JPH1134274A - 化粧板の製造方法 - Google Patents

化粧板の製造方法

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JPH1134274A
JPH1134274A JP9201017A JP20101797A JPH1134274A JP H1134274 A JPH1134274 A JP H1134274A JP 9201017 A JP9201017 A JP 9201017A JP 20101797 A JP20101797 A JP 20101797A JP H1134274 A JPH1134274 A JP H1134274A
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JP9201017A
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Inventor
Reiko Suga
玲子 菅
Kazuhiro Suga
和宏 須賀
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 転写により装飾層及び保護層を形成して、耐
擦傷性、耐水性等の表面物性に優れた化粧板を得る。 【解決手段】 支持体1上の転写層2として少なくとも
装飾層4を有する装飾層転写シートS1を用いて、被転
写基材Bに転写層を転写した後、更に、電離放射線硬化
性樹脂の非流動状態の未硬化層からなる保護層5を有す
る保護層転写シートS2又はS2aを用いて、転写され
た転写層上に保護層を転写し、しかる後、転写された保
護層を電離放射線で架橋硬化させる。転写時の転写圧押
圧方法としては、弾性体ローラRや、固体粒子Pの衝突
圧を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、住宅の外装及び内
装材、家具、家電製品等の各種用途に用いられる化粧板
として、特に耐水性、耐擦傷性、耐候性等の表面物性に
優れた化粧板の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、化粧板に耐水性、耐擦傷性、
耐候性等の表面物性を持たせる為の方法には各種方法が
ある。 その一つは化粧板となる基材表面に直接、保護層とし
てアクリルウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂
等の樹脂塗料をスプレー塗装等により塗装して、耐水性
等の所望の表面物性を付与する方法である。 また、転写シートによる転写で基材表面を予め装飾層
で装飾した後、保護層として、熱硬化型樹脂塗料を塗装
する方法もある。 また、例えば、多官能(メタ)アクリレートモノマー
等からなる紫外線硬化型塗料で、基材に直接、或いは装
飾層が転写された後の基材に、スプレー塗装した後、紫
外線照射で架橋硬化させて保護層とする方法等もある。 また、転写層として装飾層等の他に多官能(メタ)ア
クリレートモノマー等の紫外線硬化性樹脂等による保護
層も設けた転写シートを用いて、装飾層等と共に保護層
も転写で同時形成する方法もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記
の直接塗装で列記した様な樹脂塗料では、得られる保護
層の表面硬度が低い為に、堅い部分に接触すると傷付き
易かった。また、模様や絵柄を付与できず、装飾効果は
乏しく意匠感に優れた化粧板は得られない。また、前記
の転写シートによる装飾層形成と、塗装による保護層
形成とを組み合わせた方法では、得られる保護層の表面
物性は優れ、且つ任意の模様(絵柄)を付与し得るが、
全面塗装するのに時間がかかる上、保護層の熱硬化型樹
脂塗料の硬化反応に時間を要し、生産能率に難点があっ
た。その上、保護層のムラ(特に凹凸基材では凹部と凸
部との厚みの差を生じる)や抜け等の塗装欠点も多かっ
た。また、前記の紫外線硬化型塗料をスプレー塗装す
る方法では、得られる保護層の表面物性は優れるが、や
はり塗装時間の問題、保護層の塗装欠点の点ではと同
様であった。また、前記の転写層に保護層を設けた転
写シートを用いる方法では、転写シート上の保護層とし
て完全硬化していない固形の未硬化物を用い、転写後に
完全硬化させる事も出来る。こうすれば、凹凸表面へも
保護層を追従成形させて転写できる。しかし、この場
合、架橋密度を上げて表面耐久性を向上させ様とする
と、比較的低分子量のプレポリマーやモノマーの配合比
を高める必要があるが、その場合、未硬化物の保護層に
粘着性が出る傾向がある。その結果、転写シートの製造
段階において、印刷機にてシートを搬送できず、また、
粘着性の保護層が版に取られてしまって保護層の上に更
に装飾層や接着剤層を形成できなくなる。ところで、転
写シート上の保護層を完全硬化物とすれば、上記欠点は
生じ無い。しかし、その代わりに、保護層が硬くて脆く
なる為、凹凸形状の被転写基材に転写すると保護層に亀
裂を生じ易くなるという問題が生じてしまう。
【0004】そこで、本発明は、平面はもちろん凹凸表
面に対しても、装飾層と保護層とを転写により形成し、
耐水性、耐擦傷性、耐候性等の表面物性に優れた化粧板
を製造する方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、上記課題を解決
すべく、本発明の化粧板の製造方法では、支持体上の転
写層として少なくとも装飾層を有する装飾層転写シート
を用いて、被転写基材に転写層を転写した後、更に、電
離放射線硬化性樹脂の非流動状態の未硬化層からなる保
護層を有する保護層転写シートを用いて、転写された転
写層上に保護層を転写し、しかる後、転写された保護層
を電離放射線で架橋硬化させる様にした。この結果、被
転写面が凹凸面であっても保護層に亀裂を生じること
も、また塗布ムラを生ずることも無く、任意の模様を付
与でき、しかも擦傷性等の表面物性に優れた表面物性の
化粧材を転写で製造することを可能とした。
【0006】また、本発明の化粧板の製造方法では、上
記装飾層転写シート、保護層転写シートのどちらか片方
又は両方の転写時の転写圧押圧方法として、弾性体ロー
ラを用いる様にした。弾性体ローラは被転写基材が平面
又は比較的凹凸が平坦的な場合に用いると良い。また、
本発明の化粧板の製造方法では、上記装飾層転写シー
ト、保護層転写シートのどちらか片方又は両方の転写時
の転写圧押圧方法として、固体粒子の衝突圧を用いる様
にした。固体粒子衝突圧は被転写基材の表面凹凸が大き
い場合に用いると良い。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の化粧板の製造方法
を詳述する。先ず、図1は本発明の化粧板の製造方法を
工程順に説明する説明図である。図1(A)は転写前の
装飾層転写シートS1と被転写基材Bとを示す。図1
(A−1)は、装飾層転写シートの一形態を示す断面図
である。図1(A−1)の装飾層転写シートS1は、支
持体1上に、転写層2として剥離層3、装飾層4とがこ
の順に積層された構成である。剥離層3は無くとも良い
が、保護層と装飾層との間に介在しこれら両層の密着性
を向上させる役割を持たせることができる。また、図1
(A−2)は、被転写基材Bであり、ここでは、被転写
基材Bの被転写面には予め接着剤層Aが施されている。
もちろん、接着剤層は、転写シート側に設けても良く、
被転写基材及び転写シートの両方に設けても良い。
【0008】次に、図1(B)は、装飾層転写シートS
1で被転写基材Bに、装飾層4等の転写層2を転写する
工程を説明する図である。図1(B−1)では、転写圧
押圧方法として弾性体ローラRを用いる。一方、図1
(B−2)では、転写圧押圧方法として固体粒子Pの衝
突圧を用いる。固体粒子衝突圧を用いる方法では、被転
写基材Bに、装飾層転写シートS1の転写層2側を対向
させ、該転写シートS1の支持体1側に多数の固体粒子
Pを衝突させ、その衝突圧を利用して、被転写基材への
転写シートの圧接を行う。被転写基材の表面凹凸が大き
な三次元的凹凸の場合には、固体粒子衝突圧を用いるの
が好ましい。
【0009】次に、図1(C)は、装飾層4等からなる
転写層2が被転写基材Bに接着後、装飾層転写シートS
1の支持体1を剥離除去する工程である。
【0010】次に、図1(D)は、保護層転写シートを
説明する断面図である。図1(D−1)は、支持体1上
に保護層5が積層された構成の保護層転写シートS2で
ある。また、図1(D−2)は、支持体1上に保護層5
が積層され、更に保護層5上に別のセパレータ6が積層
された構成の保護層転写シートS2aである。保護層に
粘着性があり、取扱いに支障を来すならば図1(D−
2)の構成の保護層転写シートS2aを用いると良い。
【0011】そして、図1(E)は、装飾層転写後の被
転写基材Bに保護層を転写する工程を説明する図であ
る。保護層の転写は、保護層転写シートS2やS2a等
を用いて行う。ここでも先の装飾層の転写工程と同様
に、転写圧押圧方法には弾性体ローラRや、固体粒子P
の衝突圧を用いる。図1(E−1)は、転写圧押圧方法
として弾性体ローラRを用いる場合である。図1(E−
2)は、転写圧押圧方法として固体粒子Pの衝突圧を用
いる場合である。被転写基材の表面凹凸が大きな三次元
的凹凸の場合には、固体粒子衝突圧を用いるのが好まし
い。
【0012】次に、図1(F)は、保護層5の接着後
に、保護層転写シートS2或いはS2a等の支持体1を
剥離除去する工程である。そして、図1(G)は、保護
層転写シートの支持体1を除去した後、照射装置7によ
り紫外線や電子線等の電離放射線Eを照射して転写され
た保護層5を完全に架橋硬化させて該保護層を架橋硬化
物とする工程である。これら各工程を経て、本発明によ
る製造方法によって装飾層4と共に保護層5が付いた化
粧板Dが得られる。なお、保護層転写シートの支持体1
の剥離除去は、保護層の完全架橋硬化の後でも良い。
【0013】以下、さらに本発明の化粧板の製造方法に
ついて詳述する。
【0014】〔被転写基材〕本発明の化粧板の製造方法
で用いる被転写基材Bとしては、石綿セメント板、石綿
ケイ酸カルシウム板、石膏ボード、ケイ酸カルシウム
板、木片セメント板、押出セメント板、ALC(軽量発
泡コンクリート)板、GRC(硝子繊維強化コンクリー
ト)板等の非陶磁器窯業系無機質板、木材単板や木材合
板、パーティクルボード、集成材、木質中密度繊維板
(MDF)等の木質板、或いは、鉄、アルミニウム、ス
テレンス等の金属板、陶磁器やガラス等のセラミック
ス、ポリプロピレン、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂等の
樹脂成形品等を用いることができる。また、本発明の化
粧板の製造方法では、被転写基材として、特にその被転
写面に凹凸を有する基材に対して効果的である。特に転
写圧に固体粒子衝突圧を用いる場合にはなおさらであ
る。被転写基材の被転写面の凹凸形状は任意だが、例え
ば、複数のタイルや煉瓦を平面に配置した場合の目地、
花崗岩の劈開面、砂目等の石材表面の凹凸、木材羽目
板、浮造木目等の木材板表面凹凸、簓の無い下見張板の
表面凹凸、リシン調、スタッコ調等の吹付塗装面の凹凸
等である。
【0015】(下塗り層)なお、被転写基材の表面に
は、基材内部からのアルカリ分、水分等の流出成分の滲
み出しの遮断、基材表面の目止め、基材の伸縮又は外力
による応力の吸収・緩和、或いは接着剤との接着補助等
が必要な場合には、これら1以上を目的とする下塗り層
を設けておくと良い。例えば、石綿セメント板、石綿ケ
イ酸カルシウム板、石膏ボード、ケイ酸カルシウム板、
木片セメント板、押出セメント板、ALC(軽量発泡コ
ンクリート)板等の非陶磁器窯業系無機質基材からなる
被転写基材の場合には、アルカリ分の滲み出し遮断及び
目止めの為の下塗り層を設けることが好ましい。この様
なアルカリ分対策としての下塗り層としては、耐アルカ
リ性に優れた樹脂を用いる。例えば、アクリルウレタン
樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等を用いた樹脂塗料
で下塗り層を塗工形成する。なかでも、アクリルウレタ
ン樹脂は好ましい。ここでのアクリルウレタン樹脂は、
主剤としてアクリルポリオールを使用し、ヘキサメチレ
ンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ト
リレンジイソシアネート等のイソシアネートさせて反応
させてウレンタ結合等を形成させる2液硬化型樹脂であ
る。また、下塗り層上に装飾層を転写形成する上で、被
転写基材による下地の色彩等の外観を隠蔽する目的で、
隠蔽性の高い顔料を下塗り層中に添加しても良い。隠蔽
性の高い顔料としては、チタン白等を用いることができ
る。なお、下塗り層の形成方法としては、カーテンフロ
ーコート、スプレーコート、軟質ゴムロールやスポンジ
ロール等のロールを使用したロールコート等の各種塗工
方法から、基材表面凹凸形状等により適宜選択する。
【0016】〔装飾層転写シート〕装飾層転写シートS
1は、図1(A−1)例示の如く、支持体1と転写移行
する転写層2とからなり、転写層2は少なくとも装飾層
4からなる。図1(A−1)の様に、更に剥離層3を設
けても良い。また、接着剤層を設けたりしても良い。こ
の装飾層転写シートS1は、従来公知のもので良い。但
し、被転写基材が凹凸表面の場合は、成形性の有るもの
を用いる。
【0017】(支持体)支持体1には、被転写基材が平
面或いは二次元的凹凸表面であれば、延伸性が無い紙等
を用いる事も可能だが、三次元的凹凸表面に適用するに
は、少なくとも転写時には延伸性の有る支持体を用い
る。延伸性のある支持体としては、例えば、2軸延伸ポ
リエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレ
フタレートフィルム、等の熱可塑性ポリエステル系フィ
ルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィル
ム、ポリメチルペンテンフィルム等のポリオレフィン系
フィルム、塩化ビニル樹脂フィルム、ポリアミドフィル
ム等の低延伸又は無延伸の樹脂フィルムを用いることが
てきる。また、ウレタン系熱可塑性エラストマー、オレ
フィン系熱可塑性エラストマー等のエラストマーフィル
ムでも良い。支持体はこれら単層又は異種材料からなる
複層構成の物として用いる。例えば、上質紙にポリプロ
ピレンを積層した構成の支持体は転写性に優れ且つ安価
である点で好ましい支持体の一つである。なお、支持体
の厚みは、通常は20〜200μm程度である。また、
支持体には必要に応じ、その転写層側に転写層との剥離
性を向上させる為、離型層を設けても良い。この離型層
は支持体を剥離時に支持体と共に転写層から剥離除去さ
れる。離型層としては、例えば、シリコーン樹脂、メラ
ミン樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、ポリオレフ
ィン樹脂、ワックス等の単体又はこれらを含む混合物が
用いられる。
【0018】(転写層)転写層2は、少なくとも装飾層
4から構成し、更に適宜剥離層3、接着剤層等も転写層
の構成要素とすることもある。接着剤層を有する構成で
は、転写の際に転写シート又は被転写基材の片方又は両
方に接着剤を施すことを省略できる。
【0019】(装飾層)装飾層はグラビア印刷、シルク
スクリーン印刷、オフセット印刷等の従来公知の方法、
材料で絵柄等を印刷した絵柄層、アルミニウム、クロ
ム、金、銀等の金属を公知の蒸着法等を用いて部分的或
いは全面に形成した金属薄膜層等であり、用途に合わせ
たものを用いる。絵柄としては、被転写基材の表面凹凸
に合わせて、木目模様、石目模様、布目模様、タイル調
模様、煉瓦調模様、全面ベタ等を用いる。なお、絵柄層
用インキは、バインダー等からなるビヒクル、顔料や染
料等の着色剤、これに適宜加える各種添加剤からなる。
バインダーに用いる樹脂は、アルキド樹脂、ウレタン樹
脂、塩化ビニル樹脂、或いはアクリル樹脂、塩化ビニル
−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、セルロース
系樹脂等の単体又はこれらを含む混合物等の一般的なも
ので良く、接着剤層や下塗り層或いは保護層等の接する
層との密着性を考慮して適宜選択する。着色剤の顔料と
しては、チタン白、カーボンブラック、弁柄、黄鉛、群
青等の無機顔料、アニリンブラック、キナクリドン、イ
ソインドリノン、フタロシアニンブルー等の有機顔料を
用いる。
【0020】(剥離層)剥離層としては、前記の絵柄層
用インキのバインダーと同様の樹脂から選択すれば良
い。また、保護層と転写層との密着性を向上させる為に
好ましい態様としては、転写層のうちの少なくとも転写
後に最上層となる層(装飾層、或いは剥離層が有る場合
は剥離層等)に、保護層と同様の未硬化状態の電離放射
線硬化性樹脂を添加する。その添加量は、添加する樹脂
系によっても異なるが、添加される層全量に対し通常5
〜50重量%程度である。5重量%より少ないと一般に
保護層とり接着力向上効果が発現し難い。また、50重
量%より多い場合、特に電離放射線硬化性樹脂の未硬化
物としてモノマーや低分子量のプレポリマーを用いた場
合に、粘着性が発現し易く、転写層を多層化する場合に
重ね刷り(重ね塗り)が困難となる。(但し、ブロッキ
ングについては、後述の保護層転写シートで説明の様に
転写層上に更にセパレータを積層することで解決できる
為、余り重要では無い。)この転写層中の未硬化状態の
電離放射線硬化性樹脂は、保護層を架橋硬化させる時に
同時に硬化する。その結果、転写層と保護層とが化学結
合により層間密着し強固な密着力がえられる。
【0021】〔接着剤〕本発明の化粧板の製造方法で
は、装飾層等からなる転写層を被転写基材に接着させる
為の接着剤は、転写シート側に装飾層を形成した上に更
に接着剤層として予め設けておいても良いし、被転写基
材側に接着剤層として設けても良いし、これら両方に接
着剤層を設けても良い。転写シートに事前に接着剤層を
設けておくことにより、転写の際に、転写シート又は被
転写基材の片方又は両方に、接着剤を施すことを省略す
ることもできる。但し、転写シート側のみに接着剤層を
予め設けておく方法では、転写シートに装飾層等と同時
に印刷等で形成できる上、転写時に設ける手間、装置が
省略できる利点があるが、被転写基材が石綿セメント板
等の非陶磁器窯業系無機質基材で、その表面が粗い場合
は、転写シート側の接着剤層では難しい。この様な場合
には、被転写基材側に、或いは被転写基材及び転写シー
トの両方に接着剤層を設けると良い。転写シートに設け
る接着剤層は、被転写基材(或いはその被転写面に形成
された下塗り層、接着剤層)や装飾層等との密着性、或
いは被転写基材が凹凸表面の場合は更に転写時の伸び適
性等を考慮して適宜選択される。また、被転写基材に設
ける接着剤層は、装飾層転写シートの転写層との密着性
を考慮して適宜選択される。これらの接着剤層に用いる
接着剤としては、具体的には、酢酸ビニル樹脂、アクリ
ル樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂に
よる従来公知の感熱溶融型接着剤や、ウレタン系の湿気
硬化型ホットメルト接着剤、ゴム系接着剤、或いは保護
層で用いるのと同様に、未硬化で常温固体の電離放射線
硬化性樹脂接着剤等を使用できる。なお、転写直前に設
ける場合は、上記の他に、感圧型の粘着剤等の接着剤も
使用できる。接着剤層の形成方法は、カーテンフローコ
ート、スプレーコート、軟質ゴムロールやスポンジロー
ル等のロールを使用したロールコート等の各種塗工方法
から、基材表面凹凸形状等により適宜選択する。また、
無溶剤のホットメルト接着剤の場合は、アプリケータ等
による熔融塗工法でも良い。なお、接着剤の塗布量は、
接着剤の組成、被転写基材の種類及び表面状態で異なる
が、通常10〜200g/m2 (固形分)程度である。
【0022】〔保護層転写シート〕保護層転写シートS
2は、少なくとも支持体1と転写移行する保護層5とか
らなる。この保護層は本発明では、電離放射線硬化性樹
脂の非流動状態の未硬化層からなる層とする。なお、保
護層に粘着性が有る場合は、図1(D−2)如く、保護
層5をセパレータ6で覆った構成の保護層転写シートS
2aとしても良い。セパレータ6は転写時に剥がして保
護層転写シートを使用する。
【0023】(支持体)保護層転写シートに用いる支持
体は、前述の装飾層転写シートに用いる支持体と同様な
物を使用できる。また、支持体には必要に応じ、その保
護層側に保護層との剥離性を向上させる為、支持体の保
護層側に公知の手法に従って、シリコーン樹脂、メラミ
ン樹脂、ポリオレフィン樹脂等からなる離型層(支持体
と共に保護層と分離し剥離除去される層)を形成した
り、或いは、砂目、ヘアライン等の凹凸形状を賦形して
も良い(保護層の表面凹凸模様となる)。
【0024】(保護層)保護層は、被転写基材に転写さ
れた装飾層等からなる転写層上に更に転写され、被転写
基材の表面を被覆して、被転写基材表面に耐水性、耐摩
耗性等の耐久性を付与し、これを保護する層であり、電
離放射線硬化性樹脂の未硬化層から構成する。保護層
は、下に位置する装飾層が見える様に透明な層である。
保護層は少なくとも未硬化状態に於いて非流動状態であ
れば良いが、特に触指乾燥状態とするのが保護層転写シ
ートの取扱いの点からは好ましい。保護層の硬化状態と
しては、全く未硬化状態でも、或いは部分的に(不完全
に)硬化反応が進行した状態でも良い。対象とする被転
写基材の凹凸形状、転写条件、保護層の指触乾燥程度等
により、適当な状態に調整する。一般に、保護層が完全
硬化に近づくと凹凸表面に形成したときに亀裂を生じる
傾向になり、また、全く未硬化に近づくと保護層の指触
乾燥状態でなくなる。しかし、保護層転写シート上の保
護層は、触指乾燥状態では無く粘着性を有する状態でも
良い。但しこの場合には、保護層転写シートの転写の直
前にその支持体上に保護層を形成するか、或いは保護層
をセパレータで覆えば使用できる。但し、保護層の流動
性があると、転写時に保護層が流動して保護層の厚みが
極端に不均一になる傾向がある為、これは避ける。なお
セパレータ(離型シート)には、2軸延伸ポリエチレン
テレフタレートフィルム等の樹脂フィルムや紙等を基材
として、この表面をシリコーン樹脂、ポリメチルペンテ
ン等の塗工で、離型処理した従来公知の物が使用でき
る。厚みは通常50〜200μm程度である。
【0025】未硬化の、つまり完全には硬化していない
電離放射線硬化性樹脂の組成物としては、例えば、次の
(I)や(II)の電離放射線硬化性樹脂を使用でき
る。なお、以下、本発明で言う「室温」とは、保護層転
写シートを製造、保存し、またその支持体の剥離作業を
行う室内(或いは室外)の雰囲気温度を意味する。具体
的値は、気候や作業環境によって異るが、通常は10〜
40℃の範囲である。又、室温は支持体の剥離を行う最
低の温度でもある。
【0026】(I)ラジカル重合性不飽和基を有する、
熱可塑性の次の(1) 又は(2) の2種類の樹脂。 (1) ガラス転移温度が0〜250℃のポリマー中にラジ
カル重合性不飽和基を有するもの。更に具体的には以下
の〜を重合、もしくは共重合させたものに対し、後
述する方法(a) 〜(d) によりラジカル重合性不飽和基を
導入したものを用いることができる。なお、以下におい
て、例えば(メタ)アクリレートとはアクリレート又は
メタクリレートの意味で用いる。 水酸基を有するモノマー;N−メチロール(メタ)ア
クリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒド
ロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート
など。 カルボキシル基を有するモノマー;(メタ)アクリル
酸、(メタ)アクリロイルオキシエチルモノサクシネー
トなど。 エポキシ基を有するモノマー;グリシジル(メタ)ア
クリレートなど。 アジリジニル基を有するモノマー;2−アジリジニル
エチル(メタ)アクリレート、2−アジリジニルプロピ
オン酸アリルなど。 アミノ基を有するモノマー;(メタ)アクリルアミ
ド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、ジメチルア
ミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチ
ル(メタ)アクリレートなど。 スルフォン基を有するモノマー;2−(メタ)アクリ
ルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸など。 イソシアネート基を有するモノマー;2,4−トルエ
ンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレートの1モル対1モルの付加物などのジイソシア
ネートと活性水素を有するラジカル重合性モノマーとの
付加物など。 上記〜のモノマーと共重合可能で上記〜以外
のモノマー;このモノマーは得られる共重合体のガラス
転移温度や物性を調節する共重合成分として使用する。
例えば、メチル(メタ)アクリレート、プロピル(メ
タ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソ
ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メ
タ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキ
シル(メタ)アクリレートなど。
【0027】次に、上述のようにして得られた重合体又
は共重合体を、以下に述べる方法(a) 〜(d) により反応
させてラジカル重合性不飽和基を導入する。 (a) 水酸基を有するモノマーの重合体又は共重合体の場
合には、前述したの(メタ)アクリル酸などのカルボ
キシル基を有するモノマーなどを縮合反応させる。 (b) カルボキシル基、スルフォン基を有するモノマーの
重合体又は共重合体の場合には、前述の水酸基を有す
るモノマーを縮合反応させる。 (c) エポキシ基、イソシアネート基、或いはアジリジニ
ル基を有するモノマーの重合体又は共重合体の場合に
は、前述の水酸基を有するモノマーもしくは前述の
カルボキシル基を有するモノマーを付加反応させる。 (d) 水酸基あるいはカルボキシル基を有するモノマーの
重合体又は共重合体の場合には、前述のエポキシ基を
有するモノマーあるいは前述のアジリジニルを有する
モノマーあるいは前述のジイソシアネート化合物と水
酸基含有アクリル酸エステルモノマーとの1モル対1モ
ルの付加物等のイソシアネート基を有するモノマーを、
付加反応させる。なお、上記反応を行うには、微量のハ
イドロキノンなどの重合禁止剤を加え、乾燥空気を送り
ながら行うことが望ましい。
【0028】(2) 融点が20℃〜250℃であり、ラジ
カル重合性不飽和基を有する化合物。具体的には、ステ
アリル(メタ)アクリレート、トリアクリルイソシアヌ
レート、シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレー
ト、スピログリコールジアクリレート、スピログリコー
ル(メタ)アクリレートなどである。
【0029】また、上記(1) 及び(2) を混合して用いる
こともできる。更に、上記(1) 又は(2) 、又は(1) 及び
(2) の混合物に対して、反応性希釈剤としてラジカル重
合性モノマーを加えることもできる。このラジカル重合
性モノマーは、電離放射線照射による架橋密度を上げて
耐熱性を向上させる。該モノマーとしては、例えば、前
述の〜のモノマーの他に、エチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリ
レート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、
ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、
ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エ
チレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アク
リレート、ポレエチレングリコールジグリシジルエーテ
ルジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジグ
リシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ポリプロピ
レングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリ
レート、ソルビトールテトラグリシジルエーテルテトラ
(メタ)アクリレートなどを用いることができる。配合
量は、前記(1) 又は(2) の単独又は混合物の樹脂100
重量部に対して、0.1〜100重量部で用いることが
好ましい。また、後述(ロ) の非架橋型樹脂を加えること
もできる。
【0030】(II)室温で液状(流動状態)の電離放
射線硬化性樹脂に、室温で熱可塑性固体である非架橋型
樹脂を混合して得られる電離放射線硬化性樹脂。 (イ) 室温で液状の電離放射線硬化性樹脂;分子中にラジ
カル重合性不飽和基を有するプレポリマー又はモノマー
の、単体又は混合物からなる組成物である。或いはカチ
オン重合性官能基を有するプレポリマーやモノマーから
なる組成物である。ラジカル重合性不飽和基を有するプ
レポリマーの例としては、ポリエステル(メタ)アクリ
レート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メ
タ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、ト
リアジン(メタ)アクリレートなどである。ラジカル重
合性不飽和基を有するモノマーの例としては、単官能モ
ノマーとして、メチル(メタ)アクリレート、2−エチ
ルヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル
(メタ)アクリレートなどがある。また、多官能モノマ
ーとして、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ト
リメチールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメ
チロールプロパンエチレンオキサイドトリ(メタ)アク
リレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アク
リレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アク
リレートなどがある。カチオン重合性官能基を有するプ
レポリマーの例としては、ビスフェノール型エポキシ樹
脂、ノボラック型エポキシ化合物等のエポキシ系樹脂、
脂肪酸系ビニルエーテル、芳香族系ビニルエーテル等の
ビニルエーテル系樹脂のプレポリマーがある。
【0031】(ロ) 非架橋型樹脂は、電離放射線による架
橋硬化反応に寄与しない室温で固体の熱可塑性樹脂であ
り、例えば、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリ
エステル系樹脂、或いは、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル
−酢酸ビニル共重合体、ブチラール樹脂等のビニル系樹
脂である。例えば、アクリル系樹脂は、そのモノマーと
して、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチ
ル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−
n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メ
タ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソ
ブチル、(メタ)アクリル酸−n−アミル、(メタ)ア
クリル酸−n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸−n−オ
クチル、(メタ)アクリル酸ラウリル等の(メタ)アク
リル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸−2−ク
ロルエチル、(メタ)アクリル酸−3−クロルプロピル
等の(メタ)アクリル酸ハロゲン化アルキル、(メタ)
アクルル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル
酸−2−ヒドロキシプロピル等の水酸基を持つ(メタ)
アクリル酸エステル、α−クロル(メタ)アクリル酸メ
チル、α−クロル(メタ)アクリル酸エチルなどのハロ
ゲン化 (メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクル
ル酸−1−クロル−2−ヒドロキシエチルなどの水酸基
を持つα−アルキル(メタ)アクリル酸エステル、及び
(メタ)アクリル酸グリシジル等の(メタ)アクリル系
モノマーの1種又は2種以上からなる単独重合体又は共
重合体である。また、これらのアクリル系樹脂は、平均
分子量が50,000〜600,000、ガラス転移温
度が50〜130℃のものを用いることが好ましい。平
均分子量及びガラス転移温度が、共にこれら数値範囲に
あると、室温で液状の電離放射線硬化性樹脂の室温での
流動性を消失させる効果、及び転写シートにおける保護
層の可撓性を兼ね備えることが出来、好適である。
【0032】なお、紫外線又は可視光線にて硬化させる
場合には、上記(I)又は(II)の電離放射線硬化性
樹脂に、さらに光重合開始剤を添加する。ラジカル重合
性不飽和基を有する樹脂系の場合は、光重合開始剤とし
て、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサン
トン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル類を単
独又は混合して用いることができる。また、カチオン重
合性官能基を有する樹脂系の場合は、光重合開始剤とし
て、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳
香族ヨードニウム塩、メタロセン化合物、ベンゾインス
ルホン酸エステル等を単独又は混合物として用いること
ができる。なお、これらの光重合開始剤の添加量として
は、電離放射線硬化性樹脂100重量部に対して、0.
1〜10重量部程度である。また、電離放射線として
は、樹脂中の分子を架橋させ得る光量子を有する電磁波
又は荷電粒子が用いられる。通常用いられるものは、紫
外線又は電子線であるが、この他、可視光線、X線、イ
オン線等を用いる事も可能である。紫外線源としては、
超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアー
ク灯、ブラックライト、メタルハライドランプ等の光源
が使用される。紫外線の波長としては通常190〜38
0nmの波長域が主として用いられる。電子線源として
は、コッククロフトワルトン型、バンデグラフト型、共
振変圧器型、絶縁コア変圧器型、或いは、直線型、ダイ
ナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器を用い、
100〜1000keV、通常は、100〜300ke
Vのエネルギーをもつ電子を照射するものが使用され
る。
【0033】また、上記電離放射線硬化性樹脂に更に、
必要に応じて、各種添加剤を添加することもできる。こ
れらの添加剤としては、例えばシリカ、アルミナ等の微
粉末からなる体質顔料等である。なお、保護層の電離放
射線硬化性樹脂中には、必要に応じて、着色顔料(或い
は染料)、シリカ、アルミナ等の体質顔料、滑剤等を添
加しても良い。なお、保護層自体に着色顔料(或いは染
料)を添加して着色したり、或いは凹凸模様を賦形する
場合は保護層自体が装飾層としても機能する事になる。
【0034】なお、上記電離放射線硬化性樹脂による組
成物を、支持体に施して保護層とするには、従来公知の
グラビアロールコート等による溶液塗工法によれば良
い。また、希釈溶剤を添加せずに用いれば、溶剤乾燥は
不要である。保護層の厚みは通常1〜100μm程度で
ある。なお、保護層自体に十分な接着性が無い場合に
は、保護層の上に更に、接着剤層を形成しても良い。接
着剤としては例えば、装飾層転写シートのところで列記
したものと同様のものを用いれば良い。
【0035】また、転写した後の保護層に電離放射線を
照射して架橋硬化させて完全硬化させる時期は、保護層
転写シートが被転写基材上の既に転写された(装飾層等
からなる)転写層上に転写し、保護層が該転写層と接着
した後であれば、支持体の剥離除去前でも後でもよい。
剥離除去前であれば、保護層は強固な層となっているの
で、剥離除去時に保護層が凝集破壊することもなく、ま
た転写工程と同時にできる点で好ましい。剥離除去前に
保護層を完全硬化させる場合でも、保護層は電離放射線
硬化性樹脂である為に、電離放射線照射で速やかに行え
る。
【0036】〔転写圧押圧方法:弾性体ローラ〕第1の
方法は、図1(B−1)、図1(E−1)に示す様に、
弾性体ローラにより、転写シートを被転写基材に押圧す
る転写圧を与える方法である。弾性体ローラRとして
は、例えば特開平6−99550号公報、特開平8−2
16599号公報等に記載の様な従来公知の転写法で用
いる弾性体ローラを使用することができる。弾性体ロー
ラの弾性体として、シリコーンゴム、フッ素ゴム、バイ
トンゴム、ブタジエンゴム、天然ゴム等を用いる。弾性
体ローラとしては、通常は、鉄等の剛体の軸芯の周囲を
弾性体で被覆した押圧ローラを用いる。但し、被転写基
材の被転写面の表面凹凸が大きい場合には、凹凸形状に
転写シートを追従成形させる為に、弾性体ローラはゴム
硬度が65°以下の軟質の弾性体ローラが好ましい。ゴ
ム硬度が65°が越えると、押圧ローラとして、転写シ
ートを被転写基材表面の凹凸形状に充分に追従成形させ
て、転写層を被転写基材の凹凸表面に接着させることが
できない。また、転写シートの凹凸形状への追従・成形
適性を高める為には、転写シート、基材、又はその両者
を加熱し、転写シートをその熱で軟化させるのが好まし
い。転写シートを加熱する方法の一つとして、軟質弾性
ローラを加熱する方法が有る。加熱法は、赤外線輻射ヒ
ーター、誘電加熱等を採用できる。
【0037】〔転写圧押圧方法:固体粒子衝突圧〕第2
の方法は、図1(B−2)、図1(E−2)に示す様
に、固体粒子衝突圧により、転写シートを被転写基材に
押圧する転写圧を与える方法である。固体粒子を転写シ
ートの支持体側に吹き付けて、その衝突圧を利用する。
図2は固体粒子衝突圧を転写圧に用いる転写装置の一例
の概念図であり、同図により、更に説明する。同図の場
合では、駆動回転ローラ列、ベルトコンベア等の基材搬
送装置10で搬送される被転写基材Bに対して、装飾層
転写シートや保護層転写シートである転写シートSは、
シート送り装置20のシート供給装置21から巻き出し
て、被転写基材上と等速度で搬送しつつ衝突圧圧印加部
30のチャンバ33内で、噴出器32から固体粒子Pを
噴出させて、固体粒子を転写シートの支持体側の面に衝
突させ、その衝突圧で転写シートを被転写基材に押圧し
て転写圧を与える。そして、転写シートが被転写基材に
接着後、剥離ローラ60で転写シートの支持体を剥離す
れば、転写済の転写品Wが得られる。なお、剥離ローラ
通過後の転写シート支持体は、シート排出装置23で排
出ロールとして巻き取られる。転写品Wは、装飾層が転
写された物、或いは保護層が転写された物等である。
【0038】なお、図2は固体粒子衝突圧を用いる転写
方法を説明する為の転写装置の概念図であるので、転写
は一回のみである。しかし、もちろんの事、続けて転写
できる様にすれば、装飾層転写シートによる転写に続け
て、保護層転写シートによる転写も、インラインで同時
に行える。この場合、通常は、どちらの転写にも固体粒
子衝突圧を転写圧として用いる。なお、前記の弾性体ロ
ーラを用いてインランイで装飾層及び保護層の転写を同
時に行う場合も、通常はどちらの転写にも弾性体ローラ
を用いる。
【0039】固体粒子Pは、ホッパ31からチャンバ3
3内にある噴出器32に供給され、そこで加速されてチ
ャンバ33内で転写シートSに向かって噴出する。そし
て、転写シートは、噴出器から噴出する固体粒子の衝突
にさらされる。衝突時の固体粒子の単位時間当たりの運
動量の変化分が、転写シートを被転写基材へ押し付ける
衝突圧となる。被転写基材の幅が広い場合は、噴出器は
転写シート幅方向に通常複数を配置し、固体粒子の衝突
圧を帯状に転写シートに加える。そして、転写シートに
衝突後の固体粒子は、シート支持装置22の側面を迂回
しチャンバ33の下部に集まり、そこからドレン管34
で吸引され元のホッパ31に収集される。また、固体粒
子の回収搬送用としてチャンバ中の空気も、固体粒子と
共にドレン管34で吸引され、ホッパ上部に設けたフィ
ルター等を用いた分離装置35で固体粒子と分離され、
真空ポンプ36で系外に排出される。なお、固体粒子に
は、ガラスビーズ等の無機粒子、亜鉛、鉄等の金属粒
子、ナイロンビーズや架橋ゴムビーズ等の樹脂ビーズ等
の有機粒子、或いは金属等の無機粒子と樹脂とからなる
無機物・樹脂複合粒子等を使用し、粒径は通常10〜1
000μm程度である。噴出器には、羽根車や吹出ノズ
ル等を用いる。羽根車による噴出器は、羽根車の回転に
より固体粒子を加速し噴出するものである。吹出ノズル
による噴出器は、固体粒子加速流体を用いて、固体粒子
を高速の気体や液体等の流体流で加速、搬送させて該流
体と共に噴出するものである。羽根車や吹出ノズルに
は、サンドブラスト或いはショットブラスト、ショット
ピーニング等とブラスト分野にて使用されているものを
流用できる。吹出ノスルで固体粒子を噴出させる場合
は、その流体圧は吹付圧力で通常0.1〜10.0〔k
g/cm2 〕程度、気流の流速は通常5〜80m/秒程
度である。また、羽根車で固体粒子を噴出させる場合
は、固体粒子の噴出速度は10〜50〔m/s〕程度、
投射密度は10〜150〔kg/m2 〕程度である。
【0040】なお、転写シートSは、シートの延伸性向
上が必要な場合は、衝突圧印加直前に、赤外線輻射ヒー
ター、誘電加熱等による加熱装置40で加熱軟化させて
おくと良い。加熱は、図2では、転写シートがチャンバ
33内でシート支持装置22で幅方向両端を挟持されて
搬送される様になってから、赤外線加熱等によるシート
加熱装置40で行い、シートが伸びて搬送に支障を来さ
ない様にしてある。また、シート加熱は、感熱型の接着
剤層が転写シートに施されている場合、その活性化目的
でも行われる。また、図2の装置では、下塗り層や接着
剤層を塗工する基材塗工50、それらを乾燥したり被転
写基材を加熱する基材加熱装置41を、チャンバ33の
上流側に備え、適宜、転写と同時で出来る様にしてあ
る。
【0041】そして、転写シートは、固体粒子衝突圧に
よる転写圧で被転写基材に押圧され、被転写基材の被転
写面が凹凸表面の場合には、その凹部内へも転写シート
は延ばされて変形することで、被転写基材が凹凸表面形
状であっても、その表面形状に追従して成形されて、装
飾層転写シートの場合は接着剤により、保護層転写シー
トの場合は該保護層により被転写基材に密着する。そし
て、図2の場合は、転写シートが密着した被転写基材
は、チャンバ33の下流側の第2チャンバ71内で、除
去装置70(風冷による冷却装置70を兼用)で転写シ
ート上に残留した固体粒子に空気を吹き付けて固体粒子
を吹き飛ばして除去すると同時に、被転写基材及び転写
シートを、転写シートの支持体が剥離可能な温度にまで
冷却させる。
【0042】なお、図2の例では、噴出器の位置は固定
で、被転写基材及び転写シートを移動させて被転写面全
面に衝突圧を印加する方法だが、被転写基材及び転写シ
ートは固定で、噴出器を移動させ、被転写基材一個毎に
間欠的に転写しても良い。
【0043】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例及び比較例で
更に詳述する。
【0044】〔実施例1〕 (被転写基材)被転写基材として、被転写面が平坦面か
らなるケイ酸カルシウム板を用い、表面を除塵後、ウレ
タン樹脂塗料によりシーラー塗装を行った。その後、更
にその表面に2液硬化型アクリルウレタン樹脂塗料をエ
アスプレーにより80g/m2(固形分基準)塗布し、
80℃のオーブンで10分間加熱し、乾燥、硬化させ
た。更に、装飾層の抜けを防ぐ為にアクリルポリオール
とヘキサメチレンジイソシアネートからなる2液硬化型
ウレタン系樹脂からなる接着剤(日本ペイント株式会社
製)をロールコータにて2〜3μm(固形分基準)塗工
し、80℃のオーブンで10分間乾燥し、被転写基材の
温度が60℃になる様に予備加熱した。
【0045】(装飾層転写シート)支持体として、厚さ
60μmのポリプロピレンの離型層を上質紙に積層した
シートを使用し、バインダーにウレタン樹脂を用いこれ
に着色顔料を添加したインキにて、絵柄模様を有する装
飾層をグラビア印刷してた形成して、装飾層転写シート
とした。
【0046】(保護層転写シート)支持体として、厚さ
50μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィル
ム(東レ株式会社製、T−60)を使用し、これに多官
能アクリレート系プレポリマーを主成分とする紫外線硬
化型樹脂をロールコート法により、50μm厚(固形分
基準)となる様に塗工して未硬化の非流動状態の電離放
射線硬化性樹脂からなる保護層を形成し、保護層転写シ
ートとした。
【0047】(装飾層及び保護層の転写)上記の装飾層
転写シートを、予め60℃に予備加熱した前記被転写基
材に対して、150℃に加熱した弾性体ローラ(鉄芯の
周囲をJIS硬度60度のゴムで被覆した物)で押圧し
て、装飾層を転写した。転写速度は3m/分、転写圧力
は5kg/cmとした。装飾層転写シートの支持体を剥
離後、前記保護層転写シートを上記と同構成の弾性体ロ
ーラを今度は190℃に加熱して、上記と同一条件で転
写した。次いで、紫外線源(高圧水銀灯:集光型オゾン
タイプ、80W/cm)を用い、3m/分の速度で送り
つつ紫外線を照射して、保護層を完全に架橋硬化させ
た。その後、支持体を剥離除去して、化粧板を得た。な
お、被転写基材がベルトコンベア上に担持搬送される状
態下で、装飾層の転写と保護層の転写とはインラインで
順次行なわれた。
【0048】〔比較例1〕実施例1において、保護層転
写シートを用いる代わりに、保護層を市販の不飽和ポリ
エステル樹脂100重量部と有機過酸化物系の硬化促進
剤3重量部とからなる熱硬化性樹脂の塗料を用いて、硬
化後の厚さが60μmになる様にスプレーコートして、
形成した。そして、塗布面にビニロンフィルムを介し
て、ローラーにて表面を平滑にし、60℃のオーブン中
に30分間放置した。熱硬化性樹脂が硬化した後に、ビ
ニロンフィルムを剥離して、化粧板とした。
【0049】〔比較例2〕実施例1において、保護層転
写シートを用いる代わりに、多官能アクリレートプレポ
リマーからなる紫外線硬化型樹脂(日本ペイント株式会
社製)を硬化後の厚さが60μmになる様にスプレーコ
ートして、保護層を形成した。その後、実施例1同様に
紫外線源(高圧水銀灯:集光型オゾンタイプ、80W/
cm)を用い、3m/分の速度で送りつつ紫外線を照射
して、保護層を完全に架橋硬化させて、化粧板とした。
【0050】〔実施例1と、比較例1及び2との比較〕
実施例1では、保護層の形成を、比較例1及び2の様に
塗工では無く、予め保護層転写シートを用いて保護層を
形成する為に、塗工ムラが発生し無い。しかも、インラ
インで連続して同時に転写することも可能である為に、
装飾層及び保護層をほぼ同時形成できるので、生産効率
が高い。ちなみに、比較例1及び2では、熱硬化性樹脂
の塗工は装飾層の転写とは全く別ラインとなり、その上
塗膜厚みの均一性も実施例1より劣った。更に、比較例
1では、硬化に30分の時間を要した。
【0051】〔実施例2〕 (装飾層転写シート)支持体として、厚さ100μmの
ポリプロピレン系熱可塑性エラストマーフィルム(エク
セル東海株式会社製、E−2900)に、先ず、下記組
成の剥離インキをグラビア印刷して、厚さ2g/m
2 (固形分基準)の剥離層を形成した。
【0052】 ・剥離インキ アクリル樹脂 40重量部 (ガラス転移温度105℃、平均分子量95,000) 多官能アクリレートオリゴマー 15重量部 γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン処理シリカ 15重量部 光反応開始剤(チバガイギー社製、イルガキュア184) 0.5重量部 メチルエチルケトン 100重量部 トルエン 100重量部
【0053】次に、アクリル樹脂と塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合体との1:1重量比の混合物をバインターに
用い、これにフタロシアニンブルー、カーボンブラック
及びイソインドリノンを顔料として加えてなるインキを
用いて、装飾層として陶器のタイルを二次元配列し、タ
イル間に目地溝を有する模様をグラビア印刷後、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体よりなる接着剤層を2g/m
2 (固形分基準)の厚さでグラビア印刷して、装飾層転
写シートとした。
【0054】(保護層転写シート)支持体として、厚さ
100μmのポリプロピレン系熱可塑性エラストマーフ
ィルム(エクセル東海株式会社製、E−2900)に、
下記組成の保護層インキをグラビア印刷して、厚さ20
g/m2 (固形分基準)の未硬化の電離放射線硬化性樹
脂からなる保護層を形成し、更に、セパレータとして2
軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムをシリコー
ン樹脂系の離型処理をした物を積層して、保護層転写シ
ートとした。なお、セパレータと保護層との剥離強度
を、支持体と保護層との剥離強度よりも小さくしてあ
る。
【0055】 ・保護層インキ アクリル樹脂 40重量部 (ガラス転移温度105℃、平均分子量95,000) 多官能アクリレートオリゴマー 30重量部 ポリエチレンワックス 5重量部 γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン処理シリカ 15重量部 光反応開始剤(チバガイギー社製、イルガキュア184) 0.8重量部 メチルエチルケトン 100重量部 トルエン 100重量部
【0056】(装飾層及び保護層の転写)上記の装飾層
転写シート及び保護層転写シートを用いて、被転写基材
として表面にタイル配列の目地溝を有する厚さ12mm
のケイ酸カルシウム板に、装飾層、次いで保護層を、そ
れぞれ固体粒子衝突圧を用いて転写した。目地溝は、深
さ1.5mm、開口幅5mmで、タイル面に相当する面
は平坦凸部を成している。なお、被転写面にはアクリル
ポリオールとヘキサメチレンジイソシアネートからなる
2液硬化型ウレタン樹脂の下塗り層を予め施した。
【0057】固体粒子衝突圧による転写は、図2に示す
様な装置で、被転写基材Bを、その被転写面を上にして
搬送用ローラ列からなる基材搬送装置10上に載置して
搬送し、基材塗工装置50にて、ポリアミド系樹脂から
なる無溶剤のホットメルト型の感熱溶融型接着剤を30
g/m2 溶融塗工後、基材加熱装置41で接着剤及び被
転写基材を加熱して、衝突圧印加部30に供給した。一
方、装飾層転写シートSは、シート供給装置20によ
り、その支持体側を上にして衝突圧印加部に供給した。
被転写基材Bが衝突圧印加部のチャンバ33に入ったと
ころで、転写シートを被転写基材に接近させ、転写シー
トの目地模様と被転写基材の目地との位置合わせ(見当
合わせ)を行った。そして、1対のエンドレスベルト状
のシート支持装置22で転写シートの幅方向両端を表裏
で挟持した。その状態で、転写シートの支持体側から電
熱線ヒータによる輻射熱を用いたシート加熱装置40
で、転写シートの予熱による軟化、接着剤の活性化、被
転写基材のさらなる加熱を行った。
【0058】次いで、固体粒子Pとして平均粒径0.4
mmの球形の亜鉛球を、噴出器32から噴出させて転写
シートの支持体側に衝突させて、転写シートを被転写基
材に圧接した。噴出器の羽根車の回転数は3600〔r
pm〕、固体粒子の噴出速度は35〔m/s〕であっ
た。そして、転写シートが目地溝の凹部内にまで延ばさ
れて熱融着し、チャンバ33から続いてその下流側に設
けた第2チャンバ71内に於いて冷却装置70で冷風を
吹き付けて、接着剤を冷却して接着温度以下に冷却する
と共に、転写シート上に残留した固体粒子を転写シート
端部からチャンバ下部に向かって落として除去した後、
転写シートの支持体を剥離ローラ60で剥がし取り、転
写品Wを得た。
【0059】次に、この転写品Wに対して、再び図2の
装置で保護層転写シートで保護層を転写した。但し、保
護層転写シートは、チャンバ33の外で予めセパレータ
を剥がしながら衝突圧印加部に供給し、保護層転写シー
ト及び被転写基材は加熱せず室温(25℃)で転写し
た。また、第2チャンバ71の外下流側に設けた電離放
射線照射装置80(160W/cm、2灯)で紫外線照
射して、保護層を完全に架橋硬化してから、支持体を剥
離した。そして、転写品Wとして、化粧板を得た。
【0060】(比較例3)実施例2において、剥離層中
に多官能アクリレートオリゴマーなる電離放射線硬化性
樹脂を含まない装飾層転写シートを用いた他は、実施例
2同様に化粧板を得た。
【0061】〔実施例2と比較例3との比較〕実施例2
及び比較例3について、初期密着力と、二次密着力とし
て、水浸漬7日、寒熱繰り返し(40℃12時間と−1
0℃12時間とを10周期回繰り返す)、沸水2時間浸
漬、サンシャインウェザオメータ100時間(カーボン
アーク灯型、ブラックパネル63℃)の耐候性試験を行
い、試験後の保護層及び装飾層の密着性を、化粧板W上
の転写層に10×10個で合計100個の碁盤目の切り
込みを入れた上で、セロハン粘着テープ(ニチバン株式
会社製、工業用24mm幅)接着・剥離試験で評価し
た。結果を、表1に示す。N/100(0≦N≦10
0)とは、100個中N個の碁盤目がセロハン粘着テー
プ面に剥離されたことを示す。表1の如く、未硬化の電
離放射線硬化性樹脂を剥離層に用いた実施例2では、そ
れを用いなかった比較例3に対して、保護層と装飾層と
の密着性に優れていた。
【0062】
【表1】
【0063】
【発明の効果】 本発明によれば、被転写基材の被転写面が凹凸面であ
っても、保護層に亀裂を生じること無く、任意の模様を
付与でき、しかも耐水性、耐擦傷性、耐候性等の表面物
性等の表面物性に優れた化粧材を転写で製造できる。ま
た、保護層は転写形成するので、保護層の厚みのムラや
抜け等の従来の塗装による欠点が生じず、塗装後の乾燥
等が不要で生産性効率も良い。しかも、未硬化の保護層
を転写後に硬化させ、且つ装飾層と保護層とを別々の転
写シートで形成するので、転写シート上の保護層に粘着
性が有っても良く、保護層に用いる樹脂の選択肢が広が
り、従来に無く表面物性に優れた化粧板が得られる。 また、転写圧に固体粒子衝突圧を用いれば、大きな三
次元的凹凸表面が装飾された化粧板が容易に得られる。
もちろん、窓枠、サッシ等の二次元的凹凸も可能であ
り、平板状の板材以外にも、瓦の様に全体として(包絡
面形状が)波うち形状のもの、或いは凸又は凹に湾曲し
た形状のものでも容易に得られる。しかも、大柄な凹凸
表面の凸部上、凹部内(底部や凸部と底部の連結部分で
ある側面)も転写できる。また、大柄な凹凸の凸部上
に、更に微細な凹凸模様(例えば、ヘアライン、梨地
等)が有る場合でも、その微細凹凸の凹部内にまで、転
写にて装飾できる。また、従来のゴムローラ押圧方式の
様に、被転写基材の凹凸部によるローラ等部品の損耗も
無い。以上の結果、保護層により表面物性に優れ且つ従
来に無く極めて意匠性に優れた化粧板が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化粧板の製造方法の説明図。
【図2】本発明の化粧板の製造方法で、固体粒子衝突圧
を転写圧に用いる転写方法を実施し得る転写装置の一形
態の概念図で、(A)は基材搬送方向の側面から見た図
で、(B)は(A)の装置の噴出器部分を基材搬送方向
から見た概略装置図。
【符号の説明】
1 支持体 2 転写層 3 剥離層 4 装飾層 5 保護層 6 セパレータ 7 照射装置 10 基材搬送装置 20 シート搬送装置 21 シート送出装置 22 シート支持装置 23 シート排出装置 30 衝突圧印加部 31 ホッパ 32 噴出器 33 チャンバ 34 ドレン管 35 分離装置 36 真空ポンプ 40 シート加熱装置 41 基材加熱装置 50 基材塗工装置 60 剥離ローラ 70 除去装置(兼冷却装置) 71 第2チャンバ 80 電離放射線照射装置 A 接着剤層 B 被転写基材 D 化粧板 E 電離放射線 P 固体粒子 S 転写シート(装飾層転写シート、保護層転写シ
ート) S1 装飾層転写シート S2 保護層転写シート S2a 保護層転写シート

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上の転写層として少なくとも装飾
    層を有する装飾層転写シートを用いて、被転写基材に転
    写層を転写した後、更に、電離放射線硬化性樹脂の非流
    動状態の未硬化層からなる保護層を有する保護層転写シ
    ートを用いて、転写された転写層上に保護層を転写し、
    しかる後、転写された保護層を電離放射線で架橋硬化さ
    せる、化粧板の製造方法。
  2. 【請求項2】 転写時の転写圧押圧方法として、弾性体
    ローラを用いる請求項1記載の化粧板の製造方法。
  3. 【請求項3】 転写時の転写圧押圧方法として、固体粒
    子の衝突圧を用いる請求項1記載の化粧板の製造方法。
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