JP2012071507A - 熱転写記録媒体およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】支持体2の一方の面に、少なくともイエロー熱転写層3とマゼンダ熱転写層4とシアン熱転写層5とが、支持体1の長手方向に面順次に繰り返し設けられた熱転写層を有する熱転写記録媒体1において、マゼンダ熱転写層4およびシアン熱転写層5が、それぞれ少なくとも2種以上の染料を含んでおり、マゼンタ熱転写層4に含まれている全染料の1重量%以上10重量%以下を占める染料と、シアン熱転写層5に含まれている全染料の20重量%以上80重量%以下を占める染料とが、同一の染料である。
【選択図】図1
Description
昇華型熱転写方式は、支持体上に染料やバインダー等を含む熱転写層等を設けた熱転写記録媒体の熱転写層表面と、他の支持体上に染料を受容する受容層を設けた被熱転写体の受容層表面とを互いに重ね合わせ、熱転写記録媒体の熱転写層を設けていない面から、文字または画像情報により温度制御されたサーマルヘッド等により加熱する。その結果、熱転写層中の染料を昇華させ、受容層へ移行させることにより、所望の文字または画像を形成する手法のことを言う。
一方、溶融型熱転写方式は、支持体上に顔料などの熱溶融性の熱転写層を設けた熱転写記録媒体の熱転写層表面と、他の支持体上に受容層を設けた被熱転写体の受容層表面とを互いに重ね合わせ、サーマルヘッド等により加熱する。その結果、受容層に熱転写層を融着させ、受容層側へ転移させることにより、所望の文字または画像を形成する手法を言う。
上記の熱転写方式のうち、昇華型熱転写方式は、文字や図表等のモノクロプリントや、デジタルカメラ画像またはコンピューターグラフィックス画像等のカラープリントに広く採用されている。
熱転写記録媒体1は、支持体2、イエロー熱転写層3、マゼンダ熱転写層4、シアン熱転写層5、保護層6を含んで構成され、イエロー熱転写層3、マゼンダ熱転写層4、シアン熱転写層5(以下、「各熱転写層3、4、5」ということがある。)と保護層6は、支持体2の一方の面上に設けられ、支持体2の長手方向に順次繰り返し形成されるよう構成されている。
ただし、各熱転写層3、4、5に用いられる染料は必ずしも上記に限定されるものではない。
まず、下記組成のイエロー熱転写層形成用インキ、マゼンタ熱転写層形成用インキ、及びシアン熱転写層形成用インキを調製した。続いて、裏面に耐熱滑性処理を施した厚み4.5μmのポリエチレンテレフタレートフイルムの表面に、上記各インキからなる塗膜をグラビアコート法を用いて形成し、しかる後にエスペック社製オーブン(PHH−101)にて50℃、1分間乾燥後、膜厚が1.0μmのイエロー熱転写層、マゼンタ熱転写層、及びシアン熱転写層を面順次に設けた。続いて、イエロー熱転写層、マゼンタ熱転写層、及びシアン熱転写層について、同様の乾燥手法を用いて50℃、1分間乾燥を行い、本発明の実施例1に係る熱転写記録媒体を得た。
・C.I.ソルベントイエロー93 3.5部
・C.I.ソルベントイエロー16 1.5部
・ポリビニルアセタール樹脂
(電気化学工業社製:デンカブチラール) 5部
・メチルエチルケトン 60部
・トルエン 30部
〔マゼンタ熱転写層形成用インキ〕
・C.I.ディスパースレッド60 4.95部
・C.I.ソルベントブルー63 0.05部 (染料Aに相当)
・ポリビニルアセタール樹脂
(電気化学工業社製:デンカブチラール) 5部
・メチルエチルケトン 60部
・トルエン 30部
〔シアン熱転写層形成用インキ〕
・C.I.ソルベントブルー63 1部 (染料Bに相当)
・C.I.ソルベントブルー36 4部
・ポリビニルアセタール樹脂
(電気化学工業社製:デンカブチラール) 5部
・メチルエチルケトン 60部
・トルエン 30部
・塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体
(日信化学工業社製、ソルバインA) 50部
・シリコーンオイル
(信越化学工業社製、KF393) 2部
・メチルエチルケトン 25部
・トルエン 25部
各熱転写層を形成した後の乾燥工程において、乾燥時間を180秒とした以外は、実施例1と同様にして、本発明の実施例2に係る熱転写記録媒体を得た。
各熱転写層を形成した後の乾燥工程において、乾燥温度を70℃とした以外は、実施例1と同様にして、本発明の実施例3に係る熱転写記録媒体を得た。
各熱転写層を形成した後の乾燥工程において、乾燥温度を70℃、乾燥時間を180秒とした以外は、実施例1と同様にして、本発明の実施例4に係る熱転写記録媒体を得た。
各熱転写層を形成した後の乾燥工程において、乾燥温度を90℃とした以外は、実施例1と同様にして、本発明の実施例5に係る熱転写記録媒体を得た。
各熱転写層を形成した後の乾燥工程において、乾燥温度を90℃、乾燥時間を180秒とした以外は、実施例1と同様にして、実施例6に係る熱転写記録媒体を得た。
マゼンタ熱転写層形成用インキのうち、C.I.ディスパースレッド60を4.975部、C.I.ソルベントブルー63を0.025部とした以外は、実施例1と同様にして、比較例1に係る熱転写記録媒体を得た。
各熱転写層を形成した後の乾燥工程において、乾燥時間を180秒とした以外は、比較例1と同様にして、比較例2に係る熱転写記録媒体を得た。
マゼンタ熱転写層形成用インキのうち、C.I.ディスパースレッド60を4.25部、C.I.ソルベントブルー63を0.75部とした以外は、実施例1と同様にして、比較例3に係る熱転写記録媒体を得た。
各熱転写層を形成した後の乾燥工程において、乾燥時間を180秒とした以外は、比較例3と同様にして、比較例4に係る熱転写記録媒体を得た。
上記のようにして得られた各熱転写記録媒体の熱転写層面と被熱転写体の受容層面とを重ね、サーマルヘッドを用いて染料を移行させ、各色の熱転写濃度を0%、5%、10%、以下10%ずつ100%まで増加させたカラーパターン画像の被熱転写体の受容層への印画を実施した。
得られたカラーパターン画像のうち、イエロー、マゼンダ、シアンを混合熱転写画像であるグレースケール画像について、X−rite528濃度計(X−rite社製)を用いて、最高濃度(Dmax)及び低濃度領域における反射濃度測定を実施した。得られた結果を表1にまとめた。
2・・・支持体
3・・・イエロー熱転写層
4・・・マゼンダ熱転写層
5・・・シアン熱転写層
6・・・保護層
Claims (3)
- 支持体の一方の面に、少なくともイエロー熱転写層とマゼンダ熱転写層とシアン熱転写層とが、前記支持体の長手方向に面順次に繰り返し設けられた熱転写層を有する熱転写記録媒体であって、
前記マゼンダ熱転写層および前記シアン熱転写層が、それぞれ少なくとも2種以上の染料を含んでおり、
前記マゼンタ熱転写層に含まれている全染料の1重量%以上10重量%以下を占める染料と、前記シアン熱転写層に含まれている全染料の20重量%以上80重量%以下を占める染料とが、同一の染料であることを特徴とする熱転写記録媒体。 - 支持体の一方の面に、少なくともイエロー熱転写層とマゼンダ熱転写層とシアン熱転写層とが、前記支持体の長手方向に面順次に繰り返し設けられた熱転写層を有する熱転写記録媒体の製造方法であって、
前記イエロー熱転写層を形成する工程と、
前記支持体の一方の面に、少なくとも2種以上の染料を含む塗液を塗布し、乾燥させて、前記マゼンダ熱転写層を形成する工程と、
前記支持体の一方の面に、少なくとも2種以上の染料を含む塗液を塗布し、乾燥させて、前記シアン熱転写層を形成する工程と、
前記イエロー熱転写層と前記マゼンダ熱転写層と前記シアン熱転写層とをさらに乾燥させる工程とを備え、
前記マゼンタ熱転写層に含まれている全染料の1重量%以上10重量%以下を占める染料と、前記シアン熱転写層に含まれている全染料の20重量%以上80重量%以下を占める染料とが、同一の染料であることを特徴とする熱転写記録媒の製造方法。 - 前記イエロー熱転写層と前記マゼンダ熱転写層と前記シアン熱転写層とを乾燥させるときの温度が、50℃以上90℃以下であることを特徴とする請求項2に記載の熱転写記録媒の製造方法。
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