JP2009286040A - 熱転写シートおよび印画物 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱転写プリンタ用の、光沢度の高い画像面を持ちつつ指紋拭き取り性の高い保護層を持つ熱転写シートおよび印画物を提供すること。
【解決手段】基材シートの一方の面に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の3色の熱転写性インク層と熱転写性保護層を長手方向へ面順次に設けた熱転写シートであって、被転写体上に転写された際に印画物の最表面となる熱転写性保護層が、防汚剤を含むことを特徴とする熱転写シートおよび印画物。
【選択図】図1
【解決手段】基材シートの一方の面に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の3色の熱転写性インク層と熱転写性保護層を長手方向へ面順次に設けた熱転写シートであって、被転写体上に転写された際に印画物の最表面となる熱転写性保護層が、防汚剤を含むことを特徴とする熱転写シートおよび印画物。
【選択図】図1
Description
本発明は、熱転写法により得られる保護層付き印画物の保護層表面の防汚性を向上させた熱転写シートおよびそれを用いた印画物に関するものである。
ここで言う、熱転写シートは、サーマルリボンとも呼ばれ、熱転写方式のプリンタに使用されているインクリボンのことであり、基材の一方の面に熱転写層、その基材の他方の面にバックコート層(耐熱滑性層)を設けたものである。ここで熱転写層は、少なくとも着色インクの層であって、プリンタのサーマルヘッドに発生する熱によって、そのインクを昇華(昇華転写方式)あるいは溶融(溶融転写方式)させ、被転写体側に転写するものである。
現在、熱転写方式は、プリンタの高機能化と併せて各種画像を簡便に形成できるため、身分証明書などのカード類をはじめアミューズメント用出力物等広く利用されている。そういった用途の多様化と共に、得られる印画物への耐久性を求める声も大きくなり、近年ではインク層により形成した画像上に保護層を転写する印画物がかなり普及してきている。
これら従来の保護層を転写する方式では、光に対する耐久性や、皮脂に対する耐久性は向上するものの、指紋の付着は容易に起き、拭き取る際に発生するに細かい傷が外観を損ねるという問題がある。この問題を解決するために、特許文献1では、印画物の画像面に凹凸を設けることで指紋が付着しても目立たなくする方法が開示されている。
ところが、上述した従来の方法では絹目調またはランダム形状の凹凸による、画像面の光沢度が低い、マット調の印画物しか得られないという問題点があった。
特開2006−91808号公報
本発明は前記問題点を解決するためになされたものであり、その課題とするところは、光沢度の高い画像面を持ちつつ指紋拭き取り性の高い保護層を持つ熱転写シートおよび印画物を提供することにある。
本発明の請求項1に記載の発明は、基材シートの一方の面に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の3色の熱転写性インク層と熱転写性保護層を長手方向へ面順次に設けた熱転写シートであって、被転写体上に転写された際に印画物の最表面となる熱転写性保護層が、防汚剤を含むことを特徴とする熱転写シートである。
本発明の請求項2に記載の発明は、前記防汚剤が、シリコーン系化合物であることを特徴とする請求項1に記載の熱転写シートである。
本発明の請求項3に記載の発明は、前記防汚剤が、フッ素系化合物であることを特徴とする請求項1に記載の熱転写シートである。
本発明の請求項4に記載の発明は、前記防汚剤を含む熱転写性保護層が、被転写体上に転写された際に印画物の最表面における純水の接触角が95度以上であることを特徴とす
る、請求項1から3のいずれか1項に記載の熱転写シートである。
る、請求項1から3のいずれか1項に記載の熱転写シートである。
本発明の請求項5に記載の発明は、前記熱転写性インク層が、染料とバインダとからなる昇華熱転写層であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の熱転写シートである。
本発明の請求項6に記載の発明は、前記熱転写性インク層が、染料または顔料とバインダとからなる溶融熱転写層であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の熱転写シートである。
本発明の請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれか1項に記載の熱転写シートを用いて印画されたことを特徴とする印画物である。
本発明の熱転写シートを用いることにより、光沢度の高い画像面においても高い指紋拭き取り性を持つ印画物を提供することが可能となる。このことで画像面に付着した指紋を拭き取る際に発生する細かい傷による外観の劣化を防ぐことが可能となった。
以下に本発明の熱転写シートおよび印画物を、一実施形態に基づいて、図面を参照して説明する。
図1に本発明の熱転写シートの一実施形態の構造を示す。熱転写シートは、図1に示すように、基材1の一方の面にイエロー3、マゼンタ4、シアン5の3色の熱転写性インク層と、基材側から順に離型層6、剥離層7、接着層8が積層されてなる熱転写性保護層を長手方向へ面順次に設けて、かつ、基材1の他方の面に耐熱滑性層2を設けた構造を有するものである。
図2に本発明の印画物の一実施例の構造を示す。印画物は図2に示すように、支持体11の上に色材受容層12を設け、熱転写により画像13を印画し、さらにその上に熱転写により接着層8、剥離層7よりなる保護層を設けた構造を有するものである。
本発明における熱転写シートの基材1としては、熱転写における熱圧で軟化変形しない耐熱性と強度が要求されるので、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、セロファン、アセテート、ポリカーボネート、ポリサルフォン、ポリイミド、ポリビニルアルコール、芳香族ポリアミド、アラミド、ポリスチレン等の合成樹脂のフィルム、およびコンデンサー紙、パラフィン紙などの紙類等が単独で又は組み合わされた複合体として使用可能であるが、中でも、物性面、加工性、コスト面などを考慮するとポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。また、その厚さは、操作性、加工性を考慮し、2〜50μmの範囲のものが使用可能であるが、転写適性や加工性等のハンドリング性を考慮すると、2〜12μmの範囲のものが好ましい。
熱転写性インク層2は熱転写可能な色材を任意のバインダに担持させた層である。色材として使用する染料または顔料は、従来公知の熱転写シートに使用されている染料または顔をいずれも使用可能であり特に限定されない。
昇華熱転写層形成用インクに用いられる熱昇華性染料としては、昇華性分散染料が好ましく、一例を挙げると、イエロー成分としては、ソルベントイエロー56,16,30,93,33、ディスパースイエロー201,231,33等が挙げられる。マゼンタ成分としては、C.I.ディスパースレッド60、C.I.ディスパースバイオレット26、
C.I.ソルベントレッド27、あるいはC.I.ソルベントレッド19等が挙げられる。シアン成分としては、C.I.ディスパースブルー354、C.I.ソルベントブルー63、C.I.ソルベントブルー36、あるいはC.I.ディスパースブルー24等が挙げられる。墨の染料としては、上記の各染料を組み合わせて調色するのが一般的である。
C.I.ソルベントレッド27、あるいはC.I.ソルベントレッド19等が挙げられる。シアン成分としては、C.I.ディスパースブルー354、C.I.ソルベントブルー63、C.I.ソルベントブルー36、あるいはC.I.ディスパースブルー24等が挙げられる。墨の染料としては、上記の各染料を組み合わせて調色するのが一般的である。
昇華熱転写層形成用インクに用いられるバインダとしては、特に限定されるものではないが、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース等のセルロース系樹脂やポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド等のビニル系樹脂やポリエステル樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合樹脂、フェノキシ樹脂等である。中でも、ポリビニルブチラール、スチレン−アクリロニトリル共重合樹脂、フェノキシ樹脂が好適である。
溶融熱転写層形成用インクに用いられる染料としては、ジアリールメタン系、トリアリールメタン系、チアゾール系、メチン系、アゾメタン系、キサンテン系、アキサジン系、チアジン系、アジン系、アクリジン系、アゾ系、スピロジピラン系、イソドリノスピロピラン系、フルオラン系、ローダミンダクタム系、アントラキノン系等の一般に使用されている感熱転写性染料を広く使用することができる。また、顔料としては、公知の有機顔料、無機顔料を使用することができ、一例を挙げると、カーボンブラック、アゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、チオインジゴ系、アントラキノン系、イソインドリノン系等の顔料が挙げられる。
溶融熱転写層形成用インクに用いられるバインダとしては、熱溶融性以外特に限定されるものではないが、一例を挙げると、ポリスチレン、ポリα−メチルスチレン等のスチレン系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル等のアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール等のビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、石油樹脂、アイオノマー、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等の合成樹脂、ニトロセルロース、エチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース誘導体、ロジン、ロジン変性マレイン酸樹脂、エステルガム、ポリイソブチレンゴム、ブチルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエン−アクリロニトリルゴム、ポリ塩素化オレフィン等の天然樹脂や合成ゴムの誘導体、カルナバワックス、パラフィンワックス等のワックス類である。中でも、ポリエステル、エポキシ樹脂が好適である。
次に、本発明に欠かすことのできない、熱転写性保護層に関して説明する。熱転写性保護層は熱転写性インク層により被転写体上に形成された画像を紫外線等から保護する耐光性が要求されると同時に、熱転写法というプロセスにより被転写体上に形成される必要があるため、紫外線吸収等の保護層としての性能と同時に被転写体への接着性を兼ね備える接着層8、その下層に基材から熱転写時に容易に剥離するための剥離層7、熱転写時に基材に残留し、剥離層を容易に剥離させるための離型層6といった複数の層の積層体から形成されることが一般的である。
離型層は、熱転写性保護層と基材シートの間の剥離の重さを適当な範囲内に調整し、基材シートからの安定的な剥離性を確保するために設けられるものであり、剥離の重さが適当な範囲内であるという条件さえ満たしていれば必ずしも必要ではない。離型層の材質としては、特に制限されるものではないが、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム等の水溶性高分子、塩化ゴム、環化ゴム等の天然ゴム誘導体、天然ワックス、合成ワックス等のワックス類、ニトロセルロース、セルロース、セルロースアセテートプロピ
オネート等の繊維素誘導体、アクリル系、ポリウレタン系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリアセタール系、塩素化ポリオレフィン系、塩化ビニル‐酢酸ビニル共重合体系等の熱可塑性樹脂、メラミン系、エポキシ系、ポリウレタン系、シリコーン系等の熱硬化性樹脂等を挙げることができる。
オネート等の繊維素誘導体、アクリル系、ポリウレタン系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリアセタール系、塩素化ポリオレフィン系、塩化ビニル‐酢酸ビニル共重合体系等の熱可塑性樹脂、メラミン系、エポキシ系、ポリウレタン系、シリコーン系等の熱硬化性樹脂等を挙げることができる。
本発明の熱転写シートにおいては、熱転写性保護層の内、被転写体上に転写された際に印画物の最表面にくる層である剥離層7に防汚剤を添加することにより指紋等の汚れ拭き取り性を向上させた印画物を得ることができる。
本発明の熱転写シートにおいて剥離層7に添加する防汚剤としては公知のシリコーン系化合物またはフッ素系化合物、またはワックス類等が使用できる。上記防汚剤の内、特にシリコーン系化合物またはフッ素系化合物は少量の添加で指紋等の汚れ拭き取り性を大きく向上させることが可能である。このことから、大量点添加による弊害たとえば長期保存時の添加剤のブリード等の面でも有利な印画物を得ることができる。さらに、コスト面においても望ましい。
本発明において剥離層に防汚剤として添加するシリコーン系化合物としては、変性シリコーンオイル以外のシリコーンオイルであって、メチル基、フェニル基あるいは水素原子を置換基として結合したシリコーンオイルであるストレートシリコーンオイル、変性シリコーンオイルおよびその硬化物が使用できる。
本発明には、ストレートシリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等が好適に用いられる。
本発明に用いられる変性シリコーンオイルは反応性シリコーンオイルと非反応性シリコーンオイルが挙げられる。反応性シリコーンオイルとしてはアミノ変性、エポキシ変性、カルビノール変性、メルカプト変性、カルボキシル変性、メタクリル変性、ポリエーテル変性、フェノール変性、片末端反応性・異種官能基変性等のシリコーンオイルが挙げられる。非反応性シリコーンオイルとしてはポリエーテル変性、アラルキル変性、フロロアルキル変性、長鎖アルキル変性、高級脂肪酸エステル変性、フェニル変性等のシリコーンオイルが挙げられる。
本発明の防汚剤として用いられる変性シリコーンオイルの硬化物としては、反応硬化型、光硬化型、触媒硬化型等のシリコーンオイルが挙げられる。
本発明の防汚剤として用いられるフッ素系化合物としては、構造にフルオロアルキル基またはパーフルオロアルキル基を持つ化合物が挙げられるが、これに限定されない。
本発明の防汚剤として用いられるワックス類としては、カルナバワックス、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、ライスワックス等が挙げられる。
本発明の熱転写シートの剥離層7に防汚剤として添加するシリコーン系化合物の添加量としては剥離層7を構成する樹脂を合計した樹脂100質量部に対して、ストレートシリコーンオイルと変性シリコーンオイルでは10質量部以下、好ましくは2〜3質量部を使用する。変性シリコーンオイルの硬化物としては同じく30質量部以下、好ましくは5〜10質量部使用する。フッ素系化合物の添加量としては同じく5質量部以下、好ましくは0.3〜1質量部使用する。シリコーン系化合物またはフッ素系化合物が前述の量より多すぎると接着層および基材との接着性が低下し、印画物および熱転写シートの状態で熱転写時以外に剥離が発生する可能性が出てくる。
保護層中の剥離層へのシリコーン系化合物あるいはフッ素系化合物の添加量に関してはまた、本発明の熱転写シートにより作成される印画物表面の純水の接触角が95度以上になることが好ましい。純水接触角が95度以上にすることで汚れ拭き取り性が非常に向上するため、容易に指紋を拭き取ることが可能な印画物を得ることができる。
本発明の熱転写シートの接着層のバインダとしては熱溶融性以外特に限定されるものではないが、一例として、ポリスチレン、ポリα−メチルスチレン等のスチレン系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル等のアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール等のビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、石油樹脂、アイオノマー、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等の合成樹脂、ニトロセルロース、エチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース誘導体、ロジン、ロジン変性マレイン酸樹脂、エステルガム、ポリイソブチレンゴム、ブチルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエン−アクリロニトリルゴム、ポリ塩素化オレフィン等の天然樹脂や合成ゴムの誘導体、カルナバワックス、パラフィンワックス等のワックス類が挙げられる。中でも、アクリル系樹脂、セルロース誘導体が好適である。また、必要に応じてリン酸エステル系に代表される離型剤、ワックス、樹脂フィラーに代表される滑り剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、蛍光増白剤、帯電防止剤等を添加することができる。
以下、本発明の実施形態を具体的な実施例により説明する。
<耐熱滑性層付基材シートの作成>
基材シートとして厚さ4.5μmの片面易接着付きポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた。これに耐熱滑性層としてポリビニルアセタール樹脂を25質量部、イソシアネート硬化剤を1.1質量部、滑剤1質量部を、メチルエチルケトンを36質量部、トルエン36質量部からなる混合溶剤に溶解させ塗液を作製した。作製した塗液を基材シート非易接着面の側にダイレクトグラビアコートにより乾燥膜厚1.0μmになるように形成し、耐熱滑性層付基材シートを得た。
基材シートとして厚さ4.5μmの片面易接着付きポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた。これに耐熱滑性層としてポリビニルアセタール樹脂を25質量部、イソシアネート硬化剤を1.1質量部、滑剤1質量部を、メチルエチルケトンを36質量部、トルエン36質量部からなる混合溶剤に溶解させ塗液を作製した。作製した塗液を基材シート非易接着面の側にダイレクトグラビアコートにより乾燥膜厚1.0μmになるように形成し、耐熱滑性層付基材シートを得た。
<転写性インク層の塗液の作成>
C.I.ソルベントイエロー93 3.0質量部、C.I.ソルベントイエロー16 1.0質量部、ポリビニルアセタール樹脂5.0質量部を、メチルエチルケトン45質量部、トルエン45質量部からなる混合溶剤に溶解させて転写性インク層(イエロー)の塗液を作製した。
C.I.ソルベントイエロー93 3.0質量部、C.I.ソルベントイエロー16 1.0質量部、ポリビニルアセタール樹脂5.0質量部を、メチルエチルケトン45質量部、トルエン45質量部からなる混合溶剤に溶解させて転写性インク層(イエロー)の塗液を作製した。
C.I.ディスパースレッド60 1.5質量部、C.I.ディスパースバイオレット26 1.5質量部、ポリビニルアセタール樹脂5.0質量部を、メチルエチルケトン46質量部、トルエン46質量部からなる混合溶剤に溶解させて転写性インク層(マゼンタ)の塗液を作製した。
C.I.ソルベントブルー63 1.5質量部、C.I.ソルベントブルー36 1.5質量部、ポリビニルアセタール樹脂5.0質量部を、メチルエチルケトン46質量部、トルエン46質量部からなる混合溶剤に溶解させて転写性インク層(シアン)の塗液を作製した。
<離型層の塗液の作成>
酢酸セルロース樹脂20質量部を、メチルエチルケトン80質量部に溶解させて、離型層の塗液を作製した。
酢酸セルロース樹脂20質量部を、メチルエチルケトン80質量部に溶解させて、離型層の塗液を作製した。
アクリル樹脂19質量部、ポリエチレンワックス3質量部を、メチルエチルケトン40質量部、トルエン40質量部からなる混合溶剤に溶解させて剥離層−1の塗液を作製した。
アクリル樹脂19質量部、シリコーン化合物としてアミノ変性シリコーンオイル0.01質量部を、メチルエチルケトン40質量部、トルエン40質量部からなる混合溶剤に溶解させて剥離層−2の塗液を作製した。
アクリル樹脂19質量部、シリコーン化合物としてアミノ変性シリコーンオイル0.4質量部を、メチルエチルケトン40質量部、トルエン40質量部からなる混合溶剤に溶解させて剥離層−3の塗液を作製した。
アクリル樹脂19質量部、フッ素系化合物としてパーフルオロアルキル基含有オリゴマー0.1質量部を、メチルエチルケトン40質量部、トルエン40質量部からなる混合溶剤に溶解させて剥離層−4の塗液を作製した。
アクリル樹脂19質量部を、メチルエチルケトン40質量部、トルエン40質量部からなる混合溶剤に溶解させて剥離層−5の塗液を作製した。
<接着層の塗液の作成>
アクリル樹脂19質量部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤3.8質量部を、メチルエチルケトン38質量部、トルエン38質量部からなる混合溶剤に溶解させて接着層の塗液を作製した。
アクリル樹脂19質量部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤3.8質量部を、メチルエチルケトン38質量部、トルエン38質量部からなる混合溶剤に溶解させて接着層の塗液を作製した。
<実施例1>
上記のように作製された塗液をダイレクトグラビアコート法により基材シートの易接着側の面に、熱転写性インク層(イエロー)、熱転写性インク層(マゼンタ)、熱転写性インク層(シアン)を乾燥膜厚1.0μmで面順次に形成した後、離型層形成用の塗液を用いて、離型層を乾燥膜厚0.5μmで面順次に形成した後、離型層上に、剥離層−1の塗液を用いて、剥離層を乾燥膜厚1.0μmで形成した後、さらに引き続いて、剥離層上に接着層用の塗液を用いて接着層を乾燥膜厚1.5μmで形成し、本発明の熱転写シートを作製した。
上記のように作製された塗液をダイレクトグラビアコート法により基材シートの易接着側の面に、熱転写性インク層(イエロー)、熱転写性インク層(マゼンタ)、熱転写性インク層(シアン)を乾燥膜厚1.0μmで面順次に形成した後、離型層形成用の塗液を用いて、離型層を乾燥膜厚0.5μmで面順次に形成した後、離型層上に、剥離層−1の塗液を用いて、剥離層を乾燥膜厚1.0μmで形成した後、さらに引き続いて、剥離層上に接着層用の塗液を用いて接着層を乾燥膜厚1.5μmで形成し、本発明の熱転写シートを作製した。
<実施例2>
剥離層に用いる塗液を剥離層−1に変えて剥離層−2にした以外は実施例1と同様にして実施例2の熱転写シートを作製した。
剥離層に用いる塗液を剥離層−1に変えて剥離層−2にした以外は実施例1と同様にして実施例2の熱転写シートを作製した。
<実施例3>
剥離層に用いる塗液を剥離層−1に変えて剥離層−3にした以外は実施例1と同様にして実施例3の熱転写シートを作製した。
剥離層に用いる塗液を剥離層−1に変えて剥離層−3にした以外は実施例1と同様にして実施例3の熱転写シートを作製した。
<実施例4>
剥離層に用いる塗液を剥離層−1に変えて剥離層−4にした以外は実施例1と同様にして実施例4の熱転写シートを作製した。
剥離層に用いる塗液を剥離層−1に変えて剥離層−4にした以外は実施例1と同様にして実施例4の熱転写シートを作製した。
<比較例1>
剥離層に用いる塗液を剥離層−1に変えて剥離層−5にした以外は実施例1と同様にして比較例1の熱転写シートを作製した。
剥離層に用いる塗液を剥離層−1に変えて剥離層−5にした以外は実施例1と同様にして比較例1の熱転写シートを作製した。
<印画方法>
実施例1〜4と比較例1で作製した熱転写シートに関して、それぞれ昇華型熱転写プリンターに装填できるように加工し、昇華型熱転写プリンターで最高濃度の全面黒画像(黒ベタ)を印画した。
実施例1〜4と比較例1で作製した熱転写シートに関して、それぞれ昇華型熱転写プリンターに装填できるように加工し、昇華型熱転写プリンターで最高濃度の全面黒画像(黒ベタ)を印画した。
<各種物性評価方法>
(a)接触角測定
実施例1〜4および比較例1で作製した熱転写シートを用いて印画した印画物について、温度25℃、湿度60%RHで2時間調湿した後、接触角計〔協和界面科学(株)製:CA−X型〕を用いて、直径1.0mmの純水の液滴を針先に作り、これを実施例1〜4および比較例1の印画物の表面に接触させて液滴を作り、接触角を測定した。接触角とは、固体と液体が接する点における液体表面に対する接線と固体表面がなす角で、液滴を含む方の角度で表した。
(b)指紋拭き取り性
実施例1〜4および比較例1で作製した熱転写シートを用いて印画した印画物について、表面に付着した指紋をセルロース製不織布〔旭化成工業(株)製:ベンコットM−3〕で拭き取り、その取れ易さと拭き取り時に発生する傷を目視判定で行った。判定基準を以下に示す。
(a)接触角測定
実施例1〜4および比較例1で作製した熱転写シートを用いて印画した印画物について、温度25℃、湿度60%RHで2時間調湿した後、接触角計〔協和界面科学(株)製:CA−X型〕を用いて、直径1.0mmの純水の液滴を針先に作り、これを実施例1〜4および比較例1の印画物の表面に接触させて液滴を作り、接触角を測定した。接触角とは、固体と液体が接する点における液体表面に対する接線と固体表面がなす角で、液滴を含む方の角度で表した。
(b)指紋拭き取り性
実施例1〜4および比較例1で作製した熱転写シートを用いて印画した印画物について、表面に付着した指紋をセルロース製不織布〔旭化成工業(株)製:ベンコットM−3〕で拭き取り、その取れ易さと拭き取り時に発生する傷を目視判定で行った。判定基準を以下に示す。
◎:5往復以下の拭き取りで指紋を完全に拭き取ることが出来る。
○:5往復以上の拭き取りで指紋を完全に拭き取ることが出来る。
×:指紋の拭き取り跡が残る、または拭き取り時に傷が発生する。
結果は表1に示される通りである。
結果は表1に示される通りである。
また、実施例2の結果より、剥離層に加える防汚剤をシリコーン系化合物またはフッ素系化合物にすることで、実施例1のポリエチレンワックスを用いた場合より少ない添加量で防汚性を向上させた印画物が得られ、コスト面や長期保存時のブリードの面で優位となる。
また、実施例3、実施例4の結果より、剥離層に加えるシリコーン系化合物またはフッ素系化合物の量を調整して純水の接触角が95度以上になるようにすることで、より指紋拭き取り性に優れた印画物が得られることが解る。
これらの結果より、本発明の熱転写シートを使用することによって、熱転写法により得られる保護層付き印画物の表面の防汚性が各段に向上し、指紋拭き取り時の傷の発生を抑えることができる印画物が得られたことが確認出来た。
1…基材
2…耐熱滑性層
3…熱転写性インク層(イエロー)
4…熱転写性インク層(マゼンタ)
5…熱転写性インク層(シアン)
6…離型層
7…剥離層
8…接着層
11…支持体
12…色材受容層
13…転写画像
2…耐熱滑性層
3…熱転写性インク層(イエロー)
4…熱転写性インク層(マゼンタ)
5…熱転写性インク層(シアン)
6…離型層
7…剥離層
8…接着層
11…支持体
12…色材受容層
13…転写画像
Claims (7)
- 基材シートの一方の面に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の3色の熱転写性インク層と熱転写性保護層を長手方向へ面順次に設けた熱転写シートであって、被転写体上に転写された際に印画物の最表面となる熱転写性保護層が、防汚剤を含むことを特徴とする熱転写シート。
- 前記防汚剤が、シリコーン系化合物であることを特徴とする請求項1に記載の熱転写シート。
- 前記防汚剤が、フッ素系化合物であることを特徴とする請求項1に記載の熱転写シート。
- 前記防汚剤を含む熱転写性保護層が、被転写体上に転写された際に印画物の最表面における純水の接触角が95度以上であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の熱転写シート。
- 前記熱転写性インク層が、染料とバインダとからなる昇華熱転写層であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の熱転写シート。
- 前記熱転写性インク層が、染料または顔料とバインダとからなる溶融熱転写層であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の熱転写シート。
- 請求項1から6のいずれか1項に記載の熱転写シートを用いて印画されたことを特徴とする印画物。
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JP2008142267A JP2009286040A (ja) | 2008-05-30 | 2008-05-30 | 熱転写シートおよび印画物 |
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JP2008142267A JP2009286040A (ja) | 2008-05-30 | 2008-05-30 | 熱転写シートおよび印画物 |
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Cited By (2)
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WO2016052243A1 (ja) * | 2014-09-30 | 2016-04-07 | 大日本印刷株式会社 | 転写シート |
JP2019064152A (ja) * | 2017-09-29 | 2019-04-25 | 大日本印刷株式会社 | 保護層転写シート |
-
2008
- 2008-05-30 JP JP2008142267A patent/JP2009286040A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2016052243A1 (ja) * | 2014-09-30 | 2016-04-07 | 大日本印刷株式会社 | 転写シート |
JP2016068562A (ja) * | 2014-09-30 | 2016-05-09 | 大日本印刷株式会社 | 転写シート |
US10000081B2 (en) | 2014-09-30 | 2018-06-19 | Dai Nippon Printing Co., Ltd. | Transfer sheet |
JP2019064152A (ja) * | 2017-09-29 | 2019-04-25 | 大日本印刷株式会社 | 保護層転写シート |
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