JP5904247B2 - 保護層転写シート - Google Patents
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Description
また、一実施形態の発明は、基材の一方の面に、転写性保護層が設けられた保護層転写シートであって、前記転写性保護層を構成する層のうち、前記基材から最も近い位置にある保護層は、ガラス転移温度(Tg)が100℃以上のアクリル系樹脂、及びタルクを含有していることを特徴とする。
以下に、本発明の保護層転写シート100について詳細に説明する。図1、図2は、本発明の保護層転写シートの一例を示す概略断面図であり、図1に示す形態では、転写性保護層10は、保護層2のみからなる単層構成を呈しており、図2に示す形態では、転写性保護層10は、保護層2、プライマー層3、接着層4がこの順で積層されてなる積層構成を呈している。また、図1、図2では、基材1の他方の面に任意の背面層5が設けられている。基材1、及び転写性保護層10は、本発明の保護層転写シート100における必須の構成である。以下、本発明の保護層転写シート100の各構成について具体的に説明する。
基材1は本発明の保護層転写シート100における必須の構成であり、転写性保護層10、或いは、基材1と転写性保護層10との間に設けられる任意の層や、基材の他方の面上に任意に設けられる背面層5を保持するために設けられる。基材1の材料については特に限定されないが、転写性保護層10を受容層上に熱転写する際に加えられる熱に耐え、取り扱い上支障のない機械的特性を有することが望ましい。このような基材1として、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、セルロース誘導体、ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン・エチレン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド等の各種プラスチックフィルムまたはシートを挙げることができる。また、基材1の厚さは、その強度及び耐熱性が適切になるように材料に応じて適宜設定することができ、2.5〜100μm程度が一般的である。
図1に示すように、基材1の一方の面上には転写性保護層10が設けられている。転写性保護層10は本発明の保護層転写シート100における必須の構成であり、必須の層として保護層2を含んでいる。なお、転写性保護層10は、図1に示すように必須の保護層2のみからなる単層構成を呈していてもよく、図2に示すように、基材1から最も近い層が保護層2となるように、保護層2を含む2つ以上の層が積層されてなる積層構成を呈していてもよい。
本発明の保護層転写シート100は、転写性保護層10を構成する保護層2が、ガラス転移温度(Tg)が100℃以上のアクリル系樹脂と、タルクとを含有していることを特徴とする。この特徴を有する本発明の保護層転写シートによれば、保護層2に極めて良好な耐キズ性を付与することができる。これにより、転写性保護層10を転写後の印画物に極めて良好な耐キズ性を付与することができる。具体的には、転写性保護層10が転写された後の印画物がプリンタの搬送経路を通って排出されるまでの間や、転写性保護層10が転写された印画物を過酷な状況に晒した場合において、印画物の表面にキズがつくことを防止することができる。
保護層2には、必須の成分としてアクリル系樹脂が含有されている。本願明細書で言うアクリル系樹脂は、アクリル酸、又はメタクリル酸のモノマーの重合体、或いはその誘導体、アクリル酸エステル、又はメタクリル酸エステルのモノマーの重合体、或いはその誘導体、アクリル酸、又はメタクリル酸のモノマーと他のモノマーとの共重合体、或いはその誘導体、アクリル酸エステル、又はメタクリル酸エステルのモノマーと他のモノマーとの共重合体、或いはその誘導体を含むものである。
本発明の保護層転写シート100は、転写性保護層10を構成する保護層2が、上記ガラス転移温度(Tg)が100℃以上のアクリル系樹脂とともに、タルクを含有していることを必須の条件としている。
より向上させることができる。なお、タルクの比表面積は、BET法で測定される値である。
保護層2は、ガラス転移温度(Tg)が100℃以上のアクリル系樹脂、タルクとともに、他の任意の成分を含有していてもよい。例えば、ガラス転移温度(Tg)が100℃未満のアクリル系樹脂、アクリル系樹脂以外の樹脂成分、各種のシリコーンオイル、ポリエチレンワックス、ステアリン酸亜鉛、ステアリルリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウムなどの金属石鹸類、脂肪酸アミド、ポリエチレンワックス、カルナバワックス、パラフィンワックス等の離型剤、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾエート系、トリアジン系、酸化チタン、酸化亜鉛などの公知の紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系、Niキレート系などの光安定剤、ヒンダードフェノール系、硫黄系、リン系、ラクトン系などの酸化防止剤等を挙げることができる。これらの任意の成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いることもできる。
リン酸エステルとは、有機リン化合物のうち、リン酸とアルコールが脱水縮合したエステルを意味する。リン酸エステルとしては、例えば、(1)炭素数6〜20の飽和又は不飽和高級アルコールのリン酸モノエステル又はジエステル、(2)ポリオキシアルキレンアルキルエーテル又はポリオキシアルキレンアルキルアリルエーテルのリン酸モノエステル又はジエステル、(3)上記飽和又は不飽和高級アルコールのアルキレンオキシド付加物(平均付加モル数1〜8)のリン酸モノエステル又はジエステル、(4)炭素数8〜12のアルキル基を有するアルキルフェノール又はアルキルナフトールのリン酸モノエステル又はジエステル等が挙げられる。上記(1)及び(3)における飽和又は不飽和高級アルコールとしては、例えば、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール等が挙げられる。上記(3)におけるアルキルフェノールとしては、ノニルフェノール、ドデシルフェノール、ジフェニルフェノール等が挙げられる。本発明の塗工液は、1種のリン酸エステルのみを含有していてもよく、2種以上のリン酸エステルを含有していてもよい。
オレフィン・マレイン酸共重合体とは、オレフィンモノマーと、マレイン酸モノマーとの共重合体である。オレフィン・マレイン酸共重合体は、ランダム共重合体、ブロック重合体、グラフト共重合体等のいずれであってもよい。さらに、オレフィン・マレイン酸共重合体には、オレフィンモノマー、マレイン酸モノマーに加え、別のモノマーや、置換基若しくは置換団等が含まれていてもよい。
アミノポリエーテル変性シリコーンオイルとは、ポリシロキサンに、アミノ基、及びポリエーテル基を導入したシリコーンオイルである。アミノポリエーテル変性シリコーンオイルは、ポリシロキサンの片末端にアミノ基を、別の片末端にポリエーテル基を導入した両末端型シリコーンオイルであってもよく、ポリシロキサンの側鎖に、アミノ基、及びポリエーテル基を導入した側鎖型シリコーンオイルであってもよい。またこれ以外の形態をとるものであってもよい。
図2に示すように、保護層2上に、接着層4を設けてもよい。接着層4は、転写性保護層10を構成する任意の層であり、「ヒートシール層」と称される場合もある。
図2に示すように、保護層2と接着層4との間に、プライマー層3を設けてもよい。プライマー層3は、転写性保護層10を構成する任意の層である。プライマー層を設けることで、保護層2と接着層4との密着性を良好なものとすることができる。プライマー層の材料としては、ポリエステル系樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ヒドロキシエチルセルロース、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセトアセタールやポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール系樹脂等が挙げられる。
また、保護層2と接着層4との間に耐可塑剤性層(図示しない)を設けてもよい。耐可塑剤性層を設けることで、転写性保護層10が転写された印画物により優れた耐可塑剤性を付与することができる。耐可塑剤性層としては、可塑剤成分を弾く材料や、可塑剤成分が受容層に形成された熱転写画像に到達しにくい材料を好ましく使用することができる。可塑剤成分を弾く材料としては、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等を挙げることができる。可塑剤成分が熱転写画像に到達しにくい材料としては、カチオン性のウレタンエマルジョン等のカチオン性樹脂を挙げることができる。これらの材料は単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いることもできる。
図1、図2に示すように、基材1の保護層2が設けられている面とは異なる面上に、耐熱性、及び印画時におけるサーマルヘッドの走行性等を向上させるための背面層5を設けてもよい。なお、背面層5は本発明の保護層転写シート10における任意の構成である。
基材として厚さ5μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、この基材の一方の面に下記組成の保護層用塗工液1を乾燥時塗布量が1.0g/m2になるように塗布し保護層を形成した。次いで、保護層上に下記組成のプライマー層用塗工液を乾燥時塗布量が0.1g/m2になるように塗布しプライマー層を形成した。次いで、プライマー層上に下記組成の接着層用塗工液を乾燥時塗布量が1.0g/m2になるように塗布し接着層を形成した。また、基材の他方の面に下記組成の背面層用塗工液を乾燥時塗布量が0.5g/m2になるように塗布し背面層を形成することで、実施例1の保護層転写シートを得た。
・アクリル系樹脂(Tg:105℃) 100部
(BR−87 三菱レイヨン(株))
・タルク(比表面積:8m2/g) 2部
(P−3 日本タルク(株))
・メチルエチルケトン 306部
・アルミナゾル(平均1次粒子径10×100nm(固形分10%)) 30部
(アルミナゾル200 日産化学工業(株))
・ポリビニルピロリドン樹脂) 3部
(K−90 ISP社)
・水 50部
・イソプロピルアルコール 17部
・ポリエステル樹脂 20部
(バイロン200 東洋紡(株))
・紫外線吸収剤共重合樹脂 10部
(UVA−635L BASF社)
・メチルエチルケトン/トルエン(質量比1:1) 80部
・ポリビニルブチラール樹脂 13.6部
(エスレックBX−1 積水化学工業(株))
・ポリイソシアネート硬化剤 0.6部
(タケネートD218 武田薬品工業(株))
・リン酸エステル 0.8部
(プライサーフA208S 第一工業製薬(株))
・メチルエチルケトン 42.5部
・トルエン 42.5部
保護層用塗工液1にかえて、下記組成の保護層用塗工液2を使用した以外は、全て実施例1と同様にして実施例2の保護層転写シートを得た。
・アクリル系樹脂(Tg:105℃) 100部
(BR−87 三菱レイヨン(株))
・タルク(比表面積:8m2/g) 10部
(P−3 日本タルク(株))
・メチルエチルケトン 330部
保護層用塗工液1にかえて、下記組成の保護層用塗工液3を使用した以外は、全て実施例1と同様にして実施例3の保護層転写シートを得た。
・アクリル系樹脂(Tg:105℃) 100部
(BR−87 三菱レイヨン(株))
・タルク(比表面積:8m2/g) 3部
(P−3 日本タルク(株))
・分散剤 0.5部
(BYK−180 ビックケミー・ジャパン社 固形分81%)
・メチルエチルケトン 310部
保護層用塗工液1にかえて、下記組成の保護層用塗工液4を使用した以外は、全て実施例1と同様にして実施例4の保護層転写シートを得た。
・アクリル系樹脂(Tg:105℃) 60部
(BR−87 三菱レイヨン(株))
・スチレンアクリル樹脂(Tg:105℃) 40部
(BR−52 三菱レイヨン(株))
・タルク(比表面積:8m2/g) 3部
(P−3 日本タルク(株))
・分散剤 0.5部
(BYK−180 ビックケミー・ジャパン社)
・メチルエチルケトン 310部
保護層用塗工液1にかえて、下記組成の保護層用塗工液5を使用した以外は、全て実施例1と同様にして実施例5の保護層転写シートを得た。
・アクリル系樹脂(Tg:105℃) 90部
(BR−87 三菱レイヨン(株))
・スチレンアクリル樹脂(Tg:105℃) 10部
(BR−52 三菱レイヨン(株))
・タルク(比表面積:8m2/g) 3部
(P−3 日本タルク(株))
・分散剤 0.5部
(BYK−180 ビックケミー・ジャパン社)
・メチルエチルケトン 310部
保護層用塗工液1にかえて、下記組成の保護層用塗工液6を使用した以外は、全て実施例1と同様にして実施例6の保護層転写シートを得た。
・アクリル系樹脂(Tg:105℃) 95部
(BR−87 三菱レイヨン(株))
・スチレンアクリル樹脂(Tg:105℃) 5部
(BR−52 三菱レイヨン(株))
・タルク(比表面積:8m2/g) 3部
(P−3 日本タルク(株))
・分散剤 0.5部
(BYK−180 ビックケミー・ジャパン社)
・メチルエチルケトン 310部
保護層用塗工液1にかえて、下記組成の保護層用塗工液7を使用した以外は、全て実施例1と同様にして実施例7の保護層転写シートを得た。
・アクリル系樹脂(Tg:105℃) 60部
(BR−87 三菱レイヨン(株))
・スチレンアクリル樹脂(Tg:105℃) 40部
(BR−52 三菱レイヨン(株))
・タルク(比表面積:8m2/g) 15部
(P−3 日本タルク(株))
・分散剤 0.5部
(BYK−180 ビックケミー・ジャパン社)
・メチルエチルケトン 310部
保護層用塗工液1にかえて、下記組成の保護層用塗工液8を使用した以外は、全て実施例1と同様にして実施例8の保護層転写シートを得た。
・アクリル系樹脂(Tg:105℃) 100部
(BR−87 三菱レイヨン(株))
・タルク(比表面積:25m2/g) 3部
(SG100 日本タルク(株))
・メチルエチルケトン 309部
保護層用塗工液1にかえて、下記組成の保護層用塗工液9を使用した以外は、全て実施例1と同様にして実施例9の保護層転写シートを得た。
・アクリル系樹脂(Tg:105℃) 100部
(BR−87 三菱レイヨン(株))
・タルク(比表面積:8m2/g) 2部
(P−3 日本タルク(株))
・リン酸エステル 1部
(プライサーフA208N 第一工業製薬(株))
・メチルエチルケトン 206部
・トルエン 206部
保護層用塗工液1にかえて、保護層用塗工液9のリン酸エステル(A208N 第一工業製薬(株))1部を、リン酸エステル(GD−19R センカ(株))1部に変更した保護層用塗工液10を使用した以外は、全て実施例1と同様にして実施例10の保護層転写シートを得た。
保護層用塗工液1にかえて、保護層用塗工液9のリン酸エステル(A208N 第一工業製薬(株))1部を、オレフィン・マレイン酸共重合体(数平均分子量12000〜20000)(GD−70SR センカ(株))1部に変更した保護層用塗工液11を使用した以外は、全て実施例1と同様にして実施例11の保護層転写シートを得た。
保護層用塗工液1にかえて、保護層用塗工液9のリン酸エステル(A208N 第一工業製薬(株))1部を、アミノポリエーテル変性シリコーン(X−22−3939A 信越シリコーン(株))1部に変更した保護層用塗工液12を使用した以外は、全て実施例1と同様にして実施例12の保護層転写シートを得た。
保護層用塗工液1にかえて、下記組成の保護層用塗工液13を使用した以外は、全て実施例1と同様にして実施例13の保護層転写シートを得た。
・アクリル系樹脂(Tg:105℃) 60部
(BR−87 三菱レイヨン(株))
・スチレンアクリル樹脂(Tg:105℃) 40部
(BR−52 三菱レイヨン(株))
・タルク(比表面積:8m2/g) 3部
(P−3 日本タルク(株))
・リン酸エステル 1部
(プライサーフA208N 第一工業製薬(株))
・分散剤 0.5部
(BYK−180 ビックケミー・ジャパン社)
・メチルエチルケトン 310部
保護層用塗工液1にかえて、保護層用塗工液13のリン酸エステル(A208N 第一工業製薬(株))1部を、リン酸エステル(GD−19R センカ(株))1部に変更した保護層用塗工液14を使用した以外は、全て実施例1と同様にして実施例14の保護層転写シートを得た。
保護層用塗工液1にかえて、保護層用塗工液13のリン酸エステル(A208N 第一工業製薬(株))1部を、オレフィン・マレイン酸共重合体(数平均分子量12000〜20000)(GD−70SR センカ(株))1部に変更した保護層用塗工液15を使用した以外は、全て実施例1と同様にして実施例15の保護層転写シートを得た。
保護層用塗工液1にかえて、保護層用塗工液13のリン酸エステル(A208N 第一工業製薬(株))1部を、アミノポリエーテル変性シリコーン(X−22−3939A 信越シリコーン(株))1部に変更した保護層用塗工液16を使用した以外は、全て実施例1と同様にして実施例16の保護層転写シートを得た。
保護層用塗工液1にかえて、下記組成の保護層用塗工液Aを使用した以外は、全て実施例1と同様にして比較例1の保護層転写シートを得た。
・アクリル系樹脂(Tg:105℃) 100部
(BR−87 三菱レイヨン(株))
・メチルエチルケトン 310部
保護層用塗工液1にかえて、下記組成の保護層用塗工液Bを使用した以外は、全て実施例1と同様にして比較例2の保護層転写シートを得た。
・アクリル系樹脂(Tg:105℃) 100部
(BR−87 三菱レイヨン(株))
・シリコーン樹脂微粒子(比表面積:20m2/g) 3部
(トスパール145 モメンティブ・パフォーマスンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社)
・メチルエチルケトン 309部
保護層用塗工液1にかえて、下記組成の保護層用塗工液Cを使用した以外は、全て実施例1と同様にして比較例3の保護層転写シートを得た。
・アクリル系樹脂(Tg:75℃) 100部
(BR−60 三菱レイヨン(株))
・タルク(比表面積:8m2/g) 3部
(P−3 日本タルク(株))
・メチルエチルケトン 309部
保護層用塗工液1にかえて、下記組成の保護層用塗工液Dを使用した以外は、全て実施例1と同様にして比較例4の保護層転写シートを得た。
・フェノキシ系樹脂(Tg:84℃) 100部
(PKHB InChem社)
・タルク(比表面積:8m2/g) 3部
(P−3 日本タルク(株))
・メチルエチルケトン 309部
下記の方法で作成した熱転写受像シートの受容層上に、下記記載のサーマルプリンタ1を用いて、イエロー、マゼンタ、シアンの染料からなる黒ベタ画像を印画し、印画物を得た。イエロー、マゼンタ、シアンの染料としては、下記の方法で作成した熱転写シートを用いた。
多孔質ポリエチレンフィルム(トヨパール−SS P4255 東洋紡績(株) 厚さ35μm)からなる多孔質フィルム層上に、下記組成の中間層用塗工液、受容層用塗工液をグラビアリバースコート方式で、順次塗布、乾燥して、中間層、受容層を形成した。その中間層、受容層の設けられた面と反対面の多孔質ポリエチレンフィルムに、下記組成の接着層用塗工液を用いて、グラビアリバースロールコート方式で塗布、乾燥して、接着層を形成し、RC原紙(155g/m2、厚さ151μm)(三菱製紙(株))と貼り合わせ熱転写受像シートを作製した。上記の各々の塗工量は、全て固形分で、中間層は1.5g/m2、受容層は5.0g/m2、接着層は5g/m2であった。
・ポリエステル樹脂 50部
(ポリエスターWR−905 日本合成化学工業(株))
・酸化チタン 20部
(TCA888 (株)トーケムプロダクツ)
・蛍光増白剤 1.2部
(ユビテックスBAC チバ・スペシャリティーケミカルズ(株))
・水/イソプロピルアルコール=1/1 28.8部
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 60部
(ソルバインC,日信化学工業(株))
・エポキシ変性シリコーン 1.2部
(X−22−3000T、信越化学工業(株))
・メチルスチル変性シリコーン 0.6部
(X−24−510,信越化学工業(株))
・メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 5部
・ウレタン樹脂 30部
(タケラックA−969V 三井武田ケミカル(株))
・イソシアネート 10部
(タケネートA−5 三井武田ケミカル(株))
・酢酸エチル 100部
基材として厚さ4.5μmの易接着処理済みポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、この上に、下記組成の耐熱滑性層用塗工液を乾燥時0.8g/m2になるように塗工し、耐熱滑性層を形成した。次いで、基材の他方の面に、イエロー染料層用塗工液、マゼンタ染料層用塗工液、シアン染料層用塗工液をそれぞれ、乾燥時塗工量が0.6g/m2となるように面順次に塗工して、染料層を形成し、熱転写シートを得た。
・ポリビニルアセタール樹脂 (水酸基価12質量%) 60.8部
(エスレックKS−1 積水化学工業(株))
・ポリイソシアネート (NCO=17.3質量%) 4.2部
(バーノックD750 大日本インキ化学工業(株))
・フィラー(ステアリルリン酸亜鉛) 10部
(LBT1830精製 堺化学工業(株))
・フィラー(ステアリン酸亜鉛) 10部
(SZ−PF 堺化学工業(株))
・フィラー(ポリエチレンワックス) 3部
(ポリワックス3000 東洋アドレ(株))
・フィラー(エトキシ化アルコール変性ワックス) 7部
(ユニトックス750 、東洋アドレ(株))
・トルエン 200部
・メチルエチルケトン 100部
・Disperse Yellow 201 4.0部
・ポリビニルアセタール樹脂 3.5部
(エスレックKS−5 積水化学工業(株))
・ポリエチレンワックス 0.1部
・メチルエチルケトン 45.0部
・トルエン 45.0部
・Disperse Red 60 1.5部
・Disperse Violet 26 2.0部
・ポリビニルアセタール樹脂 4.5部
(エスレックKS−5 積水化学工業(株))
・ポリエチレンワックス 0.1部
・メチルエチルケトン 45.0部
・トルエン 45.0部
・Solvent Blue 63 2.0部
・Disperse Blue 354 2.0部
・ポリビニルアセタール樹脂 3.5部
(エスレックKS−5 積水化学工業(株))
・ポリエチレンワックス 0.1部
・メチルエチルケトン 45.0部
・トルエン 45.0部
階調制御方式;1ライン周期を256に等分割したパルス長をもつ分割パルス数を0から255個まで可変できるマルチパルス方式
サーマルヘッド;KEE−57−12GAN2−STA(京セラ(株))
発熱体平均抵抗値;3303(Ω)
主走査方向印字密度;300dpi
副走査方向印字密度;300dpi
印画電圧;22.5(V)
1ライン周期;3.0(msec.)
印字開始温度;35(℃)
パルスデューティー;85%
各実施例、及び比較例の保護層転写シートを用い、上記印画物の形成で得られた印画物の受容層上に下記のサーマルプリンタ2を用いて保護層を含む転写性保護層を転写し、最表面に保護層が位置するように印画物上に転写性保護層が転写された各実施例、及び比較例の画像形成物を得た。
階調制御方式;1ライン周期を256に等分割したパルス長をもつ分割パルス数を0から255個まで可変できるマルチパルス方式
サーマルヘッド;KEE−57−12GAN2−STA(京セラ(株))
発熱体平均抵抗値;3303(Ω)
主走査方向印字密度;300dpi
副走査方向印字密度;300dpi
印画電圧;18(V)
1ライン周期;3.0(msec.)
印字開始温度;35(℃)
パルスデューティー;85%
上記で得られた各実施例、比較例の画像形成物の保護層面と、紙やすり(番手#1200)を重ね合わせ、その上から5g/cm2の荷重をかけた状態で、紙やすりを4000mm/minで引っ張り、その後の画像形成物の保護層の表面状態を目視で確認し、以下の評価基準に基づいて耐キズ性評価を行った。評価結果を表1に示す。
○・・・キズが目立たない。
△・・・細かいキズが入るが、使用上問題ないレベルである。
×・・・キズが目立つ。
可塑剤入り軟質塩化ビニルシート(三菱化学(株) アルトロン#480 厚み400μm)と画像形成物の保護層転写面を重ね合わせ、1kgの重りをのせた状態で50℃環境下に24時間保存し、可塑剤による印画物の画像の劣化状態を目視により観察し、下記基準で保護層の耐可塑剤性を評価した。耐可塑剤性の評価結果を表1に併せて示す。
○・・・可塑剤による画像のとられがない。
△・・・僅かに画像のとられがあるが使用上問題ないレベルである。
×・・・可塑剤による画像のとられが発生している。
上記保護層の転写によって得られた各実施例、比較例の画像形成物の光沢度を、Gloss Meter VG2000(日本電色社製)を用いて、反射角20°で測定し、以下の評価基準に基づいて光沢性の評価を行った。評価結果を表1に併せて示す。
◎・・・光沢度が50°以上である。
○・・・光沢度が40°以上50°未満である。
△・・・光沢度が35°以上40°未満である。
×・・・光沢度が35°未満である。
次に、「特定の離型剤」を含有している保護層の離型性を検証すべく、実施例9〜16の保護層転写シートについて、上記印画物の形成で得られた印画物の受容層上に下記のサーマルプリンタ3を用いて、印画電圧を16.6V→17.7V→18.9V→20.7Vと上昇させながら255/255階調の条件で保護層を転写し、受容層と保護層とが貼りつきを起こしたときの電圧を測定した。なお、16.6V以上の印画電圧をかけることで、マット調の外観を有する印画物を得ることができる。受容層と保護層とが貼りつきを起こした印画電圧値を表1に併せて示す。
階調制御方式;1ライン周期を256に等分割したパルス長をもつ分割パルス数を0から255個まで可変できるマルチパルス方式サーマルヘッド;KEE−57−12GAN2−STA(京セラ(株))
発熱体平均抵抗値;3303(Ω)
主走査方向印字密度;300dpi
副走査方向印字密度;300dpi
1ライン周期;3.0(msec.)
印字開始温度;35(℃)
パルスデューティー;85%
サーマルプリンタ3を用い、上記貼りつき評価と同様の印画条件において印画電圧を16.6Vとしたときに剥離音が生ずるか否かを確認し、下記の評価基準に基づいて剥離音の評価を行った。評価結果を表1に併せて示す。
○・・・剥離音の発生がない。
×・・・剥離音が発生した。
サーマルプリンタ3を用い、上記貼りつき評価と同様の印画条件において印画電圧を16.6Vとしたときに保護層の破断、受容層と保護層との貼りつきが生ずるかを目視にて確認し、下記の評価基準に基づいて貼りつき・破断評価を行った。評価結果を表1に併せて示す。
○・・・受容層と保護層との貼りつきがなく、保護層に破断が生じていない。
×・・・受容層と保護層との貼りつきが生じた。又は、保護層に破断が生じた。
◎・・・16.6Vでの剥離音の発生、保護層の貼りつき、破断が生じていない。
○・・・16.6Vでの剥離音の発生はあるが、保護層の貼りつき、破断が生じていない。
×・・・16.6Vでの剥離音の発生、保護層の貼りつき、破断の2つ以上が生じている。
1…基材
2…保護層
3…プライマー層
4…接着層
5…背面層
10…転写性保護層
Claims (3)
- 基材の一方の面に、転写性保護層が設けられた保護層転写シートであって、
前記転写性保護層を構成する層のうち、前記基材から最も近い位置にある保護層は、ガラス転移温度(Tg)が100℃以上のアクリル系樹脂、ガラス転移温度(Tg)が100℃以上の共重合体、及びタルクを含有しており、
前記ガラス転移温度(Tg)が100℃以上の共重合体が、メチルメタクリレートとスチレンモノマーとの共重合体であることを特徴とする保護層転写シート。 - 前記保護層は、当該保護層に含まれる樹脂成分の固形分総質量に対し、前記タルクを2質量%以上10質量%以下の範囲内で含有しており、
前記タルクの比表面積が10m2/g以下であることを特徴とする請求項1に記載の保護層転写シート。 - 前記保護層は、リン酸エステル、オレフィン・マレイン酸共重合体、アミノポリエーテル変性シリコーンオイルの群から選択される1種、又は2種以上を含有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の保護層転写シート。
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