JP5891885B2 - 感熱転写記録媒体 - Google Patents

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Description

本発明は、感熱転写方式のプリンタに使用される感熱転写記録媒体に関するもので、基材に中間層および染料層が順次形成された感熱転写記録媒体に関する。さらに詳しくは、使用後に転写跡の読み取りが困難で機密保持性が高く、同時に、高速印画時における転写感度が低濃度部および高濃度部ともに高い感熱転写記録媒体に関するものである。
一般に、感熱転写記録媒体は、サーマルリボンと呼ばれ、感熱転写方式のプリンタに使用されるインクリボンのことであり、基材の一方の面に感熱転写層、その基材の他方の面に耐熱滑性層(バックコート層)を設けたものである。ここで感熱転写層は、インクの層であって、プリンタのサーマルヘッドに発生する熱によって、そのインクを昇華(昇華転写方式)あるいは溶融(溶融転写方式)させ、被転写体側に転写するものである。
現在、感熱転写方式の中でも昇華転写方式は、プリンタの高機能化と併せて各種画像を簡便にフルカラー形成できるため、デジタルカメラのセルフプリント、身分証明書等のカード類、アミューズメント用出力物等、広く利用されている。そういった用途の多様化と共に、小型化、高速化、低コスト化、また得られる印画物への耐久性を求める声も大きくなり、近年では基材シートの同じ側に印画物への耐久性を付与する保護層等を重ならないように設けられた複数の感熱転写層をもつ感熱転写記録媒体がかなり普及してきている。
前記感熱転写記録媒体を用いて画像を転写した場合、感熱転写層のインクが被転写体側に転写されることによって該感熱転写層側のインクがなくなるか、あるいはインク濃度が低下し、その結果、感熱転写層に画像部分の抜けた転写跡が残る。そうすると、使用済の感熱転写記録媒体から画像を読み取ることが可能であるため、このような感熱転写記録媒体は機密保持性が低いという問題がある。特に、感熱転写記録媒体の基材として透明なフィルムを使用している場合、使用済の感熱転写記録媒体において、感熱転写層が構成された面からだけでなく、他方の面からも透過光によって画像を読み取ることが容易に可能であるという問題がある。
このような問題を解決するために、いくつかの方法が提案されている。例えば、特許文献1には、その使用済部分を加熱し、残ったインクを溶融して印字像を消去することが可能な熱転写記録媒体が提案されている。
また、特許文献2には、基材に色素を混入し、基材上のインクと基材との判別を困難にすることにより、印画後のインクリボン上に残った印刷情報の判読を困難にした感熱転写インクリボンが提案されている。
また、特許文献3には、支持体とインク層との間に、支持体側から順に、金属薄膜層と、インク層と同色で転写することがない中間層とを設けた熱転写記録媒体が提案されている。
特開昭56−053085号公報 特開昭62−124992号公報 特開平01−215582号公報
しかしながら、特許文献1に提案されている熱転写記録媒体を用いる場合には、プリンタに追加して加熱機が必要となるため、装置が複雑になり、コストが上昇するという問題がある。一方、特許文献2に提案されている感熱転写インクリボンには、あらかじめ色素が混入された基材が必要であり、やはりコストが上昇するという問題がある。特許文献3に提案されている熱転写記録媒体には、コスト面では問題がないものの、インク層、中間層および金属薄膜層が重なった構成となっているため、充分な機密保持性を得るために中間層の膜厚を大きくすると、熱転写記録媒体の表裏の熱伝導率が不十分となり、その結果、高速印画時に十分な転写感度が得られないという問題がある。このように、従来技術では、機密保持性が高く、同時に、高速印画時における転写感度が十分に高い感熱転写記録媒体が見出されていない状況である。
そこで、本発明は、上記の問題点に鑑み、使用後に転写跡の読み取りが困難で機密保持性が高く、同時に、高速印画時における転写感度が低濃度部および高濃度部ともに高い感熱転写記録媒体を提供することを目的とするものである。
本発明に係わる感熱転写記録媒体は、基材に中間層および染料層が順次積層形成され、該中間層が、カーボンファイバーを含、該カーボンファイバーの繊維長と繊維径との比(繊維長/繊維径、以下、L/Dという)が10以上であることを特徴とする。
また、本発明に係わる感熱転写記録媒体においては、カーボンファイバーの熱伝導率が10W/(m・K)以上であることが好ましい。
さらに、本発明に係わる感熱転写記録媒体においては、中間層の膜厚が0.05〜2.0μmであることが好ましい。
本発明の感熱転写記録媒体は、基材に中間層および染料層が順次積層形成され、該中間層が、カーボンファイバーを含、該カーボンファイバーのL/Dが10以上であるので、低コストでありながら、使用後に転写跡の読み取りが困難で機密保持性が高く、同時に、高速印画時における転写感度が低濃度部および高濃度部ともに高い。
本発明に基づく実施形態に係る感熱転写記録媒体の側断面図
本発明の一実施例の感熱転写記録媒体は、図1に示すように、基材10の一方の面に、サーマルヘッドとの滑り性を付与する耐熱滑性層40を設け、基材10の他方の面に、基材10側から順に中間層20および染料層30を順次形成した構成である。
基材10としては、熱転写における熱圧で軟化変形しない耐熱性と強度が必要とされ、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、セロファン、アセテート、ポリカーボネート、ポリサルフォン、ポリイミド、ポリビニルアルコール、芳香族ポリアミド、アラミド、ポリスチレン等の合成樹脂のフィルム、およびコンデンサー紙、パラフィン紙などの紙類等を単独で、または組み合わされた複合体として使用可能である。中でも、物性面、加工性、コスト面などを考慮するとポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。また、その厚さは、操作性、加工性を考慮し、2μm以上、50μm以下の範囲のものが使用可能であるが、転写適性や加工性等のハンドリング性を考慮すると、2μm以上、9μm以下程度のものが好ましい。
また、基材10においては、耐熱滑性層40または/および中間層20を形成する面に、接着処理を施すことも可能である。接着処理としては、コロナ処理、火炎処理、オゾン処理、紫外線処理、放射線処理、粗面化処理、プラズマ処理、プライマー処理等の公知の技術を適用することができ、それらの処理を二種以上併用することもできる。本発明では、基材と中間層との接着性を高めることが有効であり、コスト面からもプライマー処理されたポリエチレンテレフタレートフィルムを用いることが好ましい。
次に、耐熱滑性層40は、従来公知のもので対応することができ、例えば、バインダーとなる樹脂、離型性や滑り性を付与する機能性添加剤、充填剤、硬化剤、溶剤などを配合して耐熱滑性層形成用塗布液を調製し、塗布、乾燥して形成することができる。この耐熱滑性層40の乾燥後の塗布量は、特に限定がないが、0.1g/m2以上、2.0g/m2以下程度が適当である。
ここで、耐熱滑性層40の乾燥後の塗布量とは、耐熱滑性層形成用塗布液を塗布し、乾燥した後に残った固形分量のことをいう。また、後述する染料層30の乾燥後の塗布量も、同様に、後述する染料層形成用塗布液を塗布し、乾燥した後に残った固形分量のことをいう。
耐熱滑性層の一例を挙げると、バインダー樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエーテル樹脂、ポリブタジエン樹脂、アクリルポリオール、ポリウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリレート、ニトロセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリル樹脂およびこれらの変性体等を挙げることができる。
次に、中間層20は、カーボンファイバーを含む中間層形成用塗布液を塗布し、乾燥して形成される。
カーボンファイバーは優れた熱伝導性を有しているので、中間層20の熱伝導性が高くなり、その結果、充分な機密保持性を得るために中間層の膜厚を大きくした場合でも、印画エネルギーの小さい低濃度部において高い転写感度を付与することができる。さらに、カーボンファイバーのL/Dが10以上、好ましくは20以上であるので、カーボンファイバー同士が接触した連続体が形成されやすくなり、中間層20の熱伝導性がより高くなり、低濃度部において高い転写感度を付与することができる。
前記カーボンファイバーとしては、L/Dが10以上のものであればよく、特に限定されるものではないが、熱伝導率が10W/(m・K)以上であることが好ましく、特に長さ方向の熱伝導率が10W/(m・K)以上であることが好ましい。熱伝導率が10W/(m・K)未満であると、中間層の熱伝導性を高くすることができず、特に長さ方向の熱伝導率が10W/(m・K)未満である場合は、低濃度部において高い転写感度を付与することが困難になる。
中間層20には、カーボンファイバーの他に、例えばバインダー樹脂を含有させることができる。バインダー樹脂の一例として、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールの変性体や共重合体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドンの変性体や共重合体、デンプン、ゼラチン、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等を挙げることができる。これらの中でも、基材10と染料層30との接着性を向上させ、より高い印画濃度が得ることができるという点から、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールの変性体や共重合体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドンの変性体や共重合体が好ましい。
また、中間層20には、前記性能を損なわない範囲で、無機顔料微粒子、イソシアネート化合物、シランカップリング剤、分散剤、粘度調整剤、安定化剤等の公知の添加剤を使用することができる。
中間層20にカーボンファイバー以外のバインダー樹脂や添加剤が含まれる場合、カーボンファイバーの比率は、乾燥後の容量基準で中間層全体の15%以上であることが好ましい。カーボンファイバーの比率が15%未満であると、透過光により使用済の感熱転写記録媒体から画像を読み取ることが容易に可能となる恐れがあり、また高速印画時における転写感度が不十分となる恐れがある。
なお、前記バインダー樹脂を用いる場合、中間層20中の、バインダー樹脂とカーボンファイバーとの質量基準での含有比率は、バインダー樹脂/カーボンファイバー=40/60〜85/15であることが好ましく、さらには50/50〜80/20であることがより好ましい。
中間層20の膜厚(乾燥後)は、0.05μm以上、2.0μm以下であることが好ましく、0.3μm以上、1.0μm以下であることがさらに好ましい。中間層20の膜厚が0.05μm未満であると、使用済の感熱転写記録媒体の機密保持性を充分に確保することが困難になる恐れがある。一方、中間層20の膜厚が2.0μmを超えると、感熱転写記録媒体自体の感度低下を招く場合があり、高速印画時における転写感度が不足する恐れがある。
次に、染料層30は、従来公知のもので対応することができ、例えば、熱移行性染料、バインダー、溶剤などを配合して染料層形成用塗布液を調製し、塗布、乾燥することで形成される。なお、染料層は、1色の単一層で構成することもでき、色相の異なる染料を含む複数の染料層を、同一基材の同一面に面順次に、繰り返し形成することもできる。
前記熱移行性染料は、熱により、溶融、拡散もしくは昇華移行する染料である。例えば、イエロー成分としては、C.I.ソルベントイエロー56、16、30、93、33、あるいはC.I.ディスパースイエロー201、231、33等を挙げることができる。マゼンタ成分としては、C.I.ディスパースレッド60、C.I.ディスパースバイオレット26、38、あるいはC.I.ソルベントレッド19、27等を挙げることができる。シアン成分としては、C.I.ディスパースブルー24、257、354、あるいはC.I.ソルベントブルー36、63、266等を挙げることができる。
染料層30に含まれるバインダーは、従来公知の樹脂バインダーをいずれも使用することができ、特に限定されるものではないが、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、酢酸セルロース等のセルロース系樹脂や、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド等のビニル系樹脂や、ポリエステル樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合樹脂、フェノキシ樹脂等を挙げることができる。
ここで、染料層30を形成する際の熱移行性染料とバインダーとの質量基準での配合比率は、熱移行性染料/バインダー=10/100〜300/100であることが好ましい。これは、熱移行性染料/バインダーの配合比率が10/100を下回ると、染料が少な過ぎて発色感度が不十分となり、良好な熱転写画像が得られず、また、この配合比率が300/100を越えると、バインダーに対する染料の溶解性が極端に低下するために、得られる感熱転写記録媒体は、保存安定性が低下し、染料が析出し易くなる恐れがあるためである。
また、染料層30には、前記性能を損なわない範囲で分散剤、粘度調整剤、安定化剤等の公知の添加剤が含まれていてもよい。
染料層30の乾燥後の塗布量は、一概に限定されるものではないが、印画時の異常転写やシワの発生を抑え、またコストの上昇も抑えるという点から、0.3g/m2以上、1.5g/m2以下程度が適当である。
なお、耐熱滑性層40、中間層20および染料層30は、いずれも、各々耐熱滑性層形成用塗布液、中間層形成用塗布液および染料層形成用塗布液を、従来公知の塗布方法にて塗布し、乾燥することで形成可能である。塗布方法の一例として、グラビアコーティング法、スクリーン印刷法、スプレーコーティング法、リバースロールコート法を挙げることができる。
以下に、本発明の各実施例および各比較例に用いた材料を示す。なお、文中で「部」とあるのは、特に断りのない限り質量基準であり。また、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<耐熱滑性層付き基材の作製>
基材として、厚さ4.5μmの片面易接着処理済ポリエチレンテレフタレートフィルムを使用し、その非易接着処理面に、下記組成の耐熱滑性層形成用塗布液を、グラビアコーティング法により、乾燥後の塗布量が0.5g/m2になるように塗布し、100℃で1分間乾燥することで耐熱滑性層付き基材を得た。
<耐熱滑性層形成用塗布液>
シリコン変性アクリル樹脂(東亜合成(株)製US−350)50.0部
メチルエチルケトン 50.0部
(実施例1)
耐熱滑性層付き基材の易接着処理面に、下記組成の中間層形成用塗布液−1を、グラビアコーティング法により塗布し、100℃で2分間乾燥することで、乾燥後の膜厚が1.0μmの中間層を形成した。引き続き、その中間層の上に、下記組成の染料層形成用塗布液−1を、グラビアコーティング法により、乾燥後の塗布量が0.70g/m2になるように塗布し、90℃で1分間乾燥することで、染料層を形成し、実施例1の感熱転写記録媒体を得た。
<中間層形成用塗布液−1>
ポリビニルアルコール(クラレポバールPVA−117) 3.0部
カーボンファイバー(L/D=13、長さ方向熱伝導率10W/(m・K))
0.9部
純水 57.7部
イソプロピルアルコール 38.4部
<染料層形成用塗布液−1>
C.I.ソルベントブルー63(アントラキノン系染料) 6.0部
ポリビニルアセタール 4.0部
トルエン 45.0部
メチルエチルケトン 45.0部
(実施例2)
実施例1で作製した感熱転写記録媒体において、中間層を下記組成の中間層形成用塗布液−2にて形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例2の感熱転写記録媒体を得た。
<中間層形成用塗布液−2>
ポリビニルピロリドン(N−ビニル−2−ピロリドンのホモポリマー)
3.0部
カーボンファイバー(L/D=13、長さ方向熱伝導率10W/(m・K))
0.9部
純水 57.7部
イソプロピルアルコール 38.4部
(実施例3)
実施例1で作製した感熱転写記録媒体において、中間層を下記組成の中間層形成用塗布液−3にて形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例3の感熱転写記録媒体を得た。
<中間層形成用塗布液−3>
ポリビニルアルコール(クラレポバールPVA−117) 3.0部
カーボンファイバー(L/D=22、長さ方向熱伝導率10W/(m・K))
0.9部
純水 57.7部
イソプロピルアルコール 38.4部
(実施例4)
実施例1で作製した感熱転写記録媒体において、中間層を下記組成の中間層形成用塗布液−4にて形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例4の感熱転写記録媒体を得た。
<中間層形成用塗布液−4>
ポリビニルアルコール(クラレポバールPVA−117) 3.0部
カーボンファイバー(L/D=13、長さ方向熱伝導率5W/(m・K))
0.9部
純水 57.7部
イソプロピルアルコール 38.4部
(実施例5)
実施例1で作製した感熱転写記録媒体において、乾燥後の膜厚が0.03μmとなるように中間層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例5の感熱転写記録媒体を得た。
(実施例6)
実施例1で作製した感熱転写記録媒体において、乾燥後の膜厚が2.2μmとなるように中間層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例6の感熱転写記録媒体を得た。
(比較例1)
実施例1で作製した感熱転写記録媒体において、中間層を形成しない以外は、実施例1と同様にして、比較例1の感熱転写記録媒体を得た。
(比較例2)
実施例1で作製した感熱転写記録媒体において、中間層を下記組成の中間層形成用塗布液−5にて形成した以外は、実施例1と同様にして、比較例2の感熱転写記録媒体を得た。
<中間層形成用塗布液−5>
ポリビニルアルコール(クラレポバールPVA−117) 3.9部
純水 57.7部
イソプロピルアルコール 38.4部
(比較例3)
実施例1で作製した感熱転写記録媒体において、中間層を下記組成の中間層形成用塗布液−6にて形成した以外は、実施例1と同様にして、比較例3の感熱転写記録媒体を得た。
<中間層形成用塗布液−6>
ポリビニルアルコール(クラレポバールPVA−117) 3.0部
カーボンファイバー(L/D=5、長さ方向熱伝導率10W/(m・K))
0.9部
純水 57.7部
イソプロピルアルコール 38.4部
(比較例4)
実施例1で作製した感熱転写記録媒体において、中間層を下記組成の中間層形成用塗布液−7にて形成した以外は、実施例1と同様にして、比較例4の感熱転写記録媒体を得た。
<中間層形成用塗布液−7>
ポリビニルアルコール(クラレポバールPVA−117) 3.0部
マイカ(L/D=20、長さ方向熱伝導率0.5W/(m・K))
0.9部
純水 57.7部
イソプロピルアルコール 38.4部
<被転写体の作製>
基材として、厚さ188μmの白色発泡ポリエチレンテレフタレートフィルムを使用し、その一方の面に下記組成の受像層形成用塗布液を、グラビアコーティング法により、乾燥後の塗布量が5.0g/m2になるように塗布し、乾燥することで、感熱転写用の被転写体を作製した。
<受像層形成用塗布液>
塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体 19.5部
アミノ変性シリコーンオイル 0.5部
トルエン 40.0部
メチルエチルケトン 40.0部
<印画評価>
実施例1〜6、比較例1〜4の感熱転写記録媒体を使用し、サーマルシミュレーター((株)ウェッジ製)にてベタ印画を行い、最高反射濃度である255階調を11分割した各階調の反射濃度を評価した。その結果を表2に示す。なお、低濃度部における転写感度は23〜93階調における反射濃度にて、高濃度部における転写感度は255階調における反射濃度にて評価した。また、反射濃度は分光濃度計「X−Rite528」(エックスライト(株)製)にて測定した値である。
なお、印画条件は以下の通りである。
印画環境:23℃、50%RH
印加電圧:29V
ライン周期:0.7msec
印画密度:主走査300dpi、副走査300dpi
<使用済の感熱転写記録媒体の機密保持性評価>
実施例1〜6、比較例1〜4の感熱転写記録媒体を使用し、前記サーマルシミュレーターにて、人物の顔画像をYMC成分に色分解したもののうちC成分の印画を行った。印画した後の感熱転写記録媒体を蛍光灯の透過光を使用して目視にて観察し、以下の評価基準にて機密保持性を評価した。その果を表1に示す。
○:どのような画像を印画したのか、判別できない
△:顔画像を印画したことは判別できるが、どのような人物かは判別できない
×:印画した人物の顔画像を容易に判別できる
なお、△以上であれば実用上問題ないレベルである。
Figure 0005891885
Figure 0005891885
表1、2に示す結果から、実施例1〜3の感熱転写記録媒体は、中間層が設けられていない比較例1の感熱転写記録媒体と比較して、明らかに高速印画時における転写感度が低濃度部および高濃度部ともに高く、さらに使用済の感熱転写記録媒体の機密保持性も高いことがわかった。
特に実施例3の感熱転写記録媒体は、L/Dが22のカーボンファイバーを用いて中間層を形成しているので、L/Dが13のカーボンファイバーを用いた実施例1の感熱転写記録媒体と比較して、低濃度部の転写感度がさらに高くなっている。
実施例4の感熱転写記録媒体は、長さ方向熱伝導率が5W/(m・K)と少し小さいカーボンファイバーを用いて中間層を形成しているので、実施例1の感熱転写記録媒体と比較して、低濃度部の転写感度が若干低下していることがわかる。
実施例5の感熱転写記録媒体は、中間層の膜厚が0.03μmと少し小さいので、実施例1の感熱転写記録媒体と比較して、使用済の感熱転写記録媒体の機密保持性が若干低下していることがわかる。
実施例6の感熱転写記録媒体は、中間層の膜厚が2.2μmと少し大きいので、実施例1の感熱転写記録媒体と比較して、低濃度部の転写感度が若干低下していることがわかる。
これに対して、比較例2の感熱転写記録媒体は、カーボンファイバーを用いずに中間層を形成しているので、実施例1の感熱転写記録媒体と比較して、転写感度が著しく低く、また透過光を用いることで容易に画像を判別することができ、使用済の感熱転写記録媒体が機密保持性に劣ることがわかった。
比較例3の感熱転写記録媒体は、カーボンファイバーを用いて中間層を形成しているため、機密保持性は良好であるものの、カーボンファイバーのL/Dが10未満であるため、中間層内でカーボンファイバー同士の接触による連続体が形成されず、その結果、低濃度部の転写感度が、中間層を形成していない比較例1の感熱転写記録媒体よりも低く、L/Dが10以上のカーボンファイバーが必要であることがわかった。
比較例4の感熱転写記録媒体は、L/Dが10以上の添加物を用いて中間層を形成したものの、この添加物がマイカであるため、低濃度部の転写感度が、中間層を形成していない比較例1の感熱転写記録媒体よりも低かった。また、カーボンファイバーを用いて中間層を形成した実施例1〜6の感熱転写記録媒体と比較すると、使用済の感熱転写記録媒体が機密保持性に劣ることから、カーボンファイバーを用いて中間層を形成する必要があることがわかった。
本発明により得られる感熱転写記録媒体は、昇華転写方式のプリンタに使用することができ、プリンタの高速・高機能化と併せて、各種画像を簡便にフルカラー形成できるため、デジタルカメラのセルフプリント、身分証明書などのカード類、アミューズメント用出力物等に広く利用できる。
10 基材
20 中間層
30 染料層
40 耐熱滑性層

Claims (3)

  1. 基材に中間層および染料層が順次積層形成され、
    前記中間層が、カーボンファイバーを含、該カーボンファイバーの繊維長と繊維径との比(繊維長/繊維径)が10以上であることを特徴とする、感熱転写記録媒体。
  2. カーボンファイバーの熱伝導率が10W/(m・K)以上であることを特徴とする、請求項1に記載の感熱転写記録媒体。
  3. 中間層の膜厚が0.05〜2.0μmであることを特徴とする、請求項1または2に記載の感熱転写記録媒体。
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