程度まで転写シート、被転写基材
を加熱しておいてもよい。また、固体粒子は、接着後の
冷却促進目的で、接着時の接着剤の温度よりも低温の固
体粒子を、冷却固体粒子として用いることもできる。ま
た、固体粒子はその一部又は全部を加熱固体粒子、冷却
固体粒子として用いたり、加熱固体粒子を衝突させた
後、冷却固体粒子を衝突させる等と、併用してもよい。
また、他の加熱方法で転写シートや被転写基材、接着剤
等の加熱を要するものを充分に加熱しておき、これに冷
却固体粒子を用いて、転写シートの成形と接着及び冷却
を殆ど同時に行うこともできる。
【0063】固体粒子を加熱又は冷却するには、固体粒
子の貯蔵をホッパ等の形態のタンクに貯蔵する場合は、
タンク内やタンク外壁の設けた電熱ヒータ、加熱蒸気、
冷媒等により加熱手段、冷却手段で行えばよい。また、
固体粒子輸送管の外壁にこれら手段を設けて輸送管にて
加熱又は冷却してもよい。或いは、固体粒子の加速に流
体を用いる場合では、冷却又は加熱した流体を用いて該
流体からの熱伝導で固体粒子を冷却又は加熱することも
できる。その場合、流体も転写シートに衝突させること
で、流体も固体と共に加熱又は冷却手段とすることがで
きる。或いは、前記流体が液体で該液体と共に固体粒子
を貯蔵するタンクを用いる場合では、貯蔵中に固体粒子
及び液体を冷却、加熱してもよい。
【0064】〔固体粒子による衝突圧印加〕固体粒子を
転写シートに衝突させて衝突圧を印加し、転写シートを
被転写基材に押圧するには、固体粒子を噴出する固体粒
子噴出手段から固体粒子を転写シートに向かって噴出さ
せて転写シートに衝突圧を印加する。固体粒子噴出手段
としては、粒子加速器として例えば、回転する羽根車を
用いた噴出器(図3〜図7参照)や、吹出ノズルを用い
た噴出器(図8参照)を使用する。羽根車による噴出器
は、羽根車の回転により固体粒子を加速し噴出するもの
である。吹出ノズルによる噴出器は、固体粒子加速流体
を用いて、固体粒子を高速の該流体の流体流で加速、搬
送して該流体と共に噴出するものである。羽根車や吹出
ノズルには、サンドブラスト或いはショットブラスト、
ショットピーニング等とブラスト分野にて使用されてい
るものを流用できる。例えば羽根車には遠心式ブラスト
装置、吹出ノズルには加圧式や吸引式ブラスト装置、ウ
ェットブラスト装置等である。遠心式ブラスト装置は、
羽根車の回転力で固体粒子を加速し噴出する。加圧式ブ
ラスト装置は、圧縮空気に混合した固体粒子を空気と共
に噴出する。吸引式ブラスト装置は、圧縮空気の高速流
で生ずる負圧部に固体粒子を吸い込み、空気と共に噴出
する。ウェットブラスト装置は、固体粒子を液体と混合
して噴出する。
【0065】また、固体粒子噴出手段としては、吹出ノ
ズルや羽根車以外にも、重力による自由落下を利用して
固体粒子を加速する方法、磁性体粒子を磁場によって加
速する方法等を採用することも可能である。なお、羽根
車、重力、磁場を用いた固体粒子噴出手段の場合は、真
空中で固体粒子を転写シートに向かって噴出させること
も可能である。
【0066】〔羽根車〕図3〜図6は噴出器の粒子加速
器として用い得る羽根車の一例を示す説明図である。こ
の羽根車は、ブラスチング分野にて使用されている遠心
式ブラスト装置に該当する。
【0067】図面では、羽根車812は、複数の羽根8
13がその両側を2枚の側面板814で固定され、且つ
回転中心部は羽根813がない中空部815となってい
る。さらに、この中空部815内に方向制御器816を
内在する。方向制御器816は、外周の一部が円周方向
に開口した開口部817を有する中空筒状で、羽根車8
12の回転軸芯と同一回転軸芯であり、羽根車とは独立
して回動自在となっている。方向制御器816は、使用
時には所定の向きに開口部817を固定して用いる。さ
らに、この方向制御器816の内部に、中空で羽根車8
12の回転軸芯と同一回転軸芯のもう一つの羽根車が散
布器818として内在する(図5参照)。散布器818
は外側の羽根車812と共に回転する。そして、側面板
814の回転中心に回転軸819が固定されており、こ
の回転軸819は軸受820で回転自在に軸支され、電
動機等の回転動力源(図示略)によって駆動回転される
ことで羽根車812が回転する。また回転軸819は、
羽根813を間に有する2枚の側面板814間には貫通
しておらず、軸無しの空間を形成している。
【0068】そして、散布器818の内部に固体粒子P
がホッパ等から輸送管を通って供給される。通常、固体
粒子Pは羽根車812の上方(直上又は斜上方)から供
給する。散布器818内に供給された固体粒子Pは散布
器818の羽根車で外側に飛び散る。飛び散った固体粒
子Pは、方向制御器816の開口部817によって許さ
れた方向にのみ放出され、外側の羽根車812の羽根8
13と羽根813との間に供給される。そして、羽根8
13に衝突し、羽根車812の回転力で加速され、羽根
車812から噴出する。
【0069】なお、固体粒子の噴出方向は、図3〜図4
のように略鉛直下方であるが、水平方向、或いは斜下方
(図示略)等としてもよい。図6(A)及び図6(B)
に方向制御器816の開口部817の向きの設定より固
体粒子Pの噴出方向を調整する噴出方向制御の概念図を
示す(図6(A),(B)では方向制御器816はそれ
ぞれ図示の位置で固定されている)。なお、方向制御器
816は、その開口部817の円周方向、幅方向の大き
さを調整することで、固体粒子Pの噴出量を調整するこ
ともできる。
【0070】なお、図3においては、回転軸819は側
面板814の外側のみで中空部815にまで貫通してい
ない構成となっているが、この他、中空部815の直径
より細い回転軸を該中空部815にまで貫通させたり、
外周に固体粒子通り抜け用の開口部を設けた中空筒状の
回転軸の内部自身を中空部とする構成などを採ることも
可能である(図示略)。
【0071】羽根車の羽根の形は、図3〜図6に示すよ
うな長方形の平板(直方体)が代表的であるが、この
他、湾曲曲面板、スクリュープロペラ等のプロペラ形等
を用いることも可能であり、用途、目的に応じて選択す
る。また、羽根の数は2枚〜10枚の範囲から通常は選
択する。そして、羽根車の形状、羽根の枚数、回転速
度、固体粒子の質量や供給速度と供給方向、方向制御器
の開口部サイズ及び向きの組み合わせにより、加速され
た固体粒子の噴出(吹出)方向、噴出速度、投射密度、
噴出拡散角等を調整する。
【0072】図7は羽根車の別の例を示す説明図であ
る。同図の羽根車812aは、複数の平板状の羽根81
3aがその両側を2枚の側面板814aで固定された構
造である。固体粒子Pは羽根車812aの上方(直上又
は斜上方)から供給する。また、側面板814aは回転
軸819aに対して幅方向の噴出方向の規制もする。固
体粒子Pの噴出方向は、図では水平方向になっている
が、鉛直下方或いは斜下方等が可能である。そして、羽
根車の形状、羽根の枚数、回転速度、固体粒子の質量や
供給速度と供給方向の組み合わせにより、加速された固
体粒子の噴出(吹出)方向、噴出速度、投射密度、噴出
拡散角等を調整する。
【0073】また、上記した羽根車(812、812a
等)には、さらに必要に応じ、固体粒子の噴出取出部分
のみを開口させ、それ以外の羽根車周囲を被覆する噴出
ガイド(不図示)を備えることで、固体粒子の噴出方向
を揃えたり、固体粒子噴出方向制御をすることもでき
る。噴出ガイドの開口部の形状は、例えば、中空の円柱
状、多角柱状、円錐状、多角錐状、魚尾状等である。噴
出ガイドは、単一開口部を有するものでもよいし、或い
は内部がハニカム(蜂の巣)状に区画されたものでもよ
い。
【0074】羽根車(812、812a等)の寸法は、
通常直径5〜60cm程度、羽根の幅は5〜20cm程
度、羽根の長さはほぼ羽根車の直径程度、羽根車の回転
数は500〜5000rpm程度である。固体粒子の噴
出速度は10〜50m/s程度、投射密度は10〜15
0kg/m2 程度である。
【0075】また、羽根車の羽根の材質は、セラミッ
ク、或いはスチール、高クロム鋳鋼、チタン、チタン合
金等の金属等のなかから、固体粒子の種類により適宜選
択すればよい。固体粒子は羽根に接触して加速されるの
で、固体粒子に金属ビーズや無機粒子を用いる場合には
粒子が硬質であるので、羽根には耐摩耗性のよい高クロ
ム鋳鋼、セラミックを用いるとよい。固体粒子に樹脂ビ
ーズを用いる場合には金属粒子に比べれは軟質であるの
でスチールでもよい。
【0076】〔吹出ノズル〕固体粒子を流体と共に噴出
する固体粒子噴出手段として、図8に吹出ノズルを用い
た噴出器840の一例の説明図を示す。なお、同図に示
す噴出器840は固体粒子加速流体として気体を用い、
固体粒子噴出時に該気体と固体粒子を混合して噴出する
形態の噴出器の一例である。同図の噴出器840は、固
体粒子Pと流体Fを混合する誘導室841と、誘導室8
41内に流体Fを噴出する内部ノズル842と、ノズル
開口部843から固体粒子P及び流体Fを噴出する吹出
ノズル844からなる。圧縮機又は送風機(不図示)か
ら適宜加圧タンク(不図示)を経て送られる流体Fを、
内部ノズル842から誘導室841を経て吹出ノズル8
44のノズル開口部843から噴出する際に、誘導室8
41にて高速で流れる流体流の作用で負圧を作り、この
負圧により固体粒子を流体流に導き混合し、流体流で固
体粒子を加速、搬送して、吹出ノズル844のノズル開
口部843から流体流と共に噴出するものである。
【0077】なお、吹出ノズルには、固体粒子加速流体
として液体を用いる吹出ノズル等もある。液体の場合
は、例えばポンプ(不図示、流体が液体の場合)によ
り、流体と固体粒子とを加圧タンク(不図示)に混合貯
蔵しておき、この混合液を吹出ノズルのノズル開口部か
ら噴出するもの等が使用される。
【0078】ノズル開口部の形状としては、中空の円柱
状、多角柱状、円錐状、多角錐状、魚尾状等がある。吹
出ノズルは、単一開口部を有するものでもよいし、或い
は内部がハニカム(蜂の巣)状に区画されたものでもよ
い。流体圧は吹付圧力で通常0.1〜100kg/cm
2 程度である。流体流の流速は、液流では通常1〜20
m/秒程度、気流では通常5〜80m/秒程度である。
【0079】誘導室やノズル部等の噴出器の材質は、セ
ラミック、スチール、チタン、チタン合金等のなかから
固体粒子、流体の種類によって適宜選択すればよい。流
体が液体の場合は、錆、溶解、腐食等を生じない材料を
選ぶ。例えば流体が水ならば、ステンレス鋼、チタン、
チタン合金、合成樹脂、セラミックを用いる。ただし、
表面に防水加工すれば、スチール等でもよい。
【0080】なお、固体粒子は噴出器内壁に沿って通過
するので、固体粒子に金属ビーズや無機粒子を用いる場
合には粒子が硬質であるので、内壁には耐摩耗性のよい
セラミックを用いるとよい。固体粒子に樹脂ビーズを用
いる場合には金属粒子に比べれは軟質であるのでステン
レス鋼でもよい。
【0081】〔流体〕流体は、固体粒子を該流体流によ
って加速、搬送して、該流体と共に固体粒子を固体粒子
噴出手段から噴出させる場合(吹出ノズル等)に使用す
る。流体は固体粒子を加速する固体粒子加速流体であ
る。この流体には気体、液体の何れもが利用可能である
が、通常は取扱いが容易な気体を用いる。気体としては
空気が代表的であるが、炭酸ガス、窒素等でもよい。一
方、液体としては、必ずしも限定されないが、不燃性、
乾燥の容易性、無毒性、低価格、入手の容易性、等から
水は好ましい材料の一つである。この他、フロン、グリ
セリン、シリコン油等の不燃性の液体も使用できる。液
体(気体もそうであるが)は固体粒子と共に転写シート
に衝突させることができる。当然のことながら、液体は
気体よりも密度が高いため、気体よりも液体の方が、流
体流で固体粒子を加速する場合に加速しやすく、しかも
液体が転写シートに衝突する場合に、気体と等速度の衝
突でも、衝突圧は気体に比べてより大きく且つ実用性の
ある衝突圧が得られる。(また、固体粒子との密度差も
少ないので固体粒子の搬送もしやすい。)従って、液体
の場合は、転写圧として固体粒子の衝突圧以外に、液体
の衝突圧も利用でき、その分より大きな転写圧を印加で
き、その結果、転写シートを被転写基材の表面凹凸形状
へ追従させ成形する成形効果により大きなものが得られ
る。また、衝突圧印加時の加熱又は冷却手段として流体
を用いる場合、気体よりも液体の方が比熱が大きいの
で、より大きな加熱又は冷却効果が得られる。また、液
体が水のような電気伝導体の場合は、気体の場合に比べ
て静電気帯電に対する防爆対策もより容易となる。
【0082】〔衝突圧印加形態〕噴出器は、衝突圧印加
領域の面積次第では1個のみの使用でも可能だが、要求
する面積が大きい場合には複数用いて転写シートに衝突
する固体粒子の衝突領域が所望の形状となるようにする
とよい。例えば、転写シート及び被転写基材の送り方向
に直交して幅方向に一直線状に複数列を配置し、幅方向
に直線状で幅広の帯状形状の衝突領域とする。或いは、
図9(A)に示すように噴出器32を千鳥格子状に配置
したり、図9(B)に示すように、噴出器32を一列に
配置するにしても幅方向中央部では送り方向の上流側で
衝突するように配置してもよい。図9(B)に示す配置
では、転写シートの被転写基材への衝突圧による圧接は
幅方向中央部から始まり、次第に幅方向両端部に向かっ
て圧接されて行く。このようにすると、幅方向中央部に
空気を抱き込んだまま、転写シートが被転写基材に密着
することを防止できる。図9(A),(B)のように噴
出器32を幅方向に複数個配列する場合には、個々の噴
出器32の加圧領域が互いに一部重複し、全幅にわたっ
てもれなく加圧できるように配列することが好ましい。
図9(B)はそのような配列の一例を示し、同図におい
て点線部分が加圧領域である。また、衝突圧印加時間を
長くするには、噴出器は転写シート及び被転写基材の送
り方向に向かって2列以上配置する多段配置が好まし
い。
【0083】また、衝突圧は必ずしも衝突領域内で全て
均一にする必要はない。例えば図10は、転写シートの
搬送方向に直交する幅方向の中央部が最大の衝突圧で、
幅方向両端部に行くに従って衝突圧が低下する山型圧力
分布の設定例を示すグラフである。この設定は、圧が高
い所(同図では中央部)から低い所(同図では両側部)
に向かって順次段階的に圧接が進行することを助ける。
ただし、図10の如き圧力分布とする場合、被転写基材
上における衝突圧は、所望の凹凸面への転写が完全に行
えて、なお且つ圧過剰による転写シートの歪み、被転写
基材の変形、破損等の生じない適正圧力範囲内に全て納
まるように調整する。なお、ゴム製転写ローラによる曲
面転写方法では、転写ローラの中央部直径を太めとすれ
ば、圧力的には中央部は強くできるが、中央部と両端部
とで円周長が異なってしまい、接触して圧印加され転写
シートの送りを均一にできない。衝突圧の調整は、噴出
器から転写シートに衝突する固体粒子の速度、単位時間
当たりの衝突する固体粒子数、及び1粒子の質量を制御
することで調整する。これらのうち、固体粒子の速度を
調整するには、例えば羽根車を用いる噴出器の場合は、
羽根車の回転数、羽根車の直径等で調整する。また、吹
出ノズルを用いる噴出器の場合は、バルブの開閉量、バ
ルブに連結する固体粒子を搬送する管の内径の大小、圧
力調整器(レギュレータ)等を用いて噴出器直前の流体
圧(流体単体、又は流体と固体粒子との混合物)の調整
により、噴出する固体粒子及び流体流の速度を制御する
ことで調整する。
【0084】〔噴出器の被転写基材に対する配置方法〕
羽根車を用いた噴出器の場合は、固体粒子の噴出方向は
原理的に羽根車回転軸に平行方向にはあまり広がらず、
該回転軸に直交方向に広がる傾向がある。一方、吹出ノ
ズルの場合は、噴出する固体粒子の広がりは、羽根車に
よる噴出器の場合よりも少なく、且つ広がっても通常は
どの方向にも均一で等方的である。このような噴出器の
特性を考慮して、噴出器の配置は決めればよい。しか
し、一つ噴出器で所望の衝突領域の大きさにできない時
は噴出器を複数用いればよい。
【0085】複数の噴出器を被転写基材の被転写面に対
して配置する場合は、各噴出器は被転写基材に平行に
し、且つ各噴出器の噴出方向が被転写基材の法線方向に
なるような配置が基本である。このような平行配置は、
被転写基材の被転写面の包絡面に垂直に固体粒子を衝突
させ、基本的に衝突圧を最大に有効利用できるからであ
る。従って、例えば、図11のように、被転写基材Bの
被転写面の包絡面(搬送方向に直角の断面形状)が円型
になる円筒状の凸曲面であれば、複数の噴出器32を用
意し各噴出器32が主とし受け持つ個別の衝突面(凸曲
面の接平面)に対して、略垂直に固体粒子が衝突するよ
うに、噴出器の向きを近接する被転写基材Bの包絡面の
法線方向にして配置するとよい。このように噴出器の配
置は、対象とする被転写基材の凹凸形状に合わせて、噴
出器の噴出方向を固体粒子がなるべく垂直に衝突するよ
うに合わせるとよい。ただ、噴出器の向きは、転写シー
ト支持体側面に対して必ずしも垂直にする必要はない。
また、噴出器は多めに設けておき、製造する被転写基材
によっては、一部の噴出器は停止させてもよい。
【0086】〔チャンバ使用での連続転写の一形態〕と
ころで、固体粒子を実際に使用する場合、固体粒子を周
囲の雰囲気中に飛散させずに且つ循環再利用するのが好
ましい。そこで、次に、本発明の一形態として、チャン
バを使用して固体粒子の飛散防止及び循環再利用をしな
がら連続転写を行う曲面転写装置を図12により説明す
る。
【0087】図12に示す曲面転写装置は、長尺の転写
シートSを用い、凹凸表面を有する平板状の被転写基材
Bに装飾層等を順次連続的に転写する装置である。この
装置は、被転写基材Bを搬送する回転ローラ列からなる
基材搬送装置10と、転写シートSを供給する転写シー
ト供給手段20と、チャンバ33内において固体粒子P
を固体粒子噴出手段である噴出器32から噴出して転写
シートSの支持体側に衝突させて衝突圧を順次印加し、
転写シートSを被転写基材Bに押圧する衝突圧印加部3
0を備え、衝突圧印加部30はそのチャンバ33中の噴
出器32下方にエンドレスベルトからなる遮蔽手段1を
転写シートSの幅方向両側部分に一対備えている。遮蔽
手段1の基材搬送方向の位置は、衝突圧の印加領域の両
側部とした。噴出器32は、例えば前記した羽根車利用
のものである。もちろん、吹出ノズル等でもよい。チャ
ンバ33は、転写シートS及び被転写基材Bの出入口を
除いて、衝突圧にさらされる転写シートS及び被転写基
材B、噴出器32の少なくとも開口部を外部から覆い、
固体粒子Pを外部の作業雰囲気中に漏らさないようにし
ている。このため、チャンバ33の内部は、好ましくは
外部よりも気圧を低く(負圧)する。
【0088】図12に示す曲面転写装置では基材搬送手
段10に駆動回転ローラ列を採用しているが、もちろん
無限軌道式のコンベアベルト等を採用しても構わない。
ただし、エンドレスベルトを用い、エンドレスベルトを
連続体、すなわち開口部の無いゴム、金属等から形成す
ると、気流に吹き上げられた固体粒子が存在する場合で
も、エンドレスベルトによって固体粒子が被転写基材の
転写層側に浸入することが防げるのでより好ましい。な
お、基材搬送手段10は被転写基材Bを少なくとも噴出
器32に対向する位置まで搬送するが、図12に示す装
置では、さらにその後、剥離ローラ60まで被転写基材
Bを搬送する。転写シート供給手段20は、シート送出
装置21、シート支持装置22、シート排出装置23、
その他ガイドローラ24等から成る。シート支持装置2
2はチャンバ33内で噴出器32に転写シートSが対向
する手前、即ち遮蔽部材1が被転写基材Bの側面部を宛
てがい覆うまでの間に設けられている(図12(A)で
は分かりやすいように破線で図示してある)。このよう
なシート支持装置22は適宜用いられる。なお、転写シ
ート供給手段20は、転写シートSを少なくとも噴出器
32に対向する位置まで供給するが、同図の装置では、
さらにその後、剥離ローラ60を経てシート排出装置2
3まで搬送する。
【0089】また、衝突圧印加部30は、固体粒子を貯
蔵し噴出器32に供給するホッパ31、衝突後の固体粒
子のホッパまでの帰還路であるドレン管34、固体粒子
を気体と分離する分離装置35、回収固体粒子の搬送気
体を吸引排気する真空ポンプ36等を備える。
【0090】なお、本発明の曲面転写装置は、固体粒子
噴出手段、基材搬送手段、転写シート供給手段、遮蔽手
段等を備えて構成されるが、図12の装置はさらに、転
写シートSを加熱するシート加熱装置40をチャンバ3
3内の噴出器32の上流側に、被転写基材Bを加熱する
基材加熱装置41をチャンバ33外の上流側に、被転写
基材Bに接着剤の塗工や下地塗装等を適宜行う基材塗工
装置50を基材加熱装置41の上流側に、剥離ローラ6
0をチャンバ33外の下流側に、チャンバ33の下流側
で剥離ローラ60の上流側に風冷による冷却装置70を
備えており、さらに、転写シートSと被転写基材Bとの
予備的密着を促進する吸引排気装置90等も備えた装置
となっている。
【0091】先ず、図12の曲面転写装置では、板状の
被転写基材Bを基材搬送装置10で一枚ずつ搬送し、基
材塗工装置50により接着剤を全面或いは凸部のみ等と
所望の部分に塗工する。もしも、接着剤に溶剤分がある
場合は、次の基材加熱装置41で被転写基材B及び接着
剤を加熱すると共に蒸発成分を揮発乾燥させる。なお、
基材塗工装置50及び基材加熱装置41を複数連結し
て、接着剤塗工前に下塗り塗装や下塗り塗装前のシーラ
塗装等を転写と同時に連続的に行ってもよい。そして、
被転写基材Bは加熱装置41で加熱された後、衝突圧印
加部30のチャンバ33内に搬送、供給される。
【0092】転写シートSは、シート送出装置21、シ
ート支持装置22、シート排出装置23等からなる転写
シート供給手段20により張力が加えられ、シート送出
装置21にセットされた供給ロールから巻き出され、ガ
イドローラ24を経て衝突圧印加部30のチャンバ33
内に入る。なお、転写時に接着剤を転写シートSに施す
場合は、転写シートSがシート送出装置21から衝突圧
印加部30に供給される間に、接着剤塗工装置(図示せ
ず)で接着剤を塗工し、さらに溶剤乾燥を要す場合は、
乾燥装置(図示せず)で乾燥後に衝突圧印加部に供給す
る。
【0093】さらに、転写シートSはチャンバ33内に
入ったところで、幅方向両端をシート支持装置22で挟
持されつつ、その転写層側の面を搬送される被転写基材
B側に向けるように対向して被転写基材Bの上方に僅か
に空間を開けて(衝突圧等を作用させない何もしない状
態の場合)、搬送される被転写基材Bと平行に等速度で
移送され、噴出器32に対向する手前までの間、両者の
間隙を維持しながら搬送される。シート支持装置22
は、被転写基材Bの横幅よりも広幅とした転写シートS
の両端を表裏両面から挟持しながら転写シートSの移送
に合わせて回転するベルト等からなる。そして、転写シ
ートSは、チャンバ33内で噴出器32まで搬送されて
いる間に、ヒータ加熱、赤外線加熱、誘電加熱、誘導加
熱、熱風加熱等によるシート加熱装置40で加熱されて
軟化し、衝突圧印加時に延伸されやすくする。シート支
持装置22は、転写シートSが加熱軟化して伸びやすく
なり、シート搬送に支障を来したり絵柄が歪むのを防止
する。なお、この際、転写シートSを被転写基材Bに対
して僅かに離すか又は接触状態として移送するかは、被
転写基材Bの表面凹凸の形状、被転写基材Bの予熱温度
と、転写シートSの熱変形性、接着剤の活性化温度等を
適宜勘案して選択する。なお、図12ではシート加熱装
置40はチャンバ33内に設けてあるので、熱風加熱の
場合は、風量は少なくした方がよい。それは、空気をチ
ャンバ33内に入れることになり、後述するような、チ
ャンバ33内の負圧の維持を邪魔し、また固体粒子Pを
攪拌するからである。なお、基材加熱装置41で加熱さ
れて衝突圧印加部30に供給される被転写基材Bによっ
ても、転写シートSは間接的に加熱される。シート加熱
装置40による加熱は、転写シートSの予熱不要時は省
略できる。
【0094】一方、固体粒子Pはホッパ31からチャン
バ33内にある噴出器32に供給され、そこで図3〜図
6のような羽根車によって加速されてチャンバ33内で
転写シートSに向かって噴出する。この際、被転写基材
Bよりも広幅とした転写シートSは、遮蔽手段1により
その両サイドを被転写基板Bに押圧された状態で搬送さ
れる。そして、転写シートSは、噴出器32から噴出す
る固体粒子Pの衝突にさらされる。衝突時の固体粒子P
の単位時間当たりの運動量の変化分が、転写シートSを
被転写基材Bへ押し付ける衝突圧となる。ここでは、被
転写基材Bは包絡面が略平板状なので、固体粒子Pは転
写シートSの支持体側に概ね垂直に衝突させる分を主体
成分とし、被転写基材B及び転写シートSが搬送される
全幅を衝突領域とする。そして、被転写基材B及び転写
シートSが搬送されるにつれて、長手方向の全領域が順
次衝突圧にさらされて行く。この際、被転写基材Bは基
材搬送方向に平行な2側面を転写シートSの両サイド部
分により覆われた状態になるので、固体粒子Pが接触す
ることが防止される。したがって、転写シートSに衝突
後の固体粒子Pが、転写シートSの両端部の脇を抜けて
チャンバ33の下部に落ちる際に、固体粒子Pは気流や
チャンバ33内壁での反射の影響があっても、被転写基
材Bの前記2側面に到達し接触(衝突)しない。
【0095】そして、転写シートSは、固体粒子衝突圧
で被転写基材Bに押圧され、被転写基材Bの凹凸表面の
凹部内へも転写シートSは延ばされて変形することで、
被転写基材Bの凹凸表面形状に追従して成形されて、活
性化している接着剤により転写層が被転写基材Bに密着
する。転写シートSが密着した被転写基材Bは、衝突圧
開放前から転写シートSがチャンバ33外に出るまでの
間に放冷等により冷却する。
【0096】一方、転写シートSへの衝突に供された後
の固体粒子Pの一部は、転写シートSの両端部の脇を抜
けてチャンバ33の下部に落ち、また残りの部分は転写
シート支持体上に載置されたまま下流側に移送された
後、チャンバ33とは基材搬送装置10の上部のみ別室
に区画された小チャンバ71に入り、そこで冷風送風機
からなる冷却装置70から転写シートS及び被転写基材
B上に向かって冷風を吹き付け、転写シートS上に残留
する固体粒子Pをドレン管34に向かって吹き落とすと
同時に、被転写基材B及び転写シートSを転写シートS
が剥離可能な温度にまで冷却させる。
【0097】チャンバ33の下部に落ちた固体粒子P
は、チャンバ33の下部に集まり、そこからドレン管3
4で吸引され元のホッパ31に収集される。また、固体
粒子Pの回収搬送用としてチャンバ33中の空気も固体
粒子Pと共にドレン管34で吸引され、固体粒子Pの分
離装置35に搬送される。該分離装置35では図示の如
く、気流で搬送されてきた固体粒子Pは水平方向に装置
空洞内に放出され、気体に対して密度の大きい固体粒子
Pは自重で下方に落下し、気体はそのまま水平に流れ
て、フィルターで気流と共に移動しようとする残余の固
体粒子Pを濾過した上で、真空ポンプ36で系外に排出
される。このようにして固体粒子Pが、転写シートS及
び被転写基材Bが出入りするチャンバ33の出入口開口
部から空気と共に周囲に流出しないようにする。
【0098】また、固体粒子Pのチャンバ33系外への
流出防止及び固体粒子Pのチャンバ33からホッパ31
への逆流防止には、チャンバ33内を外部より低圧にす
るとよい。このチャンバ33の圧力調整は、前記真空ポ
ンプ36の排気量、さらに排風機(図示せず)をチャン
バ33に適宜接続してその排気等によるチャンバ33外
に流出する気体量と、噴出器32から固体粒子Pと共に
チャンバ33内に入る気体量(特に、気体を固体粒子加
速流体として用いる吹出ノズル等の噴出器の場合)、さ
らに送風機(図示せず)をチャンバ33に適宜接続して
チャンバ33内に入れる気体量(特に、羽根車による噴
出器の場合)等とのバランスを調整することで行う。
【0099】そして、密着した被転写基材Bと転写シー
トSとは、チャンバ33の外部下流側にある冷却装置7
0で冷風を吹き付けて強制冷却した後、剥離ローラ60
により転写シートSの支持体を被転写基材Bから剥離除
去する。その結果、転写シートSの転写層として装飾層
等が被転写基材Bの凹凸表面に転写形成された化粧材D
が得られる。一方、剥離ローラ60を通過した後の転写
シートSの支持体はシート排出装置23に排出ロールと
して巻き取られる。
【0100】なお、液体を固体粒子加速流体に用いた吹
出ノズルを噴出器とする場合は、冷却装置とは別にその
上流又は下流に、或いは冷却装置自身と兼用で、乾燥機
を設けて、例えば室温又は温風の空気を吹きつけて、液
体を乾燥させるか又は吹き飛ばして除去する。また、接
着剤等に電離放射線硬化性樹脂を用いてこれを硬化させ
る場合は、噴出器と剥離ローラの間に水銀灯(紫外線光
源)等の電離放射線照射装置を設けて硬化させる。
【0101】〔チャンバ使用時の接着剤等の加熱方法〕
以上、本発明の一形態として、チャンバ内で固体粒子を
衝突させる一例を説明したが、チャンバ使用時における
接着剤活性化或いは転写シート延伸性向上等のための加
熱方法をさらに説明する。
【0102】転写シートの加熱手段は任意であり、衝突
圧印加前に加熱する場合には、例えばヒータ加熱、赤外
線加熱、誘電加熱、誘導加熱、熱風加熱等を用いる。図
12の装置は、衝突圧印加前の加熱を、加熱後は冷却さ
れないように噴出器32の直前で行うべく、チャンバ3
3内にシート加熱装置40を設けた例である。ただ、チ
ャンバ33内で加熱しその手段に熱風加熱を用いる場合
は(後述する被転写基材の加熱でも同様だが)、吹き付
け風量は少なくした方がよい。それは、空気をチャンバ
33内に入れることになり、固体粒子加速用に空気を用
いる場合も含めて、固体粒子回収用の真空ポンプの負荷
増になるからである。
【0103】また、シート加熱は図12に例示のように
チャンバ33内で行う以外に、加熱による転写シートS
の伸びがシート搬送に支障を来さないようにすれば、チ
ャンバ33の外部、或いはチャンバ33の内部及び外部
の両方で行ってもよい。また、加熱は転写シートSの裏
面側、表面側、表裏両面の何れから行ってもよい。な
お、シート加熱はシート支持装置22によって幅方向両
端を支持されてから行うのが好ましい。その前ではシー
トが送り方向に伸びたり下方に垂下して移送に支障を来
しやすい。
【0104】衝突圧印加中の加熱手段として、加熱固体
粒子、固体粒子加速用流体を用いる場合はその加熱流体
も使用できる。また、噴出器の間隙に分散して熱源を設
けて加熱してもよい。もちろん、衝突圧の印加中及び印
加前の加熱を併用できるし、衝突圧印加中の加熱のみの
場合もある。
【0105】また、被転写基材に接着剤塗工やシーラ塗
装を施し、基材加熱装置等で溶剤分を加熱乾燥するので
あれば、そこで被転写基材は加熱され、また加熱された
被転写基材から間接的に転写シートもある程度加熱でき
る。従って、転写シートの加熱も必要な場合でも、被転
写基材からの間接的加熱や固体粒子Pや固体粒子加速流
体による加熱で充分な場合には、転写シート専用のシー
ト加熱装置は省略することもできる。
【0106】次に、被転写基材の加熱は、衝突圧印加
前、或いは衝突圧印加中、或いは衝突圧印加前及び印加
中の何れでもよい。被転写基材を加熱することで、転写
シートを熱して延伸性向上を図る場合に、熱せられた転
写シートの温度が低下するのを防止できる。また、被転
写基材側から転写シートを加熱することもできる。被転
写基材の加熱は、チャンバの外部又は内部、或いは外部
及び内部で行えばよい。外部及び内部の加熱では、充分
な予熱が必要な場合でも、長い搬送距離を使って加熱す
ることができる。長い基材加熱装置をチャンバの内部に
設けるために、チャンバ自身の内容積が大きくなるなら
ば、基材加熱装置の一部又は全部をチャンバの外部に設
けて、チャンバの内容積を小さくした方が、固体粒子の
飛散、回収等を考慮した取扱上は有利だからである。
【0107】チャンバの内部で加熱する利点は、衝突圧
印加の直前まで、或いは衝突圧印加中までも加熱できる
ことであり、特に熱容量が大きい被転写基材をその被転
写面近傍のみ効果的に予熱しようとする場合に有効であ
る。なお、上流側に配置した基材塗工装置による塗装や
接着剤を乾燥すべく、溶剤分や水分を蒸発させる役割も
持たせた基材加熱装置の場合は、チャンバ内部に配置す
るのは好ましくない。チャンバ内に充満した蒸発した溶
剤や水分の排気手段が必要となり、また溶剤の場合は防
爆対策を考慮する必要も生じる。このような目的の基材
加熱装置は、チャンバの外部に配置するか、内部に配置
したとしても外部に蒸発用の基材加熱装置(乾燥炉)を
別に配置することが好ましい。もちろん、下塗り塗装は
別ラインで行う形態とすれば、基材加熱装置を乾燥装置
と兼用する必要はない。
【0108】被転写基材の加熱手段としては、誘導加熱
や誘電加熱は基材内部から加熱できるが、一方、ヒータ
加熱、赤外線加熱、熱風加熱は、凹凸表面側からの加熱
が効率的である。また、被転写基材は裏面側からも加熱
してもよい。チャンバの開口部に被転写基材が搬送され
た後に、衝突圧印加直前又は印加中まで加熱するなら
ば、基材裏面側からの加熱は、装置スペース的にも好ま
しい。衝突圧印加中加熱は、衝突圧印加部上流側での加
熱に加えて、噴出器の間隙に分散して熱源を設けてもよ
い(転写シートを通しての加熱となる)。
【0109】〔接着剤の強制冷却〕接着剤が熱融着型の
場合は、転写シートが被転写基材に密着した後に接着剤
を強制冷却すれば、凹部内部にまで追従、成形された転
写シートの固着化を促進して、転写シートに復元力があ
る場合に圧解放後、転写シートが元の形状に戻ることを
防止し、転写シート(の支持体)の剥離除去をより早く
できるので、転写抜け防止や生産速度向上が図れる。こ
のためには、衝突圧印加中に、衝突圧を開放しないまま
冷却固体粒子を用いたり、或いは固体粒子加速流体を用
いる場合は冷却流体を用いたり、衝突圧印加後に、風冷
等の他の冷却手段を用いて接着剤層を冷却するとよい。
被転写基材の熱容量が大の場合は、冷却固体粒子及び冷
却流体以外にも、低温流体の吹き付け、基材搬送用のロ
ーラやベルトコンベア等の冷却により、被転写基材を裏
面から冷却できる。或いは、チャンバ内でのこれら冷却
の後にチャンバ外で、或いはチャンバ内では冷却せずに
チャンバ外のみで、表や裏からの冷風吹き付け等で冷却
してもよい。
【0110】〔空気抜き〕衝突圧印加前に、転写層や被
転写基材上の接着剤層等となる接着剤が加熱されたとし
ても活性状態とならないならば、或いは活性状態になる
前の時間的過程が使えるならば、被転写基材と転写シー
トとの非粘着の接触を行えるので、転写シートを被転写
基材の凹凸表面に接触させて、転写シートと被転写基材
間の空隙の空気を強制的に抜き取る「空気抜き」をする
とよい。空気抜きを行うことで、転写シートと被転写基
材間の空気が転写時に残留する「エア噛み」、さらには
それに起因する転写抜けを防げる。空気抜きは、例えば
図12の装置では、吸引排気ノズル91及び真空ポンプ
92等からなる吸引排気装置90で行う。吸引排気ノズ
ル91は、転写シートSの転写層側で、且つ搬送される
被転写基材Bの搬送方向に沿う両辺に隣接する両側に、
被転写基材Bの搬送方向に沿って遮蔽手段1の手前まで
設け、転写シートSと被転写基材Bの間の空気を真空ポ
ンプ92で吸引して排気すればよい。吸引排気ノズル9
1の開口部外周は例えばブラシで囲いそのブラシ先端を
被転写基材B及び転写シートSに接触させれば、それら
の搬送に支障なく空気抜きができる。なお、空気抜きと
転写シートの予熱とのタイミングは、転写シートが予熱
されて軟化する速度、軟化の度合いにもより、どちらを
先に開始してもよいし、両方を同時に開始してもよい。
この空気抜きは、被転写基材の被転写面が例えば岩肌調
やスタッコ調等の凹凸面の場合は効果的である。
【0111】〔その他〕以上、本発明の曲面転写方法及
び装置を説明してきたが、本発明は上記で説明した事項
に限定されるものではない。例えば、遮蔽手段1として
は図1、図2で例示したエンドレスベルト(無限軌道)
の他に、図13及び図14に示すような回転ローラ列か
らなるものであってもよい。なお図13は基材搬送方向
(X軸方向)に直交する平面でYZ面で切断した断面
図、図14は図13を基材搬送方向に直交するY方向か
ら見た側面図である。(ただし、遮蔽手段1を構成する
ローラの軸受や駆動機構の図示は略す。)また図12の
装置による説明では、転写シートの被転写基材への圧接
は、長尺帯状の転写シート及び枚葉の被転写基材を用
い、両者を一体的に搬送移動させつつ、固定の噴出器で
固体粒子衝突圧を連続印加する形態であったが、被転写
基材及び転写シートともに枚葉の形態で供給する形態で
も構わない。
【0112】また、噴出器の固体粒子噴出方向と転写シ
ート及び被転写基材との位置関係については、両者とも
に水平面内に載置し、その上方から鉛直方向に真下に固
体粒子を噴き出す位置関係に限定されない。噴出方向が
転写シート支持体面と垂直関係を維持したとしても、転
写シートの載置又は搬送方向は水平面内以外にも、斜面
内(図示略)、鉛直面内(図7(B))等がある。ま
た、転写シートが水平面内でも、支持体を下側とし下か
ら上に向けて固体粒子を噴出させ衝突させてもよい。も
ちろん、転写シート支持体面に対して角度をもって固体
粒子を噴出してもよい。
【0113】また、衝突圧印加前に、弾性体ローラによ
る転写シートの被転写基材への押圧を予備的に行っても
よい。
【0114】また、チャンバ内に窒素等の不活性ガスを
充満させて、転写層の下地塗膜層等に(硬化前の)電離
放射線硬化性樹脂を用いる場合に、空気中の酸素、水蒸
気等が該樹脂の硬化を阻害するのを防止してもよい。
【0115】〔化粧材〕本発明で得られる化粧材は、外
壁、塀、屋根、門扉、破風板等の外装材、壁面、天井等
の建築内装材、窓枠、扉、手摺、敷居、鴨居等の建具、
箪笥等の家具の表面材、弱電・OA機器のキャビネッ
ト、或いは自動車等の車両内装材等の各種分野で用いら
れ得る。
【0116】なお、転写後の化粧材の表面に、さらに透
明保護層を塗装する等してもよい。このような透明保護
層としては、ポリ4フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリ
デン等のフッ素樹脂、ポリメタクリル酸メチル等のアク
リル樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂の1種又は2
種以上等をバインダーとし、これに必要に応じて、ベン
ゾトリアゾール、超微粒子酸化セリウム等の紫外線吸収
剤、ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤等の光安定剤、
着色顔料、体質顔料、滑剤等を添加した塗料を用いる。
塗工はスプレー塗装、フローコート等を用いる。透明保
護層の膜厚は1〜100μm程度である。
【0117】
【実施例】次に、本発明の実施例を説明する。
【0118】先ず、図15(A)の平面図及び図15
(B)の要部斜視図に示す如き三次元的表面凹凸を有す
る被転写基材Bを用意した。この被転写基板Bは、大柄
な凹凸として深さ1.5mm、開口幅5mmの目地の溝
状凹部401と、煉瓦積み模様の平坦凸部402とを有
し、微細な凹凸として平坦凸部上に深さが0.1〜0.
5mmの範囲に分布する梨地調の微細凹凸403を有し
てなり、これら大柄な凹凸と微細な凹凸とが重畳した三
次元的表面凹凸を有する厚さ12mmのケイ酸カルシウ
ム板である。そして、該凹凸面に下地塗装及び下塗り塗
装を別の装置によりオフラインで行った。
【0119】また、転写シートは支持体に厚さ100μ
mのエチレン・プロピレン・1ブテン共重合体からなる
熱可塑性エラストマーのシートを使用し、その片面に、
転写層となる装飾層として被転写基材Bの凹凸面形状と
位置同調したセメントの目地を有する煉瓦調の絵柄を順
次グラビア印刷したものを用意した。絵柄インキのバイ
ンダーの樹脂としては、アクリル樹脂と塩化ビニル−酢
酸ビニル共重合体との8:2(重量比)の混合物を、ま
た、着色顔料としては、弁柄、イソインドリノン、カー
ボンブラック、チタン白を用いた。
【0120】本実施例では図12に示すような装置であ
って、噴出器に図3〜図6のような羽根車を用いた曲面
転写装置を使用した。そして、上記被転写基材Bを、そ
の凹凸面を上にして搬送用ローラ列からなる基材搬送手
段10上に載置して搬送し、基材塗工装置50にて、ポ
リアミド系樹脂からなる無溶剤のホットメルト型の感熱
溶融型接着剤を30g/m2 溶融塗工した後、基材加熱
装置41で接着剤及び被転写基材Bを加熱してから衝突
圧印加部30に供給した。一方、転写シートSは、転写
シート供給装置20により、その支持体側を上にして、
しかも絵柄の目地部と被転写基材Bの目地状の溝状凹部
とが位置合わせ(見当合わせ)されるようにして衝突圧
印加部30に供給した。被転写基材Bが衝突圧印加部3
0のチャンバ33に入ったところで、転写シートSを被
転写基材Bに接近させた。そして、1対のエンドレスベ
ルト状のシート支持装置22で転写シートSの幅方向両
端を表裏で挟持した。その状態で、転写シートSの支持
体側から電熱線ヒータによる輻射熱を用いたシート加熱
装置40により、転写シートSの予熱、接着剤の活性
化、被転写基材Bの加熱を行った。
【0121】次に、シート支持装置22が転写シートS
の幅方向両端を解放した下流側で、今度は転写シートS
が被転写基材Bの両側端の外側において搬送方向に沿っ
て設置された一対のエンドレスベルトからなる遮蔽手段
1と基材搬送手段10との間で挟持されるようにした。
そして、基材搬送装置10と転写シートSとの間隙が封
じられた状態で噴出器32直下に搬送する。この際、転
写シートSの両側端は遮蔽手段1から各々外方に10m
m余るようにした。
【0122】次いで、固体粒子Pとして平均粒径0.4
mmの球形の亜鉛球を噴出器32から噴出させ、転写シ
ートSの支持体側に衝突させて、転写シートSを被転写
基材Bに圧接した。噴出器32の羽根車の回転数は36
00rpm、固体粒子の噴出速度は40m/sであっ
た。そして、転写シートSが目地の凹部内にまで延ばさ
れて熱融着し、チャンバ33から外部に出た直後に遮蔽
手段1の挟持を開放するとともに冷却装置70で冷風を
吹き付けて、接着剤を冷却して接着温度以下に冷却した
後、転写シートSの支持体を剥離ローラ60で剥がし取
り、化粧材Dを得た。得られた化粧材Dは表面凹凸に追
従して絵柄が転写されていた。また、固体粒子Pの裏回
りによる被転写基材Bの側面部分への固体粒子の付着及
び転写層の抜けは認められなかった。さらに、この化粧
材Dの転写層の表面に、2重量%のベンゾトリアゾール
系紫外線吸収剤を含むポリフッ化ビニリデンのエマルシ
ョン塗料を乾燥時厚さ10μmに塗布して透明保護層を
形成し、透明保護層付きの化粧材を得た。
【0123】
【発明の効果】本発明によれば、大きな三次元的凹凸表
面が装飾された化粧材を容易に得ることができる。もち
ろん、窓枠、サッシ等の二次元的凹凸も可能であり、平
板状の板材以外にも、瓦のように全体として(包絡面形
状が)波うち形状のもの、或いは凸又は凹に湾曲した形
状のものでも容易に得ることができる。そして、エチレ
ン・プロピレン・ブテン共重合体樹脂からなる熱可塑性
エラストマーを支持体に用いた転写シートを使用するこ
とにより、曲面転写性を向上させることができる。した
がって、大柄な凹凸表面の凸部上、凹部内(底部や凸部
と底部の連結部分である側面)も転写できる。また、大
柄な凹凸の凸部上に、さらに微細な凹凸模様(例えば、
ヘアライン、梨地等)が有る場合でも、その微細凹凸の
凹部内にまで転写にて装飾できる。また、従来のゴムロ
ーラ押圧方式のように、被転写基材の凹凸部によるロー
ラ等部品の損耗も無い。以上の結果、従来になく極めて
意匠性に優れた化粧材が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る曲面転写装置の断面図である。
【図2】同じく曲面転写装置の要部の斜視図である。
【図3】羽根車を用いた噴出器の一例を示す斜視図であ
る。
【図4】図3の噴出器の正面図である。
【図5】図3の噴出器内部の説明図である。
【図6】図3の噴出器にて噴出方向を調整する説明図で
ある。
【図7】羽根車を用いた噴出器の別の例を示すもので、
(A)は正面図、(B)は側面図である。
【図8】吹出ノズルを用いた噴出器の一例を示す断面図
である。
【図9】噴出器の配置状態の例を示す図で、(A)は千
鳥格子状に並べた状態の配置図、(B)は中央部は上流
側にして両端になるにつれて下流側にずらした状態の配
置図である。
【図10】衝突圧の幅方向の圧力分布の設定例を示す説
明図である。
【図11】噴出器の向きの一例を流れ方向から見た状態
で示す側面図である。
【図12】本発明の曲面転写方法を実施し得る曲面転写
装置の一例を示す図で、(A)は基材搬送方向の側面か
ら見た概略図、(B)は(A)の噴出器の部分を基材搬
送方向から見た概略図である。
【図13】回転ローラ列を用いた遮蔽手段の例を示すY
X面での断面図である。
【図14】図13のY軸方向から見た側面図である。
【図15】被転写基材の三次元表面凹凸の一例を示す説
明図であり、(A)は平面図、(B)は要部斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 遮蔽部材 2 噴出器 3 チャンバ 10 基材搬送装置(基材搬送手段) 20 シート供給手段 21 シート送出装置 22 シート支持装置 23 シート排出装置 24 ガイドローラ 30 衝突圧印加手段 31 ホッパ 32 噴出器(固体粒子噴出手段) 33 チャンバ 34 ドレン管 35 分離装置 36 真空ポンプ 40 シート加熱装置 41 基材加熱装置 50 基材塗工装置 60 剥離ローラ 70 冷却装置 71 小チャンバ 90 吸引排気装置 91 吸引排気ノズル 92 真空ポンプ 401 溝状凹部 402 平坦凸部 403 微細凹凸 812,812a羽根車 813,813a 羽根 814,814a 側面板 815 中空部 816 方向制御器 817 開口部 818 散布器 819,819a 回転軸 820 軸受 840 吹出ノズルを用いた噴出器 841 誘導室 842 内部ノズル 843 ノズル開口部 844 ノズル S 転写シート B 被転写基材 P 固体粒子 F 流体 D 化粧材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉川 浩久 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 菅 玲子 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−64800(JP,A) 特開 昭61−68299(JP,A) 特開 平9−111055(JP,A) 特開 平5−77371(JP,A) 特開 平6−297335(JP,A) 特開 平10−297184(JP,A) 実開 昭63−161900(JP,U) 実開 昭61−176236(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B44C 1/165 B41M 1/40

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 凹凸表面を有する被転写基材の凹凸表面
    側に、支持体と転写層とからなる転写シートの転写層側
    を対向させ、該転写シートの支持体側に固体粒子を衝突
    させ、その衝突圧を利用して被転写基材の凹凸表面への
    転写シートの圧接を行い、転写層が被転写基材に接着し
    た後、転写シートの支持体を剥離除去することで、転写
    層を被転写基材に転写する曲面転写方法であって、エチ
    レン・プロピレン・ブテン共重合体樹脂からなる熱可塑
    性エラストマーを支持体に用いた転写シートを使用する
    ことを特徴とする曲面転写方法。
  2. 【請求項2】 エチレン・プロピレン・ブテン共重合体
    樹脂からなる熱可塑性エラストマーを用いた支持体上に
    転写層を形成してなることを特徴とする転写シート。
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