JP5703581B2 - 熱転写シート - Google Patents

熱転写シート Download PDF

Info

Publication number
JP5703581B2
JP5703581B2 JP2010082261A JP2010082261A JP5703581B2 JP 5703581 B2 JP5703581 B2 JP 5703581B2 JP 2010082261 A JP2010082261 A JP 2010082261A JP 2010082261 A JP2010082261 A JP 2010082261A JP 5703581 B2 JP5703581 B2 JP 5703581B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thermal transfer
layer
fine particles
adhesive layer
transfer sheet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2010082261A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011212935A (ja
Inventor
傑 有田
傑 有田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Inc filed Critical Toppan Inc
Priority to JP2010082261A priority Critical patent/JP5703581B2/ja
Publication of JP2011212935A publication Critical patent/JP2011212935A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5703581B2 publication Critical patent/JP5703581B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)

Description

本発明は、被熱転写体上に形成された文字または画像等を保護するための熱転写性保護層を具備する熱転写シートに関する。
一般に、熱転写シートは、サーマルリボンとも呼ばれ、熱転写方式のプリンタに使用されているインクリボンのことであり、基材シートの一方の面に熱転写性記録層、他方の面にバックコート層(耐熱滑性層)を設けたものである。このような構成の熱転写シートを用い、プリンタのサーマルヘッドからの熱を選択的に加えることにより、熱転写性記録層中の昇華性染料を昇華させ、あるいは熱転写性記録層の一部を溶融させて、被熱転写体側に所望の熱転写記録が行われる。
現在、このような熱転写記録方式は、プリンタの高機能化が進み、併せて各種画像を簡便に形成できることから、身分証明書等のカード類やアミューズメント用出力物等への印画に広く利用されている。そういった用途の多様化に伴って、得られる印画物の耐久性を向上させたいとする声が次第に増えてきており、最近では上記のような熱転写シートにより形成された画像等の上に熱転写性保護層を転写し、耐久性をより向上させる方法が普及してきている。
このような熱転写性保護層を有する熱転写シートにおいては、近年、プリント速度の高速化の観点から、プリンタで印画されて搬出されてくる印画物の捌き性を向上させたいという要求も一段と強くなってきている。このような状況の下、例えば、特許文献1では、熱転写性保護層中に、導電剤として、四級アンモニウム塩である界面活性剤、アンチモン酸亜鉛等の導電性金属酸化物等を含有させてなる帯電防止層を有する熱転写シートが提案されている。
しかしながら、導電剤が四級アンモニウム塩系界面活性剤等である場合、経時的に熱転写性保護層の表面にブリードアウトしてしまい、印画時の転写性(接着性)が損なわれるという問題や、印画物の耐可塑剤性が悪化するという問題等がある。
また特許文献2では、四級アンモニウム塩系界面活性剤等の問題を解決することを目的として、針状結晶の導電性無機物質を含む導電性保護層を設けてなる保護層付き熱転写シートが提案されている。
しかしながら、導電剤が金属酸化物等の無機粒子である場合、添加量が多すぎると熱転写性保護層の透明性が失われてしまい、印画物に白濁等を生じさせる問題がある。
特開平11−105437号公報 特開2003−145946号公報
本発明は上述のような問題点を解決するためになされたものであり、基材シートの一方の面に、少なくともイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の色相を呈する熱転写性記録層と熱転写性保護層が長手方向に沿って面順次に設けられている熱転写シートで
あって、それを用いて得られる印画物の良好な捌き性を確保することができ、且つ被熱転写体へ良好な転写が行われるようにした熱転写シートを提供することを目的とする。
本発明者は、熱転写性保護層を複層構成とし、少なくともその1層に微粒子を添加し、さらに印画物に転写された際には表面に位置するもう一方の層には微粒子を含ませないようにすることにより、添加した微粒子により熱転写性保護層の一部を基準面より相対的に高くなるようにし、且つ微粒子の脱落を防ぐようにすれば、上記の目的を達成することを見出し、本発明に至った。
以上の知見に基づいてなされ、請求項1記載の発明は、基材シートの一方の面にはその長手方向に沿って、少なくともイエロー、マゼンタ、シアンの色相を呈する熱転写性記録層と熱転写性保護層が面順次に設けられている熱転写シートであって、熱転写性保護層は被熱転写体側に転写される2層が少なくとも積層された構成になっていて、その内の一方の層は微粒子を含有した接着層であり、もう一方の層は微粒子を含有していない剥離層であり、且つ被熱転写体には微粒子を含有していない層である剥離層が被熱転写体側から見て遠い側になって転写されると共に、微粒子の平均粒子径をr、微粒子を含有する層である接着層の微粒子が存在しない部分における膜厚をh1とした場合、微粒子の平均粒径rと膜厚h1は下記条件式を満たしており、前記接着層と前記剥離層のバインダとしてはエポキシ樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、アイオノマーから、それぞれ選択されることを特徴とする熱転写シートである。
1.0<r/h1≦2.0
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の熱転写シートにおいて、前記微粒子を含有していない層である剥離層の膜厚をh2とした場合、微粒子の平均粒径rと膜厚h1、h2は下記条件式を満たしていることを特徴とする請求項1に記載の熱転写シートである。
0.5≦r/(h1+h2)≦1.5
本発明の熱転写シートは、それを用いて得られる印画物の捌き性を向上させることが出来ると共に、転写性良好に熱転写記録が行われるようになる。
本発明の熱転写シートの一実施形態に係る概略の断面構造を示す説明図である。 本発明の熱転写シートの一部を構成する熱転写性保護層とその近辺の概略の断面構成を示す説明図である。
以下、本発明の熱転写シートをその一実施形態に基づいて、図面を参照にして詳細に説明する。
本発明の熱転写シートは、図1や図2に示すように、基材シート(1)の一方の面にはその長手方向に沿って、少なくともイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の色相を呈する熱転写性記録層(3)、(4)、(5)と熱転写性保護層(10)が面順次に設けられている熱転写シートであって、熱転写性保護層(10)は被熱転写体側に転写される2層が少なくとも積層された構成になっていて、その内の一方の層(接着層)(8)は微粒子(9a)、(9b)、(9c)、(9d)、(9e)、(9f)を含有し、もう一方の層(剥離層)(7)は微粒子を含有しておらず、且つ被熱転写体には微粒子を含有しない層(剥離層)(7)が表面に位置するように転写されると共に、微粒子の平均粒子
径をr、微粒子を含有する層(接着層)(8)の微粒子が存在しない部分における膜厚をh1とした場合、下記条件式を満たしている。
1.0<r/h1≦2.0
熱転写シートの基材シート(1)としては、熱転写記録時に加えられる熱圧で軟化変形しない耐熱性と強度が要求されるので、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、セロファン、アセテート、ポリカーボネート、ポリサルフォン、ポリイミド、ポリビニルアルコール、芳香族ポリアミド、アラミド、ポリスチレン等の合成樹脂のフィルムや、コンデンサー紙、パラフィン紙等の紙類等の単独のもの、あるいはこれらを組み合わせてなる複合体を使用することができる。中でも、物性面、加工性、コスト面等を考慮するとポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。また、その厚みは、操作性、加工性を考慮し、2〜50μm程度の範囲でよいが、転写適性や加工性等のハンドリング性を考慮すると、2〜12μm程度の範囲とすることがより好ましい。
一方、熱転写性記録層(3)(4)(5)は熱転写可能な色材を任意のバインダで担持させてなる層である。色材として使用する染料または顔料は、従来公知の熱転写シートに使用されている染料または顔料のいずれもが使用可能であり、特に限定されるものではない。
熱転写性記録層(3)(4)(5)としては、熱昇華性染料とバインダ等で構成される昇華性のものと、染料および顔料とバインダ等で構成される熱溶融性のものとがある。
昇華性の熱転写性記録層の構成材料として用いられる熱昇華性染料としては、昇華性分散染料が好ましい。例えば、イエロー成分としては、ソルベントイエロー56,16,30,93,33、ディスパースイエロー201,231,33等が挙げられる。また、マゼンタ成分としては、C.I.ディスパースレッド60、C.I.ディスパースバイオレット26、C.I.ソルベントレッド27、あるいはC.I.ソルベントレッド19等が挙げられる。さらに、シアン成分としては、C.I.ディスパースブルー354、C.I.ソルベントブルー63、C.I.ソルベントブルー36、あるいはC.I.ディスパースブルー24等が挙げられる。
昇華性の熱転写性記録層の構成材料として用いられるバインダとしては、特に限定されるものではないが、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール等のビニル系樹脂、エチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、酢酸セルロース、酢酪酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース等のセルロース系樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、スチレン−アクリルニトリル共重合体樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリルアミド樹脂等の耐熱性、染料移行性等に優れる樹脂が使用できる。また必要に応じて、剥離強度を制御するために上記の樹脂の他に、イソシアネート系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、ジアルデヒド系樹脂等の樹脂を用いてもよい。
昇華性の熱転写性記録層の構成材料の中には、必要に応じて、熱転写記録時における被熱転写体との剥離性を適宜に制御するために離型剤を添加することができる。使用可能な離型剤としては公知のシリコーン系化合物またはフッ素系化合物、またはワックス類等を挙げることができる。
より具体的には、シリコーン系化合物としては、ストレートシリコーンオイル、変性シ
リコーンオイルおよびその硬化物等を挙げることができる。
また、フッ素系化合物としては、フルオロアルキル基またはパーフルオロアルキル基を持つ化合物等を挙げることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
さらに、ワックス類としては、カルナバワックス、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、ライスワックス等を挙げることができる。
一方、熱溶融性の熱転写性記録層中に含有させる染料としては、ジアリールメタン系、トリアリールメタン系、チアゾール系、メチン系、アゾメタン系、キサンテン系、アキサジン系、チアジン系、アジン系、アクリジン系、アゾ系、スピロジピラン系、イソドリノスピロピラン系、フルオラン系、ローダミンダクタム系、アントラキノン系等の一般に使用されている感熱転写性染料を挙げることができる。また、顔料としては、公知の有機顔料、無機顔料を挙げることができる。より具体的には、カーボンブラック、アゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、チオインジゴ系、アントラキノン系、イソインドリノン系等の顔料である。
また、熱溶融性の熱転写性記録層の構成材料として用いられるバインダとしては、熱溶融性のエチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、ロジン系誘導体、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等を挙げることができる。
また、熱溶融性の熱転写性記録層の構成材料として用いられるワックスとしては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、カルナバワックス、モンタンワックス、ポリエチレンワックス、エステルワックス、酸化ワックス等を挙げることができる。
このような構成の熱転写性記録層と面順次に設けられている熱転写性保護層(10)は、上述したように、被熱転写体側に転写される2層が少なくとも積層された構成になっていて、その内の一方の層(接着層)(8)は微粒子(9a)、(9b)、(9c)、(9d)、(9e)、(9f)を含有し、もう一方の層(剥離層)(7)は微粒子を含有しておらず、且つ被熱転写体には微粒子を含有しない層(剥離層)(7)が上に位置するように転写されると共に、微粒子の平均粒子径をr、微粒子を含有する層(接着層)(8)の微粒子が存在しない部分における膜厚をh1とした場合、前記した条件式を満たすようになっている。
このような構成の熱転写性保護層(10)は、被熱転写体上に印画されている画像を覆うように熱転写方式で良好な熱転写記録が行えるようにするための機能と、紫外線や湿気等に対する耐久性を付与する機能を有している必要がある。従って、上記のように、紫外線等からの影響を低減させるための剥離層(7)と、被熱転写体との接着性を確保するための接着層(8)とが積層された複層構成となっている。
そして、一般的には、図にも示すように、このような熱転写性保護層(10)の下層には基材シート(1)側から熱転写記録時に容易に剥離できるようにするための離型層(6)を設ける。
この離型層(6)は、熱転写性保護層(10)と基材シート(1)の剥離強度を適度な範囲内に調整し、基材シート(1)からの安定的な離型性を確保するために設けられるものであり、上記の条件を満たしていればその構成材料の種類を特に限定するものではない。
この離型層(6)の具体的な構成材料としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリ
ビニルピロリドン、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム等の水溶性高分子、塩化ゴム、環化ゴム等の天然ゴム誘導体、天然ワックス、合成ワックス等のワックス類、ニトロセルロース、セルロース、セルロースアセテートプロピオネート等の繊維素誘導体、アクリル系、ポリウレタン系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリアセタール系、塩素化ポリオレフィン系、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系等の熱可塑性樹脂、メラミン系、エポキシ系、ポリウレタン系、シリコーン系等の熱硬化性樹脂等を挙げることができる。
一方、剥離層(7)は、例えば、離型性や滑り性を付与する機能性添加剤、バインダ、溶剤等を配合して調製した構成材料からなるものでる。そして、このような構成材料を用いて剥離層を設ける際の塗布量は、0.3〜3μm程度(乾燥膜厚)であればよい。
このような剥離層(7)の構成材料中に用いる機能性添加剤の一例としては、シリコーンオイル、リン酸エステル系に代表される離型剤、ワックスに代表される滑り剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、蛍光増白剤、帯電防止剤等を挙げることができる。
また、バインダとしては、熱溶融性のポリスチレン、ポリα−メチルスチレン等のスチレン系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル等のアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール等のビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、石油樹脂、アイオノマー、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等の合成樹脂、ニトロセルロース、エチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース誘導体、ロジン、ロジン変性マレイン酸樹脂、エステルガム、ポリイソブチレンゴム、ブチルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエン−アクリロニトリルゴム、ポリ塩素化オレフィン等の天然樹脂や合成ゴムの誘導体、カルナバワックス、パラフィンワックス等のワックス類を挙げることができる。中でも、アクリル系樹脂、セルロース誘導体は好適に用いられる。
一方、複層構成の熱転写性保護層(10)の一方を構成する接着層(8)は、熱転写記録時にもう一方の剥離層(7)と供に被熱転写体上に転写されるが、被熱転写体上では微粒子を含まない層(剥離層(7))が上に位置するように基材シート(1)上に設けられていると共に、そこには、微粒子粒子の平均粒子径をrとし、この微粒子を含有する層(接着層(8))の微粒子が存在しない部分における膜厚をh1とした場合に(図2参照)、次のような条件式を満足するように微粒子の平均粒径と膜厚を設定しておく必要がある。
1.0<r/h1≦2.0
そして、微粒子を含まない層(剥離層(7))の膜厚をh2とした場合に(図2参照)、次のような条件式を満足するように微粒子の平均粒径と、微粒子を含有する層の膜厚h2と微粒子を含まない層の膜厚h1をそれぞれ設定しておくと、このような熱転写性保護層(10)を有する熱転写シートを用いて得られる印画物の捌き性を一段と改善させることが出来ると共に、転写性良好に熱転写記録が行われるようになる。
0.5≦r/(h1+h2)≦1.5
このような接着層(8)の構成材料のバインダとしては、熱溶融性のポリスチレン、ポリα−メチルスチレン等のスチレン系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル等のアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール等のビニル系樹脂、ポリエステル
樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、石油樹脂、アイオノマー、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等の合成樹脂、ニトロセルロース、エチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース誘導体、ロジン、ロジン変性マレイン酸樹脂、エステルガム、ポリイソブチレンゴム、ブチルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエン−アクリロニトリルゴム、ポリ塩素化オレフィン等の天然樹脂や合成ゴムの誘導体、カルナバワックス、パラフィンワックス等のワックス類を挙げることができる。中でも、アクリル系樹脂、セルロース誘導体は好適である。
また、接着層(8)の構成材料中には、必要に応じてリン酸エステル系に代表される離型剤、ワックスに代表される滑り剤、さらには紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、蛍光増白剤、帯電防止剤等を添加することができる。
また、微粒子はその形状は問わず、図2に示すような球状であってもよいが、非球状であっても構わない。この微粒子の構成材料としては、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、石油樹脂、アイオノマー、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等の合成樹脂や金属酸化物、シリカ等が使用できる。
まず、以下のような材料を用意した。なお、文中で「部」とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。
<基材シート>
ポリエステルフィルム:厚さ4.5μm
<耐熱滑性層形成用インク>
ポリビニルアセタール 25.2部
イソシアネート硬化剤 1.1部
タルク 1.0部
メチルエチルケトン 36.3部
トルエン 36.3部
<熱転写性記録層形成用イエローインク>
C.I.ソルベントイエロー93 7.5部
C.I.ソルベントイエロー16 2.5部
ポリビニルアセタール樹脂 8.5部
シリコーン変性樹脂 0.2部
2,6−トリレンジイソシアネート 1.5部
メチルエチルケトン 53.2部
トルエン 26.6部
<熱転写性記録層形成用マゼンタインク>
C.I.ディスパースレッド60 5.0部
C.I.ディスパースバイオレット26 5.0部
ポリビニルアセタール樹脂 8.5部
シリコーン変性樹脂 0.2部
2,6−トリレンジイソシアネート 1.5部
メチルエチルケトン 53.2部
トルエン 26.6部
<熱転写性記録層形成用シアンインク>
C.I.ソルベントブルー63 5.0部
C.I.ソルベントブルー36 5.0部
ポリビニルアセタール樹脂 8.5部
シリコーン変性樹脂 0.2部
2,6−トリレンジイソシアネート 1.5部
メチルエチルケトン 53.2部
トルエン 26.6部
<被熱転写体用基材>
発泡ポリエステルフィルム:厚さ188μm
<被熱転体の受像層形成用インク>
塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体 19.5部
アミノ変性シリコーンオイル 0.5部
トルエン 40.0部
メチルエチルケトン 40.0部
<離型層形成用インク1>
酢酸セルロース樹脂 20.0部
メチルエチルケトン 80.0部
<剥離層形成用インク1>
アクリル樹脂 20.0部
トルエン 40.0部
メチルエチルケトン 40.0部
<剥離層形成用インク2>
アクリル樹脂 19.0部
シリコーンパウダー(平均粒子系0.8μm) 1.0部
トルエン 40.0部
メチルエチルケトン 40.0部
<接着層形成用インク1>
アクリル樹脂 19.0部
シリコーンパウダー(平均粒子径3.0μm) 1.0部
トルエン 40.0部
メチルエチルケトン 40.0部
<接着層形成用インク2>
アクリル樹脂 19.0部
シリコーンパウダー(平均粒子径2.0μm) 1.0部
トルエン 40.0部
メチルエチルケトン 40.0部
<接着層形成用インク3>
アクリル樹脂 20.0部
トルエン 40.0部
メチルエチルケトン 40.0部
<熱転写シートの耐熱滑性層付き基材シートの作製>
グラビアコート法により、上記基材シートの一方の面に、耐熱滑性層形成用インクを用いて耐熱滑性層を乾燥膜厚0.9μmで形成し、その後40℃で5日間エージングすることで、耐熱滑性層付き基材シートを作製した。
<被熱転写体の作製>
グラビアコート法により、上記被熱転写体用基材の一方の面に、被熱転体の受像層形成用インクを用いて、熱転写用受像層を乾燥膜厚5.0μmで形成することで、熱転写用の被熱転写体を作製した。
<実施例1>
グラビアコート法により、耐熱滑性層付き基材シートの上に、熱転写性記録層形成用イエローインク、熱転写性記録層形成用マゼンタインク、熱転写性記録層形成用シアンインクを用いて、イエロー、マゼンタ、シアンの色相を呈する昇華性の熱転写性記録層を乾燥膜厚0.7μmで面順次に形成した。さらに離型層形成用インク1を用いて、耐熱滑性層付き基材シート上に離型層を乾燥膜厚0.5μmで形成した後、その離型層上に、剥離層形成用インクを用いて剥離層を乾燥膜厚0.6μmで形成し、さらに剥離層上に接着層形成用インク1を用いて接着層を乾燥膜厚1.5μmで形成し、本発明の実施例1に係る熱転写シートを作製した。
<実施例2>
剥離層の乾燥膜厚を0.4μmにし、接着層の乾燥膜厚を1.7μmにした以外は実施例1と同様にして、実施例2の熱転写シートを作製した。
<実施例3>
剥離層の乾燥膜厚を0.4μmにし、接着層の乾燥膜厚を2.3μmにした以外は実施例1と同様にして、実施例3の熱転写シートを作製した。
<実施例4>
剥離層の乾燥膜厚を0.2μmにし、接着層の乾燥膜厚を1.9μmにした以外は実施例1と同様にして、実施例4の熱転写シートを作製した。
<実施例5>
接着層形成用インク1に変えて接着層形成用インク2を用い、剥離層の乾燥膜厚を0.6μmにし、接着層の乾燥膜厚を1.4μmにした以外は実施例1と同様にして、実施例5の熱転写シートを作製した。
<実施例6>-
接着層形成用インク1に変えて接着層形成用インク2を用い、剥離層の乾燥膜厚を0.4μmにし、接着層の乾燥膜厚を1.5μmにした以外は実施例1と同様にして、実施例6の熱転写シートを作製した。
<実施例7>
接着層形成用インク1に変えて接着層形成用インク2を使用し、剥離層の乾燥膜厚を0.4μmにし、接着層の乾燥膜厚を1.9μmにした以外は実施例1と同様にして、実施例7の熱転写シートを作製した。
<実施例8>
接着層形成用インク1に変えて接着層形成用インク2を使用し、剥離層の乾燥膜厚を0.2μmにし、接着層の乾燥膜厚を1.7μmにした以外は実施例1と同様にして、実施例7の熱転写シートを作製した。
<実施例9>
剥離層の乾燥膜厚を0.2μmにした以外は実施例2と同様にして、実施例9の熱転写シートを作製した。
<実施例10>
剥離層の乾燥膜厚を2.2μmにした以外は実施例7と同様にして、実施例10の熱転写シートを作製した。
<比較例1>
接着層の乾燥膜厚を1.4μmにした以外は実施例1と同様にして、比較例1の熱転写シートを作製した。
<比較例2>
接着層形成用インク1に変えて接着層形成用インク2を用いた以外は実施例3と同様にして、比較例2の熱転写シートを作製した。
<比較例3>
接着層形成用インク1に変えて接着層形成用インク3を使用した以外は実施例1と同様にして、比較例3の熱転写シートを作製した。
<比較例4>
剥離層形成用インク1に変えて剥離層形成用インク2を使用した以外は実施例1と同様にして、比較例4の熱転写シートを作製した。
実施例1〜10と比較例1〜4の熱転写シートについてミクロトームで切断し、得られた断面の接着層表面付近を走査型電子顕微鏡を用いて観察し、微粒子の接着層からの脱落の有無を確認した。確認の結果、脱落が無いものを○、脱落が発生しているものを×とした。
<転写>
実施例1〜10と比較例1〜4の熱転写シートを加工して、それぞれが昇華型熱転写プリンタに装填できるようにした後、昇華型熱転写プリンタにセットし、最高濃度の全面黒画像(黒ベタ)を印画した。
<転写性評価>
実施例1〜10および比較例1〜4を用いて転写することによって得られた印画物に関して、印画後の画像の熱転写記録状態を目視にて確認した。確認の結果、転写不良が発生していな場合は○、多少生じていた場合は△、生じていた場合は×とした。
<転写物捌き性評価>
実施例1〜10および比較例1〜4に係る熱転写シートを用いて転写することによって得られた印画物を2枚重ねて擦り合わせた後、片方の印画物を指で挟んで持ち上げ、もう一方の印画物との静電気による貼り付きの有無を確認した。貼りつきが無く容易に手で捌けたものを○、貼りつきが発生し手で捌くことが困難であったものを×とした。上記のそれぞれの評価結果を表1に示す。
Figure 0005703581
以上の評価結果から、本発明の熱転写シートを用いて印画を行なえば、印画の品質を低下させること無く印画物が作成でき、しかも得られた印画物は優れた捌き性を有することが確認された。
(1)・・基材シート
(2)・・耐熱滑性層
(3)・・熱転写性記録層(イエロー)
(4)・・熱転写性記録層(マゼンタ)
(5)・・熱転写性記録層(シアン)
(6)・・離型層
(7)・・剥離層
(8)・・接着層
(9a)〜(9f)・・微粒子
(10)・・熱転写シート

Claims (2)

  1. 基材シートの一方の面にはその長手方向に沿って、少なくともイエロー、マゼンタ、シアンの色相を呈する熱転写性記録層と熱転写性保護層が面順次に設けられている熱転写シートであって、熱転写性保護層は被熱転写体側に転写される2層が少なくとも積層された構成になっていて、その内の一方の層は微粒子を含有した接着層であり、もう一方の層は微粒子を含有していない剥離層であり、且つ被熱転写体には微粒子を含有していない層である剥離層が被熱転写体側から見て遠い側になって転写されると共に、微粒子の平均粒子径をr、微粒子を含有する層である接着層の微粒子が存在しない部分における膜厚をh1とした場合、微粒子の平均粒径rと膜厚h1は下記条件式を満たしており、前記接着層と前記剥離層のバインダとしてはエポキシ樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、アイオノマーから、それぞれ選択されることを特徴とする熱転写シート。
    1.0<r/h1≦2.0
  2. 前記微粒子を含有していない層である剥離層の膜厚をh2とした場合、微粒子の平均粒径rと膜厚h1、h2は下記条件式を満たしていることを特徴とする請求項1に記載の熱転写シート。
    0.5≦r/(h1+h2)≦1.5

JP2010082261A 2010-03-31 2010-03-31 熱転写シート Active JP5703581B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010082261A JP5703581B2 (ja) 2010-03-31 2010-03-31 熱転写シート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010082261A JP5703581B2 (ja) 2010-03-31 2010-03-31 熱転写シート

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011212935A JP2011212935A (ja) 2011-10-27
JP5703581B2 true JP5703581B2 (ja) 2015-04-22

Family

ID=44943194

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010082261A Active JP5703581B2 (ja) 2010-03-31 2010-03-31 熱転写シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5703581B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015150870A (ja) * 2014-02-19 2015-08-24 大日本印刷株式会社 中間転写記録媒体及び画像形成方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1044611A (ja) * 1996-08-07 1998-02-17 Dainippon Printing Co Ltd 熱転写カバーフィルム
JP2008006709A (ja) * 2006-06-29 2008-01-17 Dainippon Printing Co Ltd 転写箔
US8017552B2 (en) * 2007-03-29 2011-09-13 Fujifilm Corporation Heat-sensitive transfer sheet and image-formation method
JP2009220395A (ja) * 2008-03-17 2009-10-01 Toppan Printing Co Ltd 熱転写記録媒体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011212935A (ja) 2011-10-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN108602371B (zh) 中间转印介质、中间转印介质与热转印片的组合、以及印刷物的形成方法
JP5534151B2 (ja) 熱転写シート及び印画物
JP5540549B2 (ja) 熱転写記録媒体
KR102415491B1 (ko) 열전사 시트
JP5655350B2 (ja) 熱転写シート
JP5703581B2 (ja) 熱転写シート
WO2016043236A1 (ja) 転写シート
JPH10315641A (ja) 保護層転写シート
JP6657697B2 (ja) 熱転写シート
JP2011062824A (ja) 昇華型熱転写媒体
JP5439798B2 (ja) 熱転写シート
JP5782770B2 (ja) 保護層転写シート
JP5573071B2 (ja) 熱転写シート
JP2013071264A (ja) 保護層付き熱転写シート
JP2002002126A (ja) 転写型画像保護フィルム
JP2005096174A (ja) 熱転写シートおよび印画物
JP2009286040A (ja) 熱転写シートおよび印画物
WO2021049334A1 (ja) 熱転写シートと中間転写媒体との組合せ、及び該組合せを用いた印画物の製造方法
JP2010234733A (ja) 熱転写シート
JP2010158803A (ja) 昇華型熱転写媒体
JP2009202393A (ja) 熱転写記録媒体
JP4469735B2 (ja) 熱転写記録媒体、及びこれを用いた印刷物
JP2009220395A (ja) 熱転写記録媒体
JP2009262355A (ja) 昇華型熱転写媒体
JP5556126B2 (ja) 熱転写シート

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130220

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140312

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140318

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140514

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20141118

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150109

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150127

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150209

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5703581

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250