JP2018167567A - 熱転写シート - Google Patents

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Abstract

【課題】保護層に耐擦過性と耐光性の機能を持たせ、転写層が転写された印画物に耐擦過性と耐光性を付与することができる熱転写シートを提供する。【解決手段】基材1の一方の面上に、転写層10が設けられた熱転写シート100であって、転写層10は、基材1側から、保護層2、表面層3がこの順で積層されてなる積層構成を呈しており、保護層2が、(i)(メタ)アクリル酸、及び式(1)で示される重合成分の中から選択される少なくとも1種と、紫外線吸収剤との共重合体を含有しているか、又は(ii)(メタ)アクリル酸の重合体、及び式(1)で示される重合成分の重合体の群から選択される少なくとも1種と、紫外線吸収剤とを含有している。【選択図】図1

Description

本発明は、熱転写シートに関する。
透明性に優れ、中間色の再現性や階調性が高く、従来のフルカラー写真画像と同等の高品質画像が簡易に形成できる点から、昇華転写方式を用いて被転写体上に熱転写画像を形成することが広く行われている。被転写体上に熱転写画像が形成された印画物としては、デジタル写真や、身分証明書、運転免許証、会員証等多くの分野で使用されているIDカードが知られている。
昇華転写方式による熱転写画像の形成には、基材の一方の面に染料層が設けられた熱転写シートと、被転写体、例えば、他の基材の一方の面に受容層が設けられた熱転写受像シートが使用される。そして、被転写体と、熱転写シートの染料層とを重ね合わせ、サーマルヘッドにより、熱転写シートの背面側から熱を印加して染料層の染料を移行させることにより、被転写体上に熱転写画像が形成された印画物を得ることができる。このような昇華転写方式は、熱転写シートに印加するエネルギー量によって染料の移行量を制御できるため濃度階調が可能であることから、画像が非常に鮮明であり、且つ透明性、中間調の色再現性、階調性に優れフルカラー写真画像に匹敵する高品質の印画物を形成することができる。
近時、熱転写受像シート以外の任意の被転写体上に、熱転写画像が形成された印画物を得たいとの要求に対応すべく、基材上に受容層が剥離可能に設けられた中間転写媒体が提案されている(例えば、特許文献1)。この中間転写媒体によれば、熱転写シートの染料層の染料を、中間転写媒体の受容層上に転写して熱転写画像を形成し、その後に中間転写媒体の背面側を加熱して、受容層を任意の被転写体上に転写することで、任意の被転写体上に熱転写画像が形成された印画物を得ることができる。
昇華転写方式により熱転写受像シートの受容層上に熱転写画像を形成することで得られる印画物、或いは、昇華転写方式により中間転写媒体の受容層に熱転写画像を形成し、この受容層を任意の被転写体上に再転写することで得られる印画物は、当該印画物の最表面に、熱転写画像が形成された受容層が位置することとなる。しかしながら、昇華転写方式で受容層上に形成される熱転写画像は、上記の如く階調性画像の形成に優れるものの、形成された印画物は通常の印刷インキによるものとは異なり、染料が顔料でなく比較的低分子量の染料であり且つビヒクルが存在しないため、耐擦過性等の物理的耐久性に劣るといった欠点を有する。
そこで、近時、熱転写画像が形成された熱転写受像シートの受容層と、保護層を有する保護層転写シートを重ね合わせ、サーマルヘッドや加熱ロール等を用いて、熱転写画像が形成された受容層上にさらに保護層を転写する方法が用いられている。このように、熱転写画像が形成された受容層上にさらに保護層を転写することで、熱転写画像の耐久性を向上させることができる。中間転写媒体においても同様の試みがなされており、例えば、特許文献2には、基材上に、剥離層、保護層、受容層兼接着層が設けられた中間転写媒体が提案されている。この中間転写媒体によれば、任意の基材上に、熱転写画像が形成された受容層、保護層を転写した時に、熱転写画像が形成された受容層の表面に保護層が位置することから、熱転写画像に耐久性を付与することができる。
上記の如く形成される印画物には、耐擦過性等の物理的な耐久性に加え、高い耐光性が求められている。印画物に耐光性を付与するための保護層転写シート等については種々の検討がなされており、例えば、保護層転写シートの保護層に、紫外線吸収剤を含有させて、保護層が転写された印画物の耐光性を向上させる試み等がなされている。しかしながら、保護層に充分な耐光性を付与するためには、紫外線吸収剤の含有量を多くしていくことが必要となる一方で、紫外線吸収剤の含有量が多くなるにつれ、当該紫外線吸収剤を含有する保護層は脆くなり、保護層の耐擦過性は低くなっていく傾向にある。つまり、保護層の耐光性を満足させることと、保護層の耐擦過性を満足させることはトレードオフの関係にあるといえる。
また、保護層転写シート等において、保護層に、耐擦過性の機能を付与し、保護層とは異なる層、例えば、接着層や、保護層と接着層との間に設けられる任意の層等に耐光性を付与する試み等もなされているが、前者の場合には、接着層に耐光性を付与することに伴い、接着層に本来的に求められている機能が低下していき、また、後者の場合には、保護層転写シートの層構成が煩雑になり、コストが上昇してしまう等の問題が生ずることとなる。したがって、これらの点を考慮すると、保護層転写シートや、中間転写媒体において、転写層が転写された印画物に充分な耐光性や、耐擦過性を付与するためには、保護層自体が、耐光性と、耐擦過性の双方の機能を備えていることが望ましいといえる。
特開昭62−238791号公報 特開2004−351656号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、保護層に耐擦過性と耐光性の機能を持たせ、転写層が転写された印画物に耐擦過性と耐光性を付与することができる熱転写シートを提供することを主たる課題とする。
上記課題を解決するための本発明は、基材の一方の面上に、転写層が設けられた熱転写シートであって、前記転写層は、前記基材側から、保護層、表面層がこの順で積層されてなる積層構成を呈しており、前記保護層が、(メタ)アクリル酸、及び下式(1)で示される重合成分を含む群の中から選択される少なくとも1種と、紫外線吸収剤との共重合体を含有していることを特徴とする。
Figure 2018167567
(式中R1は炭素数が1以上3以下のアルキレン基である)
また、上記課題を解決するための本発明は、基材の一方の面上に、転写層が設けられた熱転写シートであって、前記転写層は、前記基材側から、保護層、表面層がこの順で積層されてなる積層構成を呈しており、前記保護層が、(メタ)アクリル酸の重合体、及び上式(1)で示される重合成分の重合体を含む群の中から選択される少なくとも1種と、紫外線吸収剤を含有していることを特徴とする。
また、前記表面層が接着層であってもよい。また、前記接着層は、ポリメチル(メタ)アクリレートを、当該接着層の固形分総量に対して90質量%以上含有していてもよい。
また、前記表面層が、受容層であってもよい。
また、前記基材の一方の面上に、前記転写層と染料層とが面順次に設けられていてもよい。
本発明の熱転写シートによれば、保護層に耐擦過性と耐光性の機能を持たせることで、当該保護層を含む転写層が転写された印画物に耐擦過性と耐光性を同時に付与することができる。
一実施形態の熱転写シートの一例を示す概略断面図である。 一実施形態の熱転写シートの一例を示す概略断面図である。 一実施形態の熱転写シートの一例を示す概略断面図である。 一実施形態の熱転写シートの一例を示す概略断面図である。 一実施形態の熱転写シートを用いて形成された印画物の一例を示す概略断面図である。 一実施形態の熱転写シートを用いて形成された印画物の一例を示す概略断面図である。
<<熱転写シート>>
以下に、本発明の一実施形態の熱転写シート100(以下、一実施形態の熱転写シートと言う)について図面を用いて具体的に説明する。
図1〜図4に示すように、一実施形態の熱転写シート100は、基材1と、基材1上に位置する転写層10とから構成され、転写層10は、基材1側から保護層2、表面層3がこの順で積層されてなる積層構成を呈している。また、図2に示す形態の熱転写シート100は、基材1の同一面上に、上記の転写層10と染料層7とが面順次に設けられた構成を呈している。また、図3に示す形態の熱転写シート100は、表面層3を接着層3Aとした保護層転写シート100Aであり、図4に示す形態の熱転写シート100は、表面層3を受容層3Bとした中間転写媒体100Bである。なお、基材1、転写層10(保護層2、表面層3を含む)は、一実施形態の熱転写シート100における必須の構成であり、染料層7は任意の構成である。また、一実施形態の熱転写シート100は、図5に示すように、熱転写画像Xを有する画像形成物200の最表面に保護層2が位置する印画物300、或いは、図6(b)に示すように、任意の被転写体150上に、熱転写画像Xが形成された受容層3Bが位置し、当該受容層上に保護層2が位置する印画物300を得るために用いられるものである。以下、各構成について説明する。
(基材)
基材1は、一実施形態の熱転写シート100における必須の構成であり、基材1の一方の面上に位置する転写層10を保持している。基材1の材料について特に限定はないが、転写層10を転写する際に加えられる熱に耐え、取り扱い上支障のない機械的特性を有するものが好ましい。このような基材1としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、セルロース誘導体、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン・エチレン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド等の各種プラスチックフィルムまたはシートを挙げることができる。これらの材料はそれぞれ単独でも使用できるが、他の材料と組合せた積層体として使用してもよい。基材1の厚さは、その強度及び耐熱性が適切になるように材料に応じて適宜設定することができ、0.5μm以上50μm以下の範囲が好ましく、1μm以上20μm以下の範囲がより好ましく、1μm以上10μm以下の範囲が特に好ましい。
また、基材1は、転写層10が設けられる面に接着処理が施されていてもよい。接着処理を施すことで、基材1と転写層10との密着性を向上させることができる。
接着処理としては、例えば、コロナ放電処理、火炎処理、オゾン処理、紫外線処理、放射線処理、粗面化処理、化学薬品処理、プラズマ処理、低温プラズマ処理、プライマー処理、グラフト化処理等公知の樹脂表面改質技術をそのまま適用することができる。また、それらの処理を2種以上併用することもできる。
(転写層)
図1〜図4に示すように、基材1の一方の面上(図示する形態では、基材1の上面)には、転写層10が設けられている。転写層10は、少なくとも、保護層2、表面層3を含んでおり、基材1側から、保護層2、表面層3がこの順で積層されてなる積層構成を呈している。なお、本願明細書で言う「表面層」は、一実施形態の熱転写シート100の最表面に位置する層を意味し、「保護層」は、転写層10を構成する層のうち、基材1から最も近くに位置する層を意味する。詳細は後述するが、一実施形態の熱転写シート100は、転写層10を構成する保護層2が、耐光性と、耐擦過性を有しており、当該保護層2によって、転写層10が転写された印画物に充分な耐光性と、耐擦過性を付与することができる。したがって、転写層10は、保護層2、及び表面層3以外の層を含むものであってもよいが、好ましい形態の熱転写シート100は、転写層10が、保護層2、表面層3の2層から構成される積層構成を呈している。
(保護層)
一実施形態の熱転写シート100は、(A)保護層2が、(メタ)アクリル酸、及び下式(1)で示される重合成分を含む群の中から選択される少なくとも1種と、紫外線吸収剤との共重合体を含有しているか、又は(B)保護層2が、(メタ)アクリル酸の重合体、及び下式(1)で示される重合成分の重合体を含む群の中から選択される少なくとも1種と、紫外線吸収剤と、を含有していることを特徴としている。
Figure 2018167567
(式中R1は炭素数が1以上3以下のアルキレン基である)
上記特徴の保護層2を有する一実施形態の熱転写シート100によれば、転写層10を構成する保護層2に、耐光性と、耐擦過性の双方を付与することができ、転写層10を転写することで得られる印画物に充分な耐光性と、耐擦過性を付与することができる。
以下、(第1形態)保護層2が、(メタ)アクリル酸、及び式(1)で示される重合成分を含む群の中から選択される少なくとも1種と、紫外線吸収剤との共重合体を含有している形態と、(第2形態)保護層2が、(メタ)アクリル酸の重合体、及び式(1)で示される重合成分の重合体を含む群の中から選択される少なくとも1種と、紫外線吸収剤と、を含有している形態に分けて説明する。なお、保護層2と言う場合には、特に断りがある場合を除いて、第1形態の保護層2、及び第2形態の保護層2の双方を含むものとする。なお、本願明細書で言う(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸又はメタクリル酸を意味する。
(第1形態の保護層)
第1形態の保護層2は、(メタ)アクリル酸、及び式(1)で示される重合成分を含む群の中から選択される少なくとも1種と、紫外線吸収剤との共重合体を含有している。以下、(メタ)アクリル酸、及び式(1)で示される重合成分の群から選択される少なくとも1種と、紫外線吸収剤との共重合体を「特定の共重合体」と言う場合がある。また、(メタ)アクリル酸、及び式(1)で示される重合成分を総称して「特定の成分」と言う場合がある。
「特定の共重合体」を含有する第1形態の保護層2によれば、第1形態の保護層2に耐光性と、耐擦過性の双方を同時に付与することができる。したがって、第1形態の保護層2によれば、当該第1形態の保護層2を含む転写層10を転写することで得られる印画物に充分な耐光性と、耐擦過性を付与することができる。
「特定の共重合体」の重合形態について特に限定はなく、例えば、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合、交互共重合等を挙げることができる。
「特定の共重合体」をなす紫外線吸収剤について特に限定はなく、従来公知の反応性紫外線吸収剤を適宜選択して用いることができる。反応性紫外線吸収剤の一例としては、従来公知の紫外線吸収剤であるサリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、置換アクリロニトリル系、ニッケルキレート系、ヒンダートアミン系等の非反応性紫外線吸収剤に、ビニル基やアクリロイル基、メタアクリロイル基等の付加重合性二重結合、或いは、アルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基等を導入したもの等を挙げることができる。これらの中でも、ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤が好ましく、ビニル基を有するベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤が特に好ましい。また、紫外線吸収剤として、市販品を用いることもできる。市販品としては、例えば、大塚化学(株)のRUVA−93等を挙げることができる。
「特定の共重合体」をなす紫外線吸収剤は、「特定の共重合体」を含有する第1形態の保護層2に耐光性を付与する役割を果たす。なお、「特定の共重合体」にかえて、保護層に、「特定の成分」のみを含有せしめた場合や、紫外線吸収剤を重合成分として用いることなく、「特定の成分」と他の重合成分とを共重合してなる共重合体を含有せしめた場合には、保護層に充分な耐光性を付与することができない。
「特定の共重合体」をなす、(メタ)アクリル酸や、式(1)で示される重合成分は、いずれも「特定の共重合体」を含有する第1形態の保護層2に耐擦過性を付与する役割を果たす。つまり、「特定の成分」と、紫外線吸収剤とを共重合してなる共重合体を含有する第1形態の保護層2によれば、当該保護層2に耐光性と、耐擦過性の双方を同時に付与することができる。
上記「特定の成分」に含まれる式(1)で示される重合成分は、式(1)中のR1が、炭素数が1以上3以下のアルキレン基であることを条件としているが、これは、「特定の共重合体」にかえて、式(1)中のR1の炭素数が4以上のアルキレン基である重合成分と、紫外線吸収剤との共重合体を保護層に含有せしめた場合には、保護層の耐擦過性を満足させることができないことによる。「特定の共重合体」を含有する保護層とすることで、第1形態の保護層2の耐擦過性が向上するメカニズムは現在のところ必ずしも明らかとはなっていないが、「特定の成分」の酸価が、耐擦過性と密接的な関連性を有しているものと推察され、共重合体をなす「特定の成分」の酸価を抑えることで、耐擦過性の向上が図られているものと推察される。
「特定の共重合体」における紫外線吸収剤との共重合比率について特に限定はないが、紫外線吸収剤の共重合比率は、モル比で10%以上50%以下の範囲内であることが好ましく、30%以上50%以下の範囲内であることが好ましい。紫外線吸収剤の共重合比率を好ましい範囲とすることで、第1形態の保護層の耐光性を更に向上させることができる。また、紫外線吸収剤として、2種以上を用いてもよい。この場合、紫外線吸収剤の共重合比率とある記載を、それぞれの紫外線吸収剤の共重合比率を合計した共重合比率と読み替えればよい。「特定の成分」についても同様である。
「特定の共重合体」における(メタ)アクリル酸、及び式(1)で示される重合成分を含む群の中から選択される成分(「特定の成分」)の共重合比率についても特に限定はないが、「特定の成分」の共重合比率は、モル比で50%以上90%以下の範囲内であることが好ましい。「特定の成分」の共重合比率を好ましい範囲とすることで、耐擦過性のさらなる向上を図ることができる。また、「特定の成分」として、2種以上を用いてもよい。この場合、「特定の成分」の共重合比率とある記載を、それぞれの成分の共重合比率を合計した共重合比率と読み替えればよい。
また、「特定の共重合体」は、さらに他の重合成分が共重合されたものであってもよい。他の共重合成分としては、例えば、スチレンや、他のアクリル系モノマー、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これ以外にも、ラジカル捕捉に有効なヒンダードアミン型光安定剤(HALS)や酸化防止剤等がさらに共重合されたものであってもよい。酸化防止剤としては、ヒンダードアミン型光安定剤(HALS)の再生作用を有するフェノール系の酸化防止剤等が好ましい。なお、「特定の共重合体」における他の重合成分の共重合比率は、モル比で40%以下であることが好ましい。
「特定の共重合体」の含有量について特に限定はなく、当該「特定の共重合体」を含む第1形態の保護層2によれば、「特定の共重合体」を含有していない保護層と比較して、耐光性と耐擦過性の双方の向上を図ることができる。好ましい第1形態の保護層2は、上記「特定の共重合体」を、第1形態の保護層2の総質量に対し90質量%以上、より好ましくは95質量%以上含有している。上限値について限定はなく100質量%である。また、第1形態の保護層2は、「特定の共重合体」として1種を含有していてもよく、2種以上を含有していてもよい。
(任意の成分)
第1形態の保護層2は、上記「特定の共重合体」とともに、他の樹脂成分、金属石鹸、微粒子成分を含有していてもよい。特に、「特定の共重合体」とともに、タルクや、金属石鹸を含有する保護層2によれば、保護層2の耐擦過性のさらなる向上を図ることができる。これら任意の成分の含有量は、「特定の共重合体」の含有を妨げない範囲であればよく、好ましくは、保護層2の総質量に対し1質量%以上10質量%以下の範囲である。特に好ましい第1形態の保護層は、第1保護層2の総質量に対し、タルク、及び金属石鹸の何れか一方又は双方を1質量%以上5質量%以下の範囲で含有している。このことは後述する第2形態の保護層についても同様である。
第1形態の保護層2の厚みについて特に限定はないが、0.4μm以上であることが好ましく、0.8μm以上であることがより好ましい。第1形態の保護層2の厚みを0.4μm以上、特には、0.8μm以上とすることで、第1形態の保護層2を含む転写層10を転写することで得られる印画物の耐光性や耐擦過性のさらなる向上を図ることができる。第1形態の保護層2の厚みの上限値についても特に限定はないが10μm以下であることが好ましい。第1形態の保護層2の厚みを10μm以下とすることで、転写層10を転写するときの箔切れ性の向上を図ることができる。このことは後述する第2形態の保護層2についても同様である。
第1形態の保護層2の形成方法について特に限定はなく、「特定の共重合体」、必要に応じて添加される任意の成分を、適当な溶媒に分散、或いは溶解した保護層用塗工液を、基材1、或いは基材1上に設けられる任意の層上に塗布・乾燥して形成することができる。保護層用塗工液の塗布方法について特に限定なく、従来公知の塗布方法を適宜選択して用いることができる。塗布方法としては、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースコーティング法等を挙げることができる。また、これ以外の塗布方法を用いることもできる。このことは、後述する各種塗工液の塗布方法についても同様である。
(第2形態の保護層)
第2形態の保護層2は、必須の成分として、(メタ)アクリル酸の重合体と、式(1)で示される重合成分の重合体を含む群の中から選択される少なくとも1種と、紫外線吸収剤とを含有している。
(メタ)アクリル酸の重合体、及び式(1)で示される重合成分の重合体を含む群の中から選択される少なくとも1種と、紫外線吸収剤とを含有する第2形態の保護層2によれば、当該保護層2に耐光性と、耐擦過性の双方を同時に付与することができる。したがって、上記第1形態の保護層2と同様に、第2形態の保護層2によっても、当該第2形態の保護層2を含む転写層10を転写することで得られる印画物に充分な耐光性と、耐擦過性を付与することができる。
(メタ)アクリル酸の重合体は、(メタ)アクリル酸の単独重合体であってもよく、(メタ)アクリル酸の共重合比率がモル比で50%以上の共重合体(但し、上記「特定の共重合体」は除く。)であってもよい。(メタ)アクリル酸の重合体としては、重量平均分子量(Mw)が20000以上40000以下のものが好適である。
また、式(1)で示される重合成分の重合体は、式(1)で示される重合成分の単独重合体であってもよく、式(1)で示される重合成分の共重合比率がモル比で50%以上の共重合体(但し、上記「特定の共重合体」は除く。)であってもよい。式(1)で示される重合成分の重合体としては、重量平均分子量(Mw)が20000以上40000以下のものが好適である。
第2形態の保護層2が含有する紫外線吸収剤としては、従来公知の紫外線吸収剤を適宜選択して用いることができる。紫外線吸収剤の一例としては、従来公知の紫外線吸収剤であるサリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、置換アクリロニトリル系、ニッケルキレート系、ヒンダートアミン系等の紫外線吸収剤の非反応性紫外線吸収剤や、これら非反応性紫外線吸収剤に、ビニル基やアクリロイル基、メタアクリロイル基等の付加重合性二重結合、あるいは、アルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基等を導入した反応性紫外線吸収剤などを挙げることができる。第2形態の保護層2では、紫外線吸収剤としては、非反応性紫外線吸収剤が好ましく用いることができる。非反応性紫外線吸収剤を含有する第2形態の保護層2とすることで、当該保護層2の色相の安定性を高めることができる。
第2形態の保護層2は、紫外線吸収剤として1種を含有していてもよく、2種以上を含有していてもよい。
また、第2形態の保護層2は、(メタ)アクリル酸の重合体や、式(1)で示される重合成分の重合体として1種を含有していてもよく、2種以上を含有していてもよい。
(メタ)アクリル酸の重合体や、式(1)で示される重合成分の重合体、及び紫外線吸収剤の含有量について特に限定はないが、第2形態の保護層2の総質量に対する(メタ)アクリル酸の重合体、及び式(1)で示される重合成分の重合体の何れか一方、又は双方の質量(双方の場合には、その合計質量)は、60質量%以上90質量%以下の範囲が好ましい。また、第2形態の保護層2の総質量に対する紫外線吸収剤の質量(2種以上の場合にはその合計の含有量)は、10質量%以上40質量%以下の範囲が好ましい。(メタ)アクリル酸の重合体、及び式(1)で示される重合成分の重合体の何れか一方、又は双方と、紫外線吸収剤を好ましい範囲で含有する第2形態の保護層2によれば、耐光性や、耐擦過性のさらなる向上を図ることができる。
第2形態の保護層2の形成方法について特に限定はなく、(メタ)アクリル酸の重合体、及び式(1)で示される重合成分の重合体の何れか一方、又は双方と、紫外線吸収剤、必要に応じて添加される任意の成分を適当な溶媒に分散、或いは溶解した保護層用塗工液を、基材1、或いは基材1上に設けられる任意の層上に塗布・乾燥して形成することができる。
(表面層)
図1〜図4に示すように、保護層2上には直接的に、或いは間接的に(図示する形態では、直接的に)表面層3が設けられている。表面層3は、転写層10を構成する層であり、一実施形態の熱転写シート100における必須の構成である。
一実施形態の熱転写シート100は、図5に示すような、熱転写画像Xを有する画像形成物200上に、接着層3A、保護層2がこの順で積層されてなる印画物300、或いは、図6(b)に示すような、任意の被転写体150上に熱転写画像Xが形成された受容層3B、保護層2がこの順で積層されてなる印画物300を得るためのものであり、一実施形態の熱転写シート100は、表面層3を接着層3Aとした保護層転写シート100A(図2、図3参照)であってもよく、表面層3を受容層3B(受容層兼接着層と称される場合もある)とした中間転写媒体100B(図4参照)であってもよい。一実施形態の熱転写シート100を保護層転写シート100Aとする場合には、図5に示すように、予め準備された画像形成物200上に、保護層2、接着層3Aを含む転写層10を転写することで印画物300を得る。一方、一実施形態の熱転写シート100を中間転写媒体100Bとする場合には、図6(a)に示すように、転写層10を構成する受容層3B上に熱転写画像Xを形成し、次いで、図6(b)に示すように、任意の被転写体150上に、保護層2、熱転写画像が形成された受容層3Bを含む転写層10を転写することで印画物300を得る。
<接着層>
表面層3の一形態である接着層3Aについて特に限定はなく、保護層転写シートの分野で従来公知の接着層を適宜選択して用いることができる。接着層3Aの成分としては、例えば、紫外線吸収剤共重合体、アクリル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂などを挙げることができる。
なお、一実施形態の熱転写シート100を、図2に示すように、基材1の同一面上に、当該基材側から保護層2、表面層としての接着層3Aが積層されてなる転写層10と、染料層7とを面順次に設けた熱転写シート100(以下、この構成の熱転写シートを一体型の熱転写シートと言う)とすることもできる。このような一体型の熱転写シートにおいては、当該一体型の熱転写シートをロール状に巻き取っていったときに、基材1の一方の面上に設けられた染料層7の染料が、基材1の他方の面側にキックし、当該一体型の熱転写シートを巻き返していったときに、当該キックした染料が、表面層としての接着層3Aに移行し種々の問題を引き起こす。例えば、基材1の他方の面側にキックした染料が、接着層3Aにバックした場合には、転写層10を転写することで得られる印画物の透明性等を低下させることとなる。
したがって、一体型の熱転写シート100においては、基材1の他方の面側にキックした染料が、接着層3A側にバックしない、或いはバックを抑制できるような接着層3Aを用いることが好ましく、好ましい形態の接着層3Aは、ポリメチル(メタ)アクリレートを含有している。ポリメチル(メタ)アクリレートを含有する接着層3Aとすることで、一体型の熱転写シート100を巻き取っていったときに基材1の他方の面側にキックした染料が、接着層3Aにバックすることを抑制することができる。
ポリメチル(メタ)アクリレートを含有する接着層3Aとする場合において、接着層3Aの総質量に対するポリメチル(メタ)アクリレートの含有量は90質量%以上であることが好ましい。ポリメチル(メタ)アクリレートを好ましい範囲で含有する接着層3Aによれば、接着層3Aへのバックをさらに効果的に抑制することができる。
特に、一実施形態の熱転写シートは、上記保護層2自体が、高い耐光性と、高い耐擦過性を有していることから、表面層3としての接着層3Aに、耐光性を付与するための成分を含有せしめることなく、転写層10が転写された印画物に高い耐光性と、高い耐擦過性を付与することができる。なお、上記で説明した保護層2とは異なる保護層、換言すれば、第1形態の保護層2や、第2形態の保護層2の条件を満たさない保護層を採用した場合には、転写層10が転写された印画物の耐光性を向上させるために、接着層3Aに耐光性を向上させるための成分を含有させる必要があり、この場合には、接着層3Aに染料がバックすることを充分に抑制することができない。つまり、一実施形態の熱転写シートによれば、1つの層に、耐光性と、耐擦過性の双方の特性を付与することで、表面層3が含有する成分の選択の自由度を上げることができる。
一体型の熱転写シート100における、より好ましい形態の接着層3Aは、ガラス転移温度(Tg)が90℃以上、且つ重量平均分子量(Mw)が10000以上50000以下のポリメチル(メタ)アクリレートを含有している。より好ましい形態の接着層3Aによれば、バックの抑制機能のさらなる向上を図ることができる。なお、本願明細書で言うガラス転移温度(Tg)とは、JIS−K−7121(2012)に準拠し、DSC(示差走査熱量測定)による熱量変化の測定(DSC法)に基づき求められる温度を意味し、重量平均分子量(Mw)とは、JIS−K−7252−1(2008)に準拠し、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算値を意味する。
一体型の熱転写シート100における、より好ましい形態の接着層3Aは、バックの抑制機能を低下させない範囲で、ポリメチル(メタ)アクリレートとともに、紫外線吸収剤を含有している。紫外線吸収剤の好ましい含有量は、接着層3Aの総質量に対し10質量%以下である。より好ましい形態の接着層3Aによれば、上記保特徴の保護層2との相乗効果により、耐光性のさらなる向上を図ることができる。
上記で説明した好ましい形態の接着層3Aは、熱転写シート100が染料層を有する一体型の熱転写シートである場合における好ましい実施形態であり、染料層を有しない熱転写シート(図3参照)においては、キック自体が生じないことから、従来公知の接着層を適宜選択して用いることができる。
接着層3Aの形成方法について特に限定はなく、上記で例示した成分、例えば、ポリメチル(メタ)アクリレートや、紫外線吸収剤等を適当な溶媒に分散、或いは溶解した接着層用塗工液を、保護層2、或いは保護層2上に設けられる任意の層上に塗布・乾燥して形成することができる。接着層3Aの厚みについて特に限定はないが、0.4μm以上であることが好ましく、0.8μm以上であることがより好ましい。
一体型の熱転写シート100とする場合における染料層7としては、熱転写シートの分野で従来公知の染料層を適宜選択して用いることができる。染料層は、昇華性染料を含む染料層であってもよく、熱溶融インキを含む染料層であってもよい。また、図示する形態では、基材1の同一面上に、転写層10と単一の染料層が設けられた構成を呈しているが、複数の染料層、例えば、イエロー染料層、マゼンタ染料層、シアン染料層、必要に応じてブラック染料層等が面順次に設けられた構成とすることもできる。
<受容層>
表面層3の一形態である受容層3Bについて特に限定はなく、中間転写媒体の分野で従来公知の受容層を適宜選択して用いることができる。受容層3Bに含まれる成分について限定はなく、昇華性染料や、熱溶融性インキ等の熱移行性の色材を受容し易い従来公知の樹脂材料を使用することができる。このような樹脂材料としては、例えば、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニルもしくはポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化樹脂、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体もしくはポリアクリル酸エステル等のビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレートもしくはポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンもしくはプロピレン等のオレフィンと他のビニルポリマーとの共重合体系樹脂、アイオノマーもしくはセルロースジアスターゼ等のセルロース系樹脂、ポリカーボネート等が挙げることができる。
転写層10が転写される被転写体150側に、受容層3Bと被転写体150との密着性を図るための対策が図られている場合には、受容層3B自体は接着性を有していることを必要としないが、受容層3B自体に接着性を付与する場合には、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体などの接着性を有する樹脂材料を用いて受容層3Bを形成することが好ましい。
受容層3Bの形成方法について特に限定はなく、上記で例示した成分を適当な溶媒に分散、或いは溶解した受容層用塗工液を、保護層2、或いは保護層2上に設けられる任意の層上に塗布・乾燥して形成することができる。受容層3Bの厚みについて特に限定はないが、一般的に1μm以上10μm以下の範囲である。
(被転写体)
上記で説明した熱転写シート100の転写層10が転写される被転写体としては、例えば、熱転写受像シート、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、天燃繊維紙、コート紙、トレーシングペーパー、ガラス、金属、セラミックス、木材、布等を挙げることができる。
上記では、基材1側から保護層2、表面層3(接着層3A、又は受容層3B)がこの順で積層されてなる2層構成の転写層10を中心に説明を行ったが、保護層2と表面層3との間に、他の任意の層を設けることもできる。なお、上記のとおり、本発明では、保護層2に、耐光性と耐擦過性の双方が付与されていることから、保護層2と表面層3との間に他の任意の層を設けることなく、転写層10が転写された印画物に充分な耐光性と耐擦過性を付与することができ、保護層2と表面層3との間に他の任意の層を設けることを特に要しない。
(離型層)
図1〜図4に示す形態の熱転写シートにおいて、基材1と転写層10との間に、離型層(図示しない)を設けることもできる。離型層を設けることで、転写層10の転写時における基材1からの転写層10の剥離性の向上を見込むことができる。なお、離型層は、転写層10を構成しない層であり、一実施形態の熱転写シート100における任意の構成である。
離型層に含まれる成分について特に限定はなく、従来公知の離型性に優れた樹脂がいずれも使用でき、例えば、ワックス類、シリコーンワックス、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、フッ素樹脂、フッ素変性樹脂、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、熱架橋性エポキシ−アミノ樹脂および熱架橋性アルキッド−アミノ樹脂等を挙げることができる。これらの離型性樹脂は単独でも混合物としても使用できる。また離型層は、離型性に優れた樹脂に加え、イソシアネート化合物等の架橋剤、錫系触媒、アルミニウム系触媒等の触媒を併用して形成することもできる。離型層の厚みは、0.5μm以上5μm以下の範囲が一般的である。
(染料プライマー層)
また、図2、図3に示す一体型の熱転写シートにおいて、基材1と染料層7との間に、染料プライマー層(図示しない)を設けることもできる。染料プライマー層に含まれる成分について特に限定はなく、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ヒドロキシエチルセルロース、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセトアセタールやポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール系樹脂等を挙げることができる。
また、染料プライマー層は、コロイド状無機顔料超微粒子を含有しいていてもよい。コロイド状無機顔料超微粒子としては、例えば、シリカ(コロイダルシリカ)、アルミナ或はアルミナ水和物(アルミナゾル、コロイダルアルミナ、カチオン性アルミニウム酸化物又はその水和物、擬ベーマイト等)、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン等が挙げられる。特に、コロイダルシリカ、アルミナゾルが好ましく用いられる。これらのコロイド状無機顔料超微粒子の大きさは、一次平均粒径で100nm以下、好ましくは50nm以下で用いることが好ましい。
(背面層)
また、基材1の他方の面に、転写層10を転写する際におけるサーマルヘッドの走行性等を向上させるための背面層(図示しない)を設けてもよい。なお、背面層は一実施形態の熱転写シートにおける任意の構成である。
背面層は、従来公知の熱可塑性樹脂等を適宜選択して形成することができる。このような、熱可塑性樹脂として、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルクロリド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂等のポリビニルアセタール樹脂等の熱可塑性樹脂、これらのシリコーン変性物等が挙げられる。中でも、耐熱性等の点から、ポリアミドイミド系樹脂又はそのシリコーン変性物等を好ましく用いることができる。また、これらの樹脂は、硬化剤によって硬化されたものであってもよい。硬化剤としては、例えば、イソシアネート系硬化剤などを挙げることができる。
また、背面層には、上記熱可塑性樹脂に加え、スリップ性を向上させる目的で、ワックス、高級脂肪酸アミド、リン酸エステル化合物、金属石鹸、シリコーンオイル、界面活性剤等の離型剤、フッ素樹脂等の有機粉末、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウム等の無機粒子等の各種添加材が含有されていることが好ましく、リン酸エステル又は金属石鹸の少なくとも1種が含有されていることが特に好ましい。
背面層は、例えば、上記熱可塑性樹脂、必要に応じて添加される各種添加材を適当な溶媒に分散又は溶解させた背面層用塗工液を、基材1の他方の面上に、塗布・乾燥して形成することができる。背面層の厚みは、耐熱性等の向上等の点から、0.1μm以上5μm以下の範囲が好ましく、0.3μm以上2μm以下の範囲がより好ましい。
次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。以下、特に断りのない限り、部または%は質量基準である。共重合体の比率は、共重合比率(モル比)を意味する。なお、以下の各保護層用塗工液に含まれる共重合体をなす紫外線吸収剤は、いずれも、紫外線吸収剤(RUVA−93 大塚化学(株))である。
(実施例1)
基材として厚さ5μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、この基材の一方の面に下記組成の保護層用塗工液1を、乾燥時の厚みが1μmとなるように塗布・乾燥して保護層を形成した。次いで、保護層上に下記組成の接着層用塗工液1を、乾燥時の厚みが1μmとなるように塗布・乾燥して接着層を形成した。また、基材の他方の面に下記組成の背面層用塗工液を、乾燥時の厚みが0.5μmとなるように塗布・乾燥して背面層を形成することで、基材の一方の面に、保護層、接着層がこの順で積層されてなる転写層が設けられ、基材の他方の面に背面層が設けられた実施例1の熱転写シートを得た。
<保護層用塗工液1>
・メタクリル酸(MAA)と紫外線吸収剤との共重合体(比率50:50) 20部
(重量平均分子量Mw:27000)
・メチルエチルケトン 67部
・トルエン 13部
<接着層用塗工液1>
・ポリメチルメタクリレート(PMMA) 20部
(BR−83 三菱レイヨン(株))
・メチルエチルケトン 67部
・トルエン 13部
<背面層用塗工液>
・ポリビニルブチラール樹脂 2.5部
(エスレック(登録商標)BX−1 積水化学工業(株))
・リン酸エステル系界面活性剤 1.2部
(プライサーフ(登録商標)A208N 第一工業製薬(株))
・タルク 0.4部
(ミクロエース(登録商標)P−3 日本タルク工業(株))
・ポリイソシアネート(固形分75%) 5.1部
(バーノック(登録商標)D750、大日本インキ化学工業(株))
・メチルエチルケトン 45.4部
・トルエン 45.4部
(実施例2)
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液2に変更して保護層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして実施例2の熱転写シートを得た。
<保護層用塗工液2>
・下式(2)の重合成分と紫外線吸収剤との共重合体(比率50:50) 20部
(重量平均分子量Mw:27000)
・メチルエチルケトン 67部
・トルエン 13部
Figure 2018167567
(実施例3)
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液3に変更して保護層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして実施例3の熱転写シートを得た。
<保護層用塗工液3>
・下式(3)の重合成分と紫外線吸収剤との共重合体(比率50:50) 20部
(重量平均分子量Mw:27000)
・メチルエチルケトン 67部
・トルエン 13部
Figure 2018167567
(実施例4)
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液4に変更して保護層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして実施例4の熱転写シートを得た。
<保護層用塗工液4>
・下式(4)の重合成分と紫外線吸収剤との共重合体(比率50:50) 20部
(重量平均分子量Mw:27000)
・メチルエチルケトン 67部
・トルエン 13部
Figure 2018167567
(実施例5)
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液5に変更して保護層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして実施例5の熱転写シートを得た。
<保護層用塗工液5>
・メタクリル酸(MAA)と紫外線吸収剤との共重合体(比率50:50) 18部
(重量平均分子量Mw:27000)
・紫外線吸収剤 2部
(TINUVIN(登録商標)928 BASF社)
・メチルエチルケトン 67部
・トルエン 13部
(実施例6)
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液6に変更して保護層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして実施例6の熱転写シートを得た。
<保護層用塗工液6>
・メタクリル酸(MAA)と紫外線吸収剤との共重合体(比率50:50) 18部
(重量平均分子量Mw:27000)
・タルク 2部
(ミクロエース(登録商標)P−3 日本タルク(株))
・メチルエチルケトン 67部
・トルエン 13部
(実施例7)
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液7に変更して保護層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして実施例7の熱転写シートを得た。
<保護層用塗工液7>
・メタクリル酸(MAA)と紫外線吸収剤との共重合体(比率50:50) 18部
(重量平均分子量Mw:27000)
・ステアリン酸エステル 2部
(SZ−PF 堺化学工業(株))
・メチルエチルケトン 67部
・トルエン 13部
(実施例8)
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液8に変更して保護層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして実施例8の熱転写シートを得た。
<保護層用塗工液8>
・メタクリル酸(MAA)の単独重合体(重量平均分子量Mw:26000)12部
・紫外線吸収剤 8部
(TINUVIN(登録商標)928 BASF社)
・メチルエチルケトン 67部
・トルエン 13部
(実施例9)
接着層用塗工液1を下記組成の接着層用塗工液2に変更して接着層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして実施例9の熱転写シートを得た。
<接着層用塗工液2>
・ポリメチルメタクリレート(PMMA) 18部
(BR−83 三菱レイヨン(株))
・紫外線吸収剤 2部
(TINUVIN(登録商標)928 BASF社)
・メチルエチルケトン 67部
・トルエン 13部
(実施例10)
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液9に変更して保護層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして実施例9の熱転写シートを得た。
<保護層用塗工液9>
・上式(2)の重合成分の単独重合体(重量平均分子量Mw:28000) 18部
・紫外線吸収剤 2部
(TINUVIN(登録商標)928 BASF社)
・メチルエチルケトン 67部
・トルエン 13部
(実施例11)
接着層用塗工液1を下記組成の接着層用塗工液3に変更して接着層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして実施例11の熱転写シートを得た。
<接着層用塗工液3>
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 18部
(ソルバイン(登録商標)CNL 日信化学工業(株))
・紫外線吸収剤 2部
(TINUVIN(登録商標)928 BASF社)
・メチルエチルケトン 67部
・トルエン 13部
(実施例12)
接着層用塗工液1を下記組成の接着層用塗工液4に変更して接着層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして実施例12の熱転写シートを得た。
<接着層用塗工液4>
・ポリメチルメタクリレート(PMMA) 16部
(BR−83 三菱レイヨン(株))
・紫外線吸収剤 4部
(TINUVIN(登録商標)928 BASF社)
・メチルエチルケトン 67部
・トルエン 13部
(実施例13)
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液10に変更して保護層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして実施例13の熱転写シートを得た。
<保護層用塗工液10>
・メタクリル酸(MAA)と紫外線吸収剤との共重合体(比率90:10) 20部
(重量平均分子量Mw:23000)
・メチルエチルケトン 67部
・トルエン 13部
(実施例14)
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液11に変更して保護層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして実施例14の熱転写シートを得た。
<保護層用塗工液11>
・メタクリル酸(MAA)の単独重合体(重量平均分子量Mw:26000)16部
・紫外線吸収剤 4部
(TINUVIN(登録商標)928 BASF社)
・メチルエチルケトン 67部
・トルエン 13部
(実施例15)
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液12に変更して保護層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして実施例15の熱転写シートを得た。
<保護層用塗工液12>
・メタクリル酸(MAA)の単独重合体(重量平均分子量Mw:26000)18部
・紫外線吸収剤 2部
(TINUVIN(登録商標)460 BASF社)
・メチルエチルケトン 67部
・トルエン 13部
(実施例16)
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液13に変更して保護層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして実施例16の熱転写シートを得た。
<保護層用塗工液13>
・メタクリル酸(MAA)とスチレンとの共重合体(比率50:50) 18部
(重量平均分子量Mw:29000)
・紫外線吸収剤 2部
(TINUVIN(登録商標)928 BASF社)
・メチルエチルケトン 67部
・トルエン 13部
(比較例1)
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液Aに変更して保護層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして比較例1の熱転写シートを得た。
<保護層用塗工液A>
・下式(5)の重合成分と紫外線吸収剤との共重合体(比率50:50) 20部
(重量平均分子量Mw:27000)
・メチルエチルケトン 67部
・トルエン 13部
Figure 2018167567
(比較例2)
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液Bに変更して保護層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして比較例2の熱転写シートを得た。
<保護層用塗工液B>
・上式(5)の重合成分の単独重合体(重量平均分子量Mw:27000) 18部
・紫外線吸収剤 2部
(TINUVIN(登録商標)928 BASF社)
・メチルエチルケトン 67部
・トルエン 13部
(比較例3)
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液Cに変更して保護層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして比較例3の熱転写シートを得た。
<保護層用塗工液C>
・メタクリル酸(MAA)の単独重合体(重量平均分子量Mw:26000)20部
・メチルエチルケトン 67部
・トルエン 13部
(比較例4)
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液Dに変更して保護層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして比較例4の熱転写シートを得た。
<保護層用塗工液D>
・メチルメタクリレートと紫外線吸収剤の共重合体(比率50:50) 20部
(重量平均分子量Mw:27000)
・メチルエチルケトン 67部
・トルエン 13部
(比較例5)
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液Eに変更して保護層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして比較例5の熱転写シートを得た。
<保護層用塗工液E>
・メチルメタクリレートと紫外線吸収剤の共重合体(比率50:50) 18部
(重量平均分子量Mw:27000)
・タルク 2部
(ミクロエース(登録商標)P−3 日本タルク(株))
・メチルエチルケトン 67部
・トルエン 13部
(比較例6)
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液Fに変更して保護層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして比較例6の熱転写シートを得た。
<保護層用塗工液F>
・ポリメチルメタクリレート(PMMA) 20部
(重量平均分子量Mw:29000)
・メチルエチルケトン 67部
・トルエン 13部
(比較例7)
保護層用塗工液1を下記組成の保護層用塗工液Gに変更して保護層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして比較例7の熱転写シートを得た。
<保護層用塗工液G>
・ポリメチルメタクリレート(PMMA) 18部
(重量平均分子量Mw:29000)
・紫外線吸収剤 2部
(TINUVIN(登録商標)928 BASF社)
・メチルエチルケトン 67部
・トルエン 13部
(耐光性評価)
昇華型転写プリンタ(DS40 (株)DNPフォトイメージングジャパン)と、該プリンタの純正リボンを用い、被転写体である純正受像紙上に、Ye(イエロー),Mg(マゼンタ),Cy(シアン),Bk(ブラック)のステップ画像を印画した。次いで、各実施例、及び比較例の熱転写シートを用い、同一プリンタにより、上記画像上に転写層を転写し、各実施例、及び比較例の印画物を得た。各実施例、及び比較例の印画物に対し、JEITA CP−3901に準拠する耐光性試験を実施し、算出された寿命年齢に基づいて耐光性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
[評価基準]
A:寿命年齢が5年以上である。
B:寿命年齢が3年以上5年未満である。
C:寿命年齢が1年以上3年未満である。
NG:寿命年齢が1年未満である。
(耐擦過性評価)
昇華型転写プリンタ(DS40 (株)DNPフォトイメージングジャパン)と、該プリンタの純正リボンを用い、被転写体である純正受像紙上の右半面に黒ベタ画像を印画した。次いで、各実施例、及び比較例の熱転写シートを用い、同一プリンタにより、上記画像上に転写層を転写し、各実施例、及び比較例の印画物を得た。この印画物を2cm幅に切りだし、該印画物上に試験布(かなきん3号)を介して300gの重りを置き10往復させたときの表面状態を目視で確認し、以下の評価基準により擦過性評価を行った。評価結果を表1に示す。
[評価基準]
A:転写層の表面状態に殆ど変化がない。
B:転写層は残っているが、キズがついている。
NG:転写層が剥がれている。
(保存性評価(バック評価))
昇華型転写プリンタ(DS40 (株)DNPイメージングジャパン)の純正リボンのマゼンタ部分と、背面層とを対向させ、20kg/cm2荷重をかけて、40℃、相対湿度90%環境下で96時間保管し、各実施例の熱転写シートの背面層に染料を移行(キック)させた。なお、染料のキックに用いた背面層は、上記各実施例の熱転写シートの背面層と同一組成のものを用いた。
上記方法にて染料をキックさせた背面層と、各実施例及び比較例の熱転写シートの接着層とを重ね合わせ、定荷重圧縮試験機((株)東洋精機製作所)を用いて、20kg/cm2の荷重をかけ、60℃、相対湿度20%の環境下で24時間保管し、強制的に染料を再移行(バック)させた。その後、染料が再移行(バック)した接着層と昇華型転写プリンタ(DS40 (株)DNPイメージングジャパン)の純正受像紙の受像面とを重ね合わせ、ラミネート試験機(ラミパッカーLPD2305PRO、フジプラ(株))を用いて、処理温度が110℃、処理速度が1m/分にて転写層の転写を行った。次いで、受像紙から転写層を剥がし、転写部の色相を、Spectrolino(D65光源、視野角2°)(X−Rite社)を用いて測定し、下記基準に基づき評価した。なお、保存性(バック)評価は、実施例の熱転写シートについてのみ行った。評価結果を表1に併せて示す。
(色差計算式)
ΔE*=((対向前後のL*値の差)2+(対向前後のa*値の差)2+(対向前後のb*値の差)21/2
なお、L***は、CIE1976、L***表色系(JIS−Z−8729(1980))に規定されているL***を意味する。
(評価基準)
A:未保存の転写層を転写した転写物と、バックさせた転写層を転写した転写物の色差ΔE*が0.8未満である。
B:未保存の転写層を転写した転写物と、バックさせた転写層を転写した転写物の色差ΔE*が0.8以上1.6未満である。
C:未保存の転写層を転写した転写物と、バックさせた転写層を転写した転写物の色差ΔE*が1.6以上3.2未満である。
NG:未保存の転写層を転写した転写物と、バックさせた転写層を転写した転写物の色差ΔE*が3.2以上である。
Figure 2018167567
1…基材
2…保護層
3…表面層
3A…接着層
3B…受容層
7…染料層
10…転写層
100…熱転写シート
100A…保護層転写シート
100B…中間転写媒体
150…被転写体
200…画像形成物
300…印画物

Claims (6)

  1. 基材の一方の面上に、転写層が設けられた熱転写シートであって、
    前記転写層は、前記基材側から、保護層、表面層がこの順で積層されてなる積層構成を呈しており、
    前記保護層が、(メタ)アクリル酸、及び下式(1)で示される重合成分を含む群の中から選択される少なくとも1種と、紫外線吸収剤との共重合体を含有していることを特徴とする熱転写シート。
    Figure 2018167567
    (R1は炭素数が1〜3のアルキレン基である)
  2. 基材の一方の面上に、転写層が設けられた熱転写シートであって、
    前記転写層は、前記基材側から、保護層、表面層がこの順で積層されてなる積層構成を呈しており、
    前記保護層が、(メタ)アクリル酸の重合体、及び下式(1)で示される重合成分の重合体を含む群の中から選択される少なくとも1種と、紫外線吸収剤を含有していることを特徴とする熱転写シート。
    Figure 2018167567
    (R1は炭素数が1〜3のアルキレン基である)
  3. 前記表面層が、接着層であることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱転写シート。
  4. 前記接着層が、ポリメチル(メタ)アクリレートを、当該接着層の総質量に対して90質量%以上含有していることを特徴とする請求項3に記載の熱転写シート。
  5. 前記表面層が、受容層であることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱転写シート。
  6. 前記基材の一方の面上に、前記転写層と染料層とが面順次に設けられていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の熱転写シート。
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